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お兄ちゃんが好き。 part ?

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  • 1:

    お兄ちゃんが好き。part ?
    http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/1-5

    2005-06-13 03:45:00
  • 201:

    そんなあたしの姿を見て、
    『お前、タバコ似合いすぎだな』
    …と、兄貴が言葉を漏らした。
    『…え、もしかして、兄貴タバコ吸う女、嫌い?』
    恐る恐るあたしは兄貴に聞き返した。
    『あんまり好きじゃない』

    ガ――――――ン

    2005-06-16 07:54:00
  • 202:

    『え?!ま…マジで?!じゃぁ、あたしタバコ吸うのやめる!!』
    あたしは慌てて灰皿にタバコを押し付けて消した。

    クックックッ…
    そんなあたしの姿を見て、兄貴が笑いだした。
    『ほんと、お前って可愛いよな』

    え?! 可愛い??!
    また可愛いってゆわれた!!!!!

    2005-06-16 07:55:00
  • 203:

    『別に、俺に合わせなくて良いからな。俺はどんなお前でも、好きだし』
    そう言って兄貴は、立ち上がった。
    …………………。
    兄貴の言葉に、しばらくあたしはボーッとしてしまった。
    …あたし、こんな幸せでいーのかしら……。

    2005-06-16 07:56:00
  • 204:

    キィ…
    兄貴が風呂の扉を開けた。
    『風呂、お前先に入るか?』
    ジャ―――…
    湯舟に湯が溜まる音がする。
    『あ…いいよ!兄貴が先に入って!』
    『……一緒にはいるか?』
    『え゙?!』
    『嘘だよ』
    パタン…と、風呂の扉が閉まった。

    2005-06-16 07:58:00
  • 205:

    …な…なによ!あたしの事からかって…!裸で乱入したろか!?
    《いやいやいや、さすがのあたしもそれは無理…》

    ジャ―――…
    シャワーの音が聞こえる。しかも風呂場の壁はすりガラスで(ラブホだから)、兄貴の姿が透けて見えていた。

    2005-06-16 08:00:00
  • 206:

    ……げ!!透けてる…!!
    あたし風呂入れないじゃん!!
    はぁ…
    あたしは軽く息を吐き、ベッドに横たわった。天井の鏡に、あたしの姿が映る。
    《……今から……このベッドで…兄貴と……》

    ドクン ドクン ドクン

    《だめ…やばい…緊張で死にそう》

    2005-06-16 08:01:00
  • 207:

    その時―――

    ブブブ…ブブブ…
    『?』
    あたしの携帯が鳴った。
    【着信 秋吉】

    …は?秋吉?

    2005-06-16 08:02:00
  • 208:

    『もしもし』
    【あ!典子先輩?!】
    『何?!何か用?!あたし今忙しいんだけど?』
    あたしは相変わらず、秋吉に冷たく言い放った。
    【いや、今皆と別れたんッスけど、今から先輩と遊びにでも行きたいなぁなんて!】
    『はぁ?彼女と行けよ!』
    【いや、それが彼女とケンカしちゃって!】
    ……知るか、そんなもん…。
    『だからってあたしを誘わないでくれない?!』
    【えー!だって今日抱き合った仲じゃないっスかぁ?!】

    2005-06-16 08:03:00
  • 209:

    ギクッ―――
    あたしは秋吉の言葉に、兄貴のいる風呂場を見て慌てて電話の音量を下げた。

    『と、とにかく。あたし、今デート中だから切るから!』
    【え?!先輩、今男といるんスか?!】
    『そーよ!!じゃーね!!』

    ブチッ―――
    あたしは一方的に電話を切った。

    2005-06-16 08:04:00
  • 210:

     ガチャ

    『―――!!』
    電話を切ったと同時に、兄貴が風呂場から出てきた。
    『あ…早かったんだね!』
    『……ああ。お前、今電話してなかったか?』
    ドキッ―――
    ―――別に後ろめたい相手じゃないけど、今日抱き付かれた件があったから、秋吉からだと言い辛いあたしがいた(結局後ろめたいのか…)。
    『あ、友達からだよ!』
    …つかなくていい嘘をついてしまう。

    2005-06-16 08:06:00
  • 211:

    『…ふーん』

    ギシッ
    頭をタオルでゴシゴシ拭きながら、兄貴はあたしの横に座った。
    ドキッ―――!!
    ……兄貴がイキナリ横に来たから、あたしはあまりに意識して、慌ててベッドから飛び起き、
    『あ、あたしもお風呂入るね!』
    と、兄貴から離れた。

    2005-06-16 08:08:00
  • 212:

    ―――その瞬間。
    ガシッ―――
    ―――――――?!
    兄貴が、あたしの腕を掴んだ。
    『―――?!きゃ??!』
    あたしは兄貴に引き戻され、ベッドに押し倒された。
    兄貴は、あたしの腕をきつく掴んだまま、押し倒されビビリまくってるあたしの顔を見下ろした。

    ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン
    ――あたしの心臓の音は部屋中に響く勢いで鳴っている。

    2005-06-16 08:10:00
  • 213:

    『あ…兄貴…』
    眼鏡をしていない兄貴の顔に見つめられ、あたしは本気で、どうにかなりそうだった。
    『何で、嘘つくんだ?』
    ――――え?!
    兄貴の言葉が、一瞬理解できなかった。
    ……何が?!

    『さっきの電話、男だろ?』
    『―――あ…』
    兄貴は冷ややかな目であたしを見下ろしている。

    2005-06-16 08:11:00
  • 214:

    兄貴は冷ややかな目であたしを見下ろしている。

    『お前の嘘は、すぐわかる。誰と電話してた?』
    『…あ…えと…あ……………秋吉……』
    兄貴の視線が痛くて、あたしは素直に答えた。

    『あいつか…何で嘘ついたんだ?』
    『あ…!別に!やましい事がある訳じゃなくて…!何となく…ごめんなさい…』

    2005-06-16 08:13:00
  • 215:

    フゥ……
    兄貴は、あたしからゆっくり離れ、タバコに火をつけ、まだ濡れた髪をクシャッと手で掻き分けた。
    …お…怒らした………!
    あたしは焦って、兄貴に言い訳をしようとした。が―――。

    『俺カッコ悪いな。お前の事、信じてるとか、言いながら…』
    …………え……
    『徹夜の弟に、ヤキモチ妬いた』
    少し気まずそうに兄貴はタバコの火を吐きだしながら、言った。
    『あ…兄貴…』

    2005-06-16 08:14:00
  • 216:

    『か…可愛い…』

    あたしは思わず、ポロリと言葉を吐いた。
    『はぁ?!』
    兄貴が不満気な声を出した。
    『兄貴、何か可愛い…』
    男の人を可愛いって思ったの、初めてだ。
    『うるせーな。目ぇキラキラさせて言うな』
    『あはっ!照れてる!』
    『お前なぁ……』

    2005-06-16 08:15:00
  • 217:

    あたしがケラケラ笑っていると、不意に、兄貴の手があたしの顔に触れた。

    ビクッ―――ッ
    ……咄嗟に、あたしは身を引いてしまった。
    『……お前…俺の事、恐いのか?さっきから何気に逃げてるよな』
    兄貴があたしを見つめながら、微笑を浮かべた。
    ドキンドキンドキンドキン
    『ち…違うよ…??』
    『意識しすぎだろ』
    兄貴がクスッと笑い、ゆっくりあたしに体を近付ける。

    2005-06-16 08:17:00
  • 218:

    『お前、もっと積極的な女だと思ってたけど…』
    …………!!
    兄貴の暖かい唇が、あたしの唇に触れた。
    『…ッん……ッ』

     ドサッ―――
    唇を重ねたまま、あたしはベッドの上で、兄貴に押し倒された―――――

    『……――ッんん…ッ』
    兄貴のキスは、今までのどんなキスより濃厚で…激しい。

    2005-06-16 08:18:00
  • 219:

    『はぁ…――ッ』
    途切れ途切れに、ふたりの唇から漏れる息が、部屋中に響く―――…

    『あ…兄貴…ちょ、ちょっと待って……ッ』
    あたしは兄貴の胸を押し、唇を離した。
    『なんだ…?』
    『……シャ…シャワー…まだ、浴びてない…んだけど…』
    ………こ……心の準備も…かねて……

    2005-06-16 08:20:00
  • 220:

    『…いいよ別に』
    ………よ…よくない……。
    その瞬間、兄貴の手が、あたしの服の中に滑り込んできた―――。
    ビクッ―――
    『あ…!ちょ…!』
    そのまま、兄貴の手はあたしの背中にまわる。
    プチン
    『…………………!!』
    兄貴はいとも簡単に、あたしのブラのホックを外した。
    《な、慣れてない?!》

    2005-06-16 08:21:00
  • 221:

    『だめ!だめだめだめ!!シャワー浴びてからじゃないとダメ―――!!』
    グググッ……
    あたしは必死で兄貴の顔を押して抗った。
    『おいコラ、暴れるな』
    兄貴はあたしの両腕を掴み、あたしの頭上でまとめた。

    ……ちょ…ちょっと…
    兄貴ってSっ気あるんじゃ?!(泣)

    2005-06-16 08:22:00
  • 222:

    兄貴の指が、あたしの素肌を伝い、ゆっくりと胸に触れた。
    ビクゥ!!
    兄貴の指の感触に、あたしの体が敏感に反応した。
    『あ……ッ』

    ドクンドクンドクンドクン
    …ま……まじで…あたし………兄貴とエッチするんだ……!!

