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Dearest LOVE

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  • 1:

    雪弥

    今まで愛した人は一人も居なかった。
    あなたに会えて変わった。愛する事を知った。
    あたしは汚れてますか・・・?

    2005-06-08 15:47:00
  • 2:

    『久しぶりやな?元気してた?』
    1年振りに再開した、りのが言う。りのは決して美人ではないが、昔から風俗をしておりホストの彼氏が居る。
    『昼の仕事してたよ』
    夜の街を歩くのは2年振りだ。

    2005-06-08 15:48:00
  • 3:

    『どこ行かれるんですか?』
    私は下を向いていた。足元を見るとホストだとわかった。
    “ホストなんか嫌い”
    無視しようとした時、前に立つ2人の後ろから、一人の人が割って入った。
    ホストが口を開けようとした瞬間、
    『わぁ!入れ墨やぁ、私も入ってるでっ』
    ホストなんか嫌いという気持ちも忘れ、犬のように飛び付いた。
    彼はきょとんとした。一目おいて、目をまるくし言った。
    『お前・・・バリ可愛いな』それが京との出会いだった。

    2005-06-08 15:48:00
  • 4:

    『今日は終電で帰るねん』
    『そか!早よ帰りや?』
    時計を見ると終電の時間だ。
    『ばいばいっっ』
    携番を交換し家へと向かった。
    地元に着くと京の事を考えていた。
    “同じ傷・・・”
    不思議な事に京と私には同じ場所に傷や入れ墨があった。
    ふと昔の事を思いだし、入れ墨が痛んだ。

    2005-06-08 15:49:00
  • 5:

    私の家庭は、物心つく頃から兄の母に対する家庭内暴力がひどく、母が好きだった私は毎日泣いていた。小さな頃から、母にただ愛されたくて、家事も勉強も必死だった私・・・。
    水商売をしていた母。
    ある日いつものように学校が終わり家に帰ると、突然母が言った。
    『産まなきゃよかった』
    そういうと、母は私を刃物で傷つけ2度と帰ってこなかった。

    2005-06-08 15:50:00
  • 6:

    自分がお腹を痛めて産んだ子供に、暴力を振るわれ続けた母には仕方のない選択だったのだろう。
    母らしい事は一つもしてくれなかった母・・・。
    男と逃げたのだと後から知った。
    母の最後の姿は今でも忘れられない。私は母に愛された事などなかった・・・。
    私はただ愛されたかった。13才・・・私は幼かった。

    2005-06-08 15:51:00
  • 7:

    18の時、一人の男と出会う。
    名前は拓磨。
    綺麗な顔だち、私はすぐに心奪われた。
    彼がホストだと知ったのは、出会って少し後の事だった。
    私はその頃には拓磨の彼女になっていた。
    会う時はいつも私がお金を出した。
    それで良かった。
    愛を知らない私が、拓磨の『将来結婚しよう』
    と言う甘い言葉に騙されるのに時間はかからなかった。

    2005-06-08 15:52:00
  • 8:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 9:

    ただ愛されたかった・・。
    拓磨の為に、お金を渡すのは苦では無かった。

    今で言う“直引き”なのだが、ホストという職業を知らない私は、無知で彼を信じていた。
    拓磨に愛されたい。
    何でもするから他の女の人の所なんて行かないで・・・。
    願いはただそれだけ・・・。
    『店を出したいから貯金したい』
    私は必死に貯めていた60万を拓磨に渡した。
    その後、彼の態度は豹変する。

    2005-06-08 15:53:00
  • 10:

    『金は?』
    「もうないの」
    『じゃあ客から貰うからいいわ』
    ・・・え??
    『なぁ、俺の事本間に好きなんやったらヘルス行ってや』

    拓磨は何を言ってるの…?背筋が凍りつく気がした。『俺態度で示してくれな信用できへんねん。他の客は行ってくれてるからさぁ、そういうコやっぱ大事やなって思ってまうやんかぁ』
    私は愛されては居なかった。彼が愛したのはお金で、人ではなく・・・私を見ては居なかった。

    2005-06-08 15:54:00
  • 11:

    “拓磨・・・どうして…?”
    私はフラフラと夜の街を彷徨った…。
    気が狂いそう…。

    もう目の前から愛する人が消えるのは嫌だった。

    私は16の時、当時付き合っていた彼氏を事故で亡くしている。
    バイクに乗っていた彼は不幸にもトラックと衝突し、50?吹っ飛び即死した。
    お葬式には行かなかった。いや、行けなかった。
    彼がもう、この世に居ない事を実感したくなかったからだ。

    2005-06-08 15:55:00
  • 12:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 13:

    啓介という…。彼はまだ18才だった。

    京と出会うまでの私は、啓介と一緒に逝きたいと、いつも願っていた。

    不幸は続くもので、拓磨との別れにより最大の不幸が訪れる。

    2005-06-08 15:56:00
  • 14:

    気が狂いそうだった私は、友達・・(冒頭で登場した、りの)
    と夜の梅田へ行った。
    忘れたい、忘れたい…。
    真冬だったその日。
    夜中3時の梅田には人通りもなく、
    心が埋まる訳もなく、寂しさが増した。
    そんな時
    『送ったるわ』と声をかけられたと同時に、無理矢理クルマに押し込まれた。
    車は2台・・・。人数は、6、7人…。
    逃げれない。

    2005-06-08 15:57:00
  • 15:

    『名前何て言うん〜?』
    リーダー格だろうか?車の運転手のΗが私に聞いた。
    「・・・・雪弥」
    『雪弥、綺麗な顔してんなぁ』
    『本間やなぁ』男達も賛同した。
    りのには興味が無かったらしく、男達は私に優しかった。
    ‐ターゲットは私だったのだろう‐

    2005-06-08 15:57:00
  • 16:

    『雪弥っ♪』
    後ろからHが抱きついてきた。
    「きゃあ!」
    思わずはねのけてしまった。
    Hの顔つきが変わる・・。『何さらすんじゃ、ワレ』「ごめんなさい、びっくりして…。」
    もう遅かった
    りのはもう1台の車に乗せられ私達は別々にされた。
    男6人に車内で囲まれ、Hが私の髪をつかんだ。
    「痛いぃぃ」
    『黙れや!!』
    男達は私を殴りつけた。

    2005-06-08 15:59:00
  • 17:

    しばらく殴り続けると、気が済んだのだろう。
    Hが言った。
    『お前の靴で車が汚れたやんけ、200万払えや!』「・・・っ、そんな大金ありませんっ」
    半泣きになりながら言った。
    でも不思議な事に、本当に辛い時、恐い時、涙もでないんだな。
    冷静にそんな事を思っていた。
    私は泣いていなかった。 『じゃあ…ぬげ』
    男達はむりやり服を破った。
    「いやぁぁぁ!」

    2005-06-08 16:00:00
  • 18:

    『うっさいんじゃっ!』
    またグーで殴られた。
    隙をついて車のドアを開け力いっぱい叫んだ。
    「助けてぇ!りのー!!」

    ・・・りのは来なかった。
    自分だけでも助かりたいのは仕方がない事。りのが悪い訳ではない。

    また殴られた。もう殴られるのは嫌だった。

    2005-06-08 16:01:00
  • 19:

    それから、事が済むまでの事はあまり覚えていない。
    私は男達の玩具だった。

    車から降ろされた時、Hがお金を渡してきた。

    ―こんなものっ―
    男達と別れた後、泣きながらお金を道に捨てた。

    私は汚れてしまった…。

    2005-06-08 16:02:00
  • 20:

    18の出来事だった。
    それからの私は毎日、薬漬けだ。
    眠剤・・・安定剤。
    もはや体に傷を付けなければ安心できず、家から出る事を一番に恐れた。

    死にたいと思いながらも死ぬ勇気はなく、
    “こんな私を誰が愛してくれる?親にも捨てられた私を誰が必要とするの?”

