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いつもアンタは…

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  • 1:

    あゆみ

    なぁ…知ってる??…

    あたしら人間が     この世に生まれて    死ぬまでの間…
    どれだけ涙を流すんか…

    2006-01-07 16:29:00
  • 201:

    あゆみ

    「自分裕也くんちゃん?」
    私がそう言うと裕也は驚いた顔で「そうですケド…」と答えた。
    「いらっしゃい?あゆみやん!」私は自分を指さしてそう言った。
    「ほら優と前店行った事あんねんけどな?」
    裕也は少し考え込んでようやく私をわかってくれた。「せやけど…なんで。…え?自分らどういう関係?」知らんくて当たり前。私と真麻が実の姉妹って事は涼ぐらいしか知らんからな…

    2006-01-30 00:13:00
  • 202:

    あゆみ

    別に隠す理由もないし。
    「あゆみら実の姉妹やで!」「え?!‥‥うそ…」裕也は異様に驚いてた。
    「まぁとりあえず上がりや」と真麻が言った。
    「それにしても似てないなぁ。」余計なお世話じゃ!

    2006-01-30 00:21:00
  • 203:

    あゆみ

    って感じの雰囲気で色々と話していた。
    じゃあ突然裕也が言った。「涼さんとどうなんすか?」真麻の前で涼の話を出してほしくなかった。…
    「まぁボチボチやで。」と適当に答え、話を流そうとした。
    状況を知ってるわけもない裕也は、涼の話を引っ張る引っ張る…
    とどめには前あった事の話まで持ち出した。…

    2006-01-30 00:30:00
  • 204:

    あゆみ

    裕也が、ほぼ一人で喋っているような感じになり私と真麻の間は気まずくなった。
    裕也は明るいし顔も男前。例えて言えば、吉本所属のジャニーズみたいな感じ?
    そこそこ人気もあるし個人的には好きなキャラやけど…。
    場の空気をイマイチ読まれへんってゆうか‥。

    2006-01-30 00:36:00
  • 205:

    あゆみ

    「涼さん、毎日あゆみちゃんの話してたから店の子はみんなあゆみちゃん知ってますよ」とか…
    「代表になれたのもあゆみちゃんのおかげっすよ!」とか…
    そういえば2号店のオープンイベントの時、私が知らない子にまで名前呼ばれてたような‥。とか私なにを考えてんねん。…
    真麻は不満げな顔やしこれ以上空気悪くなったらたまらんわ。…

    2006-01-30 00:46:00
  • 206:

    あゆみ

    ちなみに裕也はNo.2。
    涼が代表になって店を変わったから一応No.1とも言えるんかな?…

    2006-01-30 00:50:00
  • 207:

    あゆみ

    真麻はマイコではなくこの裕也の家で寝泊りしていたそうだった。

    のちにこの二人が私の悪魔になるなんて…。
    私は内心ホッとした。ついこないだ「タイプは涼みたいな人」発言をしたから、ここ何日間かその事ばっか考えてしまっていた。
    でももう裕也がおるしな…

    2006-01-30 01:59:00
  • 208:

    あゆみ

    でもそれは私の大きな勘違いだった。
    真麻は、涼を諦めてなんかいなかった。…
    あいかわらず私は涼と愛し愛されの毎日で幸せな日々を送っていた。
    そして涼から同棲の話が出た。でも私の脳裏には真麻。…真麻がいるのに同棲なんて…無理無理。

    2006-01-30 02:05:00
  • 209:

    あゆみ

    でもそうは言っても実際、家はほとんど空き状態。
    真麻もだんだん家に帰ってくる回数が減って、それは私も同じだった。
    二人の間に明らかなすき間が出来始めた時、ある日突然真麻に言われた。
    「裕也が二人で住む家、借りてくれた」

    2006-01-30 02:10:00
  • 210:

    あゆみ

    私も涼との同棲の話、断ってばっかじゃなくて真剣に考えようと思ってた。
    本間は一分一秒でも、涼と同棲したかったけど…

    でも真麻を思う気持ちにはどぅしても勝たれんかった。
    それやのにそんな私の気持ちも知らんと平気な顔で言う真麻になんとなく苛立った。…

    2006-01-30 02:16:00
  • 211:

    あゆみ

    だけど何年もずっと心で引っかかっていた家族。
    やっと会えたのに、もしかしたらこのまま又会えなくなってしまいそうで恐かった…
    見失ってしまう事が恐かった…
    でも真麻との二人暮しは、半年ももたなかった。

    2006-01-30 02:21:00
  • 212:

    あゆみ

    一度埋まりかけた姉と妹の十数年の空白の時間…
    これが地獄の始まりだった。
    もし《運命》というものが存在するならどうして神様は私と真麻を姉妹にしたのですか?…
    もし《奇跡》というものが存在するならどうして神様は涼ではなく真麻に微笑んだのですか?…

    2006-01-30 02:26:00
  • 213:

    あゆみ

    そして、二度と埋まる事のない十数年の空白の時間。
    たとえ、この命が尽きたとしても…
    未来がわかっていればきっと私はアンタとは出会わなかった。…
    私の大切な人を奪ったアンタとは‥

    2006-01-30 02:33:00
  • 214:

    あゆみ

    真麻とは一緒に暮らさなくなっても連絡はまめに取っていたし時々会っていた。真麻は裕也と同棲…
    そして私は涼と同棲…
    すべてがうまくいくと思ってた。
    私‥幸せになったらあかんのかな??…

    2006-01-30 23:52:00
  • 215:

    あゆみ

    気付かなかった。…
    真麻と裕也に愛なんてなかった事。…
    すべてが私と涼への嫉妬心だった事。
    神様は何をしたら私に幸せをくれますか??
    もう一度生まれ変わって、《幸せ》が手に入るなら…間違いなく私は今ここにいないだろう。

    2006-01-30 23:57:00
  • 216:

    あゆみ

    突然現れた女の子…
    それが小さい頃、母と共に突然消えてしまった《妹》だとわかった時…
    《奇跡》やと思った。
    二人で生活をし始めてからも時々、「あゆ姉っ!」って呼ぶ真麻の声とか目の前の笑顔が夢やと思ってしまう事もあった。

    2006-01-31 00:10:00
  • 217:

    あゆみ

    夢なわけがない‥!

    私はたった一人しかいない妹の為に出来る限りの事は姉として全部した。
    ちょっとでも美味しいご飯を食べさしてあげたかったから忙しい中でも料理本を片手によく作ったなぁ…
    洗濯もなにもかも私がしていた。でも全然苦痛なんかじゃなかった。真麻の笑顔を見るたび、私が守ったらな…ぐらいの勢いで毎日、頑張った。

    2006-01-31 00:19:00
  • 218:

    あゆみ

    私、結局いいお姉ちゃんになられへんかったんかなぁ…
    それから悲劇は起きた。
    休みの日、涼とご飯を食べに行った。
    途中で涼の携帯に急に、客から電話。
    私といるのに電話にでた涼…仕事なんわかってるのになんかイライラしてしまった私。

    2006-01-31 13:10:00
  • 219:

    あゆみ

    (ふざけんな!誰やねん!前に私おんのに電話でる?普通…)
    涼はその客と楽しそうに、笑いながら話している。
    私は気分が悪くて寝たフリをした。
    「ごめんあゆみ!!この子さみしがりやねん…」
    はぁ…??もぅえぇわ…
    帰ろかな…

    2006-01-31 13:14:00
  • 220:

    あゆみ

    ★略
    はぁ…??もぅえぇわ…
    帰ろかな…

    2006-01-31 13:16:00
  • 221:

    あゆみ

    私は寝たフリをし続けた。(涼…困ってるかな??)
    何も言わない涼。ちょっと気になってゆっくりと顔を上げてみた。…
    (プッ)
    涼も一緒になって寝たフリしてる。笑
    その可愛さずるいわ…