    『お前…、胸弱いんだな』
    兄貴の言葉に、更にあたしの体は反応する。

    2005-06-16 08:24:00
  • 223:

    『典子』

    兄貴があたしを見つめた。
    『あ…兄貴…』
    『震えすぎだろ、お前…』
    そう微笑を浮かべると、あたしの首筋に舌を這わす。
    『あ…ッあぁ…ッ』
    《―――――だめ…ッ体が………溶けそう………ッ》
    『…俺、この前言ったよな?』
    不意に兄貴が、言葉を吐いた。

    2005-06-16 08:25:00
  • 224:

    『俺にヤキモチ妬かせたら泣かすって』
    『―――…え?!』

    ―――その瞬間、
    あたしの服がまくり上げられ、あたしの胸があらわになった―――
    『……ッ!!』
    兄貴の唇が、あたしの胸の突起を吸い、舌で転がす
    ビクビクビクッ
    『はぁッ――』
    あたしの唇から、熱い吐息が漏れる……。

    2005-06-16 08:27:00
  • 225:

    チュ…ピチャ…
    やらしい音とともに、 胸の先端に、兄貴の熱い熱を感じる。

    『あ…ッあに…き…』

    あたしは、ふるえる指で、兄貴の髪をつかんだ。
    《あ…兄貴が…あたしの胸を…ッ》
    ふと――…あたしは天井に視線をやった。
    《か、鏡…!》
    天井に張り巡らされた鏡には、あたしと、兄貴の重なる姿が映っている……。

    2005-06-16 08:28:00
  • 226:

    カァッ―――

    鏡に映る光景を見て、更に、あたしの恥ずかしさが増す…。
    『はぁぁ…ッ』
    兄貴の唇が、生暖かい唾液とともに、あたしの突起から離れた。
    『…典子…。俺とお前は、兄妹だ。…一線越えるのを、お前が拒むなら…』
    兄貴は震えるあたしを見つめ、微かに荒い息で囁いた。
    『あ…あたしは…あ、兄貴に、抱かれたいよ?』
    ドキン…ドキン…ドキン…
    あたしは、震える声で言い放つ。

    2005-06-16 08:30:00
  • 227:

    『それに、兄貴…あたしが拒んだら、我慢できるの……?』
    ―――そうあたしが口にした瞬間……。兄貴の唇が舌とともに、あたしの唇に割り込んできた―――
    『んむ……ッ』
    同時に、あたしの胸を兄貴の指がまさぐり出す――――
    『…やぁ…ッ』

    2005-06-16 08:32:00
  • 228:

    『もちろん…、我慢する気なんてねーよ』

    兄貴があたしの耳を軽く噛みながら、低い声で囁く―――
    ……ゾクゾクゾク―――ッ

    『やぁ…ッ耳元で…ッ兄貴ッ…』
    『圭吾だろ?』

    兄貴の指が、あたしの下半身に延びた。
    ―――――――――!!

    2005-06-16 08:33:00
  • 229:

    『や…ッやっぱり…シャワー…ッ』
    あたしは必死で体をくねらせ、兄貴の指から逃れようとした。
    『悪いけど、シャワー浴びるの待つ余裕ない…』
    兄貴は息を荒げ、そう言った瞬間―――

    『―――――??!』
    ……兄貴の指が、あたしの中へ入って来た―――
    『あぁ……ッやぁッッ』
    あたしのからだに痺れが走る………

    2005-06-16 08:34:00
  • 230:

    な、なんか……
    エッチの時の兄貴、性格変わってる……?!

    《いや、フツーは変わるか…ってあたし、処女じゃあるまいし!!》

    『う…ンッ…ッ』
    ……しかも……なんでこんな…うまいわけ……?!

    緊張しすぎたあたしは、やたら頭で色んな事を考えてしまう―――

    2005-06-16 08:35:00
  • 231:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 232:

    ―――ふと、兄貴と………皐月と…の事が、頭によぎった。

     ポロ・・・

    あたしの目から、涙がこぼれた。

    『……どうした?』
    兄貴が、不思議そうにあたしの涙を指で拭ってくれた。
    『……ううん。自分でもわかんない……。嬉しくて……。不安で……。嬉しくて………』
    暖かい感触が、あたしの頬を伝った。

    2005-06-16 08:38:00
  • 233:

    『どっちだよ』

    フッ と兄貴は微笑み、あたしに唇付けた。
    …………兄貴…………
    『好き…』
    あたしは兄貴の肩を、ギュッと抱きしめた。

    『……あたし、兄貴が好き…』
    …………
    ……………

    2005-06-16 08:41:00
  • 234:

    『うん。俺も…』

    そう言って、兄貴の体が、あたしの体に、重なった…………………………


    『………あッ…ッ』
    そのまま、あたしは兄貴を受け入れた―――
    『もう、不安になる必要なんてねぇよ』

    意識の向こうで、兄貴の声があたしにそう、囁いた気がした……………………………

    2005-06-16 08:44:00
  • 235:



    ………セックスって……無気力で、快楽だけを求めてするモンじゃなかったんだね。
    あたしの中で、レイプされた過去が、チリチリ痛んだ。……色んな男と寝てきた過去、それすらも、兄貴に抱かれながら、生まれて初めて、強く、後悔した……………。
    好き…好き……あたしは、何度も何度も、そう兄貴に言葉を漏らしていた―――――。

    2005-06-16 08:46:00
  • 236:










    2005-06-16 08:47:00
  • 237:

    今日は、ここまで。
    次は、木曜深夜…か、早朝更新予定。

    2005-06-16 08:49:00
  • 238:

    名無しさん

    たくさんありがとう☆

    2005-06-16 08:51:00
  • 239:

    名無しさん

    ぉつかれさまです?また見に決ます??

    2005-06-16 08:52:00
  • 240:

    名無しさん

    更新ぃつですかッ?楽しみにしてますッ?

    2005-06-17 00:06:00
  • 241:

    名無しさん

    早く書け??

    2005-06-17 00:14:00
  • 242:

    ↑これコピペだょ?

    2005-06-17 00:27:00
  • 243:

    コピペ頑張っτ?さィ☆彡続き楽?みに?τますッ↑↑?ォvノ(☆∧з∧)cнц♪

    2005-06-17 01:08:00
  • 244:

    名無しさん

    コピペか?じゃあ頑張ってコピペして下さい?

    2005-06-17 01:29:00
  • 245:

    名無しさん

    ↑確信犯

    2005-06-17 01:59:00
  • 246:

    名無しさん

    スレを汚すな!

    2005-06-17 02:03:00
  • 247:

    頑張りはしないけど出来るだけやります。
    >>242-243の続きより


    2005-06-17 02:26:00
  • 248:


    『もう6時だよ?!』

    あたしと兄貴は、慌ててラブホテルを出た。

    『早くしなきゃ打ち上げ、皆もう集まってるかも!』
    結局、今日は兄貴もあたしも、学校をサボってしまった。
    起きて気付けば、もう既に夕方だった。

    …兄貴はと言うと、今まで一度も休んだ事がない大学を休んでしまい、少々ウツ気味だった。

    2005-06-17 02:27:00
  • 249:

    『どーしたのよ兄貴?いーぢゃん一日くらい休んだって!』
    あたしは兄貴の手を引っ張った。
    『お前と一緒にすんな!』
    『何よ!兄貴が昨日、3回もエッチするから起きれなかったんでしょ?!』
    『お前!!だから声が……!!』
    『大きいんでしょ?はいはい!!』
    ハァ……
    兄貴が大きく溜息をついた。
    …なんか、エッチした後は、あたしの方が、強いかも。

    2005-06-17 02:28:00
  • 250:

    さすがに、昨日と同じ服はマズイ。
    ココから一番家が近い友達に、着替えの服を借りた。兄貴は友達の家へ泊まったって嘘をつくらしい。
    ……結局、1時間遅れで、あたしと兄貴はサークル仲間と合流したのだった。

