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1:
沙羅
初小説書かせてもらいます。下手ですが頑張って最後まで書きたいと思います。
2006-02-26 15:31:00 -
2:
沙羅
あたしは当時キャバクラで働いていた。その時彼と出会った。もう4年も前の事。
その日は雨でお店も暇だった。あたしはいつものようにロッカーで従業員とお喋りをしながらお客にメールをしていた。
『おは〜☆沙羅〜今日真面目に来てるやん!』とあたしに話かけてきた、この子はあたしと一番の仲良しの麻緒。2006-02-26 15:34:00 -
3:
沙羅
麻緒はあたしより三つ年上で、お店でもあねご的存在!いつも明るく、サバサバした性格で気が強い。でも実は寂しがり屋。あたしはそんな麻緒と気が合った。
麻緒には彼氏がいた。麻緒の彼氏はお店の店長。
麻緒と店長の仲はあたしだけが知っている。
2006-02-26 15:37:00 -
4:
沙羅
麻緒『聞いてやー!昨日あいつと喧嘩してん!バリむかつくわ!』といつもの様に店長との話を聞く。
麻緒と店長はよく喧嘩をする。あたしには彼氏がいないから麻緒の話を聞くのが楽しかった。
そうこうしている内に、麻緒とあたしの客が来た!2006-02-26 15:41:00 -
5:
沙羅
あたし達はオンとオフの差が激しい。仕事モードに切り替え麻緒と席に着く。
あたしのお客の名は斎藤さん、小太りのおちゃめなおじさんだった。斎藤『麻緒、沙羅の事いじめんなよ!』
いつも冗談で斎藤さんは、麻緒に言う。何故か、麻緒とあたしは仲良く見えないらしい。キャラが違いすぎるみたい。2006-02-26 15:45:00 -
6:
沙羅
麻緒はしっかりしたお姉さんタイプに見えるらしくあたしは気が弱く女の子らしく見えるらしい。ま、本当はあたしは作りキャラで、実際は麻緒よりも男っぽかったりする(笑)
そんなあたしを変える人があと少しで現われるとはこの時想像もしなかった。
2006-02-26 15:48:00 -
7:
沙羅
しばらくして、斎藤さん達はチェックをし、あたし達は見送りに出た!
麻緒『また明日待ってるで〜なぁ〜?沙羅?』
あたしも同じように『明日待ってるからね〜☆』と言って手をふった。
2006-02-26 15:52:00 -
8:
沙羅
あたし達が店に戻ると店長があたし達を待ち構えていた。店長『麻緒、沙羅コンビ行こか?あそこの新規や!』あたし達は新規客を見た。(あれれ…?どっかで見た顔??)麻緒『沙羅!あれ○○の、亮やん!』
そこに居たのはある音楽グループの一人だった。亮はスタッフの人と何人かで来ていた。店長の指示であたしがその亮に着く事になった。2006-02-26 15:56:00 -
9:
沙羅
今まで有名人に着くことは良くあるし、あたしは有名人が嫌いだ。すぐにその日に女の子をお持ち帰りしようとするし、特にミュージシャンはそんな奴が多い。
(よし!)心の中でそうつぶやきあたしは亮の隣に座り、『はじめまして!沙羅です☆』ちょっとひかえめにそう言って名刺を渡した。その瞬間亮は笑いながらあたしの渡した名刺を裏向けた。2006-02-26 15:58:00 -
10:
沙羅
(何だこいつ!怒)と思ったがあたしは、冗談ぽく、『わぁ〜ひどっ!』とちょっとスネたように言った。亮はあたしが怒るのがおもしろかったみたいで、会話よりあたしをいじめて楽しんでいた。そんなやりとりを横に座ってたまおも笑って見てた。なかなか名刺をもらってくれない亮にあたしも意地になって。(絶対こいつに名刺持って帰らしたんねん!)と心の中で思った。
2006-02-26 16:02:00 -
11:
沙羅
亮『沙羅おもろいわ!名刺はイランけど指名したるわ』(名刺は受け取れよ!指名はいらんわ!)
亮『沙羅って思った事すぐ顔に出るタイプやな(笑』(うわ〜図星)『えっ?』
そう、あたしは接客を忘れて、いつの間にか素の自分になっていた。
2006-02-26 16:07:00 -
12:
沙羅
(あかんあかん接客せな!こいつにのペースになってるやんか!)
よく見ると亮には有名人のオーラのかけらも無かった。
(案外普通の人なんや〜。喋りやすいし、なんか昔からのツレみたい…)
2006-02-26 16:12:00 -
13:
沙羅
時間が過ぎて、亮の席がチェックした。その頃には麻緒と麻緒が着いていた客と亮とあたしで話ていた。麻緒も亮が話やすいみたいだ。
麻緒が亮とあたしに『番号交換しなさいよー!』と煽ってきた。亮は照れ笑いしてる。
まおのしつこい煽りであたし達は番号の交換した。
2006-02-26 16:17:00 -
14:
沙羅
亮達を見送ってから麻緒があたしの所へ来た。
麻緒『沙羅と亮いい感じやったやん!あいつ絶対さらの事気に入ってるわ。』
沙羅『えっ?ありえへん!ま、おもしろかったけど…』あたしはなぜかくすぐったい気持ちになった。
2006-02-26 16:20:00 -
15:
麻緒
相手は有名人やし、今日の事も他店行ったら忘れるやろ…。と思ってた。
それからいつものように接客してやっと閉店。店内にラストソングが流れる。
最後の客を見送ってロッカーへ。送りが出るまでいつものように麻緒と話ていた。2006-02-26 16:23:00 -
16:
沙羅
麻緒は店長と同棲している。あたしは、一人暮らしだった。
麻緒『沙羅?さっきの亮に電話したりや?』麻緒はニコニコあたしをからかいがら言った。
沙羅『えー迷惑やと思うし営業かけてもな…苦笑い』2006-02-26 16:27:00 -
17:
沙羅
その時だった。あたしの携帯に知らない番号から着信♪〜♪〜♪
(誰?たぶんお客さん?)あたしは営業専用の声で『はい?もしもし?』と電話に出た。相手は亮だった。亮は笑ってた。
亮『何その喋り?さっきと全然ちゃうやん!』
2006-02-26 16:33:00 -
18:
沙羅
沙羅『だって誰かわからんかったもん!』
亮『ひどいわ〜ちゃんと登録しといてや〜』
沙羅『うん、あれから忙しかって、今終わったとこやねん。ちゃんと登録しとくよ☆』
亮『頼むで〜俺今ホテル着いた。明日東京戻るねん』2006-02-26 16:38:00 -
19:
沙羅
沙羅『そうなんや。
(なんかチョット淋しいやん)でもあたしは強がった。
沙羅『またこっち来る時連絡頂戴な♪』(営業!営業!)
亮『普通に連絡するし!ってか、していい?』
沙羅『うん』
少し話て亮との電話を切った。2006-02-26 16:42:00 -
20:
沙羅
そばに居た麻緒がこっちを見て笑いながら、『亮やろ?』
あたしは恥ずかしくなった麻緒『亮なんて?』
沙羅『明日東京戻るらしい。また電話するって。』
麻緒『ふぅ〜ん☆』
2006-02-26 16:47:00 -
21:
沙羅
麻緒は嬉しそうにあたしを見ている。
あたしは何故か嬉しい反面この時は亮を疑っていた。有名人だし遊んでるやろうし、あたしなんかはただの暇潰し。だから絶対ハマらんと強く思っていた。
2006-02-26 16:50:00 -
22:
沙羅
それから一週間あたしはいつもと変わらない同じ毎日を過ごしていた。ただ変わった所は亮と連絡を取り合うのが日課になっていた。
毎日話していくうちに亮の仕事に対する想いや、今日何を食べたかとか、マイブームの話とか少しずつだけど亮の事がわかってきた。2006-02-26 16:55:00 -
23:
沙羅
長い時は一時間も電話でお互いの話をした。ただあたしからは電話はかけなかった。だから亮からの電話がすごく楽しみだった。
(亮に会いたいな…)
いつの間にか亮の存在があたしの中で少しづつ大きくなっていた。2006-02-26 17:02:00 -
24:
沙羅
♪♪〜受信メール〜♪♪
亮からのメールだった。
おはよう☆沙羅起きてる?俺は今から北海道でライブです?めっちゃ寒いぞ!!風邪ひいてないか?来週大阪行くから、飯ゴチったるワン!2006-02-26 17:09:00 -
25:
沙羅
わぁ〜亮に会える!あたしは嬉しくて胸がいっぱいになった。すぐに返信する。
沙羅は元気やよ☆北海道寒いやろうな!亮こそ風邪ひきなや〜☆彡何ゴチってもらおー♪楽しみにしてるニャン☆
って送信した。
2006-02-26 17:15:00 -
26:
沙羅
亮に会うまで一週間かぁ〜あたしは一週間で出来る計画を立てた。前会った時より可愛く思われたい!!
さっそく出勤前に服を選びに、買い物へ出かけた。
買い物を済ませて、商店街を歩く。2006-02-28 23:15:00 -
27:
沙羅
あたしはここを歩くのが苦手。自然と足早になる。途中、薬局の前を通った時、亮の歌が聞こえてきた♪
あたしは思わず笑顔になった。それから一週間出来るかぎりの努力をした。
2006-02-28 23:20:00 -
28:
沙羅
エステにネイル、新しいファンデ。あっと言う間にその日がやって来た。待ち合わせは夜の9時だった。鏡の前でいつもより念入りにメイクをし、何度もチェックする。
タクシーに乗り込み待ち合わせ場所に向かった。
2006-02-28 23:25:00 -
29:
沙羅
ねぇ?亮には最後まで秘密にしてたけど、沙羅はもうこの時から亮の事好きになってたんだ。。。
2006-03-18 13:38:00 -
30:
沙羅
タクシーの中で何度も鏡で化粧をチェックする。
窓から映る景色は何故かいつもよりキラキラと輝いて見える。
タクシーの中あたしはひたすら何度も亮の顔ばかり考えていた。2006-03-18 13:47:00 -
31:
沙羅
そう、いつの間にかあたしの中にあった亮への警戒心はもうこの時にはなかった。若かったせいか?今でも不思議だけどね、亮を素直な気持ちで信じる事が自然とできたんだ。この頃は。
2006-03-18 13:55:00 -
32:
沙羅
タクシーを下り待ち合わせ場所まで歩く…何故か早足になってた。歩きながら亮にメールする。
〔沙羅はもう着くよ〜☆亮は?〕☆送信☆
すぐに亮から、〔もう着いてるし〜〕2006-03-18 14:03:00 -
33:
沙羅
もうそこにはニットを深く被りサングラス姿の亮がいた。亮はあたしを見つけて照れ笑いで『おはよ〜☆行こか』と言いタクシーを止めた。
亮『もう予約してんねん』と言い。あるカフェバーに連れていってくれた。当時20歳だったあたしには衝撃だった。
2006-03-18 16:07:00 -
34:
沙羅
お店に入り亮はビールを、あたしはカシスオレンジを注文した。
亮『沙羅あいかわらず元気そうやな。』
沙羅『亮もな!』
亮『沙羅本間おもろいわ』と亮は笑いだした。あたしは何故か昔から気のある男には男っぽい態度になる。まったく気のない人(客)には可愛く演じれるのに…2006-03-18 16:10:00 -
35:
沙羅
亮『つーか沙羅さ俺思ってたんけど一応俺のが7年先輩やねん!それを呼び捨てとか〜グチグチグチ…』
沙羅『でも亮かって沙羅って呼ぶから…沙羅も亮って呼ぶ。変?』
亮『おまえ日本語おかしいから笑』
久しぶりに見る亮の笑顔は年上なのにいたずらっぽくて胸がキュンとなった。2006-03-18 16:17:00 -
36:
沙羅
亮は熱い人で努力家ですごくプラス思考。気取らないさっぱりした性格で一緒にいてもなぜか落ち着く。
たまに変顔とかものまねしたりして笑わしてくれる。あたしは無難に生きてマイペースでマイナス思考。
ただ共通点はお互い強がりで寂しがり屋。亮のプラス思考な考えがうらやましかった。2006-03-18 16:33:00 -
37:
沙羅
お酒も入ったあたし達は沢山話をした。亮の仕事の話。これからしたい夢の話。あたしの仕事の話。音楽の話。
亮『さらの好きな男のタイプは!?』あたしは一瞬むせ返った。
そう言えば亮と恋愛テキなトークを一度もしたことがなかった。2006-03-18 18:04:00 -
