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やっぱりあんたはすごいからっ
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1:
奈々
この世に生をうけてから23年
大嫌いだったあなたは随分年をとりました。
決してあなたの目につかないここで、あなたを前にしては言えない言葉を綴ります。2008-04-10 04:01:00 -
21:
奈々
必死におこずかいを貯めて夢の120?ルーズをかいました。当時は二千円以上した代物でした。短いスカートに120?のダボダボルーズは私の足を長く細く演出してくれました。三足しかないルーズを毎日帰るとお風呂場で手洗いしました。そんなある日の事…。家に帰るとあなたは珍しく廊下を雑巾がけしていました。関心しながらあなたを見た私は目を大きく見開きました。あなたがもっていた雑巾は私の宝物の120?ルーズソックスでした。慌ててあなたから奪い取ると、120?ルーズは雑巾がけがしやすいように20?めやすにカットされていました。
2008-04-10 15:34:00 -
22:
奈々
「なにやってんのよーっ!アホちゃうん!?えっ!?これなにっ!?」発狂する私にあなは、こう答えました。「だってぇ〜もう汚かったからいらんのかなぁ〜思ってー穴あいてたしぃ〜。新しいの買ったるやんかぁ〜。そんな怒らんでぇ〜」と…。新しいのを買ってもらえるならと私は少し得した気持ちになりました。そしてその日、あなたと一緒にコポにいきました。ルーズをレジに通し値段が出ると、あなたは動きを止め「やっぱこれやめます!」そう言ってルーズを元あった位置になおしました。
2008-04-10 15:44:00 -
23:
奈々
そんな私にも彼氏ができました。初めての彼氏でした。大好きで大好きで仕方がありませんでした。毎晩家の電話で何時間も話しました。ある日電話代の請求が来て私はボコボコに殴られました。それから、電話は三分と決められました。「電話で喋んねんやったら家の下で喋れ!」あなたのこの言葉のおかげで彼氏は毎晩家に会いに来てくれました。
2008-04-10 16:00:00 -
24:
奈々
そんなある日、初めて彼氏と家の下でキスをしました。緊張で震えがとまりませんでした。でも凄く幸せで何度も何度もしました。付き合いはじめて4ヶ月が経った時の事でした。何度もキスをして他愛もない話をたくさんして幸せいっぱいに家にもどると、あなたは不自然な格好で本を読んでいました。「…ほんま…今時の子はっ…」舌打ち混じりにあなたは言いました。その言葉であなたが見ていた事に気がつきました。「今時の子は幸せな子がいっぱいやからっ」私が満面の笑みで言うとあなたは本を私に投げつけ「ゴムは絶対つけやーっ許さんでー!」と怒鳴りつけました。その時は何を言っているのか分かりませんでしたが、私が聞き直すとあなたはフン!と言い布団に入ってしまいました。
あなたは少し天然です。って言うか随分飛んでいる人でした。2008-04-10 16:10:00 -
25:
奈々
中学二年になりました。相変わらず我が家には私を怒鳴りつけるあなたの声が響いていました。
それは朝8時から始まり夕方まで続きます。近所のおばあちゃんが毎朝見送ってくれる時も「また朝から起こられて〜」とあきれ気味に笑って言います。
毎日がそんな朝でした。2008-04-10 16:17:00 -
26:
奈々
中学二年で私はタバコを覚えました。彼氏の影響でした。何故かその時から段々とする事がエスカレートし、学校で毎日先生と喧嘩するようになりました。女友達の間でも派閥ができみんな散り散りになりやりたい放題でした。そんなある日の事。一年の時仲のよかった愛子が私の彼氏と怪しい関係にあると風の噂で耳にしました。彼氏を問いただしてみた所何か隠している様子でした。愛子にも聞いてみましたが愛子は鉄板で否定しました。何か心に引っかかった私は彼氏が約束してくれない日に親友の美香と彼氏の家を張り込みました。電柱の影にかくれジッと待っていると彼氏がでてきました。自転車にまたがりどこかに行く彼氏を遠くから尾行しました。
2008-04-10 16:27:00 -
27:
奈々
彼氏がいきついたのは地元から少し離れた公園でした。公園につきなりベンチに座りタバコをふかす彼はあきらかに誰かを待っていました。私は願います…来るのが愛子ではないようにと…。そんな私を美香も心配そうに見ていました。
チリンチリーン
自転車のベルがなり彼が振り返り片手をあげました。そこには招かれざる客…愛子が嬉しそうに彼に手をふっていました。2008-04-10 16:37:00 -
28:
奈々
それを見た瞬間に美香が飛び出しそうになりましたが、私はグッと美香の腕を掴み止めました。「なんで?あいつら奈々の事裏切ってんねんで?」鼻息を荒くする美香に私は「分かってる…」と一言だけ返しました。私も今すぐに飛び出していって二人を殴りつけたかった。だけどグッとこらえしばらく二人を見ていました。愛子は彼の上にまたがり楽しそうに笑うとキスをしました。それを見て初めて彼とキスをした時の事を思い出しました。幸せで嬉しくてそれだけで飛べそうに思えた彼のキス。それを今は違う人とやっている。そんな彼を見てると涙が止まらなくなりました。私は泣きながらも美香の手を引きウチに帰りました。美香は私を心配しズット側にいてくれました。
2008-04-10 16:49:00 -
29:
奈々
部屋で泣いていると、あなたが帰ってきました。「何ないてんの〜?」スーパーの袋を重たそうに床くあなたに私は彼の事を話ました。あなたはそれを聞くとゲラゲラ笑います「うーなもん!男は浮気するもんやぁ〜!あんたのおとおちゃんもよーさん女おったわぁ〜っ!一々泣いとったら体もたへんよっ!ガハハっ!」そう言って。あなたを横目で睨みながら私は泣いている事が馬鹿馬鹿しくなりました。そしてその想いは悲しみから怒りへと変わっていきました。
2008-04-10 16:55:00 -
30:
奈々
次の日…。学校へ行く朝あなたを見送る時に私はこう言いました。「今日仕事早退できるようにしといてな…」と。あたなは「え?何て?」と聞き直しましたが私は無視して学校へと向かいました。学校へ近くなれば近くなるほど…怒りがチリチリ上がってきます。隣で自転車をこぐ美香もあえて何も言いませんでしたがやったんでオーラが湧き上がっていました。愛子は私達とは違う派閥…。美香が最もキライとする貴美子がしきっているグループでした。貴美子は学年で一番キレイで超ワガママ。お兄ちゃんが地元の有名人だからとよく自慢して仲間を集めたりするような子でした。貴美子から集団リンチをされ学校へこなくなった仲間もいました。その件もあり二年に上がってすぐ美香と貴美子が大喧嘩になり大半の友達は貴美子の方へ行ってしまいました。だから美香は貴美子が大嫌いでした。美香も嫌いな貴美子が私も大嫌いでした。
2008-04-10 17:11:00