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お兄ちゃんが好き。 part ?

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  • 1:

    お兄ちゃんが好き。part ?
    http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/1-5

    2005-06-13 03:45:00
  • 2:

    名無しさん

    ほう

    2005-06-13 03:46:00
  • 3:

    理加子は私服だった。あたしの顔を見ず、無言で病室の入口に立っている。
    『……典子に謝りたいから会わせてくれって』
    ママは、不機嫌そうにあたしに言った。
    『典子……あたし……』
    理加子の小さな声が、部屋に響いた。
    あたしは、兄貴に目をやった。兄貴は、何も言わない。けど……
    《忘れないんじゃないか?ちゃんと今、解決しないと―――》
    さっきの兄貴の言葉が、あたしの頭の中に響いた。
    『……ママ。理加子と二人きりにして』
    あたしの言葉に、ママの顔色が曇った。

    2005-06-13 03:49:00
  • 4:

    『…え…だけど…大丈夫なの?』
    『大丈夫だよ。お願い。』
    それでもママは心配なんだろう。…また二人きりになって、何か起こらないか……。中々、外に出ようとしない。―――その時、兄貴がママの背中を押した。
    『母さん。典子が大丈夫って言ってるんだから、俺らは外に出よう』
    …そう言って、ママを説得してくれた。
    『典子。何かあったら呼べよ。前のソファーに座ってるから。』
    そう言って、兄貴はママを連れ、部屋を出た。

    パタン…
    『……………………。』

    2005-06-13 03:50:00
  • 5:

    事情で、今日はここまで。

    2005-06-13 03:51:00
  • 6:

    名無しさん

    今日はたくさんありがとう?

    2005-06-13 03:53:00
  • 7:
    ?

    おつかれさま☆

    2005-06-13 03:55:00
  • 8:

    名無しさん

    前スレ1000のめめとかいう奴ここで感想書けば良かったんじゃないの。スレが1000いったらスレ消えるんじゃ?もし消えたらめめのせいだな

    2005-06-13 05:18:00
  • 9:

    8番さん、コピペして下さっている方、著者様、皆様、知らなかったもので。。。すみません。感想は話の途中でなるべく書かないでおこうと思い、きりよくパート1の最後に書き込ませていただいたのですが。。。すみませんでした。迷惑になるといけないので、もう書き込みません。失礼しました。

    2005-06-13 16:10:00
  • 10:

    名無しさん

    主さん今度はいつカキコミしますか?

    2005-06-13 16:18:00
  • 11:

    名無しさん

    >>9
    分かればいいよ
    そんな事言わないで書き込んでよ…

    2005-06-13 17:31:00
  • 12:

    >>8-9
    (今の仕様では)消えないじょ。だからキニスルナ-(・∀・)
    >>10
    今日は深夜まで無理っぽ(ノДT)先に睡眠とってちょ(;´Д`)10行投稿にするから、見にくいけど進みやすいじょ( ̄∀ ̄)v

    2005-06-13 18:22:00
  • 13:

    名無しさん

    あげ☆

    2005-06-13 23:24:00
  • 14:


    >>4より続き

    2005-06-14 02:57:00
  • 15:

    兄貴とママがいなくなって、あたしと理加子はお互いしばらく何も言わず、沈黙していた。
    理加子は、さっき、あたしに暴力を奮った時とは別人のように、大人しい。
    …いや。理加子は二重人格だ。いつキレるかわからない。
    兄貴の言葉がなかったら……兄貴が近くにいてくれてなかったら、顔を合わせて話すのも恐い。

    『……何?』
    あたしは冷たく理加子に言い捨てた。
    ……今更……謝られても……てゆーか、また何か企んでるんじゃ……?
    あたしの胸に不安がよぎる。

    2005-06-14 02:59:00
  • 16:

    『…今さら』

    理加子が口を開いた。
    『今さら…謝ったところで…信じて貰えないと思うけど………』
    理加子の声は酷く弱々しい。
    『ごめん…』
    ……騙されない。あんたは一体何回あたしに謝って、裏切った?
    『……でも、もう、終わりだから…』

    ………?どーゆー意味?

    2005-06-14 03:00:00
  • 17:

    『あたし、学校辞めるから…』
    『…………え?』

    ……辞める?
    『退学に、なったの?』
    あたしの問いに、理加子は首を横に振った。
    『…あたしの処分は…まだ決まってない。あたしから、辞めるの』
    理加子は、ゆっくりと、あたしに近づき、
    『本当に…ごめんなさい……ッ』
    ―――あたしに頭を下げた。

    2005-06-14 03:01:00
  • 18:

    ……なに……あたしは、目の前のコイツの何を信じたらいいわけ…?
    『……やめてよ。あんたが学校辞めようがあたしに謝ろうが、どーでもいーの。とにかく、もうあんたの顔なんて見たくない。あたしが言いたいのはそれだけだよ。さよなら』
    あたしは、それだけ言い放つと、理加子に背を向け、ベッドに寝そべった。

    『………………。』

    ……理加子は何も、言い返してこない。けど、去っていく気配もない。

    2005-06-14 03:03:00
  • 19:



    『………典子。あたしね。レイプされてからずっと…精神病院通ってたの』

    理加子は、限りなくか細い声で言った。

    『……安定剤飲まないと…自分の感情、自制きかなくて……前の学校でね、典子と同じように、暴力奮ってしまった子がいて…。その子、あたしの彼女だったんだ。別れたいってゆーから、ボコボコにした』

    2005-06-14 03:05:00
  • 20:

    『やっぱり男がいいって言われたの。…それで腹立って……腹立って……』
    あたしは、ゆっくりと理加子の方を向いた。理加子はきつく歯を食いしばっている。
    『あたしね、典子。精神科医の先生に言われたんだ。…同性を好きなのは、レイプされたショックからだって』
    理加子の目から、涙が零れた。

    『…あたしは、そうじゃないって思ってる。
     あたしは……。
     本当に典子が好きだった―――』

    2005-06-14 03:07:00
  • 21:

    『……理加子……』

    『でも、典子のゆーとーり。あたしは男のクズ以下だった。自分ばっかりが被害者ぶってた。ごめんね典子……。ごめん…』

    ……………………………理加子は。
    どうしようもなく弱い子なんだ。
    それがレイプされたショックかどうかは知らない。けど、さっき夢で見た何十人にもまわされる夢。
    あたしの中にも、理加子が住んでたのかもしれない。
    そう思うと、理加子が可愛そうに思えて仕方なかった。

    2005-06-14 03:09:00
  • 22:

    『さっきの、お兄さんだよね…?』
    『え…』
    『かっこいいじゃん。頑張ってね!』
    …そう言って、理加子は扉の方へ歩いた。
    『理加子!』
    なぜだろう。あたしは、理加子を呼び止めた。理加子は、振り返らずに、足を止めた。

    『………頑張るよ、あたし。血がつながってても、好きだから』

    あたしの言葉に、理加子はニッコリ微笑んで、そのまま病室を出ていった―――。

    2005-06-14 03:11:00
  • 23:

    ………………フゥ…………
    理加子が去った後、あたしは言いようもなく、力が抜けた。
    ………解決…したのかな……。……兄貴のゆーとーり、理加子と話して良かった……。

    そう思うと、涙がとめどなく流れた。
    『う……ッ―――』
    自分がレイプされた事。理加子がレイプされた事を考えて、あたしは泣いた。
    …もう……好きじゃない男と寝るのは、二度と嫌だ……。
    あたしはそう心に刻んだ。

    2005-06-14 03:12:00
  • 24:

     ヒヤッ

    『―――?きゃっ!』
    あたしの頬に、冷たい物体が当たった。
    『喉渇いただろ』
    いつの間に入ってきたのか、兄貴が冷たいコーヒーを持ってあたしの横にいた。
    『…ありがとう…』
    『母さんは、先に帰ってメシの用意してるってさ。帰るか』
    兄貴は、あたしの頭を撫でながら言った。
    『……その前に……タバコ吸いたい』

    2005-06-14 03:14:00
  • 25:

    あたしは、兄貴の服の裾を引っ張った。
    『だから未成年だろ、お前……』

    ………これからは………女として、兄貴の側にいれるんだよね……?
    あたしは、嬉しくて、嬉しくて、仕方なかった。

    ……そんな、人生は甘くないって、わかってたのに。


    2005-06-14 03:16:00
  • 26:










    2005-06-14 03:18:00
  • 27:

    『ただいまぁ』
    ――我が家に到着。
    家に入った瞬間、シチューの香りがした。
    ドカドカドカ
    2階から慌ただしく恭平が下りてきた。
    『ねーちゃんリンチされたんだって?!…うわっ!マジ、包帯だらけじゃん!』
    恭平はマジマジとあたしの全身を見た。
    『…大したことないって』
    あたしは、ハハッと苦笑いだけしておいた。
    『典子。圭吾。2階で着替えてきなさい。ご飯の支度できたから!』

    2005-06-14 03:19:00
  • 28:

    『はーい。ママ』
    あたしと兄貴は、恭平の質問攻めから逃れ、2階へ上がった。
    『……………。』
    部屋の前で、ふとあたしは緊張に襲われた。

    ……家族は、皆、あたしと兄貴が…、こんなことになったなんて、知らないもんなぁ…。
    兄貴とあたしだけの………秘密なんだよね。
    『あ……兄貴……』
    『ん?』
    あたしは部屋に入ろうとする兄貴を呼び止めた。

    2005-06-14 03:20:00
  • 29:

    『…あ…あたし…やっぱ、まだ信じられないよ…。…兄貴と…両想いだったなんて……』
    『もっかいキスでもすりゃ信じるか?』
    …………カァッ―――兄貴の言葉にあたしの顔が熱くなった。
    『……俺は、今までだいぶ自分の気持ちを押さえてきた。けど、今日弱ってるお前を見て、俺は男としてお前を守りたいと思った。だから、自分の気持ちを告げたんだ』
    ………兄貴の言葉があたしの心に響く。
    また泣きそうになる。

    『……うん』

    あたしは、満面の笑みで頷いた。

    2005-06-14 03:22:00
  • 30:


    『……あたし、兄貴の事が、好き。めちゃくちゃ好きだよ』

    あたしの言葉に、兄貴も微笑んだ。
    『あ…明後日、兄貴の学祭行くから!』
    そう言って、あたしは自分の部屋へ戻った。

    今日もまた、寝れそうにない……。

    2005-06-14 03:24:00
  • 31:

    『典子先輩おはようございまっす!』

    午前11:00。
    あたしの目の前に秋吉携碁が現れた。
    『……あんた……私服ハデすぎじゃない?』
    ピアスやらアクセやらじゃじゃら、かなりの腰パン、しかもスカジャン。ヤンキーかよ?!あたしは、秋吉のあまりのファッションセンスに突っ込んだ。
    『そーっスか?あ、典子先輩は私服のほーが大人っぽいっスね!』
    …ちょっと待って……こんな、ハデな奴と兄貴の学祭行くの?!あたしまで目立つじゃんか?!!
    ハァ―――ッ………
    あたしは溜め息をついた。今日は祭日。駅前はかなりの人ゴミだ。

    2005-06-14 03:25:00
  • 32:

    『俺らカップルに見えてたりして!』
    『やめてよ。本気で迷惑だから』
    あたしはなるべく秋吉から離れて歩いた。

    秋吉が、切符を買いに並ぶ中、あたしは兄貴の大学までの駅の数を数えていた。
    ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、ななつ、やっ………。
    『じゅ…じゅうに?!』
    そんなに長い間、こいつと電車に乗るわけ?!
    ハァァァ―――ッ……
    …あたしはさっきよりもデカイ溜め息をついた。

    2005-06-14 03:27:00
  • 33:

    プルルルルル―――
    『先輩早く!』
    『ちょ…!あたしヒールだから走れないってば!』
    あたしは秋吉に手を引っ張られながら電車に乗り込んだ。
    …と、同時にドアが閉まった。
    『間に合ったぁ〜ッ』
    あたしと秋吉は、安堵の息を漏らした。
    電車は満員で、かなりギュウギュウ詰め。よく見ると若い奴らが多い。

    2005-06-14 03:29:00
  • 34:

    『…こいつら、全部兄貴の学祭行くやつらッスかね?』
    秋吉が、あたしの耳元で囁いた。
    『ちょっと。耳元でしゃべらないでよ』
    『この人口密度で、んな無茶な!』
    秋吉とあたしの体はかなり、密着していた。

    …あ………。

    あたしは、ある重大な事実に気付いてしまった。
    『秋吉。あんた、何の香水つけてる?』

    2005-06-14 03:30:00
  • 35:

    『へ?ブルガリブルーッスけど』
    秋吉が、あたしの唐突な質問にキョトンとして答えた。
    …………やっぱり。
    《兄貴と同じ香水だ――》

    『典子先輩は、グッチですよね』
    『…え?何でわかったの?』
    『俺の前の女と同じだからすぐわかったッス』
    そう言って秋吉は、あたしの顔の近くでニッコリ笑った。

    2005-06-14 03:31:00
  • 36:

    『…あれ。そーいやあんた、彼女いないの?』
    あたしは、フッと秋吉に言った。
    『居ますよ。付き合ってもう2年っス』
    『へぇ…』
    ……興味ないけど。
    ……ん?じゃあ何で彼女じゃなくあたしを誘ったんだ?
    『あ、典子先輩今ガッカリしたでしょ??』
    『はぁ?!』
    『残念!俺は彼女一筋なんで、俺を狙っても無駄ッスから♪』
    ………こ…こんガキャ…………!!!

    2005-06-14 03:32:00
  • 37:

    『誰があんたみたいなクソガキ狙うか!あたしは年上タイプなの!!』
    あたしは、思い切りそっけなく言い返してやった。

    『またまたぁ〜。あ、でも典子先輩が痴漢に合ったりしたら俺、全力で守ってあげますよ♪俺ケンカには自信あるッスから♪』
    ……………ガキ………。
    ガキは無視しよう。

    ――――そう、なんだかんだ言ってるうちに、兄貴の大学の駅についた。

    2005-06-14 03:33:00
  • 38:

    扉が開いた瞬間、電車に乗っていたほとんどが下車していく。
    ……やっぱり、皆、学祭行く奴らばっかだったんだ…。
     ―――ドンッ
    『きゃっ』
    あたしは誰かに押され、人の流れに押し潰されそうになった。
    その時。
    ――――――?!
    誰かがあたしの手を掴んだ。
    『先輩!大丈夫ッスか?案外どんくさいんですね』
    秋吉があたしの手を引っ張り、人の流れから連れ出してくれた。

    2005-06-14 03:36:00
  • 39:

    『あーー!いたいた!携碁と典ちゃん!!』
    ………?!
    あたしと秋吉を呼ぶ声に、あたし達二人は後ろを振り返った。

    『てっちゃん!』
    ―――振り替えった先には、大きな木材を抱えた秋吉の兄、秋吉徹夜が立っていた。
    ……が。
    てっちゃんは眉間にシワを寄せ、妙〜な顔をして、あたしと秋吉に言った。

    『つーか…お前らさぁ。…いつの間に…そんな関係になったんだ?』

    2005-06-14 03:39:00
  • 40:

    ……………………?
    てっちゃんの目線の先が、あたしと秋吉の手元に集中している。
    『――――あ?!』
    あたしと秋吉の手が、駅を出たときからずっと、しっかりと繋がれていたのだ!
    『ぎゃ!!』
    あたしは慌てて秋吉の手から、自分の手を外した。
    『い…いつまで握ってんのよ?!』
    あたしはあせって秋吉を怒鳴りつけた。
    『いや…先輩が何もゆわないから…はは♪』
    秋吉は悪気なく笑った。

    2005-06-14 03:40:00
  • 41:

    『あのね、てっちゃん、違うの、これは…』
    『いやぁ〜そっかぁ〜お前ら付き合ってたのかぁ〜ッ!どーりで典ちゃん、俺をフッた訳だぁ〜っ!………なぁ、圭吾!』

    ……………………………………………え?!
    てっちゃんが持ってる木材の後ろから、兄貴が現れた。

    あ・あにき??!
    いたの?!!
    いつから???!

    2005-06-14 03:41:00
  • 42:

    『そうだな』

    兄貴は無表情で答えた。

    ………あ…秋吉と手繋いでたの……み……みら……れ………た?

    《ガ――――――――ン》

    あたしの中で、ベートーベンの「運命」が流れた。

    2005-06-14 03:42:00
  • 43:

    や……やばい……!
    やばいやばいやばいやばい!!!!!
    弁解しなきゃ!!……弁解?!手繋いでたのは事実じゃん??

    あたしの頭はパニックになっていた。
    『ち…違うよぉ〜?こいつが勝手に…』
    あたしが必死で弁解しようとした瞬間―――

    『ごめんなぁ兄貴ぃ!おれら付き合ってましたぁ〜!』
    ―――――秋吉のアホがいらん事を言いやがった。

    2005-06-14 03:44:00
  • 44:


    ………………《殺ス》
    あたしの中に、秋吉に向かって殺意が目覚めた。

    『違うわよ!!誰がこんな奴と付き合うかっ!!第一こいつ彼女いるって……!!』
    『彼女と別れて典子先輩と付き合う事にしましたぁ♪あはは♪』
    ―――――――こいつ!!いい加減にしろよ??!
    『はいはい。ラブラブでいーですね。俺にも女紹介しやがれ』
    てっちゃんは木材を地面に置き、ブツブツ言っている。
    兄貴は………

    2005-06-14 03:45:00
  • 45:

    『俺、先に3階行ってるわ』
    ……そう言って、校舎の中に入っていってしまった。

    《ま……待って兄貴ぃい!!!》

    あたしは心の中で叫ぶしかなかった。
    だって……妹が兄貴に必死で弁解するのも、追い掛けるのも、……はたから見れば…おかしい。

    《兄貴……絶対怒ってた……ど・どうしよう…ちゃんと…話ししなきゃ…》

    2005-06-14 03:46:00
  • 46:

    『秋吉!あんた、どーゆーつもり?!』
    あたしは秋吉に怒鳴りつけた。
    『え?だって。付き合ってるって言ってたほーが何かと便利でしょ?』
    何が便利なんだ?!何が?!
    兄貴には、てっちゃんの弟と来るって言っておいた。でも、まさかこんな事態になるなんて!!
    あ〜〜〜〜〜あたしの馬鹿馬鹿バカバカバカ秋吉のバカッ!!
    『あ…もしかして…典子先輩……』
     ドキッ―――
    秋吉の言葉にあたしは止まった。
    『な……何?』

    2005-06-14 03:47:00
  • 47:

    『もしかして、好きなんッスか…?』

    『え……?!』
    ば……バレた……?!
    『俺の兄貴の事…』

    ……は?てっちゃん?
    『フッた後で、後悔してたとか……?だから俺がさっき言った事に怒ってるんじゃ…?』
    秋吉がマジマジとあたしに聞いてくる。
    『やめて…。違うわよ。怒ってないわよ…。だけどちゃんと二人に弁解しといてよね。さっきのは冗談だって』

    2005-06-14 03:49:00
  • 48:

    ……あたしも兄貴に…… 言い訳(?)しに行かなきゃ……。
    学祭早々、ブルーだ………………。
    『おい!そこの二人!いちゃついてないでコレ運ぶの手伝え!スタッフだろ!』
    てっちゃんがふくれながら木材を指さして、あたしと秋吉に言った。
    そのまま三人は、三階にある『お化け屋敷』へと向かったのだった。

    2005-06-14 03:50:00
  • 49:

    『すっげー!』
    『すごーい!』

    あたしと秋吉は再び感嘆の声を上げた。
    『お化け屋敷ってダサッって思ってたけど、スッゴイ本格的だねぇ!』
    『だろ??…ダサいは余計だけど』
    てっちゃんは笑いながら 入口に柳の葉を吊している。
    『敢えて暗くなってからオープンするから、それまでにお前らちゃんと準備手伝えよ?』
    『えー!ちょっとだけ他まわってきていーだろ?俺、腹減ったッ』
    秋吉が手をお腹に当てながら不満げに言った。 

    2005-06-14 03:51:00
  • 50:

    『手伝ってからだ!…あ、典ちゃんは何か食べてきていーよ!』
    『あッヒイキじゃねーか!セコ!』
    てっちゃんと秋吉の会話をよそに、あたしはキョロキョロと辺りを見回した。
    『…あの、てっちゃん……兄貴は?』
    辺りに兄貴の姿は見えない。
    『圭吾?ああ、あいつなら違うサークルの奴らん所行ってるけど?』
    『違うサークル?』
    『タコ焼きんところ!』
    ………そこに兄貴がいるのね。

    2005-06-14 03:52:00
  • 51:

    『あたし、ちょっとだけ行ってくるねッ』
    あたしはすぐさまその場を離れようとした。
    『あ!先輩俺も行くッス!』
    秋吉があたしを呼びとめた。

    ―――冗談じゃない!これ以上二人で行動できるか!
    『あんたの分のタコ焼きも買ってきてあげるわよ!おとなしくてっちゃんの手伝いしといて!』

    ポカーンとする秋吉をほって、あたしはタコ焼きの出店に向かった。

    2005-06-14 03:54:00
  • 52:

    続きは30分後

    2005-06-14 03:55:00
  • 53:

    さすが大学の学祭。もんの凄い数の出店…。
    ただでさえこの大学は広い。タコ焼きの出店も一つじゃない。


    『あちゃ〜…てっちゃんに具体的な場所、聞いときゃよかった』

    兄貴の携帯に電話してもつながらない。…あたしは、もの凄い人ゴミをかきわけ、タコ焼き屋を全部あたる事にした。

    『んも〜!兄貴どこよー?!』

    2005-06-14 04:28:00
  • 54:


    ………………いた。
    《あそこのタコ焼き屋にいた――――っ!!》
    両目 視力1.5で良かった!!(涙)
    人の塊の中に、兄貴の姿が見えた。
    …なんなのよ!あたしをほったらかして!!
    あたしはふくれっ面で、兄貴のいる場所まで近づいた。
    そして、かなりのバカでかい声で叫んだ。

    『兄貴――――!!』

    2005-06-14 04:29:00
  • 55:

    『……典子?』
    兄貴が、あたしの方を振り返ったのと同時に、兄貴の周りにいる人達も全員、あたしの方を見た。
    ………う………。注目されてる……。
    『あれ?この子、圭吾の妹?!』
    兄貴の隣にいたチョット小肥りの男の人が、兄貴に言った。
    『ああ。…どした?』
    兄貴はあまりにも普通にあたしに聞いてきた。

    《…どしたって…兄貴を探してたんだけど……》

    2005-06-14 04:30:00
  • 56:

    『えー圭吾の妹??マジで?可愛いじゃん、紹介してよ!!』
    『あーー!この子かぁ、徹夜が振られたって言ってた子!!』
    『えー相沢くんに似てないねー!』
    『本当?雰囲気そっくりじゃない?!』
    兄貴と一緒にいた男やら女やらが、一気にあたしをとり囲んだ。
    …こ…この人達、全員この大学の人達かな……。
    周りからの質問攻めに、あたしは、ひたすら苦笑いをしていた。
    《ちょっと兄貴!助けてよ!あたしは兄貴と話したいのに!》
    あたしは、兄貴にサインを出すべく、兄貴の方を見た。

    2005-06-14 04:33:00
  • 57:

    ――――――あれ? あたしの眉間にシワが寄った。
    …………兄貴の隣に、やたら可愛い女がいる…………。
    ……しかも、どっかで見たことある女……。

    パキ――――ン
    あたしの心の中で、何かが弾けた。

    《お…思いだした!!兄貴の隣にいる女、この間ウチに来た女だ!!!兄貴の、元カノ!!》

    2005-06-14 04:35:00
  • 58:

    《皐月》
    って、名前だった――。
    兄貴と………彼氏いるのにも関わらず、エッチしてた女!!(兄貴も悪いが、この場合、女のほうが腹たつ!)