38:
沙羅
沙羅『タイプはないよ!好きになった人がタイプかな』この言葉は客にも使う言葉だった。
亮『へぇー』
沙羅『亮は?』
亮『俺は…セクシーな子』
2006-03-18 18:07:00 -
39:
沙羅
沙羅『ふーん。沙羅みたいじゃない子やな!笑』
本当はショックだったけど強がった。
亮『あと、沙羅みたいなおもしろい子』
沙羅『ありがと!』照れ隠しでこう答えるしかなかった。営業され返されたような気分だった。2006-03-18 18:10:00 -
40:
沙羅
亮『今度ライブ観にきてほしい』
沙羅『うん!行く〜楽しみ☆』
亮『かっこよすぎて惚れるで!笑』
沙羅『ありえへん笑』
一瞬この時少しだけ亮が淋しい顔をした。あたしは今でもこの顔をはっきり覚えている。2006-03-18 18:16:00 -
41:
沙羅
それからまた沢山話をした。そして楽しい時間はあっと言う間に過ぎていった。
沙羅『今日は本間ごちそうさま!亮といたら飽きへんわ!ありがとう☆』
あたしは素直な気持ちで言った。2006-03-18 18:19:00 -
42:
沙羅
亮『俺こそありがとうな!楽しかったわ!また飯いこや!』
亮はあたしに無理矢理タクシー代を渡し、その押しに負けて受け取った。
亮『無事に帰ったらメールしてな』
沙羅『うんわかった〜』2006-03-18 18:26:00 -
43:
沙羅
家に着きさっそく亮にメールする!【着いたよ!本間楽しかった☆ありがとう】◎送信◎
亮【ありがとうはこっちやで、次はライブ観にきてや!沙羅とおったら俺も楽しい!おやすみ〜』
2006-03-18 18:30:00 -
44:
沙羅
その夜あたしは亮との会話を思い出して幸せな気分にひたっていた。だが、一つ不安な事があった。
亮に彼女がいるのかを聞いてなかった。あんなに話たのにお互いそんな会話はしなかった。
亮は彼女おるんかな…?2006-03-18 18:34:00 -
45:
沙羅
沙羅は亮からしたら妹みたいな存在なんかも…。
片思いやわ…。セクシーな子がタイプって言ってたし…
でも妹でも亮といたら幸せ、そんな事を考えて眠りについた。
2006-03-18 18:38:00 -
46:
沙羅
目覚めると昼過ぎだった。お客さんのメールの中に亮からのメールが一件入っていた。真っ先に亮のメールを開く。【おはよう!今からまた東京戻ります(^o^;沙羅に会ったから元気で頑張れるわ☆沙羅も無理せん程度に頑張れよ!】
2006-03-18 22:47:00 -
47:
沙羅
今日は出勤だ。昨日の事がまるで夢のような感覚だった。
あたしは店に着いてもテンションが低かった。
そこに!あたしの救世主、麻緒が登場した。2006-03-18 22:51:00 -
48:
沙羅
麻緒『気になるんやったら聞かな〜』
沙羅『そんなん急に聞いたら変ちゃう?亮からしたら沙羅は妹みたいな存在かもしれへんし。』
麻緒『大丈夫!変な事なんか一つもないで!ほんま沙羅はマイナス思考やな。』
2006-03-19 00:29:00 -
49:
沙羅
麻緒に話を聞いてもらい少しすっきりした気がした。さっそく亮にメールする。【おはよう☆亮は何してるんかな?沙羅は今お仕事中!昨日聞くの忘れてたんやけど、亮はやっぱ彼女とかいるやんな?』この文を作ったけど保存して結局送らなかった。
2006-03-19 00:31:00 -
50:
沙羅
恐かった。今は真実は知りたくない。妹でもいいから。今みたいに亮と仲良くしてたい。知らない方が幸せな事ってあると思うんだ。
2006-03-19 00:35:00 -
51:
沙羅
それから亮とたわいもないメールのやりとりをする日々が続いていた。
そして―約束のライブの日がやってきた。
2006-03-19 00:38:00 -
52:
沙羅
麻緒とあたしは会場へ向かっていた。会場の前には亮達のファンがたくさんいた。あたしと麻緒は亮が指定してくれた席に座る。
ライブの亮を見るのは初めてで、あたしは自分の事の様に緊張していた。
2006-03-19 00:45:00 -
53:
沙羅
ゾロゾロとお客さんが入ってくる。
会場が真っ暗になり音楽が流れる。すると周りの人達は皆立って。
ステージが眩しいくらい光る。
その光の中に亮がいた。
2006-03-19 00:57:00 -
54:
沙羅
初めてこの時歌う亮を見たんだ。キラキラ眩しくてまるで別人に見えて。でも少し悲しいような、せつない気持ちになったんだ。亮が遠くにいるようで…一緒に笑っていた亮が嘘みたいで…
2006-03-19 01:02:00 -
55:
沙羅
ライブが終わる少し前に関係者は楽屋に案内される。ほかにも関係者がいてみんな個室に案内されていた。あたしと麻緒も案内された。
しばらくして、個室に汗だくの亮が入ってきた!2006-03-19 01:42:00 -
56:
沙羅
亮『おつかれ〜☆沙羅と麻緒ちゃんばっちし見えてたで』
沙羅『嘘!?見えるん?』亮『ステージ側からはっきり見えるで途中よそ見してたのも見えてるし』と少し息の荒い亮はステージでは違ういつもの笑顔だった。2006-03-19 01:44:00 -
57:
沙羅
麻緒『亮ちゃんかっこよかった!なぁ〜沙羅?』
沙羅『うん』あたしは恥ずかしそうに答えた。
元気ないあたしに気付いたのか亮は、『今日スタッフとの打ち上げ終わってからやけど会えるか?』
2006-03-19 02:10:00 -
58:
沙羅
沙羅『うん。わかった。』亮はまた戻って来ると言い忙しそうに個室を後にした。その後亮のグループのメンバーのたかしくんが入って来た。
たかし『おつかれ〜亮の沙羅ちゃんだよね?』
2006-03-19 02:14:00 -
59:
沙羅
沙羅『えっ??あ、沙羅です。はじめまして』
たかし『噂は聞いてるよ!』と意味深な笑みを浮かべるたかしくん。
その時亮が入って来て、『沙羅ちゃんに麻緒ちゃん』とたかしくんにあたし達を紹介した。2006-03-19 02:18:00 -
60:
沙羅
たかし『もう自己紹介したもんね〜?』とあたし達に向かって満面の笑みで言った。
しばらく皆で話してあたし達は楽屋を後にした。
2006-03-19 02:27:00 -
61:
沙羅
麻緒と少しお茶をする事になってミナミへ向かった。二人でライブの話をしてた。あたしは一つ疑問に思った。
なんでたかしくんは麻緒と一緒にいたのにあたしが沙羅ってわかったのだろ…?
2006-03-19 06:14:00 -
62:
沙羅
麻緒は今日はこの後、お客さんと会う約束をしているらしい。
麻緒『沙羅?まだ亮に彼女いるか?聞いてないやろ?』
あたしはドキッとした。図星だった。
続けて麻緒は『今日こそはちゃんと聞くんやで?勇気出しや!』
と言い麻緒はカフェから立ち去った。2006-03-19 06:19:00 -
63:
沙羅
あたしは一人今日観たステージの亮を思い出していた
亮は人気者で、なのに何であたしみたいな普通の子を相手してくれるの?
亮と居たら自分に自信がなくなるよ…
2006-03-19 06:25:00 -
64:
沙羅
〜♪♪♪着信♪♪♪♪
亮からだった。
沙羅〔はい。もしもし?〕亮〔後少しでぬけれるから三十分後にあの場所で〕
沙羅♪〔わかった!〕
2006-03-19 06:50:00 -
65:
沙羅
今日はあたしの方が先に待ち合わせ場所に着いたみたいだった。
ショーウインドーに映る自分の姿。無愛想な顔してる。
こんな顔で会いたくない。あたしは自分の中で明るい気持ちに切り替えた。2006-03-19 17:15:00 -
66:
沙羅
亮『沙羅〜ゴメン遅くなって』少し酔っ払いの亮が現われた。
沙羅『いいよ♪』あたしは明るく答える。
亮『移動しよっか?』
そう言いあるバーに連れて行ってくれた。
2006-03-19 17:18:00 -
67:
沙羅
カクテルとフルーツを頼み。『お疲れ〜☆』と二人で乾杯した。
沙羅『今日は亮が亮じゃないみたいにかっこよかった〜!』
亮は嬉しそうな、恥ずかしそうな照れ笑いしている。2006-03-19 17:23:00 -
68:
沙羅
亮『惚れた??』
沙羅(ドキッ……!!)
沙羅『…わからん…笑…』あたしは笑ってごまかした。
(もう惚れてるし。。。と心の中でつっこんだ)
2006-03-19 17:28:00 -
69:
沙羅
沙羅『でも、やっぱ住む世界って言うか?なんかちょっと今日は、亮が遠く感じたわ…!』本音だった。
亮『今、沙羅と居る俺が本当の俺やで?』
・・・・・・・
沙羅『あっ、あの…亮は彼女とかおらんの?』
我ながら良い流れで自然と聞けたと思う。
2006-03-19 17:41:00 -
70:
沙羅
亮『え?言ってなかった?今はおらん。沙羅は?』
肩の力が少しぬけたようにホッとした。
沙羅『え?沙羅はおらんよ!おったら亮と会わへんし』2006-03-20 04:08:00 -
71:
沙羅
亮『そっか〜今日な、客席に沙羅見つけた瞬間テンションめっちゃ上がったわ!』
そう話す亮はライブの時見た亮じゃなく、あたしの知っている無邪気な笑顔の亮だった。2006-03-20 04:10:00 -
72:
沙羅
亮『あっ話戻るけど、さっき彼女おらんって言ったけど……好きな子はおる…』と少し申し訳なさそうに?亮が下を向いて言った。
あたしはショックでこの時だいぶ動揺してたと思う。2006-03-20 15:09:00 -
73:
沙羅
沙羅『そーなんや!初耳や!』と精一杯冷静を装い言った。
あたしの片思いは覚悟できてたはずなのに…
こんなに胸が痛むなんて思いもしなかった。亮が言ってたセクシーな子はその子のことやったんやね…2006-03-20 15:11:00 -
74:
沙羅
亮『沙羅?…』亮に呼ばれてあたしは我にかえった。
亮『俺…沙羅が好きや!』あたしはその言葉に耳を疑った!?
沙羅『え?』不思議そうな顔をするあたしに
亮『今日ライブ終わったら言うつもりやったねん。』と亮は恥ずかしそうに言った。2006-03-20 17:47:00 -
75:
沙羅
あたしはパニックになり言葉が出ない。
沙羅(嘘やろ?・・・)
そして、出た言葉は…
2006-03-20 17:50:00 -
76:
沙羅
沙羅『だって亮は沙羅の事好き。言うけど、沙羅信じられへん…亮は人気者やし、沙羅はただのキャバ嬢ゃし……』だんだん自分が言っている言葉が恥ずかしくなり、声が小さくなっていった。本音だった。
2006-03-20 17:53:00 -
77:
沙羅
ウジウジしたあたし。
あたしはこんな湿っぽい空気が嫌いだ。
こんな自分が大嫌いだった。逃げ出したくなる。
2006-03-20 17:55:00 -
78:
沙羅
亮『沙羅は本間マイナス思考やからな。そんな風に考えてると思ってたわ。俺な、こんな仕事してるし、沙羅が俺信じられへんのもわかる。すぐに信じろとは言わへんけど、沙羅とこれからずっと一緒にいたいと思うねん!』
2006-03-20 18:00:00 -
79:
沙羅
あたしは今まで隠してきた気持ちを吐き出す様に話した。亮はちゃんと聞いてくれた。
亮『沙羅は沙羅やろ?俺の中で特別やねん。沙羅のそのマイナス思考を俺が直したるわ』
あたしは嬉しくて泣いた。2006-03-20 18:09:00 -
80:
沙羅
亮は優しい様な少し困った様な顔で、あたしが泣きやむまで優しく手を繋いでくれていた。
バーを出ると小雨が降っていた。
亮『沙羅って雨女?』
沙羅『亮が雨男やろ?』2006-03-20 18:16:00 -
81:
沙羅
亮『沙羅さっき泣いたから沙羅が雨女やな』
と言い。亮はあたしをギュッと抱き締めた。
あたしと亮は付き合いはじめた。出会って一ヵ月が経っていた。2006-03-20 18:19:00 -
82:
沙羅
亮はなんであたしみたいな子好きになったん?