    京と出会うまで私はこの考えを捨てれずに居た。

    2005-06-08 16:03:00
  • 21:

    19才の夏を迎える。
    安定剤は手放せなかったが、心身共に回復していた私は、一つのケジメをつけようと思い、入れ墨を入れた。

    汚れた私。過去を忘れてはいけない、結婚など・・・夢を見てはいけない。
    私の入れ墨にはそういう誓いがあった。

    2005-06-08 16:04:00
  • 22:

    愛してくれる人も居た。
    だけど愛する事はなかった。
    19の夏に出会った、タカ。タカは心から私を愛して居たらしく、過去も、素性も明かさない私と
    『結婚したい』と言った。
    タカの両親は暖かい人で、『いいコなんだから、早く結婚しろ』と急かした。

    2005-06-08 16:05:00
  • 23:

    幸せな時間は暫らく続いた。
    だけど愛する事は出来ない。本当の私を知ったらタカとの幸せが壊れてしまう。
    私とタカは育った環境も、世界も違い過ぎた。
    私の思い詰めた、行動は彼にとっては理解出来なかった“奇行”だった。

    頭がおかしい。そう言われる事も少なくなかった。

    ある日、タカの両親から話があると言われる。
    『別れてほしい』との事だった。

    2005-06-08 16:05:00
  • 24:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 25:

    京と出会った頃、私は過去の事など気にする事もなくなっていた。

    地元に着き、京にメールをする。相手の職業など考える暇もない位、京が気になった。
    ピンときたからだ。

    今思えば似ていたのだろう。
    メールのやりとりを何日かした。京は決して店には呼ばなかった。
    もちろん私の過去など知る訳もない。

    2005-06-08 16:07:00
  • 26:

    ホストと言う職業は後々、私に重くのしかかる。

    拓磨の事があって以来、ホストとは無縁だった。

    京とは付き合っていなかったが、お互いの気持ちは通じていた。

    家が遠かった為、毎日は無理だが週に何回か帰ってきてくれた。
    付き合ってからも京は店に来いとは言わなかった。

    2005-06-08 16:08:00
  • 27:

    京は色んな事を話してくれた。
    自分に両親が居ない事…、昔、女の人にひどく裏切られた事。
    京も昔、眠剤と安定剤を飲んで居た事・・・。
    そういった時間を多く共有する事で、
    初めて他人に対し、愛しいと思う感情を持った。
    だけど、私は過去を話す事はなかった。
    店に来いとは言わない京。支えたい気持ちが私の中に生まれた。

    私は初めて夜の世界に足を踏み入れた。

    2005-06-08 16:09:00
  • 28:

    京はまだ、私が夜の世界に足を踏み入れた事を知らずにいる。

    京は私には心を開いてくれたが、色を入れているコには冷たかった。
    俗に言う、“釣った魚に餌を与えないタイプ”である。 昔、女の人にひどく裏切られたからだろうか?恨みでもあるかのような扱いだ。

    2005-06-08 16:10:00
  • 29:

      ーSideー京
    トゥルルル…ガチャ
    「…はい」
    可愛らしい女の声。
    『あや、おはよぉ』
    《京は深く関わらないと気付かないほど、普段はアホキャラで、強気なタイプだ。》 「京、おはよっ」
    『何してたんや?』
    甘く優しく言った。
    「寝てたよぉー、今日も会えないのぉ?お休みなのにぃ?」
    『ゴメン×2今日は店の人の買い物付き合わなあかんねん』

    2005-06-08 16:11:00
  • 30:

    「淋しいよー」
    京は目をこちらにちらっと向け、車の助手席で静かにしている私にキスを一つした。
    あやはまだしゃべり続けていた。
    『淋しい思いさせてゴメンな。また電話するわな』
    京はあやにそう言い電話を切った。

    電話を切った京は何かを考えているようだ。

    2005-06-08 16:12:00
  • 31:

      ーSideー京

    “あやは細客やけど、惚れさせる為にちょっと色入れたら風俗に行くやろ”
    そんな事を考えていた。

    《そんな京だが、何故か私を可愛いがった。》
    『雪弥、買い物行こかっ』「え?」
    『何かペアのもん見に行こ』

    2005-06-08 16:13:00
  • 32:

    「えっ?ええよ〜。買ってもらうとか、悪いもん!」
    『じゃあ、いらんのかっ?』
    京はからかうように笑いながら言った。まるで小学生だわっ。

    私は色カノの事が気になったが、考えないようにした。真実を知るのは恐いもの・・・。

    2005-06-08 16:14:00
  • 33:

    私の家に着いて寝る時も、寝た後も京の携帯は鳴りっぱなしだ。
    “俗に言う鬼電、鬼メールかな?”

    京は寝る時も携帯にキーロックはかけなかった。
    「どうして?」と聞くと、
    『お前は見ーひんし、見られてもいい』
    と言った。
    『俺が客に色かけてんの知ってるやろ?』
    と笑いながら言った。

    2005-06-08 16:14:00
  • 34:

    拓磨はお風呂に入るのも、トイレに行くのも携帯を持ち歩いていた。
    寝る時はもちろんキーロックだった。
    …京は違うのかな?

    ある日、京と喧嘩になる。私は「友達と遊びに行く」と嘘をつきキャバに仕事に行った。
    連絡が取れないのに腹がたったのだろう。
    『どこ行っとってん!?』口調が荒い・・。恐いよ。

    2005-06-08 16:15:00
  • 35:

    「地下に居たから・・。」
    『怪しいなー』
    思わずもういいわっ!!と言いそうになったが、嘘をついた罪悪感からか黙っていた。
    『ふーん…』
    今日は一言そう言って電話を切ってしまった。

    “・・・私は仕事を理解して束縛もしなかったのに何なん!?”

    2005-06-08 16:16:00
  • 36:

      ーSideー京

    イライラする。
    「京の売り上げ助けたいから風に行く」
    と言っていた、あゆが
    「やっぱり恐いし勇気出ないから、キャバで頑張るね」
    と言い出したのだ。

    2005-06-08 16:17:00
  • 37:

    “所詮スキとか言いながら口だけやんけ…”
    そんな口だけの女を昔から何人も見てきた。
    金がほしい訳ではなかったが、売り上げは確かに上げたかった。

    雪弥はあれから電話もメールもしてこない・・。

    2005-06-08 16:18:00
  • 38:

    電話を切ってから何分たっただろうか。
    仕方がなかったが改めて信用されてない事を実感すると泣けた。

    携帯がなり、京からメールがきた。
    『ゴメン』
    と一言。
    正直な所、育てかもと思っていた私は複雑だったが、京に電話をした。

    2005-06-08 16:19:00
  • 39:

     ーSideー京

    “キャッチでもするか”

    前から女の子が歩いてくる。顔は可愛かったが、京は雪弥より可愛いと思う子は居なかった。

    雪弥は信じなかったが、京は雪弥に一目惚れだった。『何してるんですか?』

    2005-06-08 16:20:00
  • 40:

    京は声をかけた。

    携帯が鳴っていたが、後でかけようと、見なかった。
    「仕事帰りだよっ」
    笑顔で女の子は答えた。
    『何の仕事?』
    「セクなの」
    『そか、良かったら店こーへん?』
    「えー?お金ないから、無理だよぉ!」

    2005-06-08 16:21:00
  • 41:

    『そんな稼いで何に使った〜ん?』
    からかうように聞いた。
    「50万位、買い物に使ってんっ☆」
    『気ー付けて帰りや!ばいばい!』

    番号も交換せずその場で別れた。

    “吐き気がする”
    京は、私利私欲の為に水する女が大嫌いだった。

    2005-06-08 16:21:00
  • 42:

    仕事が終わり、京は考えた。
    “雪弥の所に帰ろう”

    仲直りもしていない…。雪弥は自分の事を話さないし、ホストという仕事の事で我慢させているのも分かっていた。

    “ちゃんと話をしないとなー…”

    そんな事をぼんやり考えていた。

    2005-06-08 16:22:00
  • 43:

    京から電話が鳴った。
    かけても出なかった事もあって戸惑ったが
    「・・・はいよっ」
    と元気なフリをした。
    『今から帰るから』
    「・・・うん」
    それだけ会話をし、電話を切った。

    2005-06-08 16:23:00
  • 44:

    『ただいま!』
    京は笑顔だった。
    「おかえりっ!」
    知り合ったばかりの頃の犬っコロのような笑顔で迎えた。

    2005-06-08 16:24:00
  • 45:

    私は京に嘘をついて夜の仕事に言った事を打ち明けようと決めていた。

    誤解を受けたままで信用を失うのは嫌だったし、何よりも京は喜んでくれると思ったからだ。

    ホストってそういう生き物だと思ってたから・・・。

    2005-06-08 16:25:00
  • 46:

    今まで一度も仕事の事、お客さんの事を一言も話さなかった京…。
    この日初めて京が精神的にまいっていた事を知る。

    拓磨はホストだったが、仕事に対してプライドがなく、直引きが目的だった為、私は店に行かずに済んだ。
    だから私はホストのイメージは拓磨が全てであり、ホストクラブがどういう場所なのか知らなかった。

    2005-06-08 16:26:00
  • 47:

    「私・・・、」
    『ん?どしたん?』
    「水商売はじめたよ…」
    『・・・。』
    京から笑顔が消えた。

    2005-06-08 16:27:00
  • 48:

    『何でや?』
    京は静かに聞いた。
    「私も何かしたい・・。」
    待ってるだけは嫌だった。
    『お前は何もしやんでいい、夜は辞めろ』
    それが答えだった。

    私は納得しなかった。
    だけど、そのやり取りをしなければ私は引き返せたのだろうか・・・?