    『典子先輩!!遅かったッスね!!』

    2005-06-17 02:29:00
  • 251:

    秋吉が、あたしの姿を見るなり近付いてきた。
    『あ!お兄さんと一緒に来たんッスか?』
    秋吉が兄貴に軽く挨拶した。…さすがラグビー部。目上の人間に対する礼儀はしっかりしている。
    ………………ってゆーか…………

    『…ちょっと待って!打ち上げって…こんな場所でしてるの?!』
    てっちゃんやサークルの皆は、公園の大きな噴水の横で、ものすごい数のお酒やつまみを並べて、すでに全員、酔っ払ってバカ騒ぎしていた。
    《あたし、てっきり居酒屋かどっかで打ち上げするものだとばかり…》
    『徹夜のサークルの打ち上げは、いつもこんなんだよ…』
    兄貴が、隣で呟いた。

    2005-06-17 02:31:00
  • 252:

    『お―――!!圭吾!!典ちゃん!!こっち来いよ!!飲もーぜ!!』
    噴水の隣で、てっちゃんがサークルの女の子の肩を組みながら、あたしと兄貴を呼んだ。
    『てっちゃん?!酔いすぎじゃない?!!』
    『おー典ちゃん!!はいお酒!!ぢゃんぢゃん飲みなさいよー!!』
    そう言って、あたしにビールを手渡した。
    ……う。てっちゃん…酒くさい……。
    『てゆーかお前、ビール飲めないだろ。こっちにしとけ』
    兄貴が、あたしのビールを取り上げ、代わりにチューハイをくれた。

    《……あ……兄貴……。あたしを気遣ってくれたのね…!!優しい……!!》

    2005-06-17 02:33:00
  • 253:

    『よーし!!圭吾!!俺と飲みくらべだ!!負けたら噴水にダイブだからな!』
    てっちゃんが酔っぱらって兄貴に挑戦を挑んでいる…。
    『行ってくるわ』
    兄貴がポンとあたしの肩を叩いた。

    …行ってくるわって……兄貴、酒弱いのに大丈夫なのか?!
    まぁ、あたしがいるから酔っ払っても大丈夫だけど♪

    2005-06-17 02:34:00
  • 254:

    兄貴は…てっちゃんと絡んでる時は、凄い年相応に見えるんだよね。楽しそうに、はしゃいで見えるっつーか……。
    ……やっぱ、てっちゃんは兄貴の親友なんだなぁ……。
    《もっと、もっと、兄貴の事が知りたい…あたしにしか見せない顔をして欲しい―――》

    ……以外と嫉妬深い事は判明したけど。

    2005-06-17 02:35:00
  • 255:

    『ごめん〜遅れて!!』

    ―――――!!
    突如、あたし達の前に、いつもながらハデな格好をした女が現れた。
    『あ――!皐月さんだぁ!!』
    秋吉がご機嫌で呼び掛けた。
    『やだぁ〜!皆もう酔っ払ってるじゃん!!』

    ……来てないと思ってホッとしてたのにッ……!!

    2005-06-17 02:36:00
  • 256:

    『何なに??徹夜と圭吾、飲みくらべしてるの??じゃあ、勝者にはぁ。皐月のキッスが待ってまぁーす♪』

    ―――はぁ?!!

    『うわッ俺も参加してぇ〜〜〜!!』
    隣でヤジを飛ばす秋吉の足を思い切り踏ん付けた。
    ガンッ―――
    『いてぇぇぇ!!?』
    ―――ウザイ……!!
    (↑八つ当たり)

    2005-06-17 02:38:00
  • 257:

    フッ―――
    でもいいの…もう、今までのあたしじゃないんだし。だって……
    《兄貴と、昨日、愛を確認しあったから!!》
    きゃっ♪
    《皆、さっきまであたしと兄貴が、ラブホテルにいたなんて……思いもつかないんだろーな……》

    【兄貴とあたしは、秘密の恋人同士】

    そう思うと…。皐月なんて、もう眼中にありましぇん!!
    大人の余裕ってやつかしら???

    2005-06-17 02:40:00
  • 258:

    そう思うと、自然と笑みが……
    『先輩?何、ニヤニヤしてるんッスか?』

    ビクッッ
    昨日の兄貴との行為を思いふけっている時に、秋吉があたしの顔を覗きこんだ。
    『なんか、良い事あったんッスか〜?』
    秋吉が疑いの眼差しで、あたしを見た。
    『べ…別に何もないわよ…』
    あたしは秋吉を振り払うように目を逸らした。

    2005-06-17 02:40:00
  • 259:

    『あー!怪しい!怪し過ぎる!先輩、昨日男といたんッスよね?!…もしかして、さっきまで、ヤッてたとか?!』
    ブッ―――
    あたしは飲んでたお酒をおもいっきりむせ込んだ。
    『やっぱり…ッどーりで先輩…今日なんか色っぽくてエロい匂いがすると思った…!!』
    『どんな匂いなのよ?!あほか!!』

    2005-06-17 02:42:00
  • 260:

    『俺の典子に悪いムシがぁ〜〜』
    ……いや、どっちかっつーとお前の方が悪いムシだから。
    『つーか、あんたはどーなのよ?彼女とケンカしたんでしょ?仲直りしたの?』
    話題をすりかえようと、秋吉の話を持ち出した。
    『…ん〜。イヤ、まだ仲直りはしてないんッスよね〜それが』
    『…あ、そーなの?あんたって実はケンカん時自分からは、折れないタイプ?』

    あたしが聞くと、秋吉の表情が一瞬、変わった。
    ……………?
    『いや、俺の彼女……』

    2005-06-17 02:43:00
  • 261:

    ―――そう、秋吉が言いかけた瞬間…

    『終――――了!!徹夜がぶっ倒れたので圭吾の勝ち――――!!』
    向こうで、サークル仲間の一人が叫ぶのが聞こえた。
    『あ…兄貴?!!』

    2005-06-17 02:45:00
  • 262:

    噴水の横で、酔い潰れて寝ころがる、てっちゃんと兄貴の姿があたしの目に飛び込んだ。
    ―――やだッ兄貴、大丈夫なの??!

    『圭吾も酔い潰れたし、次誰、潰すかぁ〜』

    …酔い潰れたって……兄貴、顔、真っ赤だし!!
    あたしは慌てて兄貴の所まで走った。
    ――――――――が。

    2005-06-17 02:46:00
  • 263:

    『圭吾?!大丈夫??しっかりしてよぉ、もぅ!』
    『…………!!』
    あたしよりいち早く、皐月が、兄貴の体を起こし、兄貴に水を飲ませた。

    ………こ、この女……!!
    『皐月さん!!大丈夫ですから!!あたしが…ッ』
    あたしは皐月と兄貴の間に割って入った。
    『いーのいーの♪典子ちゃんは、弟クンと喋ってなさいって♪いー雰囲気だったじゃん♪』
    皐月はあたしに軽くウィンクした。

    2005-06-17 02:48:00
  • 264:

    ……な…何言ってるの?この女?!

    『ごめーん皆!ちょっと圭吾の酔い、覚まさせに川沿いまで連れて行きたいから、誰か手伝って!』
    ……ハァァァ??!

    『あ!俺行ってやるよ!』
    サークル仲間の斉藤って人が、皐月と一緒に酔い潰れた兄貴を起き上がらせた。
    『あ…あたしも…!』
    あたしは慌てて、3人について行こうとした。

    2005-06-17 02:50:00
  • 265:

    『いーからいーから!こんな時まで兄貴の面倒みなくていーって♪典子ちゃんはココで楽しんでてよ!』
    斉藤が、ニッコリあたしに微笑んだ。
    ……こんな時だからだろ!!!?
    (斉藤は好意で言ってくれたんだろーけど)

    ……斉藤が居るし…
    皐月と二人っきりなわけじゃないから、大丈夫だよね……

    ―――あたしは不安な面持ちで、兄貴を連れてゆく二人を見送るしかなかった。

    2005-06-17 02:51:00
  • 266:

    『あれ?先輩のお兄さんと斉藤さんは?…皐月さんも……』
    秋吉がポッキーをくわえながら、あたしの所へ来た。
    『うん…なんか、兄貴の酔いさますために3人で川沿いの方行った…』
    『え?!3人で?!…じゃあ今頃、3Pしてたりして』

    ――――――!!
    『やめてよ!そーゆー冗談!!』
    秋吉の言葉に、あたしは酷く反応した。
    『す…すみません…』
    あたしのあまりの剣幕にビックリしたのか、秋吉は加えていたポッキーを、地面に落とした。

    2005-06-17 02:53:00
  • 267:

    ♪チャララ〜チャラチャララ〜ラ〜♪

    その時、秋吉の携帯が鳴った。
    『はい。もしもし…』
    ―――電話に出た秋吉の声は、いつもより低かった。
    『…ああ。…だから、もうかけてくんな』
    ブチ―――
    たったそれだけ会話すると、秋吉は携帯を切った。
    『……彼女?』
    雰囲気で、そう感じたあたしは、秋吉に聞いた。

    2005-06-17 02:54:00
  • 268:

    あたしの問いに、秋吉はニッコリ微笑んで答えた。
    『別れたんッスよ。昨日』
    『――え?』
    『彼女に、浮気されて』
    『――ええ??』

    う・浮気されたんだ……
    どっちかっつーと秋吉のほーが浮気しそうなのに…(←失礼)
    『実は前々から、別れたり戻ったりしてたんッスけどね。けど俺自身もう無理だし』

    2005-06-17 02:56:00
  • 269:

    『そーなんだ…』
    …電話してきてるなら、まだ彼女は秋吉の事が好きなんだ。浮気してたとはいえ、なんか、切ない……
    『あ!もしかして先輩、俺の事心配してくれてるんッスか??』
    ―――は?!
    『してないわよ。彼女のほーの心配はしたけど』
    『またまたぁ♪俺もフリーになった事だし、先輩俺と付き合っちゃいます??』
    『無理です。』
    あたしはキッパリ答えた。
    『……即答ッスか…』

    2005-06-17 02:57:00
  • 270:


    『ただいまぁ〜。皆、盛り上がってるかぁ〜?』
    ―――――?!
    突如、聞こえた声の主に、あたしは驚愕した。
    『さ、斉藤さん…?』
    さっき、皐月と兄貴を連れ出した斉藤が、一人だけ戻ってきた―――
    ―――――なんで?!

    『皐月さんと兄貴は?!』
    あたしは慌てて斉藤の所へ駆け寄った。

    2005-06-17 02:59:00
  • 271:

    『いやさぁ。皐月に先に帰っててって言われたから…俺も気ィきかせたワケよ』
    ………は?!
    何…じゃあ、今……皐月と兄貴は…二人きり?!!
    ドクン ドクン ドクン
    ―――あたしの全身から、血の気が引いた―――

    『じゃー今頃、圭吾と皐月は星空プレイ中?!』
    ギャハハハ―――

    周りが、はやし立てる。

    2005-06-17 03:01:00
  • 272:

    ドクンドクンドクンドクン

    ―――嫌!!あの女と二人きりなんて、絶対ダメ!!

    『先輩?何か顔色悪いッスよ?』
    秋吉が、あたしの様子のおかしさに気付いた。
    『あ…あたし…ちょっとトイレ行ってくる!!』
    『え?!一人じゃ危ないッスよ!?』
    持っていたお酒を秋吉に押し付け、あたしは一人夜の川沿いへ走った―――――

    2005-06-17 03:02:00
  • 273:


    ピンチが訪れました。
    今日はここまで(涙)

    2005-06-17 03:04:00
  • 274:

    名無しさん

    しおり?

    2005-06-17 12:50:00
  • 275:

    名無しさん

    はやく書いて?

    2005-06-17 19:54:00
  • 276:

    みゆ

    すごいいとこで止まってる?
    ってか1ついいですか(>_

    2005-06-18 00:02:00
  • 277:

    名無しさん

    ∪オvノ

    2005-06-18 00:23:00
  • 278:

    >>283
    病院にいる事に気付く場面
    http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/921-924" target="_blank">http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/921-924
    典子が兄貴と気持ちを確認しあう場面〜付き合う状態になる(?)場面
    http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/975-994" target="_blank">http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/975-994

    コピペ再開。
    >>279より続き。

    2005-06-18 00:35:00
  • 279:

    ハァハァハァ―――
    あたしは川沿いを目掛け、暗い公園の中へ入った。夜の公園は、不気味で恐い。ザワザワと木々の揺れる音がする……。
    ……けど、それどころじゃない!!

    ハァハァ―――
    『どこ…?兄貴どこ…?』
    あたしは兄貴を信じてる。
    ―――けど、兄貴が酔ってるのをいいことに、皐月から手を出したら……!!
    ―――あの女ならありえる!!!

    2005-06-18 00:38:00
  • 280:

    ―――皐月のクソ女!!
    兄貴に手ぇ出したら許さない!!
    あたしは公園を抜け、川沿いに出た。

    『―――!!』
    居た!!

    兄貴と皐月の姿を見つけた。…あたしは何故か、咄嗟に木の陰に隠れてしまった。
    電灯もひと気もない川沿いのベンチに、兄貴はグッタリ横になっている。…その横に、皐月がいる……。

    2005-06-18 00:39:00
  • 281:


    ・・・・・・・・・・・・・・・・え?!

    あたしは、信じられない光景を見てしまった。

    皐月の頭が、兄貴の下半身の上で、上下に動いている―――――
    ドクンッ………
    『はぁ…ッ―――』

    あたしの息が詰まった。

    2005-06-18 00:42:00
  • 282:


    ……フェラ……
    してる………皐月が、兄貴に―――!!
    『―――!!!!』
    あたしは思わず二人から目をそらした―――

    ドクンドクンドクンドクン
    やだ……やだ………
    目の前が、真っ暗になった―――――

    2005-06-18 00:44:00
  • 283:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 284:

    やだ…やだ…やだ……ッ

    泣きながら、あたしは公園を走った。
    ドクン ドクン ドクン ドクン
    『うぅ…ッッ―――』
    皐月と兄貴が…エッチしてた光景がフラッシュバックし、あたしは木に手をつき吐いた……。
     ズルズルズル―――
    あたしはそのまま、地べたに崩れこんだ。
    『兄貴…兄貴…あにきッ』
    涙がボロボロこぼれる。

    2005-06-18 00:49:00
  • 285:

    どうして…逃げたの…?

    《―――兄貴に触らないで!》

    二人の前に出て行ったらよかったのに……!!

    ―――できなかった……ッ

    皐月に触れられてる兄貴が、別人に見えた……。

    2005-06-18 00:50:00
  • 286:

    昨日まで、あたしの体に触れていた兄貴の体が………他の女に……。

    そう思った瞬間、あたしの体に、言い表しようもない【嫌悪感】が走った

    兄貴に対して………【嫌悪感】が。

    『ぅううッ……』
    あたしは泣いた。
    表しようのない、ショックと、自分の気持ちに―――

    2005-06-18 00:52:00
  • 287:


    今思えば、
    この時からだったのかもしれない。

    あたしの中のキモチが、……少しずつ、変化していったのは。

    2005-06-18 00:54:00
  • 288:





    2005-06-18 00:56:00
  • 289:

     ポチャン・・・

    ボーッとしながら、あたしは小石を、川の中へ投げた。
    ……今ごろ、兄貴と皐月は………
    ズキン ズキン ズキン
    《つらい―――》
    あたしは、川の柵を握りながら、へなへなとヘタりこんだ。
    …もう、兄貴の事を信じるとか…どうとか…
    そんな気持ちすら、どうでもよくなっていた。

    2005-06-18 00:58:00
  • 290:

    『お兄ちゃんが好きって、こーゆー事なんだよ…。』
    あたしは自分に言い聞かせた。
    …何が、「あたしは血の繋がりなんて、関係無い!」だよ……あたしが一番、妹だって事実に縛られてるんじゃない………。
    『だからもーいーの。兄貴に他の女が近づいても、あたしは一生我慢して生きていけば良いだけの話なんだから…』
    一人言のようにあたしは呟いた。

    2005-06-18 01:00:00
  • 291:

    『……………。』
    もう不安にさせないって兄貴、言ったのに………。
     ジワ・・・
    あたしの目に、再び涙が滲んだ。

    『――先輩?!』

    ビクッ―――
    …………………?!
    気付けば、あたしの目の前に、秋吉が立っていた。

    2005-06-18 01:01:00
  • 292:

    名無しさん

    かなり気になって寝れません?早く見たいょぉ-?

