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お兄ちゃんが好き。 part ?
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1:
お兄ちゃんが好き。part ?
http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/1-52005-06-13 03:45:00 -
301:
『俺、結構そーゆーの敏感なんッスよ。それに、先輩の様子ずっと見てたらわかります。…そりゃ、最初はまさかなぁ〜って思ったけど』
淡々と語る秋吉の言葉を、あたしはただ黙って聞いていた。
『今日、お兄さんと二人で来たの見て…なんか、雰囲気で確信しました。昨日、一緒にいたのも、お兄さんッスよね?』
『……………!!』
あたしは、声が出せなかった。
――――他人に、知られてしまった―――
2005-06-18 01:19:00 -
302:
あたしの悲壮感漂う顔を見て、アハハと秋吉は笑い出した。
『別に…その事をネタに脅して、付き合えとか言いませんって!』
………なんなのコイツ。
あたしの考え、全部見透かしてるみたいに……。
『俺、頑張りますから。先輩に好きになってもらえるよーに』2005-06-18 01:20:00 -
303:
『秋吉…』
秋吉は、真っ直ぐに、あたしを見つめている。
『先輩、いつも何か思いつめてる感じがしたのは……お兄さんと付き合ってたからなんッスね』
『………!!』
…何?その言い方!?
『あ、兄貴が悪いんじゃないよ!!そんな言い方しないで!!』
バシッ―――
あたしは肩にかかる秋吉の手を振り払った。2005-06-18 01:22:00 -
304:
『同じ事ッスよ!現に先輩今も泣いてたでしょ?!』
ビクッ―――
―――あたしの言葉が、詰まった。
『兄妹の恋愛に…偏見持つ気はないッスけど、お兄さんより、典子先輩を大切にする自信あります。泣かせたりしない!!』
……………!!!2005-06-18 01:23:00 -
305:
名無しさん
お願い?続きまだぁ?気になるょ?
2005-06-18 01:23:00 -
306:
『た…大切にされてるわよ!!何も知らないクセに兄貴の事、悪く言わないで!!!』
ドクンドクンドクン
ダメ…苦しい…胸が、苦しい………!!
『実の兄と付き合ったって…!親にも言えない、誰にも祝福されない、結婚なんか出来るわけないし、子供だって産めない。幸せになんてなれるハズないんッスよ?!!』2005-06-18 01:24:00 -
307:
バシ―――ッ
……あたしは、秋吉の頬をひっぱたいていた。
『………俺、よく叩かれますよね……。』
秋吉は、静かに呟いた。
ハァハァハァ・・・
あたしの目から、涙がこぼれた。
2005-06-18 01:26:00 -
308:
ギュ―――
『スミマセン…』
秋吉の腕が、あたしの体を抱いた。
………兄貴と、同じ香水の香り……。
『でも俺、先輩の泣いた顔、見たくないッスから。俺先輩の事、本気です。…なんつーか…先輩が近くにいると、安心する……』
―――――そう言って、秋吉はゆっくりとあたしに顔を近づけた。
2005-06-18 01:28:00 -
309:
……………なんでだろ。
あたしは、今度は抵抗しなかった。
秋吉の唇が、あたしの唇に触れる。
―――抵抗する、気力がなかったのかもしれない。
【兄妹が愛し合っても、幸せになんか、なれない】
秋吉の言葉が、ただ、あたしの頭の中でグルグルグルグル回っていた―――――。
2005-06-18 01:30:00 -
311:
『は?今から?!』
『映画でもカラオケでも、先輩の好きなトコ♪思い切り遊んだら、少しは嫌な気分が吹っ飛びますって!!』
………嫌な気分……か。
秋吉の強引さに負け、あたしと秋吉は二人で打ち上げを抜け出し、ゲーセンで思い切りはしゃいだ。2005-06-18 01:34:00 -
312:
『先輩!!次これやりましょー!バイオハザード!!』
『イヤよ!あたしゾンビとかミイラとかグロ系大っ嫌いなの!』
