-
夜遊び夜遊び
-
お水お水
-
ホストホスト
-
風俗風俗
-
ビューティビューティ
-
ファッションファッション
-
悩み相談悩み相談
-
モデルモデル
-
芸能芸能
-
雑談雑談
-
食べ物・グルメグルメ
-
生活生活
-
恋恋
-
インターネット・ゲームネット・ゲーム
-
ギャンブルギャンブル
-
過去ログ倉庫過去ログ倉庫
-
運営運営
お兄ちゃんが好き。 part ?
-
1:
お兄ちゃんが好き。part ?
http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/1-52005-06-13 03:45:00 -
2:
名無しさん
ほう
2005-06-13 03:46:00 -
3:
理加子は私服だった。あたしの顔を見ず、無言で病室の入口に立っている。
『……典子に謝りたいから会わせてくれって』
ママは、不機嫌そうにあたしに言った。
『典子……あたし……』
理加子の小さな声が、部屋に響いた。
あたしは、兄貴に目をやった。兄貴は、何も言わない。けど……
《忘れないんじゃないか?ちゃんと今、解決しないと―――》
さっきの兄貴の言葉が、あたしの頭の中に響いた。
『……ママ。理加子と二人きりにして』
あたしの言葉に、ママの顔色が曇った。2005-06-13 03:49:00 -
4:
『…え…だけど…大丈夫なの?』
『大丈夫だよ。お願い。』
それでもママは心配なんだろう。…また二人きりになって、何か起こらないか……。中々、外に出ようとしない。―――その時、兄貴がママの背中を押した。
『母さん。典子が大丈夫って言ってるんだから、俺らは外に出よう』
…そう言って、ママを説得してくれた。
『典子。何かあったら呼べよ。前のソファーに座ってるから。』
そう言って、兄貴はママを連れ、部屋を出た。
パタン…
『……………………。』2005-06-13 03:50:00 -
6:
名無しさん
今日はたくさんありがとう?
2005-06-13 03:53:00 -
8:
名無しさん
前スレ1000のめめとかいう奴ここで感想書けば良かったんじゃないの。スレが1000いったらスレ消えるんじゃ?もし消えたらめめのせいだな
2005-06-13 05:18:00 -
9:
8番さん、コピペして下さっている方、著者様、皆様、知らなかったもので。。。すみません。感想は話の途中でなるべく書かないでおこうと思い、きりよくパート1の最後に書き込ませていただいたのですが。。。すみませんでした。迷惑になるといけないので、もう書き込みません。失礼しました。
2005-06-13 16:10:00 -
10:
名無しさん
主さん今度はいつカキコミしますか?
2005-06-13 16:18:00 -
13:
名無しさん
あげ☆
2005-06-13 23:24:00 -
15:
兄貴とママがいなくなって、あたしと理加子はお互いしばらく何も言わず、沈黙していた。
理加子は、さっき、あたしに暴力を奮った時とは別人のように、大人しい。
…いや。理加子は二重人格だ。いつキレるかわからない。
兄貴の言葉がなかったら……兄貴が近くにいてくれてなかったら、顔を合わせて話すのも恐い。
『……何?』
あたしは冷たく理加子に言い捨てた。
……今更……謝られても……てゆーか、また何か企んでるんじゃ……?
あたしの胸に不安がよぎる。
2005-06-14 02:59:00 -
16:
『…今さら』
理加子が口を開いた。
『今さら…謝ったところで…信じて貰えないと思うけど………』
理加子の声は酷く弱々しい。
『ごめん…』
……騙されない。あんたは一体何回あたしに謝って、裏切った?
『……でも、もう、終わりだから…』
………?どーゆー意味?2005-06-14 03:00:00 -
17:
『あたし、学校辞めるから…』
『…………え?』
……辞める?
『退学に、なったの?』
あたしの問いに、理加子は首を横に振った。
『…あたしの処分は…まだ決まってない。あたしから、辞めるの』
理加子は、ゆっくりと、あたしに近づき、
『本当に…ごめんなさい……ッ』
―――あたしに頭を下げた。2005-06-14 03:01:00 -
18:
……なに……あたしは、目の前のコイツの何を信じたらいいわけ…?