    2006-01-31 13:33:00
  • 222:

    あゆみ

    さっきまでの苛立ちが一瞬で笑いに変わった私。
    思わず涼の頭をなでてあげたくなったけどぐっと我慢した。
    スネる私。
    涼は顔をあげて、八重歯の可愛い笑顔を見せる。
    幸せやなぁ…こんな些細な事でもそう思えた。

    2006-02-01 01:00:00
  • 223:

    あゆみ

    涼の携帯の着信履歴から、わかった事……     
    【真麻】…

    そう。あの時の着信は真麻からやった。
    確かにあの日、あの時間。…

    2006-02-01 01:13:00
  • 224:

    あゆみ

    私は涼の言っていた言葉を思い出した。
    「さみしがりや」…
    涼はわかってたん?‥
    真麻の気持ち。
    なんで笑ってられるん?

    2006-02-01 01:16:00
  • 225:

    あゆみ

    この日私達はそのまま遅くまで外で遊んでいた。
    いろいろと忙しかった涼はここ2ヵ月ぐらいまともな休みがなかった。
    久しぶりの長い二人だけの時間。
    涼といると時間なんてすぐ過ぎていく。…
    いっそ止まってしまぇ…!

    2006-02-01 01:23:00
  • 226:

    名無しさん

    2006-02-01 01:54:00
  • 227:

    名無しさん

    2006-02-01 01:55:00
  • 228:

    あゆみ

    なぁ…あたし…なんか悪い事したかなぁ。

    小さい頃、家族のだれにも相手してもらえなかった。《幸せ》なんて言葉、私には必要ないと思ってた‥
    生まれてきた中ではじめて心から愛した人を失う事がこれほどにつらいなんて。

    2006-02-01 02:05:00
  • 229:

    あゆみ

    忘れもしない11月11日。
    冬を目前にしてヒンヤリ肌寒い雨上がりの日だった…
    普段と何の変わりもなく、全部いつも通り‥。
    二人でご飯を作って食べてお風呂に入る
    「早く帰ってきてな?」と軽く手をつないで涼を仕事に出した。

    2006-02-01 02:18:00
  • 230:

    名無しさん

    2006-02-01 02:19:00
  • 231:

    名無しさん

    2006-02-01 02:24:00
  • 232:

    あゆみ

    大体夜中の1〜2時ぐらいは基本的に客足は少ない。
    こういう時はかならずメールか電話をしてきてくれる涼。
    この日もメールがきた。
    「あゆ?今なにしてる?(みりあ)と(ひゅう)?」
    将来の子供の名前を考えていたらしいメール。涼らしい‥

    2006-02-01 02:41:00
  • 233:

    あゆみ

    メールの返事は忙しくなったら返ってこなくなるけど、暇な時間帯って大体、毎日あるみたい。
    明け方にはまたメールの続きが返ってくる…
    パッと時間を見ると、もう朝の七時ごろだった。
    新着メール0件
    (あれ?‥今日はお店忙しいんかな?)

    2006-02-01 02:49:00
  • 234:

    あゆみ

    メールが返ってこなくたって然程、気にしない。
    同棲をし始めて今まで家に帰ってこなかった事なんてなかったし…
    (まぁもうちょっとしたら電話でもかかってくるやろ?)
    そう思い睡魔も襲ってきていたけどなんとか目をショボショボして待ち続けていた。

    2006-02-01 02:55:00
  • 235:

    名無しさん

    2006-02-01 04:28:00
  • 236:

    名無しさん

    2006-02-01 04:56:00
  • 237:

    あゆみ

    10分が30分…30分が1時間…
    涼から電話がかかってくる気配はない。
    電話をかけても繋がらないしメールは途絶えたまま…。
    だんだん心配になってきたそんな時一本の電話がかかってきた…
    着信 涼

    2006-02-01 12:11:00
  • 238:

    あゆみ

    画面を見てホッと安心した。
    (めずらしく飲みすぎて潰れとったんカナ?) …
    「はいはぁい??もしもし?何時帰ってくる??」
    「…あ…ゆみちゃん?」「‥え……誰??…」
    確かに着信は涼からやのに電話の向こうは涼じゃない‥

    2006-02-01 13:38:00
  • 239:

    あゆみ

    なんかどっかで聞いた事のある声。
    でもそれが誰なのかまではわからない。

    その子は息が切れ、やたらと焦りながら喋っていた。
    「誰なん?人の携帯、勝手に‥‥さ」「…ハァハァた、大変なんです!涼さん…涼さん…」

    2006-02-01 13:58:00
  • 240:

    あゆみ

    「涼さん…ハア、か、帰ってこんかって…そ、それで俺がたまたま…ハアハア」「ちょっとそこどこなん?」
    「み、店出てまっすぐの、宗衛……」ブチッ
    涼になんかあったんや…
    説明も最後まで聞かんと、一方的にきって急いで家をとびだした。

    2006-02-01 14:11:00
  • 241:

    ぃぃちこ

    しおり?マヂ楽しみ?

    2006-02-01 23:52:00
  • 242:

    ゆりあ

    今一気に読みました?めっちゃ早く続きが読みたぃです?

    2006-02-02 02:38:00
  • 243:

    あゆみ

    私の心臓は飛び出るぐらいバクバクしていた。
    タクシーを拾って涼のいる場所へ向かう途中の時間が私をおかしくする。
    あの子の電話の焦った口調は普通じゃなかった。
    あんな事が起きてるなんて…。

    2006-02-02 12:39:00
  • 244:

    名無しさん

    2006-02-02 12:41:00
  • 245:

    あゆみ

    その場へ着くと、スーツを着た3、4人のホストがいて世話しなく走り回ったり、誰かに電話をかけたりしていた。
    私は急いでタクシーから降りてかけよった。
    かけよった先には涼がいる…
    私は唖然とした。

    2006-02-02 12:43:00
  • 246:

    あゆみ

    血まみれの服を着た涼…
    …「涼!!!…」
    ぐったりしている涼を思いっきり揺らした。
    意識はもうろうとしていたけど、涙でグチャグチャな私の顔を見て頭をなでてくれた。

    2006-02-02 12:47:00
  • 247:

    あゆみ

    意味わからんねん…待ってや……何があったん?…
    私は何が起きたのか、全くわからんかった。
    ただ目の前には血まみれの涼がいて、パニックになってる従業員であろう子たち。
    一人の子が言った。「あゆみちゃんゴメン‥」

    2006-02-02 12:53:00
  • 248:

    あゆみ

    涼……死んじゃうん?
    「あんたら早く救急車呼んでぇや!!」
    私は泣き叫んだ。
    涼がだんだん弱っていくのが目に見えて、わかった。昨日はあんなに笑ってたのに何でなん…???

    2006-02-02 12:56:00
  • 249:

    あゆみ

    すぐ救急車が到着して、涼は運ばれていった。
    私はすぐ後を追って病院にむかった。
    涼は、直ぐ様緊急手術…
    長時間に渡る、危険な手術だった…

    2006-02-02 13:05:00
  • 250:

    あゆみ

    手術室の前のベンチで祈るように涼の無事を願ってた…
    もしもなんて考えない。
    涼は絶対大丈夫や!!って自分で自分を言い聞かせて涙をこらえて手術室があくのを待っていた。
    「すいません」…一人のスーツの男の人が私に近づいて頭を下げた。

    2006-02-02 13:10:00
  • 251:

    あゆみ

    「オーナーの橘といいます。あゆみさんですよね?話はよく涼から聞いてました」「ウッ、はっ‥い‥ウッ…ウッ…」泣いてうまく声が出ない…
    橘さんは「落ち着いてください」と言ってゆっくり話しだした。

    2006-02-02 13:16:00
  • 252:

    あゆみ

    「正直僕も状況が把握出来てないんですけど。…さっき警察が店にきて聞いた事なんすけど。現場に、血のついた石があったらしいんです…。」
    「石……??」
    涼は人に恨まれるような人じゃない事は確か。たぶん橘さんもわかってるはず。

    2006-02-02 13:26:00
  • 253:

    あゆみ

    それやのに何で…?
    「で警察店の関係者じゃないか言うてたんすけど‥
    あいつ誰からも好かれとったし下の子もよう慕っとって正直心当たりもないんす」
    「りょ、ウッ涼は…ウッ、誰にもウッ、う、恨まれたり…ウッ…しやん‥‥ウッ」
    「そう思うんは僕も同じです。とにかく今は涼の無事を祈ったってください。」

    2006-02-02 13:36:00
  • 254:

    あゆみ

    橘さんは手術が終わるまでそばにいてくれた。
    何を話すわけでもないけど隣にいてくれるだけで心強かった。
    しばらくして下の従業員の子達が何人か来た。
    「あゆみちゃん。…大変やけど涼さんはきっと無事やで」そう言ってくれたのは慶太。初めて店に行った時涼のヘルプでついてくれた子。

    2006-02-02 13:42:00
  • 255:

    あゆみ

    電話で知らせてくれた子や。
    「涼さんなかなか帰ってこやんから、俺見に行ってん。そしたら涼さん…」
    そう言って慶太はうっすら涙を浮かべうつむいた。
    従業員の中には裕也もいた。
    みんなうつむいていた。。突然の出来事で涼が、こうなった事に悲しんでいた。

    2006-02-02 13:46:00
  • 256:

    あゆみ

    少し沈黙が流れ、裕也がポツッと言った。…
    「俺が行ってれば…」
    「…どういう事??」
    「昨日真麻が来ててそれで、あいつがタバコ買ってきてって下の従業員に頼んだんです。でもヘルプ回らんくて‥じゃあ涼さんが客待ちでたまたまあいててそれで。…」

    2006-02-02 13:55:00
  • 257:

    あゆみ

    なんて?‥真麻…??
    私は一瞬嫌な予感がした。事情はわかった。
    もう口座じゃないのに涼は真麻のタバコを買いに走った。…
    その途中、石につまづいて…本間あほな涼。…
    信じられへんかった。だって涼は……

    2006-02-02 21:00:00
  • 258:

    あゆみ

    でもその後私は衝撃の事実を知った。
    石につまづいて、こけたにしては明らかに不自然やって‥
    誰かが襲ったんやって…
    すぐ警察の捜査が入った。この事は新聞にも載ったぐらい大きくなった。

    2006-02-02 21:04:00
  • 259:

    あゆみ

    私は飲まず食わずで、どのぐらい手術室の前で待ってたんやろ…
    10時間?…20時間?…
    手術中の涼に、意識なんてあるはずがないのに、
    「笑顔なあゆみがいっちゃん好きや?」って言う涼の声が聞こえた気がして泣いたらあかんと思った。
    それでも涙はとまらない。声を押し殺して泣き続けた。涼ゴメンな…

    2006-02-02 21:22:00
  • 260:

    あゆみ

    《カチッ》…ブイーン……
    終わった。…
    [手術中]の電灯が落ちて中からは頭を包帯でグルグル巻きに巻かれた涼が運ばれてきた。
    今にも「寝坊したぁ??」って飛び起きそうなぐらい…
    手術の結果を報告に一人の医師が私に近づいてきた。

    2006-02-02 21:30:00
  • 261:

    待ってるね?

    2006-02-03 01:44:00
  • 262:

    ?ュキ?

    更新楽しみにしてます? 頑張ってくださぃ??

    2006-02-03 04:36:00
  • 263:

    名無しさん

    この小説大スキ??

    2006-02-03 20:46:00
  • 264:

    あゆみ

    応援してくださってる皆さん??書き込み本当にありがとうございます??今から続き書きますね??