今でもわからんよ。
でもね、亮に出会えた事神様に感謝する。
そしてこの日あたし達は初めて結ばれた。
2006-03-20 18:22:00 -
83:
沙羅
亮はこの日約束してくれたよね?この言葉今でも忘れられない。
俺と沙羅は世界一笑顔が似合う二人でいよう。二人一緒に居たら自然と笑顔になれるやろ?そんな二人でずっといよう。
ちょい臭い台詞やけど、忘れる事のできない言葉…。2006-03-20 20:19:00 -
84:
沙羅
今思えばこの頃のあたしは恐いくらい幸せでいっぱいだった。でも同時に不安もいっぱいだった。
付き合った日から一ヵ月間ツアーが終わるまで亮に会えない。それでも亮はあたしが淋しくないように毎日連絡をくれた。2006-03-23 02:28:00 -
85:
沙羅
あたしは会えない淋しさを消すかの様に仕事に没頭していた。亮からもらったCDは毎日聴いている。出勤する前。寝る前。
不思議と元気になれるんだ。。。亮に会いたい。
会えないこの時期にあたしは亮をもっと好きになっていった。2006-03-28 00:06:00 -
86:
沙羅
ある日いつのも様にお店で働いていた。従業員と話ながら営業メールしていた。麻緒『沙羅おはよー!ちょっと。』とあたしは麻緒に呼ばれて店の非常階段へ行く。
沙羅『どーしたん?店長と喧嘩でもしたん??』
2006-03-28 00:09:00 -
87:
沙羅
麻緒は気まずそうな顔をしている。
麻緒『沙羅、落ち着いて聞いてや?』
沙羅『うん。何?』あたしは訳がわからなかった。
麻緒『亮の事やねんけどな…』2006-03-28 00:12:00 -
88:
沙羅
沙羅『何?』
麻緒『あくまで噂やで!?一応沙羅に報告しとかなあかんかなと思って…』
その話を聞いてあたしの頭の中が真っ白になった。2006-03-28 00:30:00 -
89:
沙羅
麻緒の話は、亮にはライブで行く全国各地に彼女がいると言う噂話だった。
あたしは脱け殻になった。頭の中で言葉が駆け巡る。じゃあ?あたしは亮の彼女じゃなくて大阪の彼女なん?亮が言ってくれた言葉は?全部嘘やったん…?
2006-03-31 02:23:00 -
90:
沙羅
その日あたしは店を早退した。にぎやかなお店のBGMも笑い声も今のあたしには小さく聞こえた。
麻緒は心配してくれていた。家に着いて玄関を開けた瞬間、緊張がとれたあたしは泣きだした。2006-03-31 02:26:00 -
91:
沙羅
亮の笑顔…信じていいん?もうわからへんよ…
泣きながらメイクを落とす。泣いても泣いても溢れ出てくる涙。
昔からあたしは泣きたい時にはシャワーを浴びる。シャワーを頭から浴びながら泣きたいだけ泣く。2006-03-31 02:28:00 -
92:
沙羅
シャワーから出て鏡を見た。
情けないあたしがそこに居た。大丈夫…。一人呪文のように何度もつぶやいていた。携帯が鳴る。亮からだった。あたしはまた泣きだした。また携帯が鳴る。
麻緒からだった。あたしは誰とも話したくなくて泣き続けた。2006-03-31 02:31:00 -
93:
沙羅
いつの間に眠ったのか?
今何時なのかもわからず、ボーっとした頭で、あたしは枕元の携帯を開いた。夕方4時過ぎだった。亮と麻緒からの着信とメールがあった。
麻緒からは励ましのメールが、亮からのメールにはいつものように今日の出来事のメールが入っていた。2006-03-31 02:35:00 -
94:
沙羅
あたしは麻緒から聞いた昨日の事を思い出し、深くため息をつき携帯を閉じた。その瞬間メールが受信された。メールをひらく。
亮からのメールだった、
〔昨日から連絡とられへんけど死んでるんか〜?心配やからまた連絡くれ☆今からリハしてくる。〕2006-03-31 02:37:00 -
95:
沙羅
あたしは返事の文を作る。〔ゴメン。昨日は酔っていつのまにか寝てた。〕と嘘の送信をした。
しばらくして亮から〔なんかあった?後で電話する〕と返事があったので返信せずにあたしはボーッとしていた。2006-03-31 02:42:00 -
96:
沙羅
亮。。。考える事は亮の事ばかりだった。やっぱり最初からあたしなんかと真面目に付き合うわけなかったんや。と自分で自分を慰めていた。
亮の言葉、あの時言った言葉、表情が、頭を駆け巡る。2006-03-31 02:45:00 -
97:
沙羅
携帯が鳴る〔着信♪亮♪〕あたしはいつものように、『もしもし♪』と元気なふりをして出た。
亮『お!元気そうやん。昨日飲んだって飲まされたんか?』
沙羅『そうやねん。』
亮『弱いくせに酔っ払うまで飲むなよ。』亮は少し怒ってた?ようだった。2006-03-31 02:54:00 -
98:
沙羅
沙羅『ごめん…!』やけに素直なあたしにビックリしたのか?
亮『なんかあったんか?』沙羅『えっ?なんもないよ!』
亮『なんかあったらちゃんと俺に教えてや?』
優しい亮の声に今にも泣きそうになる。
2006-03-31 03:01:00 -
99:
沙羅
沙羅『…亮?』
亮『ん?』
沙羅『亮…沙羅だけ好き?』気付けばその言葉が出ていた。
亮『は?何言ってるん?沙羅だけやで!どうした?』沙羅『…なんもないよ!ただ聞いただけ〜』と無理して明るく答えた。
2006-03-31 03:04:00 -
100:
沙羅
亮『おまえ強がりやし我慢して言いたい事も言えないこんな世の中じゃポイズン♪やぞ!』
沙羅『意味わからんしサムイ!何でまた反町やねん!?笑』亮のせいで自然と笑顔になってた。
亮『まぁそう言う事やから我慢せんと話してみ?』
あたしは言う気がなくなった。2006-03-31 03:07:00 -
101:
沙羅
沙羅『ホンマなんもないよ!ただ淋しくなっただけ』とごまかした。
亮『淋しい思いさせてごめんな。ツアー終わったら色んなとこ連れていく!約束する。』亮のその言葉は真実?
沙羅『うん、約束な!!』2006-03-31 03:11:00 -
102:
沙羅
しばらくしてツアーが終わった頃、亮はあたしを東京に案内した。友達と何回か行った事はあったが一人で行くのは初めてだった。
一ヵ月ぶりに亮に会えるのは嬉しかったけど、あたしはまだ【アノコト】を聞けずにいた。2006-03-31 03:14:00 -
103:
沙羅
亮の運転する車の助手席に乗る。
沙羅『わぁー亮が運転するの初めて見る笑!』
亮『大阪やったらいつもタクやもんな!』
沙羅『沙羅も免許取ろうかなって思ってんねん♪』 亮『沙羅は鈍臭いからやめとき!笑』
沙羅『ヒドイ!そんな事ないもんね!』2006-03-31 03:25:00 -
104:
沙羅
そんな会話をしながらドライブをした。まだ少し肌寒い春だった。あの時流れていたBGM聴くたびあの日に戻りたいと今でも思ってしまう。あの時の風の匂いは二度と感じる事ができないけど今でも思い出せるんよ。とても優しい風の匂い。
2006-03-31 03:30:00 -
105:
沙羅
あたしの中にある不安は亮と一緒にいたらすごく小さな事なのかもしれないと思える。きっと亮のその笑顔がそう思わせてくれるんかもね。不安も忘れてたくさん笑いあった。亮はあたしを今日一日で色んな場所に連れていってくれた。
まるで会えなかった時間を取り戻すかのように。2006-03-31 03:34:00 -
106:
沙羅
遊び疲れたあたし達は亮が住むマンションにたどり着いた。とても立派なマンションだった。エレベータに乗り部屋のドアを開けると広い玄関。
沙羅『亮こんな広いトコで一人で住んでるん?ホテルみたい〜』とあたしはキョロキョロしていた。2006-03-31 04:06:00 -
107:
沙羅
亮『気に入った?』
沙羅『へぇ?』
あたしの表情をみて亮は、『おまえ、情けない顔とアホ顔さしたら天下一品やな』と笑う。
沙羅『ほっといてー!』
その瞬間亮は『会いたかった』と言い優しくあたしを後ろから抱き締めた。2006-03-31 04:10:00 -
108:
沙羅
亮『今日まで沙羅に淋しい思いさせたからプレゼントあるねん!』と言い亮はあたしの手をとり、ポケットから指輪を出し、あたしの指につけた。あたしは嬉しすぎて泣いた。
亮『気にいらんか?』亮は少し困った顔している。2006-03-31 05:34:00 -
109:
沙羅
あたしは言葉にならない精一杯の声で『嬉しい』と言った。
亮は優しく微笑んだ。
亮『ツレのデザイナーに頼んで作ってもらったから世界に2個しかないで。』
2006-03-31 05:37:00 -
110:
沙羅
ねぇ?亮?あたしは泣き虫で、しょっちゅう泣いてたね。それでもいつも亮は優しく抱き締めてくれた。
その指輪がたとえ針金でも鉄でもあたしは泣けるくらい嬉しかったんよ。亮の気持ちが嬉しかったから。2006-03-31 05:39:00 -
111:
沙羅
沙羅『ありがとう』
あたしは笑った。その日はとても素敵な夜だった。隣で眠る可愛い無邪気な亮の寝顔を見ながら何度も薬指の指輪をあたしは眺めて嬉しくなって、なかなか眠れなかった。2006-04-01 02:03:00 -
112:
???
しおり?
2006-04-01 02:47:00 -
113:
沙羅
???さん、初しおり??ぁりがとぅこざぃます??誰も読んでなぃと思ってたから嬉しぃです?下手ゃしただの自己満小説ですが?読んでくれて本当にありがとうございます?
2006-04-01 22:23:00 -
114:
沙羅
目覚めると隣には亮の姿はなかった。カチャカチャとキッチンから音がしていた。寝室を出てキッチンへ向かう。亮が台所で朝食を作っていた。
亮『おっ起きた?もうちょっと待ってや!!』
二人で朝食をとる。
2006-04-01 22:25:00 -
115:
沙羅
沙羅『今日は沙羅が夜ご飯つくるな!』
亮『マジ?手料理たのしみ〜』本当に嬉しそうな顔をする亮。
同じ時間一緒に過ごしてる事だけであたしは幸せでいっぱいだった。
2006-04-01 22:29:00 -
116:
沙羅
亮と繋がっているこの左手は暖かくて優しくて特別な様な気がしてあたしの胸が熱くなる。
亮を知っている人はこの街の中に沢山いて、あたしの事を知る人は誰もいない。2006-04-01 22:38:00 -
117:
沙羅
(あたしには亮しかいなくて、亮には?あたしだけ?じゃないんやよね……?
ねぇ?あたしだけ舞い上がってるの…?)
あたしは亮の横顔を見ながら心の中でそう呟いた。2006-04-01 22:41:00 -
118:
沙羅
映画館の中で亮は映画に釘づけだった。あたしはなぜか亮のライブを観た時の事を思い出していた。こんな風に真っ暗でスクリーンには亮が映っていて、でも今はこうして隣でしっかりと手を繋いでいる。その繋いだ手にはお揃いのリングが光っていた。
2006-04-01 22:47:00 -
119:
みー
読んでまス?この後が気になる???がんばって?サィ??
2006-04-01 23:17:00 -
120:
沙羅
みーさん?ぁりがとぅございます?読んでくれてる人が居るなんてマジ感激です?ほぼ実話で、っまらなぃかもしれませんが、頑張ります??