『……やめてよ。あんたが学校辞めようがあたしに謝ろうが、どーでもいーの。とにかく、もうあんたの顔なんて見たくない。あたしが言いたいのはそれだけだよ。さよなら』
あたしは、それだけ言い放つと、理加子に背を向け、ベッドに寝そべった。
『………………。』
……理加子は何も、言い返してこない。けど、去っていく気配もない。2005-06-14 03:03:00 -
19:
『………典子。あたしね。レイプされてからずっと…精神病院通ってたの』
理加子は、限りなくか細い声で言った。
『……安定剤飲まないと…自分の感情、自制きかなくて……前の学校でね、典子と同じように、暴力奮ってしまった子がいて…。その子、あたしの彼女だったんだ。別れたいってゆーから、ボコボコにした』
2005-06-14 03:05:00 -
20:
『やっぱり男がいいって言われたの。…それで腹立って……腹立って……』
あたしは、ゆっくりと理加子の方を向いた。理加子はきつく歯を食いしばっている。
『あたしね、典子。精神科医の先生に言われたんだ。…同性を好きなのは、レイプされたショックからだって』
理加子の目から、涙が零れた。
『…あたしは、そうじゃないって思ってる。
あたしは……。
本当に典子が好きだった―――』
2005-06-14 03:07:00 -
21:
『……理加子……』
『でも、典子のゆーとーり。あたしは男のクズ以下だった。自分ばっかりが被害者ぶってた。ごめんね典子……。ごめん…』
……………………………理加子は。
どうしようもなく弱い子なんだ。
それがレイプされたショックかどうかは知らない。けど、さっき夢で見た何十人にもまわされる夢。
あたしの中にも、理加子が住んでたのかもしれない。
そう思うと、理加子が可愛そうに思えて仕方なかった。2005-06-14 03:09:00 -
22:
『さっきの、お兄さんだよね…?』
『え…』
『かっこいいじゃん。頑張ってね!』
…そう言って、理加子は扉の方へ歩いた。
『理加子!』
なぜだろう。あたしは、理加子を呼び止めた。理加子は、振り返らずに、足を止めた。
『………頑張るよ、あたし。血がつながってても、好きだから』
あたしの言葉に、理加子はニッコリ微笑んで、そのまま病室を出ていった―――。2005-06-14 03:11:00 -
23:
………………フゥ…………
理加子が去った後、あたしは言いようもなく、力が抜けた。
………解決…したのかな……。……兄貴のゆーとーり、理加子と話して良かった……。
そう思うと、涙がとめどなく流れた。
『う……ッ―――』
自分がレイプされた事。理加子がレイプされた事を考えて、あたしは泣いた。
…もう……好きじゃない男と寝るのは、二度と嫌だ……。
あたしはそう心に刻んだ。2005-06-14 03:12:00 -
24:
ヒヤッ
『―――?きゃっ!』
あたしの頬に、冷たい物体が当たった。
『喉渇いただろ』
いつの間に入ってきたのか、兄貴が冷たいコーヒーを持ってあたしの横にいた。
『…ありがとう…』
『母さんは、先に帰ってメシの用意してるってさ。帰るか』
兄貴は、あたしの頭を撫でながら言った。
『……その前に……タバコ吸いたい』2005-06-14 03:14:00 -
25:
あたしは、兄貴の服の裾を引っ張った。
『だから未成年だろ、お前……』
………これからは………女として、兄貴の側にいれるんだよね……?
あたしは、嬉しくて、嬉しくて、仕方なかった。
……そんな、人生は甘くないって、わかってたのに。
2005-06-14 03:16:00 -
27:
『ただいまぁ』
――我が家に到着。
家に入った瞬間、シチューの香りがした。
ドカドカドカ
2階から慌ただしく恭平が下りてきた。
『ねーちゃんリンチされたんだって?!…うわっ!マジ、包帯だらけじゃん!』
恭平はマジマジとあたしの全身を見た。
『…大したことないって』
あたしは、ハハッと苦笑いだけしておいた。
『典子。圭吾。2階で着替えてきなさい。ご飯の支度できたから!』2005-06-14 03:19:00 -
28:
『はーい。ママ』
あたしと兄貴は、恭平の質問攻めから逃れ、2階へ上がった。
『……………。』
部屋の前で、ふとあたしは緊張に襲われた。
……家族は、皆、あたしと兄貴が…、こんなことになったなんて、知らないもんなぁ…。
兄貴とあたしだけの………秘密なんだよね。
『あ……兄貴……』
『ん?』
あたしは部屋に入ろうとする兄貴を呼び止めた。2005-06-14 03:20:00 -
29:
『…あ…あたし…やっぱ、まだ信じられないよ…。…兄貴と…両想いだったなんて……』
『もっかいキスでもすりゃ信じるか?』
…………カァッ―――兄貴の言葉にあたしの顔が熱くなった。
『……俺は、今までだいぶ自分の気持ちを押さえてきた。けど、今日弱ってるお前を見て、俺は男としてお前を守りたいと思った。だから、自分の気持ちを告げたんだ』
………兄貴の言葉があたしの心に響く。
また泣きそうになる。
『……うん』
あたしは、満面の笑みで頷いた。2005-06-14 03:22:00 -
30:
『……あたし、兄貴の事が、好き。めちゃくちゃ好きだよ』
あたしの言葉に、兄貴も微笑んだ。
『あ…明後日、兄貴の学祭行くから!』
そう言って、あたしは自分の部屋へ戻った。
今日もまた、寝れそうにない……。
2005-06-14 03:24:00 -
31:
『典子先輩おはようございまっす!』
午前11:00。
あたしの目の前に秋吉携碁が現れた。
『……あんた……私服ハデすぎじゃない?』
ピアスやらアクセやらじゃじゃら、かなりの腰パン、しかもスカジャン。ヤンキーかよ?!あたしは、秋吉のあまりのファッションセンスに突っ込んだ。
『そーっスか?あ、典子先輩は私服のほーが大人っぽいっスね!』
…ちょっと待って……こんな、ハデな奴と兄貴の学祭行くの?!あたしまで目立つじゃんか?!!