……なんか、子供みたいにはしゃいで、あたしを元気づけようとしてくれてる秋吉の姿見てたら……
……本当に嫌な事全部、忘れられる気がした。2005-06-18 01:35:00 -
313:
……でも。
こんなの、一時の気休めにしか…ならない……。
《兄貴 今頃どーしてるのかな……》
あたしはワザと、携帯の電源を切っていた。
…今は、何も…考えたくなかったから。
2005-06-18 01:36:00 -
314:
『先輩!すっげーの取れたんッスけど!』
ボーッとしていたあたしの目の前に、秋吉の身長の半分はありそうなカバの人形が飛びこんできた。
『すごいっしょ?!300円でゲッツしました!!』
『…つーかさぁ。フツー、プーさんとか取るでしょ?!何でカバなワケ?!』
『え゙?!折角取ったのに!!』
秋吉の悲惨そうな顔を見て、あたしは思わず笑ってしまった。
……秋吉と付き合ったらきっと、楽しい。
……言いたい事も言えて、堂々と出来て……………
―――――でも。2005-06-18 01:38:00 -
315:
あたしはやっぱり、兄貴が、好き―――。
『ごめん。秋吉…あたし、やっぱり帰るわ…』
『え―――?』
さっきまでハシャギまくっていた秋吉の表情が止まった。
『やっぱり、こんなことしてちゃ、ダメなんだよ』
あたしは、自分に言い聞かすように、秋吉に告げた。
『……お兄さんのこと、気になるんッスか?』
コクン・・・
あたしは小さく頷いた。2005-06-18 01:40:00 -
316:
『……そっか』
溜息まじりの秋吉の声…。
『わかりましたよ。俺も無理に先輩引き止めるつもりもないッスから』
…チクン…
秋吉の言葉が胸に刺さる。
『今日は、先輩に告れただけで俺満足だし。…それに、全く俺に見込み無いワケでも無いみたいだし?』
―――?
あたしには秋吉の言葉の意味がわからない。2005-06-18 01:42:00 -
317:
『さっきのキス。…先輩、抵抗しなかった』
―――――!!
『あ、あれは!!』
抵抗する気力が無かっただけで……!!
『俺、諦めないッスよ』
そう、あたしに告げた秋吉の瞳は、あまりにも真っ直ぐ、あたしを見ていた。
………ごめん…………秋吉……2005-06-18 01:45:00 -
318:
削除削除されますた
あぼ~ん -
320:
名無しさん
ぉつかれさまですッ?続き早くみたいデスッ楽しみにしてます?またお願いしまぁス?今日ゎ何時ぐらいまで続けれそうですかァ?
2005-06-18 02:10:00 -
322:
あたしが家に着いたのは、皆がもう家を出た10時過ぎだった。
カチャ―――
あたしは、家の扉を開け、玄関に入った………2005-06-18 02:24:00 -
323:
『――お帰り』
……………!!
『あ、兄貴…ッ』
玄関の入口に、待ち構えたように兄貴が立っていた。
『俺の部屋に来い』
―――兄貴の表情は、とっても冷ややかだった……。2005-06-18 02:25:00 -
324:
『おまえ、今までどこ行ってた?携帯の電源切りやがって』
兄貴の部屋に入るなり、ベッドに腰掛けた兄貴は、かなり不機嫌にあたしを睨んだ。
あたしは、机の椅子に座り、ただ無言で俯いていた。
『徹夜の弟もいなかった。……一緒にいたのか?』
『……………。』
コクン・・・―――
俯いたまま、頷いた。
『…どこ、行ってた…?』
兄貴の声が、低い―――。2005-06-18 02:27:00 -
325:
『打ち上げ抜け出して…秋吉とゲーセン行ってた。でもすぐ別れて、あたし一人で朝まで喫茶店に…』
あたしがそう言葉を吐いた瞬間―――
ガンッ―――
『――きゃ?!』
兄貴が、壁を思い切り蹴った―――
パラパラパラ…
壁から、粉が落ちる音がする。
2005-06-18 02:29:00 -
326:
『あ…兄貴…?』
ドクン…ドクン…
兄貴の突然の行動にあたしはビビりまくっていた。
ハァッ……
兄貴は大きな溜息を漏らし、再びベッドに腰掛けた。
『俺は…お前に自分の気持ちを告げてから…おかしい。自分で自分の感情が…押さえれなくなってる………今も、徹夜の弟とお前を、疑ってる』
ズキン……
秋吉とキスした事が、あたしの胸に罪悪感としてよぎった。2005-06-18 02:31:00 -
