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お兄ちゃんが好き。 part ?
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1:
お兄ちゃんが好き。part ?
http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/1-52005-06-13 03:45:00 -
151:
ブブブ…ブブ…
再び兄貴から。
ブチッ
また保留。
ブブブ…ブブ…
また…兄貴から。
今まで、色んな男にしつこく着信されて、ウザいとしか思えなかったけど…兄貴からは、嬉しい。
2005-06-16 06:52:00 -
153:
シ―――ン…
…あれ?
兄貴から、かかって来なくなった。
―――ヤバイ…調子に乗りすぎた―――
あたしは、慌てて兄貴に電話した。
……カッコ悪い…あたし…
『も…もしもし…』
【はい】
兄貴の声はかなりそっけない。2005-06-16 06:54:00 -
154:
【おまえ、何で電話とらないんだ?】
『ご…ごめ…』
兄貴の声を聞いて、あたしは泣いてしまった。
『う…っひっくッ……』
あたしの泣き声をしばらく黙って聞いていた兄貴は、
【……何があったか言えよ。おまえのその態度、尋常じゃないもんな…】
…そう、優しい声で言った。
2005-06-16 06:55:00 -
155:
『あ…あたし…』
そう、言いかけた時、
【ちょっと待て。会ってから聞く。今、大学出たところだから。お前、今どこだ?】
…その兄貴の言葉に驚いた。
『え――?兄貴、今から皆でご飯食べに行くって…』
【ああ。断った】
―――ええ?!
【今からお前んとこまで行くから場所言え】2005-06-16 06:56:00 -
156:
……こ…断った…??
あ…あたしに会いに来てくれるために?!
『い…今、〇〇駅前のケンタッキーの…2階にいる…』
【わかった。あと10分くらいで行くから、そこ動くなよ?】
―――そう言って、兄貴の電話は切れた。2005-06-16 06:57:00 -
157:
ドキン ドキン ドキン
携帯をジッ―と見つめながら、あたしの胸はただ緊張していた。
《あ…兄貴が、今からココに来る……!》
ドキン ドキン ドキン
―――やだ…めちゃくちゃ緊張してきた……ッ
《だって…あたしの為に、会いに来てくれるんだよ???》
この時、自分が本当に兄貴と付き合っている事を今更ながら、実感した。2005-06-16 06:58:00 -
158:
……こ…恋人同士なんだ、あたしたち……ッ
今まで、恋愛らしい恋愛をしたことがないあたしは、男とケンカしたことも無かった。
《ケンカして、彼氏が迎えに来てくれる―――》
そんなシチュエーションを、兄貴相手に夢見たこともあった。
《それが…今、現実に…》
―――この時、あたしの中で、皐月の話はどこかへ飛んでいっていた。
《やっぱり、兄貴を信じたい》
そう思う、単純なあたしがいた。2005-06-16 06:59:00 -
159:
あれやこれや考えている内に、窓の外を見ると―――
《―――あ…!兄貴……!》
こっちに向かってくる、兄貴の姿が見えた。
―――はっ!!泣いて化粧ボロボロかも……!!
あたしは慌ててバッグからポーチを取り出し、軽くファンデを塗り直したりして、化粧直しをした。
カンカンカン――
階段をのぼって来る音がする。2005-06-16 07:01:00 -
160:
『典子!』
2階に来た兄貴が、あたしの姿を見つけ、あたしの名前を呼んだ。
『………。』
《ほ…本当に、兄貴、来た………》
あたしは緊張で、喋れず、うつむいてしまった。
『何だ?まだ怒ってるのか?』
兄貴は、あたしの方を向いたまま、隣の席に座った。
《ち、違う…妙に緊張して話せないだけ……》2005-06-16 07:02:00 -
161:
ドキン…ドキン…ドキン…
兄貴を近くに感じて、余計ドキドキしてきた。
あ〜ッなんなのよ、コレ?
