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  • 1:

    あたしの名前は御浜めい。友達には、マメって呼ばれたり呼ばれなかったり。昭和五十年後半に産声を上げてはや二十年は過ぎました。そんなの私の今までのお話。始まり始まり*。'・゚;*。・。

    2005-12-12 17:01:00
  • 201:

    『あ、そ。』
    元カレの出世なんかより、また修羅場が始まる事へのウンザリ感でいっぱいの豆。

    『俺行くわ』
    隆介が背をむけた。

    2005-12-21 14:17:00
  • 202:

    『ちょっと、隆チャン…!!』
    ハッとして立ち上がり、隆介のスーツを摘む
    『俺は雇われホストなんで。遅刻罰金あるんで。』
    隆介は冷たい目で豆を見た。
    『アイリも帰る!!』

    2005-12-21 14:20:00
  • 203:

    立ち上がったアイリが豆の肩にぶつかり、振り向くと豆を見て笑う。
    ----まるで勝ち誇ったような笑顔に虫酸が走った。
    アイリは隆介の後ろにピタリとくっつき玄関へ二人が歩いて行く

    2005-12-21 14:22:00
  • 204:

    足が床に張り付いてるかの様に動けない。

    ………バタンッッ!!!

    力が抜け落ち、ヘロヘロと床に座り込んだ。

    2005-12-21 14:25:00
  • 205:

    『行ってもたな』
    後ろのソファからコウタが言った。
    『…………ちょっ…とォォ』
    すするような女の声が部屋に流れる。
    『え、泣いてんのメイ。』

    2005-12-21 14:31:00
  • 206:

    『泣いてるか。┰Д┰)!!』
    『鼻声やん』
    『っさい!!!ズッ…』
    『あっハッッハ』
    『何笑ってん!!コウタがッッ!!コウタのせいやねんで!!』

    2005-12-21 14:34:00
  • 207:

    震えっぱなしの、豆のビブラートした声は、鼻水と共に部屋に響く。
    『まぁまぁ涙を拭いて』
    ティッシュが横からニュッッと出て来た。
    『やかましい!!出てけ!!』
    払い落とす。

    2005-12-21 14:37:00
  • 208:

    ?アカン??鼻水が出過ぎて鼻かんでる時間の方が長いので??また後で書きます??
    >>200-210まで?

    2005-12-21 14:40:00
  • 209:

    グイッッッ………!!!

    『ちょっ…!!』
    豆の体はコウタの胸にスッポリと埋まっていた。

    2005-12-21 22:06:00
  • 210:

    『ぎゅーッッ』
    コウタがささやく。
    不謹慎にもコウタの体はあったかかかった。

    『なぁメイー…?』

    2005-12-21 22:08:00
  • 211:

    『……ん?』
    『元カノチャン、彼氏の事好きってー。』
    『うん。』
    『ついてったよー。』
    『うん。』

    2005-12-21 22:10:00
  • 212:

    『あの元カノは手強いよ』
    『ハハッッ。うん。』
    『彼氏もキレてたよねー』
    『…うん。』
    抱きしめてるコウタの腕が、小さく震えてる事に気付いた。不謹慎に輪をかけて不謹慎だが、居心地がよかった。

    2005-12-21 22:16:00
  • 213:



    『……俺でいーやん?』

    コウタの声が耳にかかる。こそばくてキュンと身震いした。

    2005-12-21 22:19:00
  • 214:

    『……………ッッ…。』
    『…メイ、俺はほんまにお前すきやし。』
    包まれていた温かい腕がほどかれる。
    『ま…、考えとけ』
    立ち上がり、ジャケットを取ると玄関へと向くコウタ。

    2005-12-21 22:22:00
  • 215:

    『…………コウ…』
    綺麗にシワひとつない、細めのスーツに甘い香りを纏ったコウタの体が振り向く。
    『ん?』
    『……あ…、いや何もない…』

    2005-12-21 22:26:00
  • 216:

    『ハハ。何やそれ。ほな』
    コウタを目で送る。
    立ち上がる気力がなくて、座り込んだまま。
    『じゃねー☆』
    『ん。お疲れ。』

    2005-12-21 22:30:00
  • 217:

    …パタンッッ。。。。
    隆介と元カノが出て行った時よりも、それはそれは柔らかい音で、
    コウタを送り出したドアは部屋に音を響かせた。

    『…ッハァァァァ。。。。まじヤバイって。どーしよぉ……』

    2005-12-21 22:34:00
  • 218:

    ?今日はこのへんで??
    >>200-220まで?

    2005-12-21 22:35:00
  • 219:

    部屋にぽつんと一人。
    『ってか寒。』
    身震いすると、暖房をつけ、カーテンにくるまり、初春の夜空を見上げた。
    『ハーァ。もー…。』
    一人で見上げる夜空はあまりに大きくて、真っ暗な世界に一人ぼっちになってしまったかのような孤独が襲いかかってきそうで恐くて慌ててカーテンを閉めた。

    2005-12-22 01:31:00
  • 220:

    ♪♪♪リンコロ♪♪リンコロ♪♪

    『ん?鳴ってる*゚Д゚)?』
    ソファに転がっている携帯を手に取る。
    -------パカッッ。。。

    2005-12-22 01:33:00
  • 221:

    『メールか…。』
    -----ピッ!!
    『はぅッッ*゚Д゚)!!隆チャンから!!どどどーしよ!!別れるとかかカカカ!?』
    -----ピッ!!
    『……*゚_゚)ん?』

    2005-12-22 01:37:00
  • 222:

    【今日から、しばらくは実家帰るわ☆】



    『…………。……こんなん…こんなん明らか修復不可能なんちゃうん…。いきなり実家とか、……ちょっ…と、もーぉ…』

    2005-12-22 01:41:00
  • 223:

    ?本当に寝ます?おやすみなさい?