ハァ―――ッ………
あたしは溜め息をついた。今日は祭日。駅前はかなりの人ゴミだ。2005-06-14 03:25:00 -
32:
『俺らカップルに見えてたりして!』
『やめてよ。本気で迷惑だから』
あたしはなるべく秋吉から離れて歩いた。
秋吉が、切符を買いに並ぶ中、あたしは兄貴の大学までの駅の数を数えていた。
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、ななつ、やっ………。
『じゅ…じゅうに?!』
そんなに長い間、こいつと電車に乗るわけ?!
ハァァァ―――ッ……
…あたしはさっきよりもデカイ溜め息をついた。2005-06-14 03:27:00 -
33:
プルルルルル―――
『先輩早く!』
『ちょ…!あたしヒールだから走れないってば!』
あたしは秋吉に手を引っ張られながら電車に乗り込んだ。
…と、同時にドアが閉まった。
『間に合ったぁ〜ッ』
あたしと秋吉は、安堵の息を漏らした。
電車は満員で、かなりギュウギュウ詰め。よく見ると若い奴らが多い。2005-06-14 03:29:00 -
34:
『…こいつら、全部兄貴の学祭行くやつらッスかね?』
秋吉が、あたしの耳元で囁いた。
『ちょっと。耳元でしゃべらないでよ』
『この人口密度で、んな無茶な!』
秋吉とあたしの体はかなり、密着していた。
…あ………。
あたしは、ある重大な事実に気付いてしまった。
『秋吉。あんた、何の香水つけてる?』2005-06-14 03:30:00 -
35:
『へ?ブルガリブルーッスけど』
秋吉が、あたしの唐突な質問にキョトンとして答えた。
…………やっぱり。
《兄貴と同じ香水だ――》
『典子先輩は、グッチですよね』
『…え?何でわかったの?』
『俺の前の女と同じだからすぐわかったッス』
そう言って秋吉は、あたしの顔の近くでニッコリ笑った。2005-06-14 03:31:00 -
36:
『…あれ。そーいやあんた、彼女いないの?』
あたしは、フッと秋吉に言った。
『居ますよ。付き合ってもう2年っス』
『へぇ…』
……興味ないけど。
……ん?じゃあ何で彼女じゃなくあたしを誘ったんだ?
『あ、典子先輩今ガッカリしたでしょ??』
『はぁ?!』
『残念!俺は彼女一筋なんで、俺を狙っても無駄ッスから♪』
………こ…こんガキャ…………!!!2005-06-14 03:32:00 -
37:
『誰があんたみたいなクソガキ狙うか!あたしは年上タイプなの!!』
あたしは、思い切りそっけなく言い返してやった。
『またまたぁ〜。あ、でも典子先輩が痴漢に合ったりしたら俺、全力で守ってあげますよ♪俺ケンカには自信あるッスから♪』
……………ガキ………。
ガキは無視しよう。
――――そう、なんだかんだ言ってるうちに、兄貴の大学の駅についた。
2005-06-14 03:33:00 -
38:
扉が開いた瞬間、電車に乗っていたほとんどが下車していく。
……やっぱり、皆、学祭行く奴らばっかだったんだ…。
―――ドンッ
『きゃっ』
あたしは誰かに押され、人の流れに押し潰されそうになった。
その時。
――――――?!
誰かがあたしの手を掴んだ。
『先輩!大丈夫ッスか?案外どんくさいんですね』
秋吉があたしの手を引っ張り、人の流れから連れ出してくれた。2005-06-14 03:36:00 -
39:
『あーー!いたいた!携碁と典ちゃん!!』
………?!