    2006-02-03 21:07:00
  • 265:

    あゆみ

    その医師は私の前にきてペコッと頭を下げ、
    「中村あゆみさんですね?渡辺涼さんの事でちょっとこちらへ…」
    医師はそう言って私はいかにもドラマで出てきそぅな部屋につれていった。
    「どうぞおかけください…」
    「…失礼します。」私の心臓の鼓動は前にいる医師にも聞こえそうなぐらい激しくまともに顔もあげれなかった。…

    2006-02-03 21:12:00
  • 266:

    あゆみ

    「…長時間にわたる手術はなんとか成功しました。
    ……ですが……」「…」
    「頭部にはひどく外傷がありましたが今は脈拍も落ち着いてます。ですが…脳が突然衝撃を受けたため若干、後遺症が残る恐れが…」
    「りょ、涼は助かるんですか?!」
    「これからしばらく様子を見る必要があるので今はなんとも…」

    2006-02-03 21:18:00
  • 267:

    あゆみ

    「後遺症…とは、なんの事でしょうか…」
    「発見もかなり遅れたせいで…申し訳ございませんが今ははっきりとお答えできません…」
    私はその場で目の前にいる医者の胸ぐらでもつかんだろかと思った。
    後遺症って何やねん…
    何のうそやねん…

    2006-02-03 21:24:00
  • 268:

    あゆみ

    何ゆわれても信じられへんかった…
    信じたくなかった…
    こんな現実受けとめられるはずないやん?。
    だってな、昨日あんなアホみたいに笑ってたのにやで?…
    「お前、どこおんねぇん!」って、かかってくるはずのない涼からの電話ずっと待ってた。

    2006-02-03 21:28:00
  • 269:

    あゆみ

    いろんな人が見舞いに来てくれたり、私も毎日つきっきりで涼の傍にいたけど…
    ときどき…(あたしこんなとこで何してんやろ?はよ帰って涼が好きなハンバーグの材料買いに行かな…!)
    まだ現実を受けとめられずにいたり…

    2006-02-03 21:32:00
  • 270:

    あゆみ

    でも絶対に涼には涙見したるか…!!って、
    意地っ張りででも本当は、弱い私。
    毎日が不安で不安でおかしくなりそうだった。
    「涼、仕事遅刻すんで?はよ起き!」麻酔は完全に切れてるはずなのに眠り続けてる。涼の前では、笑ってないと恐くて私じゃいられなくなると思った。

    2006-02-03 21:38:00
  • 271:

    あゆみ

    泣きたいときは涙が枯れるまで泣いた。
    私が唯一、本音の私でいれる場所である…
    いっぱい並んでる公衆電話の一番端っこ。
    自分を責めずにはいれなくて何回涼に謝り続けたか…

    2006-02-03 21:43:00
  • 272:

    あゆみ

    ご飯なんて喉すら通らない…無理に食べても吐く。
    そんな日々が続いてダイエットって言いながら周りからは《つまみ食い女》とか言われてた私がたった一週間で5キロも痩せた。
    誰かに助けてほしくて励ましてほしかった。
    「好きやで?」って言うても涼は幸せそうな顔で眠りながら目をつぶったまま。

    2006-02-03 21:49:00
  • 273:

    あゆみ

    早く「あゆみ?」って呼ぶ涼の声がききたい…
    早く涼の笑顔が見たい…。
    ギュッて手つないで、何かするわけでもないけど涼の温もり‥早く感じないと、忘れてしまうやん…
    いつも傍におったから気付かれへんかった事。やっとわかった。…
    やっぱり涼がいないと私はダメなんやって事。

    2006-02-04 20:57:00
  • 274:

    あゆみ

    なぁ…涼…覚えてる…??
    涼が初めて私の前で泣いた日。
    あたしが初めて涼の涙見た日。…

    2006-02-04 21:04:00
  • 275:

    あゆみ

    あゆみ、恥ずかしくて言われへんかったけど…あの時に言ってくれた言葉…
    《あん時の約束》……
    くさいけどあゆみにとっては何にも変えられへん大事な宝物やねん。
    こんなあゆみやから…考えたくないのに毎日いらん事ばっか考えてしまうし…。不安な時とか辛い時に涼のその言葉で何回救われたか‥。感謝してんねんから…

    2006-02-04 21:11:00
  • 276:

    あゆみ

    生まれてはじめてやった。《将来の夢》ってやつ?
    人に話したの。…
    あゆみの将来の夢………。            

    ーキィ姉ちゃんになりたいー

    2006-02-04 21:18:00
  • 277:

    あゆみ

    本間のお姉ちゃんみたいに優しくしてくれた人。
    《家族》を教えてくれた人。
    クラスの子はみんな、ピアノとか習字とかそろばんとかいろいろ習ってた。
    あゆみはそれがうらやましかった。
    家に帰っても毎日退屈やしバービーちゃんも持ってない。

    2006-02-04 21:25:00
  • 278:

    あゆみ

    ん〜…唯一の遊び道具ってゆったらけん玉とかお手玉?笑
    なんしあゆみのママ………婆ちゃんやねんもん。。
    でもキィ姉ちゃんはあゆみとけん玉してくれた。お手玉してくれた。
    家も向かいやったし。毎日のように一緒の服、着てたあゆみに小さくなったお古の服くれて…ピアノも教えてくれた。

    2006-02-04 21:32:00
  • 279:

    名無しさん

    ????

    2006-02-06 01:07:00
  • 280:

    あゆみ

    本間は、千穂ってゆう名前やのに何かあゆみ昔っからキィ姉ちゃんって呼んでてん。
    なんでかわからんけど…
    キィ姉ちゃん、ずっとあゆみと遊んでくれててあゆみ大好きやった。
    キィ姉ちゃんみたいな可愛くて優しくて、いつもみんなから慕われてて、だからあゆみもキィ姉ちゃんになりたかった。

    2006-02-06 16:16:00
  • 281:

    あゆみ

    小さい頃の話も全部、涼に話した。
    今まで、誰にも話したこともなかったあゆみの本間の気持ち…?…?本音?
    涼の過去も初めて聞いた。

    2006-02-06 16:21:00
  • 282:

    あゆみ

    「辛かったな‥」ギュッて抱いてくれた。
    「これからはそんな思い俺が絶対させへん。二人で幸せになろな」
    って言ってくれた事。
    あゆみ忘れへんで?胸ん中に大事にしまってんねんから。宝物…

    2006-02-06 16:23:00
  • 283:

    あゆみ

    信じてんねんから…。
    涼が、また目あけてくれる事……また私の名前呼んでくれる事‥
    生まれて初めて、愛した人でたった一人をここまで考えた事なんかなかった。
    家族がいなくて当たり前だったから淋しいのも慣れっこやった。
    私、頑張ったやん?いつも平気な顔してたけど本間は辛かった…

    2006-02-06 20:02:00
  • 284:

    あゆみ

    ‥‥Σ
    私の手がかすかに感じた。握っていた涼の手がピクッと動いたこと。
    「涼……?涼?…」
    一瞬確かに動いたやんな?涼…??あゆみやで!?!反応がない。私は枕元のナースコールをおした。

    2006-02-06 20:29:00
  • 285:

    あゆみ

    急いでかけつけてきた看護婦さんが涼の耳元で名前を呼んだ。
    涼の手はまたピクッと動く。
    それを見た看護婦さんは、何度も何度も呼び続けた。
    私は涼の手を強く握り締めながら涼の目があくのを待っていた。

    2006-02-07 16:51:00
  • 286:

    あゆみ

    看護婦さんはこの時、涼の意識が戻る事がわかったのか「目が覚めるまで名前呼んであげて」と言ってくれた。
    「目が覚めたら呼んでください」と言い他の患者さんの検診に行った。
    そんな看護婦さんの優しい気持ちがうれしかった。

