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お兄ちゃんが好き。 part ?
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1:
お兄ちゃんが好き。part ?
http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/1-52005-06-13 03:45:00 -
452:
兄貴の声は、いつもより弱々しい気がした。
【もう部屋か?】
『うん。そーだけど…』
【…俺の部屋が気まずいなら、今から俺は外に出る。だからお前も…】
『兄貴…ッ!!』
あたしは兄貴の言葉を遮った。
『もう、話す事は無いって言ったじゃん…ッ!』
あたしの目から、涙が流れた。
【じゃあ、何で泣いてるんだ?!俺は…お前がわからない。どうして、急に…】2005-06-19 03:30:00 -
453:
『あ…秋吉の事が好きになったからだよ!』
【それは嘘だ。お前は…俺の事が好きだった。俺も…。その気持ちが簡単に変わるハズないだろ?!】
ズキン…ズキン…ズキン…ズキン…
兄貴の言葉が耳に入る度、胸が張り裂けそうに痛い。2005-06-19 03:32:00 -
454:
『変わったの…!もうあたしは、兄貴の妹に戻りたいの!!…だから…これからは…兄妹として…この家で暮らそう?!』
【…同じ家にいるのに…随分、典子が遠くに感じるな……】
ハァ……
兄貴の悲痛な溜め息が電話越しに響く。
『…ごめんなさいッ……』
…プツ―――
あたしは静かに、電話を切った。2005-06-19 03:34:00 -
455:
ブブブ…ブブブ…
『……!!』
メール受信:秋吉
【先輩、大丈夫っすか?正直同じ家に住んでるお兄さんにヤキモチ妬いてます??ガラにもなく不安でしょーがないッス?明日俺ん家きて下さいよ?】
《…秋吉……》
……いつも不安な時、秋吉がいてくれた。
だから……きっとあたしは秋吉を凄く好きになって、兄貴の妹に戻れる。兄貴にも…新しい彼女ができて…あたしのお兄ちゃんに、戻る……。2005-06-19 03:36:00 -
456:
―――どんなに兄貴に引き止められても。
今のあたしに、兄貴の気持ちを受け入れる余裕はなかった。
それから3日―――。
あたしは兄貴からの電話も取らず、メールも…
…返信しなかった。
家で兄貴に会うのが気まずくて、あたしは秋吉の家に3日とも入り浸ってしまっていた―――。
2005-06-19 03:38:00 -
458:
『へぇ〜先輩、美大受けるんだぁ。』
秋吉がベッドに寝転びながら、机の上に置かれた大学のパンフレットを眺めながら言った。
あたしはと言うと、家に居させて貰ってるお礼(?)に秋吉の家のキッチンで手料理を作っていた。
『うん。あたしが放課後美術室でデッサンの練習してるの知ってたでしょ?』2005-06-19 03:40:00 -
459:
『………?』
秋吉がやたら、あたしを見てニヤニヤしている。
『な…何?』
『いやぁ〜先輩のエプロン姿せくすぃ〜だなぁと思って♪あ、裸エプロンとかもいぃなぁ〜料理してる最中、後ろからガバーッと襲ったりして♪』
『……………アホ?オヤジか?お前は?包丁で刺すわよ間違いなく』
『しかも、その髪を一つに束ねてるのが何かエロイッスもん!うなじフェチッスから俺』
……………知るかそんな事!!
―――そういえば。あたしが秋吉の家に来るのはこれで4日目。
秋吉は、この4日、あたしにキス以上の事はしてこない。2005-06-19 03:43:00 -
460:
『……………。』
あたしは、コンロの火を止めて、ベッドの上でコーヒーをすする秋吉の前に座った。
『……?どーしたんッスか?先輩?』
『…あんたさぁ。』
『はい?』
『あたしとエッチしたいとか思わないわけ?』
ブッ―――
あたしの言葉に秋吉がコーヒーを噴いた。
2005-06-19 03:43:00 -
461:
『―――は?!』
秋吉はあたしの顔を見てキョトンとしている。
『…いや。普通は…手ェ出してくるのになぁ〜って』
これでも、あたしは真面目に聞いてるつもりなんだけど。
『……え゙。何かして欲しいんッスか…?』
『そーじゃなくて!!』
『…いや…俺は……』
何か言いたげに、秋吉がグシャグシャと頭を掻き出した。
『…俺は?』2005-06-19 03:45:00 -
462:
『…そりゃ…先輩とヤりたいッスよ。この4日俺、めちゃくちゃ我慢してるし』
言いにくそうに秋吉はあたしから目をそらす。
『けど…先輩、まだ完璧にお兄さんの事、吹っ切れてないっしょ?』
……………え?