あたしと秋吉を呼ぶ声に、あたし達二人は後ろを振り返った。
『てっちゃん!』
―――振り替えった先には、大きな木材を抱えた秋吉の兄、秋吉徹夜が立っていた。
……が。
てっちゃんは眉間にシワを寄せ、妙〜な顔をして、あたしと秋吉に言った。
『つーか…お前らさぁ。…いつの間に…そんな関係になったんだ?』2005-06-14 03:39:00 -
40:
……………………?
てっちゃんの目線の先が、あたしと秋吉の手元に集中している。
『――――あ?!』
あたしと秋吉の手が、駅を出たときからずっと、しっかりと繋がれていたのだ!
『ぎゃ!!』
あたしは慌てて秋吉の手から、自分の手を外した。
『い…いつまで握ってんのよ?!』
あたしはあせって秋吉を怒鳴りつけた。
『いや…先輩が何もゆわないから…はは♪』
秋吉は悪気なく笑った。2005-06-14 03:40:00 -
41:
『あのね、てっちゃん、違うの、これは…』
『いやぁ〜そっかぁ〜お前ら付き合ってたのかぁ〜ッ!どーりで典ちゃん、俺をフッた訳だぁ〜っ!………なぁ、圭吾!』
……………………………………………え?!
てっちゃんが持ってる木材の後ろから、兄貴が現れた。
あ・あにき??!
いたの?!!
いつから???!2005-06-14 03:41:00 -
42:
『そうだな』
兄貴は無表情で答えた。
………あ…秋吉と手繋いでたの……み……みら……れ………た?
《ガ――――――――ン》
あたしの中で、ベートーベンの「運命」が流れた。2005-06-14 03:42:00 -
43:
や……やばい……!
やばいやばいやばいやばい!!!!!
弁解しなきゃ!!……弁解?!手繋いでたのは事実じゃん??
あたしの頭はパニックになっていた。
『ち…違うよぉ〜?こいつが勝手に…』
あたしが必死で弁解しようとした瞬間―――
『ごめんなぁ兄貴ぃ!おれら付き合ってましたぁ〜!』
―――――秋吉のアホがいらん事を言いやがった。2005-06-14 03:44:00 -
44:
………………《殺ス》
あたしの中に、秋吉に向かって殺意が目覚めた。
『違うわよ!!誰がこんな奴と付き合うかっ!!第一こいつ彼女いるって……!!』
『彼女と別れて典子先輩と付き合う事にしましたぁ♪あはは♪』
―――――――こいつ!!いい加減にしろよ??!
『はいはい。ラブラブでいーですね。俺にも女紹介しやがれ』
てっちゃんは木材を地面に置き、ブツブツ言っている。
兄貴は………2005-06-14 03:45:00 -
45:
『俺、先に3階行ってるわ』
……そう言って、校舎の中に入っていってしまった。
《ま……待って兄貴ぃい!!!》
あたしは心の中で叫ぶしかなかった。
だって……妹が兄貴に必死で弁解するのも、追い掛けるのも、……はたから見れば…おかしい。
《兄貴……絶対怒ってた……ど・どうしよう…ちゃんと…話ししなきゃ…》2005-06-14 03:46:00 -
46:
『秋吉!あんた、どーゆーつもり?!』
あたしは秋吉に怒鳴りつけた。
『え?だって。付き合ってるって言ってたほーが何かと便利でしょ?』
何が便利なんだ?!何が?!
兄貴には、てっちゃんの弟と来るって言っておいた。でも、まさかこんな事態になるなんて!!
あ〜〜〜〜〜あたしの馬鹿馬鹿バカバカバカ秋吉のバカッ!!
『あ…もしかして…典子先輩……』
ドキッ―――
秋吉の言葉にあたしは止まった。
『な……何?』2005-06-14 03:47:00 -
47:
『もしかして、好きなんッスか…?』
『え……?!』
ば……バレた……?!
『俺の兄貴の事…』
……は?てっちゃん?
