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夜のポチ。

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  • 1:

    名無しさん

    ポチは、お日様をあまり浴びないので、真っ白だ。
    そして、ポチの体はいつだって冷たい。
    雪の様なポチ。

    2006-09-22 21:27:00
  • 797:

    ◆r11LF9gUco

    その時、ドアが勢いよく開かれた。
    なだれ込んできたのは、息があがり、汗だくになった秀ちゃんだった。


    「翔!!下に車つけとるからはよ行け!!」

    2006-12-12 18:54:00
  • 798:

    ◆r11LF9gUco

    「え、なんで...」
    「ええから!!のんびり話しとる暇ないねん!!はよ行けや!!」
    「わかりました!!」

    ポチはあたしを毛布にくるみ、お姫様だっこの形で抱き上げた。

    2006-12-12 19:03:00
  • 799:

    ◆r11LF9gUco

    状況が全く理解できない。

    なに?
    どういう事?
    今からどこへ行くの?

    2006-12-12 19:06:00
  • 800:

    ◆r11LF9gUco

    「車の場所はこないだゆうたとこや。後始末は俺がつけるからさっさ行け。」
    「わかりました。ありがとうございます。」
    「おう。ほな...」

    と、秀ちゃんがドアを開けると同時に、その隙間からにゅっと腕が伸び、光るものを彼の腕に突き刺した。

    2006-12-12 19:12:00
  • 801:

    ◆r11LF9gUco

    一瞬の出来事だった。

    一気に引き抜くと、赤黒い血がドクドクと泉のように吹き出し、それによってぬらぬらと怪しい輝きを放つ物が刃物であると、今更ながらに確認する。
    ゆっくりと開かれたドアの向こうには、血まみれの薫が、ぞっとするような表情で、精気もなく立っていた。
    恐怖で、時間の流れが停止する。

    2006-12-12 19:19:00
  • 802:

    ◆r11LF9gUco

    薫はギョロっと器用に目玉だけを動かし、直ぐに肩、脇腹、太ももを、なんとも機械的な動きで、次々に彼の締まった肉へと力任せに鋭い刃をめり込ませていく。
    「翔!!はよいけぇえ!!」
    低いうめき声が、言葉に変わった時、あたし達は我に返った。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――【コロサレル...】

    2006-12-12 19:26:00
  • 803:

    ◆r11LF9gUco

    冷ややかな汗が、額に滲む。
    どうすればと考えている間にも、薫は怪我をしたのか右足を引きずりながら、一歩、また一歩と、確実に距離を縮めてくる。
    あたしは、ガタガタと震えた。

    2006-12-12 19:35:00
  • 804:

    ◆r11LF9gUco




    あれは、ポチを殺したときの目だ。

    2006-12-12 19:37:00
  • 805:

    ◆r11LF9gUco

    ポチの首に回した手に、ぎゅっと力がこもる。
    ポチは、薫をじっと睨みつけたまま後退りをする。
    あたしを抱えているので、素早く逃げることも戦うこともできず、どうしようもない。
    とうとう壁際に追い詰められる形となった。
    薫は、ニヤリと口の端をもちあげて笑うと、ゆっくりと血まみれの右手を掲げていく。

    2006-12-12 19:44:00
  • 806:

    ◆r11LF9gUco

    なんで?

    どうして?

    そんな事ばかりが、延々頭の中をいっぱいにした。

    2006-12-12 21:09:00
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