    2005-06-18 01:03:00
  • 293:

    『び…びっくりした…』
    『びっくりしたじゃないッつの!!探しまくってたんッスよ?!』
    ……秋吉の息は、微かに切れていた。
    『帰ってこねーから、何かあったんかと思った…よかった…』
    ハァーッっと、秋吉は安堵の息をつき、あたしの前にしゃがみ込んだ。

    2005-06-18 01:05:00
  • 294:

    『…あんたってさ…。いい奴だよね……』
    『へ?』
    あたしの言葉に、秋吉はキョトンとした。
    『…え?!どーしたんッスか急に?!いつも毒舌な先輩にそんな事言われたら気持ち悪いッスよ?!』
    『…あっそ。じゃもー言わない』
    『あ!うそ!もっと言って!』

    ……こいつは、フツーに恋愛して…フツーの苦しみしか知らないんだろーな……
    あたしは、酷く悲観的になってしまっていた。

    2005-06-18 01:06:00
  • 295:

    『前の彼女も幸せだっただろーね』
    『…そーでもないッスよ』
    ―――秋吉が、ポツリと言った。
    『どんなに一緒にいても、あいつは俺一人じゃ満足できなかったみたいッスから』
    『……浮気の事?』
    あたしの言葉に、秋吉はフッと微笑んだ。
    『最初の一回目の浮気は…好きだから許せたけど。それがダメだったんッスよね。俺とケンカする度に「違う男の所に行くからもーいいッ」って』
    川の柵にもたれながら、秋吉はタバコに火をつけた。
    『…ワガママな彼女、だったんだね……』
    『そーッスね。色んな男にチヤホヤされないと、ダメな女だったから』

    2005-06-18 01:09:00
  • 296:

    『それでも好きだから、離れられなかった?』

    あたしはベンチに置かれている秋吉のタバコを一本、抜きとった。
    『……そーッスね。けど、俺が彼女と別れる決断ができた出来事が起こったんッスよ』
    『へー。どんな?』

     シュボ―――
    タバコに火をつけながら、あたしは無気力に答えた。

    2005-06-18 01:10:00
  • 297:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 298:

    『俺、先輩のコト、好きです。』

    ……ちょ、ちょっと待て。
    秋吉は、今まで見たことが無い真剣な眼差しで、あたしを見つめている。

    『す…好きですって…』
    ジジジ・・・
    あたしの手から、タバコの灰が落ちた。
    ……ちょっと待って。告白されてんの?あたし?
    ………秋吉に???まさか!

    2005-06-18 01:13:00
  • 299:

    『俺と付き合ってください』
    秋吉が、あたしの肩をガシッと掴んで、言った。

    『ちょ…冗談でしょ?!』
    『ハイ。いつもなら。けど今回は本気です』
    ―――――!!
    心無しか、秋吉の顔が照れているように感じる…

    《―――え゙?!ほ、ほんとに本気なの?!》

    2005-06-18 01:15:00
  • 300:

    『き…気持ちは有り難いけど、あたしには好きな人が……ッ』
    『知ってますよ―――』

    ……―――え?!
    『先輩の好きな人って、先輩のお兄さんでしょ?』

     ド ク ン

    『…な…なんで……?』
    ―――なんで解ったの?!

    2005-06-18 01:17:00
  • 301:

    『俺、結構そーゆーの敏感なんッスよ。それに、先輩の様子ずっと見てたらわかります。…そりゃ、最初はまさかなぁ〜って思ったけど』
    淡々と語る秋吉の言葉を、あたしはただ黙って聞いていた。

    『今日、お兄さんと二人で来たの見て…なんか、雰囲気で確信しました。昨日、一緒にいたのも、お兄さんッスよね?』
    『……………!!』
    あたしは、声が出せなかった。

    ――――他人に、知られてしまった―――

    2005-06-18 01:19:00
  • 302:

    あたしの悲壮感漂う顔を見て、アハハと秋吉は笑い出した。
    『別に…その事をネタに脅して、付き合えとか言いませんって!』
    ………なんなのコイツ。
    あたしの考え、全部見透かしてるみたいに……。
    『俺、頑張りますから。先輩に好きになってもらえるよーに』

    2005-06-18 01:20:00
  • 303:

    『秋吉…』

    秋吉は、真っ直ぐに、あたしを見つめている。

    『先輩、いつも何か思いつめてる感じがしたのは……お兄さんと付き合ってたからなんッスね』
    『………!!』
    …何?その言い方!?
    『あ、兄貴が悪いんじゃないよ!!そんな言い方しないで!!』
    バシッ―――
    あたしは肩にかかる秋吉の手を振り払った。

    2005-06-18 01:22:00
  • 304:

    『同じ事ッスよ!現に先輩今も泣いてたでしょ?!』
    ビクッ―――
    ―――あたしの言葉が、詰まった。
    『兄妹の恋愛に…偏見持つ気はないッスけど、お兄さんより、典子先輩を大切にする自信あります。泣かせたりしない!!』
    ……………!!!

    2005-06-18 01:23:00
  • 305:

    名無しさん

    お願い?続きまだぁ?気になるょ?

    2005-06-18 01:23:00
  • 306:

    『た…大切にされてるわよ!!何も知らないクセに兄貴の事、悪く言わないで!!!』
    ドクンドクンドクン
    ダメ…苦しい…胸が、苦しい………!!

    『実の兄と付き合ったって…!親にも言えない、誰にも祝福されない、結婚なんか出来るわけないし、子供だって産めない。幸せになんてなれるハズないんッスよ?!!』

    2005-06-18 01:24:00
  • 307:


    バシ―――ッ

    ……あたしは、秋吉の頬をひっぱたいていた。

    『………俺、よく叩かれますよね……。』
    秋吉は、静かに呟いた。
     ハァハァハァ・・・
    あたしの目から、涙がこぼれた。

    2005-06-18 01:26:00
  • 308:

     ギュ―――

    『スミマセン…』
    秋吉の腕が、あたしの体を抱いた。
    ………兄貴と、同じ香水の香り……。

    『でも俺、先輩の泣いた顔、見たくないッスから。俺先輩の事、本気です。…なんつーか…先輩が近くにいると、安心する……』

    ―――――そう言って、秋吉はゆっくりとあたしに顔を近づけた。

    2005-06-18 01:28:00
  • 309:

    ……………なんでだろ。

    あたしは、今度は抵抗しなかった。
    秋吉の唇が、あたしの唇に触れる。
    ―――抵抗する、気力がなかったのかもしれない。

    【兄妹が愛し合っても、幸せになんか、なれない】

    秋吉の言葉が、ただ、あたしの頭の中でグルグルグルグル回っていた―――――。

    2005-06-18 01:30:00
  • 310:



    『先輩、二人で抜け出して遊びにでも行きません?』

    秋吉はあたしから唇をゆっくり離し、あたしの耳横で囁いた。

    2005-06-18 01:33:00
  • 311:

    『は?今から?!』
    『映画でもカラオケでも、先輩の好きなトコ♪思い切り遊んだら、少しは嫌な気分が吹っ飛びますって!!』

    ………嫌な気分……か。
    秋吉の強引さに負け、あたしと秋吉は二人で打ち上げを抜け出し、ゲーセンで思い切りはしゃいだ。

    2005-06-18 01:34:00
  • 312:

    『先輩!!次これやりましょー!バイオハザード!!』
    『イヤよ!あたしゾンビとかミイラとかグロ系大っ嫌いなの!』

    ……なんか、子供みたいにはしゃいで、あたしを元気づけようとしてくれてる秋吉の姿見てたら……
    ……本当に嫌な事全部、忘れられる気がした。

    2005-06-18 01:35:00
  • 313:


    ……でも。
    こんなの、一時の気休めにしか…ならない……。

    《兄貴 今頃どーしてるのかな……》

    あたしはワザと、携帯の電源を切っていた。

    …今は、何も…考えたくなかったから。

    2005-06-18 01:36:00
  • 314:

    『先輩!すっげーの取れたんッスけど!』
    ボーッとしていたあたしの目の前に、秋吉の身長の半分はありそうなカバの人形が飛びこんできた。
    『すごいっしょ?!300円でゲッツしました!!』
    『…つーかさぁ。フツー、プーさんとか取るでしょ?!何でカバなワケ?!』
    『え゙?!折角取ったのに!!』
    秋吉の悲惨そうな顔を見て、あたしは思わず笑ってしまった。

    ……秋吉と付き合ったらきっと、楽しい。
    ……言いたい事も言えて、堂々と出来て……………
    ―――――でも。

    2005-06-18 01:38:00
  • 315:

    あたしはやっぱり、兄貴が、好き―――。

    『ごめん。秋吉…あたし、やっぱり帰るわ…』
    『え―――?』
    さっきまでハシャギまくっていた秋吉の表情が止まった。
    『やっぱり、こんなことしてちゃ、ダメなんだよ』
    あたしは、自分に言い聞かすように、秋吉に告げた。
    『……お兄さんのこと、気になるんッスか?』
     コクン・・・
    あたしは小さく頷いた。

    2005-06-18 01:40:00
  • 316:

    『……そっか』
    溜息まじりの秋吉の声…。
    『わかりましたよ。俺も無理に先輩引き止めるつもりもないッスから』
     …チクン…
    秋吉の言葉が胸に刺さる。

    『今日は、先輩に告れただけで俺満足だし。…それに、全く俺に見込み無いワケでも無いみたいだし?』

    ―――?
    あたしには秋吉の言葉の意味がわからない。

    2005-06-18 01:42:00
  • 317:

    『さっきのキス。…先輩、抵抗しなかった』

    ―――――!!
    『あ、あれは!!』
    抵抗する気力が無かっただけで……!!

