小説掲示板東京心中24時50分のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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東京心中24時50分

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  • 1:

    NN

    毎晩毎晩、その一瞬一瞬に新しいホストが生まれ、そして消えていく。彼らに行く末は何処にもないのかもしれない。それとも永遠にこの世界で生きていけるという道があるのかもしれない。
    どちらにせよ、消費されていくんだ、体も心も。そして新しいものが生まれていく。消耗品であることは間違いないみたいだ。いつ自分は消えていくのかな。

    2005-10-21 02:30:00
  • 151:

    NN

    「シュナちゃん、ちょっといいかな。」「え?」そういうと、あっけにとられたまま、シュナは雷さんにひっぱられ、店から消えた。
    何かのドラマのワンシーンを見ているようだった。

    2005-11-04 23:36:00
  • 152:

    NN

    「王子様がお姫様を、悪魔から救いにきたんやね」カオルさんは微笑んだ。「俺、悪魔ですか。」俺が渋い顔でつぶやくと、カオルさんはケケケと笑う。「あんな、正義のヒーローよか悪役の濃ゆいキャラのが、以外にファンがつくもんやねんで。」

    2005-11-04 23:37:00
  • 153:

    NN

    じゃあ仮に雷さんが正義のヒーローで悪役の濃いキャラが俺だとしたら。カオルさんは一体何だろう。どのポジションだ。どんな魔法も使える魔法使い。そんなところだろうな。魔法使いの言葉はいつも妙に説得力がある。

    2005-11-04 23:38:00
  • 154:

    NN

    さすが、魔法使い。悔しい。まだ、全然、この人には歯がたたない。 

    2005-11-04 23:39:00
  • 155:

    NN

    彼女の腕をつかんで、俺は店の裏までやってきた。賑やかな表向きとはちがい、裏は静かだ。たまに人がパラパラと歩いてくるだけ。まるで別世界だ。「何ですか、雷さん。」
    彼女は驚いた表情のまま、顔をかしげながら俺にたずねる。

    2005-11-04 23:40:00
  • 156:

    NN

    ドクン、と心臓が音をたてる。腕をつかんでやってきただけで、実は何も考えていなかった。「..これ以上、お金、使わないでほしいんだ。」「え?」
    自分でも何を言っているかわからなかった。だけど、そう伝えるしかなかった。右手をグッとこぶしにすると、汗が出ているのがわかった。

    2005-11-04 23:41:00
  • 157:

    NN

    「もしかして、心配してくれてるんですか。あたしが..AVに出てるの。」「えっ」「さっきね、デカムに入ろうとしたら、綾人口座の子に言われたの。あんたAVまでやって彩人に貢いでるんでしょって。デカムのホストの中でも噂になってるよ、って。」 噂になってる..
    と、まではいかないが、俺と彩人とカオルはシュナちゃんがAVに出ていることを知っている。

    2005-11-04 23:42:00
  • 158:

    NN

    だけどシュナちゃんが、まだこれからもAVを続けていくと話題は拡大するだろう。「でね、その子に言われたの。彩人は誰もスキじゃないよ、ただ愛を囁いてくれるのはあたし達が金を使うからだよ、彩人に踊らされてAVに出る、あんたの度胸は尊敬するけどねって。」「誰がそんなこと」雷の言葉をさえぎるように、シュナは続ける。「ねぇ雷さん。彩人、あたしの事スキになってくれないのかな?AVに出てお金、いっぱいもらったの。このお金で、彩人、あたしのこと、本気で好きになってくれないのかな?」
    何で君はそんな悲しそうな顔をするんだ。AV女優になったって噂が充満していることより、シュナちゃんは彩人に愛されないでいる方が悲しいみたいだ。そんなのおかしいじゃないか。

    2005-11-04 23:43:00
  • 159:

    NN

    「もう..シュナちゃんやめよう?もう、お金、稼がなくったっていいから..一度、彩人から、うちの店から、離れた方がいい。」「どうしてそんなことを言うの?絶対いやよ、彩人と会えなくなるなんて、絶対に嫌、耐えられない。あたしは彩人がいなくなったら何もかもなくなる気がするの。彩人はいつか絶対、あたしのこと、好きになってくれる。雷さんだって店のホストじゃない、店に来るななんて、そんなこと客に言うのはおかしいわ。」

    2005-11-04 23:44:00
  • 160:

    NN

    わかってる。俺だって店のホストだよ。だけど、その前に男なんだ。プロ失格。自分の勝手な想いだけで、こんな行動をとってる。プロ失格。だけど、誰だって譲れないものがある。それが、これなんだよ。今、そう気がついたんだよ。夜風がなんだかすごく冷たく感じた。

    2005-11-04 23:45:00
  • 161:

    NN

    彩人がシュナさんを好きになる確率はほぼゼロだろう。彩人にとってシュナさんはNo1になる道具でしかない。AV女優になったとしてでも、何でも、自分に金を落としてくれればきっと満足だろう。彩人には才能がある。ホストとしての、才能は全て備わってる。だけど、違うだろ。ホストとしての才能より、人間としての本質があいつにはかけてる。
    だからこうして、シュナさんの人生を狂わせようとしてる。その瞬間を、俺は黙ってみてられない。正義感でも偽善でも何でもない。ただ、