    2005-12-22 01:42:00
  • 224:

    名無しさん

    2005-12-22 02:04:00
  • 225:

    それから何日も、
    魂がどっか行っちゃったみたいに抜け殻の様になりながら豆は生活をしていた。
    バイトへ行き、職務をはたして家に帰る。
    何日たったかも振り返らず、気の抜けた生活を送っていた。

    2005-12-22 14:18:00
  • 226:

    『は!?』
    『だから、終わったって』
    『それから隆介くんからの連絡は?』
    『ん、ない。』
    豆のバイト先に来てアイスティーを飲みながらサリは鏡を見ていた。

    2005-12-22 14:23:00
  • 227:

    『あんたは隆介くんに連絡しないん?』
    『んー。ねぇ』
    『いやいや、大丈夫なん?あんた!?』
    『え、大丈夫やん。健康よ』
    -----カウンターで向かい合いながら洗いものに集中して、サリの声も上の空。

    2005-12-22 14:26:00
  • 228:

    『まぁ、隆チャンは隆チャンなりに考えた結果なんちゃうか』
    『他人事やな*゚Д゚)』
    『だってねぇー。あたしがバタついても、隆チャンの気持ちはどーにもならんでひょ』
    『せやけどやな』
    ----サリの顔はいつになく困った顔。ボーーっと眺める豆。

    2005-12-22 14:30:00
  • 229:

    カランカラン。。。。

    『あ、いらっしゃっいま…』
    豆は目を疑った。
    『もっももも元カノ*゚Д゚)!!』

    2005-12-22 14:33:00
  • 230:

    『え(。゚∀゚。)』
    サリは、カウンターの豆と、ドアに立ってる隆介の元カノ、アイリと友達の二人組をなぜか嬉しそうに見合わせる。
    『しょっぼい店』
    ------小さな声でアイリの友達が言った。続けてアイリが鼻で笑う。
    『……いらっしゃいませー。』

    2005-12-22 14:36:00
  • 231:

    『ご注文は?』
    『ドンペリ』
    『…アルコールはご提供してないんですよー。』
    『じゃあピッチャーでオレンジジュース』
    『アイリまじウケるってぇ☆あたしもピッチャーでぇ』

    2005-12-22 17:54:00
  • 232:

    ぶっ殺したい気持ちを押さえ、ヒクヒクしながら握る伝票は、今にも半分に割れそうになっていた。
    『ってかァァ、ピッチャーもないトカぁ?』
    『…………オレンジジュースですね。』
    はち切れんばかりの血管が脈打ちながら、豆はカウンターに戻るなり食器棚の1番下を勢いよく開けた。

    2005-12-22 17:59:00
  • 233:

    『ってかアイリまじで!?』
    無駄にでかい声が狭い店内に充満する。
    『まーぁじで☆アイリなぁ隆介とヨリ戻ってぇん☆』

    ?(`Д´*!!?

    2005-12-22 18:03:00
  • 234:


    いち早く反応したのは、カウンターの下にしゃがみ込んでいる豆、
    …ではなくカウンターに座っているサリだった。
    『ちょっッッ豆っ!!!聞いた今!!?おい豆!!』
    カウンターから身を乗り出してサリはしゃがみ込んでいる豆にぼそぼそ話しかける。

    2005-12-22 18:06:00
  • 235:

    『聞いた聞いた』
    スッと立ち上がると、冷蔵庫から缶のオレンジジュースを両手いっぱい取り出す。
    『ん*゚Д゚)豆?ジュース多くない??』
    『(。゚∀゚。)いーのだ☆』
    そんな中、アイリと、その友達は相変わらずボリュームMAXで会話を続ける。

    2005-12-22 18:12:00
  • 236:

    *+*+*スタスタスタスタ
    『お待たせしました』
    『早!!ピッチャーじゃないとアイリ飲まへんで〜ッッ☆』
    『(。゚∀゚。)どーぞ』
    ━━━━━━━━━ドンッッ!!

    2005-12-22 18:15:00
  • 237:

    『ッッハァ!!?ちょっと!!何なんよこれ!!』
    アイリと、その友達の前には並々とオレンジジュースの注がれた………花瓶。

    『ダッヒャッヒャッヒャーーッッ!!』
    サリが笑い出す。

    2005-12-22 18:18:00
  • 238:

    『意味不明やし!!あんた客馬鹿にしてんの!!?』
    ----アイリは黒いヒジキみたいな目で豆を睨み上げる。
    『いえ(。゚∀゚。)お客様がピッチャーとオーダーしたんで。たらふく飲みたいのかと。』
    ----しれっと返答。

    2005-12-22 18:21:00
  • 239:

    『なめてんちゃうで!!』
    幸い、客の居ない店内で、アイリの友達が怒鳴りながら立ち上がる。
    『ダッヒャッヒャッ!!!いやいや!!君らが頼んだんやん☆』
    サリがカウンターから立ち上がり近付く。

    2005-12-22 18:25:00
  • 240:

    『ハァ!!?誰あんた』
    ----サリを睨みつけるアイリの友達。
    『あたし?サリ。』
    『聞いてへんしな』

    2005-12-22 18:27:00
  • 241:

    『ほんなら、お前らの糞やかましい恋愛話しこそ聞いてへんしなぁ』
    サリは笑いながら睨む。
    『んやとコラ』
    どうやらアイリの友達はヤンチャ娘みたい。
    舌を回しながらサリに啖呵を切る。

    2005-12-22 18:30:00
  • 242:

    ------パシャッッ。。。

    アイリ友達が突如サリにオレンジジュースをぶっかけた。

    キレたのは、豆。

    2005-12-22 18:31:00
  • 243:

    『………だぁっとったらイチビリやがって。しゃしゃってんちゃうぞゴラァ!!!』

    いきなりの豆の怒鳴り声にサリ以外は一瞬びっくり。
    サリは笑う。

    2005-12-22 18:34:00
  • 244:

    『久々に乱闘じゃい』
    『間違いない』

    豆はシャツの袖をめくる。
    サリは手のひらをコキコキ。

    2005-12-22 18:35:00
  • 245:

    ?中断します??
    >>228-247まで

    2005-12-22 18:38:00
  • 246:

    ここまで豆がキレたのはアイリの一言が引き金だった。

    『隆介はホストやし〜。何気売れっ子やん☆地元でも昔から目立ってたし。あたしフラれた事なかったしまじ腹立ってなぁ☆まぁちょっと泣いたらホイホイ寄ってきたわ。』

    これはアイリの友達がオレンジジュースをサリにぶっかける何分か前のアイリの一言。

    2005-12-23 13:50:00
  • 247:

    豆は豆なりに隆介を大切にしていた。
    それをこんな女の安っぽい『見栄』と『プライド』に掻き乱されたんだと確信すると、なにかがブチ切れた。

    『キャハハ!!まじキレてんのー?ってか顔こわぁッッ』
    ブチ切れた。

    2005-12-23 13:53:00
  • 248:

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━
    『ってッッ』
    『豆かなり暴れたな』
    『サリこそ。ッッいてて』
    『泣いてたしな。なんやあれ。おもんない』

    2005-12-23 13:55:00
  • 249:

    サリの手から吹き出すマキロソが、豆の顔の赤々しい擦り傷にしみる。
    『ってか、店これ大丈夫なん?かなり痛々しいで。』
    『昨日から店長旅行行ってるしあさってまでに片付けたら何とかいけるやろ。サリこそ、ホステスが顔腫れてるとか大丈夫なん。』
    『休み決定やわ』
    『ヒャヒャ。ほんまやな。ごめんやで。』

    2005-12-23 14:00:00
  • 250:

    『謝んなって』
    ----このサリの言葉はマキロソより身に染みた。

    それから何日かはまた、何にもなく平々凡々に流れて行った。

    2005-12-23 14:04:00
  • 251:

    ♪♪リンコロ♪♪♪リンコロ♪♪

    『*゚_゚)?誰これ』
    豆は仕事の帰り道、携帯に写る見慣れない番号を見つめながら歩いていた。
    『………ハイ?』

    2005-12-23 14:07:00
  • 252:

    『メイ…?俺。隆介やけど。連絡できんくてごめん』
    『…………あ、うん。』
    『アイリに何かした?』

    *゚Д゚)!!?

    2005-12-23 14:14:00
  • 253:

    名無しさん

    ぁげます?

    2005-12-23 14:15:00
  • 254:

    名無しさん

    2005-12-23 17:42:00
  • 255:

    名無しさん

    マキロソってなに?

    2005-12-23 22:04:00
  • 256:

    商品名とかは本間は書いたらアカンから気にしてるんちゃうかな??

    2005-12-23 22:29:00
  • 257:

    ?名無しサマ達サマ?書き書きありがとうございます??マキロソはご説明の通り?ちょっと気を使いました?またわからんかったら書き書きして下さいね?

    2005-12-23 22:55:00
  • 258:

    『なんかって何。』
    『いや、アイリがメイとメイの連れにしばかれたって言って泣いてたし、』
    『それ鵜呑みにしてかけてきたん』
    『いや、だからホンマか確かめよう思って』
    ----こっちは相手女やし気使って顔は殴ってへんのにアイリと連れには顔まで殴られたってのに何が泣いてたやねん。

    2005-12-23 23:00:00
  • 259:

    『だいたい隆チャン、いきなり久しぶりに電話かけてきたらそれかいな。』
    『連絡出来んかったんはホンマごめん。携帯なくして今連れに借りてんやって。』
    『さいでっか。用件それだけ?疲れてんねんか』
    ----久しぶりに最愛の人の声を聞けてるってのに、その時の感情は【喜び】ではなく【欝陶しい】だった。

    2005-12-23 23:04:00
  • 260:

    『ごめん。』
    『謝ってもらっても。もー…、切っていい?』
    『……またかけるわ』
    『うん。仕事頑張ってな』
    *+*+*ピッ。。。。。

    2005-12-23 23:07:00
  • 261:

    そもそも、あんな乱闘が起きた事の発端は、アイリが隆介をけなして腹が立ったのだ。
    つまりあたしはあんたを馬鹿にしたアイリにお仕置きしてやる為だったのだ。

    『くそ。あ゛ー胸糞悪。』
    帰り道、目についた看板を蹴った。看板が凹んでビビった。

    2005-12-23 23:13:00
  • 262:

    『そらないわなぁ』
    サリは鍋を突きながら言う。
    『やろー。』
    鍋は真っ赤なキムチ鍋。辛い辛いとサリが突く。主人の帰らぬ我が家でサリとサリの生意気娘と楽しく鍋パーチー中。
    『でも豆、別れる気はないんやろ?あ、白菜取って』

    2005-12-23 23:17:00
  • 263:

    『ホイ。あ、春雨も入れて。ってかなぁ、別れるとか別れへんとかの前に、別れてるんちゃうかいな。すでに』
    『(゚Θ゚・)………アハハ』
    『アハハ(。゚∀゚。)』
    『ってあんた笑ってる場合か。ビール取って』

    2005-12-23 23:21:00
  • 264:

    ?今日はここまでデス?
    >>249-267まで?

    2005-12-23 23:29:00
  • 265:

    名無しさん

    2005-12-24 00:18:00
  • 266:

    『…い!!おーい豆ー』
    ?(`Д´*)!!
    『ん…。オハヨ。。。』
    『ヨダレ、ダッハッハ!!ヨダレたれてんであんた!!』
    ----気がついた時は既に朝だった。

    2005-12-24 15:04:00
  • 267:

    『頭いてー…。』
    『帰るわ』
    『お疲れ。』
    ----サリが出て行った後、ゆっくりと体を起こす。
    『烏龍茶ー…飲まな死ぬゥゥ』はいつくばりながら冷蔵庫へ向かう。

    2005-12-24 15:07:00
  • 268:

    ♪♪♪リンコロ♪♪リンコロ♪♪♪

    『やかましいぃぃ(*Д*)誰やねん』
    死にかけの二日酔いの頭を摩りながら携帯を捜す。

    2005-12-24 15:10:00
  • 269:

    ピッ。。。。『はいィー。』
    『メイ?俺やヶド』
    『あぁコウタ。』
    『寝起き?』
    『ぅん。何か用?』

    2005-12-24 21:41:00
  • 270:

    『彼氏とどーなったー』
    『君のおかげで最悪や。』
    『まじで』
    『はは、嘘嘘。』
    ----くわえた煙草から白い煙が舞い上がる。

    2005-12-24 21:43:00
  • 271:

    『コウタは関係なしで隆チャンとは終わったでー』
    『まじで?』
    ----電話ごしのコウタの声は、一瞬真剣さを醸し出していた。
    『まじで。』
    フゥっとため息のように煙を吐き出す。クラクラと頭が回ったように暈がした。

    2005-12-24 21:48:00
  • 272:

    『そっかー。つまり俺と…』
    『ないない。』
    『返事早いねん!!』
    さっきまで、鉛のように重く痛かったはずの頭が少し軽くなった気がした。
    『あはは。コウター?』

    2005-12-24 21:53:00
  • 273:

    『んー?』
    ----電話ごしのコウタの声が柔らかい。
    『…ありがとな』
    『はぁ?何やそれ』
    『何となく。感謝した、今』

    2005-12-24 21:55:00
  • 274:

    『あはは……』
    『メイ、泣いてんの?』
    ----つくづく、コウタは勘がいい男だと思う。
    『泣いてへんわ!!』
    『…大丈夫か?メイ?』

    2005-12-24 21:58:00
  • 275:

    『大丈夫。切るわ』
    *+*ブチッッ…。。。
    半ば無理矢理に電話を切る。携帯を持つ手で目を拭う。

    何故涙が出るのかはわからないが、コウタと話して気付いた事が有った。コウタと話して初めて気付いた。

    2005-12-24 22:02:00
  • 276:



    聞きたかった声は、他の何でもなく、隆介の声だった。

    2005-12-24 22:03:00
  • 277:

    コウタと別れてから、もうきっと一生ひとりで。
    老後は白髪で猫でも撫でてるような淋しい老婆になるんだと思って生きてきた。
    隆介なんて計算違いだった。
    気がつけば、自分でも見失ってしまうほどに、
    ━━━隆介が好きだった。

    2005-12-24 22:08:00
  • 278:

    『隆チャン…隆チャぁぁ…!!!会いたい…隆チャンに会いたいぃ……!!!ぅわぁぁん!!!』

    誰も居ない、本当はもう一人居るはずの誰も居ない部屋で、女が一人、声をあらげて泣いていた。

    『グスッ…グシッッ…』

    2005-12-24 22:13:00
  • 279:

    アイリとヨリを戻したって聞いた日から、豆はどこかでずっと我慢してきていた。
    何かのフタが、飛び出した。

    泣いて泣いて、枕に顔を押し付けて泣いた。

    2005-12-24 22:16:00
  • 280:

    ────淋しい。

    豆は泣き疲れてソファにもたれていた。その時。。。。

    *+*+*ピンポ────ン!!

    2005-12-24 22:19:00
  • 281:

    『…隆チャン!?隆チャン!!』

    インターホンの鳴る玄関に一目散に走り出す。
    ガチャガチャガチャガチャ!!!
    『隆ッッ!!!……!?』

    2005-12-24 22:21:00
  • 282:

    『……コウタ…』
    『やっぱり。泣いたんや。ってブッサイクな顔。』
    コウタの手が頬に触れる。
    『手、冷た…』
    頬に触れたコウタの大きくて細い手が冷たくて、心地よい。

    2005-12-24 22:25:00
  • 283:





    ━━━━━もうどうでもいい。怖い位に愛おしい人は、もういらない。忘れたい。

    2005-12-24 22:28:00
  • 284:



    *+*+*パタンッッ。。

    コウタと豆を、ドアは静かに部屋へと仕舞い込んだ。

    2005-12-24 22:30:00
  • 285:

    ??今日はここまで?
    >>270-288まで書きますた?

    2005-12-24 22:31:00
  • 286:

    さら

    あげ??

    2005-12-25 15:10:00
  • 287:

    名無しさん

    ?

    2005-12-26 14:51:00
  • 288:
    2005-12-26 14:52:00
  • 289:

    『…………』
    ----会話はない。
    『ま、鼻でもかみなよ』
    『………ヂーン…』
    『まだ要る?』

    2005-12-26 17:28:00
  • 290:

    『…いらん』
    『そ。』
    ----ボスッっとソファに腰を落としたコウタ。
    『……………。』
    『メイ。おいでー?』

    2005-12-26 17:38:00
  • 291:

    チョイチョイと、コウタの指が立ちんぼの豆の手先に触れる。

    *+*+*+*ポスンッッ…

    肩に沿って置かれているコウタの腕を包むスーツは少し冷たくて、でも首筋をみると少しだけ汗ばんでいた。急いで来てくれたんだろう。

    2005-12-26 17:44:00
  • 292:

    騙くらかして何分も立つ。
    コウタの薄い唇から吐き出される白い煙を見つめたまま。
    『………』
    『あーぁ。なんか俺なー、来る時とかお前とヤル気満々やってんヶドなぁあ。』
    『*゚Д゚)!?』

    2005-12-26 17:48:00
  • 293:

    『暇やしー、ヤっちゃう?』
    ---ニカッと笑うコウタ。
    『……プッ。アハハ』
    ---つられて笑う豆。
    『アハハ。……飯でも行くか☆』

    2005-12-26 17:51:00
  • 294:

    『…うん☆』
    『決まりやな☆お前、上とって来いや』
    ----コウタが奥の部屋にアゴを向けた。
    『おーょ☆』
    立ち上がり、スタスタとスリッパを鳴らしながら廊下を歩く。

    2005-12-26 18:12:00
  • 295:

    ♪♪♪リンコロ♪♪リンコロ♪♪♪

    『メイー!!!電話!!』
    『ん?はいー。』
    。。。。。。。。。。。パタパタパタ!!!

    2005-12-26 18:18:00
  • 296:

    『?(゚Θ゚・。』
    『ん?出ーへんの?』
    『あ、出る。』

    *+*+**+*+**+*+ピッッッ!!

    2005-12-26 18:20:00
  • 297:

    『……はい』
    『メイ?俺。隆介やけど』
    『うん。』
    『今どこ?』
    『え?なんでなん』

    2005-12-26 18:22:00
  • 298:

    『俺な、やっぱりちゃんと仲直りしたくて、ハァ、着いた。
    今家の前☆』
    『え*゚Д゚)!!?』

    ピンポ───────ン。。

    2005-12-26 18:24:00
  • 299:





    ━━━━━━━ヤバイ━━

    2005-12-26 18:24:00
  • 300:

    ?中断します??
    >>293-303まで書きました?

    ?さらチャン?ヵキコありがとうございます??よかったら下げでヵキコお願いしますね??またヵキコ待ってます???
    ?名無しサマ?絵文字かな?見えないヶド足跡??ありがとうございます??
    ?名無しサマ?sage協力ありがとうございます??また感想待ってます?