327:
《―――けど、兄貴だって、皐月と……》
『………ッ』
皐月の事を、問い詰めようとしたが、やめた。 ……何も知らない……見なかったフリをしてればいい。
…あたしは、兄貴が好きだから。兄貴を信じたいの……。
『兄貴……』
あたしは、ゆっくりと兄貴の方へ近づいた。そして……
ギュ………
あたしから、兄貴を抱きしめた。2005-06-18 02:33:00 -
328:
『……典子?』
《……兄貴の匂い…》
香水は同じでも、秋吉とは全然違う、……あたしだけが知ってる、安心する香り………。
『兄貴は、あたしの事が好きで好きで仕方ないんだね…』
『うるさい。ほっとけ』
兄貴の顔は見えないが、きっと照れてるに違いない。
2005-06-18 02:35:00 -
329:
『あたしは、信じてるよ。兄貴の事。だから…あたしの事も信じてほしい』
あたしは、穏やかな気持ちで兄貴に言った。
『…なんか、お前の方が大人だな……』
フゥ…と兄貴は溜息をついた。
『いーよ。子供な兄貴も大好きだから』
―――そのまま、兄貴はあたしをベッドに押し倒した。
『…誰もいないからって…家でヤるのはマズいんぢゃ…ッ』
あたしは兄貴の顔を見上げた。2005-06-18 02:36:00 -
330:
『………ッ』
あたしの言葉に答える事なく、あたしの唇はふさがれる。
《……皐月とヤったベッドじゃん……》
そう思ったけど―――
《いいや。このベッドで兄貴に抱かれる女は、あたしが最後なんだから…》
―――――兄貴が好き。この気持ちは絶対変わらない。
何があっても。
………何が……あっても……………。
2005-06-18 02:38:00 -
332:
『……で、この公式はXがYに…』
ふぁぁぁ・・・
……………だるい。学校の授業は本気でだるい。
結局、二日続けて学校を無断欠席してしまったあたしは、親にもセンセーにもこっぴどく叱られた。
昨日は兄貴も大学を休んで、エッチのあと、一緒に映画に行ったのだ♪
(あたしが無理矢理連れ出したんだけど)
2005-06-18 02:41:00 -
334:
?作成:兄貴
【いま、大学?】
―――送信。
……数分して、兄貴から返事が来た。
【うん】
……ってそれだけかよ?!
2005-06-18 02:43:00 -
335:
【返事少な〜?あたしは授業中?めちゃ暇??】
―――送信。
……そして受信。
【勉強しろ】
……兄貴……(泣)あたしは負けじとメールを送った。
【兄貴、あたしの事好き???】
【うん】
……ってゆーかワザとか兄貴?!
【うん だけ???他にもっとないの??】
―――送信。2005-06-18 02:45:00 -
336:
シーン…
……あれ?メールが来なくなった。……忙しいの?!もぅ!
あたしはすねて携帯をしまおうとすると―――
?受信:兄貴
【典子愛してる】
……………!!
《じぃ〜ん……》
めちゃくちゃ片言なメールだけど、あたしは、あまりにも感激してしまい、そのメールだけ保護設定してまった。2005-06-18 02:48:00 -
337:
名無しさん
∪オvノ
2005-06-18 02:49:00 -
338:
その瞬間―――
?受信:秋吉
【先輩、授業中??俺、今保健室でサボり中?先輩もくる〜?】
『……………。』
【行くかボケ】
―――送信。
するとすぐ受信。
【センパイひどい(;_;)俺はこんなにも典子を愛してるのに〜】
……………こいつ…。
兄貴とはえらい違いだなオイ。2005-06-18 02:49:00 -
340:
『あ、ごめん由美、先に帰ってて!あたしコレ出してくる!』
あたしは、片手に一枚の紙を持って、進路相談室に向かった。
『―――芸術大学?』
クラスの担任は、あたしが差し出した進路希望用紙を見て、キョトンとしてあたしを見た。
『はい。なんかあたしに向いてるかなぁ〜って!』
『へぇ…相沢、絵書くの好きだったんだな。意外だ…』
センセーは、まぁ、頑張りなさいとだけ言い、あたしの背中をポンと叩いた。
2005-06-18 02:51:00 -
341:
『あ、先輩!』
進路指導室から出た瞬間、秋吉が飛び付いてきた。
……ってゆーか、こいつどこにでも現れるよな?!