    『俺、諦めないッスよ』
    そう、あたしに告げた秋吉の瞳は、あまりにも真っ直ぐ、あたしを見ていた。

    ………ごめん…………秋吉……

    2005-06-18 01:45:00
  • 318:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 319:

    一回休憩。30分以内に再開します。

    2005-06-18 01:51:00
  • 320:

    名無しさん

    ぉつかれさまですッ?続き早くみたいデスッ楽しみにしてます?またお願いしまぁス?今日ゎ何時ぐらいまで続けれそうですかァ?

    2005-06-18 02:10:00
  • 321:

    >>327
    未定…(汗)

    >>325より続き…

    2005-06-18 02:22:00
  • 322:



    あたしが家に着いたのは、皆がもう家を出た10時過ぎだった。
     カチャ―――
    あたしは、家の扉を開け、玄関に入った………

    2005-06-18 02:24:00
  • 323:


    『――お帰り』

    ……………!!
    『あ、兄貴…ッ』
    玄関の入口に、待ち構えたように兄貴が立っていた。

    『俺の部屋に来い』

    ―――兄貴の表情は、とっても冷ややかだった……。

    2005-06-18 02:25:00
  • 324:

    『おまえ、今までどこ行ってた?携帯の電源切りやがって』
    兄貴の部屋に入るなり、ベッドに腰掛けた兄貴は、かなり不機嫌にあたしを睨んだ。
    あたしは、机の椅子に座り、ただ無言で俯いていた。
    『徹夜の弟もいなかった。……一緒にいたのか?』
    『……………。』
     コクン・・・―――
    俯いたまま、頷いた。

    『…どこ、行ってた…?』
    兄貴の声が、低い―――。

    2005-06-18 02:27:00
  • 325:

    『打ち上げ抜け出して…秋吉とゲーセン行ってた。でもすぐ別れて、あたし一人で朝まで喫茶店に…』
    あたしがそう言葉を吐いた瞬間―――

     ガンッ―――
    『――きゃ?!』

    兄貴が、壁を思い切り蹴った―――
     パラパラパラ…
    壁から、粉が落ちる音がする。

    2005-06-18 02:29:00
  • 326:

    『あ…兄貴…?』
    ドクン…ドクン…
    兄貴の突然の行動にあたしはビビりまくっていた。
    ハァッ……
    兄貴は大きな溜息を漏らし、再びベッドに腰掛けた。

    『俺は…お前に自分の気持ちを告げてから…おかしい。自分で自分の感情が…押さえれなくなってる………今も、徹夜の弟とお前を、疑ってる』

     ズキン……
    秋吉とキスした事が、あたしの胸に罪悪感としてよぎった。

    2005-06-18 02:31:00
  • 327:

    《―――けど、兄貴だって、皐月と……》
    『………ッ』
    皐月の事を、問い詰めようとしたが、やめた。 ……何も知らない……見なかったフリをしてればいい。
    …あたしは、兄貴が好きだから。兄貴を信じたいの……。

    『兄貴……』

    あたしは、ゆっくりと兄貴の方へ近づいた。そして……
     ギュ………
    あたしから、兄貴を抱きしめた。

    2005-06-18 02:33:00
  • 328:

    『……典子?』

    《……兄貴の匂い…》
    香水は同じでも、秋吉とは全然違う、……あたしだけが知ってる、安心する香り………。

    『兄貴は、あたしの事が好きで好きで仕方ないんだね…』
    『うるさい。ほっとけ』
    兄貴の顔は見えないが、きっと照れてるに違いない。

    2005-06-18 02:35:00
  • 329:

    『あたしは、信じてるよ。兄貴の事。だから…あたしの事も信じてほしい』
    あたしは、穏やかな気持ちで兄貴に言った。
    『…なんか、お前の方が大人だな……』
    フゥ…と兄貴は溜息をついた。
    『いーよ。子供な兄貴も大好きだから』

    ―――そのまま、兄貴はあたしをベッドに押し倒した。

    『…誰もいないからって…家でヤるのはマズいんぢゃ…ッ』
    あたしは兄貴の顔を見上げた。

    2005-06-18 02:36:00
  • 330:

    『………ッ』
    あたしの言葉に答える事なく、あたしの唇はふさがれる。
    《……皐月とヤったベッドじゃん……》
    そう思ったけど―――
    《いいや。このベッドで兄貴に抱かれる女は、あたしが最後なんだから…》

    ―――――兄貴が好き。この気持ちは絶対変わらない。
    何があっても。
    ………何が……あっても……………。

    2005-06-18 02:38:00
  • 331:










    2005-06-18 02:39:00
  • 332:


    『……で、この公式はXがYに…』

     ふぁぁぁ・・・
    ……………だるい。学校の授業は本気でだるい。

    結局、二日続けて学校を無断欠席してしまったあたしは、親にもセンセーにもこっぴどく叱られた。
    昨日は兄貴も大学を休んで、エッチのあと、一緒に映画に行ったのだ♪
    (あたしが無理矢理連れ出したんだけど)

    2005-06-18 02:41:00
  • 333:

    その後ラブホにも行った。
    (まぁ、あたしが誘ったんだけど)

     カチャ―――
    あたしは教科書に隠して、携帯を開いた。

    2005-06-18 02:42:00
  • 334:

    ?作成:兄貴
    【いま、大学?】
    ―――送信。

    ……数分して、兄貴から返事が来た。
    【うん】
    ……ってそれだけかよ?!

    2005-06-18 02:43:00
  • 335:

    【返事少な〜?あたしは授業中?めちゃ暇??】
    ―――送信。
    ……そして受信。
    【勉強しろ】
    ……兄貴……(泣)あたしは負けじとメールを送った。
    【兄貴、あたしの事好き???】
    【うん】
    ……ってゆーかワザとか兄貴?!
    【うん だけ???他にもっとないの??】
    ―――送信。

    2005-06-18 02:45:00
  • 336:

     シーン…
    ……あれ?メールが来なくなった。……忙しいの?!もぅ!
    あたしはすねて携帯をしまおうとすると―――
    ?受信:兄貴

    【典子愛してる】

    ……………!!
    《じぃ〜ん……》
    めちゃくちゃ片言なメールだけど、あたしは、あまりにも感激してしまい、そのメールだけ保護設定してまった。

    2005-06-18 02:48:00
  • 337:

    名無しさん

    ∪オvノ

    2005-06-18 02:49:00
  • 338:

    その瞬間―――
    ?受信:秋吉
    【先輩、授業中??俺、今保健室でサボり中?先輩もくる〜?】
    『……………。』
    【行くかボケ】
    ―――送信。
    するとすぐ受信。
    【センパイひどい(;_;)俺はこんなにも典子を愛してるのに〜】
    ……………こいつ…。
    兄貴とはえらい違いだなオイ。

    2005-06-18 02:49:00
  • 339:



    キーンコーンカーンコーン

    『典子〜一緒に帰ろう?』

    2005-06-18 02:50:00
  • 340:

    『あ、ごめん由美、先に帰ってて!あたしコレ出してくる!』
    あたしは、片手に一枚の紙を持って、進路相談室に向かった。

    『―――芸術大学?』
    クラスの担任は、あたしが差し出した進路希望用紙を見て、キョトンとしてあたしを見た。
    『はい。なんかあたしに向いてるかなぁ〜って!』
    『へぇ…相沢、絵書くの好きだったんだな。意外だ…』

    センセーは、まぁ、頑張りなさいとだけ言い、あたしの背中をポンと叩いた。

    2005-06-18 02:51:00
  • 341:

    『あ、先輩!』

    進路指導室から出た瞬間、秋吉が飛び付いてきた。
    ……ってゆーか、こいつどこにでも現れるよな?!
    『もー!俺、保健室でずっと待ってたのに!』
    『行くなんて言ってないし!』
    『ねー先輩、今からデートしましょーよ、ディト!』

    ……ほんとこいつ、犬みたいな奴だよなぁ…なつっこいっつーか、なんつーか。なんか頭に耳まで見えてきた……。

    2005-06-18 02:53:00
  • 342:

    ―――その時。
    ブブブ…ブブブ…
    『……?』
    あたしの携帯に、知らない番号から着信―――。
    『はい?』
    【あ、もしもし?典子ちゃん?】
    ……………女の声?
    【あたし。皐月だよ】
    ―――――?!
    身の毛がよだった。

    2005-06-18 02:54:00
  • 343:

    『さ…皐月さん?!』
    『……?』
    あたしの声に秋吉がこっちを振り返る。

    ドクン ドクン

    な…なんで……?!
    なんで皐月があたしの番号を……!?