    2005-06-08 16:28:00
  • 49:

    ーSideー京

    京は雪弥を店に呼ぶ気など無かった。

    夜の経験も無いのにセクに行った雪弥の気持ちが痛かった。

    でも同時に一瞬でもほっとした自分が居た。
    正直困っていたのは確かだったから。

    2005-06-08 16:29:00
  • 50:

    京がキスをしようとした時、とっさに手で京の口を塞いだ。
    『何でや・・?』
    いつも強気でアホキャラのはずの京が初めて見せた表情。
    “キライになった?”
    そう伝わってくるようだった。
    京は私の手を掴んで強引にキスをした。

    2005-06-08 16:29:00
  • 51:

    京はセクの内容をもちろん知っていたし、何故私がキスを拒んだか分かっていた。
    だから無理矢理にでもキスをした。
    私は精一杯の笑顔で言った。
    「スキでもない人とお金の為にキスをしたよ・・・?」
    『だから?』
    京はキスをやめなかった。「京まで汚してしまう・・・。」
    私の目から涙が溢れた。

    2005-06-08 16:30:00
  • 52:

    『他人の為に動ける人間を汚いなんて思わん』

    朝を迎え、京が私の顔を見て言った。京はその日休みだった。
    お客さんからの電話も出ずメールも返さなかった。

    2005-06-08 16:31:00
  • 53:

    京はできる限りの時間を使い、私を支えてくれていた。
    風邪をひいた事を伝えると予定をすべてキャンセルし、仕事明けの疲れた体で私の看病をした。

    せめてもの恩返しにと私は“いい女”を目一杯演じた。

    2005-06-08 16:32:00
  • 54:

    昔の家庭環境のトラウマからか、精神的に弱かった私は夜の仕事のストレスから毎日食べては吐いてを繰り返した。

    京の仕事に対しての不安もあったから。

    セクに勤めてから1ヵ月が過ぎようとしていた。
    京からのメールだ
    『仕事が終わったらキャッチ場に来てほしい』

    私は迷走した。

    2005-06-08 16:33:00
  • 55:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 56:

    初めて行ったホストクラブ。
    イメージとは違い、シンプルで私にはキラキラして見えた。

    ワイワイ騒いだりする場ではなく、落ち着いて呑む雰囲気の場所だった。

    2005-06-08 16:35:00
  • 57:

    まだ早い時間だった為、従業員は出払っていて2人だけの空間になった。
    見る物すべてが新鮮で子供に戻ったようにはしゃいだ。
    二人で乾杯をし、ふざけたり真剣に向き合ったり。

    心のバランスはとても曖昧で、気を張っていないと崩れてしまいそうな中、信じたかった。
    私の選択は間違ってはいないと・・・。

    2005-06-08 16:36:00
  • 58:

    京には体の不調や毎日吐いている事、ホストという仕事への不安を私は一切口に出す事はなかった。

    でもそんな無理は限界が早かった。

    京はそんな気持ちを何も言わない私から感じたらしく
    『水を上がれ』と言った。

    2005-06-08 16:37:00
  • 59:

    私は
    「それだけは嫌だ」
    と言った。
    私が京の役にたたなくなった時の現実はまだ見たくはない。
    京は
    『夜行かなくてもいい。お前が精神的に潰れてしまうなら俺は一緒には居れない。でも、ずっと傍に居てほしいから、そうはなってほしくない。だから俺に合わせる事はないよ』
    と言った。

    2005-06-08 16:37:00
  • 60:

    この時初めて私はホストではなく“京”という一人の人間を信頼するという気持ちを知った。

    あの時の京の言葉は本心なのだろうと思えたからだ。
    昼の仕事をしたって、彼は私を必要としてくれると素直に信じた。

    2005-06-08 16:38:00
  • 61:

    京は何でも話してくれるようになった。京の心に
    “雪弥は裏切らない”
    という感情が生まれたのだろう。
    私は精一杯割り切っていたから。
    色カノが何人か居る事、その色カノ達が毎日稼いでいる額など様々だった。

    色カノの存在が後に私を苦しめる事になる。

    2005-06-08 16:39:00
  • 62:

    私と京は彼氏・彼女になって1ヵ月を迎えた。
    京は
    『雪弥は俺の都合の悪い部分に口を出さないで無償の愛情をくれるから、精神的に安心出来るし全てうまく行き始めてる』
    と言って私に花束とキスをくれた。
    私はその京の気持ちが嬉しくて、ある一つの決心をした。

    支える為なら何でもすると・・・。

    2005-06-08 16:40:00
  • 63:

    私が選んだ道は、
    ・・・ソープだった。
    他人からすれば理解出来ない考えかもしれない。
    分かっている。
    相手はホストだ。
    だけど私にとってはホストではなく一人の男だ。

    私は絶対的な信頼をしていた、母を慕うような感情に似ていた。
    そう…刷り込みのような感覚。

    2005-06-08 16:41:00
  • 64:

    仕事初日の朝、緊張と恐怖から吐き気が止まらなかった。
    出勤時間が迫る。
    時間をあんなに長く感じたのは初めて・・・。

    家を出る時間だ。
    出勤すれば、元の生活に戻れない。
    恋愛も京が最後になるだろう。そんな覚悟だった。

    2005-06-08 16:42:00
  • 65:

    部屋を出る瞬間、せきを切ったように涙が溢れた。
    “頑張るって決めたんだ”そう自分に言い聞かせ、涙を止めた。

    電車に乗る。仕事の事が頭から離れない。
    また涙がでそうになる。
    私は弱い・・・。

    “姫”
    それが私のもう一つの名前になった。

    2005-06-08 16:43:00
  • 66:

    プルルル・・・。
    個室で待機していると、コールがなった。
    口から心臓が飛び出そうな感覚。
    「…はい。」
    『お客さまが待ってるからスタンバイ宜しくね』
    「…わかりました。」
    初めてのお客さんだ。

    2005-06-08 16:44:00
  • 67:

    階段の前に正座をし、お客を迎える。

    ートントントン・・・ー

    足音が近づく。
    私は覚悟を決めた。
    この時の私はさっきまでの私とは別人のように、
    凛としていた。

    2005-06-08 16:44:00
  • 68:

    「いらっしゃいませ」

    指をついてお辞儀をした。

    2005-06-08 16:45:00
  • 69:

    部屋に入り、ひざを着いてお辞儀をした
    「初めまして・・・姫です」とても柔らかく穏やかな笑顔だったと言う。

    一人目の相手が終わると、私は初めて泡姫(風嬢)となった。

    ーもう恐い事などない。大丈夫。私ならやれるー

    2005-06-08 16:46:00
  • 70:

    まったく抵抗が無かった訳じゃない・・・。

    知らない男のモノを自分の中に受け入れるのだから。スキな人がいるのに・・。目を閉じると・・・、

    そこには京が居た…。

    涙がこぼれるのを必死に耐えた。
    私は笑顔で“姫”を演じた。

    2005-06-08 16:47:00
  • 71:

    感覚と言う物は麻痺する物で、“平気だと思えるようになるもんだな”
    そう思った

    身を削る思いで稼いだお金・・・。

    京に会いたい・・。

    2005-06-08 16:48:00
  • 72:

    そのまま終電で夜の梅田に出た。
    京と待ち合わせをし、店に向かった。

    『セクはちゃんと辞めて家でおとなしーしてたか?』「うん。」

    2005-06-08 16:49:00
  • 73:

    店が終わり送り出しの時がきた。
    タクシーに乗り込む直前
    覚悟を決めた。
    「京・・・」
    『うん?』
    「別れてほしいねん」
    私は精一杯笑った。

    2005-06-08 16:50:00
  • 74:

    『・・・は?何言いだすねん!!ずっと傍におる言うたやんけ!』
    タクシーのドアが閉まり、京が遠くなる。
    私は泣かなかった。

    私が伝えたかった言葉は別れなどではなかった筈だ。
    でも、他の男に抱かれながら彼女でいたいなど、願ってはいけない。

    2005-06-08 16:51:00
  • 75:

    04/8/2 13:41
    ☆少し内容を中断して、書きたい事と言うか、報告があります。京との事はノンフィクであり、現在進行形だったのですが。さっき別れを告げられました。私の真っすぐさが彼にとって辛くなる結果を招いたそうです。『俺と出会わなければ、もっと違う道があったはず』だと。引き止めても彼は別れる事を取り消さなかった。

    2005-06-08 16:52:00
  • 76:

    私自身、今どうしたらいいか分からなくなっています。ソープにいった事、彼に出会って恋をしたこと、全部後悔していません。
    むしろ感謝の気持ちでいっぱいです。辛いけど、時間をかけて小説を書きあげたいと思います。私は今、気が狂いそうですが、彼は彼なりに苦しんだ結果なので。受け入れました。

    2005-06-08 16:53:00
  • 77:

    私と彼の別れるまでの事もすべて最後まで書きます。別れた今、これから感情がどう変化するのかは分かりませんが、彼から貰った愛情や思い出をゆっくり形として残して行きます。
    自分事ですいません?
    私の顔は泣き過ぎて今、見れたもんじゃない笑。
    これからはもっと強くなります、彼を見返すくらいイイ女になります。絶対幸せになる!!って決めました。どうぞ暖かい目で見守って下さい?

    2005-06-08 16:54:00
  • 78:

    ウチに帰ると後悔が押し寄せた。
    “何やってんかな本間”

    自分自身を責めても何も変わらない事くらい分かっていたが
    “これで良かったのだ”
    と思うしかできなかった。 電話が鳴った。
    京からだ・・・。

    2005-06-08 16:55:00
  • 79:

    とにかく会って話そうと言われた。

    合わせる顔がなかったけど、京の為に頑張るって決めたんだから、ちゃんと気持ちを言わないと
    伝わらないし意味がない。

    2005-06-08 16:56:00
  • 80:

    節目を迎えていた。
    過去の事を話す日が来た。
    恐くはなかった。
    京を信じていたから。

    京が仕事明けに家にきた。『ちゃんと話してくれな分からん。』

    ーあぁ、この人は私をまだ理解しようとしてくれてるー

    2005-06-08 16:56:00
  • 81:

    ゆっくりと、言葉を選びながら私は切りだした。

    昔ホストに騙された事。友達に裏切られた事。
    自分には赤ちゃんが産めない事(省略したが私は子供が出来ない体らしい。)

    京はだまって聞いていた。

    2005-06-08 16:57:00
  • 82:

    「今、風俗で働いてるよ…」
    京は一瞬顔色が変わり、下を向いたまま私を見なかった。

    『何でそこまでするねん・・・何でや・・・。』

    京のつぶやいた言葉に、私は胸に何かが突き刺さった感覚がした。

    2005-06-08 16:58:00
  • 83:

    そして、18の頃の忌々しい出来事を話した。
    京は最後までだまって聞いてた。
    少し目が潤んだように見えた。
    「京…。私はっ…本命じゃなくていい…からねっ?……彼女作って…ほしいよ」私の目から大粒の涙がこぼれた。
    間髪入れず京が言った
    『彼女はお前じゃっ!!他の奴なんかどうでもええ!』
    力一杯抱き締めながら京がそう言った。

    「私はっ・・・苦しいよぉ」子供のように声をあげて泣いた。

    2005-06-08 16:59:00
  • 84:

    少し時間が経ち、大分落ち着いた。
    目が腫れてぱっちり二重は三重位になった笑。

    「京はママのように暖っかいっ☆」
    ぎゅう〜っとコアラのように京にへばりついてた。

    京はその日初めて笑った。そして21年間生きてきて、初めて
    『愛してる』
    と言われた。

    2005-06-08 17:00:00
  • 85:

    その日は本当に本当に幸せな日で、生まれて初めて体験する
    “愛し愛された日”
    になった。
    京は私を子供のように大切に抱き締め、
    『体しんどくないか?大丈夫なんか?・・・もう泣いたらあかんよ』
    と言っていっぱいキスをした。
    何度も何度も確かめ合った・・・。

    2005-06-08 17:01:00
  • 86:

    しばらくして私はサイトで一人の女の子と出会った。
    スレの内容は、悩みや大好きな気持ちを書き込みするモノだった。
    そこで、一人の女の子
    “のんちゃん”(もち仮名です☆)と出会う。
    のんちゃんは、彼の気持ちが分からないと迷い悩んででいた。
    私はその時、精神的なものから、他人に優しくできる状態では無かったが、
    その子をほっとけなかった。

    2005-06-08 17:02:00
  • 87:

    私は出来る限りの知識で、のんちゃんにアドバイスをした。
    そして、のんちゃんと直?を始めた。
    私達は写メでしか顔を知らなかったが、私が迷った時、京と喧嘩して別れると言った時、本気で話を聞いてくれた。
    私ものんちゃんが辛い時、悲しい時は励ました。

    2005-06-08 17:03:00
  • 88:

    嬉しかった。私みたいなちっぽけな人間でも、誰かを励まし導いてあげれるのだと・・・。
    しばらくして、のんちゃんが彼と両思いになったのだと聞いて、自分の事のように嬉しかった。
    のんちゃんは今、その彼と愛し愛された日々を送っているのだろう。

    私はのんちゃんに感謝している。省略して書けなかったが、私は彼女が居て救われた。

    ーこれも一つの愛のカタチー

    2005-06-08 17:04:00
  • 89:

    ソープで働きだした私は、精神的に辛くなる事もなく、安定していた。
    愛する人がたくさん出来たから・・・。
    京、のんちゃん、8年間毎日一緒に居た友達。

    私は家庭環境には恵まれず愛を知らなかったが、たくさんの愛のカタチを学んだ。
    一番幸せな時期だっただろう・・・。

    2005-06-08 17:04:00
  • 90:

    京とも順調だった。
    風嬢になっても京は私をとてもとても大事にしてくれた。
    お店に行った日は2時頃からラストまで居て、近くの喫茶店で待ち一緒に帰る。
    だけどいつからか私は、京のお客さんに罪悪感を持ち始めていた。

    2005-06-08 17:05:00
  • 91:

    仕事は順調だ。指名客も付き始め体力的にも辛くなくなってきた。
    ただ、お客のモノが入ってくる時だけは違和感が頭から離れず、私は京を想い目を閉じるのだった。
    京の顔、指の動き、吐息全て・・・。
    お客は京の代わり。
    そうじゃなきゃ私は私で居られない。
    ーせつない・・・苦しいー

    2005-06-08 17:06:00
  • 92:

    “京、苦しい・・。”
    私は京の前では必死に笑顔を作った。
    “心配かけちゃダメた”
    私はその思いで必死だった。
    私は京によくこう言っていた
    『例え騙されてたとしても私が騙されてないと思えばそれもまた真実』と。
    『ここまで人を愛する事が出来て私は幸せだ』と・・。

    2005-06-08 17:07:00
  • 93:

    私は仕事で出勤してから、終わる時間まで休憩なく働いていた。

    だけど、稼いでも稼いでもお金がない・・・。
    その頃には毎日仕事が終わると京のお店に行ってたから・・・。
    私は間違ってたのだろうか…?