2006-04-02 01:30:00 -
121:
沙羅
夜ご飯は亮のリクエストでハンバーグを作った。亮は『おいしい』と何度も褒めてくれてあたしは嬉しかった。
明日になればあたしは大阪に帰らなければいけなかった。だんだん時間が過ぎていくたび、お互い寄り添い抱き合った。2006-04-02 01:32:00 -
122:
沙羅
沙羅『亮…?起きてる?』亮『起きてるよ』
沙羅『こんなに幸せすぎて怖い。沙羅、絶対いつか罰当たるわ』
亮はあたしの言葉に笑っている。
亮『沙羅に罰当たったら守るから大丈夫!』2006-04-02 01:34:00 -
123:
沙羅
ねぇ?亮?あたしの罰は、亮を失う事だったらどうしょう…。今感じる幸せが明日、目覚めると消えてしまってたらどうしょう…
亮『沙羅…?どうした?』あたしは何故か涙が出ていた。その雫が亮の腕に落ちていた事にも気付かなかった。2006-04-02 01:36:00 -
124:
沙羅
沙羅『…』
あたしは言葉が出なかった。ただ涙が溢れて止まらなくて、子供みたいに泣いた。
亮はそんなあたしを抱き締めて子供をあやすように頭を優しく撫でてくれていた。
亮『どうした?我慢せずにことばにしてみ?』
2006-04-02 01:39:00 -
125:
沙羅
亮のその言葉で、あたしは今まで我慢してた心の糸が切れたようになった。
すごく怖かったけどこれ以上自分のキモチを隠す事はできなかった。
きっとまだ子供だったから。2006-04-02 01:41:00 -
126:
沙羅
あたしは麻緒から聞いた噂話を亮に話した。
亮はしばらく無言だった。そして深くため息をつき、小さなかすれた声でこう言った。『ゴメン…』
亮『沙羅の不安に気付いてあげれなくて、ごめん。』2006-04-02 01:45:00 -
127:
沙羅
そして亮は語りだした。
まだ、あたしと亮が出会う一年前に亮には彼女がいた。その彼女は束縛が強く、何かあるたびに不安になり手首を切ったらしい。
そんな、彼女に亮は必死で向き合う努力をしたんだって。亮は優しいもんね。
でもある日その彼女が他に好きな人が出来て、亮の元から去っていった。2006-04-02 02:01:00 -
128:
沙羅
それから亮は女性がわからなくなってその答えを捜すかの様に色んな女の子と付き合う様になった。
そんな時あたしと出会った。2006-04-02 02:03:00 -
129:
沙羅
亮『沙羅に出会った時な、まっすぐな子やなって思った。でも、こいつは自分自身に一生懸命バリアを張って生きてるなって思った。最初はな、ただ興味本意やったけど、だんだん沙羅を知る様になって、すぐ泣くし、でも強がるくせに弱かったり、訳解らんけどなんか落ち着くって言うか…』
2006-04-02 02:07:00 -
130:
沙羅
ゆっくりと、あたしの目を見て話す亮にあたしはうなずく事しかできなかった。亮『沙羅と付き合ってからはその子達とは連絡もとってない。だからそんな噂が出たんやと思う。』
沙羅『ホンマ?本間にもう連絡取ってないん?ツアー中も?』
2006-04-02 02:11:00 -
131:
沙羅
亮『信じて。沙羅と付き合ってからはないから』
そう言って、亮は立ち上がってあたしの頭を軽くポンッとたたいて、部屋を後にした。
あたしは取り残されたみたいな気分でベットから窓を眺めた。何時の間にか雨が降っていた。2006-04-02 02:13:00 -
132:
沙羅
しばらくして亮は笑顔で帰ってきた。
亮『俺、沙羅のマイナス思考治したるってかっこつけて言ったのに、不安にさせて全然いけてないな〜』と苦笑いしながら言い、あたしの手を取り、あたしの掌に冷たく光った物を渡した。2006-04-02 03:32:00 -
133:
沙羅
亮『もう一個のプレゼント!』亮は無邪気な子供みたいな笑顔でそう言った。
それは亮のマンションの合鍵だった。
沙羅『…?』
亮『普通のカップルみたいにずっと一緒にはおれんけど一緒に暮らす!』2006-04-02 03:35:00 -
134:
沙羅
沙羅『えっ?暮らすって、普通は暮らそう?とか言うもんちゃうん?もう決まってんの?』
亮『もう決まってる!嫌か?』あたしは首を横に振った。
沙羅『暮らす…!』
あたしはそう言って恥ずかしそうに笑った。2006-04-02 03:43:00 -
135:
沙羅
亮『沙羅は泣いたり笑ったり忙しい子やな。』と言い亮も笑った。
こうして、あたしと亮は同棲する事になった。
店を辞め、あたしは東京へ行く事になり、亮のマンションでの同棲生活が始まる。2006-04-02 22:43:00 -
136:
みー
沙羅サン?忙しいかもしれへんケド更新楽しみにしてるんで待ってまス??東京いいな??ワラ
2006-04-04 18:09:00 -
137:
沙羅
みーさんぁりがとぅです?頑張ります??
少し更新させてもらぃます?2006-04-05 03:24:00 -
138:
沙羅
東京に旅立つ前の晩。
あたしは麻緒と店長の住む家に泊まった。
麻緒『沙羅!絶対亮と幸せになりや!!』
沙羅『うん、でも沙羅、同棲とか初めてやし…ちょぃ不安や〜』
麻緒『ま、トキメキはなくなるわな。』麻緒は、店長をチラッと見て意味有りげにそう言った。店長は苦笑いしている。楽しい夜だった。2006-04-05 03:26:00 -
139:
沙羅
朝まで語り最後に麻緒は、あたしにこう言った。
麻緒『沙羅がいなくなるん淋しいけど、沙羅には幸せになってほしい!もし、辛くなったりしたら、いつでも帰っておいでや?』そう言った麻緒の目には涙が、かすかに滲んでいて泣かない様に我慢していたのが解った。それを見たあたしは泣いて、麻緒に抱きついた。
2006-04-05 03:30:00 -
140:
沙羅
新しい生活。あたしは知らない土地で暮らす事への憧れに心踊らせていた。
時は四月。桜がとても綺麗で、心地いい風があたし達の新たな始まりだった。
あたしには、東京に知り合いはいなかった。
でもね、沙羅は亮さえ居たら何もいらんって本気で思えた。亮がそばにいてくれるだけで…満たされていた…2006-04-05 03:39:00 -
141:
沙羅
初めての同棲生活はとても新鮮な毎日。亮はあたしを色々な場所に連れていってくれて毎日が冒険みたいだった。それと同時に亮はあたしにたくさんの安心をくれた。だからあたしは亮を心から信じる事ができた。
2006-04-06 07:27:00 -
142:
沙羅
この日はお昼から亮は仕事で、夜に帰宅すると言っていた。亮の帰りを待つあたし。
♪〜♪〜♪メールが受信された!
亮からのメールだった。
一緒に暮らしてからも、亮は変わらずマメに連絡をくれる。2006-04-06 20:44:00 -
143:
沙羅
〔もうすぐ帰るな!今日夜から出かけるから用意しといて!!〕
あたしは〔わかったー〕とメールを送信して、出かける準備を始めた。
2006-04-06 20:48:00 -
144:
沙羅
この日亮は、あたしをクラブのパーティーに連れていってくれた。あたしはこの時初めてクラブに足を踏み入れた。
スピーカーから出る爆音。そして踊る男女。
離れないように亮の手をしっかり掴み、あたし達は奥へと人を掻き分けながら進んでいった。2006-04-06 20:51:00 -
145:
沙羅
あたしはキョロキョロしていた。まるで外国に来たみたいな気分だった。
奥には個室があり、そこには亮のグループのメンバーが何人か来ていて、みんな彼女?連れだった。2006-04-06 20:54:00 -
146:
沙羅
たかし『おー沙羅ちゃん!オヒサ〜!』
沙羅『久しぶりです』
たかしくんに会うのは大阪でのライブ以来だった。
相変わらず満面の笑みのたかしくん。
たかしくんの隣には小さくて綺麗な女性があたしを見てにっこりと笑っていた。2006-04-06 20:58:00 -
147:
沙羅
たかし『あっ、こいつあゆって言うんだ。一応俺の女!』そう言い、少し照れながらたかしくんはあゆさんの肩に手を回した。
あゆさんはまたにっこりとあたしに笑顔をむける。
その笑顔はまるで天使の様であたしは見惚れてしまっていた。2006-04-06 21:02:00 -
148:
沙羅
あゆ『亮ちゃんの彼女の沙羅ちゃんだよね?噂はきいてるよ☆』そう言い、とても可愛い声の天使は、いたずらっぽい顔で亮とあたしに微笑みかけた。
沙羅『はじめまして沙羅です!』あたしは少し緊張して答えた。2006-04-06 21:06:00 -
149:
沙羅
たかしクンと亮は違う場所に行き、あたしとあゆさんで話ていた。
あゆ『亮ちゃんって、すーごく優しいでしょ?』あたしは恥ずかしいような嬉しい気持ちになった。
沙羅『優しいですよ。でもたかしくんも優そうですよね?』
あゆ『関西弁って超〜可愛い〜ね!』
2006-04-06 21:10:00 -
150:
沙羅
そしてあゆさんは語りだした。
あゆ『たかしっちは冷たいの。亮ちゃんみたいに優しかったら〜って思っちゃうよ…』そう言って少しせつない顔をした。
あゆ『亮ちゃんね、沙羅ちゃんの事可愛いねーん!っていつも自慢しているよ!』とまるで自分の事のような嬉しそうな顔をして話す。
沙羅『えっ?そんなん外で言ってたんですか?』あたしはくすぐったい気持ちになった。2006-04-06 21:17:00 -
151:
沙羅
あゆ『今度四人で遊びに行こうよ♪』
そう言い、あゆさんとメアドと携番の交換をした。
それから皆で話たりして。亮とあたしはクラブを後にした。
東京に来て初めて知り合いができた事にあたしはとても嬉しかった。2006-04-06 23:50:00 -
152:
沙羅
沙羅(あゆさんは良い人そうだし、仲良くなれそう!!)
あたしは帰りの車の中でもウキウキしていた。
亮『さっきからおまえずっと顔面、笑ってるぞ!?』沙羅『えー?だって嬉しいねんもん♪』
亮『は?何が?』
2006-04-07 00:05:00 -
153:
沙羅
沙羅『東京で初めて友達できたから☆』
亮『ふーん…』亮は適当な返事をした。
沙羅『あゆさんって、素敵な人やよな〜なんか憧れる!っ綺麗で明るくて、女の子!って感じやし♪』
亮『まーなっ!』
2006-04-07 00:08:00 -
154:
沙羅
沙羅『そういや、今日あゆさんから聞いちゃった!』あたしは、わざと標準語で可愛くこう言った。
亮は苦笑いでこっちを見た。亮『何を?』
沙羅『亮、みんなに沙羅の事自慢してるって言ってた♪♪』
亮は恥ずかしそうに、目をそらした。
2006-04-07 00:12:00 -
155:
沙羅
沙羅『ありがとう』
こっちに知り合いがいないあたしの為に亮がしてくれた優しさに、あたしはそう答えた。亮は恥ずかしそうに、また笑った。
2006-04-07 01:01:00 -
156:
名無しさん
http://kuni.tv/?RF=1&frdref=30605
2006-04-07 01:05:00 -
157:
沙羅
この頃のあたしは亮の彼女である事に少しづつ自信がもてるようになっていた。きっとそれは亮のおかげだ。亮はあいかわらず忙しくしていた。そんな亮をあたしは支えてあげたい、癒してあげたいと思うようになっていた。
2006-04-09 04:20:00 -
158:
沙羅
しばらくして東京にも馴れてきた頃、季節は夏だった。亮は仕事で家をよく空ける事が多くなっていた。
いつものように亮の帰りを部屋で待っていた。
ガチャガチャ。鍵を開ける音が玄関でした。あたしは急いで玄関まで早足で迎う。
2006-04-23 08:13:00 -
159:
沙羅
この日は三日間離れ離れだったあたし達。あたしは亮に会える喜びでいっぱいだった。
亮『ただいまー』
いつものように亮が玄関に立っていた。
あたしは亮の胸に顔をうずめて目を閉じた。亮はあたしをやさしく抱き締めてくれた。2006-04-23 08:31:00 -
160:
沙羅
沙羅(あれ…?)
亮の足元には小さな箱があった。
沙羅『これ何?』
亮はニッコリ笑う。
亮『沙羅のトモダチや!』
そう言い亮は嬉しそうに笑う。2006-04-23 08:33:00 -
161:
沙羅
その瞬間。箱がゴソッと音を立てて動いた。
あたしはその箱を恐る恐る覗きこんだ。
そこには、可愛いブルーの目であたしを見つめる子猫がいた。
沙羅『かわいい〜!』
亮『ニャンや!』2006-04-23 08:36:00 -
162:
沙羅
沙羅『えっ?どうしたん?この子?』
亮『買ってきた!こいつ俺を見つめるから、運命かな?って思ってな。』
あたしは急いで箱からその子を出し、抱き抱えた。
亮はあたしが淋しい思いをしないようにと思って、ペットショップに行って、ニャンに一目惚れしたらしい。2006-04-23 08:39:00 -
163:
沙羅
この日は一日中ニャンの名前を二人で考えた。
亮は〔太郎〕とか〔コウジ〕とかふざけて言ってた。あたしは絶対に横文字の名前にしたかったので却下した。亮はその後もふざけていたが、悩んだあげくニャンの名前は【レイン】になった。2006-04-23 08:42:00 -
164:
ミリ
読んでるよぉ☆頑張ってね〜(^-^)
2006-04-23 16:52:00 -
165:
沙羅
ミリさん読んでくれてぁりがとうございます??