『もー!俺、保健室でずっと待ってたのに!』
『行くなんて言ってないし!』
『ねー先輩、今からデートしましょーよ、ディト!』
……ほんとこいつ、犬みたいな奴だよなぁ…なつっこいっつーか、なんつーか。なんか頭に耳まで見えてきた……。2005-06-18 02:53:00 -
342:
―――その時。
ブブブ…ブブブ…
『……?』
あたしの携帯に、知らない番号から着信―――。
『はい?』
【あ、もしもし?典子ちゃん?】
……………女の声?
【あたし。皐月だよ】
―――――?!
身の毛がよだった。2005-06-18 02:54:00 -
343:
『さ…皐月さん?!』
『……?』
あたしの声に秋吉がこっちを振り返る。
ドクン ドクン
な…なんで……?!
なんで皐月があたしの番号を……!?2005-06-18 02:56:00 -
344:
削除削除されますた
あぼ~ん -
345:
カラーン
『いらっしゃいませ』
皐月が指定した場所は、あたしの学校の近くにある小さな喫茶店だった。
一番奥の席に…足を組んで、タバコを吸う皐月が見える。
『皐月さん』
『あ!典子ちゃん!ごめんね。呼び出しちゃって!あ〜制服だ。いぃなぁ若くて!』
『何の用ですか?』
あたしは、皐月のトークを無視し、冷たく言い放った。2005-06-18 02:59:00 -
346:
『……あのさぁ』
アイスコーヒーのストローを指で回しながら、皐月はあたしをジッと見つめる。
『圭吾の事なんだけど。…圭吾ね、最近エッチしてくれないんだぁ……』
……は?
皐月の言葉に、あたしは声も出せない。
『圭吾から、あたしの事、何か聞いてない?』
2005-06-18 03:00:00 -
347:
……な…何ぬかしてんの?!この女!
『兄貴には彼女がいるからでしょう?!』
『ん〜今までは、そんなの関係なかったんだけどなぁ…。今回の彼女、そんないい女なの?』
『知りません!』
ムカムカムカムカ…
だめ…この女、本気むかつく……ッ
ギュ―――
あたしは膝の上で拳を強く握った。2005-06-18 03:01:00 -
348:
『やめて……ッ』
あたしは、皐月の言葉を遮った。
ク…クックックッ…
……………?
そんなあたしを見て、皐月が急に笑い出した。
2005-06-18 03:06:00 -
349:
『やっぱりね…』
……………?
皐月が、まるで勝者のような笑みであたしを見る。
『…圭吾の好きな女って、典子ちゃんだったんだぁ』
2005-06-18 03:07:00 -
350:
―――――え?!
ドクン―――
…………………………な…に…?
『あはは。ごめん。カマかけちゃった!』
皐月がクスクス笑いながら、加えたタバコに火をつける
『この前ね、打ち上げの時、あたし圭吾と二人きりになったでしょ?その時、圭吾寝ちゃったから起こそうとして、フェラしてあげてたの♪そしたらさぁ。圭吾の奴、"典子"って、名前、漏らしてさぁ〜』
2005-06-18 03:08:00 -
351:
ドクン…ドクン…
……兄貴が……?!
『びっくりしたよぉ。だって、あたしの知ってる「典子」は……圭吾の妹なんだもん』
フー…
皐月の吐く息があたしの顔を包む。
『まぁ、まさかなぁ〜って思って、勝手に圭吾の携帯見たのね。そしたら…メールの内容見てびっくりした。…やっぱり、兄妹でデキてたんだぁ。近親相姦ってやつ?!』
2005-06-18 03:11:00 -
352:
―――その時のあたしは…
皐月に真実がバレた喜びと不安の狭間で揺れていた―――
『前からやたら圭吾にくっついてるなぁて思ってたけど…まさか本当にデキてたなんて……』
皐月は見下した瞳で、あたしを見た。
『キモすぎ』
『……!!』2005-06-18 03:12:00 -
353:
……………ばらす…?