『…で?お前がそんな風になったワケは何だ?話せよ』
カチッ
兄貴は、タバコに火をつけた。
『そ…れは……』
『何?』
……皐月さんの話、兄貴から真実を確かめたい。2005-06-16 07:03:00 -
162:
『…あたし、さっき、皐月さんと話してたの』
ドキン ドキン
『それでね、皐月さんが……彼氏と別れて、兄貴と付き合おうと思ってるって……言ってた』
ドキン ドキン
『…皐月が?そー言ったのか?』
コクン――
兄貴の問いに、あたしは小さく頷いた。
『……それで?』
フゥ―――
兄貴が煙りを吐く。2005-06-16 07:04:00 -
163:
『あ…兄貴に、何回もヨリ戻そうって言われたって!』
『それで?』
『彼女いるけど、皐月がヨリ戻してくれるなら、彼女と別れるって…!兄貴がそー言ってきたって!!』
『…それで?』
……………………。
『ほ…本当なの…それ…?』
…………………………。
しばし、沈黙が流れた。兄貴は、あたしをジーッと見つめている。
『……で?』
兄貴が灰皿にタバコの灰を落とし、言った。2005-06-16 07:05:00 -
164:
『お前は、皐月の言葉を信じたワケだな』
ズキィ―――ッ……
兄貴の言葉に、あたしの胸が痛んだ。
『……ッ!!そ…それは…ッ』
『俺の事を、信じようとする気持ちは無かったワケだ』
兄貴の顔が、怒っている。2005-06-16 07:05:00 -
165:
『あったよ!!兄貴を信じてたよ…ッけど……ッ何か…あたし…ショックで…冷静に何も考えれなくて……ッ』
じわっ…
あたしの目頭が熱くなる。
『あ・兄貴を…皐月さんに取られちゃうかもって…思ったら…ッあたし…ッ 不安で…不安で…ッ………ッツ』
最後の方は、殆ど声にならなかった。あたしは、その場で泣き崩れた。
『………。』
兄貴は何も言わない。
ポンポン―――
兄貴の手が、あたしの頭を撫でた。2005-06-16 07:06:00 -
166:
『……前から思ってたけど…』
兄貴が思い出したかのように呟いた。
『お前、気丈そうで、脆いよな。よく泣くし…』
――――――――!!
『き、嫌いになった?!』
あたしは、慌てて兄貴に聞き返した。
―――やだッ……もしかして…兄貴は気が強そうだからあたしの事、好きになったの??!
今になって、幻滅したとか……?!!2005-06-16 07:08:00 -
167:
あたしの必死な形相に、兄貴は、クックックッ…と、笑いだした。
『いや…見た目とギャップありすぎて、おもしろいけど?』
………は?おもしろい?
『どーゆー意味よそれ?!』
『可愛いって事だよ』
―――そう言って、兄貴は、席を立ち上がった。
ドキン…
え? 今、か…可愛いって言わなかった??
え? え? ぅえ?2005-06-16 07:09:00 -
168:
『出るか』
兄貴は、あたしが飲んでいたコーヒーと、トレーを片付けて、階段を下りてゆく。
………あ…兄貴に、可愛いってゆわれた…………(良い意味かわかんないけど)
あたしは、何だか妙に嬉しくて、半スキップで階段を降りた。2005-06-16 07:10:00 -
170:
名無しさん
今日はここで終わりですね
2005-06-16 07:11:00 -
171:
ケンタッキーを出た後、あたしと兄貴は駅に向かっていた。
『はやくしないと終電きちゃう!!』
早足で歩きながら、あたしは兄貴の腕を引っ張った。
『あんま急ぐとコケるぞ!お前どんくさいから』
兄貴が改札口の横にある切符売り場で止まった。2005-06-16 07:13:00 -
172:
『11:58分、終電の電車が到着します――』
改札口の前で、車掌さんが、叫んでいる。
『兄貴!はやく!』
あたしと兄貴は、切符を改札に差し込み、ホームへの階段をかけあがった。2005-06-16 07:14:00 -
174:
シュー…
電車の扉が開く音がする。
『きゃー!間に合うかな?!』
―――兄貴、早く!!
そう言おうと振り向いた瞬間―――
【 グイッ 】
あたしの腕が、引っ張られた。
…………え?!
2005-06-16 07:15:00 -
175:
兄貴の手が、あたしの動きを止めた。
『え?兄貴……?』
ガタン…ガタン…ガタン…
電車は行ってしまった。
グイッ―――
兄貴は、そのままあたしの腕を掴んだまま、無言で階段を降りてゆく。
『え?ちょっと…兄貴……?!』
兄貴に引っ張られるまま、あたしも階段を下りる。2005-06-16 07:16:00 -
176:
そのまま、あたしと兄貴はさっき入ったばかりの駅を出た(駅員さんに変な顔された)。
『ちょっと…兄貴??走ってたら、間に合ったよ??』
あたしは、歩きながら、兄貴の顔を覗いた。
―――兄貴は、何も言わない。
『終電無くなったし…どうやって、帰るの?!……あ。もしかして!皆の所、行くんだ??』2005-06-16 07:17:00 -
177:
『…お前、皆の所、行きたいのか?』
兄貴が、あたしに目をやった。
『……?え…別に、行きたくないけど…。え?違うの?じゃあ、どこ行くの?』
『内緒』
兄貴は、ニッコリあたしに微笑んだ。
…………?????