『フッた後で、後悔してたとか……?だから俺がさっき言った事に怒ってるんじゃ…?』
秋吉がマジマジとあたしに聞いてくる。
『やめて…。違うわよ。怒ってないわよ…。だけどちゃんと二人に弁解しといてよね。さっきのは冗談だって』2005-06-14 03:49:00 -
48:
……あたしも兄貴に…… 言い訳(?)しに行かなきゃ……。
学祭早々、ブルーだ………………。
『おい!そこの二人!いちゃついてないでコレ運ぶの手伝え!スタッフだろ!』
てっちゃんがふくれながら木材を指さして、あたしと秋吉に言った。
そのまま三人は、三階にある『お化け屋敷』へと向かったのだった。2005-06-14 03:50:00 -
49:
『すっげー!』
『すごーい!』
あたしと秋吉は再び感嘆の声を上げた。
『お化け屋敷ってダサッって思ってたけど、スッゴイ本格的だねぇ!』
『だろ??…ダサいは余計だけど』
てっちゃんは笑いながら 入口に柳の葉を吊している。
『敢えて暗くなってからオープンするから、それまでにお前らちゃんと準備手伝えよ?』
『えー!ちょっとだけ他まわってきていーだろ?俺、腹減ったッ』
秋吉が手をお腹に当てながら不満げに言った。2005-06-14 03:51:00 -
50:
『手伝ってからだ!…あ、典ちゃんは何か食べてきていーよ!』
『あッヒイキじゃねーか!セコ!』
てっちゃんと秋吉の会話をよそに、あたしはキョロキョロと辺りを見回した。
『…あの、てっちゃん……兄貴は?』
辺りに兄貴の姿は見えない。
『圭吾?ああ、あいつなら違うサークルの奴らん所行ってるけど?』
『違うサークル?』
『タコ焼きんところ!』
………そこに兄貴がいるのね。2005-06-14 03:52:00 -
51:
『あたし、ちょっとだけ行ってくるねッ』
あたしはすぐさまその場を離れようとした。
『あ!先輩俺も行くッス!』
秋吉があたしを呼びとめた。
―――冗談じゃない!これ以上二人で行動できるか!
『あんたの分のタコ焼きも買ってきてあげるわよ!おとなしくてっちゃんの手伝いしといて!』
ポカーンとする秋吉をほって、あたしはタコ焼きの出店に向かった。2005-06-14 03:54:00 -
53:
さすが大学の学祭。もんの凄い数の出店…。
ただでさえこの大学は広い。タコ焼きの出店も一つじゃない。
『あちゃ〜…てっちゃんに具体的な場所、聞いときゃよかった』
兄貴の携帯に電話してもつながらない。…あたしは、もの凄い人ゴミをかきわけ、タコ焼き屋を全部あたる事にした。
『んも〜!兄貴どこよー?!』
2005-06-14 04:28:00 -
54:
………………いた。
《あそこのタコ焼き屋にいた――――っ!!》
両目 視力1.5で良かった!!(涙)
人の塊の中に、兄貴の姿が見えた。
…なんなのよ!あたしをほったらかして!!
あたしはふくれっ面で、兄貴のいる場所まで近づいた。
そして、かなりのバカでかい声で叫んだ。
『兄貴――――!!』2005-06-14 04:29:00 -
55:
『……典子?』
兄貴が、あたしの方を振り返ったのと同時に、兄貴の周りにいる人達も全員、あたしの方を見た。
………う………。注目されてる……。
『あれ?この子、圭吾の妹?!』
兄貴の隣にいたチョット小肥りの男の人が、兄貴に言った。
『ああ。…どした?』
兄貴はあまりにも普通にあたしに聞いてきた。
《…どしたって…兄貴を探してたんだけど……》2005-06-14 04:30:00 -
56:
『えー圭吾の妹??マジで?可愛いじゃん、紹介してよ!!』
『あーー!この子かぁ、徹夜が振られたって言ってた子!!』
『えー相沢くんに似てないねー!』
『本当?雰囲気そっくりじゃない?!』
兄貴と一緒にいた男やら女やらが、一気にあたしをとり囲んだ。
…こ…この人達、全員この大学の人達かな……。
周りからの質問攻めに、あたしは、ひたすら苦笑いをしていた。
《ちょっと兄貴!助けてよ!あたしは兄貴と話したいのに!》
あたしは、兄貴にサインを出すべく、兄貴の方を見た。2005-06-14 04:33:00 -
57:
――――――あれ? あたしの眉間にシワが寄った。
…………兄貴の隣に、やたら可愛い女がいる…………。
……しかも、どっかで見たことある女……。
パキ――――ン
あたしの心の中で、何かが弾けた。
《お…思いだした!!兄貴の隣にいる女、この間ウチに来た女だ!!!兄貴の、元カノ!!》
2005-06-14 04:35:00 -
58:
《皐月》
って、名前だった――。
兄貴と………彼氏いるのにも関わらず、エッチしてた女!!(兄貴も悪いが、この場合、女のほうが腹たつ!)
なんで?!!