    なんで?!!
    《なんで、兄貴そんな女と一緒にいるの?!!》

    あたしの体中から、血の気が引いてきた。

    2005-06-14 04:36:00
  • 59:

    しかもしかもしかも!!兄貴と皐月は、普通に楽しそうに話している。

    ムッカァァァァ〜ッ

    あたしはイライラとムカツキと嫉妬で狂いそうだった。
    『兄貴!!ちょっと!!』
    あたしは、兄貴の袖を引っ張り、皐月とその他の人間から引き離し、人気がない建物の裏まで兄貴を連れ出した。

    2005-06-14 04:38:00
  • 60:

    『なんなんだ?何でそんな機嫌悪いんだ、お前?!』
    兄貴が、ワケが解らない顔で、あたしに言った。
    《な…何で、だってぇ?》
    ムカァァッ
    あたしの頭に血が上る。
    『兄貴…皐月さんって人と、何で喋ってるの?!』
    『は?皐月?』

    ……嫉妬してる女は醜い。…けど、言わずにはいれない……ッ

    2005-06-14 04:39:00
  • 61:

    『……お前、ヤキモチか?』
    『はぁ?!』
    ……………兄貴がニヤッと微笑んだ。
    『そ……そうだょ!他の女ならともかく、兄貴と…エッチしてた女とのツーショットなんて、普通に見たくないわよ!』
    『…そりゃそうだな』
    しれっとした兄貴の言葉に、あたしの怒りはピークに達した。
    『兄貴のバカ!あたしを悲しませて楽しいんだ?!!』
    あたしはその場に泣き崩れた(フリをした)。
    フゥ…
    兄貴が溜め息をついて、うずくまるあたしの前に、しゃがんだ。

    2005-06-14 04:41:00
  • 62:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 63:

    『そ…それで、兄貴、何て言ったの?!』
    『もちろん、断ったけど?』
    ………そ……それなら、いいんだけど……何?
    何か、引っ掛かるんだけど??
    『兄貴は、どうして…皐月さんとズルズル関係続けてたの……?』

    そう。あたしが引っ掛かっているのはソコ。
    そんなの兄貴らしくないっちゅーか…。
    前聞いた時は、《大人の事情》で片付けられたけど……。

    2005-06-14 04:44:00
  • 64:

    『……俺は、妹が好きなんだって気付いたとき、一生叶わない相手だって腹くくったんだ。自分の気持ちを、お前に告げる事は一生ないだろうって。』
    ………あ……兄貴もあたしと同じ気持ちだったんだ。
    『他のどんな女と付き合っても、…お前の事ばっか考えてた』
    そう語る兄貴の顔が、さりげなく照れているのが解る。兄貴の口からそんな事ゆわれたら、あたしも照れる。
    『…で、そんな時、皐月に再会して、………男がいるから、割り切った関係ができるからって。他に本気になれないのに女作っても仕方ないだろ。だから…』
    ……はぁ??
    それって、それって。
    『兄貴、皐月さんを、性欲処理に使ったって事??!』
    『だから、声がデカイって、お前は!』
    兄貴があたしの口を摘んだ。

    2005-06-14 04:46:00
  • 65:

    『……皐月も俺も、お互いを利用してたのは確かだ。…結果、それがお前をキズつける事になったな。悪い…』
    兄貴が、あたしの肩を掴み、頭を下げた。
    『……ううん。もう、いーよ…』
    だって。
    あたしが兄貴を責める資格なんか、無いよね。
    あたしだって、兄貴を好きだって気持ちを誤魔化す為に、色んな男と……。
    血が繋がってるって事が、一番悪いんだ。

    2005-06-14 04:47:00
  • 66:

    ギュウ―――……
    兄貴が、あたしの体を急にきつく抱きしめた。
    『あ…兄貴?』
    ひ……人が来たら……。
    ドキン…ドキン…
    あたしの心臓の動きが激しく鳴る。

    『これからは、俺は典子に好きなだけ触れるもんな』
    兄貴が、あたしの耳元で囁いた。

    2005-06-14 04:50:00
  • 67:

    ゾクゾクゾク――!!

    兄貴の言葉と、耳にかかった兄貴の吐息に、あたしの体中に、鳥肌が立った。

    ……そ…そうだ……。
    あたしと兄貴は、まだキス以上は……してないケド……
    ……これから先……………それ以上も、するって…事だよね……―――?!

    カァァアァァァッ
    あたしの顔が、一気に熱くなった。

    2005-06-14 04:51:00
  • 68:

    『……おまえ、今何か変な事想像しただろ?顔が赤い』
    兄貴はあたしの思考を察知したかのように余裕の笑みで、あたしの顔を覗き込む。
    『ち…違うわよ!!』
    『…お前、絶対エロいだろ。前から思ってたけど』
    『え…えろ?!エロくないっての!!』

    面白そうにからかってくる兄貴の頭を、あたしはポカポカ叩きまくった。

    2005-06-14 04:52:00
  • 69:

    パシッ―――

    不意に、兄貴があたしの腕を掴んだ。
    『…兄貴?』
    『………………次はお前が俺に弁解する番だな』
    …………え?
    兄貴はニッコリ微笑みながら言った。いつもの如く、目は、笑ってない…。
    『徹夜の弟と、手ぇつないでたよな。さっき』

    ――――兄貴の声、果てしなく低いんですけど?

    2005-06-14 04:53:00
  • 70:

    『あ…あれは、ちょっとした手違いで…ッ』
    『手違い?しっかりつながってたけど?』
    『だからッ!あいつが勝手に!!』
    『付き合ってるらしいな。お前ら…』
    『だからッそれも秋吉のアホが勝手に言ってるだけ!!』
    ハァハァハァハァ……
    ―――あたしは兄貴の誤解をとこうと必死。なんか情けなくなってきた。
    ……ほんっと…秋吉のアホ……後で覚えとけよ………
    ―――そんなあたしの必死な姿に、兄貴がククッと微笑をもらした。

    2005-06-14 04:56:00
  • 71:

    『嘘だよ。お前のこと信じてるし。………けど、』
    ―――兄貴の顔が、あたしの顔に近づいた。
    『次、俺にヤキモチ焼かせたら、泣かすからな』
    ……そう、優しい口調で、恐ろしい言葉を吐いた、兄貴の唇は、あたしの唇を奪った。
    『ん…ッ』
    あたしの体は、兄貴の体重が掛かり、後ろの壁に押しつけられる。

    …あ、やばい。
    何回兄貴とキスしても、慣れない……。
    溶けそう……………。

    2005-06-14 04:58:00
  • 72:

    ザワザワザワザワ…

    耳の向こうで、人込みの音がする―――

    いま、兄貴といる、この二人の空間だけが、止まっているように感じる……………

    兄妹なのに、いけない事、してる……。
    そんな気持ちに襲われてしまう………………

    ………………………………

    2005-06-14 04:59:00
  • 73:

    不意に、兄貴の唇が離れた。
    『そろそろ、行くか。徹夜がキレ出す頃だしな』
    そう言って、腰砕けになっているあたしを引き起こしてくれた。

    ……えぇ、何か、このまま兄貴とトンズラしたい気分なんだけど………。
    そうは思っても、口には出せない。

    仕方なく、あたしと兄貴はてっちゃんのところまで戻った。

    2005-06-14 05:00:00
  • 74:

    今日は限界。スマソ。。。
    また明日。

    2005-06-14 05:15:00
  • 75:

    名無しさん

    コピペおつかれさまです☆☆めっちゃ進むんうれしいケド略が多いからちょっと大変かも…ワガママ言ってすまそm(__)m

    2005-06-14 12:14:00
  • 76:

    名無しさん

    ↑意見・要望・相談スレ in小説板?みなよ

    2005-06-14 15:07:00
  • 77:

    名無しさん

    次ゎぃっ更新ですかぁ?

    2005-06-15 21:27:00
  • 78:

    名無しさん

    明日ってかいてるよぉ

    2005-06-15 21:28:00
  • 79:

    名無しさん

    75に書いてある明日はもう過ぎているのだが(今日の朝)

    2005-06-15 21:32:00
  • 80:

    いや…実は昨日の深夜〜今日の朝方に更新予定だったんスけど、夜遊び止まってて…?
    今日できるかわからないから、沢山更新するつもりだったんスけど…。
    恨むなら管理者のメンテ告知が無いのを恨んで下さい???????
    今日は多分できない…鴨。すまぬ!

    2005-06-15 21:41:00
  • 81:

    名無しさん

    そんな…?困ります??

    2005-06-15 21:49:00
  • 82:

    名無しさん

    中途半端に書くなゃ?

    2005-06-15 21:52:00
  • 83:

    名無しさん

    上の二人、コピペしてくれてる人にそれはないわ!

    2005-06-15 22:44:00
  • 84:

    名無しさん

    すいませんでした??

    2005-06-15 22:45:00
  • 85:

    名無しさん

    ぢゃぁ今日ゎ無理ですかぁ?明日になりそぅですか??

    2005-06-15 22:57:00
  • 86:

    やっとこさ時間が出来たから、もしかして少しかもしれませんが可能な限り進めます。あんま怒らないでね。

    2005-06-16 05:41:00
  • 87:

    >>74より続き



    2005-06-16 05:42:00
  • 88:


    『お前ら!!どこ行ってたんだよ?!!』

    兄貴の予想通り、てっちゃんは相当怒っていた。秋吉と二人で全ての準備を終わらしたらしい。
    『典子せんぱぁ〜い!』
    秋吉が甘えた声であたしに近づいいてきた。
    ……ちょっと…お願いだから兄貴の前であたしに話しかけてこないで……。

    『なに?!』
    あたしは超無愛想に、秋吉に返事した。

    2005-06-16 05:43:00
  • 89:

    『なにって……。先輩、タコ焼き買ってきてくれるって言ってたじゃないっスかぁ〜!』
    …………………あ。

    『忘れてた…』
    『え―――?!!俺、待ってたのに〜!!』
    秋吉が悲鳴に近い声をあげてしゃがみこんだ。

    『ご…ごめんってば…。今から買いに行ってくるから…』
    『やだ。俺も行く!』

    2005-06-16 05:44:00
  • 90:

    ………げ。
    ……またこいつ余計な事を………!
    あたしは兄貴の顔をチラっと見た。…兄貴は普通にてっちゃんと話している。
    その時―――

    『あ!いたいたぁ〜!!圭吾〜!徹夜〜!』

    黄色い女の声が、あたしの耳に飛び込んだ。

    ―――……出た!!!―――皐月!!!

    2005-06-16 05:45:00
  • 91:

    お前は今から、出勤するのか??ってなくらいハデな格好をした皐月が、兄貴とてっちゃんの名前を叫びながら、こっちに来た。
    『おー!皐月!相変わらず可愛いなぁ!遊びに来てくれたのか??』
    てっちゃんが皐月にご機嫌で話しかけた。
    『ん〜さっきまで、圭吾と一緒にタコ焼きんとこいたんだけど〜。圭吾が急に妹さんとどっか行っちゃったから!』
    プゥっとふくれた顔で、皐月は兄貴の服のソデを引っ張った。

    2005-06-16 05:45:00
  • 92:

    ズキン…ズキン…ズキン…
    《やだ。やめて―――》
    ズキン…ズキン…ズキン…
    《兄貴に触らないで》
    ズキンズキンズキンズキンズキンズキン
    あたしの胸が、キリキリ痛んだ。

    《兄貴が違う女と話してるの見るのも嫌…!!》

    2005-06-16 05:47:00
  • 93:

    本当はあたしが彼女なんだって、言いたい………
    …………でも言えない………言いたい……………
    …………言えない…………言いたい………………

    …………言えない…………

    2005-06-16 05:48:00
  • 94:

    『お前らぁ!昔付き合ってたからって、いちゃつきすぎだっつの!!』
    てっちゃんが、兄貴と皐月にヤジを飛ばした。
    『い〜じゃん♪圭吾だって、まだあたしに未練あるもんねぇ♪』
    皐月が楽しそうに、兄貴の顔を覗き込む。
    『ねぇよ。お前、こんな事ばっかしてると男にフラれるぞ』
    兄貴が、自分の腕から、ベリッと皐月を引きはがした。
    『いーの!あたしの彼氏、ヤキモチとか焼かない人だから♪』
    皐月は、しつこく兄貴の腕に引っ付いた。
    『え〜じゃあ、俺と浮気しよーぜ?刺激ありまくりだぜ俺??』
    てっちゃんが茶化すように、皐月に迫る。

    2005-06-16 05:49:00
  • 95:

    『やだ。あたしの浮気相手は圭吾って決まってるの♪ごめんねぇ♪』
    皐月は、キャハっと笑った。


    ―――あたしはただ、黙って皐月の話しと行動を見ているしかなかった。

    2005-06-16 05:50:00
  • 96:

    ―――なにコレ。
    めちゃくちゃ辛いんですけど。
    この場から逃げたいんですけど。

    ……でも、逃げたら、皐月に負けてるような気持ちになるから、この場にはいなきゃ。

    あたしは、立っているのがやっとなくらいだった。平然を装うのがやっとだ……。
    泣きそう―――。

    2005-06-16 05:51:00
  • 97:


    「あたし、兄貴の彼女なんだけど??兄貴に触んなクソ女!!」

    ……めっちゃ言いたい……
    自分が彼女だって言えないことが、こんな辛いなんて……。
    あたしは、ふと、キャバクラで店内恋愛をしている友達の話を思い出した。
    【うちの店、店内恋愛禁止だから、自分の彼氏に店の女が寄って来ても、何も言えないんだよね。腹立つよ〜!!マジで!!】
    ああ……なんか今、気持ちが凄いわかった……。

    ……くそー…。兄貴のアホーッ……。

    2005-06-16 05:52:00
  • 98:

    『先輩?』
    あたしの様子が変だと思ったのか、秋吉があたしに話しかけた。
    『どーしたんッスか?急に大人しくなって』
    『…別に……』
    あたしは、力の無い声で答えた。
    『え―――?君、徹夜の弟クン??』
    皐月が、あたしと秋吉の方を見て話し掛けてきた。
    《……話しかけてこないでよッ 》
    あたしは無愛想にソッポを向いた。

    2005-06-16 05:53:00
  • 99:

    ―――自分が卑屈になってるのは解ってる。けど、皐月に対しての苛立ちはピークに達している。
    あたしも、確かに女受けが良い方じゃない(レズには受けたけど)。
    ―――けど、皐月みたいなここまで受け付けない女は初めてだ!!
    別れたにしろ、こんな女と、兄貴が付き合ってたなんて、吐きそうになる!!
    ……つーか野郎ども!全員、この女がブリッコだって気付かないのかよ?!
    ……特に兄貴!!大人しく皐月に触られてるんじゃない!!さっきあたしに謝ったばっかだろ?!!

    《あ゙〜〜〜〜〜!!》

    なんか頭がグチャグチャになってきた………!!

    2005-06-16 05:55:00
  • 100:

    『秋吉!!』

    あたしは、咄嗟に秋吉の名を呼んだ。
    『はい?』
    『タコ焼き買いに行くわよ!!』
    『え?!先輩?!』

    あたしは秋吉の腕を掴んで、そのままその場を離れた。あたしの強行に、てっちゃんと皐月はポカンとしていた。
    ―――兄貴は…
    《知らない!!!兄貴なんか!!》

    2005-06-16 05:56:00
  • 101:

    『先輩!どーしたんッスか?!』

    階段を下りた所で、秋吉があたしを引き止めた。
    『だから…タコ焼き買いに行くんだってば』
    『うそだぁ。先輩、明らか、テンション低くなりましたよね?皐月さんって人が来てから』
    ………こいつ……いらん所で鋭いな………

    『皐月さん美人ッスよね〜。大人のエロさっつーか♪』
    『………………。』
    秋吉の言葉に、あたしが堪えていたものが溢れだした。

    2005-06-16 05:57:00
  • 102:

    『せ…先輩…?!』
    ポロポロポロ……
    あたしの目から涙が流れ出した。
    『え?!先輩?!』
    秋吉が、あたしのあられもない姿に焦っている。

    《くそー…こいつの前でだけでは、泣きたくなかった……》

    けど、限界だった。
    皐月が憎くて、兄貴に腹立って、自分が情けなくて。

    2005-06-16 05:58:00
  • 103:

    『あ…先輩…!さっきのウソ!!俺、典子先輩の方がタイプだし!…その…ちょっと典子先輩に意地悪言ってみたくて……。な…泣かないでくださいよ………』
    自分の所為で、あたしが泣いたと思ったのか、秋吉は焦ってあたしをなだめようとしてきた。
    『…ほっといて…一人にしてくれないかな…悪いけど……』
    《あたしが秋吉を引っ張ってきたんだけど…》
    …けど…涙は止まりそうになかった。
    『一人にしてくれって…泣いてる女を一人には…』

    …………………………。
    しばらく、あたしが泣いてる横で、秋吉は座っていた。
    ――――が。

    2005-06-16 05:59:00
  • 104:


    『あ〜〜〜っもう!!』

    秋吉が急に叫んだ、と思いきや、
    『きゃッ―――』

    あたしは、秋吉に腕を引っ張られ、気付けば秋吉に抱きしめられた。

    ――――――はぁ??!

    2005-06-16 06:00:00
  • 105:

    『さぁッ思う存分、俺の胸で泣いてください!!何で泣いてるのかよくわからんけど!!』
    そう言うと、秋吉は、ぎゅぅぅと腕に力を込めた。
    『ちょっと待って。なんであんたの胸で泣かなきゃいけないのよ?!』
    グググ……ッ
    あたしは、秋吉の胸を押した。
    『いや、やっぱり男の胸の中のほーが、泣きやすいかなぁって……』
    グググ……ッ
    秋吉も、あたしを離してくれない。
    グググ……ッ

    2005-06-16 06:02:00
  • 106:

    『いや…気持ちは有り難いけど、遠慮するわ……ッ』
    負けじとあたしは秋吉から離れようとする。
    ググググ……ッ
    『いやいや…今だけ典子先輩の彼氏になった気持ちになりますから、遠慮なく……』
    そう秋吉が言った瞬間―――
    ぎゅぅぅぅうッ

    『???!』

    男の力にはかなわない。あたしはガッツリ秋吉の腕の中へ引き戻された。

    2005-06-16 06:03:00
  • 107:

    『さ、遠慮なく、じゃんじゃんバリバリ泣いて下さい!!』
    秋吉があたしの背中をポンポンと叩いた。

    ……な……泣いて下さいって……泣いて……
    じわぁぁッ―――
    何故だろうか。
    秋吉の言葉にあたしの涙腺は緩んでしまった。

    《不覚………》
    秋吉の胸で、ズルズルと泣いてしまった。

    2005-06-16 06:04:00
  • 108:


    5〜6分、そうしていただろうか……。不意に、秋吉の手が、あたしの顔に触れた。

    《…………ん?》

    秋吉の息があたしの顔にかかる……と思った瞬間―――
    ―――秋吉の顔があたしに近づいた。
    ―――――!!

    『きゃぁぁぁ!!』

    2005-06-16 06:05:00
  • 109:

    バチ―――――ンッ!!

    気付けば、あたしは秋吉の顔をおもいっきり叩いていた。
    『いってぇ〜〜〜…』
    秋吉はあたしに叩かれた顔を押さえている。
    『おいコラ!あ…あんた今…何しようとした?!』
    あたしは咄嗟に秋吉から離れたため、地べたにシリモチをついたまま怒鳴った。
    『あ、ノリでやっちゃいそうでした…』

    2005-06-16 06:06:00
  • 110:

    ノ、ノリ?!
    秋吉はテヘッと苦笑いをしている。
    『だって…いつも気丈な先輩がイキナリ泣いたりして男心をそそるから…』
    『つーかあんた、彼女いるって言ってたよね??!浮気だろそれ!!』
    ……と、秋吉に言葉を吐いた瞬間気付いた。
    《…あ。あたしも………浮気したんじゃ……?!》
    『…ですよね。浮気ですよねコレ』
    秋吉がゆっくり立ち上がった。
    『ま、でも未遂だったし………それに、俺ん中ではエッチしないと浮気にはならないんッスけどね』
    そう言うと秋吉はニッコリ笑った。

    2005-06-16 06:06:00
  • 111:

    『き…キスなら良いの…?…彼女がかわいそうじゃん?!』
    あたしは、秋吉に言った。
    兄貴と付き合う前のあたしからは絶対出てこなかっただろうな、こんな言葉。
    『けど、エッチは絶対しないッスもん、俺』
    秋吉はアッサリ答えた。
    『…うそだぁ』
    『ほんとッスよ』
    『裸の女が横に寝てたら?エッチしちゃうでしょ?』
    『しないっスよ。つーかそんな状況にならないようにするし』
    ……こいつ、いい男なのかチャライんか訳わからん……

    2005-06-16 06:08:00
  • 112:

    『でも先輩が、ど〜〜〜してもってゆーなら、抱いてあげますよ♪』
    『はぁ?!誰があんたなんかとエッチするか!!』
    『あははッ冗談ですって!!』
    ………こ……こいつ、あたしの事おちょくろうなんて、いい度胸じゃんか……

    ブニッ

    秋吉が、不意にあたしのホッペをつまんだ。

    『よかった。先輩、元気になった』

    2005-06-16 06:09:00
  • 113:


    ――――――!

    秋吉は、ニッコリあたしに微笑んだ。

    《…こいつ…いい奴じゃん………》
    女にやたらモテるんだろうな…コイツ。
    あたしはフト、秋吉のあどけない笑顔を見て、思った。

    2005-06-16 06:10:00
  • 114:

    《こいつが惚れた彼女って、どんな子なんだろ……》

    そんな興味が、あたしの中で初めて湧いた。
    その彼女と、後日対面することになるんだけど。


    ―――とりあえず、あたしと秋吉はタコ焼き6人前程を買い、秋吉にヨーヨー釣りとダーツまで付き合わされ、その後、兄貴達の場所まで戻った。

    2005-06-16 06:11:00
  • 115:










    2005-06-16 06:12:00
  • 116:

    『おい、お前は飲むな。酒弱いだろーが』
    兄貴があたしのチューハイをとりあげようとした。
    『ちょっとだけなら大丈夫だよ!』
    あたしは慌てて、兄貴からチューハイを守りぬいた。
    『えー典ちゃん酒弱いの??明日の打ち上げ、だいぶ飲ますよ??』
    てっちゃんがニヤニヤとあたしを見ている。
    『はぁ?お前も打ち上げ来る気か?』
    兄貴が大分、不機嫌そうにあたしに言った。
    『何よ!行っちゃダメなの?!』
    皐月がいる以上、行くに決まってるじゃん!

    2005-06-16 06:14:00
  • 117:

    『典子先輩、酒苦手だったんだ!へぇ〜意外!』
    また、秋吉が隣からチャチャを入れてくる。
    『でも安心してくださいね!先輩が酔ったら、俺が介抱してあげますから♪』
    『いらんッつの!』
    …だから!兄貴の前でそんな事言わないで!!