    2005-06-08 17:08:00
  • 94:

    私には、勝手に自分の中で決めた暗黙のルールがあった。
    《出勤前には電話ではなく、メールをする。(寝てる時間だろうから)
    京が休みの日には自分からはメールも電話もしない。嫉妬心は出さない。
    干渉や束縛ももちろんしない。
    仕事の事には口出ししない・・・。》
    “いい女”でありたかった。

    2005-06-08 17:09:00
  • 95:

    そんな私でも幾度か別れを考えた事もあった。
    まだ私が京に不信感を持つ前の事…。

    京は休みの日の殆どを私に使った。
    お店で何十万とお金を落とす子ですら京と休みを一緒に過ごす事はない。
    連絡すらつかない。

    2005-06-08 17:10:00
  • 96:

    優越感など持てるはずもなく、
    私が居たら京はお客さんの為の時間を作れない。
    仕事の邪魔になっている気がして、
    離れるべきだろうと考え始めた。

    京はそんな私にいつも
    『お前が一番しんどい思いをしてるんやから』
    と頭を撫でてくれた。

    2005-06-08 17:11:00
  • 97:

    私は心の底から京を信じてた・・・。愛してた。
    だからこそ辛くなる時期もあった。

    Hをする度ソレは増す。
    自分が“風嬢”だから…。
    いつもそれが引け目に感じた。
    京にソレを言うと怒られるから必死に心の底に沈めた。

    2005-06-08 17:12:00
  • 98:

    私はいつもお客相手には濡れない。
    だけど京と居る時は一緒に居るだけで濡れてた。
    体は正直やわ。

    お店の中。いつも私と京は仲良し。
    誰にも見つからないように何度もキスもした。
    強引に甘く・・。
    京のいぢわる☆
    ドキドキする…。

    2005-06-08 17:13:00
  • 99:

    私の日課は出会ったばかりから現在までの、
    京からのメールを見返す事。
    “会いたい”とか
    “ゴハン作って待ってて”“雪弥これ以上可愛くならんといて”
    ー京・・・甘い言葉吐き過ぎっ?ー

    でも、幸せな時間の一つ。初めて家に来た日を思い出すから。

    2005-06-08 17:13:00
  • 100:

    それは出会ってから何日か経った時。
    お互いスキだって自覚済みだった。
    京からメール
    “仕事明けおうち行くね”
    やったぁ、会えるんだっ嬉しいな〜。
    私はくすぐったい気持ちでイッパイ。

    京が家に来た。私が作ったゴハンを一緒に食べて、時計を見ると昼の2時を回っていた。

    2005-06-08 17:14:00
  • 101:

    京がベットに入る。
    私は照れ臭くてベットにもたれて煙草を吸った。

    『雪弥。おいで…』
    甘く優しく子供みたいな笑顔で京は両手を広げた。

    ドキドキする・・・。
    恥ずかしい…

    ー顔が熱いよー

    2005-06-08 17:15:00
  • 102:

    「・・・うん。」

    私は子犬みたいにポテポテ四つんばで京の腕の中に飛び込んだ。
    京の香水の匂いが私をクラクラさせた。

    心臓が口から飛び出そう・・・。
    「い〜においっ☆」
    きゅう〜ってしてみた。

    2005-06-08 17:16:00
  • 103:

    京もきゅう〜ってしてきて、苦しくて子供みたいに2人で笑った。

    無言な時間が流れる
    空気が変わる・・・。

    京がオデコにちゅってした。恥ずかしくて嬉しくて、照れ笑いをした。
    私は京のほっぺにちゅってした。

    お互い目が合った。
    顔が近づく・・。

    2005-06-08 17:17:00
  • 104:

    京が言った。
    『ちゅうしたらきっと、止まらくなる・・。』
    私は
    「京なら…いい…」
    精一杯言った。

    2005-06-08 17:18:00
  • 105:

    軽く何度もちゅってした。唇が痛くなる程・・・。
    少ししたら舌が入ってきた。私も答える。
    クラクラして腰くだけ状態・・。
    もう止まらなくて一線を越えた。
    ー何だかくすぐったい日だったー

    2005-06-08 17:19:00
  • 106:

    後悔も迷いも無かった。
    今でも不思議に思う。
    私は他人に興味が湧く事があまりなかったから

    京を受け入れるのはごく自然にできた。
    恐くなかった。
    今思えばあの日すでに恋に落ちていたのだろう・・。
    今も思い出すとくすぐったい。
    とても幸せな幸せな記憶・・。

    2005-06-08 17:20:00
  • 107:

    そんな事を毎日思い出しては愛しさが増すばかり・・・。
    いつからか私は京が居なければ生きれない気さえしていた。

    ー何も知らなければ今も幸せだったかもしれないー

    京…あなたは今、何を想ってる・・・?

    2005-06-08 17:21:00
  • 108:

    ホストと付き合うという事は容易な事ではないし、精神力、忍耐がものをいう。
    いい事ばかりではなかった。
    私はいつしか京のエースとなっていた。
    そして、私と京はゆっくりと、悲しみに向かっていた・・・。

    2005-06-08 17:22:00
  • 109:

    《色カノ》
    彼女の名前は、くしくも私と同じ名前だった。
    よく京から聞く名前は3人程居た。
    ユキヤ・りな・まき

    京は彼女達を“ガチる”為には何でもしていた。
    京は私には彼女達との駆け引きや彼女達のプラベ等、事細かく何でも話した。
    “酷いヒト・・・”
    正直そう思う日もあった。

    2005-06-08 17:23:00
  • 110:

    一緒に居る時は、携帯が見える位置で彼女達とメールのやり取りをする事も多々あった。
    ー見たくないー
    私はいつも見ないようにした。

    友営の子もいれば、色営もいたし、特にその3人の内の一人、
    《ユキヤ》には本営だったが枕はしなかった。
    枕をしてしまえば、お金を落とさなくなるから・・。

    2005-06-08 17:24:00
  • 111:

    ある日、京と一緒に携帯のスケジュールを見ていた時の事…。
    私の心は一瞬凍り付いた。
    “ユキヤと1ヵ月記念”
    もちろんそれは私ではない。
    色カノの存在は知っていたし割り切っていた。
    だけど、いざ形がある事を実感すると私の中で革命が起こった・・・。

    2005-06-08 17:24:00
  • 112:

    今思えば、京は私を不安にさせない為すべてを話し、ホストである自分の汚い部分全てを見せていたのだろう。

    京の行動を見れば、あきらかに他の子とは違っていたのに・・・。

    私の中に一つの感情が生まれた。

    2005-06-08 17:25:00
  • 113:

    『雪弥どした?』
    私はとっさに平常心を取り戻し、装った。
    「ユキちゃんと1ヵ月記念どっか連れてってあげなあかんよ〜?」
    さえぎるように京が言った『どぉでもええし、連れて歩きたーない』
    京は煙草に火をつけながら、いつも通り冷たく言った。
    『それより・・・。』
    「え?」
    『明日の休み、一緒に居よなっ!』

    2005-06-08 17:26:00
  • 114:

    「・・・うん」
    その日はめずらしく4万ほど使って帰った。

    私の頭にあった気持ち、
    ー身をひこう…ー
    私はユキヤさんの気持ちを考えてしまったから。
    私は彼女が夢を見てるという真実を知ってしまった。人間としてどうなの…?

    ー京も私も・・・ー

    2005-06-08 17:27:00
  • 115:

    誰も居ない部屋に帰る。
    ふと今まで我慢していた感情が私に降り注ぐ。
    割り切ってるつもりだった。なのにっ!!私は弱い・・・。

    独占したい。他の人の心配なんてしないで…。
    私だけを・・・見てよ…。久しぶりに吐いた。
    「どぉしてっ・・!」
    涙が溢れた。私は声を殺して泣いた。

    2005-06-08 17:28:00
  • 116:

    《序章》
    別れへのカウントダウンが始まったのはこの頃だろう・・。
    割り切り過ぎた私は感情を自覚出来なくなっていた。まるでお人形。
    スキなのかも分からない。だけど離れる事も出来ない。
    失いたくなかった。
    私には京しか居なかったから。
    それだけは痛いほど分かっていた。

    2005-06-08 17:29:00
  • 117:

    真実を知る事で割り切れた。だけど知れば知る程に
    何が真実なのかわからなくなった。
    全てが夢のよう。嘘だらけに思えた。
    私の中で初めて京への信頼が少しづつ音を立てて崩れ始めた。

    京からの連絡も返す事に戸惑った。
    「私さえ居なければ…」
    そればかりを考える。
    私と京はあの日からすれ違い始めた。

    2005-06-08 17:30:00
  • 118:

    それからの私はどれだけ醜かっただろうか。
    京が
    『売り上げ〇百万はあげたい』
    と言えば
    「ほな私が使えばええんやろ?」
    と言った。

    2005-06-08 17:30:00
  • 119:

    プレッシャーなんかかけやがって、とさえ思えた。
    京が私にそんな事望んでいない事位わかってる。
    でも止まらない。
    不器用な私。
    何がしたいのだろう。

    2005-06-08 17:31:00
  • 120:

    「外で会わなくていいよ。会えなくても、お金だけは使うし」

    ー本間はこんな事が言いたい訳じゃないー

    ただ、ユキヤさんやお客さんに優しくしてあげて…とそれだけを願った。

    2005-06-08 17:32:00
  • 121:

    「他人の目には私は“偽善者”に映るのかな」

    京に聞いた事があった。
    京は嘘やお世辞は言わない。お客さんの事を考えたりするのは、はっきり言って“偽善だ”と言った。
    だけど心が真っすぐで優しいとも言った。

    偽善と言われてもいい。
    他人を思いやる気持ちだけは無くしたくはない。
    京の目に私はどう映っていたのか・・・。

    2005-06-08 17:33:00
  • 122:

    その日はなぜかイライラした。
    何ヵ月かに一度あるかないか位の感覚。
    物事をあまり深く考えない私は、知らない内に無理をしているらしく、そんな時期があった。

    『何イラついてん?』
    京が言った。
    「別に」
    と笑ってみせると、
    『無理して笑わんでええし』
    と京が無表情で言った。

    2005-06-08 17:34:00
  • 123:

    「酔いたいねん。酒持ってきて」

    私はカクテルを一気に飲み干し京にじゃれかかった。
    いつものように京の携帯にメールが入り京は返事をする
    。私は京に抱きついた。
    まるで
    “盗らないで”と子供のように。

    2005-06-08 17:35:00
  • 124:

    京はメールを打ちながら私の頭を優しくナデナデした。
    私は京の胸に深く顔を埋めた。
    理由もなく悲しい訳でもない。でも涙があふれる。
    気付かれないように必死に涙をこらえた。

    ー京が愛しいー

    2005-06-08 17:36:00
  • 125:

      《決別の時》

    『仕事辞めていいで』
    と京が言った。

    静かに私は言った。
    「仕事を辞める時は別れる時だから・・。」と・・。
    私達はお互いに違う方向を見て、
    静かに煙草に火を付けた。

    2005-06-08 17:37:00
  • 126:

    その後、毎日あったはずの『仕事終わったよ♪』
    という京からの電話が鳴る事は無かった。

    私は何も言わなかった。
    “何で電話ないん?メール位出来るやん?”

    ー私の事・・・好き?ー

    2005-06-08 17:38:00
  • 127:

      《別れの朝》

    電話が鳴った。
    京からだ・・・。
    私が勝手に京と心の距離を置いてから、わずか2日後
    もはや心の距離は埋められず、修復不可能だ。

    「・・・はい」
    眠たそうに、けだるく電話に出た。
    『今向かってるから』

    2005-06-08 17:38:00
  • 128:

    「・・分かった。」
    内心飛び上がる程嬉しかったのに自分の感情がコントロール出来ない。

    『…あんま嬉しーなさそうやな!』
    京はそう言って電話を切った。
    それから、何度も電話したけど出てくれない…。

    私があの時素直になっていれば、今もきっと私は京の傍で笑っていただろう…。

    2005-06-08 17:39:00
  • 129:

    1時間程して、京から電話があった。

    『もう自分の家帰ったわ。今コンビニ』
    「そっか・・。」
    『朝メシ食いたいねんけど何買ったらいいと思う?雪弥やったら何食いたい?』「・・・サンドイッチ」

    『ほなサンドイッチ買うわ』

    2005-06-08 17:40:00
  • 130:

    優しい京。何度この手で傷付けたかな・・・?

    『何で最近連絡してこんねん?』

    戸惑った。お客さんの為に身を引いたなど言える訳がない
    「・・・干渉したくないだけ…」
    『・・お前は干渉したくないんじゃなくて、俺に関心がないねん!!』

    初めて京が感情剥き出しにし、怒鳴った。

    2005-06-08 17:41:00
  • 131:

    ドアが開く音がした。
    京だった。
    私は黙ったまま、ぼんやりと見ていた。

    『・・ははっ!アホらし。来てほしくないんやったら最初から言えや!!』

    2005-06-08 17:42:00
  • 132:

    『・・・帰るわ』

    “…待って!”
    そう言いたいのに声が出ない。
    京は合鍵をテーブルの上に投げ捨てた。

    2005-06-08 17:43:00
  • 133:

    『この意味わかるやんな?』
    “嫌だ!嫌だ!!!”
    私は必死に首を横にふった。
    京は冷たい目で泣いてる私を見下ろし言った。
    『頭悪いんか?』

    ー・・・コノヒトはダレ?ー

    2005-06-08 17:44:00
  • 134:

    『もうお前が何考えてるんかわからんねん!』

    “毎日体売ってるじゃない!!何で気持ちが分からんの…?”
    私は心の中でそう叫んだ。
    1度でも陰にこもった事のある人間は裏切るのだと彼は言った。

    私は愕然とした。

    2005-06-08 17:45:00
  • 135:

    それは精神的な病気になった事のある私を指すと同時に
    京の事も指していた。

    『お前とおったら辛くなるねん・・・』


    「・・どしてぇ?」
    消え入りそうな声で聞いた。

    2005-06-08 17:45:00
  • 136:

    京からはカフェパの甘い匂いがした。

    お互い信頼していた気持ちが大きければ大きい程、
    崩れるスピードは一瞬で、止める事が出来ない。

    『真っすぐ過ぎて辛いねん!だから別れる』

    2005-06-08 17:46:00
  • 137:

    私の中で全てが真っ白になって、その場にうなだれた
    京はそんな私を振り返る事なく部屋から出て行った。
    ドアが閉まる音に、“はっ”とし
    私はパジャマで裸足のまま外に出た。

    2005-06-08 17:47:00
  • 138:

    『待って!ねぇ・・・!待っ・・・てぇ…』
    京は振り返らない。

    車に駆け寄りドアを開ける。『何やねん!!閉めろや』
    「・・・嫌や。一緒に・・おっ・・・て?」
    泣き崩れながら言った。

    『黙れや!うっとい!!』

    2005-06-08 17:48:00
  • 139:

    ねぇ。京・・・。
    私の気持ちは重かった?
    仕事の邪魔したくなくて、いいコで居たくて、
    我儘も、嫉妬心も出さなかった。
    捨てられたくなくて・・。
    それが原因であなたの信用を失って
    捨てられるのなら、もっと自然体で居れば良かった。風俗に行かなければ良かった?
    そしたら今でも一緒に居れた?
    もう分からないよ。
    私は一人でどう生きてけばいい・・・?

    2005-06-08 17:49:00
  • 140:

     《最後のやり取り》

    『最後にオモロイ事教えたろか?お前、ユキに売り上げ負けてたで!
    お前エースじゃなかったわ』

    京は笑いながら言った。

    2005-06-08 17:50:00
  • 141:

     《ホントの心》
    私の部屋を出る前、
    合い鍵を投げ捨てる前に
    京はホストとしてではなく、一人の男として本音を最後に言いました。
    『お前の事が本間に好きやった。
    一生守るって思った。
    好きになればなる程、罪悪感が増した。
    お前が客やったら・・・良かったのに・・。』

    私はこの時初めて自分は客ではなく、色でもなかった事を知りました・・・。

    2005-06-08 17:51:00
  • 142:

    星を見た。
    あまり見えなかったけど、隣に京が居るだけで幸せだった。
    愛しさが、雪のように降り積もる・・・。
    そんな小さな幸せ、
    分かち合うあなたはもう居ない…。
    このまま眠りたい。星の降る桟橋で・・。
    夜明けに凍える亡骸を抱きにきて・・・?

    2005-06-08 17:52:00
  • 143:

    もしも想いが届くなら、
    もう1度その腕に抱き締めて・・・。

    生まれて初めて愛した人。愛する事を教えてくれた人。
    さようなら・・・京。

    2005-06-08 17:53:00
  • 144:

      《あとがき》

    一応142も、あとがきとなります?
    分かりづらくてスミマセン?
    京とはとても短かったけれど、私は後悔していません。むしろ感謝しています。一人の人にここまで出来たのだと嬉しく思うから。
    失ったモノも多かったけど、大切なモノたくさん×?貰いました?

    2005-06-08 17:54:00
  • 145:

    読んで下さって有難うございます?
    私はこんなに人を愛せて幸せでした。後悔があるとするなら、もっと彼を信じて我儘言えば良かったかな?最後の最後にならなければ真実は分かりません。

    2005-06-08 17:55:00
  • 146:

    私が伝えたかったのは、皆さんに後悔する恋愛をしてほしくなかったから。
    最後まで頑張ろうって、信じようって思ってほしかったからです?
    皆さんに伝えたかった事はまだまだ沢山ありましたが、伝えきれなかったのは残念です?
    完結したのに長々とゴメンなさい。

    2005-06-08 17:56:00
  • 147:

    出会いから別れまで書き上げましたが、
    伝えたい事
    (省略しなければならなかった京との思い出、愛情)この小説に残したい事があります。
    皆様がよければ、書きたいのですが、宜しいでしょうか?