《なんで、兄貴そんな女と一緒にいるの?!!》
あたしの体中から、血の気が引いてきた。
2005-06-14 04:36:00 -
59:
しかもしかもしかも!!兄貴と皐月は、普通に楽しそうに話している。
ムッカァァァァ〜ッ
あたしはイライラとムカツキと嫉妬で狂いそうだった。
『兄貴!!ちょっと!!』
あたしは、兄貴の袖を引っ張り、皐月とその他の人間から引き離し、人気がない建物の裏まで兄貴を連れ出した。2005-06-14 04:38:00 -
60:
『なんなんだ?何でそんな機嫌悪いんだ、お前?!』
兄貴が、ワケが解らない顔で、あたしに言った。
《な…何で、だってぇ?》
ムカァァッ
あたしの頭に血が上る。
『兄貴…皐月さんって人と、何で喋ってるの?!』
『は?皐月?』
……嫉妬してる女は醜い。…けど、言わずにはいれない……ッ
2005-06-14 04:39:00 -
61:
『……お前、ヤキモチか?』
『はぁ?!』
……………兄貴がニヤッと微笑んだ。
『そ……そうだょ!他の女ならともかく、兄貴と…エッチしてた女とのツーショットなんて、普通に見たくないわよ!』
『…そりゃそうだな』
しれっとした兄貴の言葉に、あたしの怒りはピークに達した。
『兄貴のバカ!あたしを悲しませて楽しいんだ?!!』
あたしはその場に泣き崩れた(フリをした)。
フゥ…
兄貴が溜め息をついて、うずくまるあたしの前に、しゃがんだ。2005-06-14 04:41:00 -
62:
削除削除されますた
あぼ~ん -
63:
『そ…それで、兄貴、何て言ったの?!』
『もちろん、断ったけど?』
………そ……それなら、いいんだけど……何?
何か、引っ掛かるんだけど??
『兄貴は、どうして…皐月さんとズルズル関係続けてたの……?』
そう。あたしが引っ掛かっているのはソコ。
そんなの兄貴らしくないっちゅーか…。
前聞いた時は、《大人の事情》で片付けられたけど……。2005-06-14 04:44:00 -
64:
『……俺は、妹が好きなんだって気付いたとき、一生叶わない相手だって腹くくったんだ。自分の気持ちを、お前に告げる事は一生ないだろうって。』
………あ……兄貴もあたしと同じ気持ちだったんだ。
『他のどんな女と付き合っても、…お前の事ばっか考えてた』
そう語る兄貴の顔が、さりげなく照れているのが解る。兄貴の口からそんな事ゆわれたら、あたしも照れる。
『…で、そんな時、皐月に再会して、………男がいるから、割り切った関係ができるからって。他に本気になれないのに女作っても仕方ないだろ。だから…』
……はぁ??
それって、それって。
『兄貴、皐月さんを、性欲処理に使ったって事??!』
『だから、声がデカイって、お前は!』
兄貴があたしの口を摘んだ。2005-06-14 04:46:00 -
65:
『……皐月も俺も、お互いを利用してたのは確かだ。…結果、それがお前をキズつける事になったな。悪い…』
兄貴が、あたしの肩を掴み、頭を下げた。
『……ううん。もう、いーよ…』
だって。
あたしが兄貴を責める資格なんか、無いよね。
あたしだって、兄貴を好きだって気持ちを誤魔化す為に、色んな男と……。
血が繋がってるって事が、一番悪いんだ。2005-06-14 04:47:00 -
66:
ギュウ―――……
兄貴が、あたしの体を急にきつく抱きしめた。
『あ…兄貴?』
ひ……人が来たら……。
ドキン…ドキン…
あたしの心臓の動きが激しく鳴る。
『これからは、俺は典子に好きなだけ触れるもんな』
兄貴が、あたしの耳元で囁いた。
2005-06-14 04:50:00 -
67:
ゾクゾクゾク――!!
兄貴の言葉と、耳にかかった兄貴の吐息に、あたしの体中に、鳥肌が立った。
……そ…そうだ……。
あたしと兄貴は、まだキス以上は……してないケド……
……これから先……………それ以上も、するって…事だよね……―――?!
カァァアァァァッ
あたしの顔が、一気に熱くなった。2005-06-14 04:51:00 -
68:
『……おまえ、今何か変な事想像しただろ?顔が赤い』
兄貴はあたしの思考を察知したかのように余裕の笑みで、あたしの顔を覗き込む。
『ち…違うわよ!!』
『…お前、絶対エロいだろ。前から思ってたけど』
『え…えろ?!エロくないっての!!』
面白そうにからかってくる兄貴の頭を、あたしはポカポカ叩きまくった。2005-06-14 04:52:00 -
69:
パシッ―――
不意に、兄貴があたしの腕を掴んだ。
『…兄貴?』
『………………次はお前が俺に弁解する番だな』
…………え?