    アハハハハ……
    あたしと秋吉の掛け合いに、笑いが起こった。

    2005-06-16 06:15:00
  • 118:

    …その時。

    『ふーん。だいぶ仲良さそうだな……』

    ――――――――え?!
    ボソッ――っと、兄貴があたしに囁きかけた。
    誰にも聞こえない、限りなく低い声で…。

    《え…ち、違うよ兄貴…秋吉は誰にでもこんな感じで……!》
    ―――口に出して、言い訳できるわけもない。

    2005-06-16 06:16:00
  • 119:

    『うッ…』
    あ…あれ…なんか、微妙に気分悪い……!空きっ腹に酒飲んだから?!
    吐きそう…と言えば、明日の打ち上げは、もちろん連れてってもらえない。
    『ちょっと、トイレ…』
    あたしはソソクサとその場を離れた。

    2005-06-16 06:17:00
  • 120:

    ジャー…

    多少、吐いてしまった後、あたしはトイレから出た。

    …はぁ。あたしって何でこんな酒弱いんだろ……。しかもあたし、グループの中にいるの、苦手なんだよね……。
    しかも秋吉の事で兄貴に気遣うし、皐月もいるからイライラするし……。
    ハァ……。

    《一服でも、してから戻ろう》
    あたしは煙草に火をつけた。

    2005-06-16 06:18:00
  • 121:

    『典子ちゃん!』

    ビクッ―――

    その瞬間、あたしの肩を誰かが叩いた。
    『さ…皐月…さん?』

    突如、現れた皐月が、あたしが座っているベンチの横に座った。
    『煙草一本ちょーだいっ』
    皐月は、あたしの煙草ケースから、KOOLマイルドを一本抜いた。

    2005-06-16 06:19:00
  • 122:

    …な…何?何であたしの所に来たの、この女??
    あたしはかなり皐月を、 警戒した。
    『典子ちゃんって、人見知り?』
    皐月が煙草の煙りを吐きながら言った。
    『…え。どうしてですか?』
    『だってさぁ。典子ちゃん、あんまりあたしに話しかけてくれないじゃん?徹夜の弟クンとは仲良いみたいだけど…』
    ―――ハァ?秋吉と?やめてよ!!
    『付き合ってるんでしょ?徹夜の弟クンと?』
    皐月は、ニコッと微笑み、あたしの顔を覗きこんだ。

    2005-06-16 06:20:00
  • 123:

    『付き合ってません!』
    あたしは皐月にキツク言い放った。
    『えー、そーなんだ?てっきりアタシ、君達付き合ってるって思ってた!…………じゃ、他に彼氏いるんだ?』

    ドキッ―――

    『え?!』
    …………彼氏?!

    2005-06-16 06:21:00
  • 124:

    《兄貴が彼氏です!》
    ……って、めっちゃ言いたい!!言いたい!!……言えないけど………。

    ズキン…ズキン…ズキン…

    『…いないです。彼氏なんて……』

    あたしは咄嗟に言ってしまった。
    ズキン…ズキン…ズキン…
    本当の事、言いたい。皐月にだけでもいーから、言いたい。けど、兄貴まで苦しめてしまうから、言えない。胃がキリキリ痛んだ。

    2005-06-16 06:22:00
  • 125:

    『え〜〜!いないの?うそだぁ!典子ちゃん、モテるでしょぉ?!』
    『べつに…皐月さんこそモテるんじゃないですか』
    あたしは無愛想に言った。
    『………んー、あたしの彼氏ね。33歳なの。社長さん』
    ―――えっ?33?!……この女、オジ専?!

    2005-06-16 06:23:00
  • 126:

    『お金持ってて、優しくて、すっごくカッコイイんだけど…』
    皐月は煙草の煙りを吐くのと同時に溜め息をついた。
    『大人すぎて、刺激がないんだよね。ヤキモチも妬いてくれないし。怒らないし。しかも仕事仕事で、あんまり会えないし。………エッチも、淡泊だし』
    《―――だから、兄貴にチョッカイ出したの?!》
    あたしの心の中で、怒りが込み上げる。

    2005-06-16 06:24:00
  • 127:

    『それでね、』

    フゥ…
    皐月が煙りを大きく吐く。
    『彼氏と別れて、圭吾と付き合おうって思ってるの』



    ……………は?
    この女……………今、なんて言った………?

    2005-06-16 06:25:00
  • 128:

    ドクンドクンドクンドクン

    『典子ちゃんも知ってるかもしれないけど、圭吾とあたし、昔付き合ってたの。…別れてからも、ずっと……関係続けてたんだよね』

    ドクンドクンドクンドクン

    『あたしから、圭吾フッたんだけど…何回も何回も圭吾に「やり直してくれ」って言われてて…』

    ドクンドクンドクンドクン

    『だから、典子ちゃん、仲良くしてね♪』

    皐月は、ニッコリあたしに微笑んだ。

    2005-06-16 06:26:00
  • 129:

    あたしは、血の気が引く思いで皐月の話を聞いていた………………
    ……皐月からフッた……?
    「やり直してくれ」って、兄貴が言ってた…………?
    ………なに…?それ…………
    だって……「彼女いるから」って皐月に言ったって…兄貴が……ッ

    2005-06-16 06:27:00
  • 130:

    『兄貴、彼女いるって、言ってましたよ?!』

    あたしは皐月に言い放った。

    『ああ、言われたよ。彼女いるから、もう関係やめるって。……けど、あたしが、ヨリ戻すなら、その彼女とも別れるって』

    2005-06-16 06:28:00
  • 131:

    ――――――ハァァ?!

    な…………………………
    なにそれ…

    なにそれなにそれなにそれ

    『あ、典子ちゃんなら知ってるんじゃない??圭吾の彼女?どんな子?かわいい?』

    2005-06-16 06:29:00
  • 132:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 133:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 134:

    『あたし……ッ帰ります………ッ』
    『え?典子ちゃん?』

    あたしは、これ以上皐月といるのが堪えられず、皐月を置いて、階段を下りた―――――。
    ……そして、そのまま、あたしは一人で、大学を出た。

    2005-06-16 06:32:00
  • 135:










    2005-06-16 06:34:00
  • 136:



    プーパッパー…―――
    ガヤガヤガヤガヤ…

    夜の街は賑やか。
    仲良さそうなカップル……仕事帰りのおじさんやら、飲んだ帰りっぽい酔った若者。
    キャッチしてるボーイや、おねーさん。

    あたしは、ケンタッキーの二階の窓ガラスから、ボーッと街の風景を眺めていた。

    2005-06-16 06:35:00
  • 137:

    ブブブ…ブブ……
    あたしの携帯が鳴った。
    【着信 ★兄貴★】
    ピッ
    …あたしは反射的に保留を押してしまった。

    2005-06-16 06:35:00
  • 138:

    ブブブ…ブブ…
    再び、兄貴から着信―――。

    『…もしもし…』
    あたしは電話をとった。

    2005-06-16 06:36:00
  • 139:

    【もしもし、じゃないだろ?お前!】
    兄貴の声は怒っている。
    【今、どこだ?!】
    『今…もう帰ってる』
    【はぁ?何で勝手に帰ってるんだ?一言も無しに】
    ……ズキン…ズキン…
    兄貴の声を聞くたび、皐月の言葉を思い出す。

    兄貴を疑ってるわけじゃない……。けど、今は一人になりたかった。
    兄貴とこうして喋っていても、兄貴を責めてしまいそうなあたしがいた。

    2005-06-16 06:38:00
  • 140:

    《皐月さんの言ってる事、本当なの?!》
    …って。

    真実だったら、どうしよう。恐くて聞けない。
    ウソだって言われても…
    《証拠は?!》
    …って、あたしは兄貴を責めてしまうだろう―――。

    嫌な女になってしまう……
    ああ、 もぅどうしていいかわからない………

    2005-06-16 06:39:00
  • 141:


    【…何かあったのか?】

    兄貴は、電話越しに、あたしの不自然さを察知したらしい。
    『別に…』
    【ウソつくな。こうゆう時、お前はいつも何かあるからな。どーした?大学で何かあったんだろ?】
    『………。』
    【おい。黙ってたらわからないぞ。何とか言えよ】
    『………。』

    2005-06-16 06:40:00
  • 142:

    兄貴の問いに、あたしはずっと黙っていた。
    ……何て言ったらいいか、分からなかったから……。
    【……何も話したくないんだな。わかった。気をつけて帰れよ】
    ―――!!
    ……やだ。切らないで!

    2005-06-16 06:41:00
  • 143:

    『ま…待って…!』
    あたしは、思わず兄貴を引き止めた。
    【何だ?】
    『あ…あの…兄貴……い…いつ、帰るの?』
    【今から、皆とメシ食って帰るから遅くなる】

    《……え?皆とメシ…?》
    『皐月さんも…いるんだよね…?』
    【ああ。…なんだお前。まだ皐月の事、言ってるのか?】
    兄貴は呆れた声で溜め息をついた。

    2005-06-16 06:42:00
  • 144:


    ムカッ―――

    あたしの中に、イライラが募ってくる。
    『……だって。皐月さん、兄貴のこと好きっぽいじゃん』
    あたしは、かなり皮肉っぽく言葉を投げ掛けてしまった。
    【あのなぁ。ヤキモチも大概にしろよ?皐月とはもう何もない。さっき話したばっかだろ。…お前、まさかそれで先帰ったのか?!】
    …兄貴も、微妙にイラつきだしたのか、声が冷たく聞こえる。

    2005-06-16 06:43:00
  • 145:


    ムカムカムカ―――

    あたしも更にイラだつ。
    『兄貴だって、気付いてるんでしょ?!皐月さんが自分に気があるって!!』
    【だから…。皐月には男がいるって言っただろ】
    『あーゆー女は、男がいてもいなくても関係無いの!!』
    【……じゃあ、お前は俺に、どうして欲しいんだ?】

    ……兄貴の言葉に、あたしは止まった。

    2005-06-16 06:45:00
  • 146:


    『か…彼女が、嫌がるから…、もう俺に触ってくるな、電話もしてくるなって皐月さんに、言って…ッ』

    ―――皐月は大学のサークル仲間。そんな事、無理だってわかってる。
    めちゃくちや、兄貴を困らす事言ってる…あたし―――!嫉妬で、嫌な女になってる……!

    2005-06-16 06:46:00
  • 147:

    【わかった】

    ―――――え?
    【皐月に、そう言えば、お前は安心するんだな。】
    ―――――え……?

    2005-06-16 06:48:00
  • 148:

    『ほ…本当に言うの…?』
    【ああ。今から言いにいく】
    『…え…でも、』
    まさか、「わかった」って言われるとは思わなかったあたしは、動揺した。
    【何だ?それでも、まだ足りないのか?!】
    『ち…違う…ッ』
    【じゃあ、何だ?!】

    ビクッ―――
    兄貴が急に声を荒らげたので、あたしは黙ってしまった。

    2005-06-16 06:48:00
  • 149:

    『……もう……いい』
    【え?】

    ブチッツーツー…
    電話を切ってしまった。
    もう頭の中がグチャグチャだった。皐月の話を兄貴に確かめたいけど、聞くのが怖い。
    兄貴を信じきれない自分の弱さ。嫉妬と不安で悲観的な考え方しかできない……。
    こんな気持ち、初めてだ……。
    『うぅ…ッ』
    また涙…泣いてばっかだ……

    2005-06-16 06:49:00
  • 150:

    ブブブ…ブブ…
    ………!
    兄貴から、着信。
    ブチッ
    保留を押してしまう。

    2005-06-16 06:51:00
  • 151:

    ブブブ…ブブ…
    再び兄貴から。
    ブチッ
    また保留。
    ブブブ…ブブ…
    また…兄貴から。

    今まで、色んな男にしつこく着信されて、ウザいとしか思えなかったけど…兄貴からは、嬉しい。

    2005-06-16 06:52:00
  • 152:

    あたしは不謹慎にもそう思ってしまう。

    ブチッ

    それでも、保留を押してしまうあたし……。兄貴に心配されたいのか……?

    2005-06-16 06:53:00
  • 153:

    シ―――ン…
    …あれ?

    兄貴から、かかって来なくなった。
    ―――ヤバイ…調子に乗りすぎた―――
    あたしは、慌てて兄貴に電話した。
    ……カッコ悪い…あたし…
    『も…もしもし…』
    【はい】
    兄貴の声はかなりそっけない。

    2005-06-16 06:54:00
  • 154:

    【おまえ、何で電話とらないんだ?】
    『ご…ごめ…』
    兄貴の声を聞いて、あたしは泣いてしまった。

    『う…っひっくッ……』

    あたしの泣き声をしばらく黙って聞いていた兄貴は、
    【……何があったか言えよ。おまえのその態度、尋常じゃないもんな…】
    …そう、優しい声で言った。

    2005-06-16 06:55:00
  • 155:

    『あ…あたし…』
    そう、言いかけた時、
    【ちょっと待て。会ってから聞く。今、大学出たところだから。お前、今どこだ?】
    …その兄貴の言葉に驚いた。
    『え――?兄貴、今から皆でご飯食べに行くって…』
    【ああ。断った】

    ―――ええ?!

    【今からお前んとこまで行くから場所言え】

    2005-06-16 06:56:00
  • 156:

    ……こ…断った…??
    あ…あたしに会いに来てくれるために?!
    『い…今、〇〇駅前のケンタッキーの…2階にいる…』
    【わかった。あと10分くらいで行くから、そこ動くなよ?】
    ―――そう言って、兄貴の電話は切れた。

    2005-06-16 06:57:00
  • 157:

    ドキン ドキン ドキン 
    携帯をジッ―と見つめながら、あたしの胸はただ緊張していた。

    《あ…兄貴が、今からココに来る……!》

    ドキン ドキン ドキン
    ―――やだ…めちゃくちゃ緊張してきた……ッ

    《だって…あたしの為に、会いに来てくれるんだよ???》
    この時、自分が本当に兄貴と付き合っている事を今更ながら、実感した。

    2005-06-16 06:58:00
  • 158:

    ……こ…恋人同士なんだ、あたしたち……ッ
    今まで、恋愛らしい恋愛をしたことがないあたしは、男とケンカしたことも無かった。

    《ケンカして、彼氏が迎えに来てくれる―――》

    そんなシチュエーションを、兄貴相手に夢見たこともあった。
    《それが…今、現実に…》
    ―――この時、あたしの中で、皐月の話はどこかへ飛んでいっていた。
    《やっぱり、兄貴を信じたい》
    そう思う、単純なあたしがいた。

    2005-06-16 06:59:00
  • 159:

    あれやこれや考えている内に、窓の外を見ると―――

    《―――あ…!兄貴……!》

    こっちに向かってくる、兄貴の姿が見えた。
    ―――はっ!!泣いて化粧ボロボロかも……!!
    あたしは慌ててバッグからポーチを取り出し、軽くファンデを塗り直したりして、化粧直しをした。

    カンカンカン――
    階段をのぼって来る音がする。

    2005-06-16 07:01:00
  • 160:

    『典子!』
    2階に来た兄貴が、あたしの姿を見つけ、あたしの名前を呼んだ。
    『………。』

    《ほ…本当に、兄貴、来た………》
    あたしは緊張で、喋れず、うつむいてしまった。

    『何だ?まだ怒ってるのか?』
    兄貴は、あたしの方を向いたまま、隣の席に座った。
    《ち、違う…妙に緊張して話せないだけ……》

    2005-06-16 07:02:00
  • 161:

    ドキン…ドキン…ドキン…
    兄貴を近くに感じて、余計ドキドキしてきた。
    あ〜ッなんなのよ、コレ?
    『…で?お前がそんな風になったワケは何だ?話せよ』
    カチッ
    兄貴は、タバコに火をつけた。
    『そ…れは……』
    『何?』
    ……皐月さんの話、兄貴から真実を確かめたい。

    2005-06-16 07:03:00
  • 162:

    『…あたし、さっき、皐月さんと話してたの』
    ドキン ドキン
    『それでね、皐月さんが……彼氏と別れて、兄貴と付き合おうと思ってるって……言ってた』
    ドキン ドキン
    『…皐月が?そー言ったのか?』
    コクン――
    兄貴の問いに、あたしは小さく頷いた。
    『……それで?』
    フゥ―――
    兄貴が煙りを吐く。

    2005-06-16 07:04:00
  • 163:

    『あ…兄貴に、何回もヨリ戻そうって言われたって!』
    『それで?』
    『彼女いるけど、皐月がヨリ戻してくれるなら、彼女と別れるって…!兄貴がそー言ってきたって!!』
    『…それで?』
    ……………………。
    『ほ…本当なの…それ…?』
    …………………………。
    しばし、沈黙が流れた。兄貴は、あたしをジーッと見つめている。
    『……で?』
    兄貴が灰皿にタバコの灰を落とし、言った。

    2005-06-16 07:05:00
  • 164:


    『お前は、皐月の言葉を信じたワケだな』

    ズキィ―――ッ……
    兄貴の言葉に、あたしの胸が痛んだ。

    『……ッ!!そ…それは…ッ』
    『俺の事を、信じようとする気持ちは無かったワケだ』
    兄貴の顔が、怒っている。

    2005-06-16 07:05:00
  • 165:

    『あったよ!!兄貴を信じてたよ…ッけど……ッ何か…あたし…ショックで…冷静に何も考えれなくて……ッ』
    じわっ…
    あたしの目頭が熱くなる。
    『あ・兄貴を…皐月さんに取られちゃうかもって…思ったら…ッあたし…ッ 不安で…不安で…ッ………ッツ』
    最後の方は、殆ど声にならなかった。あたしは、その場で泣き崩れた。
    『………。』
    兄貴は何も言わない。

    ポンポン―――
    兄貴の手が、あたしの頭を撫でた。

    2005-06-16 07:06:00
  • 166:

    『……前から思ってたけど…』
    兄貴が思い出したかのように呟いた。
    『お前、気丈そうで、脆いよな。よく泣くし…』

    ――――――――!!
    『き、嫌いになった?!』
    あたしは、慌てて兄貴に聞き返した。

    ―――やだッ……もしかして…兄貴は気が強そうだからあたしの事、好きになったの??!
    今になって、幻滅したとか……?!!

    2005-06-16 07:08:00
  • 167:

    あたしの必死な形相に、兄貴は、クックックッ…と、笑いだした。
    『いや…見た目とギャップありすぎて、おもしろいけど?』
    ………は?おもしろい?
    『どーゆー意味よそれ?!』
    『可愛いって事だよ』

    ―――そう言って、兄貴は、席を立ち上がった。
    ドキン…
    え? 今、か…可愛いって言わなかった??
    え? え? ぅえ?

    2005-06-16 07:09:00
  • 168:

    『出るか』

    兄貴は、あたしが飲んでいたコーヒーと、トレーを片付けて、階段を下りてゆく。
    ………あ…兄貴に、可愛いってゆわれた…………(良い意味かわかんないけど)
    あたしは、何だか妙に嬉しくて、半スキップで階段を降りた。

    2005-06-16 07:10:00
  • 169:





    2005-06-16 07:11:00
  • 170:

    名無しさん

    今日はここで終わりですね

    2005-06-16 07:11:00
  • 171:

    ケンタッキーを出た後、あたしと兄貴は駅に向かっていた。
    『はやくしないと終電きちゃう!!』
    早足で歩きながら、あたしは兄貴の腕を引っ張った。
    『あんま急ぐとコケるぞ!お前どんくさいから』
    兄貴が改札口の横にある切符売り場で止まった。

    2005-06-16 07:13:00
  • 172:

    『11:58分、終電の電車が到着します――』

    改札口の前で、車掌さんが、叫んでいる。
    『兄貴!はやく!』
    あたしと兄貴は、切符を改札に差し込み、ホームへの階段をかけあがった。

    2005-06-16 07:14:00
  • 173:

    続いてる?

    2005-06-16 07:14:00
  • 174:

    シュー…
    電車の扉が開く音がする。
    『きゃー!間に合うかな?!』
    ―――兄貴、早く!!
    そう言おうと振り向いた瞬間―――
    【 グイッ 】

    あたしの腕が、引っ張られた。
    …………え?!

    2005-06-16 07:15:00
  • 175:

    兄貴の手が、あたしの動きを止めた。
    『え?兄貴……?』

    ガタン…ガタン…ガタン…
    電車は行ってしまった。

    グイッ―――
    兄貴は、そのままあたしの腕を掴んだまま、無言で階段を降りてゆく。
    『え?ちょっと…兄貴……?!』
    兄貴に引っ張られるまま、あたしも階段を下りる。

    2005-06-16 07:16:00
  • 176:

    そのまま、あたしと兄貴はさっき入ったばかりの駅を出た(駅員さんに変な顔された)。

    『ちょっと…兄貴??走ってたら、間に合ったよ??』
    あたしは、歩きながら、兄貴の顔を覗いた。
    ―――兄貴は、何も言わない。

    『終電無くなったし…どうやって、帰るの?!……あ。もしかして!皆の所、行くんだ??』

    2005-06-16 07:17:00
  • 177:

    『…お前、皆の所、行きたいのか?』
    兄貴が、あたしに目をやった。
    『……?え…別に、行きたくないけど…。え?違うの?じゃあ、どこ行くの?』
    『内緒』
    兄貴は、ニッコリあたしに微笑んだ。
    …………?????
    その時、兄貴がタクシーを停めた。
    タクシーの扉が開き、兄貴が乗り込む。
    『え?!何でタクシー?』
    『早く乗れ』

    2005-06-16 07:18:00
  • 178:

    あたしは、訳がわからないまま、兄貴と一緒にタクシーに乗り込んだ。
    『兄貴?どこ行くの?マジで!』
    『いや、飲みにでも行こうかって思って。お前元気無いしな』
    『…え!』
    ……そのまま、あたしと兄貴はタクシーを降りた。降りた場所は、一度も来た事がない場所だった。
    『この辺に結構いいバーがあるから、一回お前を連れて来ようと思ってたんだ。』
    『へ…へぇ』

    ドキン…ドキン…
    な、なんか、嬉しい…嬉しすぎる…

    2005-06-16 07:20:00
  • 179:

    手を繋いだまま、普段は来る事の無い街を通りぬける二人…。

    《あたし達、恋人同士って感じじゃん……ッ》

    そう思うと、めちゃくちゃ嬉しくて、ドキドキして……兄貴が好きで。
    あたしは、スッと兄貴の横顔を見上げた。

    《この人が、ホントにホントにあたしの彼氏なんだ。いっぱい、いっぱい女の子はいるのに、妹の…あたしを選んでくれた》

    なんか、嬉しくて胸がしめつけらて、幸せで…涙がでそうになった。

    2005-06-16 07:22:00
  • 180:


    ―――ピタ
    あたしは、足を止めた。

    『典子?』

    2005-06-16 07:23:00
  • 181:

    急にあたしの動きが止まったので、兄貴も足を止めて、あたしの方を振り向いた。
    『あ…あのさ…兄貴…』
    あたしは、小声で呟く。
    『どうした?』
    兄貴が不思議そうに、あたしに問いかけた。

    2005-06-16 07:24:00
  • 182:

    ドキン…ドキン…ドキン…ドキン…

    『べ…別に、さぁ…バーで、お酒飲まなくても…いーんじゃない…?』
    『はぁ?』

    兄貴は、あたしの言葉が理解できない顔をしている。
    『だ…だから……』
    スゥ―――

    あたしは息を吸って言った。

    2005-06-16 07:25:00
  • 183:


    『ホ…ホテル…とかでも、お酒飲めるじゃん…?コンビニで、お酒買って…………』


    そう言った瞬間、あまりの恥ずかしさに、あたしは兄貴の顔が見れず、うつむいてしまった。

    2005-06-16 07:26:00
  • 184:

    『いや、今更、冗談はないだろ』
    ……………え゙?

    兄貴がニッコリ微笑んだ。

    『前言撤回は無しだからな』

    そう言って、兄貴はあたしに再び手を差し出した。
    …え……
    …………………え?!!

    2005-06-16 07:29:00
  • 185:



    ウィーン―――
    自動ドアの開く音が響いた。
    入るとすぐに、色んな部屋の写真が見える。

    ドキン ドキン ドキン

    き…来て………しまった…
    ……………ラブホテル………

    2005-06-16 07:31:00
  • 186:


    『どの部屋か決めろよ』

    兄貴が写真を見ながら、あたしに言った。
    『ど……ッどれにしよぅかなぁ??!』
    ―――あたしの声は半ば裏返っていた。

    ピンク一色の部屋やら、前面鏡バリの部屋……え…SMちっくな道具がある部屋……。
    そんな部屋の写真ばかりあたしの目に飛びこんで来る。

    2005-06-16 07:33:00
  • 187:

    ―――もちろん。
    あたしがラブホに来るのは、初めてな訳がない。むしろ何十回と来ている。
    他の男と来た時なんて、部屋は写真も見ずに
    「テキトーに選んどいてよ」
    ………と、男に決めさせていた………。

    2005-06-16 07:34:00
  • 188:

    ――――――が。
    今のあたしの心境……。もう尋常なモノじゃない。

    ドキン ドキン ドキン ドキン ドキン ドキン

    《だめだ……緊張しすぎて 卒倒…しそう……》

    あ…兄貴と、ラブホに来てるなんて、昨日まで…いや、つい数十分前のあたしに想像出来たか?!!