『俺、先輩が吹っ切れるまで待つし…。我慢しますよ♪』
そう言って、秋吉はあたしにゆっくりキスをした。
《………秋吉…………》
……………ん?2005-06-19 03:47:00 -
463:
『…ッて言ってるそばから勃ってるぢゃん!?』
『あ゙?!イヤ、これは生理現象ッスよ!!』
……アホ。
ぎゅぅ―――
あたしは、秋吉を抱きしめていた。
『先輩……?』
『いいよ。あたし…あんただったら……』
『え…』
ドクン ドクン ドクン
―――秋吉の心臓が、段々早くなるのがわかった。2005-06-19 03:48:00 -
464:
『…そんな風に言われたら…知らないッスよ?』
秋吉の声が、低くなった―――…瞬間―――。
『……ッ』
秋吉の舌が、あたしの首筋を這った―――。2005-06-19 03:50:00 -
465:
そのままあたしの唇を奪い、秋吉の手があたしの胸を掴んだ。
『………ッあ…』
秋吉の荒くなった息が、あたしの睫毛をかすった―――。
《年下とあんまりヤッたことないけど…》
荒々しい愛撫が、逆に愛おしく思えた。
『先輩…ッ』
『典子って言ってよ…』
あたしのその言葉に、より興奮したのか、秋吉はあたしの服を、無理矢理にぬがそうとする……―――。
2005-06-19 03:51:00 -
466:
フワ・・・
『―――――……!!』
瞬間、あたしの胸に戸惑いが走った―――。
《…この、香り……》
秋吉の服から、微かに……兄貴と同じ、香水の匂いがした―――。
ドクン ドクン ドクン
―――あ……………2005-06-19 03:54:00 -
467:
………兄貴………
―――どうしてだろう。
あたしは、秋吉の腕の中にいながら……兄貴に初めて、抱かれた時の事を思い出していた…。
秋吉の舌が、剥き出しになったあたしの胸へ伝おうとした。
『あ…ちょっと待……ッ』
2005-06-19 03:56:00 -
468:
ドンドンドンドン
―――――ビクッ
……扉を叩く音に、あたしと秋吉の動きは止まった。
『あーけーて!携碁!あ・た・し!開けて!』
……女の声??!
『あいつ…ッ』
その声の主が誰か解ったのか、秋吉が舌打ちをして、あたしから離れ、ベッドを立ち上がった。
2005-06-19 03:57:00 -
469:
『先輩…すんません』
秋吉がハァァと溜め息をつき、あたしに謝った。
『元カノッス…』
『……は?!』
『別れてから、あいつの電話ブチってたんッスよね…』
―――で、家まで押しかけて来たわけ?!
ドンドンドンドン
『携碁――――!!開けろ――!!』
……し、しつこい。2005-06-19 03:59:00 -
470:
『あ…開けてあげたら?』
あたしは急いで服を着た。
『え…でも…。いーんッスか?』
コクコク・・・
あたしは首を縦に振った。
ガチャ―――
『携碁!!何でスグ開けてくれないのよ?!』
扉が開いたのと同時に、やたらイキのいい女が部屋に乱入してきた。
『あ……』
あたしの姿を見るなり、元カノの表情が止まった。2005-06-19 04:00:00 -
471:
『あ…やだ。彼女来てたんだ?!ごめんなさいッ』
―――……あら?