『皆びっくりするだろーね♪噂なんか、すーぐ学校中に広がるよ?しかもあなた受験でしょ?ヤバイね』
ガタッ―――
あたしは椅子から立ち上がった―――。
『あたしはいーわよ!!言い触らしたきゃ言い触らせば?!…けど…けど兄貴はやめて!!兄貴には何もしないで!!』
2005-06-18 03:16:00 -
354:
『きゃははッ!あたしはどーなってもいーからお兄ちゃんはキズつけないでって? ウケる〜ッ♪バッカじゃない?!妹が女ぶるなっての!!』
『………ッ』
『セックスはできても、血が濃すぎて子供は産めないよ??結婚もできないだろーね。女の幸せは手に入らないし……フツーの女なら与えれる幸せを妹じゃ圭吾に与えれないわよ!』
……やめて……ッ
あたしの脳裏に、秋吉が言った言葉が浮かぶ―――
【兄妹が愛し合っても、幸せにはなれない】
ドクン…ドクン…ドクン…2005-06-18 03:18:00 -
355:
『―――――――ッ』
バシャ―――
『きゃあッ?!』
……気が付くと、あたしは手元にあった水を、皐月にかけていた―――。
『――ッ何するのよ?!』
皐月は物凄い形相で、あたしを睨んだ。2005-06-18 03:19:00 -
356:
………ハァハァ……
あたしの動悸が激しくなる―――。
『…圭吾には言ってない。帰ってお兄ちゃんに泣きつきなさいよ。学校へ行くと地獄が待ってるって!二人で思い切りキズついたらいーわ!近親相姦野郎!!』
バンッ―――
皐月は1000円札二枚を机の上に置き、捨てゼリフを吐いて、そのまま喫茶店を去っていった。2005-06-18 03:21:00 -
358:
『…本当にバラすつもりなんだろーな…あの女……』
………どうして?
……………血が繋がってたら、愛しあっちゃダメなの……………?
好きなんだから、仕方ないじゃんか……………。2005-06-18 03:25:00 -
359:
皐月がバラしたら……あたしはきっと学校に居づらくなる。
ただでさえ、クラスの女からバッシングを受けている。
…ううん……ッ
そんな事、どうでもいい。
《―――兄貴だけは、傷ついて欲しくない……ッ》
自分でも、驚いている。
自分が傷ついても…って思った事は、生まれて初めての感情だった。2005-06-18 03:26:00 -
360:
―――兄貴への気持ちが…恋心から、愛情へ変わったんだと、あたしは思い込んでいた。
《兄貴は、あたしが…守らなきゃ》
プルルル…プルルル…
【もしもし】
『あ…勝也?』
【…典子?久しぶりじゃねー?!最近連絡くれねーからさぁ。どした?】
2005-06-18 03:28:00 -
361:
……勝也は、あたしが中学の時からツルんでた、族の頭。もちろんセックス関係アリの付き合いだった。
いい奴なんだけどすることがエグくて、しばらく縁切っていた。けど……………。
『悪い勝也。頼みがあるの。2〜3人連れてこっち来てくれない?』
2005-06-18 03:29:00 -
362:
―――あたしは、とんでも無いことをしようとしている。兄貴を裏切ることも。
それを解っていても、あたしはただ、兄貴を守りたかった……。
『あ、皐月さん?典子です。さっきはごめんなさい。……話したいことあるんで…今からまた会ってもらえませんか?』2005-06-18 03:31:00 -
363:
兄貴を守りたい、という気持ちが―――
あたしの今までの感情を惑わす結果になってしまうなんて。
皐月を呼び出す前までのあたしには、想像もつかなかった……。
2005-06-18 03:33:00 -
366:
名無しさん
お疲れ様ですッ?さっきの者ですが…ズットみてましたょッ?ゅっくり休憩して下さいッ?また朝見ますネ?ぉやすみですッ?