    2005-12-26 18:29:00
  • 301:

    名無しさん

    2005-12-26 23:42:00
  • 302:

    『え(。゚∀゚。)隆ナントカ君か!?』
    ----コウタの声で背中がしゃんとする。
    『どどどど!!』
    『日本語喋れって』
    *+*+*+*豆は困ると、どもる癖がある。

    2005-12-27 15:38:00
  • 303:


    *+*ピンポ─────ン


    片手に握りしめた携帯が再度、吠えるかの様に鳴り出す。

    2005-12-27 15:40:00
  • 304:

    ・・・━━━着信*隆介━━━

    『出るしかないやろ』

    コウタの声が耳をつんざく。

    2005-12-27 15:46:00
  • 305:

    …カチャ・・・・・・・・!!!

    『今日寒いなぁ。ってか、メイごめ…』
    隆介の目が点になった。
    『どゆ事…』隆介が言葉を吐き出す。

    2005-12-27 15:50:00
  • 306:

    『いやいやいやいや、隆チャンあの!!』
    『まじでナイわぁ…』
    ----隆介はドアにもたれて、しゃがみ込む。
    『だから、何もないねんて』
    ----必死に喋ろうとする豆の声は上擦る。

    2005-12-27 15:55:00
  • 307:

    『…てかさぁー』
    ----沈黙が刻々と流れる玄関、突如コウタの低い声が隆介と豆の間に響渡る。
    『隆くん?何しに来たんな』

    *゚Д゚)!!!またこの男は!とんでもない事を口走るつもりぞ!!

    2005-12-28 14:53:00
  • 308:

    『ちょっ!!コウ…』
    ──豆はアワアワと振り向き、コウタの腕を掴む。
    『離せや。隆くん君なぁ』
    ──コウタは腕を静かに豆の手から摺り抜き喋り続ける。
    『メイが信じられへんのやったら戻ってくんなや。仲直り?薄っぺらい信頼関係で仲直りなんか出来る訳あらへんやんけ』

    2005-12-28 14:58:00
  • 309:

    隆介は黙ったまま、ゆっくりと立ち上がる。
    『あ、帰る?さいなら』
    ----コウタは挑発する。
    『コウタ黙って!!隆チャ…』
    ──豆は玄関に立つ隆介を見上げ、口を開いた。

    2005-12-28 15:03:00
  • 310:


    ━━━━━━グイッッ!!


    豆の体が何かに引き寄せられ、バランスを失った瞬間…。

    2005-12-28 15:04:00
  • 311:

    豆の体は懐かしい香水の匂いに包まれていた。

    『あ、隆チャンの匂い』

    ──目を開けると、豆は、クリーニング上がりのしゃんとして少し固いスーツの中に顔がうずくまっていた。隆介の、腕の中にうずくまっていた。

    2005-12-28 15:09:00
  • 312:

    『薄っぺらないから。』
    キツく括られた腕の中、頭の上から隆介の少しかすれた声が聞こえる。少し笑ったような声、隆介の声が耳に届く。

    『…帰って。元カレやら何サンか知らんヶド、ここは俺とメイの家やし。帰って。』

    2005-12-28 15:13:00
  • 313:

    『元カノは?』
    ----後ろのほうから聞こえるコウタの声。
    『…ハァ、アイリとは何もない。それ以上はあんたには関係ないでしょ?』

    ━━━━━━━━少しだけピクッと隆介の腕が震えた事を、うずくまる豆は見逃さなかった。

    2005-12-28 15:17:00
  • 314:

    ?休憩します?
    昨日と合わせて>>306-317までです??

    2005-12-28 15:19:00
  • 315:

    名無しさん

    2005-12-29 07:48:00
  • 316:

    美雨

    しおり??
    いつも読んでます?めっちゃおもしろいです?おまめさんのファンです?笑?これからも頑張ってくださぃ??

    2005-12-29 07:55:00
  • 317:

    名無しさん

    2005-12-29 09:17:00
  • 318:

    ?美雨チャン?『サン』だなんて?呼び捨て感激デスょ??よかったら?感想スレにもヵキコしに来て下さいね?

    2005-12-29 13:30:00
  • 319:

    『…フガフガ……隆チャン…フガッッ苦し…』
    ──豆の体を拘束していた隆介の腕がほどかれる。
    『あ、ごめん』
    『プハァ*゚Д゚)死ぬかと思った…ゼヒュゼヒュ…』
    ----軽くむせ返り、ボサついた髪を触る。

    2005-12-29 14:18:00
  • 320:

    『メイはどーしたいん?』
    ----間髪入れずにコウタが問い掛ける。
    『………。ん?』

    ・・・ブーッブーッ・・ブーッブーッ・・・・・

    2005-12-29 14:20:00
  • 321:

    『何の音?』
    豆は小さな音の音源を耳をすまして辿って行く。
    ・・・・ブーッブーッ・・ブーッブー・・・

    『携帯なってますよ。元カレさん?』

    2005-12-29 14:23:00
  • 322:

    『え?』
    ──豆は背中のすぐ後ろの隆介に目をやる。
    『マナー??携帯ブルってますよ』
    ----隆介の声がコウタに届く頃、コウタは小さく舌打ちをして胸に手を入れた。

    2005-12-29 14:25:00
  • 323:

    『アイリでしょ?』

    隆介の一言は豆の頭の上をすりぬけて、
    コウタの表情をみるみる曇らせて行く。
    『……どーゆ事。』

    2005-12-29 14:27:00
  • 324:

    名無しさん

    2005-12-29 14:28:00
  • 325:

    >>201-400
    ↑あげちゃってごめんなさい

    2005-12-29 14:29:00
  • 326:

    隆介は何も言わずに黙ってコウタを見つめている。
    コウタは震えっぱなしの携帯を眺めている。


    『意味がわからん*゚Д゚)』

    2005-12-29 14:29:00
  • 327:

    『アイリって隆チャンの元カノやんか?え゛?何でコウタの携帯に着有りなん?え゛ぇ?』

    テンパる豆。

    ━━━━━この着信は、今から全てを明るみに出して行く事になる。

    2005-12-29 14:31:00
  • 328:

    ?休憩?
    >>323-331までデス?

    ?名無しサン?いいですょ??わざわざ気を使って頂いてごめんなさいね?