てっきり、修羅場を迎えると思ったあたしは、元カノの意外なセリフに拍子抜けした。
『…何の用だよ?』
秋吉が呆れかえった様子で元カノを見ている。
『あ、いゃぁ〜はは。携碁に部屋の合い鍵返そうと思って…いゃあ、お邪魔しました…』
それだけ言葉を残すと、机の上に鍵を起き、元カノはさっさと部屋を出て行ってしまった…………。
2005-06-19 04:01:00 -
472:
シ―――――ン
……嵐が去ったかのような静けさが、部屋に残った。
『…な…なんか、おもしろい元カノだね…』
『…何か…すみません。もう二度と来ないよーにクギさしときますから!!』
秋吉が申し訳なさそうに、あたしを見つめる。
『いや、いーよ。気にしてないから!』
………本当は…
元カノ来てくれて………良かったかも……。2005-06-19 04:03:00 -
473:
―――そう、思ってるあたしがいた。
『……じゃあさっきの続きを…』
そう言ってあたしの肩を掴もうとした秋吉をかわし、
『ごめん!今日は帰るわ!!また明日!!』
『え゙?!』
……唖然とする秋吉を残して、あたしはすぐさま部屋を出た。
2005-06-19 04:05:00 -
474:
―――ドクン ドクン
どうして……ッ?!
兄貴の香りがした瞬間……秋吉に抱かれる事が、恐くなった……!!
わからないわからない
わからない!!!
自分の気持ちが、わからない!!!
ブブブ…ブブブ…
『………あ……』
【着信:★兄貴★】2005-06-19 04:07:00 -
475:
………兄貴………
『も…もしもし…?』
【典子?】
久し振りに…兄貴の声を聞いた気がした。
【今から、会ってくれないか?いつもお前が座ってる公園で待ってる】
『え…兄貴、ちょ…ッ』
ブチ―――……ツー ツー ツー……。
―――なぜだろう。
あれだけ兄貴を拒否しといて……あたしは兄貴に言われた通り、公園に足を向けていた―――。2005-06-19 04:10:00 -
476:
この公園―――
あたしがカズキにレイプされた時……ここに兄貴があたしを迎えに来てくれて……その後、二人で初めてホテルに泊まったんだっけ。
『兄貴……』
ベンチに座り、タバコの煙を吐く、兄貴の姿が見えた。
ドクン…ドクン…ドクン…
―――どうしてこの時、兄貴の姿を見た瞬間、涙が出そうになったんだろう―――?
2005-06-19 04:11:00 -
477:
『来てくれたんだな…』
そうあたしに言った時の兄貴の瞳は、凄く…優しく見えた気がした。
『…な…何?話って…』
『隣座れよ』
―――あたしは、兄貴から一人分の隙間を作り、ベンチに座った。
シ……………ン
どちらも話題を出さず、ハトの鳴き声と飛び立つ音だけが、聞こえる……。
2005-06-19 04:13:00 -
478:
『お前、家帰ってこいよ』
『…………!』
不意に兄貴が言葉を漏らした。
『徹夜の弟ん家、居るんだろ…?』
……………コクン
あたしが小さく頷くと……兄貴は無言で立ち上がり、あたしにゆっくり、振り向いた。
2005-06-19 04:15:00 -
479:
『俺、家出るから』
―――――え?
―――ドクン―――
……兄貴…今、何て?
『名古屋の大学に、編入する事にした』
………な…ご…や…?2005-06-19 04:17:00 -
480:
ドクンドクンドクンドクン
《……な…に……?何言ってんの………?》
………兄貴?!………
息が詰まる気がした。
『あ…あたしが…家に…帰らないから……?だから……?!』
『違うよ。前からあっちの大学に編入希望はしてたんだ。…で。推薦が受かったから』
……は?何それ……?!2005-06-19 04:19:00 -
481:
『な…何それ…?!じゃあ兄貴…前に大学辞めてあたしと…一緒に暮らそうとか言ってたの…嘘なんじゃん?!』
―――なんて、自分勝手な事言ってるんだろう、あたし…断ったのはあたしなのに……!!