頑張ります??2006-04-23 20:48:00 -
166:
沙羅
あたし達はそれからレインに夢中だった。レインはおとなしい子だった。亮よりレインと過ごす事が多いあたしにレインはなついた。たまに亮と喧嘩をしてもレインがきてからは、お互いすぐに自然と仲直りするようになってた。
あたし達にとってレインは大切な家族になっていった。2006-04-23 20:50:00 -
167:
沙羅
あたしは今思えばこの時期たくさんの愛を学んだんだ。亮への愛。レインへの愛。そして離れて暮らす家族や友達の愛。
大切なものがたくさんあった。そのたくさんの大切な愛に囲まれていた。
きっと一生分の幸せを感じていたんだと思う。2006-04-23 20:52:00 -
168:
沙羅
たまに亮と喧嘩もした。些細な理由が多かった。喧嘩になるとウジウジするあたしに亮はいつも『我慢せずにことばにしてみ?』と言ってくれた。あたしは幸せに包まれていた。十分すぎる程の幸せ。なのに、人ってそれが当たり前になっちゃって。もっともっとって欲しがってしまう。
2006-04-23 21:00:00 -
169:
沙羅
ある日、あたしはそれとなしに亮に聞いた。
沙羅『亮?沙羅と付き合って沙羅、弱虫やから嫌?』亮はあたしの変な日本語をすぐ理解してくれる。
亮『俺ホンマの沙羅が好きやねん。弱虫でもそれが沙羅やろ?日に日に好きになってるで!最初に会った時より今の方がだいぶ好き!』そう言い亮ははにかんだ。この幸せがずっとずっと続くとあたしは信じていた。2006-04-23 21:06:00 -
170:
沙羅
夏真っ最中。あいかわらず忙しい亮。この日は久しぶりのオフで、亮とたかしくんとあゆさんとで海に行った。バーベキューをして、夜にはみんなで花火をした。みんな無邪気にはしゃいでた。あたしは、はしゃぎすぎて亮のお気に入りのTシャツを少し燃やしてしまった。亮はすごくショックがっていた。
たかしくんとあゆさんはそれを見て笑ってた。2006-04-23 22:35:00 -
171:
沙羅
締めはお決まりね線香花火。
あたしとあゆさんはキレイ!キレイ!としつこいくらい言ってた。だって本当にすごくキレイだったから。キラキラしてて眩しくて。
でも、花火が終わった後の静けさは何故か寂しいようなせつない気持ちになる。でも、とても楽しい夜だった。2006-04-23 22:50:00 -
172:
沙羅
お決まりね×
お決まりの○
2006-04-23 22:54:00 -
173:
沙羅
お盆になると、あたしは大阪の実家に少しだけ帰る事にしていた。亮は東京駅まで見送ってくれた。
沙羅『無事に着いたら電話するな』
亮は少し寂しそうだった。亮『うん。気を付けや!』あたしは元気に亮にむかって手を振った。
東京に移ってから実家に帰るのは約4ヵ月ぶりだった。2006-04-23 23:06:00 -
174:
沙羅
(やっぱ大阪は落ち着くな〜)実家でゆっくりと過ごしていた。
久しぶりに会う父と母との時間。家族の温かみをあらためて感じた。
一日がとてもゆっくりと流れていった。亮からメールが受信された。
〔いつも俺が出ていく方やけど逆やったらこんな淋しいんやて気付いたわ!沙羅の気持ちあらためてわかった。いつもゴメンナ。〕
あたしはこのカワイイメールを見て心が暖まった。すぐ亮に返事をする。2006-04-23 23:33:00 -
175:
沙羅
〔レインといい子にしててな☆帰ったらギュッてしてあげる(*^_^*)〕
いつもあたしに言う、亮の言葉をあたしはそのまま亮に送った。
あたしは次の日麻緒に会うためミナミにいた。
なぜか町並みがすごく懐かしい景色に見えた。4ヵ月前までは毎日のように歩いてたのに。2006-04-23 23:50:00 -
176:
沙羅
麻緒『沙羅〜!』
4ヵ月ぶりの麻緒が笑顔でそこにいた。
あたし達は久しぶりに会うのもあって、お互い話したい事だらけだった。お茶をしながら店長や店の事を話す麻緒。どうやら麻緒は元気で店長とも変わらず仲良くしているみたいだ。
麻緒『で?沙羅はどないなんよ?亮とうまくいってるん?』
沙羅『うん。いってるよ』あたしも東京に行ってからの出来事を麻緒に話した。2006-04-23 23:55:00 -
177:
沙羅
長時間お喋りは続いた。
そして麻緒と別れてあたしは実家に戻った。
〜♪〜♪〜着信〜♪〜♪
亮からの電話だった。
沙羅『もしもし♪』2006-04-24 00:58:00 -
178:
沙羅
亮『俺やけど、そっちはどうや?』
沙羅『ゆっくりしてるよ』亮『そうか。』
沙羅『亮は〜?なんも変わった事ない?』
亮『ないけど、帰って玄関開けたらレインしかおらんしな!』少し寂しそうに話す亮が可愛く思えた。
沙羅『明後日なったら帰るし、レインと仲良くしててな♪』2006-04-24 01:04:00 -
179:
沙羅
亮『うん。今からいってくるわ〜!』
沙羅『いってらっしゃい。頑張ってきてな!観てるからね〜』
今日は、亮達が生放送のテレビに出る日だった。
亮の歌う姿を観れるのは久しぶりだったから、あたしはこの日が来るのを密かに楽しみにしていた。2006-04-24 01:08:00 -
180:
沙羅
番組が始まるまでに家族で夕食をとり、あたしは自分の部屋に入ってソワソワしながらテレビをつけた。
ブラウンカンの向こうには亮がいた。たかしくんや他のメンバーも映っていて。なんだか嬉しい気持ちになる。
(てか!?亮かっこつけすぎやろ…?)
ちょっと緊張している様にも見えた。2006-04-25 20:21:00 -
181:
沙羅
その表情を観て何故かあたしまで緊張ていた。
歌が始まりあたしはある事に気付く。
沙羅(あれ…?)
亮の薬指にペアーリングが付いてない。
あたしは自分の薬指を眺めた。2006-04-25 20:23:00 -
182:
沙羅
(仕事だし仕方ないよね…)あたしは心を落ち着かせた。
歌う亮はやっぱり別人だった。あたしはテレビの中の亮に釘づけになる。
ブラウンカンに映る亮がなぜかとても遠くに感じた。
歌が終わって、亮が隣に座る女性歌手と笑顔で何か喋っているのが映っていた。2006-04-25 20:30:00 -
183:
沙羅
あたしの気持ちはちょっとモヤモヤした。
(なんか…ちょっとムカツクっ…ま、仕事やししかたないか…)
次の日あたしは予定より早く東京に戻ることにした。亮には内緒で。
東京に着いてタクシーでマンションに向かっていた。亮をビックリさせたかった気持ちと、昨日観た映像が気になったから。
なぜか亮が遠くに行っちゃうような気がして…2006-04-25 20:38:00 -
184:
沙羅
マンションに着いて、鍵を開け、玄関の扉を開く。
電気は消えていて、リビングからレインが〔ニャッ〕と可愛い声であたしを迎えに来てくれた。
あたしはレインに小さい声で『ただいま』と言い、レインを撫でてから家の中へ。
寝室のドアの向こうには、亮がスヤスヤと寝息をたてて気持ち良さそうに眠っていた。2006-04-25 23:24:00 -
185:
沙羅
あまりにも気持ち良さそうに眠る亮を、起こさずにあたしはしばらく亮の可愛い寝顔を見ていた。
亮の指には、昨日付いていなかった、あたしとおそろいのリングが光っていた。あたしはそんな亮を後にし、夕食の買い物に出かけた。
買い物から帰ってからも、まだ亮は眠っていた。
沙羅(昨日いったい何時まで起きてたんかな?)
そんな事を思いながら、台所に立ち夕食の準備をする2006-04-25 23:29:00 -
186:
沙羅
今日は、亮が大好きなオムライスを作る事にした。
【カチャッ】寝室のドアが開く音がした。
その瞬間、『沙羅〜?』と亮のかすれたがあたしの後ろで聞こえた。
振り返るとそこには、まだ眠た気な亮が、目をパチパチしながら驚いた顔であたしを見ていた。
2006-04-25 23:45:00 -
187:
沙羅
※上訂正します??
今日は、亮が大好きなオムライスを作る事にした。
【カチャッ】寝室のドアが開く音がした。
その瞬間、『沙羅〜?』と亮のかすれた声があたしの後ろで聞こえた。
振り返るとそこには、まだ眠た気な亮が、目をパチパチしながら驚いた顔であたしを見ていた。
2006-04-25 23:49:00 -
188:
沙羅
沙羅『ただいまー♪ビックリしたぁ〜?』
亮はフニャッと笑顔になり、あたしの傍に来て、まるで子供みたいに何も言わず、あたしに抱きついた。
昨日テレビで見た亮とはまるで別人だった。
あたしはそんな亮がとても愛しくて、優しく亮を包み込んだ。
その様子をレインは目を丸くして見ていた。2006-04-25 23:53:00 -
189:
みー
リアルタイム???更新いっぱいされてて嬉しいです??レイン?もタイトルと関係あるのかな?がんばってください?
2006-04-25 23:58:00 -
190:
沙羅
ありがとうございます??レインの名前は本当の名前じゃなぃんですょ??実話なんですが、一応、細かぃ所ゎバレなぃ様に変ぇさせてもらって書ぃてぃます。本当は、レインは犬だったりします??
2006-04-26 00:48:00 -
191:
沙羅
二人で食卓を囲んで食事をする。
亮『なんで今日帰って来てくれたん?』
沙羅『亮に会いたくなったから♪』
亮はとても嬉しそうな顔をした。
沙羅『昨日終わってから帰るん遅かったん?』2006-04-26 01:01:00 -
192:
沙羅
亮『朝まで飲んでたな〜』沙羅『ふーん。』
亮『昨日みてたん?』
亮は恥ずかしそうにあたしにそう聞いた。
沙羅『うん。みてたよ〜』あたしは昨日の事を思い出して、亮の指を見つめた。沙羅『指輪ついてる。』
亮はあたしが何を言いたいのか、すぐにわかったらしく少し焦ってた。2006-04-26 01:04:00 -
193:
沙羅
亮『仕事ん時はな…』
沙羅『沙羅はずっと付けてるのに、指輪つけたら、なんか困る事あるん?』
亮『ファンの子とかうるさいから、でも、仕事以外はずっとつけてる。』
あたしは亮の言葉を流すように『昨日も楽しそうに女の子と喋ってたし、外す意味がわからん!』
気まずい空気が二人を包む2006-04-26 01:54:00 -
194:
沙羅
沙羅(こんな事言うつもりじゃなかったのに…どうしょう……)
亮『沙羅怒ってるんか?』あたしは亮のその言葉を無視してリビングを立ち去った。
いつもならすぐに、亮があたしの機嫌を取りにくるのに、今日は来なかった。
あたしはその事も気に入らなくで、一人で更にイライラしていた。あたしは子供だった。2006-04-30 00:48:00 -
195:
沙羅
深いため息をつく。頭の中でさっきの出来事を考えた。
(あたしだけが我慢しなくちゃいけないの…?)
『トン・トン』
あたしの背中のドアを叩く音だった。ドアを開けるとそこには、暗い顔をした亮が立っていた。2006-04-30 00:51:00 -
196:
沙羅
亮『ゴメン…指輪の事は謝る。けど、俺の仕事の事も少しはわかってくれ…』
沙羅『……』
亮はすごく困った顔であたしを見つめてそう言った。
あたしは亮の辛い顔や悲しい顔を見るのが嫌いだった。
でも今、亮をそんな顔にさせているのはあたしなんだ…あたしのせいなんだ…2006-04-30 00:57:00 -
197:
沙羅
胸が締め付けられるような気持ちになる。
沙羅『ごめん…わかってるねん。ごめん…』
あたしは泣きながらそう言った。
亮は大切な人なのにあたしは自分の事しか考えてなくて、亮の気持ちを無視したんだ。2006-04-30 00:59:00 -
198:
沙羅
亮の悲しい顔があたしの心に突き刺ささって苦しい。あたしは泣き崩れた。
そして、亮はそんな、あたしの元にゆっくりと近付き、こう言った。
亮『俺が大切にしたいんは沙羅だけやねんで?』
あたしはその言葉でまた泣いた。2006-04-30 01:02:00 -
199:
沙羅
いっぱい二人笑顔で笑い合いたいのに…亮を支えてあげたいのに…亮を幸せにしてあげたいのに…
あたしの中で遠い記憶がよみがえる…。【ママ…】
昔、まだ幼い頃、ママはイライラすると、よくあたしにあたった。あたられたあたしは怖くて泣いていた。
時間が経つと冷静になったママがいつもあたしに、『ごめんね』と言い抱き締めてくれた。ママの目は涙で光っていた。2006-04-30 01:18:00 -
200:
沙羅
とてもとても大切な人を、守ってあげたい人を、傷つける事はこんなにも心が痛くて苦しいなんて知らなかった。
きっとあの時のママも今のあたしみたいな気持ちだったのかな…?