2005-06-18 03:40:00 -
367:
読者
パート?の6月6日にコピられた556のスレからパート?のスレ1って話し飛んでますよね?どこにあるんですか?(>_
2005-06-18 03:40:00 -
368:
?
お疲れ様です??
明日バイトやっちゅぅの
に気になって寝れなく
ズットみてましたぁ??
今から寝ますけど明日
また楽しみにしてます?
頑張ってください??2005-06-18 03:44:00 -
369:
>>376
…ん?よく意味がわかりませんが、part?はレス100超えてるので…556では終わっていませんよ?
http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1117473268/556-560" target="_blank">http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1117473268/556-560 (携帯用)
から入って、下部の次5をクリックしていけば、part?の最後まで進むと思います。画面メモだけで保存していると、不都合が起きやすいのでスレのトップをブックマークする事をお勧めします。2005-06-18 03:58:00 -
371:
読者
なるほど?ご丁寧にありがとございました?
2005-06-18 04:22:00 -
372:
名無しさん
まだかなぁ‥
2005-06-18 06:03:00 -
374:
『ちょ…何すんのよ?!』
―――あたしは人気の無い、路地裏に皐月を連れ出した。勝也の指示で、族仲間のトモキとコウが嫌がる皐月を無理矢理壁に押し付けた。
『この女マジうぜーな』
勝也がタバコを口に加えながら、あたしに話し掛ける。2005-06-18 06:18:00 -
375:
『なんなのよこいつら?!どーゆーつもり?!』
トモキとコウに両腕を掴まれ、身動きを取れない皐月は、路地の入口で様子を眺めるあたしを睨みつけた。
『大学にウワサ流すって話…あれ、無しにしてもらえません?』
あたしは皐月に冷たく言い放った。
『――は?こいつら使ってあたしを脅そうって訳?することがガキなのよ!』
強がりか何なのか、皐月は震えながらも威勢がいい。
あたしは、制服のポケットから使い捨てのカメラを取り出した。
『……?』
皐月あたしの持つカメラを凝視している。2005-06-18 06:21:00 -
376:
削除削除されますた
あぼ~ん -
377:
削除削除されますた
あぼ~ん -
378:
『何…?!何撮ってんの?!』
皐月がシャッター音とフラッシュに気付き、あたしの方を振り向いた。
『……あんたさ。えらいセックス好きみたいじゃん』
あたしは静かに、皐月に言い放った―――。
『じゃーレイプとか…喜んでされてみる?』
『―――――!!』
皐月の顔が青ざめた。
2005-06-18 06:27:00 -
379:
『ガキ、なめんなよ!!』
……憎かった。
今まで…皐月に対して抱いていた憎悪が、一気に爆発した。
『やだッやめてッ………ングッ――』
トモキが皐月の口を塞いだ。
横でコウが、カチャカチャとズボンのベルトを外す。2005-06-18 06:28:00 -
380:
ドクン…ドクン…ドクン…
《こんな女…レイプでも何でもされて、キズつけばいい……兄貴まで、傷付けようとした…こんな女……ッ》
ドクン…ドクン…ドクン…
『ん…ッんぐぐッ―――!!』
皐月は口を塞がれ、悲鳴にもならない声を漏らす。
トモキの手が、皐月の足を割り開いた―――――
2005-06-18 06:32:00 -
381:
『………やめて!!』
『………?』
あたしの声に、トモキの動きが止まった。
『どしたぁ?』
勝也の問いを無視し、あたしはゆっくり皐月に近寄り、しゃがみ込んだ。
『ウワサを流さないって、誓って…』
震える皐月に言葉を浴びせる。
2005-06-18 06:33:00 -
383:
『……ストップ。離してあげて…』
あたしは、トモキとコウに言った。
『え〜いいの?ヤッちゃわなくて?せっかく俺ら呼んだのに?』
勝也が残念そうにタバコを地面に押し付けた。
2005-06-18 06:36:00 -
384:
『あんたが…少しでも変なマネしたら…この写真もあんたの大学にバラまくから』
レイプはしなかった。
けど、皐月のあられもない姿が、このカメラには写っている。
誰が見ても、レイプ現場に見えるだろう。
『二度と…兄貴に近づかないで』
『わ…わかった…わよ。あ、あたしだって別に…あんな男…もう興味ない、し……』
ガクガクと震えながら、皐月は小さく呟いた。
2005-06-18 06:37:00 -
385:
皐月は四つん這いでトモキとコウの間から這いずり起き、そのまま、ヨロヨロと路地裏から逃げ去って行った―――。
『……………。』
ハァ………
あたしは、安堵の溜め息を吐いた。
……これで…
よかったん………だよね?