    2005-12-29 14:33:00
  • 329:

    名無しさん

    最近まめチャン書く量少ないよな?

    2005-12-29 22:23:00
  • 330:

    ↑感想スレ見たら書いてるけど風邪こじらせて救急病院行くくらいやねんで。ほんまは寝てなアカンのに皆読んでくれてるからってゆって書いてんねんで(x_x;)

    2005-12-29 22:39:00
  • 331:

    名無しサン?少ないデスね??ごめんなさい?読んでくれてたんですよね??ありがとうございます?体調を言い訳にして申し訳ありませんが?温かい目で見守って頂いけると嬉しいデス?なるべく毎日更新を心掛けてるのですが?少ない事につきましては本当にすいません?それでも読んで頂いてヵキコして頂いてありがとうございます?放置だけは避けるつもりで書きますので?これからも御愛顧宜しくお願いします?

    2005-12-30 15:00:00
  • 332:

    夜8時までに更新します??

    2005-12-30 15:01:00
  • 333:

    『……コウタ?』
    生唾をゴクッと飲み込むと、少しむせる豆。
    『ちょっとコウタ!!どーゆ事なんって!!』

    ───自分でも意外な程、声が多きくて、3人を取り囲む空気が張り詰めて行く。

    2005-12-30 18:55:00
  • 334:

    『コウタ(`Д´*!!』


    『ハァァア。めんど』
    ----コウタがついに口を開く。隆介は何も言わないで靴を脱いだ。

    2005-12-30 18:57:00
  • 335:

    『とりあ座ろや』
    コウタのこの一言で、確信した事は、

    【長くなる話】って事。
    ----3人は部屋の中へとゆっくり歩き出す。

    2005-12-30 19:00:00
  • 336:

    ----座ると共に、コウタはおもむろに胸から携帯電話を取り出した。

    プルルルルルル・・・・プルルル・・ルルル

    誰かに電話をかける、コウタの手が掴んだ携帯からは機械的な音が部屋に流れ出す。

    2005-12-30 19:03:00
  • 337:

    『あ、もしー?近くにおんねやろ。上がって来て』

    コウタの声を聞きながら、不安げに隆介を見上げた。

    『大丈夫やで。』隆介は大きな手で豆の頭に触れた。

    2005-12-30 19:06:00
  • 338:

    コウタが【誰か】と喋りつづける中、
    『メイは心配する事ないから。ごめんな。』
    ----そんな事を言う隆介の、主旨には触れない謝罪が、虚しく不安を尚更、煽り立てる。
    『もー来るわ』
    ----コウタがふてぶてしく言い放ち、豆は我に返る。

    2005-12-30 19:10:00
  • 339:

    『誰が来るん?』

    ──なぜか聞けずに又、生唾を押し込む様に飲み込んだ。

    白く揺れる煙をだだ、固まった様に見つめていた。

    2005-12-30 19:13:00
  • 340:



    ─────カチャ・・・・─

    向こうの方で、ドアが開く音がした。

    2005-12-30 19:15:00
  • 341:

    『……・・・元カノ』
    ──入ってきたアイリの姿が目に写る、
    【あぁ、やっぱり。】

    思った時にはアイリは向かい合う様に置かれたソファの、コウタの横に黙って座っていた。

    2005-12-30 19:19:00
  • 342:

    『で、何これ』
    ───アイリはいつも通りのヒジキがいっぱい乗っかった目をパチパチと見開き、コウタを見つめた。
    『・・・・もーいーやろ。俺ももうしんどいって』
    ----コウタはソファに深く座りこんだまま、ポツリと囁いた。

    2005-12-30 19:22:00
  • 343:

    『は?意味わからんねんヶド。呼ばれたヶド、アイリ来た意味あるん?』
    ----明る過ぎる茶色い眉をしかめ、アイリはコウタを睨みつけている。
    『ぶっちゃけよや』
    コウタはアイリの鋭いヒジキを見る事はなく、ため息の様にまた囁いた。

    2005-12-30 19:26:00
  • 344:

    『・・・・なぁアイリ』

    ----次に口を開いたのは、豆の横に静かに座っていた隆介だった。
    『隆介、勘違いせんとってな!!アイリなんもしてへんから!!アイリ、隆介に嘘なんかついてへんから!!』
    ----まるで言葉を被せる様に、アイリは急いでペラペラと口を動かす。

    2005-12-30 19:30:00
  • 345:

    『アイリ、騙されたねん。ほんまやで!!この人に騙されだけやねん!!』

    ━━━言葉はどれも全く理解出来ず、眉をしかめる豆。
    気にも止めず、いや、豆などあたかも存在しないかの様にアイリのヒジキは隆介を見つめていた。
    ・・・・・・・・すがるような弱々しい目で。

    2005-12-30 19:34:00
  • 346:

    『アイリ、もーいーねん。もーいーから。』
    ----隆介は、体を前に少し出して向かい合うアイリにまるで子供をあやす様に話し出した。
    アイリは隆介を見つめたまま、今にも涙を落としそうに座っている。

    豆は、隆介の背中と一緒に視界に写った、アイリを黙って見つめる。

    2005-12-30 19:42:00
  • 347:

    ?中断します??
    >>337-350です?

    2005-12-30 19:44:00
  • 348:

    『だって…だっ……てなァァ・・・あたッッあたし…』

    ----勢いの灯火こそ消えたアイリは、さっきとはまるで別人の様に弱々しく、啜り泣きながら口を開いた。

    隆介はいつもと変わらず、優しい目で真っ直ぐに向き合ったアイリを見つめる

    2005-12-31 02:41:00
  • 349:

    キ───────ンッ
    シュボッッ・・・・

    アイリの啜り泣く声を聞きながら口にする煙草は、いつになく苦かった。
    ----世界の時間は止まってしまったのか、もしくはこの異様な空間のみぞ時間が流れていないかの様に、静かである。

    2005-12-31 02:47:00
  • 350:

    『……あたしな、この人の店にたまたまキャッチされて行ってん。』
    ----ゆっくりと話し出したアイリは、コウタを指してまたすぐに俯いた。

    『…隆介と別れてから、何も手につかんくて、ホスト行き荒らしとってん。』

    2005-12-31 02:51:00
  • 351:

    ----誰も、アイリの言葉に相槌は討たない。
    一人ゆっくりと、己の速度で、アイリは続ける。

    『そんな時、コウ君に知り合ってん。初回で行った時、話し上手やったし、あたし色とか嫌やったしコウ君は色ないし、口座にしたんやんか。』

    2005-12-31 02:55:00
  • 352:

    『ある日、隆介の話ししたんやん。忘れられへん人おるって。ほんなら、話し聞いたらコウ君も同じやってさぁ。元カノが忘れれへんとかゆーてな。それでお互い、元カレ元カノの事話し出してん。』

    ----さっきまで頭上に張り詰めていた不透明な疑心は、
    アイリから吐き出される言葉の一つ一つによって、
    まるで曇り空から晴天へと移り変わる様に、明るみへと導いて行く。

    2005-12-31 03:01:00
  • 353:

    『・・・・話してる途中からな、コウ君が隆介の特徴とか歳とか聞き出してん。ほんなら、コウ君の元カノはもしかしたら隆介の今カノかもしらんってなり出して、それで……』

    ----アイリの淡々と語っていた口は紡がれ、その表情はまた曇り、再度俯いた。

    黙って、もたれかかったソファからその表情を伺うと、アイリは黙って深呼吸をしていた。

    2005-12-31 03:08:00
  • 354:

    そんな深呼吸に釣られて、静かにため息を吐き、
    相対したソファの間に有る境界線のようなガラステーブルの携帯を手に取ろうと、豆はふと体を起こす。


    『・・・・手ぇ組んで、二人を別れさせようとしてん。』

    2005-12-31 03:14:00
  • 355:


    ───いきなり口を開いたアイリの言葉。

    豆の目は、テーブルの上の携帯を捕らえたまま、しかし、しっかりとその言葉は豆の耳に入っていた。

    2005-12-31 03:17:00
  • 356:

    ??今日はここまで?
    >>337-360?
    明日は大晦日で忙しいので更新出来るかわからないので沢山書きました?

    2005-12-31 03:19:00
  • 357:

    ??〃

    2005-12-31 07:07:00
  • 358:

    ?名無しサン?二人共同じ方ですか???凄い嬉しい??ありがとうございます??嬉しいので料理?ゃヶドちょっとだけ更新します??ちょっとだけょ?

    2005-12-31 15:53:00
  • 359:

    『…………。』

    ちらっとアイリに傾けた目は、またすぐに携帯へ戻して、黙ったまま次の言葉を待った。

    『……コウ君と、二人を別れさせようって…ゆってん…』

    2005-12-31 15:57:00
  • 360:

    『あたしは…隆介が欲しかっただけやねん!!』
    ----アイリは振り絞ったのか、勢いをつけて、さっきよりも大声で言い放った。

    『隆介が、隆介が戻ってきてくれるんやったら………』

    2005-12-31 16:02:00
  • 361:



    『…なんでもするねん……』

    ───それは、線香花火の最後の火種が落ちる様に、小さすぎる言葉だった。

    2005-12-31 16:07:00
  • 362:


    そのあと心に芽生えた感情は、腹立たしさと言うよりも、

    痛々しい程に共感してしまう気持ち。
    恋敵だと言うのに、反比例した自分になにより腹立たしくて、涙を流すアイリを見つめるしか出来ずに黙っていた。

    2005-12-31 16:13:00
  • 363:


    『隆介ぇ…ズヒッ…別れたくなんかなかったァァ…ヒッ…なぁッッ隆介…うっ・・・うわぁあん』

    あられもなく、けばけばしい
    その女は泣き崩れた。

    2005-12-31 16:17:00
  • 364:
    2005-12-31 16:56:00
  • 365:

    名無しさん

    ぅゎッッ??ホンマに更新してくれてるゃん??ありがとぅ??なんか感想スレがぁるらしぃから以後そっちに書くねぇ??
    頑張ってなぁ?ぉまめちゃん???応援してまッ?

    2005-12-31 21:05:00
  • 366:

    名無しさん

    2005-12-31 21:34:00
  • 367:

    名無しさん

    2005-12-31 21:35:00
  • 368:

    名無しさん

    2005-12-31 21:50:00
  • 369:

    名無しさん

    2005-12-31 21:56:00
  • 370:

    名無しさん

    2005-12-31 22:08:00
  • 371:

    名無しさん

    あげょ??

    2006-01-01 19:11:00
  • 372:

    『ズヒッ…隆介…隆介ぇ…隆介ッッ別れたくな……』

    せがむようなかすれた泣き濡れた声は、
    いつの間にか部屋の中全てを支配し、ギャラリーと化した豆を含めた3人は、黙って息を押し殺していた。

    2006-01-02 16:24:00
  • 373:

    『ごめん。』
    ━━━━━すがる赤子のようなアイリに対した隆介は、
    優しい目であり、冷たく冷え切った口調だった。

    『嫌…いややぁ…!!アイリは隆介しか無理やもん……アイリは隆介がおら…なッ…ッ』

    2006-01-02 16:28:00
  • 374:

    『なんでなんッッ!!アイリの…アイリの何が…何があかんのん…教え……』
    ----ため息をついた隆介はついに口を開く。
    『メイを犯そうとした事がお前の最大の間違いや』

    ━━━━?━━?━━?

    2006-01-02 16:34:00
  • 375:

    『………ッ!!!』
    ----涙が一瞬にして枯れたかの様に、そのアイリの黒々しいヒジキ目は瞬時に少しだけ見開いた。
    豆は、相変わらず黙ったまま、その光景に目をこらす。

    『俺がなんもしらんと思ってたん?』

    2006-01-02 16:39:00
  • 376:

    『後輩のシンタや。シンタが、全部吐きよったから…』
    『違うッッ!!アイリそんなん!!全く知ら……』
    『違わんやろ。後輩に、シンタの連れらに、メイを犯すよーに写メ見せて話組んでたんやろ。だからわざわざメイの仕事先まで行った。』
    『違う!!!違うもッッ!!』

    2006-01-02 16:44:00
  • 377:

    『写メのメイは、エプロン着てた。まだ違うんか』

    ----ソファの端から見えた隆介の手は、かすかにだか、震えていた。

    必死に怒りを堪えた拳からは、虚しげに震えが込み上げる。

    2006-01-02 16:47:00
  • 378:



    『…………犯したら…犯したら二度と隆介には近付かへんって……思っ…』

    ポツリポツリ。。。。白状されてゆく、醜くおぞましい言葉のカケラはどれもがアイリがついに現した本心だった。

    2006-01-02 16:52:00
  • 379:

    ----横で黙っていたコウタと言えば
    アイリの本心を知りさすがにびっくりしているのか、
    それとも相変わらず他人に興味がないのか、
    無表情に携帯のボタンを押し続けている。

    2006-01-02 16:56:00
  • 380:

    『………本気で…本気で邪魔やってん』
    ----涙すら枯れ果てたアイリはうっすらと笑みを浮かべて、奇妙な表情で一人静かな部屋で喋りつづける。
    『死んでくれたらよかったのに……アイリから隆介を取ろうとする奴なんか…死んだらいいのに…』

    2006-01-02 17:00:00
  • 381:

    ━━━━━バシャッッ!!