あたしは心の中で、亮に対して(ごめんなさい)と何度も呪文のように言っていた。2006-04-30 01:22:00 -
201:
沙羅
しばらくして泣き止んだあたしは、亮に向かって『ごめんなさい』と言葉にして言った。
亮はあたしを優しく抱き締めてくれて、こう言った。
亮『次はおそろいのブレスレットにしよか!ブレスやったらずっとつけてられるしな!』
沙羅『うん♪』
亮『じゃあ、今度の休み一緒に買い物行こか』2006-04-30 02:45:00 -
202:
沙羅
沙羅『行く〜楽しみぃ!』あたしは何時の間にか知らぬ間に笑顔になっていた。
沙羅『亮?沙羅もう亮を困らせなくない。沙羅これからは強くなる!』
亮『気にすんな!沙羅はそのままでいたらいい』
沙羅『嫌や!沙羅強くなるもん!』2006-04-30 02:49:00 -
203:
沙羅
亮『無理はせんでいいねん、言いたい事はちゃんと言わなあかんで!?わかったか?』
沙羅『わかった』
亮は我慢されるのが嫌な人だった。
昔付き合った人が我慢して強がってて、亮はそれに最後まで気付いてあげれなくて。結局一緒に過ごした日々がまるで偽りの様だったらしい。
中身のない付き合いだったって言っていた。2006-04-30 02:53:00 -
204:
沙羅
亮はいつもあたしに『我慢せず言葉にしてみ?』って言うのが口癖だった。
その言葉はまるで魔法の言葉のようで、背伸びしなくていいんやで?って言われてるような気がして、あたしはその言葉で救われていたのかもしれない。
それは、亮の優しさだった。
亮は本当の優しさを持つ人2006-04-30 02:59:00 -
205:
名無しさん
書いてえ??
2006-05-02 01:18:00 -
206:
沙羅
それから一週間後。亮はあたしにブレスを買ってきてくれた。あたしは嬉しくて笑顔になる。亮もそんなあたしを見て笑顔だった。
亮は仕事の時も、ずっとブレスを付けていてくれた。あたしもずっと付けていた。あたしにとってそれはお守りだった。亮に会えない時もあたしを元気にしてくれる。2006-05-06 00:23:00 -
207:
沙羅
季節は秋。亮の仕事が少し落ち着いて、一緒に過ごす時間が前よりも増えて、あたしは嬉しかった。
しかし、それは束の間の休息。
冬になれば、亮は忙しくなる。クリスマスライブ。カウントダウンイベント。
年が明けてからは、すぐに全国ツアー。
相変わらず亮の今後のスケジュールは大忙しだった。2006-05-06 00:25:00 -
208:
沙羅
年末になると会えない時間が増えるため、あたしに淋しい想いをさせるからと言って、亮はこの時期にあたしを旅行に連れていってくれた。二人っきりで旅行するのはこれが初めての事だった。
おいしい料理を食べて。温泉に入って、のんびりと過ごした。
ゆっくりと流れる時間に、あたしは確かな幸せを感じていた。2006-05-06 00:28:00 -
209:
沙羅
東京に戻ってからも色々な場所へ二人で出掛けた。
なぜか普通のカップルになった気がしてあたしは嬉しくて幸せだった。
亮と過ごす一日があたしには、とても大切だった。
たまに喧嘩もしたけど、この二ヵ月間は、あたしにとって毎日が喜びに満ちていた。そんな風に二ヵ月はあっという間に過ぎていった。2006-05-06 00:40:00 -
210:
沙羅
12月。街はクリスマス前で、いつもよりにぎやかになる。
街に流れる音楽もクリスマス一色だった。
この日は、たかしくんとあゆさんとあたし達で鍋パーティーをした。
みんなでスーパーで買い物をして、たかしくんとあゆさんの住むマンションへ迎う。2006-05-06 00:56:00 -
211:
沙羅
マンションでは亮とたかしくんはゲームに夢中だった。 あたしとあゆさんはキッチンで鍋の用意をしていた。
あゆ『亮ちゃん優しいな』沙羅『え?』
あゆさんがいきなり、何の前触れもなく言うからあたしはビックリした。2006-05-06 00:59:00 -
212:
沙羅
あゆ『だって、さっき、買い物してた時も荷物とか持ってくれたり、沙羅ちゃんの手つないだりしてたじゃん!いいな〜』
あたしは恥ずかしくなった。
沙羅『あっ、あれは沙羅が鈍臭いからいつもしてくれるんですよ!手つないでなかったら迷子なる!とか亮は思ってるみたいで!笑』あたしは照れ隠しするようにそう言った。
でも実際そうだ。亮はいつもあたしが迷子になるとか車にひかれそうになるとか、いつも言ってた。
あゆ『亮ちゃんらしいね』あゆさんは笑いながらそう言った。2006-05-06 01:03:00 -
213:
沙羅
沙羅『いつも子供あつかいされるから嫌ですよ〜↓』あゆ『沙羅ちゃんはさ、亮ちゃんと結婚とか考えてないの?』
沙羅『え?まだ早いですよ〜なんでですか?』
あゆ『そうだよね〜。まだ沙羅ちゃん若いもんね!』そう言い小悪魔チックな笑顔を見せるあゆさん。2006-05-06 01:06:00 -
214:
沙羅
結婚か……
そう言えば、そんな事考えた事なかったかも…亮と一緒にいれるだけで幸せやし…。
たかし『あゆ〜?まだ?』お腹をすかした子犬みたいな顔で、たかしクンがこっちを覗きこんでそう言った。あゆ『もうすぐだよ!』
この日は、みんなで鍋を囲み楽しいお喋りとお酒と音楽の中で騒いでいた。
2006-05-06 01:11:00 -
215:
沙羅
みんなお酒が入って出来上がっていく。あたしは元キャバ嬢なのに四人の中で一番お酒が弱かった。
あたしはあゆさんに日本酒を飲まされて、かなり酔っていた。
しばらくしてみんなダウンしていった。たかしくんが一番最初に自分の部屋に眠りにいった。
あゆさんとあたしと亮だけで喋っていた。2006-05-06 01:15:00 -
216:
沙羅
あゆ『最近たかしっち、すぐ寝るのよ〜』
あゆさんはトロンとした目をして淋しそうにそう言った。そして次の瞬間泣き出した。
沙羅(えっ?)って思った瞬間、亮を見たら亮は爆睡していた。
あゆ『亮ちゃんはいいな〜たかしっち優しくないんだ…』泣きながら遠い目をして話すあゆさんをあたしはずっと慰めていた。
きっと、あゆさんもたかしくんと、もうすぐ離れ離れになるから辛いんだ…
2006-05-06 01:19:00 -
217:
沙羅
そこから記憶がない。
気付けばあたしとあゆさんは抱き合って眠っていた。次の日、目を覚ますと、激しい頭痛があたしを襲った。
キッチンへ行くとあゆさんが食事を作っていた。
あゆ『沙羅ちゃんおはよー♪』
昨日とはまるで別人のあゆさんがそこにいた。2006-05-06 01:28:00 -
218:
沙羅
沙羅『おはようございます』
あゆ『たかしっちと亮ちゃんはまだ寝てるよ♪』
しばらくして、たかしくんと亮が眠そうな顔でキッチンへ来た。
みんなであゆさんが作ってくれた朝食をとり、亮とあたしはたかしくんとあゆさんに別れを告げ、マンションを後にした。2006-05-06 01:31:00 -
219:
沙羅
家に着いてからシャワーを浴びて、この日は亮と二人っきりでベットでだらだらと過ごした。
あたしはいつもより亮にくっついていた。
亮は優しくあたしの頭を撫でてくれていた。
亮『沙羅はいい子やな!』優しい目をした亮があたしにそう言った。
2006-05-06 22:43:00 -
220:
沙羅
沙羅『どーしたん?』
あたしは嬉しかったけど、わざと冷静にそう答えた。亮『たかしトコは大変らしいわ…。』
沙羅『何が大変なん?』
亮『あゆの束縛がきついんやて、たかしがしんどがっててな…』
沙羅『え?あゆさんが?』あたしはビックリした。2006-05-06 22:45:00 -
221:
沙羅
亮『年末俺ら忙しくなるやん?それが原因かはわからんけど毎日喧嘩らしい』
沙羅『そうやったんや…』あたしは昨日のあゆさんの涙を思い出していた。
亮『沙羅に淋しい想いさせるけどいい子にしててな』沙羅『うん!亮もな!』
2006-05-06 22:54:00 -
222:
名無しさん
??
2006-05-08 19:18:00 -
223:
名無しさん
しぉり??
2006-05-09 00:18:00 -
224:
沙羅
?&しおりぁりがとぅござぃます??
2006-05-09 02:00:00 -
225:
沙羅
亮『あっ、それとクリスマス一緒に過ごされへんくてごめんな』
沙羅『うん。しゃーないやん♪』
亮『沙羅?…』
沙羅『ん?』2006-05-09 02:02:00 -
226:
沙羅
亮『愛してる』
亮は照れながらそう言った。
沙羅『沙羅も☆』
あたしはそう答えて亮に抱きついた。
もうすぐ離れ離れになるのにあたしは正直実感がなかった。離れていても亮とあたしは繋がっていられる様な自信みたいなものがあったから。2006-05-09 02:03:00 -
227:
沙羅
☆クリスマス☆
朝から仕事へ出かる亮をあたしは元気に見送った。
街はカップル達で彩られる。幸せそうに歩く恋人達の中、あたしは一人歩いていた。すれ違うカップルを亮とあたしにかさねたりしながら帰宅した。
夕方、マンションに戻ると花束が届いた。
それは亮からだった。2006-05-09 02:14:00 -
228:
沙羅
亮の優しさにあたしは感動した。
しばらくして亮からの電話が鳴る。
沙羅『はい☆』
亮『花届いた?』
沙羅『うん!ありがとう♪めっちゃ嬉しい!』2006-05-09 02:16:00 -
229:
沙羅
亮『そっか、よかった。』電話の向こうの亮は嬉しそうにそう言った。
電話をきってからすぐに亮からメールが届いた。
〔一緒に過ごせなくてごめんな。沙羅のサンタになりたかったわ…↓外歩いたらカップルだらけでマジへこむけど、頑張るわ☆〕
亮のメールにあたしは嬉しくなりすぐに返事をする。〔沙羅のサンタさんは亮だけやよ♪沙羅をこんなに幸せにしてくれるのは亮だけやから☆ライブ頑張ってなo(^-^)o〕2006-05-09 02:18:00 -
230:
沙羅
年が明けて亮はツアーの為に全国各地を旅していた。あたしは相変わらずな毎日を過ごしていた。
亮は毎日あたしに電話をくれた。
まるで付き合う前の二人に戻ったみたいで新鮮だった。たまに二日間だけ帰って来てくれたりもした。
でも、またすぐに仕事。
そんな日々を過ごしていた。2006-05-09 03:53:00 -
231:
沙羅
ある日、ツアーも後半になる二月。
着信♪亮♪
沙羅『もしもし♪』
亮『沙羅?明後日は横浜やから家から迎うから今から帰るわ〜!』
あたしは突然の亮の言葉に驚いた。それと同時にとても嬉しい気持ちになった。2006-05-09 03:56:00 -
232:
沙羅
慌てて部屋を掃除して亮の帰りをソワソワしながら待っていた。
〔ガチャ…〕
玄関の音が鳴ってあたしは急ぎ足で玄関にむかった。玄関には荷物を抱えたサングラス姿の亮がいた。
沙羅『おかえり〜♪』
あたしはまるでパパの帰りを待っていた子供みたいに亮に抱きついた。2006-05-09 03:59:00 -
233:
沙羅
亮『ただいま♪』
亮の優しい声と腕があたしを包みこんだ。
サングラスを取った亮はニッと可愛い照れ笑いをした。
そして、この日はまったり過ごした。
あたしは久しぶりに会えたのが嬉しくて一人で喋っていた。嬉しい事、最近あった出来事。亮は優しい目をしてあたしの話をちゃんと聞いてくれた。2006-05-09 04:01:00 -
234:
沙羅
そしてあたしにこう言った。
亮『沙羅。淋しかったんやな。』
沙羅『えっ?』
あたしは一瞬言葉をなくした。自分では気付いていなかった…?いや、気付かないふりをしてたのかな…?あたし淋しかったんや…
亮はあたしが気付かないあたしの気持ちまで理解してくれていた。2006-05-09 04:04:00 -
235:
沙羅
この日は亮の話よりあたしばっかり喋ってた。
次の日。休みの亮は夕方まで眠っていた。
あたしは亮を起こさずにいた。スヤスヤと眠る亮はとても可愛くて、あたしは見ているだけで癒されていた。
あたしは、亮が眠っている間に買い物へ出かけ、夕食の準備をはじめる。2006-05-09 04:07:00 -
236:
沙羅
その時、亮が眠る寝室から携帯の着信が鳴っていた。♪〜♪〜♪〜♪〜♪
あたしは亮を起こす為、寝室へ行き、亮の枕元の携帯を何気なく見た。
ディスプレイが光っていてそこにはあゆと言う名前が出ていた。
(えっ!?あゆってたかしくんのあゆさんなんかな…?亮とあゆさんって連絡先知ってたん?いつから?)2006-05-09 04:09:00 -
237:
沙羅
………。
着信音が鳴り止んだからあたしは、またキッチンに戻った。
(それとも…違うあゆさん??まさか、また地方の女の子…?)