―――けど…ッ
《―――兄貴が、いなくなる》
その事実に、あたしは焦りを感じるしかなかった―――。
『…あの時、お前に言った事は、本当だ。俺は大学辞めて…お前の為に生きていきたいって思った。…けど……』
兄貴のあたしを見つめる瞳が、揺れている。
『俺はお前の側にいちゃいけない事に、やっと気付いた…』
―――――?!2005-06-19 04:21:00 -
482:
『どーゆー…意味?』
『……皐月から、聞いたよ。全部』
――ドクン――
………え……………?!……………聞いた?……
『皐月が大学を辞めた日に、お前の態度が変わった。…皐月絡みだとは思ってたけど…まさか…お前がそんな……』
ドクンドクンドクンドクン
………兄貴に……皐月にした事がバレた?!2005-06-19 04:24:00 -
483:
『悪かった』
兄貴の両手が、あたしの両肩に触れた――――
『お前に、つらい思いばかりさせたな……』
『―――――!!』
《違う―――!!》
違うよ…兄貴…謝るのは…あたしの方だ―――。
2005-06-19 04:27:00 -
484:
『兄貴は何も…悪くない……だって……あたしは…兄貴を守る為に……他の男と……ッ!!』
その瞬間―――。
あたしの体は、兄貴の腕に引き寄せられていた―――
『ごめんな、典子ッ――!』
―――…兄貴の悲痛な叫びが、あたしの耳を貫いた…―――
2005-06-19 04:29:00 -
485:
―――…兄貴は、あたしの全てを、悟っていたんだろうか…―――
ボロ・・・
あたしの瞳から、熱い雫が頬を伝った。
『お前は、普通の男と、普通に恋愛して…結婚して、幸せになる。血の繋がった兄の俺が、お前を想いながらいつまでも側にいる事は…もうできない』
『あ…にき…』
《…言葉が、出ない……》
兄貴の言葉が、あたしの息を止める。2005-06-19 04:30:00 -
486:
『愛してる典子。たとえ血が繋がっていても、俺は……後にも先にも、心から好きになった女は、お前だけだ―――』
いやだ…行かないで、兄貴………
あたしから……離れていかないで
………イヤ………
…この時のあたしに、その言葉を吐く資格が
あっただろうか―――?
2005-06-19 04:33:00 -
488:
意地も何もかも全部捨てて、『行かないで』
そう、兄貴に泣き付けなかったのは……
兄貴に愛されたって言う、あたしのプライドだったのかもしれない―――
あたしは、自分から
愛しい人を
遠ざけてしまった
2005-06-19 04:36:00 -
491:
パンパーン!!
『きゃあッ』
秋吉が、あたし目掛けてクラッカーを飛ばした。
『あ〜!!何よあっき〜!!典子だけ?!』
『あ、由美先輩、向こうにラグビー部の先輩方が集まってたッスよッ!元カレにでも会ってきたらどーッスか??』
『え?!マジ?!』
秋吉に言われるがまま、由美は中庭の方へ走っていってしまった。
2005-06-19 04:40:00 -
492:
卒業式が終わり、3年の生徒達ほとんどが、涙ながらに、友達と校舎をバックに記念撮影を楽しんでいる。
後輩との別れに涙ぐむ生徒。
クラスの仲間や、恩師との別れを惜しむ生徒―――。
―――そして、あたしは……。
『あ〜あぁ〜。典子先輩がいない学校なんてマジつまんねー…』
秋吉が気力無さげに、あたしの横に座り込む。
『……別に…今生の別れでもあるまいし』2005-06-19 04:42:00 -
493:
あたしは卒業証書で、ポコッと秋吉の頭を叩いた。
『だって!先輩、専門学校行っちゃったら、他に男作っちまうかもしんねーじゃん!!』
『ん〜そーだなぁ。あんたよりイイ男は、わんさかいるだろーし』
『あ゙!ひで!!ってか先輩、今日何人の男に告白されたんッスか?!』
秋吉がふくれっ面であたしを睨んできた。
『……つーか…告ってきた男全員、あんたがことごとく追い払ったんでしょーが!!』
『あ、そーでしたっけ?』
『そーゆーあんたも…3年の女にやたら、一緒に写真撮ってくれって追っ掛けられてたじゃん。で、あたしんトコ逃げて来たんでしょ?』
『あーそーでしたっけ??』2005-06-19 04:45:00 -
494:
『後悔してます?俺を、フッた事』
…不意に、秋吉が言葉を放った。
『……………。』
あたしは、小さく微笑んだ。
『…ってゆーか、俺、全っぜん諦めてないッスからね!』
『はいはい…』
2005-06-19 04:48:00 -
495:
あれから、半年。
あたしは、必死になって、デッサンを描き続けた。
……第一志望の美大に落ちたあたしは、専門学校に通いながら一年、その大学へ編入するための勉強をする事にした。2005-06-19 04:49:00 -
497:
そしてあたしは、着いた駅名を見上げた。
【 名古屋 】
住所が走り書きされた、小さな紙切れを握りしめ、あたしは……あの時止まった時間を、取り戻しにいく……。2005-06-19 04:51:00