    2005-06-18 02:56:00
  • 344:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 345:


     カラーン

    『いらっしゃいませ』
    皐月が指定した場所は、あたしの学校の近くにある小さな喫茶店だった。
    一番奥の席に…足を組んで、タバコを吸う皐月が見える。
    『皐月さん』
    『あ!典子ちゃん!ごめんね。呼び出しちゃって!あ〜制服だ。いぃなぁ若くて!』
    『何の用ですか?』
    あたしは、皐月のトークを無視し、冷たく言い放った。

    2005-06-18 02:59:00
  • 346:

    『……あのさぁ』
    アイスコーヒーのストローを指で回しながら、皐月はあたしをジッと見つめる。
    『圭吾の事なんだけど。…圭吾ね、最近エッチしてくれないんだぁ……』

    ……は?
    皐月の言葉に、あたしは声も出せない。
    『圭吾から、あたしの事、何か聞いてない?』

    2005-06-18 03:00:00
  • 347:

    ……な…何ぬかしてんの?!この女!
    『兄貴には彼女がいるからでしょう?!』
    『ん〜今までは、そんなの関係なかったんだけどなぁ…。今回の彼女、そんないい女なの?』
    『知りません!』
    ムカムカムカムカ…
    だめ…この女、本気むかつく……ッ
     ギュ―――
    あたしは膝の上で拳を強く握った。

    2005-06-18 03:01:00
  • 348:


    『やめて……ッ』
    あたしは、皐月の言葉を遮った。

    ク…クックックッ…
    ……………?
    そんなあたしを見て、皐月が急に笑い出した。

    2005-06-18 03:06:00
  • 349:


    『やっぱりね…』
    ……………?

    皐月が、まるで勝者のような笑みであたしを見る。



    『…圭吾の好きな女って、典子ちゃんだったんだぁ』

    2005-06-18 03:07:00
  • 350:

    ―――――え?!

     ドクン―――

    …………………………な…に…?

    『あはは。ごめん。カマかけちゃった!』
    皐月がクスクス笑いながら、加えたタバコに火をつける
    『この前ね、打ち上げの時、あたし圭吾と二人きりになったでしょ?その時、圭吾寝ちゃったから起こそうとして、フェラしてあげてたの♪そしたらさぁ。圭吾の奴、"典子"って、名前、漏らしてさぁ〜』

    2005-06-18 03:08:00
  • 351:

    ドクン…ドクン…
    ……兄貴が……?!

    『びっくりしたよぉ。だって、あたしの知ってる「典子」は……圭吾の妹なんだもん』

     フー…
    皐月の吐く息があたしの顔を包む。

    『まぁ、まさかなぁ〜って思って、勝手に圭吾の携帯見たのね。そしたら…メールの内容見てびっくりした。…やっぱり、兄妹でデキてたんだぁ。近親相姦ってやつ?!』

    2005-06-18 03:11:00
  • 352:


    ―――その時のあたしは…
    皐月に真実がバレた喜びと不安の狭間で揺れていた―――

    『前からやたら圭吾にくっついてるなぁて思ってたけど…まさか本当にデキてたなんて……』
    皐月は見下した瞳で、あたしを見た。

    『キモすぎ』
    『……!!』

    2005-06-18 03:12:00
  • 353:

    ……………ばらす…?

    『皆びっくりするだろーね♪噂なんか、すーぐ学校中に広がるよ?しかもあなた受験でしょ?ヤバイね』

     ガタッ―――
    あたしは椅子から立ち上がった―――。

    『あたしはいーわよ!!言い触らしたきゃ言い触らせば?!…けど…けど兄貴はやめて!!兄貴には何もしないで!!』

    2005-06-18 03:16:00
  • 354:

    『きゃははッ!あたしはどーなってもいーからお兄ちゃんはキズつけないでって? ウケる〜ッ♪バッカじゃない?!妹が女ぶるなっての!!』
    『………ッ』
    『セックスはできても、血が濃すぎて子供は産めないよ??結婚もできないだろーね。女の幸せは手に入らないし……フツーの女なら与えれる幸せを妹じゃ圭吾に与えれないわよ!』

    ……やめて……ッ

    あたしの脳裏に、秋吉が言った言葉が浮かぶ―――
    【兄妹が愛し合っても、幸せにはなれない】

    ドクン…ドクン…ドクン…

    2005-06-18 03:18:00
  • 355:


    『―――――――ッ』
     バシャ―――
    『きゃあッ?!』

    ……気が付くと、あたしは手元にあった水を、皐月にかけていた―――。

    『――ッ何するのよ?!』
    皐月は物凄い形相で、あたしを睨んだ。

    2005-06-18 03:19:00
  • 356:

    ………ハァハァ……
    あたしの動悸が激しくなる―――。
    『…圭吾には言ってない。帰ってお兄ちゃんに泣きつきなさいよ。学校へ行くと地獄が待ってるって!二人で思い切りキズついたらいーわ!近親相姦野郎!!』
     バンッ―――
    皐月は1000円札二枚を机の上に置き、捨てゼリフを吐いて、そのまま喫茶店を去っていった。

    2005-06-18 03:21:00
  • 357:



    『……………。』

    あたしは、喫茶店を出た後、一人でボーっと公園のベンチに座っていた。

    2005-06-18 03:24:00
  • 358:

    『…本当にバラすつもりなんだろーな…あの女……』

    ………どうして?
    ……………血が繋がってたら、愛しあっちゃダメなの……………?
    好きなんだから、仕方ないじゃんか……………。

    2005-06-18 03:25:00
  • 359:

    皐月がバラしたら……あたしはきっと学校に居づらくなる。
    ただでさえ、クラスの女からバッシングを受けている。
    …ううん……ッ
    そんな事、どうでもいい。

    《―――兄貴だけは、傷ついて欲しくない……ッ》

    自分でも、驚いている。
    自分が傷ついても…って思った事は、生まれて初めての感情だった。

    2005-06-18 03:26:00
  • 360:


    ―――兄貴への気持ちが…恋心から、愛情へ変わったんだと、あたしは思い込んでいた。

    《兄貴は、あたしが…守らなきゃ》

    プルルル…プルルル…
    【もしもし】
    『あ…勝也?』
    【…典子?久しぶりじゃねー?!最近連絡くれねーからさぁ。どした?】

    2005-06-18 03:28:00
  • 361:

    ……勝也は、あたしが中学の時からツルんでた、族の頭。もちろんセックス関係アリの付き合いだった。
    いい奴なんだけどすることがエグくて、しばらく縁切っていた。けど……………。

    『悪い勝也。頼みがあるの。2〜3人連れてこっち来てくれない?』

    2005-06-18 03:29:00
  • 362:


    ―――あたしは、とんでも無いことをしようとしている。兄貴を裏切ることも。

    それを解っていても、あたしはただ、兄貴を守りたかった……。
    『あ、皐月さん?典子です。さっきはごめんなさい。……話したいことあるんで…今からまた会ってもらえませんか?』

    2005-06-18 03:31:00
  • 363:


    兄貴を守りたい、という気持ちが―――

    あたしの今までの感情を惑わす結果になってしまうなんて。

    皐月を呼び出す前までのあたしには、想像もつかなかった……。


    2005-06-18 03:33:00
  • 364:










    2005-06-18 03:33:00
  • 365:

    もっかい休憩…(汗)再開未定だけど、多分朝方には再開してます。

    2005-06-18 03:37:00
  • 366:

    名無しさん

    お疲れ様ですッ?さっきの者ですが…ズットみてましたょッ?ゅっくり休憩して下さいッ?また朝見ますネ?ぉやすみですッ?

    2005-06-18 03:40:00
  • 367:

    読者

    パート?の6月6日にコピられた556のスレからパート?のスレ1って話し飛んでますよね?どこにあるんですか?(>_

    2005-06-18 03:40:00
  • 368:

    ?

    お疲れ様です??
    明日バイトやっちゅぅの
    に気になって寝れなく
    ズットみてましたぁ??
    今から寝ますけど明日
    また楽しみにしてます?
    頑張ってください??

    2005-06-18 03:44:00
  • 369:

    >>376
    …ん?よく意味がわかりませんが、part?はレス100超えてるので…556では終わっていませんよ?
    http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1117473268/556-560" target="_blank">http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1117473268/556-560 (携帯用)
    から入って、下部の次5をクリックしていけば、part?の最後まで進むと思います。画面メモだけで保存していると、不都合が起きやすいのでスレのトップをブックマークする事をお勧めします。

    2005-06-18 03:58:00
  • 370:

    >>378
    ×レス100
    ○レス1000

    2005-06-18 03:59:00
  • 371:

    読者

    なるほど?ご丁寧にありがとございました?