あたしの頭の中はさっき見た〔あゆ〕の文字でいっぱいだった。2006-05-09 04:12:00 -
238:
沙羅
しばらくして、眠たそうな顔の亮が起きてきた。
亮『寝すぎた〜』
沙羅『おはよう。』
あたしは料理を作りながら亮にそう言った。
亮『あっ!俺今日夜ちょっと用事できたから帰ったら飯食うから、置いといて。ごめんな』2006-05-09 04:23:00 -
239:
沙羅
そう言い亮はシャワーを浴びに行った。
あたしは変な胸騒ぎがした。でも今一緒に居れる時間に亮と喧嘩をするのが嫌だった。だからあたしは我慢した。
シャワーから出た亮は出かける準備をしていた。
沙羅『何処いくん?』
あたしは冷静ぶってそう聞いた。2006-05-09 04:26:00 -
240:
沙羅
亮『たかしと、スタッフの人と三人でちょっと打ち合せしなあかんなってな』
沙羅『そうなんや…』
亮『なるべく早く帰ってくるから、ごめんな』
そう言い亮はあたしにキスをした。
2006-05-09 04:28:00 -
241:
沙羅
沙羅『わかった〜いってらっしゃい!』
あたしは無理に明るくそう言い、亮を見送った。
亮が出て行ってからあたしはまた不安になった。
急に静まり返った部屋は、まるで夢から覚めた様な現実みたいだった…2006-05-09 04:33:00 -
242:
沙羅
急に淋しさが襲う。
それは、あたしが亮を疑っていたからだ。
一緒に居てわかる。なんか変…
亮の表情が頭に浮かぶ。
あたしの心は、さっきからずっと雲に覆われているみたいにモヤモヤしていた。2006-05-09 04:37:00 -
243:
沙羅
あたしは心を落ち着かせたくて窓を開け、外の冷たい空気を吸った。
それでも、少しも心は晴れなかった。
テーブルの上には、さっき作った料理がラップを被って並んでいた。
いつもより何故が時間がゆっくり流れている気がした。
あたしは鳴らない携帯をずっと見つめてる。まるで病気みたいに…2006-05-09 04:41:00 -
244:
沙羅
時計の針の音だけが部屋中に響いていた。
そして、あたしはパソコンの前に立ち亮達のHPをひらいていた。
そこには信じられない情報が書いてあった。
スケジュールをクリックする。今日のスケジュールにたかしくんはピンで名古屋でのイベントが入っていた。
(さっき亮は、たかしくんとスタッフと会うと言い出かけたのに…)2006-05-09 17:57:00 -
245:
沙羅
あたしはパニックになる。ねぇ?亮は今何処に誰といるの…?
その時あたしの携帯が鳴った。
着信♪亮♪
沙羅『はい』
亮『遅くなってごめんな。今から帰るわ』2006-05-09 18:04:00 -
246:
沙羅
沙羅『わかった。お風呂の用意しとくな』
あたしは、普通に答えた。気になるけど…真実はまだわからないし…
しばらくして亮が帰ってきた。
沙羅『おかえりなさい♪』亮はあたしが作ったご飯を『おいしい』と何度も誉めておいしそうに食べてくれた。
2006-05-09 18:07:00 -
247:
沙羅
沙羅『打ち合せってライブの打ち合せしてたん?』
亮『…ん?そうやで』
亮の様子が少し変だった。でもあたしはそれ以上つっこんだ話をしなかった。
そして、亮はお風呂に入った。あたしは食事のかたずけをしていた。
テーブルの上を見ると、亮の携帯が無造作に置いていた。2006-05-09 18:55:00 -
249:
沙羅
あたしは気になった。
ゆっくりと携帯電話に近づく。しばらく眺めて、あたしは亮の携帯を開いてしまう。今にも心臓が飛び出そうになる。
見てはいけないと思う気持ちと、気になると思う気持ちがあったが、気になる気持ちのほうが勝ってしまっていた。
2006-05-12 04:55:00 -
250:
沙羅
あたしの手は震えていた。あたしは着信とリダイアルのボタンを押す。そこにはやはり、〔あゆ〕と言う文字があった。
あたしは自分の携帯に登録されたあゆさんの番号と、その番号を確認する。
それは一致した。
そしてあたしはメールのボタンを押した。
2006-05-12 04:57:00 -
251:
沙羅
そこには、さっきと同じあゆていう名前があった。
あたしは恐る恐るそのメールを開いた。すると驚くべき内容が…
〔今日は急に呼び出してごめんね。亮ちゃん大好きだよハート〕
あたしは目を疑った。何かの間違いじゃないかと思い、このメールを何度も何度も読み返す。
アドレスはあゆさんのものだった。2006-05-12 04:59:00 -
252:
沙羅
そしてあたしは携帯を閉じた。震えが止まらなくてパニック状態だった。
少し気持ちを落ち着かせようと自分に言い聞かせてもあたしの震えは止まらなかった。
(亮は今日あゆさんと会っていたの…?)
あたしはその場にしゃがみ込む。
神様…もしいるのならこれが夢でありますように…2006-05-12 05:02:00 -
253:
沙羅
胸が熱くて、苦しすぎて心臓の音がまるで喉の近くからしている様だった。
あたしはその場で放心状態になる。
しばらくして、亮がお風呂から出てきた。
あたしは震えは止まらなくて、亮と顔を合わせたくなくて、トイレに駆け込んだ。
なんで?あゆさんと亮は会ってたん?なんで?あたしに内緒なん?なんで?嘘ついたん?大好きって何?2006-05-12 05:04:00 -
254:
沙羅
あたしの頭の中はそんな言葉でいっぱいだった。
これは、きっと何かの間違い!あたしは自分に一生懸命言い聞かせる。でもその度にあの受信メールが脳裏に浮かび上がってくる。
亮『沙羅〜?』
その時亮の声があたしを呼んだ。
2006-05-12 05:07:00 -
255:
名無しさん
続き気になる?
2006-05-12 12:36:00 -
256:
沙羅
あたしはトイレから出て亮のところ恐る恐るむかう。沙羅『トイレ行ってたぁ』あたしの声は少し震えていた。
亮『どーした?しんどいんか?』
青ざめたあたしの顔を見て心配そうにあたしの顔をのぞきこむ亮。
沙羅『うん。ちょっと風邪気味かも…』とあたしは嘘をついた。
2006-05-13 02:20:00 -
257:
沙羅
亮は明日ライブだった。
あたしは亮を嫌な気分にさせて仕事に行かれるが嫌だったから嘘をついた。
亮『後片付けは俺がするから、沙羅はもう休み?』
あたしは先に眠る事にした。2006-05-13 02:22:00 -
258:
沙羅
キッチンから亮が片付けをする音が聞こえていた。
しばらくして亮はあたしのところへ来た。
亮『大丈夫か?』
沙羅『うん…』
あたしは目を瞑ったまま、そう答えた。2006-05-13 02:25:00 -
259:
沙羅
亮の顔を見たら今にも泣いてしまいそうになるから…
沙羅『亮に風邪うつったら嫌やから今日沙羅一人で寝る…』
亮『心配すんな。俺はタフやから大丈夫や』
そう言い亮は腕枕をしてくれた。
この夜、あたしは一睡もできなかった。隣で眠る亮を眺めながら声を殺して泣いていた。2006-05-13 02:28:00 -
260:
沙羅
そして朝になった。どんなに辛い夜でも日は登り朝を運んでくれる。
あたしは朝食を作っていた。
亮『おはよう!沙羅もう大丈夫なんか!?』
亮は心配そうにあたしにそう言った。
沙羅『うん。だいぶマシになったよ♪』2006-05-13 02:31:00 -
261:
沙羅
二人で朝食を取り、お昼には亮は横浜のライブ会場へむかった。
亮を無事に見送ったあたしは気が抜けたのか、ベットに倒れこむかの様に眠った。
目が覚めたのは夕方だった。あたしはベットから出ないで一人で考え込んでいた。あたしの心は病気だった。このモヤモヤを消し去りたくてどうしょうもなくて、一人で悶々と考えてもきりがなかった。
2006-05-13 02:37:00 -
262:
沙羅
そして、あたしは大阪の麻緒に電話をした。
沙羅『麻緒?』
麻緒『沙羅久しぶりやん』相変わらず元気な麻緒の声を聞くと、何故かあたしは安心した。
沙羅『ちょっと相談聞いてほしいねん。今いける?』麻緒『全然いけるで♪今、丁度暇やってん。どーしたん?』
あたしは昨日の出来事を麻緒にすべて話した。2006-05-13 02:41:00 -
263:
沙羅
麻緒『やってしまったな〜携帯は絶対に見たらあかんで!』
麻緒が言いたい事はすぐにわかった。
昔、まだあたしが亮と出会う前に麻緒が店長の携帯を見て大喧嘩になって麻緒はすごく悩んだ事があった。沙羅『見るつもりなかってんけどやってしまった↓』麻緒に言われてあたしは大きな罪悪感を感じた。
麻緒『そうなんや…』
沙羅『このメールの内容麻緒やったらどう思う?』2006-05-13 02:44:00 -
264:
沙羅
沙羅『携帯見たって…?』麻緒『…言うしかなくない?』
沙羅『うん…』
麻緒『だってずっと隠し通せる?絶対しんどいで?』沙羅『そうやんな…』
麻緒『でも、そのあゆって女だいぶキモイな。こそこそ人の男と連絡取ってさ。今まで怪しいと思わんかったん?』
沙羅『うん…。』2006-05-13 02:53:00 -
265:
沙羅
そう言えばよく、あゆさんは亮の事を優しいとかうらやましいとか言ってたな…
麻緒『 自分の男おらん時に亮ちゃん呼び出すとかあきらかおかしいやろ…』
麻緒の言葉を聞いていたらあたしの中のあゆさんが天使から悪魔に変わっていった…。
でもホンマにそうなんかな?2006-05-13 02:57:00 -
266:
沙羅
あたしは、あゆさんを悪く思いたくなかった。
悪気はなくて何か特別な理由があったんじゃないかと思っていた。
たぶんそう思いたかったんだと思う。
麻緒に話を聞いてもらいあたしは亮と話さなきゃ解決しない事に気付いた。
2006-05-15 23:56:00 -
267:
沙羅
けど、勝手に携帯を見た事を亮に言うのが恐かった。亮はどんな顔をするだろう…?きっと悲しむのかな?それとも怒るのかな?あたしには想像できなかった。
沙羅『麻緒ありがとう頑張って言ってみる。』
麻緒『うん頑張りや?なんかあったら、いつでも電話してきてや?聞く事しか出来へんけど、一人で抱え込んだらあかんで?』2006-05-16 00:32:00 -
268:
沙羅
沙羅『うん。ありがとう』あたしは麻緒の優しい言葉に感謝した。
今は信じる事しかできない。亮の帰りを待つ事しかあたしにはできない。
ねぇ?亮?あたし達はもうこの時から変わりはじめたのかもしれないね…
もっと、あたしに信じる力があれば、もっと強くなれたなら、その力で戦う事ができたなら、今でもそんな夢ばかり見てしまう…
2006-05-16 00:34:00 -
269:
名無しさん
あげッ?
2006-05-17 00:55:00 -
270:
名無しさん
あげ??