    2006-02-07 16:58:00
  • 287:

    あゆみ

    看護婦さんの言った通りに私は耳元で涼の名前を呼び続けた。
    涼はかすかに反応を示してくれた。
    目は覚めた。どれぐらい涼の名前呼んでたやろ?
    そんな事より嬉しくて涼の前では泣かんって決めてたのに自然に涙が流れてしまった。

    2006-02-07 17:02:00
  • 288:

    名無しさん

    2006-02-07 17:06:00
  • 289:

    あゆみ

    「何しに泣いてんねん!あほかぁ!」って言われると思った。…
    言ってくれると思った。
    涼は涙を流すあゆみをただ見つめるばっかでしかも、不思議そぅな顔で見つめてる。

    2006-02-07 19:21:00
  • 290:

    あゆみ

    そんな涼を見て私は思った。
    (あ…もしかして、あの日何が起きたか覚えてないんやわ。)
    私はそれが涼にとっては、幸いやと思った。
    この怪我が治れば、何にもなかったように今までの幸せな生活に戻れるって…

    2006-02-07 19:24:00
  • 291:

    あゆみ

    それでも私は許したくなかった。
    涼をこんな目にあわせたやつの事‥。
    だけどこうして涼の記憶が無い中で私は涼が無事さえいてくれたら《犯人探し》なんかする気ないし。

    2006-02-07 19:27:00
  • 292:

    あゆみ

    何日ぶりかに目を覚ましたんやから、泣いてるあゆみなんかじゃなくて笑ってるあゆみを見せな…
    必死に涙を手で拭きながらこらえた。
    うまくしゃべれない…
    それでも笑った。

    2006-02-07 19:30:00
  • 293:

    あゆみ

    本間は言いたかった。
    何でこんな心配かけんのよ!あゆみ毎日不安で不安でおかしくなりそぅやってんで?って…

    2006-02-07 19:32:00
  • 294:

    あゆみ

    けど生死を彷徨って今こうして強く生きてる涼を目の前にして出た言葉は
    「涼アリガトウ。よぅ頑張ったね」って。‥
    ただそれだけ。
    アリガトウしか出てこやんかった。

    2006-02-07 21:14:00
  • 295:

    あゆみ

    泣くあゆみに涼が、ボソッとつぶやいた。
    「大丈夫ですか?‥」って。
    こんな時に冗談やめてや!。…
    からかわんといてや!…

    2006-02-08 19:28:00
  • 296:

    あゆみ

    「涼、なんか食べたいものない?」
    「…すいません。誰ですか!?」
    なんて??あゆみやん。
    一緒に住んでたやん!将来幸せになろなって…言ってくれたやん…

    2006-02-08 19:32:00
  • 297:

    あゆみ

    とりあえず意味がわからなかった。…
    状況が把握出来やんくて、何度も涼に問いかけた。
    せやのに涼は首をかしげて困ってる。
    信じられへん。ってゆうか「もぅえぇから?」って。

    2006-02-08 19:35:00
  • 298:

    あゆみ

    その状況は、何日たっても変わらない。
    大好きな人…涼の傍にいられて幸せなはずやのに‥‥
    こぅやって涼が目を覚ましてくれる事あれだけ待ちどぉしかったのに。
    なんか傍にいる事に辛く思ってしまった。
    私は医者に言った…

    2006-02-08 19:39:00
  • 299:

    あゆみ

    目を覚ました時、言った涼の言葉からすべて全部。…
    辛かった。ただそれだけ。
    医者はなにか思い当たる事があったに違いない。
    「すぐ検査を」と言ってどこかへ走っていった。

    2006-02-08 19:44:00
  • 300:

    あゆみ

    戻ってきた医者は検査の為か涼をベッドから移動させ他の病棟へ連れていってしまった。
    うすうすわかってた…
    でも現実を受けとめたくなかっただけ…。
    検査結果はあいまいだった。ただ医者の言葉はこうやった。…

    2006-02-08 19:47:00
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