    2005-06-08 17:56:00
  • 148:

     Dearest LOVE?

    2005-06-08 17:57:00
  • 149:

    私は、母に生まれて初めて反抗し口答えをして喧嘩になった事がある。
    その次の日、母は私の前から姿を消した。

    その時、自分の気持ちを口にしたら人を傷付けてしまうんだと子供心に思った。
    私がいいコにしなかったから・・・ママは居なくなったんだ・・・と。

    2005-06-08 17:58:00
  • 150:

    『何かしゃべれや!!』

    今まで男達にさんざん投げ付けられてきた言葉…。

    私は今までの彼氏と喧嘩になる度、
    いつも下を向いて涙をこらえるしか出来なかった。

    2005-06-08 17:59:00
  • 151:

    私はいつからか、そういう場面になると自分の意志とは関係なく、
    “声”が出なくなる病気になった。

    どんなに頑張っても
    声にならない・・。

    私はずっと治せずに居た…。
    母の事がひっかかってるのだろうか?

    2005-06-08 18:01:00
  • 152:

    そんな場面を共に乗り越えた人は今まで、誰一人居なかった。

    皆、そんな人形に話かけるような状態が耐えられないのだろう。

    京との思い出の1つに
    その病気にまつわる
    エピソードがある。

    2005-06-08 18:02:00
  • 153:

    《LOVE Letar》
    私は京への不振感と、ユキヤさん達の事からか
    私は京に対し壁を作った事がある。

    ぶつかる事が恐くなり、
    言いたい事も言えず
    自分の殻に閉じこもっては声を殺して泣く事を覚えた。
    星の見えない夜空を見上げては、切なさが私の小さな胸を押し潰した…。

    2005-06-08 18:04:00
  • 154:

    「啓介ぇ・・」
    (事故で亡くした元彼)
    そんな時は夜空を見上げては、もうこの世には居ない彼に語りかけてしまう事さえあった。

    “どうしても、自分の過去が邪魔をするよ。

    2005-06-08 18:04:00
  • 155:

    あなたは生きたかったよね・・?
    私はね…、あなたと逝きたいと思う季節は過ぎたよ。強くなったよ?
    見てくれてる・・・?

    京との愛は守るからね…。

    ー幼かった私…こんなに大人になったよ・・・ー

    あなたの分まで生きてみせるから・・・。

    2005-06-08 18:05:00
  • 156:

    言いようの無い不安からか、心のコントロールが効かず、出会った頃の子犬のような笑顔が、その時の私にはなかった。

    それでも京の店に行くのは辞めなかった。
    義務感といえばそれまでだ。
    そんな私と京が衝突するのは当たり前だ。
    仕方がない。

    2005-06-08 18:06:00
  • 157:

    その頃の京は仕事の事でイライラしては私にあたった。
    私はそれでも嬉しかった。だって、本当の心をぶつけてくれてるんやって、
    甘えてくれてるのだと思えたから。

    ー本当に心から嬉しかったんだ…ー

    2005-06-08 18:07:00
  • 158:

    ある日、京とお店の中で喧嘩になった。

    BGMが大きいからか、
    お客さん達は気付かなかったが、周りの従業員達は
    私と京の異様な雰囲気を感じて居たのだろう。

    皆心配そうにしているのを感じた。
    従業員達はいつも私達の仲の良い所しか見てないのだから当たり前だ…。

    2005-06-08 18:08:00
  • 159:

    京は私のそっけない態度にしびれを切らしたみたいだった。
    “私だって本心を見せたいさ、だけど本心を見せて何になるの?
    淋しいと言えば何かが変わるの?
    期待して何になる?”

    煙草を吸いながらぼんやりしていると、
    そんな言葉が頭の中をグルグル回った。

    2005-06-08 18:09:00
  • 160:

    役職の人が私を心配そうに見た。
    私は笑顔で
    “大丈夫だから”
    と目で合図を送った。
    役職の人達だけは私と京の関係を知っている。
    下のコ達は
    京の態度を見たらバレバレだと言っていたが、私はいつも否定していた。

    2005-06-08 18:10:00
  • 161:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 162:

    京は
    『何もかも予定がめちゃくちゃだ』
    と不機嫌そうに言った。
    色カノでエースのユキヤさんが、
    精神的なものから入院し売り上げが下がったからだ。
    「・・・。」
    こんな時何て言えばいいのか。言葉につまる。

    2005-06-08 18:11:00
  • 163:

    『何考えてんねん?』
    京が私に言った。
    「あ、うん。楽しそうだなーっておもって」
    他の席を指差し言った。

    和まそうと思って言った言葉は逆効果を招いた。

    2005-06-08 18:12:00
  • 164:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 165:

    『お前なめてんのか!人おちょくって楽しいんか!!』
    急に京が激怒した。

    ワケガワカラナイ・・・。

    私はびっくりして身を縮めた。
    何故私が責められてるのだろう。

    2005-06-08 18:12:00
  • 166:

    『お前はどう考えてんねん!?』

    何がだろう?

    「えっ・・と、私が頑張ればいーんやんね」

    2005-06-08 18:13:00
  • 167:

    すると京は
    『頑張ってへんやん…』
    と言った。
    私は怒りが込み上げたが黙った。
    『無理すんなって言っても言う事聞かんで体壊して結局何がしたいねん!』

    と言った。

    2005-06-08 18:14:00
  • 168:

    疲れた。
    何故、店に来てる時まで責められなきゃならない?
    帰りたい帰りたい。

    『聞いてんのか!?』
    私は黙って下を向いた。
    京はその後も強い口調で私を責めたが、私はうつむいて黙っていた。

    言いたい事なら山ほどあるのに・・・。

    2005-06-08 18:15:00
  • 169:

    そんな状態が30分程経った時、
    京は立ち上がって席を離れてしまった。
    私は席を立ちトイレにかけこんだ。

    また吐いてしまった。
    むせて涙目になる。

    席に戻ると京が言った。
    『また吐いたんか?』
    私は笑顔で首を横に振った

    2005-06-08 18:16:00
  • 170:

    京は少し冷静になったのか『何で何も答えへん?』
    と聞いた。
    私はうつむいた。
    『頼むから思ってる事をちゃんと言ってくれ』
    と言った。
    私は重い口を開けた。

    “!?”

    あれ?声が出ない・・。

    2005-06-08 18:17:00
  • 171:

    私が苦しそうに口をパクパクしているのん見て、
    京は紙を一枚とペンを私に差し出した。
    「?」
    私は不思議そうに京を見た。
    『今思ってる事、何でもいいから書け』
    と言った。
    怒らないから…とも言った。

    2005-06-08 18:18:00
  • 172:

    私は
    《ごめんなさい》
    と一言書いた
    『何がや?』
    京が柔らかい口調で聞いた。
    《いいコじゃなくて、ゴメンなさい・・。》
    『・・・うん、何で?いいコになんか、ならんでいいんやで。』

    2005-06-08 18:18:00
  • 173:

    “昔から喧嘩になったりすると声が出なくなる”
    『うん』
    “・・・お母さんに捨てられてから・・”
    『・・うん』
    “恐いの・・・”

    2005-06-08 18:19:00
  • 174:

    京は
    『俺はお母さんじゃないよ』と言った。
    “でも皆、おかしいって”『何が?』

    “頭が・・。”
    私は苦笑いで京を見ると、京は笑いながら頭をなでてくれた。

    2005-06-08 18:20:00
  • 175:

    “そんなにおかしいのかな?声が出なくなったりしてバカみたい?”
    『全然。けどそんなん普通の奴には分からん思うわ』
    京は昔の自分を見てるようだとも言った。
    『んーで?何で気持ちを抑え込んだんや?』

    2005-06-08 18:21:00
  • 176:

    “嫌われたくない。本当の私は嫉妬深くて、我儘だから・・。”
    『俺もやで。少しづつでいいから、言いたい事言えないの治そうね』

    私の顔に少し笑顔が戻った。
    ー凍りついた心が溶けていくー

    2005-06-08 18:22:00
  • 177:

    今まで溜めていた感情が溢れる。
    『雪弥?我慢するのと抑えこむんは違うんやで?
    今は分からんでもいい。俺の傍で理解してけばいいよ』
    京は私の目を真っすぐ見てそぅ言った。
    『言えるようになるまで紙に書けばいいよ』と・・。

    2005-06-08 18:23:00
  • 178:

    京は他にもお客さんが来てたのに、もう1時間以上も私に着きっぱなしだ。
    それなのに
    私に少しの笑顔が戻るまで、京は席を立つ事は無かった。
    私の京への
    《LOVE Letar》
    はその後何十枚かの形となった。

    2005-06-08 18:24:00
  • 179:

    『じゃあ行ってくるね』
    京が席を立とうとした時

    「・・あっ・・・」

    不意に言葉が声という形になった。
    『!?』

    『声出たやん!!』
    京が嬉しそうに笑った。

    2005-06-08 18:25:00
  • 180:

    私は他の席に向かう京に手を振って笑顔で見送った。
    すると京は急に《忘れものをした》
    という感じで私の方を振り返り私に耳打ちをした。

    【愛してるよ・・・】
    と・・。

    2005-06-08 18:25:00
  • 181:

    名無しさん

    どぞ?