    2005-06-16 07:35:00
  • 189:

    他の男と来てた時は、感じた事なかったけど…。
    ラブホって……………なんか妙に、エッチな雰囲気かもしだしてるよな………ッ。よく考えたら、エッチする為だけの場所なのよね…ラブホって……。
    《……って事は……あたしと兄貴は、今から………》
    きゃあああぁぁあ!!
    あたしは、心の中で激しく叫んだ。

    2005-06-16 07:37:00
  • 190:

    『おい、どれにするんだ?』
    あたしがあまりにモジモジしていたので、兄貴があたしをせかす言葉をはいた。
    『あ…え、えーと!!ココにしよっと!!』
    ポチッ
    あたしは、焦ってあまり写真を見ずに、315号室の部屋のボタンを押してしまった。

    2005-06-16 07:38:00
  • 191:

    あたしと兄貴はエレベーターに乗り込んだ。

    …………………………。
    エレベーターの中で、あたしは息ができないほどの緊張を味わった。
    『……おとなしいな』
    兄貴が一言も喋らないあたしを見て、クスッと笑う。

    ドクン… ドクン…

    ……やばい。兄貴をまともに見れない……。

    2005-06-16 07:40:00
  • 192:

    ガチャ―――
    部屋の扉を開くと、ラブホテル独特の空気があたしを包んだ。
    『うわっ目茶苦茶、部屋キレイじゃん!』
    あたしはワザと緊張を誤魔化そうと、大声を出した。
    『てゆーか…』
    上着をソファーにかけながら、兄貴が呆れた声を出した。
    『お前のシュミ、凄いよな』
    『は?』
    兄貴は、タバコに火をつけながら、部屋の中央にあるベッドの真上を見上げた。

    2005-06-16 07:41:00
  • 193:

    『え?何?』
    あたしも兄貴と同じくベッドの上を見た。
    ―――――げ!!!

    …ベ…ベッドの真上の天井だけ、鏡になってんじゃん!!?

    2005-06-16 07:42:00
  • 194:

    ……………!!
    《は…初めてで、こんな部屋選ぶなよあたし……!!》
    カァァァッ―――
    一気に恥ずかしくなった。
    『お前、妙に緊張してるよな。この前のカプセルホテルん時はイケイケだったくせに』
    兄貴はあたしの様子を見てニヤニヤしている。
    『だ…だって!この前ん時と今回とじゃ、状況が違うじゃん!』
    …この前ん時は……ッ…あたしと兄貴は…まだ、ただの兄妹で……でも…
    『今は…、男と、女として来てるでしょ…?!』

    2005-06-16 07:45:00
  • 195:

    …うぅ。
    あたしはまた何て恥ずかしい事を……。

    『そうだな』
    フゥ…
    タバコの煙りを吐きながら、兄貴は言った。
    …そんな兄貴が、めちゃくちゃカッコよく見えて…

    ドキン ドキン ドキン
    《やばいよ…あたし、兄貴とまともに話せないし、兄貴をまともに見れないし、……どうしよう……》

    2005-06-16 07:46:00
  • 196:

     ハッ―――

    …そ・そうだ!!

    『兄貴!お酒飲もーよ!』
    あたしはさっきコンビニで買ったお酒を、袋から出した。
    『…本当にこんなとこで飲むのか?』
    兄貴が呆れてあたしからビールを受け取った。

    ……だって。お酒の力をかりないと、とてもじゃないけど緊張しすぎて普通じゃいれませんから!!

    2005-06-16 07:48:00
  • 197:

    …そしてあたしはあまりの緊張のあまり、アホな事を口に滑らせてしまった……。
    『あれ〜兄貴、ラブホでお酒飲んだりしない人?!あたしは飲む人だよ??』

    あたしは絶好調で兄貴に言い放った。
    …すると、兄貴が急に不機嫌そうにあたしを見た。

    2005-06-16 07:49:00
  • 198:

    『……ふーん。他の男ともラブホ来て酒飲んだことあるんだな』

    『………え゙』
    あ゙。……しまった………。

    『い…いや、兄貴ッ』
    『そーゆー事は軽く口にすんなよ?あんまいー気しねーから』
    ………う………
    『ご…ごめんなさい…』
    あたしはシュンとして俯いた。

    2005-06-16 07:51:00
  • 199:

    『うそだよ。んな落ち込むなっての』
    兄貴はあたしの口に、ポテトチップスを差し込んだ。
    『お…怒ってない?!』
    『怒ってないけど、いい気はしてない』
    『怒ってるじゃん!』
    あたしは、膨れっ面でポテチをポリッと噛んだ。
    『わかった!!ヤキモチやいてるんだ、兄貴!』
    あたしはニヤ〜ッとソファーに座る兄貴の顔を覗きこんだ。

    2005-06-16 07:52:00
  • 200:

    『ヤキモチとゆーか…普通に良い気しないだろ』
    『いーや!ヤキモチだ!そっかぁ〜そんなに兄貴はあたしの事が好きかぁ〜』
    …酒が入ったせいか、だんだん緊張が溶けてきて兄貴に普通に話せる。
    『はいはい』
    兄貴は再びタバコに火をつける。
    『あ!あたしも吸う!ちょーだい!』
    あたしは兄貴のタバコを奪い取った。
    『お前!だから未成年が吸うな!』
    フゥ…兄貴と間接キス…
    そんな事を思いながらタバコを吸った。

    2005-06-16 07:53:00
  • 201:

    そんなあたしの姿を見て、
    『お前、タバコ似合いすぎだな』
    …と、兄貴が言葉を漏らした。
    『…え、もしかして、兄貴タバコ吸う女、嫌い?』
    恐る恐るあたしは兄貴に聞き返した。
    『あんまり好きじゃない』

    ガ――――――ン

    2005-06-16 07:54:00
  • 202:

    『え?!ま…マジで?!じゃぁ、あたしタバコ吸うのやめる!!』
    あたしは慌てて灰皿にタバコを押し付けて消した。

    クックックッ…
    そんなあたしの姿を見て、兄貴が笑いだした。
    『ほんと、お前って可愛いよな』

    え?! 可愛い??!
    また可愛いってゆわれた!!!!!

    2005-06-16 07:55:00
  • 203:

    『別に、俺に合わせなくて良いからな。俺はどんなお前でも、好きだし』
    そう言って兄貴は、立ち上がった。
    …………………。
    兄貴の言葉に、しばらくあたしはボーッとしてしまった。
    …あたし、こんな幸せでいーのかしら……。

    2005-06-16 07:56:00
  • 204:

    キィ…
    兄貴が風呂の扉を開けた。
    『風呂、お前先に入るか?』
    ジャ―――…
    湯舟に湯が溜まる音がする。
    『あ…いいよ!兄貴が先に入って!』
    『……一緒にはいるか?』
    『え゙?!』
    『嘘だよ』
    パタン…と、風呂の扉が閉まった。

    2005-06-16 07:58:00
  • 205:

    …な…なによ!あたしの事からかって…!裸で乱入したろか!?
    《いやいやいや、さすがのあたしもそれは無理…》

    ジャ―――…
    シャワーの音が聞こえる。しかも風呂場の壁はすりガラスで(ラブホだから)、兄貴の姿が透けて見えていた。

    2005-06-16 08:00:00
  • 206:

    ……げ!!透けてる…!!
    あたし風呂入れないじゃん!!
    はぁ…
    あたしは軽く息を吐き、ベッドに横たわった。天井の鏡に、あたしの姿が映る。
    《……今から……このベッドで…兄貴と……》

    ドクン ドクン ドクン

    《だめ…やばい…緊張で死にそう》

    2005-06-16 08:01:00
  • 207:

    その時―――

    ブブブ…ブブブ…
    『?』
    あたしの携帯が鳴った。
    【着信 秋吉】

    …は?秋吉?

    2005-06-16 08:02:00
  • 208:

    『もしもし』
    【あ!典子先輩?!】
    『何?!何か用?!あたし今忙しいんだけど?』
    あたしは相変わらず、秋吉に冷たく言い放った。
    【いや、今皆と別れたんッスけど、今から先輩と遊びにでも行きたいなぁなんて!】
    『はぁ?彼女と行けよ!』
    【いや、それが彼女とケンカしちゃって!】
    ……知るか、そんなもん…。
    『だからってあたしを誘わないでくれない?!』
    【えー!だって今日抱き合った仲じゃないっスかぁ?!】

    2005-06-16 08:03:00
  • 209:

    ギクッ―――
    あたしは秋吉の言葉に、兄貴のいる風呂場を見て慌てて電話の音量を下げた。

    『と、とにかく。あたし、今デート中だから切るから!』
    【え?!先輩、今男といるんスか?!】
    『そーよ!!じゃーね!!』

    ブチッ―――
    あたしは一方的に電話を切った。

    2005-06-16 08:04:00
  • 210:

     ガチャ

    『―――!!』
    電話を切ったと同時に、兄貴が風呂場から出てきた。
    『あ…早かったんだね!』
    『……ああ。お前、今電話してなかったか?』
    ドキッ―――
    ―――別に後ろめたい相手じゃないけど、今日抱き付かれた件があったから、秋吉からだと言い辛いあたしがいた(結局後ろめたいのか…)。
    『あ、友達からだよ!』
    …つかなくていい嘘をついてしまう。

    2005-06-16 08:06:00
  • 211:

    『…ふーん』

    ギシッ
    頭をタオルでゴシゴシ拭きながら、兄貴はあたしの横に座った。
    ドキッ―――!!
    ……兄貴がイキナリ横に来たから、あたしはあまりに意識して、慌ててベッドから飛び起き、
    『あ、あたしもお風呂入るね!』
    と、兄貴から離れた。

    2005-06-16 08:08:00
  • 212:

    ―――その瞬間。
    ガシッ―――
    ―――――――?!
    兄貴が、あたしの腕を掴んだ。
    『―――?!きゃ??!』
    あたしは兄貴に引き戻され、ベッドに押し倒された。
    兄貴は、あたしの腕をきつく掴んだまま、押し倒されビビリまくってるあたしの顔を見下ろした。

    ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン
    ――あたしの心臓の音は部屋中に響く勢いで鳴っている。

    2005-06-16 08:10:00
  • 213:

    『あ…兄貴…』
    眼鏡をしていない兄貴の顔に見つめられ、あたしは本気で、どうにかなりそうだった。
    『何で、嘘つくんだ?』
    ――――え?!
    兄貴の言葉が、一瞬理解できなかった。
    ……何が?!

    『さっきの電話、男だろ?』
    『―――あ…』
    兄貴は冷ややかな目であたしを見下ろしている。

    2005-06-16 08:11:00
  • 214:

    兄貴は冷ややかな目であたしを見下ろしている。

    『お前の嘘は、すぐわかる。誰と電話してた?』
    『…あ…えと…あ……………秋吉……』
    兄貴の視線が痛くて、あたしは素直に答えた。

    『あいつか…何で嘘ついたんだ?』
    『あ…!別に!やましい事がある訳じゃなくて…!何となく…ごめんなさい…』

    2005-06-16 08:13:00
  • 215:

    フゥ……
    兄貴は、あたしからゆっくり離れ、タバコに火をつけ、まだ濡れた髪をクシャッと手で掻き分けた。
    …お…怒らした………!
    あたしは焦って、兄貴に言い訳をしようとした。が―――。

    『俺カッコ悪いな。お前の事、信じてるとか、言いながら…』
    …………え……
    『徹夜の弟に、ヤキモチ妬いた』
    少し気まずそうに兄貴はタバコの火を吐きだしながら、言った。
    『あ…兄貴…』

    2005-06-16 08:14:00
  • 216:

    『か…可愛い…』

    あたしは思わず、ポロリと言葉を吐いた。
    『はぁ?!』
    兄貴が不満気な声を出した。
    『兄貴、何か可愛い…』
    男の人を可愛いって思ったの、初めてだ。
    『うるせーな。目ぇキラキラさせて言うな』
    『あはっ!照れてる!』
    『お前なぁ……』

    2005-06-16 08:15:00
  • 217:

    あたしがケラケラ笑っていると、不意に、兄貴の手があたしの顔に触れた。

    ビクッ―――ッ
    ……咄嗟に、あたしは身を引いてしまった。
    『……お前…俺の事、恐いのか?さっきから何気に逃げてるよな』
    兄貴があたしを見つめながら、微笑を浮かべた。
    ドキンドキンドキンドキン
    『ち…違うよ…??』
    『意識しすぎだろ』
    兄貴がクスッと笑い、ゆっくりあたしに体を近付ける。

    2005-06-16 08:17:00
  • 218:

    『お前、もっと積極的な女だと思ってたけど…』
    …………!!
    兄貴の暖かい唇が、あたしの唇に触れた。
    『…ッん……ッ』

     ドサッ―――
    唇を重ねたまま、あたしはベッドの上で、兄貴に押し倒された―――――

    『……――ッんん…ッ』
    兄貴のキスは、今までのどんなキスより濃厚で…激しい。

    2005-06-16 08:18:00
  • 219:

    『はぁ…――ッ』
    途切れ途切れに、ふたりの唇から漏れる息が、部屋中に響く―――…

    『あ…兄貴…ちょ、ちょっと待って……ッ』
    あたしは兄貴の胸を押し、唇を離した。
    『なんだ…?』
    『……シャ…シャワー…まだ、浴びてない…んだけど…』
    ………こ……心の準備も…かねて……

    2005-06-16 08:20:00
  • 220:

    『…いいよ別に』
    ………よ…よくない……。
    その瞬間、兄貴の手が、あたしの服の中に滑り込んできた―――。
    ビクッ―――
    『あ…!ちょ…!』
    そのまま、兄貴の手はあたしの背中にまわる。
    プチン
    『…………………!!』
    兄貴はいとも簡単に、あたしのブラのホックを外した。
    《な、慣れてない?!》

    2005-06-16 08:21:00
  • 221:

    『だめ!だめだめだめ!!シャワー浴びてからじゃないとダメ―――!!』
    グググッ……
    あたしは必死で兄貴の顔を押して抗った。
    『おいコラ、暴れるな』
    兄貴はあたしの両腕を掴み、あたしの頭上でまとめた。

    ……ちょ…ちょっと…
    兄貴ってSっ気あるんじゃ?!(泣)

    2005-06-16 08:22:00
  • 222:

    兄貴の指が、あたしの素肌を伝い、ゆっくりと胸に触れた。
    ビクゥ!!
    兄貴の指の感触に、あたしの体が敏感に反応した。
    『あ……ッ』

    ドクンドクンドクンドクン
    …ま……まじで…あたし………兄貴とエッチするんだ……!!

    『お前…、胸弱いんだな』
    兄貴の言葉に、更にあたしの体は反応する。

    2005-06-16 08:24:00
  • 223:

    『典子』

    兄貴があたしを見つめた。
    『あ…兄貴…』
    『震えすぎだろ、お前…』
    そう微笑を浮かべると、あたしの首筋に舌を這わす。
    『あ…ッあぁ…ッ』
    《―――――だめ…ッ体が………溶けそう………ッ》
    『…俺、この前言ったよな?』
    不意に兄貴が、言葉を吐いた。

    2005-06-16 08:25:00
  • 224:

    『俺にヤキモチ妬かせたら泣かすって』
    『―――…え?!』

    ―――その瞬間、
    あたしの服がまくり上げられ、あたしの胸があらわになった―――
    『……ッ!!』
    兄貴の唇が、あたしの胸の突起を吸い、舌で転がす
    ビクビクビクッ
    『はぁッ――』
    あたしの唇から、熱い吐息が漏れる……。

    2005-06-16 08:27:00
  • 225:

    チュ…ピチャ…
    やらしい音とともに、 胸の先端に、兄貴の熱い熱を感じる。

    『あ…ッあに…き…』

    あたしは、ふるえる指で、兄貴の髪をつかんだ。
    《あ…兄貴が…あたしの胸を…ッ》
    ふと――…あたしは天井に視線をやった。
    《か、鏡…!》
    天井に張り巡らされた鏡には、あたしと、兄貴の重なる姿が映っている……。

    2005-06-16 08:28:00
  • 226:

    カァッ―――

    鏡に映る光景を見て、更に、あたしの恥ずかしさが増す…。
    『はぁぁ…ッ』
    兄貴の唇が、生暖かい唾液とともに、あたしの突起から離れた。
    『…典子…。俺とお前は、兄妹だ。…一線越えるのを、お前が拒むなら…』
    兄貴は震えるあたしを見つめ、微かに荒い息で囁いた。
    『あ…あたしは…あ、兄貴に、抱かれたいよ?』
    ドキン…ドキン…ドキン…
    あたしは、震える声で言い放つ。

    2005-06-16 08:30:00
  • 227:

    『それに、兄貴…あたしが拒んだら、我慢できるの……?』
    ―――そうあたしが口にした瞬間……。兄貴の唇が舌とともに、あたしの唇に割り込んできた―――
    『んむ……ッ』
    同時に、あたしの胸を兄貴の指がまさぐり出す――――
    『…やぁ…ッ』

    2005-06-16 08:32:00
  • 228:

    『もちろん…、我慢する気なんてねーよ』

    兄貴があたしの耳を軽く噛みながら、低い声で囁く―――
    ……ゾクゾクゾク―――ッ

    『やぁ…ッ耳元で…ッ兄貴ッ…』
    『圭吾だろ?』

    兄貴の指が、あたしの下半身に延びた。
    ―――――――――!!

    2005-06-16 08:33:00
  • 229:

    『や…ッやっぱり…シャワー…ッ』
    あたしは必死で体をくねらせ、兄貴の指から逃れようとした。
    『悪いけど、シャワー浴びるの待つ余裕ない…』
    兄貴は息を荒げ、そう言った瞬間―――

    『―――――??!』
    ……兄貴の指が、あたしの中へ入って来た―――
    『あぁ……ッやぁッッ』
    あたしのからだに痺れが走る………

    2005-06-16 08:34:00
  • 230:

    な、なんか……
    エッチの時の兄貴、性格変わってる……?!

    《いや、フツーは変わるか…ってあたし、処女じゃあるまいし!!》

    『う…ンッ…ッ』
    ……しかも……なんでこんな…うまいわけ……?!

    緊張しすぎたあたしは、やたら頭で色んな事を考えてしまう―――

    2005-06-16 08:35:00
  • 231:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 232:

    ―――ふと、兄貴と………皐月と…の事が、頭によぎった。

     ポロ・・・

    あたしの目から、涙がこぼれた。

    『……どうした?』
    兄貴が、不思議そうにあたしの涙を指で拭ってくれた。
    『……ううん。自分でもわかんない……。嬉しくて……。不安で……。嬉しくて………』
    暖かい感触が、あたしの頬を伝った。

    2005-06-16 08:38:00
  • 233:

    『どっちだよ』

    フッ と兄貴は微笑み、あたしに唇付けた。
    …………兄貴…………
    『好き…』
    あたしは兄貴の肩を、ギュッと抱きしめた。

    『……あたし、兄貴が好き…』
    …………
    ……………

    2005-06-16 08:41:00
  • 234:

    『うん。俺も…』

    そう言って、兄貴の体が、あたしの体に、重なった…………………………


    『………あッ…ッ』
    そのまま、あたしは兄貴を受け入れた―――
    『もう、不安になる必要なんてねぇよ』

    意識の向こうで、兄貴の声があたしにそう、囁いた気がした……………………………

    2005-06-16 08:44:00
  • 235:



    ………セックスって……無気力で、快楽だけを求めてするモンじゃなかったんだね。
    あたしの中で、レイプされた過去が、チリチリ痛んだ。……色んな男と寝てきた過去、それすらも、兄貴に抱かれながら、生まれて初めて、強く、後悔した……………。
    好き…好き……あたしは、何度も何度も、そう兄貴に言葉を漏らしていた―――――。

    2005-06-16 08:46:00
  • 236:










    2005-06-16 08:47:00
  • 237:

    今日は、ここまで。
    次は、木曜深夜…か、早朝更新予定。

    2005-06-16 08:49:00
  • 238:

    名無しさん

    たくさんありがとう☆

    2005-06-16 08:51:00
  • 239:

    名無しさん

    ぉつかれさまです?また見に決ます??

    2005-06-16 08:52:00
  • 240:

    名無しさん

    更新ぃつですかッ?楽しみにしてますッ?

    2005-06-17 00:06:00
  • 241:

    名無しさん

    早く書け??

    2005-06-17 00:14:00
  • 242:

    ↑これコピペだょ?

    2005-06-17 00:27:00
  • 243:

    コピペ頑張っτ?さィ☆彡続き楽?みに?τますッ↑↑?ォvノ(☆∧з∧)cнц♪

    2005-06-17 01:08:00
  • 244:

    名無しさん

    コピペか?じゃあ頑張ってコピペして下さい?

    2005-06-17 01:29:00
  • 245:

    名無しさん

    ↑確信犯

    2005-06-17 01:59:00
  • 246:

    名無しさん

    スレを汚すな!

    2005-06-17 02:03:00
  • 247:

    頑張りはしないけど出来るだけやります。
    >>242-243の続きより


    2005-06-17 02:26:00
  • 248:


    『もう6時だよ?!』

    あたしと兄貴は、慌ててラブホテルを出た。

    『早くしなきゃ打ち上げ、皆もう集まってるかも!』
    結局、今日は兄貴もあたしも、学校をサボってしまった。
    起きて気付けば、もう既に夕方だった。

    …兄貴はと言うと、今まで一度も休んだ事がない大学を休んでしまい、少々ウツ気味だった。

    2005-06-17 02:27:00
  • 249:

    『どーしたのよ兄貴?いーぢゃん一日くらい休んだって!』
    あたしは兄貴の手を引っ張った。
    『お前と一緒にすんな!』
    『何よ!兄貴が昨日、3回もエッチするから起きれなかったんでしょ?!』
    『お前!!だから声が……!!』
    『大きいんでしょ?はいはい!!』
    ハァ……
    兄貴が大きく溜息をついた。
    …なんか、エッチした後は、あたしの方が、強いかも。

    2005-06-17 02:28:00
  • 250:

    さすがに、昨日と同じ服はマズイ。
    ココから一番家が近い友達に、着替えの服を借りた。兄貴は友達の家へ泊まったって嘘をつくらしい。
    ……結局、1時間遅れで、あたしと兄貴はサークル仲間と合流したのだった。

    『典子先輩!!遅かったッスね!!』

    2005-06-17 02:29:00
  • 251:

    秋吉が、あたしの姿を見るなり近付いてきた。
    『あ!お兄さんと一緒に来たんッスか?』
    秋吉が兄貴に軽く挨拶した。…さすがラグビー部。目上の人間に対する礼儀はしっかりしている。
    ………………ってゆーか…………

    『…ちょっと待って!打ち上げって…こんな場所でしてるの?!』
    てっちゃんやサークルの皆は、公園の大きな噴水の横で、ものすごい数のお酒やつまみを並べて、すでに全員、酔っ払ってバカ騒ぎしていた。
    《あたし、てっきり居酒屋かどっかで打ち上げするものだとばかり…》
    『徹夜のサークルの打ち上げは、いつもこんなんだよ…』
    兄貴が、隣で呟いた。

    2005-06-17 02:31:00
  • 252:

    『お―――!!圭吾!!典ちゃん!!こっち来いよ!!飲もーぜ!!』
    噴水の隣で、てっちゃんがサークルの女の子の肩を組みながら、あたしと兄貴を呼んだ。
    『てっちゃん?!酔いすぎじゃない?!!』
    『おー典ちゃん!!はいお酒!!ぢゃんぢゃん飲みなさいよー!!』
    そう言って、あたしにビールを手渡した。
    ……う。てっちゃん…酒くさい……。
    『てゆーかお前、ビール飲めないだろ。こっちにしとけ』
    兄貴が、あたしのビールを取り上げ、代わりにチューハイをくれた。

    《……あ……兄貴……。あたしを気遣ってくれたのね…!!優しい……!!》

    2005-06-17 02:33:00
  • 253:

    『よーし!!圭吾!!俺と飲みくらべだ!!負けたら噴水にダイブだからな!』
    てっちゃんが酔っぱらって兄貴に挑戦を挑んでいる…。
    『行ってくるわ』
    兄貴がポンとあたしの肩を叩いた。

    …行ってくるわって……兄貴、酒弱いのに大丈夫なのか?!
    まぁ、あたしがいるから酔っ払っても大丈夫だけど♪

    2005-06-17 02:34:00
  • 254:

    兄貴は…てっちゃんと絡んでる時は、凄い年相応に見えるんだよね。楽しそうに、はしゃいで見えるっつーか……。
    ……やっぱ、てっちゃんは兄貴の親友なんだなぁ……。
    《もっと、もっと、兄貴の事が知りたい…あたしにしか見せない顔をして欲しい―――》

    ……以外と嫉妬深い事は判明したけど。

    2005-06-17 02:35:00
  • 255:

    『ごめん〜遅れて!!』

    ―――――!!
    突如、あたし達の前に、いつもながらハデな格好をした女が現れた。
    『あ――!皐月さんだぁ!!』
    秋吉がご機嫌で呼び掛けた。
    『やだぁ〜!皆もう酔っ払ってるじゃん!!』

    ……来てないと思ってホッとしてたのにッ……!!