その時、兄貴がタクシーを停めた。
タクシーの扉が開き、兄貴が乗り込む。
『え?!何でタクシー?』
『早く乗れ』2005-06-16 07:18:00 -
178:
あたしは、訳がわからないまま、兄貴と一緒にタクシーに乗り込んだ。
『兄貴?どこ行くの?マジで!』
『いや、飲みにでも行こうかって思って。お前元気無いしな』
『…え!』
……そのまま、あたしと兄貴はタクシーを降りた。降りた場所は、一度も来た事がない場所だった。
『この辺に結構いいバーがあるから、一回お前を連れて来ようと思ってたんだ。』
『へ…へぇ』
ドキン…ドキン…
な、なんか、嬉しい…嬉しすぎる…2005-06-16 07:20:00 -
179:
手を繋いだまま、普段は来る事の無い街を通りぬける二人…。
《あたし達、恋人同士って感じじゃん……ッ》
そう思うと、めちゃくちゃ嬉しくて、ドキドキして……兄貴が好きで。
あたしは、スッと兄貴の横顔を見上げた。
《この人が、ホントにホントにあたしの彼氏なんだ。いっぱい、いっぱい女の子はいるのに、妹の…あたしを選んでくれた》
なんか、嬉しくて胸がしめつけらて、幸せで…涙がでそうになった。2005-06-16 07:22:00 -
181:
急にあたしの動きが止まったので、兄貴も足を止めて、あたしの方を振り向いた。
『あ…あのさ…兄貴…』
あたしは、小声で呟く。
『どうした?』
兄貴が不思議そうに、あたしに問いかけた。2005-06-16 07:24:00 -
182:
ドキン…ドキン…ドキン…ドキン…
『べ…別に、さぁ…バーで、お酒飲まなくても…いーんじゃない…?』
『はぁ?』
兄貴は、あたしの言葉が理解できない顔をしている。
『だ…だから……』
スゥ―――
あたしは息を吸って言った。2005-06-16 07:25:00 -
183:
『ホ…ホテル…とかでも、お酒飲めるじゃん…?コンビニで、お酒買って…………』
そう言った瞬間、あまりの恥ずかしさに、あたしは兄貴の顔が見れず、うつむいてしまった。2005-06-16 07:26:00 -
184:
『いや、今更、冗談はないだろ』
……………え゙?
兄貴がニッコリ微笑んだ。
『前言撤回は無しだからな』
そう言って、兄貴はあたしに再び手を差し出した。
…え……
…………………え?!!2005-06-16 07:29:00 -
185:
ウィーン―――
自動ドアの開く音が響いた。
入るとすぐに、色んな部屋の写真が見える。
ドキン ドキン ドキン
き…来て………しまった…
……………ラブホテル………2005-06-16 07:31:00 -
186:
『どの部屋か決めろよ』
兄貴が写真を見ながら、あたしに言った。
『ど……ッどれにしよぅかなぁ??!』
―――あたしの声は半ば裏返っていた。
ピンク一色の部屋やら、前面鏡バリの部屋……え…SMちっくな道具がある部屋……。
そんな部屋の写真ばかりあたしの目に飛びこんで来る。2005-06-16 07:33:00 -
187:
―――もちろん。
あたしがラブホに来るのは、初めてな訳がない。むしろ何十回と来ている。
他の男と来た時なんて、部屋は写真も見ずに
「テキトーに選んどいてよ」
………と、男に決めさせていた………。2005-06-16 07:34:00 -
188:
――――――が。
今のあたしの心境……。もう尋常なモノじゃない。
ドキン ドキン ドキン ドキン ドキン ドキン
《だめだ……緊張しすぎて 卒倒…しそう……》
あ…兄貴と、ラブホに来てるなんて、昨日まで…いや、つい数十分前のあたしに想像出来たか?!!2005-06-16 07:35:00 -
189:
他の男と来てた時は、感じた事なかったけど…。
ラブホって……………なんか妙に、エッチな雰囲気かもしだしてるよな………ッ。よく考えたら、エッチする為だけの場所なのよね…ラブホって……。
《……って事は……あたしと兄貴は、今から………》
きゃあああぁぁあ!!