    2005-06-08 18:26:00
  • 182:

    「・・ばかっ!」

    私は照れ笑いした。

    2005-06-08 18:26:00
  • 183:

     《その後・・・》
    “それ”を見ると
    今でも泣きそうになる。
    確かな愛が形としてそこにはあって
    京がどんな気持ちで私の席から立たなかったのか。
    なぜ私の手を離さなかったのか?
    今なら分かる。
    あの日から、私は感情を持ったの。
    泣く事を覚えたの・・あなたが愛しいって・・
    もう、お人形じゃないよ。

    2005-06-08 18:27:00
  • 184:

    ねぇ・・。

    人はナゼ失ってからその大切さに気付くの?
    ナゼ近くにあるとぼやけてしまうの?

    もっと早く気付ば良かった。もっと大切だって言えば良かった。

    ねぇ・・・私達は何を間違えたのかな?

    2005-06-08 18:28:00
  • 185:

    あのね・・。

    ー今でも君を愛してる・・・ー

    私の事、忘れないでね・・。

    2005-06-08 18:29:00
  • 186:

       《言の葉》
    京が最後に笑いながら
    私に投げ付けた言葉。

    私にラクになってほしくて、嫌われた方がマシだと
    あなたなりの優しさだったのだと後から知った。
    表面しか見ようとせず、
    自分ばかり傷付いたと思ってた私を許して・・・。

    私は本当に愛されていたのだと、今なら分かるから・・。

    2005-06-08 18:30:00
  • 187:

    雪弥:04/8/12 16:21 (旧掲示板)

    2005-06-08 18:31:00
  • 188:

     

    2005-06-08 18:32:00
  • 189:

    04/11/22 23:31
    雪弥へ
    こんな終わりで良かったんか…
    首輪代わりのネック…
    俺はまだ身に付けてるよ…胸が苦しい…
    首輪が外さずに待ってるから…

    2005-06-08 18:33:00
  • 190:

    04/11/26 13:42
    助けて…
    壊れて行く…
    俺はお前を壊してしまったのかな?
    そして自身も壊して行くのか?
    いつから破滅の道を歩み出したのかさえ分からない…また昔に戻って…
    教えてよ…
    俺は何処に向かえばいいかさえ分からないよ…
    お前が居ないと進め無いから首輪を外す事も出来ないんだよ…
    助けて…

    2005-06-08 18:34:00
  • 191:

    04/11/26 20:50
    会えないからココに書いてるんです。
    雪弥は突然俺の前から消えてしまったから…

    2005-06-08 18:35:00
  • 192:

    完結

    2005-06-08 18:36:00
  • 193:

    雪弥:04/7/27 07:38 〜04/8/12 16:21  (旧掲示板)

    2005-06-08 18:39:00
  • 194:

    名無しさん

    よかった、バリ泣けた?2人とも想いが通じ合っているなら、また昔のように戻れたらいいね?ユキヤさん。ワタシは精神科のナースですから、悩み事があるなら話聞きますよ??

    2005-06-08 18:40:00
  • 195:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 196:

    名無しさん

    あげ?

    2005-06-16 10:12:00
  • 197:

    名無しさん

    本当の話なら幸せになってほしいです。

    2005-06-22 00:45:00
  • 198:

    名無しさん

    2005-08-06 08:28:00
  • 199:

    名無しさん

    よかったです?幸せになってね??

    2005-08-07 16:16:00
  • 200:

    名無しさん

    お互い思ってるのになんでこんな結末になるの?神様って残酷やねぇ‥

    2005-08-07 21:27:00
  • 201:

    名無しさん

    2005-08-10 16:02:00
  • 202:

    名無しさん

    2005-08-12 03:22:00
  • 203:

    しおり

    2005-08-12 18:41:00
  • 204:

    名無しさん

    2005-08-12 18:44:00
  • 205:

    ぁぃ

    どぉして気持ちが通じ合ってるのに交じゎらないんだろぉねo
    素直になる事ゎとても大変だけれどスキナヒトの側にぃれなぃ事にくらべればたいした事ないと思うよo
    ぉ疲れ様でしたoこれからも頑張って下さいo
    もし京さんとこの先なにかあったらまた書いてほしぃですo

    2005-08-12 22:36:00
  • 206:

    名無しさん

    はぶかれてる部分ありますが、ちゅうとに完結するなよな

    2005-08-12 22:57:00
  • 207:

    名無しさん

    省かれてないんちゃう?たしかこれで終わってたはずゃ
    煮えきれなぃ終わり方これが恋のイチページというもんやな?
    雪弥ちゃんおつかれ?

    2005-08-12 23:46:00
  • 208:

    まLl

    何でそンな余計なコト考えるン?お互Ll好きなンやッたラ我慢せず付き合ッたラィイ思う。もー?回?カラやリ直∪たラィイ思う。

    2005-08-19 02:03:00
  • 209:

    名無しさん

    雪弥チャンゎもぅこれ見てなぃんカナ?久々に読み返したケドゃっぱオモシロかった??

    2005-09-13 22:49:00
  • 210:

    名無しさん

    2005-11-13 09:19:00
  • 211:

    名無しさん

    これ本当は色カノやって、好きやったから美化して書いたって、本人が別の小説で言っててん。でも、ホストの知り合いって子がでてきて凄い荒れてすぐに、削除されたけど。

    2005-11-13 14:36:00
  • 212:

    名無しさん

    ↑マジ?だいぶ入り込んで読んでて『うわぁ切ね〜。うん、うん頑張れ』とか思ってたから、かなりそれショックなんやけど…

    2005-11-19 13:49:00
  • 213:

    名無しさん

    大マヂ!私も始めショックやったけど、色カノってのは本人が認めてたから。ただ、相手の男はほんまは暴力男で酷い奴、みたいなん本人が書いたら、ホストの知り合いって子が出てきて本当に酷いのは雪弥さんの方、みたいな言い合いなって削除された。その子の言ってた事が結構つじつま合ってたし。結局、どっちが本当の事言ってたかわからずじまい。ただ色って事だけは、事実やで。

    2005-11-20 00:33:00
  • 214:

    名無しさん

    2005-11-20 00:44:00
  • 215:

    名無しさん

    2006-01-10 19:22:00
  • 216:

    名無しさん

    2006-01-11 11:37:00
  • 217:

    名無しさん

    これ初めて読ませてもらいました
    すごく良かった?

    2006-01-11 11:54:00
  • 218:

    ぁゃ

    初めτ読ωナニ"ァ☆★゛
    凄<切なぃτ"すネ(;_;)
    ォ疲れ様τ"∪ナニ(*^∪^*)

    2006-01-12 00:24:00
  • 219:

    名無しさん

    2006-01-23 11:01:00
  • 220:

    名無しさん

    ≫1-200

    2006-01-25 01:34:00
  • 221:

    名無しさん

    雪弥さん元気かなぁー?

    2006-01-25 07:39:00
  • 222:

    名無しさん

    2006-01-26 09:13:00
  • 223:

    名無しさん

    2006-01-29 15:45:00
  • 224:

    名無しさん

    2006-01-29 17:42:00
  • 225:

    名無しさん

    1-200

    2006-01-29 22:00:00
  • 226:

    名無しさん

    2006-01-30 03:45:00
  • 227:

    名無しさん

    何が事実なんやろ??その後二人はどうなったのかが、死ぬほど気になる??本間にこれが色かのなんやったらショックやなぁ??

    2006-02-03 05:54:00
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