    2005-06-17 02:36:00
  • 256:

    『何なに??徹夜と圭吾、飲みくらべしてるの??じゃあ、勝者にはぁ。皐月のキッスが待ってまぁーす♪』

    ―――はぁ?!!

    『うわッ俺も参加してぇ〜〜〜!!』
    隣でヤジを飛ばす秋吉の足を思い切り踏ん付けた。
    ガンッ―――
    『いてぇぇぇ!!?』
    ―――ウザイ……!!
    (↑八つ当たり)

    2005-06-17 02:38:00
  • 257:

    フッ―――
    でもいいの…もう、今までのあたしじゃないんだし。だって……
    《兄貴と、昨日、愛を確認しあったから!!》
    きゃっ♪
    《皆、さっきまであたしと兄貴が、ラブホテルにいたなんて……思いもつかないんだろーな……》

    【兄貴とあたしは、秘密の恋人同士】

    そう思うと…。皐月なんて、もう眼中にありましぇん!!
    大人の余裕ってやつかしら???

    2005-06-17 02:40:00
  • 258:

    そう思うと、自然と笑みが……
    『先輩?何、ニヤニヤしてるんッスか?』

    ビクッッ
    昨日の兄貴との行為を思いふけっている時に、秋吉があたしの顔を覗きこんだ。
    『なんか、良い事あったんッスか〜?』
    秋吉が疑いの眼差しで、あたしを見た。
    『べ…別に何もないわよ…』
    あたしは秋吉を振り払うように目を逸らした。

    2005-06-17 02:40:00
  • 259:

    『あー!怪しい!怪し過ぎる!先輩、昨日男といたんッスよね?!…もしかして、さっきまで、ヤッてたとか?!』
    ブッ―――
    あたしは飲んでたお酒をおもいっきりむせ込んだ。
    『やっぱり…ッどーりで先輩…今日なんか色っぽくてエロい匂いがすると思った…!!』
    『どんな匂いなのよ?!あほか!!』

    2005-06-17 02:42:00
  • 260:

    『俺の典子に悪いムシがぁ〜〜』
    ……いや、どっちかっつーとお前の方が悪いムシだから。
    『つーか、あんたはどーなのよ?彼女とケンカしたんでしょ?仲直りしたの?』
    話題をすりかえようと、秋吉の話を持ち出した。
    『…ん〜。イヤ、まだ仲直りはしてないんッスよね〜それが』
    『…あ、そーなの?あんたって実はケンカん時自分からは、折れないタイプ?』

    あたしが聞くと、秋吉の表情が一瞬、変わった。
    ……………?
    『いや、俺の彼女……』

    2005-06-17 02:43:00
  • 261:

    ―――そう、秋吉が言いかけた瞬間…

    『終――――了!!徹夜がぶっ倒れたので圭吾の勝ち――――!!』
    向こうで、サークル仲間の一人が叫ぶのが聞こえた。
    『あ…兄貴?!!』

    2005-06-17 02:45:00
  • 262:

    噴水の横で、酔い潰れて寝ころがる、てっちゃんと兄貴の姿があたしの目に飛び込んだ。
    ―――やだッ兄貴、大丈夫なの??!

    『圭吾も酔い潰れたし、次誰、潰すかぁ〜』

    …酔い潰れたって……兄貴、顔、真っ赤だし!!
    あたしは慌てて兄貴の所まで走った。
    ――――――――が。

    2005-06-17 02:46:00
  • 263:

    『圭吾?!大丈夫??しっかりしてよぉ、もぅ!』
    『…………!!』
    あたしよりいち早く、皐月が、兄貴の体を起こし、兄貴に水を飲ませた。

    ………こ、この女……!!
    『皐月さん!!大丈夫ですから!!あたしが…ッ』
    あたしは皐月と兄貴の間に割って入った。
    『いーのいーの♪典子ちゃんは、弟クンと喋ってなさいって♪いー雰囲気だったじゃん♪』
    皐月はあたしに軽くウィンクした。

    2005-06-17 02:48:00
  • 264:

    ……な…何言ってるの?この女?!

    『ごめーん皆!ちょっと圭吾の酔い、覚まさせに川沿いまで連れて行きたいから、誰か手伝って!』
    ……ハァァァ??!

    『あ!俺行ってやるよ!』
    サークル仲間の斉藤って人が、皐月と一緒に酔い潰れた兄貴を起き上がらせた。
    『あ…あたしも…!』
    あたしは慌てて、3人について行こうとした。

    2005-06-17 02:50:00
  • 265:

    『いーからいーから!こんな時まで兄貴の面倒みなくていーって♪典子ちゃんはココで楽しんでてよ!』
    斉藤が、ニッコリあたしに微笑んだ。
    ……こんな時だからだろ!!!?
    (斉藤は好意で言ってくれたんだろーけど)

    ……斉藤が居るし…
    皐月と二人っきりなわけじゃないから、大丈夫だよね……

    ―――あたしは不安な面持ちで、兄貴を連れてゆく二人を見送るしかなかった。

    2005-06-17 02:51:00
  • 266:

    『あれ?先輩のお兄さんと斉藤さんは?…皐月さんも……』
    秋吉がポッキーをくわえながら、あたしの所へ来た。
    『うん…なんか、兄貴の酔いさますために3人で川沿いの方行った…』
    『え?!3人で?!…じゃあ今頃、3Pしてたりして』

    ――――――!!
    『やめてよ!そーゆー冗談!!』
    秋吉の言葉に、あたしは酷く反応した。
    『す…すみません…』
    あたしのあまりの剣幕にビックリしたのか、秋吉は加えていたポッキーを、地面に落とした。

    2005-06-17 02:53:00
  • 267:

    ♪チャララ〜チャラチャララ〜ラ〜♪

    その時、秋吉の携帯が鳴った。
    『はい。もしもし…』
    ―――電話に出た秋吉の声は、いつもより低かった。
    『…ああ。…だから、もうかけてくんな』
    ブチ―――
    たったそれだけ会話すると、秋吉は携帯を切った。
    『……彼女?』
    雰囲気で、そう感じたあたしは、秋吉に聞いた。

    2005-06-17 02:54:00
  • 268:

    あたしの問いに、秋吉はニッコリ微笑んで答えた。
    『別れたんッスよ。昨日』
    『――え?』
    『彼女に、浮気されて』
    『――ええ??』

    う・浮気されたんだ……
    どっちかっつーと秋吉のほーが浮気しそうなのに…(←失礼)
    『実は前々から、別れたり戻ったりしてたんッスけどね。けど俺自身もう無理だし』

    2005-06-17 02:56:00
  • 269:

    『そーなんだ…』
    …電話してきてるなら、まだ彼女は秋吉の事が好きなんだ。浮気してたとはいえ、なんか、切ない……
    『あ!もしかして先輩、俺の事心配してくれてるんッスか??』
    ―――は?!
    『してないわよ。彼女のほーの心配はしたけど』
    『またまたぁ♪俺もフリーになった事だし、先輩俺と付き合っちゃいます??』
    『無理です。』
    あたしはキッパリ答えた。
    『……即答ッスか…』

    2005-06-17 02:57:00
  • 270:


    『ただいまぁ〜。皆、盛り上がってるかぁ〜?』
    ―――――?!
    突如、聞こえた声の主に、あたしは驚愕した。
    『さ、斉藤さん…?』
    さっき、皐月と兄貴を連れ出した斉藤が、一人だけ戻ってきた―――
    ―――――なんで?!

    『皐月さんと兄貴は?!』
    あたしは慌てて斉藤の所へ駆け寄った。

    2005-06-17 02:59:00
  • 271:

    『いやさぁ。皐月に先に帰っててって言われたから…俺も気ィきかせたワケよ』
    ………は?!
    何…じゃあ、今……皐月と兄貴は…二人きり?!!
    ドクン ドクン ドクン
    ―――あたしの全身から、血の気が引いた―――

    『じゃー今頃、圭吾と皐月は星空プレイ中?!』
    ギャハハハ―――

    周りが、はやし立てる。

    2005-06-17 03:01:00
  • 272:

    ドクンドクンドクンドクン

    ―――嫌!!あの女と二人きりなんて、絶対ダメ!!

    『先輩?何か顔色悪いッスよ?』
    秋吉が、あたしの様子のおかしさに気付いた。
    『あ…あたし…ちょっとトイレ行ってくる!!』
    『え?!一人じゃ危ないッスよ!?』
    持っていたお酒を秋吉に押し付け、あたしは一人夜の川沿いへ走った―――――

    2005-06-17 03:02:00
  • 273:


    ピンチが訪れました。
    今日はここまで(涙)

    2005-06-17 03:04:00
  • 274:

    名無しさん

    しおり?

    2005-06-17 12:50:00
  • 275:

    名無しさん

    はやく書いて?

    2005-06-17 19:54:00
  • 276:

    みゆ

    すごいいとこで止まってる?
    ってか1ついいですか(>_

    2005-06-18 00:02:00
  • 277:

    名無しさん

    ∪オvノ

    2005-06-18 00:23:00
  • 278:

    >>283
    病院にいる事に気付く場面
    http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/921-924" target="_blank">http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/921-924
    典子が兄貴と気持ちを確認しあう場面〜付き合う状態になる(?)場面
    http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/975-994" target="_blank">http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/975-994

    コピペ再開。
    >>279より続き。

    2005-06-18 00:35:00
  • 279:

    ハァハァハァ―――
    あたしは川沿いを目掛け、暗い公園の中へ入った。夜の公園は、不気味で恐い。ザワザワと木々の揺れる音がする……。
    ……けど、それどころじゃない!!

    ハァハァ―――
    『どこ…?兄貴どこ…?』
    あたしは兄貴を信じてる。
    ―――けど、兄貴が酔ってるのをいいことに、皐月から手を出したら……!!
    ―――あの女ならありえる!!!

    2005-06-18 00:38:00
  • 280:

    ―――皐月のクソ女!!
    兄貴に手ぇ出したら許さない!!
    あたしは公園を抜け、川沿いに出た。

    『―――!!』
    居た!!

    兄貴と皐月の姿を見つけた。…あたしは何故か、咄嗟に木の陰に隠れてしまった。
    電灯もひと気もない川沿いのベンチに、兄貴はグッタリ横になっている。…その横に、皐月がいる……。

    2005-06-18 00:39:00
  • 281:


    ・・・・・・・・・・・・・・・・え?!

    あたしは、信じられない光景を見てしまった。

    皐月の頭が、兄貴の下半身の上で、上下に動いている―――――
    ドクンッ………
    『はぁ…ッ―――』

    あたしの息が詰まった。

    2005-06-18 00:42:00
  • 282:


    ……フェラ……
    してる………皐月が、兄貴に―――!!
    『―――!!!!』
    あたしは思わず二人から目をそらした―――

    ドクンドクンドクンドクン
    やだ……やだ………
    目の前が、真っ暗になった―――――

    2005-06-18 00:44:00
  • 283:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 284:

    やだ…やだ…やだ……ッ

    泣きながら、あたしは公園を走った。
    ドクン ドクン ドクン ドクン
    『うぅ…ッッ―――』
    皐月と兄貴が…エッチしてた光景がフラッシュバックし、あたしは木に手をつき吐いた……。
     ズルズルズル―――
    あたしはそのまま、地べたに崩れこんだ。
    『兄貴…兄貴…あにきッ』
    涙がボロボロこぼれる。

    2005-06-18 00:49:00
  • 285:

    どうして…逃げたの…?

    《―――兄貴に触らないで!》

    二人の前に出て行ったらよかったのに……!!

    ―――できなかった……ッ

    皐月に触れられてる兄貴が、別人に見えた……。

    2005-06-18 00:50:00
  • 286:

    昨日まで、あたしの体に触れていた兄貴の体が………他の女に……。

    そう思った瞬間、あたしの体に、言い表しようもない【嫌悪感】が走った

    兄貴に対して………【嫌悪感】が。

    『ぅううッ……』
    あたしは泣いた。
    表しようのない、ショックと、自分の気持ちに―――

    2005-06-18 00:52:00
  • 287:


    今思えば、
    この時からだったのかもしれない。

    あたしの中のキモチが、……少しずつ、変化していったのは。

    2005-06-18 00:54:00
  • 288:





    2005-06-18 00:56:00
  • 289:

     ポチャン・・・

    ボーッとしながら、あたしは小石を、川の中へ投げた。
    ……今ごろ、兄貴と皐月は………
    ズキン ズキン ズキン
    《つらい―――》
    あたしは、川の柵を握りながら、へなへなとヘタりこんだ。
    …もう、兄貴の事を信じるとか…どうとか…
    そんな気持ちすら、どうでもよくなっていた。

    2005-06-18 00:58:00
  • 290:

    『お兄ちゃんが好きって、こーゆー事なんだよ…。』
    あたしは自分に言い聞かせた。
    …何が、「あたしは血の繋がりなんて、関係無い!」だよ……あたしが一番、妹だって事実に縛られてるんじゃない………。
    『だからもーいーの。兄貴に他の女が近づいても、あたしは一生我慢して生きていけば良いだけの話なんだから…』
    一人言のようにあたしは呟いた。

    2005-06-18 01:00:00
  • 291:

    『……………。』
    もう不安にさせないって兄貴、言ったのに………。
     ジワ・・・
    あたしの目に、再び涙が滲んだ。

    『――先輩?!』

    ビクッ―――
    …………………?!
    気付けば、あたしの目の前に、秋吉が立っていた。

    2005-06-18 01:01:00
  • 292:

    名無しさん

    かなり気になって寝れません?早く見たいょぉ-?

    2005-06-18 01:03:00
  • 293:

    『び…びっくりした…』
    『びっくりしたじゃないッつの!!探しまくってたんッスよ?!』
    ……秋吉の息は、微かに切れていた。
    『帰ってこねーから、何かあったんかと思った…よかった…』
    ハァーッっと、秋吉は安堵の息をつき、あたしの前にしゃがみ込んだ。

    2005-06-18 01:05:00
  • 294:

    『…あんたってさ…。いい奴だよね……』
    『へ?』
    あたしの言葉に、秋吉はキョトンとした。
    『…え?!どーしたんッスか急に?!いつも毒舌な先輩にそんな事言われたら気持ち悪いッスよ?!』
    『…あっそ。じゃもー言わない』
    『あ!うそ!もっと言って!』

    ……こいつは、フツーに恋愛して…フツーの苦しみしか知らないんだろーな……
    あたしは、酷く悲観的になってしまっていた。

    2005-06-18 01:06:00
  • 295:

    『前の彼女も幸せだっただろーね』
    『…そーでもないッスよ』
    ―――秋吉が、ポツリと言った。
    『どんなに一緒にいても、あいつは俺一人じゃ満足できなかったみたいッスから』
    『……浮気の事?』
    あたしの言葉に、秋吉はフッと微笑んだ。
    『最初の一回目の浮気は…好きだから許せたけど。それがダメだったんッスよね。俺とケンカする度に「違う男の所に行くからもーいいッ」って』
    川の柵にもたれながら、秋吉はタバコに火をつけた。
    『…ワガママな彼女、だったんだね……』
    『そーッスね。色んな男にチヤホヤされないと、ダメな女だったから』

    2005-06-18 01:09:00
  • 296:

    『それでも好きだから、離れられなかった?』

    あたしはベンチに置かれている秋吉のタバコを一本、抜きとった。
    『……そーッスね。けど、俺が彼女と別れる決断ができた出来事が起こったんッスよ』
    『へー。どんな?』

     シュボ―――
    タバコに火をつけながら、あたしは無気力に答えた。

    2005-06-18 01:10:00
  • 297:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 298:

    『俺、先輩のコト、好きです。』

    ……ちょ、ちょっと待て。
    秋吉は、今まで見たことが無い真剣な眼差しで、あたしを見つめている。

    『す…好きですって…』
    ジジジ・・・
    あたしの手から、タバコの灰が落ちた。
    ……ちょっと待って。告白されてんの?あたし?
    ………秋吉に???まさか!

    2005-06-18 01:13:00
  • 299:

    『俺と付き合ってください』
    秋吉が、あたしの肩をガシッと掴んで、言った。

    『ちょ…冗談でしょ?!』
    『ハイ。いつもなら。けど今回は本気です』
    ―――――!!
    心無しか、秋吉の顔が照れているように感じる…

    《―――え゙?!ほ、ほんとに本気なの?!》

    2005-06-18 01:15:00
  • 300:

    『き…気持ちは有り難いけど、あたしには好きな人が……ッ』
    『知ってますよ―――』

    ……―――え?!
    『先輩の好きな人って、先輩のお兄さんでしょ?』

     ド ク ン

    『…な…なんで……?』
    ―――なんで解ったの?!

    2005-06-18 01:17:00
  • 301:

    『俺、結構そーゆーの敏感なんッスよ。それに、先輩の様子ずっと見てたらわかります。…そりゃ、最初はまさかなぁ〜って思ったけど』
    淡々と語る秋吉の言葉を、あたしはただ黙って聞いていた。

    『今日、お兄さんと二人で来たの見て…なんか、雰囲気で確信しました。昨日、一緒にいたのも、お兄さんッスよね?』
    『……………!!』
    あたしは、声が出せなかった。

    ――――他人に、知られてしまった―――

    2005-06-18 01:19:00
  • 302:

    あたしの悲壮感漂う顔を見て、アハハと秋吉は笑い出した。
    『別に…その事をネタに脅して、付き合えとか言いませんって!』
    ………なんなのコイツ。
    あたしの考え、全部見透かしてるみたいに……。
    『俺、頑張りますから。先輩に好きになってもらえるよーに』

    2005-06-18 01:20:00
  • 303:

    『秋吉…』

    秋吉は、真っ直ぐに、あたしを見つめている。

    『先輩、いつも何か思いつめてる感じがしたのは……お兄さんと付き合ってたからなんッスね』
    『………!!』
    …何?その言い方!?
    『あ、兄貴が悪いんじゃないよ!!そんな言い方しないで!!』
    バシッ―――
    あたしは肩にかかる秋吉の手を振り払った。

    2005-06-18 01:22:00
  • 304:

    『同じ事ッスよ!現に先輩今も泣いてたでしょ?!』
    ビクッ―――
    ―――あたしの言葉が、詰まった。
    『兄妹の恋愛に…偏見持つ気はないッスけど、お兄さんより、典子先輩を大切にする自信あります。泣かせたりしない!!』
    ……………!!!

    2005-06-18 01:23:00
  • 305:

    名無しさん

    お願い?続きまだぁ?気になるょ?

    2005-06-18 01:23:00
  • 306:

    『た…大切にされてるわよ!!何も知らないクセに兄貴の事、悪く言わないで!!!』
    ドクンドクンドクン
    ダメ…苦しい…胸が、苦しい………!!

    『実の兄と付き合ったって…!親にも言えない、誰にも祝福されない、結婚なんか出来るわけないし、子供だって産めない。幸せになんてなれるハズないんッスよ?!!』

    2005-06-18 01:24:00
  • 307:


    バシ―――ッ

    ……あたしは、秋吉の頬をひっぱたいていた。

    『………俺、よく叩かれますよね……。』
    秋吉は、静かに呟いた。
     ハァハァハァ・・・
    あたしの目から、涙がこぼれた。

    2005-06-18 01:26:00
  • 308:

     ギュ―――

    『スミマセン…』
    秋吉の腕が、あたしの体を抱いた。
    ………兄貴と、同じ香水の香り……。

    『でも俺、先輩の泣いた顔、見たくないッスから。俺先輩の事、本気です。…なんつーか…先輩が近くにいると、安心する……』

    ―――――そう言って、秋吉はゆっくりとあたしに顔を近づけた。

    2005-06-18 01:28:00
  • 309:

    ……………なんでだろ。

    あたしは、今度は抵抗しなかった。
    秋吉の唇が、あたしの唇に触れる。
    ―――抵抗する、気力がなかったのかもしれない。

    【兄妹が愛し合っても、幸せになんか、なれない】

    秋吉の言葉が、ただ、あたしの頭の中でグルグルグルグル回っていた―――――。

    2005-06-18 01:30:00
  • 310:



    『先輩、二人で抜け出して遊びにでも行きません?』

    秋吉はあたしから唇をゆっくり離し、あたしの耳横で囁いた。

    2005-06-18 01:33:00
  • 311:

    『は?今から?!』
    『映画でもカラオケでも、先輩の好きなトコ♪思い切り遊んだら、少しは嫌な気分が吹っ飛びますって!!』

    ………嫌な気分……か。
    秋吉の強引さに負け、あたしと秋吉は二人で打ち上げを抜け出し、ゲーセンで思い切りはしゃいだ。

    2005-06-18 01:34:00
  • 312:

    『先輩!!次これやりましょー!バイオハザード!!』
    『イヤよ!あたしゾンビとかミイラとかグロ系大っ嫌いなの!』

    ……なんか、子供みたいにはしゃいで、あたしを元気づけようとしてくれてる秋吉の姿見てたら……
    ……本当に嫌な事全部、忘れられる気がした。

    2005-06-18 01:35:00
  • 313:


    ……でも。
    こんなの、一時の気休めにしか…ならない……。

    《兄貴 今頃どーしてるのかな……》

    あたしはワザと、携帯の電源を切っていた。

    …今は、何も…考えたくなかったから。

    2005-06-18 01:36:00
  • 314:

    『先輩!すっげーの取れたんッスけど!』
    ボーッとしていたあたしの目の前に、秋吉の身長の半分はありそうなカバの人形が飛びこんできた。
    『すごいっしょ?!300円でゲッツしました!!』
    『…つーかさぁ。フツー、プーさんとか取るでしょ?!何でカバなワケ?!』
    『え゙?!折角取ったのに!!』
    秋吉の悲惨そうな顔を見て、あたしは思わず笑ってしまった。

    ……秋吉と付き合ったらきっと、楽しい。
    ……言いたい事も言えて、堂々と出来て……………
    ―――――でも。

    2005-06-18 01:38:00
  • 315:

    あたしはやっぱり、兄貴が、好き―――。

    『ごめん。秋吉…あたし、やっぱり帰るわ…』
    『え―――?』
    さっきまでハシャギまくっていた秋吉の表情が止まった。
    『やっぱり、こんなことしてちゃ、ダメなんだよ』
    あたしは、自分に言い聞かすように、秋吉に告げた。
    『……お兄さんのこと、気になるんッスか?』
     コクン・・・
    あたしは小さく頷いた。

    2005-06-18 01:40:00
  • 316:

    『……そっか』
    溜息まじりの秋吉の声…。
    『わかりましたよ。俺も無理に先輩引き止めるつもりもないッスから』
     …チクン…
    秋吉の言葉が胸に刺さる。

    『今日は、先輩に告れただけで俺満足だし。…それに、全く俺に見込み無いワケでも無いみたいだし?』

    ―――?
    あたしには秋吉の言葉の意味がわからない。

    2005-06-18 01:42:00
  • 317:

    『さっきのキス。…先輩、抵抗しなかった』

    ―――――!!
    『あ、あれは!!』
    抵抗する気力が無かっただけで……!!