確信は無いけど…あたしは兄貴を守れたはず……。
2005-06-18 06:40:00 -
386:
『典子、約束だぜ。協力したから、今晩俺に付き合えよ?』
勝也があたしの肩を抱いた。
『……わかってる』
―――兄貴を裏切ってでも、あたしは…兄貴を守りたかった……。2005-06-18 06:41:00 -
387:
《裏切ってでも?》
―――裏切ってでも…守りたかった?
兄貴なら…皐月にバラすと言われた事を話せば、
「大丈夫だ」
そう言って、あたしを抱きしめてくれたかもしれない。
たとえキズつく事になっても、二人なら、乗りこえれたかもしれない。2005-06-18 06:42:00 -
388:
違う男に抱かれてまで、あたしは兄貴を守りたかったの ?
………これは、何?
………《愛情?》
……………何の……?
勝也に足を開きながら、あたしの心に生まれた矛盾した気持ちは……
だんだんと広がっていき…ひとつの答えに、辿り着いてしまった―――
2005-06-18 06:45:00 -
392:
名無しさん
おつかれさま?楽しみにしてます?もぅ少しがんばりょ????
2005-06-18 07:00:00 -
393:
名無しさん
250
2005-06-18 20:42:00 -
394:
名無しさん
更新まだでつかぁッ?
2005-06-19 01:06:00 -
396:
………ザワザワザワ
勝也と別れた後、あたしは朝の人が行き交う街を、ボーッと歩道橋の上から眺めていた。
もう、自分で自分の気持ちが…解らなくなっていた。
ブブブ…ブブ…
『……!』
あたしは初めて、携帯の存在に気付いた。
【着信:★兄貴★】2005-06-19 01:24:00 -
397:
『……………。』
あたしは昨日家に帰らなかった。兄貴にも連絡は…していない。
『もしもし……』
あたしは恐る恐る電話に出た。
【…もしもし?典子か?】
兄貴の声―――
あたしは、後ろめたいような、安心したような…そんな気持ちになった。
2005-06-19 01:25:00 -
398:
【お前…無事だったのか……】
兄貴が、ハァ…と安堵の息を漏らしながら、あたしに言った。
『………!』
いきなり怒られると思ったあたしは、兄貴の反応にびっくりした。
『あ…昨日、由美ん家行ってたんだけど…そのまま寝ちゃって…。電話した…よね?ごめんなさい』
あたしは兄貴に嘘をついた。
【ああ。何回電話しても取らないから、何か事故かなんかあったんじゃないかって…親父も母さんも皆心配してた】
『あ…兄貴も…?』
【当たり前だろ。無事で良かった】2005-06-19 01:27:00 -
399:
『……………。』
あたしが、浮気してたんじゃないかとか……疑わないの……?
『あはっ!兄貴この間はあんなに、あたしと秋吉の事疑ってたのに!今回は浮気してるんじゃ〜?とか疑わなかったんだぁ??』
冗談混じりで、あたしは兄貴に言った。
―――もしかしたら……
あたしが嘘ついてるって、兄貴に悟ってほしかったのかもしれない。
勝也に抱かれた罪悪感に、あたしは押し潰されそうだったから。2005-06-19 01:29:00 -
400:
【別に。お前が俺の事好きだって、わかってるし】
『………え………』
【俺の事好きなら、お前は浮気なんかしないだろ】
『……………!!』
ズキン…ズキン…ズキン…
兄貴の言葉が、あたしの胸につき刺さった。
【あ、そう言えば…】
何かを思い出したように、兄貴が言った。2005-06-19 01:30:00