2006-05-18 03:37:00 -
271:
沙羅
そして、亮のツアーが終わった。
長いツアーを終え亮はこの日帰ってくる。
あたしは亮にすべてを話す覚悟をしていた。
この日、亮はライブの打ち上げのため夜遅くに帰ってきた。
慌ただしく玄関を明ける音がした。そこにはひどく酔っ払いの亮が玄関でしゃがみ込んでいる。2006-05-18 20:28:00 -
272:
沙羅
亮『た〜だいま〜』
なんとかあたしは亮をベットまで運ぶと亮はすぐに爆睡した。
あたしは亮の態度に少しむかついた。あたしはあんなに毎日悩んでいたのに…。次の日、お昼まで亮は眠っていた。
あたしは起こさずにいた。亮『おはよう〜頭痛い…』寝起きの亮は辛そうな顔で起きてきた。
2006-05-18 20:46:00 -
273:
沙羅
沙羅『昨日大変やったわ』あたしはすねた様に亮にそう言った。
亮『ごめん。飲み過ぎた』そう言い亮はシャワーを浴びに行った。
しばらくしてシャワーから出てきた亮は上半身裸のまま、あたしを後ろから抱き締めた。
亮の大きな腕に包まれていると心地良くて、安心できて、あたしの中にある不安も全部消し去ってくれればいいのに…
2006-05-18 20:48:00 -
274:
沙羅
亮『ただいま』
亮は優しい声でそう言い、あたしの頬にキスをした。沙羅『おかえり…』
そして亮はあたしの前に回って
亮『淋しかった?』
と、優しい目をしてそう聞いた。2006-05-18 20:51:00 -
275:
沙羅
沙羅『聞かんかってもわかってるくせに…』
亮の優しい目を見ると胸が苦しかった…
シャンプーの甘くて優しい香りが部屋中を包みこみ、何故かとてもなつなくなる。
この日は亮はあたしに、たくさん話をしてくれた。
ライブの話、地方の話、これからの夢や目標の話。2006-05-18 20:58:00 -
276:
沙羅
嬉しそうに話す亮の横顔はとても生き生きしていて今のあたしにはそれを見てると辛くなる。
亮『今度またライブ見に来て!!』
沙羅『うん…でも一人とか緊張するな…』
亮『あゆと一緒に来たらいいやん♪』
沙羅『…うん…』2006-05-19 03:24:00 -
277:
沙羅
亮『沙羅?どーした?』
沙羅『…。亮?は、あゆさん…と仲良いの…?』
亮『たかしの彼女やから仲良いと言われたらいいで』沙羅『二人で会ったりする事とかはある?』
亮『…いや、それはないかな…どーした?』2006-05-19 03:28:00 -
278:
沙羅
沙羅『ごめん…』
亮『え?…』
沙羅『携帯、勝手に見てしまったねん…』
亮『えっ?今日か?』
沙羅『…横浜のライブの前日に…ゴメン…』2006-05-19 03:30:00 -
279:
沙羅
亮『……』
あたしは恐くて亮の顔を見れずにいた。
亮『何で見たん?』
亮はそう言って深いため息をつく。
沙羅『見るつもりはなかったねんけど…着信鳴ってる時にあゆさんの名前が出てたから、気になって…』2006-05-19 03:34:00 -
280:
名無しさん
最初から一気に読みました??∀???頑張って書いて下さい??
2006-05-19 05:56:00 -
281:
沙羅
284さんへ読んでくれてぁりがとぅござぃます?
読み返すと字とか間違ぃだらけですが?頑張ります?2006-05-20 00:47:00 -
282:
沙羅
亮『……』
沙羅『あの日あゆさんと会ってたん?』
亮は無言でうなずいた。
沙羅『二人で…?』
亮『うん…』2006-05-20 00:49:00 -
283:
沙羅
沙羅『何で隠してたん?』あたしの声はいつの間にか震えていた。
亮『沙羅に心配させたくなかった…』
あたしは亮の言葉が理解できなかった。
沙羅『隠すって怪しいから隠すんじゃないん?』
2006-05-20 01:53:00 -
284:
沙羅
亮『……』
沙羅『二人っきりで何で会ってたん?』
亮『あゆはたかしとの事で悩んでたんや。、精神的にもかなり病んでて…それで相談のってた…』
沙羅『…なんで?なんで?亮に相談するん?相談やったら沙羅にも出来るやん』2006-05-20 02:02:00 -
285:
沙羅
亮『あゆからしたら、沙羅よりも俺のほうが付き合い長いからな。』
沙羅『でも、相談とかって普通は女の子の友達にするんちゃうん?おかしい…』亮『あゆも、沙羅と一緒で地方出身やから東京で知り合いって俺らしかおらんねん。』
沙羅『そんなん地元の友達とかに電話で相談できるやん。亮に相談するとかやっぱり、おかしいよ…』
2006-05-20 02:08:00 -
286:
名無しさん
あげ?
2006-05-20 13:23:00 -
287:
沙羅
↑あげぁりがとぅござぃます??更新します?
いつの間にかあたしの目から涙があふれ出ていた。
亮の言葉はさっきからずっと、あゆさんをかばっている様で、あたしは悲しかった。亮のその目には今はあゆさんが映っている様な気がしてどうしょうもない程胸が痛い…
2006-05-26 17:55:00 -
288:
沙羅
亮『……』
沙羅『なんで?亮さっきからあゆさんをかばうの?』
亮『あゆとは友達や。友達が悩んでたから、相談に乗っただけや。』
沙羅『相談やったら電話でもメールでも出来るやん!二人で会う必要ないやん。もういい。もう、亮の事信じられへん!』
2006-05-26 17:58:00 -
289:
沙羅
あたしは、そう言い玄関に向かい部屋を飛び出した。そしてエレベーターに乗り込む。
亮は追い掛けてきたけどあたしは無視してエレベーターのボタンを押した。
下りていくエレベータの中であたしはしゃがみ込みながら泣き崩れた。
涙がポロポロと、とめどなく溢れ出て止まらなかった。2006-05-26 18:01:00 -
290:
沙羅
亮は沙羅の彼氏でしょ?
あたしはいつの間にか亮に依存していたのかもしれない。
亮があたし以外の誰かに優しくする事があたしには耐えられなかった。
あたしだけを見てほしい。何処にいても離れていても…2006-05-26 18:12:00 -
291:
沙羅
あたしはあてもなく歩いた。途中雨が降ってきたが、ずぶ濡れでもよかった。
雨は嫌いだけど、今はそんな雨があたしにとても優しかった。
全身の力がまるで抜けるようにあたしは立っている事も辛くてその場でしゃがみこむ。
いつもより静まりかえった景色にただ雨の音だけが響いていた。2006-05-26 18:55:00 -
292:
沙羅
その時あたしの名前を呼ぶ亮の声がした様な気がした。
その瞬間、頭上から降る雨がやんだ。
あたしは空を見上げた。
そこにはブルーの傘があたしの真上にあった。
振りかえるとそこには、傘を持った亮が立っていた。2006-05-26 20:35:00 -
293:
沙羅
亮『ごめん…』
亮は一言だけそう言い、あたしの腕をつかみ家の方向へ歩いていく。
あたしの意識は少しモウロウとしていた。
ただ、冷たくなったあたしの手が亮の暖かい手にあたためられていく。
何も話さずに、ただあたしに歩幅を合わせて歩く亮の横顔がとても冷たくて見えた。2006-05-26 20:41:00 -
294:
沙羅
部屋に着いてからも亮は何も言わずに、あたしにバスタオルを渡した。
あたしの体は冷たくなっていた。涙と雨でずぶ濡れのあたしはまるで捨て猫みたいだった。
(ねぇ?亮は今何を思ってるの?)
部屋に飾っている二人で撮った写真やプリクラが少し前までの二人で過ごした幸せな時間を思い出させて、せつなくなる。2006-05-27 00:56:00 -
295:
沙羅
亮は窓の外の雨を見ながら煙草に火をつける。
しばらく沈黙が続く…。
そして、亮は窓の外を眺めながらため息をついた後、重い口を開いた。
亮『実は、あゆな、たかしの子供を妊娠してたんや』2006-05-27 14:03:00 -
296:
沙羅
あたしは驚いて言葉が出なかった。
続けて亮は話しだした。
亮『たかしには内緒にしてて、産むか堕ろすか迷ってて結局、俺らがツアー中に一人で病院行って堕ろしたみたいで、精神的にもかなりまいってた…』
沙羅『……』
2006-05-27 14:06:00 -
297:
沙羅
亮『横浜のライブの前日にあゆからその事聞いて、たかしも仕事やったし、それで会いに行ったんや。』
あたしの頭はパニックになる。
言葉が見つからなかった。
2006-05-27 14:09:00 -
299:
沙羅
あたしは泣いているあゆさんを思い出していた。
その横には亮がいて。
亮はあゆさんを優しい目で見つめたの?
その腕で優しく抱き締めたの…?
でも、あゆさんにはたかしくんがいるのに、沙羅には亮しかいないのに…2006-05-28 19:14:00 -
300:
沙羅
ねぇ?あたしの本音は言えないよ。あたしは今、自分の事しか考えれない…。
亮『黙っててゴメン…』
亮の言葉にあたしは小さく頷いた。
沙羅『もう、いいよ。』
あたしは偽善者かもしれない。本音じゃない事を言葉にしていた。2006-05-28 19:16:00 -
301:
沙羅
もう、あゆさんとは会ってほしくない…
これがあたしの本音だったのに、本当は亮に聞きたい事が山ほどあるのに…
あたしは強がった。
大人ぶりたかったのかもしれない。2006-05-28 19:20:00 -
302:
沙羅
沙羅『それと、携帯勝手に見てしまってゴメン…』
亮『うん…不安にさせた俺にも責任あるし、もういいよ』
本当はあたしの心の中は窓の外の様に雨だった
でも、表面上はまるで晴れの様に振る舞った。2006-05-28 19:23:00 -
303:
沙羅
止まない雨はないと言う言葉があるが、あたしの雨はこれからも長く降り続ける事になるとは、この時のあたしには想像できなかった
何もなかった様に朝が来た
雨もすっかり止んで、眩しく光る太陽が顔を出す。
あたし達は前と変わらない毎日を過ごしはじめた。2006-05-28 19:27:00 -
305:
沙羅
あたしは自分に嘘をついていた。
あゆさんとの事を、あの日以来、口にする事はなかった。
そうする事が大人なんだと勘違いしていた。
些細な事で喧嘩をする事が多くなっていった。その度にあたしは亮を疑う様になっていった。
少しずつお互いの目に見えない何かがずれていった。一緒にいても落ち着けなくなっていった。2006-06-17 18:01:00 -
306:
沙羅
ねぇ?亮?あたしは子供だったね。
一番大事なモノを守れる力があたしにはなかったよ。亮の優しさが大好きだったのに、いつの間にか亮の優しさを不安に感じる様になっていった。
それでも、まわりから見たあたし達は前と変わらずに仲良く見えてただろう…。オフの日には二人で買い物に出かける。前みたいに手を繋いで。2006-06-17 18:05:00 -
307:
沙羅
あたしは亮を失いたくなかった。どんなに一人で苦しくてもあたしには亮しかいなかったから。
そんなふうに月日は過ぎていった。
でも、ある日何かが完全に壊れてしまった事に気付いた。
もしかしたら気付かないふりをしていたのかもしれない。2006-06-17 18:13:00 -
308:
沙羅
亮を疑う気持ち、亮を許せないあたし。
昔みたいに心から笑い合えない二人。
亮のいない場所で泣くあたし。
亮と喧嘩をした時に気付いた。信じるという気持ちがいつの間にかあたしの中から消えていた。
2006-06-17 18:15:00 -
309:
名無しさん
この小説切ないけどなんか好き?ガンバッテね??
2006-06-19 01:12:00 -
310:
沙羅
313さんへ?ありがとうございます?頑張ります?
2006-07-03 03:11:00 -
311:
沙羅
何かある度に亮を疑う自分が嫌いだった。
その度に、トラウマみたいにあゆさんの事を思い出す…
そんな自分が嫌いだった。亮を許す事がこの時のあたしにはできなかった。
狭い心…まだ子供だった…2006-07-03 03:13:00 -
312:
沙羅
ただ、もうこれ以上亮に嫌われたくない。
そう思う気持ちがあたしの中でどんどん大きくなっていった。
そして季節は春になった。あたしは、少しずつ亮と別れる決心をしていった。2006-07-03 03:18:00 -
313:
沙羅
ある朝、この日、亮は三日間出張で朝早くに仕事へ出かける。
あたしはこの日を最後にする事に決めた。
あたしはいつもの様に朝食を作っていた。
亮『おはよー』
まだ少し眠そうな亮が起きてきた。2006-07-03 03:41:00 -
314:
沙羅
あたし達はいつもの様にテーブルを囲んで朝食を取る。
いつもと変わらない朝。
あたしは亮の行動を見ていた。
テレビの占いを嬉しそうに観ている姿。着替えをする亮の横顔2006-07-03 03:44:00 -
315:
沙羅
あたしの視線に気付いたのか亮は、ちょっと恥ずかしそうに笑った後、傍に来てあたしを抱き締めた。
亮の大きな腕があたしの体を優しく包みこむ。
あたたかくて、安心できて、幸せな気持ちになる。
2006-07-03 03:50:00 -
316:
沙羅
ねぇ?亮?この瞬間、沙羅はやっぱり亮の事めちゃくちゃ好きって思ったよ。
でもね、だからこそ離れようって思えた…
自分勝手でわがままで曲り曲がった愛情やね…
亮を失う事よりも、亮に嫌われる事の方が沙羅には悲しかったから…
2006-07-03 03:55:00 -
318:
名無しさん
せつないなぁ…?ガンバッテ??
2006-07-03 07:09:00 -
319:
沙羅
頑張ります?
2006-07-24 00:18:00 -
320:
沙羅
亮『いってくるわな』
そう元気な声で言った亮はあたしに優しくキスをした。
亮の手があたしの肩から離れてゆく、まるでスローモーションみたいに、
荷物を抱えた亮の後ろ姿。
亮を見送る事はこれで最後なんだと思った。2006-07-24 00:22:00