    『俺、諦めないッスよ』
    そう、あたしに告げた秋吉の瞳は、あまりにも真っ直ぐ、あたしを見ていた。

    ………ごめん…………秋吉……

    2005-06-18 01:45:00
  • 318:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 319:

    一回休憩。30分以内に再開します。

    2005-06-18 01:51:00
  • 320:

    名無しさん

    ぉつかれさまですッ?続き早くみたいデスッ楽しみにしてます?またお願いしまぁス?今日ゎ何時ぐらいまで続けれそうですかァ?

    2005-06-18 02:10:00
  • 321:

    >>327
    未定…(汗)

    >>325より続き…

    2005-06-18 02:22:00
  • 322:



    あたしが家に着いたのは、皆がもう家を出た10時過ぎだった。
     カチャ―――
    あたしは、家の扉を開け、玄関に入った………

    2005-06-18 02:24:00
  • 323:


    『――お帰り』

    ……………!!
    『あ、兄貴…ッ』
    玄関の入口に、待ち構えたように兄貴が立っていた。

    『俺の部屋に来い』

    ―――兄貴の表情は、とっても冷ややかだった……。

    2005-06-18 02:25:00
  • 324:

    『おまえ、今までどこ行ってた?携帯の電源切りやがって』
    兄貴の部屋に入るなり、ベッドに腰掛けた兄貴は、かなり不機嫌にあたしを睨んだ。
    あたしは、机の椅子に座り、ただ無言で俯いていた。
    『徹夜の弟もいなかった。……一緒にいたのか?』
    『……………。』
     コクン・・・―――
    俯いたまま、頷いた。

    『…どこ、行ってた…?』
    兄貴の声が、低い―――。

    2005-06-18 02:27:00
  • 325:

    『打ち上げ抜け出して…秋吉とゲーセン行ってた。でもすぐ別れて、あたし一人で朝まで喫茶店に…』
    あたしがそう言葉を吐いた瞬間―――

     ガンッ―――
    『――きゃ?!』

    兄貴が、壁を思い切り蹴った―――
     パラパラパラ…
    壁から、粉が落ちる音がする。

    2005-06-18 02:29:00
  • 326:

    『あ…兄貴…?』
    ドクン…ドクン…
    兄貴の突然の行動にあたしはビビりまくっていた。
    ハァッ……
    兄貴は大きな溜息を漏らし、再びベッドに腰掛けた。

    『俺は…お前に自分の気持ちを告げてから…おかしい。自分で自分の感情が…押さえれなくなってる………今も、徹夜の弟とお前を、疑ってる』

     ズキン……
    秋吉とキスした事が、あたしの胸に罪悪感としてよぎった。

    2005-06-18 02:31:00
  • 327:

    《―――けど、兄貴だって、皐月と……》
    『………ッ』
    皐月の事を、問い詰めようとしたが、やめた。 ……何も知らない……見なかったフリをしてればいい。
    …あたしは、兄貴が好きだから。兄貴を信じたいの……。

    『兄貴……』

    あたしは、ゆっくりと兄貴の方へ近づいた。そして……
     ギュ………
    あたしから、兄貴を抱きしめた。

    2005-06-18 02:33:00
  • 328:

    『……典子?』

    《……兄貴の匂い…》
    香水は同じでも、秋吉とは全然違う、……あたしだけが知ってる、安心する香り………。

    『兄貴は、あたしの事が好きで好きで仕方ないんだね…』
    『うるさい。ほっとけ』
    兄貴の顔は見えないが、きっと照れてるに違いない。

    2005-06-18 02:35:00
  • 329:

    『あたしは、信じてるよ。兄貴の事。だから…あたしの事も信じてほしい』
    あたしは、穏やかな気持ちで兄貴に言った。
    『…なんか、お前の方が大人だな……』
    フゥ…と兄貴は溜息をついた。
    『いーよ。子供な兄貴も大好きだから』

    ―――そのまま、兄貴はあたしをベッドに押し倒した。

    『…誰もいないからって…家でヤるのはマズいんぢゃ…ッ』
    あたしは兄貴の顔を見上げた。

    2005-06-18 02:36:00
  • 330:

    『………ッ』
    あたしの言葉に答える事なく、あたしの唇はふさがれる。
    《……皐月とヤったベッドじゃん……》
    そう思ったけど―――
    《いいや。このベッドで兄貴に抱かれる女は、あたしが最後なんだから…》

    ―――――兄貴が好き。この気持ちは絶対変わらない。
    何があっても。
    ………何が……あっても……………。

    2005-06-18 02:38:00
  • 331:










    2005-06-18 02:39:00
  • 332:


    『……で、この公式はXがYに…』

     ふぁぁぁ・・・
    ……………だるい。学校の授業は本気でだるい。

    結局、二日続けて学校を無断欠席してしまったあたしは、親にもセンセーにもこっぴどく叱られた。
    昨日は兄貴も大学を休んで、エッチのあと、一緒に映画に行ったのだ♪
    (あたしが無理矢理連れ出したんだけど)

    2005-06-18 02:41:00
  • 333:

    その後ラブホにも行った。
    (まぁ、あたしが誘ったんだけど)

     カチャ―――
    あたしは教科書に隠して、携帯を開いた。

    2005-06-18 02:42:00
  • 334:

    ?作成:兄貴
    【いま、大学?】
    ―――送信。

    ……数分して、兄貴から返事が来た。
    【うん】
    ……ってそれだけかよ?!

    2005-06-18 02:43:00
  • 335:

    【返事少な〜?あたしは授業中?めちゃ暇??】
    ―――送信。
    ……そして受信。
    【勉強しろ】
    ……兄貴……(泣)あたしは負けじとメールを送った。
    【兄貴、あたしの事好き???】
    【うん】
    ……ってゆーかワザとか兄貴?!
    【うん だけ???他にもっとないの??】
    ―――送信。

    2005-06-18 02:45:00
  • 336:

     シーン…
    ……あれ?メールが来なくなった。……忙しいの?!もぅ!
    あたしはすねて携帯をしまおうとすると―――
    ?受信:兄貴

    【典子愛してる】

    ……………!!
    《じぃ〜ん……》
    めちゃくちゃ片言なメールだけど、あたしは、あまりにも感激してしまい、そのメールだけ保護設定してまった。

    2005-06-18 02:48:00
  • 337:

    名無しさん

    ∪オvノ

    2005-06-18 02:49:00
  • 338:

    その瞬間―――
    ?受信:秋吉
    【先輩、授業中??俺、今保健室でサボり中?先輩もくる〜?】
    『……………。』
    【行くかボケ】
    ―――送信。
    するとすぐ受信。
    【センパイひどい(;_;)俺はこんなにも典子を愛してるのに〜】
    ……………こいつ…。
    兄貴とはえらい違いだなオイ。

    2005-06-18 02:49:00
  • 339:



    キーンコーンカーンコーン

    『典子〜一緒に帰ろう?』

    2005-06-18 02:50:00
  • 340:

    『あ、ごめん由美、先に帰ってて!あたしコレ出してくる!』
    あたしは、片手に一枚の紙を持って、進路相談室に向かった。

    『―――芸術大学?』
    クラスの担任は、あたしが差し出した進路希望用紙を見て、キョトンとしてあたしを見た。
    『はい。なんかあたしに向いてるかなぁ〜って!』
    『へぇ…相沢、絵書くの好きだったんだな。意外だ…』

    センセーは、まぁ、頑張りなさいとだけ言い、あたしの背中をポンと叩いた。

    2005-06-18 02:51:00
  • 341:

    『あ、先輩!』

    進路指導室から出た瞬間、秋吉が飛び付いてきた。
    ……ってゆーか、こいつどこにでも現れるよな?!
    『もー!俺、保健室でずっと待ってたのに!』
    『行くなんて言ってないし!』
    『ねー先輩、今からデートしましょーよ、ディト!』

    ……ほんとこいつ、犬みたいな奴だよなぁ…なつっこいっつーか、なんつーか。なんか頭に耳まで見えてきた……。

    2005-06-18 02:53:00
  • 342:

    ―――その時。
    ブブブ…ブブブ…
    『……?』
    あたしの携帯に、知らない番号から着信―――。
    『はい?』
    【あ、もしもし?典子ちゃん?】
    ……………女の声?
    【あたし。皐月だよ】
    ―――――?!
    身の毛がよだった。

    2005-06-18 02:54:00
  • 343:

    『さ…皐月さん?!』
    『……?』
    あたしの声に秋吉がこっちを振り返る。

    ドクン ドクン

    な…なんで……?!
    なんで皐月があたしの番号を……!?

    2005-06-18 02:56:00
  • 344:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 345:


     カラーン

    『いらっしゃいませ』
    皐月が指定した場所は、あたしの学校の近くにある小さな喫茶店だった。
    一番奥の席に…足を組んで、タバコを吸う皐月が見える。
    『皐月さん』
    『あ!典子ちゃん!ごめんね。呼び出しちゃって!あ〜制服だ。いぃなぁ若くて!』
    『何の用ですか?』
    あたしは、皐月のトークを無視し、冷たく言い放った。

    2005-06-18 02:59:00
  • 346:

    『……あのさぁ』
    アイスコーヒーのストローを指で回しながら、皐月はあたしをジッと見つめる。
    『圭吾の事なんだけど。…圭吾ね、最近エッチしてくれないんだぁ……』

    ……は?
    皐月の言葉に、あたしは声も出せない。
    『圭吾から、あたしの事、何か聞いてない?』

    2005-06-18 03:00:00
  • 347:

    ……な…何ぬかしてんの?!この女!
    『兄貴には彼女がいるからでしょう?!』
    『ん〜今までは、そんなの関係なかったんだけどなぁ…。今回の彼女、そんないい女なの?』
    『知りません!』
    ムカムカムカムカ…
    だめ…この女、本気むかつく……ッ
     ギュ―――
    あたしは膝の上で拳を強く握った。

    2005-06-18 03:01:00
  • 348:


    『やめて……ッ』
    あたしは、皐月の言葉を遮った。

    ク…クックックッ…
    ……………?
    そんなあたしを見て、皐月が急に笑い出した。

    2005-06-18 03:06:00
  • 349:


    『やっぱりね…』
    ……………?

    皐月が、まるで勝者のような笑みであたしを見る。



    『…圭吾の好きな女って、典子ちゃんだったんだぁ』

    2005-06-18 03:07:00
  • 350:

    ―――――え?!

     ドクン―――

    …………………………な…に…?

    『あはは。ごめん。カマかけちゃった!』
    皐月がクスクス笑いながら、加えたタバコに火をつける
    『この前ね、打ち上げの時、あたし圭吾と二人きりになったでしょ?その時、圭吾寝ちゃったから起こそうとして、フェラしてあげてたの♪そしたらさぁ。圭吾の奴、"典子"って、名前、漏らしてさぁ〜』

    2005-06-18 03:08:00
  • 351:

    ドクン…ドクン…
    ……兄貴が……?!

    『びっくりしたよぉ。だって、あたしの知ってる「典子」は……圭吾の妹なんだもん』

     フー…
    皐月の吐く息があたしの顔を包む。

    『まぁ、まさかなぁ〜って思って、勝手に圭吾の携帯見たのね。そしたら…メールの内容見てびっくりした。…やっぱり、兄妹でデキてたんだぁ。近親相姦ってやつ?!』

    2005-06-18 03:11:00
  • 352:


    ―――その時のあたしは…
    皐月に真実がバレた喜びと不安の狭間で揺れていた―――

    『前からやたら圭吾にくっついてるなぁて思ってたけど…まさか本当にデキてたなんて……』
    皐月は見下した瞳で、あたしを見た。

    『キモすぎ』
    『……!!』

    2005-06-18 03:12:00
  • 353:

    ……………ばらす…?

    『皆びっくりするだろーね♪噂なんか、すーぐ学校中に広がるよ?しかもあなた受験でしょ?ヤバイね』

     ガタッ―――
    あたしは椅子から立ち上がった―――。

    『あたしはいーわよ!!言い触らしたきゃ言い触らせば?!…けど…けど兄貴はやめて!!兄貴には何もしないで!!』

    2005-06-18 03:16:00
  • 354:

    『きゃははッ!あたしはどーなってもいーからお兄ちゃんはキズつけないでって? ウケる〜ッ♪バッカじゃない?!妹が女ぶるなっての!!』
    『………ッ』
    『セックスはできても、血が濃すぎて子供は産めないよ??結婚もできないだろーね。女の幸せは手に入らないし……フツーの女なら与えれる幸せを妹じゃ圭吾に与えれないわよ!』

    ……やめて……ッ

    あたしの脳裏に、秋吉が言った言葉が浮かぶ―――
    【兄妹が愛し合っても、幸せにはなれない】

    ドクン…ドクン…ドクン…

    2005-06-18 03:18:00
  • 355:


    『―――――――ッ』
     バシャ―――
    『きゃあッ?!』

    ……気が付くと、あたしは手元にあった水を、皐月にかけていた―――。

    『――ッ何するのよ?!』
    皐月は物凄い形相で、あたしを睨んだ。

    2005-06-18 03:19:00
  • 356:

    ………ハァハァ……
    あたしの動悸が激しくなる―――。
    『…圭吾には言ってない。帰ってお兄ちゃんに泣きつきなさいよ。学校へ行くと地獄が待ってるって!二人で思い切りキズついたらいーわ!近親相姦野郎!!』
     バンッ―――
    皐月は1000円札二枚を机の上に置き、捨てゼリフを吐いて、そのまま喫茶店を去っていった。

    2005-06-18 03:21:00
  • 357:



    『……………。』

    あたしは、喫茶店を出た後、一人でボーっと公園のベンチに座っていた。

    2005-06-18 03:24:00
  • 358:

    『…本当にバラすつもりなんだろーな…あの女……』

    ………どうして?
    ……………血が繋がってたら、愛しあっちゃダメなの……………?
    好きなんだから、仕方ないじゃんか……………。

    2005-06-18 03:25:00
  • 359:

    皐月がバラしたら……あたしはきっと学校に居づらくなる。
    ただでさえ、クラスの女からバッシングを受けている。
    …ううん……ッ
    そんな事、どうでもいい。

    《―――兄貴だけは、傷ついて欲しくない……ッ》

    自分でも、驚いている。
    自分が傷ついても…って思った事は、生まれて初めての感情だった。

    2005-06-18 03:26:00
  • 360:


    ―――兄貴への気持ちが…恋心から、愛情へ変わったんだと、あたしは思い込んでいた。

    《兄貴は、あたしが…守らなきゃ》

    プルルル…プルルル…
    【もしもし】
    『あ…勝也?』
    【…典子?久しぶりじゃねー?!最近連絡くれねーからさぁ。どした?】

    2005-06-18 03:28:00
  • 361:

    ……勝也は、あたしが中学の時からツルんでた、族の頭。もちろんセックス関係アリの付き合いだった。
    いい奴なんだけどすることがエグくて、しばらく縁切っていた。けど……………。

    『悪い勝也。頼みがあるの。2〜3人連れてこっち来てくれない?』

    2005-06-18 03:29:00
  • 362:


    ―――あたしは、とんでも無いことをしようとしている。兄貴を裏切ることも。

    それを解っていても、あたしはただ、兄貴を守りたかった……。
    『あ、皐月さん?典子です。さっきはごめんなさい。……話したいことあるんで…今からまた会ってもらえませんか?』

    2005-06-18 03:31:00
  • 363:


    兄貴を守りたい、という気持ちが―――

    あたしの今までの感情を惑わす結果になってしまうなんて。

    皐月を呼び出す前までのあたしには、想像もつかなかった……。


    2005-06-18 03:33:00
  • 364:










    2005-06-18 03:33:00
  • 365:

    もっかい休憩…(汗)再開未定だけど、多分朝方には再開してます。

    2005-06-18 03:37:00
  • 366:

    名無しさん

    お疲れ様ですッ?さっきの者ですが…ズットみてましたょッ?ゅっくり休憩して下さいッ?また朝見ますネ?ぉやすみですッ?

    2005-06-18 03:40:00
  • 367:

    読者

    パート?の6月6日にコピられた556のスレからパート?のスレ1って話し飛んでますよね?どこにあるんですか?(>_

    2005-06-18 03:40:00
  • 368:

    ?

    お疲れ様です??
    明日バイトやっちゅぅの
    に気になって寝れなく
    ズットみてましたぁ??
    今から寝ますけど明日
    また楽しみにしてます?
    頑張ってください??

    2005-06-18 03:44:00
  • 369:

    >>376
    …ん?よく意味がわかりませんが、part?はレス100超えてるので…556では終わっていませんよ?
    http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1117473268/556-560" target="_blank">http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1117473268/556-560 (携帯用)
    から入って、下部の次5をクリックしていけば、part?の最後まで進むと思います。画面メモだけで保存していると、不都合が起きやすいのでスレのトップをブックマークする事をお勧めします。

    2005-06-18 03:58:00
  • 370:

    >>378
    ×レス100
    ○レス1000

    2005-06-18 03:59:00
  • 371:

    読者

    なるほど?ご丁寧にありがとございました?

    2005-06-18 04:22:00
  • 372:

    名無しさん

    まだかなぁ‥

    2005-06-18 06:03:00
  • 373:

    今日の更新はあと少しで終えます。
    >>372-373より続き


    2005-06-18 06:17:00
  • 374:


    『ちょ…何すんのよ?!』
    ―――あたしは人気の無い、路地裏に皐月を連れ出した。勝也の指示で、族仲間のトモキとコウが嫌がる皐月を無理矢理壁に押し付けた。
    『この女マジうぜーな』
    勝也がタバコを口に加えながら、あたしに話し掛ける。

    2005-06-18 06:18:00
  • 375:

    『なんなのよこいつら?!どーゆーつもり?!』
    トモキとコウに両腕を掴まれ、身動きを取れない皐月は、路地の入口で様子を眺めるあたしを睨みつけた。
    『大学にウワサ流すって話…あれ、無しにしてもらえません?』
    あたしは皐月に冷たく言い放った。
    『――は?こいつら使ってあたしを脅そうって訳?することがガキなのよ!』
    強がりか何なのか、皐月は震えながらも威勢がいい。

    あたしは、制服のポケットから使い捨てのカメラを取り出した。
    『……?』
    皐月あたしの持つカメラを凝視している。

    2005-06-18 06:21:00
  • 376:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 377:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 378:

    『何…?!何撮ってんの?!』
    皐月がシャッター音とフラッシュに気付き、あたしの方を振り向いた。

    『……あんたさ。えらいセックス好きみたいじゃん』
    あたしは静かに、皐月に言い放った―――。

    『じゃーレイプとか…喜んでされてみる?』
    『―――――!!』
    皐月の顔が青ざめた。

    2005-06-18 06:27:00
  • 379:


    『ガキ、なめんなよ!!』

    ……憎かった。
    今まで…皐月に対して抱いていた憎悪が、一気に爆発した。

    『やだッやめてッ………ングッ――』
    トモキが皐月の口を塞いだ。
    横でコウが、カチャカチャとズボンのベルトを外す。

    2005-06-18 06:28:00
  • 380:

    ドクン…ドクン…ドクン…

    《こんな女…レイプでも何でもされて、キズつけばいい……兄貴まで、傷付けようとした…こんな女……ッ》

    ドクン…ドクン…ドクン…

    『ん…ッんぐぐッ―――!!』
    皐月は口を塞がれ、悲鳴にもならない声を漏らす。
    トモキの手が、皐月の足を割り開いた―――――

    2005-06-18 06:32:00
  • 381:


    『………やめて!!』

    『………?』
    あたしの声に、トモキの動きが止まった。
    『どしたぁ?』
    勝也の問いを無視し、あたしはゆっくり皐月に近寄り、しゃがみ込んだ。
    『ウワサを流さないって、誓って…』
    震える皐月に言葉を浴びせる。

    2005-06-18 06:33:00
  • 382:

    『二度と圭吾に、近づかないって約束して……!』

    コク…コクコク

    皐月が涙ぐんだ瞳で、何回も首をタテに振った。

    2005-06-18 06:34:00
  • 383:


    『……ストップ。離してあげて…』

    あたしは、トモキとコウに言った。

    『え〜いいの?ヤッちゃわなくて?せっかく俺ら呼んだのに?』
    勝也が残念そうにタバコを地面に押し付けた。

    2005-06-18 06:36:00
  • 384:

    『あんたが…少しでも変なマネしたら…この写真もあんたの大学にバラまくから』

    レイプはしなかった。
    けど、皐月のあられもない姿が、このカメラには写っている。
    誰が見ても、レイプ現場に見えるだろう。

    『二度と…兄貴に近づかないで』
    『わ…わかった…わよ。あ、あたしだって別に…あんな男…もう興味ない、し……』
    ガクガクと震えながら、皐月は小さく呟いた。

    2005-06-18 06:37:00
  • 385:

    皐月は四つん這いでトモキとコウの間から這いずり起き、そのまま、ヨロヨロと路地裏から逃げ去って行った―――。

    『……………。』
     ハァ………
    あたしは、安堵の溜め息を吐いた。

    ……これで…
    よかったん………だよね?
    確信は無いけど…あたしは兄貴を守れたはず……。

    2005-06-18 06:40:00
  • 386:

    『典子、約束だぜ。協力したから、今晩俺に付き合えよ?』
    勝也があたしの肩を抱いた。
    『……わかってる』

    ―――兄貴を裏切ってでも、あたしは…兄貴を守りたかった……。

    2005-06-18 06:41:00
  • 387:


    《裏切ってでも?》

    ―――裏切ってでも…守りたかった?

    兄貴なら…皐月にバラすと言われた事を話せば、
    「大丈夫だ」
    そう言って、あたしを抱きしめてくれたかもしれない。
    たとえキズつく事になっても、二人なら、乗りこえれたかもしれない。

    2005-06-18 06:42:00
  • 388:


    違う男に抱かれてまで、あたしは兄貴を守りたかったの ?
    ………これは、何?
    ………《愛情?》

    ……………何の……?

    勝也に足を開きながら、あたしの心に生まれた矛盾した気持ちは……
    だんだんと広がっていき…ひとつの答えに、辿り着いてしまった―――

    2005-06-18 06:45:00
  • 389:


    ―――あたしの、兄貴を守りたいという気持ちは…

    《―――「女」としてでなく、「妹」として…なんじゃ?―――》

    2005-06-18 06:47:00
  • 390:










    2005-06-18 06:48:00
  • 391:

    本日は、ここまで。また夜か、深夜にコピペ再開します。
    あと200レスくらい…(汗)クライマックスまであと少しでっせ!

    2005-06-18 06:50:00
  • 392:

    名無しさん

    おつかれさま?楽しみにしてます?もぅ少しがんばりょ????

    2005-06-18 07:00:00
  • 393:

    名無しさん

    250

    2005-06-18 20:42:00
  • 394:

    名無しさん

    更新まだでつかぁッ?