兄貴はニッコリ微笑みながら言った。いつもの如く、目は、笑ってない…。
『徹夜の弟と、手ぇつないでたよな。さっき』
――――兄貴の声、果てしなく低いんですけど?2005-06-14 04:53:00 -
70:
『あ…あれは、ちょっとした手違いで…ッ』
『手違い?しっかりつながってたけど?』
『だからッ!あいつが勝手に!!』
『付き合ってるらしいな。お前ら…』
『だからッそれも秋吉のアホが勝手に言ってるだけ!!』
ハァハァハァハァ……
―――あたしは兄貴の誤解をとこうと必死。なんか情けなくなってきた。
……ほんっと…秋吉のアホ……後で覚えとけよ………
―――そんなあたしの必死な姿に、兄貴がククッと微笑をもらした。2005-06-14 04:56:00 -
71:
『嘘だよ。お前のこと信じてるし。………けど、』
―――兄貴の顔が、あたしの顔に近づいた。
『次、俺にヤキモチ焼かせたら、泣かすからな』
……そう、優しい口調で、恐ろしい言葉を吐いた、兄貴の唇は、あたしの唇を奪った。
『ん…ッ』
あたしの体は、兄貴の体重が掛かり、後ろの壁に押しつけられる。
…あ、やばい。
何回兄貴とキスしても、慣れない……。
溶けそう……………。2005-06-14 04:58:00 -
72:
ザワザワザワザワ…
耳の向こうで、人込みの音がする―――
いま、兄貴といる、この二人の空間だけが、止まっているように感じる……………
兄妹なのに、いけない事、してる……。
そんな気持ちに襲われてしまう………………
………………………………2005-06-14 04:59:00 -
73:
不意に、兄貴の唇が離れた。
『そろそろ、行くか。徹夜がキレ出す頃だしな』
そう言って、腰砕けになっているあたしを引き起こしてくれた。
……えぇ、何か、このまま兄貴とトンズラしたい気分なんだけど………。
そうは思っても、口には出せない。
仕方なく、あたしと兄貴はてっちゃんのところまで戻った。
2005-06-14 05:00:00 -
75:
名無しさん
コピペおつかれさまです☆☆めっちゃ進むんうれしいケド略が多いからちょっと大変かも…ワガママ言ってすまそm(__)m
2005-06-14 12:14:00 -
76:
名無しさん
↑意見・要望・相談スレ in小説板?みなよ
2005-06-14 15:07:00 -
77:
名無しさん
次ゎぃっ更新ですかぁ?
2005-06-15 21:27:00 -
78:
名無しさん
明日ってかいてるよぉ
2005-06-15 21:28:00 -
79:
名無しさん
75に書いてある明日はもう過ぎているのだが(今日の朝)
2005-06-15 21:32:00 -
80:
いや…実は昨日の深夜〜今日の朝方に更新予定だったんスけど、夜遊び止まってて…?
今日できるかわからないから、沢山更新するつもりだったんスけど…。
恨むなら管理者のメンテ告知が無いのを恨んで下さい???????
今日は多分できない…鴨。すまぬ!2005-06-15 21:41:00 -
81:
名無しさん
そんな…?困ります??
2005-06-15 21:49:00 -
82:
名無しさん
中途半端に書くなゃ?
2005-06-15 21:52:00 -
83:
名無しさん
上の二人、コピペしてくれてる人にそれはないわ!
2005-06-15 22:44:00 -
84:
名無しさん
すいませんでした??
2005-06-15 22:45:00 -
85:
名無しさん
ぢゃぁ今日ゎ無理ですかぁ?明日になりそぅですか??
2005-06-15 22:57:00 -
88:
『お前ら!!どこ行ってたんだよ?!!』
兄貴の予想通り、てっちゃんは相当怒っていた。秋吉と二人で全ての準備を終わらしたらしい。
『典子せんぱぁ〜い!』
秋吉が甘えた声であたしに近づいいてきた。
……ちょっと…お願いだから兄貴の前であたしに話しかけてこないで……。
『なに?!』
あたしは超無愛想に、秋吉に返事した。2005-06-16 05:43:00 -
89:
『なにって……。先輩、タコ焼き買ってきてくれるって言ってたじゃないっスかぁ〜!』
…………………あ。
『忘れてた…』
『え―――?!!俺、待ってたのに〜!!』
秋吉が悲鳴に近い声をあげてしゃがみこんだ。
『ご…ごめんってば…。今から買いに行ってくるから…』
『やだ。俺も行く!』2005-06-16 05:44:00 -
90:
………げ。
……またこいつ余計な事を………!