あたしは、心の中で激しく叫んだ。2005-06-16 07:37:00 -
190:
『おい、どれにするんだ?』
あたしがあまりにモジモジしていたので、兄貴があたしをせかす言葉をはいた。
『あ…え、えーと!!ココにしよっと!!』
ポチッ
あたしは、焦ってあまり写真を見ずに、315号室の部屋のボタンを押してしまった。2005-06-16 07:38:00 -
191:
あたしと兄貴はエレベーターに乗り込んだ。
…………………………。
エレベーターの中で、あたしは息ができないほどの緊張を味わった。
『……おとなしいな』
兄貴が一言も喋らないあたしを見て、クスッと笑う。
ドクン… ドクン…
……やばい。兄貴をまともに見れない……。2005-06-16 07:40:00 -
192:
ガチャ―――
部屋の扉を開くと、ラブホテル独特の空気があたしを包んだ。
『うわっ目茶苦茶、部屋キレイじゃん!』
あたしはワザと緊張を誤魔化そうと、大声を出した。
『てゆーか…』
上着をソファーにかけながら、兄貴が呆れた声を出した。
『お前のシュミ、凄いよな』
『は?』
兄貴は、タバコに火をつけながら、部屋の中央にあるベッドの真上を見上げた。2005-06-16 07:41:00 -
193:
『え?何?』
あたしも兄貴と同じくベッドの上を見た。
―――――げ!!!
…ベ…ベッドの真上の天井だけ、鏡になってんじゃん!!?2005-06-16 07:42:00 -
194:
……………!!
《は…初めてで、こんな部屋選ぶなよあたし……!!》
カァァァッ―――
一気に恥ずかしくなった。
『お前、妙に緊張してるよな。この前のカプセルホテルん時はイケイケだったくせに』
兄貴はあたしの様子を見てニヤニヤしている。
『だ…だって!この前ん時と今回とじゃ、状況が違うじゃん!』
…この前ん時は……ッ…あたしと兄貴は…まだ、ただの兄妹で……でも…
『今は…、男と、女として来てるでしょ…?!』2005-06-16 07:45:00 -
195:
…うぅ。
あたしはまた何て恥ずかしい事を……。
『そうだな』
フゥ…
タバコの煙りを吐きながら、兄貴は言った。
…そんな兄貴が、めちゃくちゃカッコよく見えて…
ドキン ドキン ドキン
《やばいよ…あたし、兄貴とまともに話せないし、兄貴をまともに見れないし、……どうしよう……》2005-06-16 07:46:00 -
196:
ハッ―――
…そ・そうだ!!
『兄貴!お酒飲もーよ!』
あたしはさっきコンビニで買ったお酒を、袋から出した。
『…本当にこんなとこで飲むのか?』
兄貴が呆れてあたしからビールを受け取った。
……だって。お酒の力をかりないと、とてもじゃないけど緊張しすぎて普通じゃいれませんから!!2005-06-16 07:48:00 -
197:
…そしてあたしはあまりの緊張のあまり、アホな事を口に滑らせてしまった……。
『あれ〜兄貴、ラブホでお酒飲んだりしない人?!あたしは飲む人だよ??』
あたしは絶好調で兄貴に言い放った。
…すると、兄貴が急に不機嫌そうにあたしを見た。2005-06-16 07:49:00 -
198:
『……ふーん。他の男ともラブホ来て酒飲んだことあるんだな』
『………え゙』
あ゙。……しまった………。
『い…いや、兄貴ッ』
『そーゆー事は軽く口にすんなよ?あんまいー気しねーから』
………う………
『ご…ごめんなさい…』
あたしはシュンとして俯いた。2005-06-16 07:51:00 -
199:
『うそだよ。んな落ち込むなっての』
兄貴はあたしの口に、ポテトチップスを差し込んだ。
『お…怒ってない?!』
『怒ってないけど、いい気はしてない』
『怒ってるじゃん!』
あたしは、膨れっ面でポテチをポリッと噛んだ。
『わかった!!ヤキモチやいてるんだ、兄貴!』
あたしはニヤ〜ッとソファーに座る兄貴の顔を覗きこんだ。2005-06-16 07:52:00 -
200:
『ヤキモチとゆーか…普通に良い気しないだろ』
『いーや!ヤキモチだ!そっかぁ〜そんなに兄貴はあたしの事が好きかぁ〜』
…酒が入ったせいか、だんだん緊張が溶けてきて兄貴に普通に話せる。
『はいはい』
兄貴は再びタバコに火をつける。
『あ!あたしも吸う!ちょーだい!』
あたしは兄貴のタバコを奪い取った。
『お前!だから未成年が吸うな!』
フゥ…兄貴と間接キス…
そんな事を思いながらタバコを吸った。2005-06-16 07:53:00