    2005-06-19 01:06:00
  • 395:

    >>398-399より続き



    2005-06-19 01:22:00
  • 396:


    ………ザワザワザワ

    勝也と別れた後、あたしは朝の人が行き交う街を、ボーッと歩道橋の上から眺めていた。
    もう、自分で自分の気持ちが…解らなくなっていた。
    ブブブ…ブブ…
    『……!』
    あたしは初めて、携帯の存在に気付いた。

    【着信:★兄貴★】

    2005-06-19 01:24:00
  • 397:

    『……………。』
    あたしは昨日家に帰らなかった。兄貴にも連絡は…していない。

    『もしもし……』
    あたしは恐る恐る電話に出た。
    【…もしもし?典子か?】

    兄貴の声―――
    あたしは、後ろめたいような、安心したような…そんな気持ちになった。

    2005-06-19 01:25:00
  • 398:

    【お前…無事だったのか……】
    兄貴が、ハァ…と安堵の息を漏らしながら、あたしに言った。
    『………!』
    いきなり怒られると思ったあたしは、兄貴の反応にびっくりした。
    『あ…昨日、由美ん家行ってたんだけど…そのまま寝ちゃって…。電話した…よね?ごめんなさい』
    あたしは兄貴に嘘をついた。
    【ああ。何回電話しても取らないから、何か事故かなんかあったんじゃないかって…親父も母さんも皆心配してた】
    『あ…兄貴も…?』
    【当たり前だろ。無事で良かった】

    2005-06-19 01:27:00
  • 399:

    『……………。』
    あたしが、浮気してたんじゃないかとか……疑わないの……?

    『あはっ!兄貴この間はあんなに、あたしと秋吉の事疑ってたのに!今回は浮気してるんじゃ〜?とか疑わなかったんだぁ??』

    冗談混じりで、あたしは兄貴に言った。

    ―――もしかしたら……
    あたしが嘘ついてるって、兄貴に悟ってほしかったのかもしれない。
    勝也に抱かれた罪悪感に、あたしは押し潰されそうだったから。

    2005-06-19 01:29:00
  • 400:

    【別に。お前が俺の事好きだって、わかってるし】
    『………え………』
    【俺の事好きなら、お前は浮気なんかしないだろ】
    『……………!!』

    ズキン…ズキン…ズキン…
    兄貴の言葉が、あたしの胸につき刺さった。

    【あ、そう言えば…】
    何かを思い出したように、兄貴が言った。

    2005-06-19 01:30:00
  • 401:


    【皐月のやつ、学校辞めるらしい】

    ―――――え?
    『…や…やめる?』
    ―――皐月が?

    【ああ。さっき皐月から電話かかって来て…今の男と結婚するからって。もう俺と関わりたくないから、二度と電話してこないでくれってさ。何だったんだろーな?あいつ…】

    2005-06-19 01:31:00
  • 402:


    ……………そう……
    ……よかった………

    あたしがした事は……
    無駄じゃなかった……

    【ホッとしただろ?皐月の事、毛嫌いしてたもんな、お前】
    兄貴がからかうように、あたしに言葉を投げ掛けた。

    2005-06-19 01:33:00
  • 403:

    【男と結婚するのは決まってたらしいんだけど、結婚したらもう遊べなくなるから、俺にちょっかい出してたんだと】
    『兄貴、まんまと皐月に利用されてたんだね!』
    【うるせーよ。お前も、もうヤキモチ妬く事無くなって良かったな。ヤキモチ妬いてるお前可愛いかったから、俺としては残念だけど】
    ―――たわいもない会話。 幸せな会話。
    ………………でも………

    2005-06-19 01:34:00
  • 404:


    【俺も、大学やめようと思って】

    ……………え?!
    兄貴の突拍子の無い言葉に、あたしは耳を疑った。
    『は?な、何言ってるの兄貴?!』

    【いや…会ってから言おうと思ってたんだけど……お前が卒業したら、一緒に暮らすか】

    …………………………え……

    2005-06-19 01:37:00
  • 405:

    【俺が働くから、お前は進学して、学校には行けばいい】
    『だ…ダメだよ兄貴ッ?!大学辞めるなんて……ッ』
    【何が駄目なんだ?俺がそうしたいんだ。実家にいたら、お互い気使うだろ?家出れば、お前も少しは気が楽になると思うし…】
    『だ…ダメだよ兄貴…そんなの…』
    あたしの瞳から、涙が溢れた。

    2005-06-19 01:38:00
  • 406:

    【俺が、お前にしてやれるのはそれくらいしかない。ってゆーより、俺がそーしたいだけだって言ってるだろ?お前は嫌なのか?】
    『……………。』
    ………兄貴……あたしは……ッ

    『兄貴……』
    【何だ?】

    あたしは震える声で、言った―――
    『別れよう…』

    2005-06-19 01:41:00
  • 407:

     パパ―――

    車の音が、あたしの耳になり響く。
    【―――――。】
    兄貴の返事が、止まった。

    2005-06-19 01:42:00
  • 408:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 409:


    ――――携帯を切った。

    歩道橋の上に、ズルズルとしゃがみこんだあたしは、声にならない鳴咽を漏らし続けた。

    2005-06-19 01:45:00
  • 410:

    皐月から兄貴を守れた……
    もう、それだけで十分だった。
    真実を知られないまま、あたしは兄貴の「妹」に戻りたかったから。

    《 兄貴を、愛してる 》

    その気持ちすら、もうあたしの中で、曖昧になってしまっていた。

    2005-06-19 01:46:00
  • 411:

    ブブブ…ブブ…
    【着信:★兄貴★】

    それから何回も何回も、兄貴から着信がある。気付けば、着信履歴の半分が兄貴で埋まっていた。
    勝手に別れを切り出して、勝手に電話を切ったんだから、仕方ない。兄貴からしたら、訳がわからないだろう……。

    2005-06-19 01:48:00
  • 412:

    メール受信:兄貴
    【典子、電話に出ろ】

    『……………。』
    【ごめんなさい兄貴。あたし、もう疲れたの。もう兄貴の妹に戻りたい…】
    あたしはゆっくり、送信ボタンを押した。
    メール受信:兄貴
    【意味がわからない。理由をちゃんと説明しろ】
    理由……
    そんなの…自分でもわからない……!

    2005-06-19 01:49:00
  • 413:

    【急に、自分の気持ちがわからなくなったの】
    送信ボタンを押そうとすると―――
    ブブブ…ブブブ…
    【着信:秋吉】
    今は誰とも喋りたくなかったのにあたしは思わず電話に出てしまった。

    2005-06-19 01:50:00
  • 414:


    【あ!!典子先輩?俺でーッス!!】
    何も知らない秋吉の明るい声。
    『……………。』
    何故か、あたしは声が出せなかった。
    それどころか…秋吉の声を聞いた瞬間、ボロボロと涙が流れた。

    『……うッ』
    【……え?先輩?あれ?…な、泣いてんッスか?】

    2005-06-19 01:52:00
  • 415:

    『………ぅッ…ッ』
    【先輩?!何かあったんッスか?!】
    秋吉が慌てた様子であたしに問いかけた。
    『あ…あたし…もうどーしていいか…わからない………ッ』
    【いや、俺がどーしていーかわからないッスよ!とりあえず今から迎えにいきますから!今どこです?!】

    2005-06-19 01:53:00
  • 416:

    ―――その30分後。歩道橋の上でうずくまるあたしの前に、息を切らしながら走ってくる、制服姿の秋吉が現れた。
    『学校行かないで…こんなとこで何サボってんッスか…』
    『…あんたこそ…学校抜け出してきたんでしょ…?』
    あたしは、気力の無い声を振り絞った。
    『そりゃ…好きな女が泣いてたら飛んできますって』
    秋吉はゆっくりと、あたしの前にしゃがんだ。
    『何があったんッスか?』
    『……………。』
    『昨日、皐月さんから電話かかってきてたでしょ?それが原因ッスよね?』
    ………本当、こいつって鋭い……。

    2005-06-19 01:55:00
  • 417:

    それでも、あたしは黙ったまま、秋吉に一言も口を聞かなかった。

     フゥ……
    秋吉が、そんなあたしに溜め息を付き、呟いた。

    『今から、ウチ来ます?』

    『こんなとこでジッとしてても…周りに変な目で見られるだけだし。あ、下心とかは無いッスから!』
    ニカッと笑い、秋吉の手が、あたしの腕を引っ張った……。

    2005-06-19 01:57:00
  • 418:





    2005-06-19 01:58:00
  • 419:

    『あたし、あんたの彼女じゃないんだけど?!』
    『彼女になる予定だからいーんです♪あ、つっ立ってないでテキトーに座ってくださいよ』
    あたしは秋吉に言われた通り、テーブルの横に座った。

     シーン……

    部屋に、沈黙が流れた。
    『……あ、テレビでもつけます??』
    沈黙に耐えられなかったのか、緊張しているのか、秋吉がリモコンを手にした―――
    ――――瞬間。

    2005-06-19 02:02:00
  • 420:

    『あたし…兄貴に別れようって言ったんだ』
    『……え……?』
    リモコンを押そうとした秋吉の指が止まった―――。

    あたしは、カバンの中の携帯を開いた。
    …あれからも、兄貴からの着信は止んでいない。
    『…あたしね…あたし…もう自分の気持ちが解らなくなったの…兄貴を好きな自分の気持ちが、「女」としてなのか「妹」としてなのか…解らなくなった…』

    テーブルにふさぎ込んだあたしを、秋吉はジッと見つめていた。

    2005-06-19 02:04:00
  • 421:

    『…昨日…何があったんです?』
    ―――――………。

    あたしは皐月の事や…勝也の事全てを、秋吉に話していた。
    『――先輩…その勝也って奴と、ヤッたんッスか?』
     コクン…
    あたしは小さく頷いた。
    『………ッ!!』
    秋吉の顔が強張る。

    2005-06-19 02:05:00
  • 422:

    『ハァ―ッ…』
     グシャグシャ―――
    秋吉はイキナリ頭を掻き出し、あたしを怒鳴った。
    『バッカじゃねーの?!そこまでして…お兄さん守る必要あったんッスか?!…そんな事して、お兄さんが喜ぶとでもッ?!』
    『だから!!真実を知られないまま、「妹」に戻りたいのよ!!』
    『………?』
    『……あたしの兄貴への想いは、「男」としてじゃなく…「家族」としての行き過ぎた愛情だったんだよ…だから、他の男に抱かれてでも、兄貴を守れた…』
    ―――それが、あたしの出した答え。だから兄貴に別れを告げた……。
    『…そーかな…。先輩は、他の男に抱かれた罪悪感から、逃げてるだけな気がするけど……』
    ――――――――!!

    2005-06-19 02:08:00
  • 423:

     カッ―――
    秋吉の言葉に血が昇る。

    『知った風な口聞かないでよ!!』
    ……あたしの気持ちなんか…わからないクセに……。

    『そーッスよ!先輩ですら自分で自分の気持ち解ってないんでしょ?俺に解るわけないじゃないッスか!』
    ―――――ぐッ……
    秋吉に言い返す言葉が、思いつかない―――。

    2005-06-19 02:10:00
  • 424:

    名無しさん

    俺もそう思う

    2005-06-19 02:10:00
  • 425:


    『先輩…』

    秋吉の手が、あたしの髪に触れた。
    『俺、先輩の気持ちは…全部は解ってやれないけど、でも側にいる事はできるから。俺を頼って下さい…』
    『……ッ』

    秋吉の顔が、ゆっくりとあたしの顔に近づいた。
    素直に、あたしは秋吉の唇を受け止めていた。

    2005-06-19 02:11:00
  • 426:

    ……秋吉と、付き合えば…もう、何も考えなくて、いいかも……
    兄妹だとか…もう考えなくていいし…皐月だって、もう居ない。
    あたしはまた、兄貴の妹に戻れる。
    『秋吉…あたし…』

    ドンドンドンドン―――!!

    ―――――?!
    扉を激しく叩く音に、あたしと秋吉は玄関の方を振り向いた。

    2005-06-19 02:14:00
  • 427:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 428:

     バキィッ―――

    『―――?!』
    玄関の方で鈍い音がした。
     ガシャ―――ン

    《な…何―――?!!》
    あたしは慌てて立ち上がり、玄関の方へ駆け寄った。
    『……………!!』
    あたしは、驚愕した。

    2005-06-19 02:18:00
  • 429:

    『あ…兄貴…ッ……!!』

    あたしの目に、秋吉を殴り息を切らす兄貴と、床に倒れ込む秋吉の姿が飛び込んだ。
    『典子…』
    あたしの姿を確認し、ホッとする兄貴の顔がわかった。
    『あ、兄貴…何で?!』
    倒れる秋吉の横をズカズカと通り、兄貴はあたしの腕を掴んだ。
    『帰るぞ』
    『……………!!』
    兄貴が、冷たい瞳で、戸惑うあたしの顔を凝視する。

    2005-06-19 02:20:00
  • 430:

     グイッ―――
    あたしは兄貴に引っ張られるまま、玄関から出ようとした。
    『ちょっと待てよ…!!』
    その瞬間―――秋吉が立ち上がり、兄貴の肩を掴んだ。

    『―――きゃあッ』
     バキィ―――ッ
    再び鈍い音が、部屋の廊下に鳴り響き、今度は兄貴が床に倒れた。
    秋吉はそのまま兄貴にまたがり、二人は取っ組み合いになって殴り合いだした。

    2005-06-19 02:23:00
  • 431:

    『ちょ…やめてッ!!』
    あたしは二人に割って入り、殴り合いを止めようとした……が。

    バキィッ―――

    『きゃッ…ッ』
    どちらかの腕が、あたしの顔に当たり、あたしは壁目掛けて吹っ飛んでしまった。

    2005-06-19 02:26:00
  • 432:

    『あ゙ッ?!』

    それに驚いたのか、秋吉と兄貴は我に帰り、同時にあたしを見た。
    『い…いたぁ…』
     ジワァ・・・
    頬にあまりに激しい痛みを受け、あたしの目尻から涙が流れた。
    《さ…さすが男…理加子に殴られた痛さとはワケが違う……》

    『せ、先輩!大丈夫ッスか?!』
    秋吉が慌てて兄貴から離れ、頬を押さえるあたしに近づいた。

    2005-06-19 02:28:00
  • 433:

    『典子ッ!』
     ビクッ―――――
    兄貴のあたしを呼ぶ声に、あたしの心は震えた…。
    『やっぱりお前…こいつと何かあったんだな?』
    『え…』
    『昨日帰らなかったのも、こいつと一緒にいたんだろ?』
    『……………ッ!!』
    ―――だから兄貴…ここに?
    『話はここを出てから聞く。帰るぞ…』
    唇からながれる血を指で拭きとり、兄貴はあたしの腕を再び掴もうとした。

    2005-06-19 02:29:00
  • 434:

     バシ…ッ―――

    『典子?!』
    無意識に、あたしは兄貴の手を振り払っていた。

    『ご…ごめんなさい…兄貴…あたし、秋吉と付き合う事にしたから…』
    ドクン…ドクン…ドクン…
    『…お前……何、言ってる…?』
    ―――兄貴は、ひどく狼狽した瞳で、あたしを見た。
    あたしはそんな兄貴を見れないまま、小さく呟いた。

    2005-06-19 02:32:00
  • 435:

    『兄貴の事…もう、お兄ちゃんとしてしか見れない……ッ』

    シ・・・・・・・・・ン

    あたしと兄貴…そして秋吉の間に、長い沈黙が流れる―――。

    2005-06-19 02:33:00
  • 436:

     ガチャ…

    不意に、兄貴が扉を開いた。
    『……わかった』
    ―――その一言だけを残し、兄貴はあたしを置いて、去っていった……。

    2005-06-19 02:34:00
  • 437:

    『先輩…?』
    兄貴が去った後、秋吉が心配そうにあたしの肩を抱いた。
    『…良かったんですか…?お兄さん、典子先輩の事が…めちゃくちゃ、好きみたいッスよ?こんなトコまで来て…』

    ……いいの。こんなあたしじゃ、兄貴を幸せになんか…できない。

    2005-06-19 02:35:00
  • 438:


    ―――この時のあたしは……
    色んなものから、逃げ出そうとしていた。

    ……兄貴への今までの恋心すら否定して……兄貴への罪悪感を、全て、消してしまいたかった―――。
    ……本当に、ガキだったと思う。

    けど―――
    ……あたしの精神状態は、限界だった―――――

    2005-06-19 02:39:00
  • 439:










    2005-06-19 02:40:00
  • 440:

    30分休憩。

    2005-06-19 02:41:00
  • 441:


    『ただいま…』

    あれから…あたしは泣き疲れたまま、秋吉の家で眠ってしまい、家に帰ったのは調度、夕飯時だった。

    『あ!ねーちゃん帰ってきたの??』
    恭平がバタバタと階段から下りてきた。
    『典子!昨日、由美ちゃん家泊まってたんだって?それなら電話くらいしなさいよ!!』
    ママが食卓に人数分のカレーを用意しながら、あたしを軽く叱った。

    2005-06-19 03:11:00
  • 442:

    『あ、恭平!圭吾呼んできて!ご飯出来たって!』
    ……え………
    ママがテレビの前で寝転がる恭平に言い付けた。

    ――ドクン――

    兄貴…帰ってきてるんだ……。
     トントントン―――
    恭平に呼ばれ、兄貴が階段を下りてくる音がする。
    恭平とは違う、静かな音。

    2005-06-19 03:13:00
  • 443:

    階段から下りて来た兄貴は、あたしに目を合わせる事もなく、リビングのソファーに座った。

    ドキン…ドキン…ドキン…
    兄貴の姿を見て、妙に意識してしまう。別れを切り出したのは、あたしなのに……。

    『あれ?兄貴とねーちゃん、ケンカしてんの?』
    あたしと兄貴の態度の不自然さに気付いたのか、プチトマトをつまみ食いしながら、恭平があたしに問いかけてきた。
    『別に。…あたし服着替えてくる』
    あたしはそのまま階段を駆け上がった。

    2005-06-19 03:14:00
  • 444:

    『典子!ご飯出来たんだからすぐ下りて来なさいよー!』
    …ママの声は、よく響く。

     パタン―――
     ―――ドサッ
    部屋の扉を閉め、あたしはベッドに倒れ込んでしまった。
    『はぁ…』
    別れたところで毎日、家で兄貴と顔を合わす―――

    《兄妹なんだから当たり前か……》

    2005-06-19 03:17:00
  • 445:

    ブブブ…

    『……?』
    携帯が震えた。
    《……………!!》
    メール着信:兄貴
    【夕飯食べたら、俺の部屋で待ってる】
    同じ家に居て、兄貴からメールが来たのは初めてだった。
    【無理だよ。ごめん。】
    あたしは返信した。

    2005-06-19 03:18:00
  • 446:

    メール着信:兄貴
    【どうしても話がしたい。 お前が来るまで起きて待ってる】

    【話す事は無いよ。ごめんなさい。】
    送信―――。

    「送信しました」
    あたしは携帯をしまい、服を着替えて部屋を出た。
    ……そして………何事も無かったように、兄貴と、そして家族と夕飯を共にした……。

    2005-06-19 03:20:00
  • 447:

     カチャカチャ―――
    兄弟妹そろって食事するのは、久し振りかもしれない。
    あたしはいつものように、兄貴の向かい側の席に座った。
    今までは…兄貴と目が合う度に死ぬほど嬉しかったのに、今は、目を合わさないようにするのが精一杯…。

    《兄貴に対する想いは、本当にあたしの中から消えてしまったんだろうか……》

    『そーいや、ねーちゃん昨日友達ん家泊まったんだって??』
    恭平の言葉に、あたしは物凄く気まずい空気を感じた。

    2005-06-19 03:21:00
  • 448:

    《…こいつ…何も知らないとはいえ、そんな話題…ッ》
    『ほんとはさぁ、男ん家泊まってたんじゃねーの!?』
    《……!!クソ弟!!》
    『なぁ、兄貴、そー思わねぇ?』
    『ああ。そうだな』
    兄貴は軽く恭平に相槌を打つと、そのまま食器を持ち、席を立った。
    『あら?圭吾、もういいの??』
    『ごちそーさま』

    その一言を残し、兄貴は自分の部屋へ戻っていった…。

    2005-06-19 03:23:00
  • 449:

    『やっぱねーちゃん、兄貴とケンカしたんじゃねーの??』
     ゴンッ!!
    あたしは、恭平の頭を一発小突いた。
    『いてぇ?!』
    恭平はワケの解らない顔であたしを見た。まぁ当然だろう。

    『あら?典子も、もういいの??』
    『うん。ごちそーさま』
    食器を片付けた後、あたしは自分の部屋に戻った。

    2005-06-19 03:24:00
  • 450:

    ブブブ…ブブ…
    部屋に入るなり、携帯が鳴っているのに気付いた。
    【着信:★兄貴★】
    『……………!!』
    ―――…夕飯の後、部屋で待ってる…―――
    ドクン ドクン ドクン
    …話す事なんか…無い。…あたしは、もう秋吉と付き合ってるんだから……。
     ブチ―――
    「只今、電話に出る事が出来ません。ピーと鳴りましたら…」
    保留を押した。

    2005-06-19 03:27:00
  • 451:

    ブブブ…ブブ…
    それでも、兄貴からの着信は止まない。
    ……………。
    『はい……』
    【典子?】

    2005-06-19 03:28:00
  • 452:

    兄貴の声は、いつもより弱々しい気がした。
    【もう部屋か?】
    『うん。そーだけど…』
    【…俺の部屋が気まずいなら、今から俺は外に出る。だからお前も…】

    『兄貴…ッ!!』
    あたしは兄貴の言葉を遮った。
    『もう、話す事は無いって言ったじゃん…ッ!』
    あたしの目から、涙が流れた。
    【じゃあ、何で泣いてるんだ?!俺は…お前がわからない。どうして、急に…】

    2005-06-19 03:30:00
  • 453:

    『あ…秋吉の事が好きになったからだよ!』
    【それは嘘だ。お前は…俺の事が好きだった。俺も…。その気持ちが簡単に変わるハズないだろ?!】

    ズキン…ズキン…ズキン…ズキン…
    兄貴の言葉が耳に入る度、胸が張り裂けそうに痛い。

    2005-06-19 03:32:00
  • 454:

    『変わったの…!もうあたしは、兄貴の妹に戻りたいの!!…だから…これからは…兄妹として…この家で暮らそう?!』
    【…同じ家にいるのに…随分、典子が遠くに感じるな……】
     ハァ……
    兄貴の悲痛な溜め息が電話越しに響く。

    『…ごめんなさいッ……』

     …プツ―――
    あたしは静かに、電話を切った。

    2005-06-19 03:34:00
  • 455:

    ブブブ…ブブブ…
    『……!!』

    メール受信:秋吉
    【先輩、大丈夫っすか?正直同じ家に住んでるお兄さんにヤキモチ妬いてます??ガラにもなく不安でしょーがないッス?明日俺ん家きて下さいよ?】

    《…秋吉……》

    ……いつも不安な時、秋吉がいてくれた。
    だから……きっとあたしは秋吉を凄く好きになって、兄貴の妹に戻れる。兄貴にも…新しい彼女ができて…あたしのお兄ちゃんに、戻る……。

    2005-06-19 03:36:00
  • 456:


    ―――どんなに兄貴に引き止められても。
    今のあたしに、兄貴の気持ちを受け入れる余裕はなかった。

    それから3日―――。
    あたしは兄貴からの電話も取らず、メールも…
    …返信しなかった。

    家で兄貴に会うのが気まずくて、あたしは秋吉の家に3日とも入り浸ってしまっていた―――。

    2005-06-19 03:38:00
  • 457:










    2005-06-19 03:39:00
  • 458:


    『へぇ〜先輩、美大受けるんだぁ。』
    秋吉がベッドに寝転びながら、机の上に置かれた大学のパンフレットを眺めながら言った。
    あたしはと言うと、家に居させて貰ってるお礼(?)に秋吉の家のキッチンで手料理を作っていた。
    『うん。あたしが放課後美術室でデッサンの練習してるの知ってたでしょ?』

    2005-06-19 03:40:00
  • 459:

    『………?』
    秋吉がやたら、あたしを見てニヤニヤしている。
    『な…何?』
    『いやぁ〜先輩のエプロン姿せくすぃ〜だなぁと思って♪あ、裸エプロンとかもいぃなぁ〜料理してる最中、後ろからガバーッと襲ったりして♪』
    『……………アホ?オヤジか?お前は?包丁で刺すわよ間違いなく』
    『しかも、その髪を一つに束ねてるのが何かエロイッスもん!うなじフェチッスから俺』
    ……………知るかそんな事!!