あたしは兄貴の顔をチラっと見た。…兄貴は普通にてっちゃんと話している。
その時―――
『あ!いたいたぁ〜!!圭吾〜!徹夜〜!』
黄色い女の声が、あたしの耳に飛び込んだ。
―――……出た!!!―――皐月!!!2005-06-16 05:45:00 -
91:
お前は今から、出勤するのか??ってなくらいハデな格好をした皐月が、兄貴とてっちゃんの名前を叫びながら、こっちに来た。
『おー!皐月!相変わらず可愛いなぁ!遊びに来てくれたのか??』
てっちゃんが皐月にご機嫌で話しかけた。
『ん〜さっきまで、圭吾と一緒にタコ焼きんとこいたんだけど〜。圭吾が急に妹さんとどっか行っちゃったから!』
プゥっとふくれた顔で、皐月は兄貴の服のソデを引っ張った。2005-06-16 05:45:00 -
92:
ズキン…ズキン…ズキン…
《やだ。やめて―――》
ズキン…ズキン…ズキン…
《兄貴に触らないで》
ズキンズキンズキンズキンズキンズキン
あたしの胸が、キリキリ痛んだ。
《兄貴が違う女と話してるの見るのも嫌…!!》2005-06-16 05:47:00 -
93:
本当はあたしが彼女なんだって、言いたい………
…………でも言えない………言いたい……………
…………言えない…………言いたい………………
…………言えない…………2005-06-16 05:48:00 -
94:
『お前らぁ!昔付き合ってたからって、いちゃつきすぎだっつの!!』
てっちゃんが、兄貴と皐月にヤジを飛ばした。
『い〜じゃん♪圭吾だって、まだあたしに未練あるもんねぇ♪』
皐月が楽しそうに、兄貴の顔を覗き込む。
『ねぇよ。お前、こんな事ばっかしてると男にフラれるぞ』
兄貴が、自分の腕から、ベリッと皐月を引きはがした。
『いーの!あたしの彼氏、ヤキモチとか焼かない人だから♪』
皐月は、しつこく兄貴の腕に引っ付いた。
『え〜じゃあ、俺と浮気しよーぜ?刺激ありまくりだぜ俺??』
てっちゃんが茶化すように、皐月に迫る。2005-06-16 05:49:00 -
95:
『やだ。あたしの浮気相手は圭吾って決まってるの♪ごめんねぇ♪』
皐月は、キャハっと笑った。
―――あたしはただ、黙って皐月の話しと行動を見ているしかなかった。2005-06-16 05:50:00 -
96:
―――なにコレ。
めちゃくちゃ辛いんですけど。
この場から逃げたいんですけど。
……でも、逃げたら、皐月に負けてるような気持ちになるから、この場にはいなきゃ。
あたしは、立っているのがやっとなくらいだった。平然を装うのがやっとだ……。
泣きそう―――。
2005-06-16 05:51:00 -
97:
「あたし、兄貴の彼女なんだけど??兄貴に触んなクソ女!!」
……めっちゃ言いたい……
自分が彼女だって言えないことが、こんな辛いなんて……。
あたしは、ふと、キャバクラで店内恋愛をしている友達の話を思い出した。
【うちの店、店内恋愛禁止だから、自分の彼氏に店の女が寄って来ても、何も言えないんだよね。腹立つよ〜!!マジで!!】
ああ……なんか今、気持ちが凄いわかった……。
……くそー…。兄貴のアホーッ……。2005-06-16 05:52:00 -
98:
『先輩?』
あたしの様子が変だと思ったのか、秋吉があたしに話しかけた。
『どーしたんッスか?急に大人しくなって』
『…別に……』
あたしは、力の無い声で答えた。
『え―――?君、徹夜の弟クン??』
皐月が、あたしと秋吉の方を見て話し掛けてきた。
《……話しかけてこないでよッ 》
あたしは無愛想にソッポを向いた。2005-06-16 05:53:00 -
99:
―――自分が卑屈になってるのは解ってる。けど、皐月に対しての苛立ちはピークに達している。
あたしも、確かに女受けが良い方じゃない(レズには受けたけど)。
―――けど、皐月みたいなここまで受け付けない女は初めてだ!!
別れたにしろ、こんな女と、兄貴が付き合ってたなんて、吐きそうになる!!
……つーか野郎ども!全員、この女がブリッコだって気付かないのかよ?!
……特に兄貴!!大人しく皐月に触られてるんじゃない!!さっきあたしに謝ったばっかだろ?!!
《あ゙〜〜〜〜〜!!》
なんか頭がグチャグチャになってきた………!!2005-06-16 05:55:00 -
100:
『秋吉!!』
あたしは、咄嗟に秋吉の名を呼んだ。
『はい?』
『タコ焼き買いに行くわよ!!』
『え?!先輩?!』
あたしは秋吉の腕を掴んで、そのままその場を離れた。あたしの強行に、てっちゃんと皐月はポカンとしていた。
―――兄貴は…
《知らない!!!兄貴なんか!!》2005-06-16 05:56:00