    2005-06-18 04:22:00
  • 372:

    名無しさん

    まだかなぁ‥

    2005-06-18 06:03:00
  • 373:

    今日の更新はあと少しで終えます。
    >>372-373より続き


    2005-06-18 06:17:00
  • 374:


    『ちょ…何すんのよ?!』
    ―――あたしは人気の無い、路地裏に皐月を連れ出した。勝也の指示で、族仲間のトモキとコウが嫌がる皐月を無理矢理壁に押し付けた。
    『この女マジうぜーな』
    勝也がタバコを口に加えながら、あたしに話し掛ける。

    2005-06-18 06:18:00
  • 375:

    『なんなのよこいつら?!どーゆーつもり?!』
    トモキとコウに両腕を掴まれ、身動きを取れない皐月は、路地の入口で様子を眺めるあたしを睨みつけた。
    『大学にウワサ流すって話…あれ、無しにしてもらえません?』
    あたしは皐月に冷たく言い放った。
    『――は?こいつら使ってあたしを脅そうって訳?することがガキなのよ!』
    強がりか何なのか、皐月は震えながらも威勢がいい。

    あたしは、制服のポケットから使い捨てのカメラを取り出した。
    『……?』
    皐月あたしの持つカメラを凝視している。

    2005-06-18 06:21:00
  • 376:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 377:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 378:

    『何…?!何撮ってんの?!』
    皐月がシャッター音とフラッシュに気付き、あたしの方を振り向いた。

    『……あんたさ。えらいセックス好きみたいじゃん』
    あたしは静かに、皐月に言い放った―――。

    『じゃーレイプとか…喜んでされてみる?』
    『―――――!!』
    皐月の顔が青ざめた。

    2005-06-18 06:27:00
  • 379:


    『ガキ、なめんなよ!!』

    ……憎かった。
    今まで…皐月に対して抱いていた憎悪が、一気に爆発した。

    『やだッやめてッ………ングッ――』
    トモキが皐月の口を塞いだ。
    横でコウが、カチャカチャとズボンのベルトを外す。

    2005-06-18 06:28:00
  • 380:

    ドクン…ドクン…ドクン…

    《こんな女…レイプでも何でもされて、キズつけばいい……兄貴まで、傷付けようとした…こんな女……ッ》

    ドクン…ドクン…ドクン…

    『ん…ッんぐぐッ―――!!』
    皐月は口を塞がれ、悲鳴にもならない声を漏らす。
    トモキの手が、皐月の足を割り開いた―――――

    2005-06-18 06:32:00
  • 381:


    『………やめて!!』

    『………?』
    あたしの声に、トモキの動きが止まった。
    『どしたぁ?』
    勝也の問いを無視し、あたしはゆっくり皐月に近寄り、しゃがみ込んだ。
    『ウワサを流さないって、誓って…』
    震える皐月に言葉を浴びせる。

    2005-06-18 06:33:00
  • 382:

    『二度と圭吾に、近づかないって約束して……!』

    コク…コクコク

    皐月が涙ぐんだ瞳で、何回も首をタテに振った。

    2005-06-18 06:34:00
  • 383:


    『……ストップ。離してあげて…』

    あたしは、トモキとコウに言った。

    『え〜いいの?ヤッちゃわなくて?せっかく俺ら呼んだのに?』
    勝也が残念そうにタバコを地面に押し付けた。

    2005-06-18 06:36:00
  • 384:

    『あんたが…少しでも変なマネしたら…この写真もあんたの大学にバラまくから』

    レイプはしなかった。
    けど、皐月のあられもない姿が、このカメラには写っている。
    誰が見ても、レイプ現場に見えるだろう。

    『二度と…兄貴に近づかないで』
    『わ…わかった…わよ。あ、あたしだって別に…あんな男…もう興味ない、し……』
    ガクガクと震えながら、皐月は小さく呟いた。

    2005-06-18 06:37:00
  • 385:

    皐月は四つん這いでトモキとコウの間から這いずり起き、そのまま、ヨロヨロと路地裏から逃げ去って行った―――。

    『……………。』
     ハァ………
    あたしは、安堵の溜め息を吐いた。

    ……これで…
    よかったん………だよね?
    確信は無いけど…あたしは兄貴を守れたはず……。

    2005-06-18 06:40:00
  • 386:

    『典子、約束だぜ。協力したから、今晩俺に付き合えよ?』
    勝也があたしの肩を抱いた。
    『……わかってる』

    ―――兄貴を裏切ってでも、あたしは…兄貴を守りたかった……。

    2005-06-18 06:41:00
  • 387:


    《裏切ってでも?》

    ―――裏切ってでも…守りたかった?

    兄貴なら…皐月にバラすと言われた事を話せば、
    「大丈夫だ」
    そう言って、あたしを抱きしめてくれたかもしれない。
    たとえキズつく事になっても、二人なら、乗りこえれたかもしれない。

    2005-06-18 06:42:00
  • 388:


    違う男に抱かれてまで、あたしは兄貴を守りたかったの ?
    ………これは、何?
    ………《愛情?》

    ……………何の……?

    勝也に足を開きながら、あたしの心に生まれた矛盾した気持ちは……
    だんだんと広がっていき…ひとつの答えに、辿り着いてしまった―――

    2005-06-18 06:45:00
  • 389:


    ―――あたしの、兄貴を守りたいという気持ちは…

    《―――「女」としてでなく、「妹」として…なんじゃ?―――》

    2005-06-18 06:47:00
  • 390:










    2005-06-18 06:48:00
  • 391:

    本日は、ここまで。また夜か、深夜にコピペ再開します。
    あと200レスくらい…(汗)クライマックスまであと少しでっせ!

    2005-06-18 06:50:00
  • 392:

    名無しさん

    おつかれさま?楽しみにしてます?もぅ少しがんばりょ????

    2005-06-18 07:00:00
  • 393:

    名無しさん

    250

    2005-06-18 20:42:00
  • 394:

    名無しさん

    更新まだでつかぁッ?

    2005-06-19 01:06:00
  • 395:

    >>398-399より続き



    2005-06-19 01:22:00
  • 396:


    ………ザワザワザワ

    勝也と別れた後、あたしは朝の人が行き交う街を、ボーッと歩道橋の上から眺めていた。
    もう、自分で自分の気持ちが…解らなくなっていた。
    ブブブ…ブブ…
    『……!』
    あたしは初めて、携帯の存在に気付いた。

    【着信:★兄貴★】

    2005-06-19 01:24:00
  • 397:

    『……………。』
    あたしは昨日家に帰らなかった。兄貴にも連絡は…していない。

    『もしもし……』
    あたしは恐る恐る電話に出た。
    【…もしもし?典子か?】

    兄貴の声―――
    あたしは、後ろめたいような、安心したような…そんな気持ちになった。

    2005-06-19 01:25:00
  • 398:

    【お前…無事だったのか……】
    兄貴が、ハァ…と安堵の息を漏らしながら、あたしに言った。
    『………!』
    いきなり怒られると思ったあたしは、兄貴の反応にびっくりした。
    『あ…昨日、由美ん家行ってたんだけど…そのまま寝ちゃって…。電話した…よね?ごめんなさい』
    あたしは兄貴に嘘をついた。
    【ああ。何回電話しても取らないから、何か事故かなんかあったんじゃないかって…親父も母さんも皆心配してた】
    『あ…兄貴も…?』
    【当たり前だろ。無事で良かった】

    2005-06-19 01:27:00
  • 399:

    『……………。』
    あたしが、浮気してたんじゃないかとか……疑わないの……?

    『あはっ!兄貴この間はあんなに、あたしと秋吉の事疑ってたのに!今回は浮気してるんじゃ〜?とか疑わなかったんだぁ??』

    冗談混じりで、あたしは兄貴に言った。

    ―――もしかしたら……
    あたしが嘘ついてるって、兄貴に悟ってほしかったのかもしれない。
    勝也に抱かれた罪悪感に、あたしは押し潰されそうだったから。

    2005-06-19 01:29:00
  • 400:

    【別に。お前が俺の事好きだって、わかってるし】
    『………え………』
    【俺の事好きなら、お前は浮気なんかしないだろ】
    『……………!!』

    ズキン…ズキン…ズキン…
    兄貴の言葉が、あたしの胸につき刺さった。

    【あ、そう言えば…】
    何かを思い出したように、兄貴が言った。

    2005-06-19 01:30:00
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