    ―――そういえば。あたしが秋吉の家に来るのはこれで4日目。
    秋吉は、この4日、あたしにキス以上の事はしてこない。

    2005-06-19 03:43:00
  • 460:

    『……………。』

    あたしは、コンロの火を止めて、ベッドの上でコーヒーをすする秋吉の前に座った。
    『……?どーしたんッスか?先輩?』
    『…あんたさぁ。』
    『はい?』
    『あたしとエッチしたいとか思わないわけ?』
     ブッ―――
    あたしの言葉に秋吉がコーヒーを噴いた。

    2005-06-19 03:43:00
  • 461:

    『―――は?!』
    秋吉はあたしの顔を見てキョトンとしている。
    『…いや。普通は…手ェ出してくるのになぁ〜って』
    これでも、あたしは真面目に聞いてるつもりなんだけど。
    『……え゙。何かして欲しいんッスか…?』
    『そーじゃなくて!!』
    『…いや…俺は……』
    何か言いたげに、秋吉がグシャグシャと頭を掻き出した。

    『…俺は?』

    2005-06-19 03:45:00
  • 462:

    『…そりゃ…先輩とヤりたいッスよ。この4日俺、めちゃくちゃ我慢してるし』
    言いにくそうに秋吉はあたしから目をそらす。
    『けど…先輩、まだ完璧にお兄さんの事、吹っ切れてないっしょ?』
    ……………え?
    『俺、先輩が吹っ切れるまで待つし…。我慢しますよ♪』
    そう言って、秋吉はあたしにゆっくりキスをした。

    《………秋吉…………》

    ……………ん?

    2005-06-19 03:47:00
  • 463:

    『…ッて言ってるそばから勃ってるぢゃん!?』
    『あ゙?!イヤ、これは生理現象ッスよ!!』
    ……アホ。
     ぎゅぅ―――
    あたしは、秋吉を抱きしめていた。
    『先輩……?』
    『いいよ。あたし…あんただったら……』
    『え…』
    ドクン ドクン ドクン
    ―――秋吉の心臓が、段々早くなるのがわかった。

    2005-06-19 03:48:00
  • 464:

    『…そんな風に言われたら…知らないッスよ?』
    秋吉の声が、低くなった―――…瞬間―――。

    『……ッ』
    秋吉の舌が、あたしの首筋を這った―――。

    2005-06-19 03:50:00
  • 465:

    そのままあたしの唇を奪い、秋吉の手があたしの胸を掴んだ。
    『………ッあ…』
    秋吉の荒くなった息が、あたしの睫毛をかすった―――。
    《年下とあんまりヤッたことないけど…》
    荒々しい愛撫が、逆に愛おしく思えた。
    『先輩…ッ』
    『典子って言ってよ…』
    あたしのその言葉に、より興奮したのか、秋吉はあたしの服を、無理矢理にぬがそうとする……―――。

    2005-06-19 03:51:00
  • 466:

     フワ・・・

    『―――――……!!』

    瞬間、あたしの胸に戸惑いが走った―――。
    《…この、香り……》
    秋吉の服から、微かに……兄貴と同じ、香水の匂いがした―――。
    ドクン ドクン ドクン

    ―――あ……………

    2005-06-19 03:54:00
  • 467:

    ………兄貴………

    ―――どうしてだろう。
    あたしは、秋吉の腕の中にいながら……兄貴に初めて、抱かれた時の事を思い出していた…。
    秋吉の舌が、剥き出しになったあたしの胸へ伝おうとした。

    『あ…ちょっと待……ッ』

    2005-06-19 03:56:00
  • 468:

     ドンドンドンドン

    ―――――ビクッ
    ……扉を叩く音に、あたしと秋吉の動きは止まった。

    『あーけーて!携碁!あ・た・し!開けて!』
    ……女の声??!
    『あいつ…ッ』
    その声の主が誰か解ったのか、秋吉が舌打ちをして、あたしから離れ、ベッドを立ち上がった。

    2005-06-19 03:57:00
  • 469:

    『先輩…すんません』
    秋吉がハァァと溜め息をつき、あたしに謝った。
    『元カノッス…』
    『……は?!』
    『別れてから、あいつの電話ブチってたんッスよね…』
    ―――で、家まで押しかけて来たわけ?!

    ドンドンドンドン
    『携碁――――!!開けろ――!!』
    ……し、しつこい。

    2005-06-19 03:59:00
  • 470:

    『あ…開けてあげたら?』
    あたしは急いで服を着た。
    『え…でも…。いーんッスか?』
     コクコク・・・
    あたしは首を縦に振った。
     ガチャ―――
    『携碁!!何でスグ開けてくれないのよ?!』
    扉が開いたのと同時に、やたらイキのいい女が部屋に乱入してきた。
    『あ……』
    あたしの姿を見るなり、元カノの表情が止まった。

    2005-06-19 04:00:00
  • 471:

    『あ…やだ。彼女来てたんだ?!ごめんなさいッ』
    ―――……あら?
    てっきり、修羅場を迎えると思ったあたしは、元カノの意外なセリフに拍子抜けした。

    『…何の用だよ?』
    秋吉が呆れかえった様子で元カノを見ている。
    『あ、いゃぁ〜はは。携碁に部屋の合い鍵返そうと思って…いゃあ、お邪魔しました…』
    それだけ言葉を残すと、机の上に鍵を起き、元カノはさっさと部屋を出て行ってしまった…………。

    2005-06-19 04:01:00
  • 472:

     シ―――――ン
    ……嵐が去ったかのような静けさが、部屋に残った。

    『…な…なんか、おもしろい元カノだね…』
    『…何か…すみません。もう二度と来ないよーにクギさしときますから!!』
    秋吉が申し訳なさそうに、あたしを見つめる。
    『いや、いーよ。気にしてないから!』

    ………本当は…
    元カノ来てくれて………良かったかも……。

    2005-06-19 04:03:00
  • 473:

    ―――そう、思ってるあたしがいた。

    『……じゃあさっきの続きを…』
    そう言ってあたしの肩を掴もうとした秋吉をかわし、
    『ごめん!今日は帰るわ!!また明日!!』
    『え゙?!』

    ……唖然とする秋吉を残して、あたしはすぐさま部屋を出た。

    2005-06-19 04:05:00
  • 474:

    ―――ドクン ドクン
    どうして……ッ?!
    兄貴の香りがした瞬間……秋吉に抱かれる事が、恐くなった……!!
    わからないわからない
    わからない!!!
    自分の気持ちが、わからない!!!

    ブブブ…ブブブ…
    『………あ……』
    【着信:★兄貴★】

    2005-06-19 04:07:00
  • 475:

    ………兄貴………
    『も…もしもし…?』
    【典子?】
    久し振りに…兄貴の声を聞いた気がした。
    【今から、会ってくれないか?いつもお前が座ってる公園で待ってる】
    『え…兄貴、ちょ…ッ』
    ブチ―――……ツー ツー ツー……。

    ―――なぜだろう。
    あれだけ兄貴を拒否しといて……あたしは兄貴に言われた通り、公園に足を向けていた―――。

    2005-06-19 04:10:00
  • 476:

    この公園―――

    あたしがカズキにレイプされた時……ここに兄貴があたしを迎えに来てくれて……その後、二人で初めてホテルに泊まったんだっけ。

    『兄貴……』
    ベンチに座り、タバコの煙を吐く、兄貴の姿が見えた。
    ドクン…ドクン…ドクン…

    ―――どうしてこの時、兄貴の姿を見た瞬間、涙が出そうになったんだろう―――?

    2005-06-19 04:11:00
  • 477:

    『来てくれたんだな…』

    そうあたしに言った時の兄貴の瞳は、凄く…優しく見えた気がした。
    『…な…何?話って…』
    『隣座れよ』
    ―――あたしは、兄貴から一人分の隙間を作り、ベンチに座った。

     シ……………ン

    どちらも話題を出さず、ハトの鳴き声と飛び立つ音だけが、聞こえる……。

    2005-06-19 04:13:00
  • 478:

    『お前、家帰ってこいよ』
    『…………!』
    不意に兄貴が言葉を漏らした。
    『徹夜の弟ん家、居るんだろ…?』

     ……………コクン

    あたしが小さく頷くと……兄貴は無言で立ち上がり、あたしにゆっくり、振り向いた。

    2005-06-19 04:15:00
  • 479:


    『俺、家出るから』


    ―――――え?
    ―――ドクン―――
    ……兄貴…今、何て?
    『名古屋の大学に、編入する事にした』

    ………な…ご…や…?

    2005-06-19 04:17:00
  • 480:

    ドクンドクンドクンドクン
    《……な…に……?何言ってんの………?》
    ………兄貴?!………

    息が詰まる気がした。

    『あ…あたしが…家に…帰らないから……?だから……?!』
    『違うよ。前からあっちの大学に編入希望はしてたんだ。…で。推薦が受かったから』

    ……は?何それ……?!

    2005-06-19 04:19:00
  • 481:

    『な…何それ…?!じゃあ兄貴…前に大学辞めてあたしと…一緒に暮らそうとか言ってたの…嘘なんじゃん?!』
    ―――なんて、自分勝手な事言ってるんだろう、あたし…断ったのはあたしなのに……!!
    ―――けど…ッ
    《―――兄貴が、いなくなる》
    その事実に、あたしは焦りを感じるしかなかった―――。

    『…あの時、お前に言った事は、本当だ。俺は大学辞めて…お前の為に生きていきたいって思った。…けど……』
    兄貴のあたしを見つめる瞳が、揺れている。
    『俺はお前の側にいちゃいけない事に、やっと気付いた…』
    ―――――?!

    2005-06-19 04:21:00
  • 482:

    『どーゆー…意味?』
    『……皐月から、聞いたよ。全部』

      ――ドクン――

    ………え……………?!……………聞いた?……
    『皐月が大学を辞めた日に、お前の態度が変わった。…皐月絡みだとは思ってたけど…まさか…お前がそんな……』

    ドクンドクンドクンドクン
    ………兄貴に……皐月にした事がバレた?!

    2005-06-19 04:24:00
  • 483:

    『悪かった』

    兄貴の両手が、あたしの両肩に触れた――――

    『お前に、つらい思いばかりさせたな……』
    『―――――!!』

    《違う―――!!》
    違うよ…兄貴…謝るのは…あたしの方だ―――。

    2005-06-19 04:27:00
  • 484:


    『兄貴は何も…悪くない……だって……あたしは…兄貴を守る為に……他の男と……ッ!!』

    その瞬間―――。
    あたしの体は、兄貴の腕に引き寄せられていた―――

    『ごめんな、典子ッ――!』

    ―――…兄貴の悲痛な叫びが、あたしの耳を貫いた…―――

    2005-06-19 04:29:00
  • 485:


    ―――…兄貴は、あたしの全てを、悟っていたんだろうか…―――

     ボロ・・・
    あたしの瞳から、熱い雫が頬を伝った。

    『お前は、普通の男と、普通に恋愛して…結婚して、幸せになる。血の繋がった兄の俺が、お前を想いながらいつまでも側にいる事は…もうできない』
    『あ…にき…』
    《…言葉が、出ない……》
    兄貴の言葉が、あたしの息を止める。

    2005-06-19 04:30:00
  • 486:

    『愛してる典子。たとえ血が繋がっていても、俺は……後にも先にも、心から好きになった女は、お前だけだ―――』

    いやだ…行かないで、兄貴………
    あたしから……離れていかないで
    ………イヤ………

    …この時のあたしに、その言葉を吐く資格が
    あっただろうか―――?

    2005-06-19 04:33:00
  • 487:


    『じゃあな。典子―――』


    兄貴の温もりを感じたのは………
    この日が、最後になった―――――


    2005-06-19 04:34:00
  • 488:


    意地も何もかも全部捨てて、『行かないで』
    そう、兄貴に泣き付けなかったのは……

    兄貴に愛されたって言う、あたしのプライドだったのかもしれない―――

    あたしは、自分から
    愛しい人を
    遠ざけてしまった

    2005-06-19 04:36:00
  • 489:










    2005-06-19 04:37:00
  • 490:



    ―――半年後。

    『先輩――!!卒業おめでとうございま〜っす!!』

    2005-06-19 04:38:00
  • 491:

     パンパーン!!
    『きゃあッ』

    秋吉が、あたし目掛けてクラッカーを飛ばした。
    『あ〜!!何よあっき〜!!典子だけ?!』
    『あ、由美先輩、向こうにラグビー部の先輩方が集まってたッスよッ!元カレにでも会ってきたらどーッスか??』
    『え?!マジ?!』
    秋吉に言われるがまま、由美は中庭の方へ走っていってしまった。

    2005-06-19 04:40:00
  • 492:


    卒業式が終わり、3年の生徒達ほとんどが、涙ながらに、友達と校舎をバックに記念撮影を楽しんでいる。

    後輩との別れに涙ぐむ生徒。
    クラスの仲間や、恩師との別れを惜しむ生徒―――。
    ―――そして、あたしは……。

    『あ〜あぁ〜。典子先輩がいない学校なんてマジつまんねー…』
    秋吉が気力無さげに、あたしの横に座り込む。
    『……別に…今生の別れでもあるまいし』

    2005-06-19 04:42:00
  • 493:

    あたしは卒業証書で、ポコッと秋吉の頭を叩いた。
    『だって!先輩、専門学校行っちゃったら、他に男作っちまうかもしんねーじゃん!!』
    『ん〜そーだなぁ。あんたよりイイ男は、わんさかいるだろーし』
    『あ゙!ひで!!ってか先輩、今日何人の男に告白されたんッスか?!』
    秋吉がふくれっ面であたしを睨んできた。
    『……つーか…告ってきた男全員、あんたがことごとく追い払ったんでしょーが!!』
    『あ、そーでしたっけ?』
    『そーゆーあんたも…3年の女にやたら、一緒に写真撮ってくれって追っ掛けられてたじゃん。で、あたしんトコ逃げて来たんでしょ?』
    『あーそーでしたっけ??』

    2005-06-19 04:45:00
  • 494:


    『後悔してます?俺を、フッた事』

    …不意に、秋吉が言葉を放った。

    『……………。』
    あたしは、小さく微笑んだ。
    『…ってゆーか、俺、全っぜん諦めてないッスからね!』
    『はいはい…』

    2005-06-19 04:48:00
  • 495:


    あれから、半年。

    あたしは、必死になって、デッサンを描き続けた。
    ……第一志望の美大に落ちたあたしは、専門学校に通いながら一年、その大学へ編入するための勉強をする事にした。

    2005-06-19 04:49:00
  • 496:




     シュー……

    『着いた――!!』

    新幹線で2時間。
    あたしは駅を下りると、外の空気を思い切り吸い込んだ。

    2005-06-19 04:50:00
  • 497:

    そしてあたしは、着いた駅名を見上げた。

    【 名古屋 】

    住所が走り書きされた、小さな紙切れを握りしめ、あたしは……あの時止まった時間を、取り戻しにいく……。

    2005-06-19 04:51:00
  • 498:


     ピンポーン・・・

    ……一年後、
    あたしは名古屋の美大を受ける。

     ガチャ―――

    あたしは、兄貴が好き。

    2005-06-19 04:52:00
  • 499:


    兄貴にキスされたい。

    兄貴に抱かれたい。

    兄貴に愛されたい―――。

    2005-06-19 04:53:00
  • 500:


    『……典子?!』


    『兄貴ーッ!!』


    たとえ、同じ血が
    流れていても―――……

    2005-06-19 04:54:00
  • 501:





     END

    2005-06-19 04:55:00
  • 502:

    後書き:04/11/20 01:54
    開始当日から、今日まで、ずっと暖かく見守ってくださった皆さま。
    やっと…やーーっと完結できました(笑)
    皆さんに、何てお礼言ったらいいのか、いざ終わってみたら…全く言葉が思いつきませんでした。
    言葉で言い尽くせない………。本当にありがとうございました。
    本当に本当に、ありがとうございました(:ω;)???

    2005-06-19 04:56:00
  • 503:

    典子(あたし??)と兄貴のその後なんですが?今は半同棲?なかんじで一緒に暮らしてます?(笑)
    ラスト、あのまま典子は兄貴の家に入り浸って、秋吉がてっちゃんに住所聞いて名古屋まで追っ掛けてくるんですね?それも実話。
    …この出来事も書きたかったんですが書くと終わらなくなるのでやめました?…小説内では名古屋としましたが、実際は名古屋ぢゃないんです?。距離的に遠くしてみました(笑)
    兄貴も秋吉も理加子も皐月も弟も、実際の人物の性格や雰囲気や容姿を忠実に描きました。(本当は大阪弁です。大阪弁だったらどんな小説なってたんだろう?)
    …典子は架空です。ただ、あたしがその時体験した感情や気持ちをそのまま思い出して典子に映して書きました。

    2005-06-19 04:59:00
  • 504:





    2005-06-19 05:00:00
  • 505:


    …と、言う事で…コピペ終了です。
    長い長い作品ですが、面白いし、泣けるし、一生懸命だし…エロイし(笑)。良い作品だと私は思いますので、皆さんに読んで頂けたらなぁと思います。
    月野さんは、もう夜遊びをご覧になってないかもしれませんが、もしご覧になっていて、このコピペが不都合だったのであれば、トリ付きでレスして下さい。責任を持って削除依頼を出させて頂きます。
    月野さん、良い作品をありがとうございました。

    2005-06-19 05:05:00
  • 506:


    後書き(ネタバレ?)を防ぐ為書き込み中。

    2005-06-19 05:06:00
  • 507:


    後書き(ネタバレ?)を防ぐ為もうちょっと書き込み中。

    2005-06-19 05:07:00
  • 508:


    もう一回いっとくか。

    2005-06-19 05:08:00
  • 509:

    読者

    コピペさんありがとございました?ご苦労様でした?

    2005-06-19 05:08:00
  • 510:

    ◆aG2qJdMOy.

    よいしょっと。


    2005-06-19 05:09:00
  • 511:

    名無しさん

    これ実話だったんだ
    ところどころ言い回しが思わせぶり(兄貴への気持ちが愛情じゃないことに気付いてしまったとか、この日が兄貴に触れる最後の日になったとか)だからてっきり悲しい結末なのかと思った。
    でも面白かったよ。

    2005-06-19 05:26:00
  • 512:

    終わっちゃったぁ〜??楽しみが一つ減ったア(:_;)?すごく良かったです?コピペさんほんまにお疲れ様でした???そして‥まさかノンフィクションだとわ?展開が出来杉君??ワラ 最後わ幸せになれて良かったです?典子チャン?マンセー???ありがとう??

    2005-06-19 06:52:00
  • 513:

    みゅ

    あーホントにいい話?良かった2人ラブラブに戻れて?コピペお疲れさまでした(≧∀≦*)
    追伸…私もパート1、レス556までで止まってたので読めなかったんです…教えて頂き助かりました(>_

    2005-06-19 15:05:00
  • 514:

    めめ ◆VoAId.Eh6I

    コピペお疲れさまでした☆とても親切に早くコピペしてくれたので大変読みやすかったです。作者の月野?さん、コピペして下さった方、本当にありがとうごさいました☆

    2005-06-19 18:05:00
  • 515:

    名無しさん

    アゲ?

    2005-06-26 10:56:00
  • 516:

    名無しさん

    感動した??(小泉純一郎のマネ)

    2005-07-25 08:37:00
  • 517:

    名無しさん

    ↑ヮロタ

    2005-07-25 09:44:00
  • 518:

    名無しさん

    2005-09-05 03:34:00
  • 519:

    名無しさん

    ?

    2005-09-21 00:43:00
  • 520:

    名無しさん

    ?

    2005-10-16 18:49:00
  • 521:

    名無しさん

    2005-10-17 02:44:00
  • 522:

    名無しさん

    2005-11-02 06:06:00
  • 523:

    名無しさん

    2005-12-16 18:38:00
  • 524:

    名無しさん

    懐かしアゲ?

    2006-03-08 00:09:00
  • 525:

    名無しさん

    すぃません??1が容量ォーバーで600まで∪か私の携帯では見れません?
    2までの続きがどぅ∪ても気になるんですけど、どーし+ニら見れますか????

    2006-03-09 14:40:00
  • 526:

    名無しさん

    パソコンないの?どーしても気になるなら漫画喫茶しかないんちゃうかな?

    2006-03-10 02:14:00
  • 527:

    名無しさん

    そーですね??ぁりがとぅござぃます?

    2006-03-10 02:48:00
  • 528:

    名無しさん

    ???

    2006-03-11 10:10:00
  • 529:

    名無しさん

    2006-03-11 21:59:00
  • 530:

    名無しさん

    2006-03-13 02:58:00
  • 531:

    名無しさん


    2006-03-15 09:25:00
  • 532:

    名無しさん

    あげ?

    2006-05-18 23:41:00
  • 533:

    名無しさん

    age

    2006-06-28 15:15:00
  • 534:

    名無しさん

    あげ?

    2006-07-11 12:38:00
  • 535:

    名無しさん

    この小説メタ?好きゃったのにpart?が見れない???誰かコピペしてくれる方いませんか?読みたぃ??

    2007-01-14 02:36:00
  • 536:

    名無しさん

    パートワンみたい

    2007-01-20 14:53:00
  • 537:

    名無しさん

    これって魔法のアイランドにもあったやつ?

    2007-01-20 14:56:00
  • 538:

    ?みつ?

    途中から読んだ?
    ヤバス!兄貴萌え
    1はいずこ?

    2007-01-20 14:58:00
  • 539:

    名無しさん

    魔法のアイランドにもあるの???これ旧掲示板からのコピペだよね??
    もしかして作者がホムペつくってんの??
    見たい!!(・∀・)

    2007-01-20 15:00:00
  • 540:

    名無しさん

    あたしこれどっかで見たことあるなぁって思ってたんやけと多分魔法のアイランドにあると思うよ、

    2007-01-20 15:17:00
  • 541:

    名無しさん

    魔法のアイランドからこの話を見つけ出すのはどうしたらいいですか?
    トップページ見ても、いろいろな話があるけど、1つ1つ全部見ていくわけにいかなくて…

    2007-01-21 02:55:00
  • 542:

    名無しさん

    ???

    2007-01-21 05:29:00
  • 543:

    名無しさん

    パート1誰かコピペしてください?

    2007-01-21 11:51:00
  • 544:

    名無しさん

    ?

    2007-03-06 01:14:00
  • 545:

    名無しさん

    よみたいけど読めません??

    2007-04-29 10:33:00
  • 546:

    名無しさん

    パソコンからは見れるんかな?

    2007-05-01 22:55:00
  • 547:

    名無しさん

    パソコンからならばっちり読めます スレッド一覧をまずクリッ

    2007-05-02 01:45:00
  • 548:

    558

    なぜか、URLのアドレス間違ってました。
    パソコンで見るなら

    2007-05-02 02:47:00
  • 549:

    名無しさん

    アイランドのは似てるだけやろあっちは妊娠やら内容もっとこいかったハズ!!ランキング入ってたやつかなたぶん???

    2007-05-02 16:55:00
  • 550:

    名無しさん

    パソコンありません?
    親切なかた、コピペしては頂けませんか??

    2007-05-05 00:13:00
  • 551:

    ネットカフェに行ったらどうですか?
    コピペするのはものすごく時間がかかる。
    パソコンでのコピペは連続投稿出来ないから、よけいに時間かかる。
    コピペしてる時に絶対誰かがカキコしたり、上げたりするから、コピペする者にとってはありがた迷惑。

    2007-05-05 00:41:00
  • 552:

    名無しさん

    めちゃくちゃ好き?

    2007-06-27 23:07:00
  • 553:

    名無しさん

    キモい死ね

    2007-06-28 01:40:00
  • 554:

    名無しさん

    うん

    2007-06-28 20:50:00
  • 555:

    名無しさん

    なにが?

    2007-07-03 10:20:00
  • 556:

    名無しさん

    きもい

    2007-07-15 15:25:00
  • 558:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 559:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 560:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 561:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 562:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 563:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 564:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 565:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 566:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 567:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 568:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 569:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
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