    『!!隆介っ……隆介を!!返してえやッッ!!』

    ----ついに矛先は豆に向き、手にしたガラスコップの烏龍茶をアイリは豆にぶちまけた。

    2006-01-02 17:03:00
  • 382:

    『アイリ!!!』
    --立ち上がり、怒鳴る隆介。

    ━━━━グイッッッ!!!
    その腕を引き止める、豆。

    2006-01-02 17:06:00
  • 383:

    ポタ…ポタ…と烏龍茶の雫が豆の体を這って床に落ちる。

    『隆チャンは黙ってて』

    ついに顔を上げた豆。----------------本当の戦いが、幕を切って始まる。

    2006-01-02 17:09:00
  • 384:

    ?休憩します?
    >>377-388まで書きまた?

    2006-01-02 17:15:00
  • 385:

    『なんなん?黙ってんとなんかゆえや!!』

    ━━━立ち上がり、荒々しく声をわめき立てるアイリ。豆は黙って座ったまま、水滴の垂れる頬を手で拭い取った。

    『聞いてんかコルァ!!』

    2006-01-03 04:47:00
  • 386:

    *+*+ガシャ────ン!!

    アイリは、手にしたグラスを大きく振り下ろし、テーブルに叩きつけた。
    無論、グラスは割れ、手には鋭く尖った割れたカケラが光る。
    『アイリ!!えーかげ…』

    2006-01-03 04:50:00
  • 387:

    見兼ねた隆介が立ち上がり、アイリの腕を掴む。

    『離して!!!』
    『もーやめろや。まじで』
    『…ッッ。じゃあアイリの彼氏に戻ってくれる!?なぁ隆介ぇ!!アイリと帰ろ?地元に帰…』

    2006-01-03 04:53:00
  • 388:



    『隆チャンの家はここや』

    ───ポツリと口を開く。

    2006-01-03 04:54:00
  • 389:

    --立っている隆介とアイリは、座って下をむいている後頭部しか見えない豆を見降ろした。

    『隆チャンは返さへん』

    ━━━もたげていた頭をゆっくり起こすと、上方で眉間にシワを寄せているアイリをまっすぐに見上げ見つめた。

    2006-01-03 04:59:00
  • 390:


    『……はッッ?』


    『だから。返さん。』

    2006-01-03 05:00:00
  • 391:


    『ハッ!なにゆーてるん』

    フルフルと、生々しく震えるアイリの手でグラスの破片が光っている。
    *+*+*尋常ではないようだ。

    2006-01-03 23:43:00
  • 392:

    『隆介?帰ッッ…帰ろ…なぁ!!地元帰ろ!!!なぁ!?』
    『隆チャン、あたしは…』
    『あんたの気持ちなんか聞いてへんわ!!!!隆介!隆介帰ろうや!!』
    ───震えは声にまで達したアイリの怒鳴るような金切り声が耳をつんざく。

    2006-01-03 23:47:00
  • 393:

    『隆チャン!!』
    ━立ち上がり、困り顔の隆介の腕に触れようとした。


    。。。。。その時だった。

    2006-01-03 23:50:00
  • 394:



    ━━━━━グサッ・・・・

    。。。

    2006-01-03 23:52:00
  • 395:

    『……ん』

    ───ポタ…ポタ・・・・・

    『メイ…血・・・・』

    2006-01-03 23:55:00
  • 396:

    ----向かいのソファに座って無表情に携帯をいじっていたコウタの声が耳に届いた頃。

    『ハハハ…アハハハハハ!邪魔するからや!あたしと隆介の!邪魔するからやぁ!』

    ─・・・・覆いかぶさるようなアイリの狂喜に狂った笑い声が、刺された腕からしたたる血をより一層リアルなものと仕立て上げてゆく。

    2006-01-04 00:00:00
  • 397:

    『ッッ!お前!!ゴルァ!!』
    ──隆介の怒鳴り声が真横で聞こえる。
    ・・・ポタ・・ポタ・・ポッッ・・・ポタッ・・・・ポ・タッ・・

    流血する当の本人、豆は、流れる血が白いファーの絨毯を少しずつだが均一に、染料の様に鮮明な朱へと染めて行くのを見ている。

    2006-01-04 00:10:00
  • 398:

    『アハハハハハ!!!血やぁ!血ぃ出てるやーん』
    ----闇雲にも、
    アイリの狂った笑い声を聞いて『狂喜乱舞とはこのことか』なんてボンヤリ思っていた。

    『大丈夫?手当てしよ』

    2006-01-04 00:15:00
  • 399:

    場慣れしているのか、根っからの性格なのか、隆介が血の滴る腕に触れた。
    『あ、大丈夫大丈夫。』
    ----さすがに神経が逆立っているのか腕をよける。
    『ヘタレやん!!隆介はなぁ?あんたみたいなヘタレやったらあかんわ!なぁ隆介?黒浜シバいて今地元しきってんねやん!やしな!あん…』
    『アイリ!黙れや』

    2006-01-04 00:24:00
  • 400:

    『なんでなん!?シンタもゆってたんで!!隆介さん帰ってこーへんからおもんないって!こんな所住み出してから、地元にも帰ってこんくなったんやん!!この女のせいやろ!!』
    『アイリ!』
    『なぁ!帰ろやぁ・・・・地元帰ろうやぁ…みんな待ってるねん…帰ろうやぁ!!!』

    2006-01-04 00:31:00
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