    2005-11-04 23:46:00
  • 162:

    NN

    「どうして?今日の雷さんおかしいわ」ただ「好きなんだ。シュナちゃんのことが」「好き?」

    2005-11-04 23:47:00
  • 163:

    NN

    一世一代の言葉に、シュナちゃんはフっと笑った。「..そうなんだ。雷さん、あたしがAV女優だからでしょ?すぐヤらせてもらえるって思ってるんだ。ヤりたいの?」その言葉は、俺の心臓を突き刺した。そして、俺は叫んだ。大声で、叫んだ。

    2005-11-04 23:48:00
  • 164:

    NN

    「俺はヤりたいんじゃない!!抱きしめたいんだ!!」何かを言おうと君は唇を動かした。だけど君の口からもう何も聞きたくなかった。君の唇からこれ以上、「彩人」なんて聞きたくなくって、臆病な俺はキスで言葉をさえぎった。

    2005-11-04 23:49:00
  • 165:

    NN

    彼女はびっくりしていたけど、涙目になって俺を見つめるその目を見て、初めて離したくないと思った。一瞬、時間が止まったのかと思った。
    無表情にすれちがう人、車のクラクション、噂話、肌寒さ、何も感じなかった。ただ抱きしめた彼女の心臓の音が小さく聞こえた。

    2005-11-04 23:51:00
  • 166:

    NN

    一瞬驚いた彼女だったが、すぐに俺の腕を振りきって、走っていった。「嫌われたってかまわないから!俺、しつこいから!ずっと、ずっと、シュナちゃんのこと好きだから!!」何ふりかまわず俺は叫んだ。去っていく彼女がどんどん小さくなるなか、叫び続けた。「好きだ!!!!!」

    2005-11-04 23:52:00
  • 167:

    NN

    ここは歌舞伎町。性と欲望と金だけじゃなくて 愛だって この場所のどこかで 存在しているはずだ。 世界の中心で なんて大げさだ 
    この歌舞伎町の片隅で 確かに俺は君に愛を叫んだ 確かに 愛を 叫んだ

    2005-11-04 23:55:00
  • 168:

    ?

    泣ける

    2005-11-05 01:39:00
  • 169:

    名無しさん

    2005-11-05 01:57:00
  • 170:

    名無しさん

    すごい!

    2005-11-05 12:38:00
  • 171:

    なきほ

    更新されてたぁ!ありがとぅ!なんか胸がキュンってなった…頑張ってな!また待ってます

    2005-11-05 14:28:00
  • 172:

    191デス

    シュナの気持ちが地味にヮカルょッ??ゥチもホスはまってやるせん時ぁったァ…シュナの話書いてッ???雷チャン萌バクワラ?メタメタ切ナィ?

    2005-11-05 17:42:00
  • 173:

    NN

    192さんまとめてくれてありがとうございます。なきほさん、ずっと読んでくれてありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです。195さんシュナの話はまだちょっと続くんで、読んでやってください。
    みなさんの感想めっちゃ嬉しかったです!!ありがとうございます!!

    2005-11-05 18:05:00
  • 174:

    NN

    店内に戻ると店はいつも通り、にぎやかだった。テクノサウンドが頭の中を刺激する。暗い照明の店内で、カオルは俺を待ち構えていたかのように、「ほんまに根っからのヒーロー体質やね、雷は」と、つぶやいて微笑んだ。「お前、見てたのかよ」
    「企業秘密ってことにしとくわ」カオルは、全く食えない奴だ。

    2005-11-05 18:08:00
  • 175:

    NN

    彩人は、いつもの顔で客を接客している。今日はなんだか彩人の笑顔が無性に目に付いた。わかってる。彩人への嫉妬だと。
    わかってるのに止められない。

    2005-11-05 18:09:00
  • 176:

    NN

    「人を好きになるってのは一種のドラック現象。止まらない、止まらない、気がついた頃には骨までボロボロ..なんてならんようにね。」 カオルの”忠告”がやたらに胸に響いた。
    俺、最低だな。後輩に嫉妬してイライラするなんて。シュナちゃんに会いたいけど きっと会ってはくれないだろう。だけど彼女は彩人に会いたくなるから またこの店に来るだろう

    2005-11-05 18:09:00
  • 177:

    NN

    「彩人さぁ何か今日、疲れてる?顔がなんかそんな感じ。」客に言われてハッとした。まさか顔にまで出ているなんて。「いや、何もないよ」笑顔でそう言うと、客は「ならいいけど」と微笑んだ。 -雷さんに余計なことをされた。
    正直、そう思っている自分がいた。

    2005-11-05 18:10:00
  • 178:

    NN

    雷さんがシュナをつついたせいで、シュナは今日、店にやってこない。シュナがいないと、NO1とNO2の差は開いていく。新しいエース客を見つけないと。頭の中でグルグル回る言葉はひたすら、それだけだった。

    2005-11-05 18:11:00
  • 179:

    NN

    まるで客を消耗品扱いしてる。いつからこんな人間になったんだろう。
    この仕事をしているゆえかな。それともそれはただのいいわけであって、俺はずっとこんな人間だったのかな。

    2005-11-05 18:12:00
  • 180:

    NN

    とてもじゃないけど、世界の中心で愛なんて叫べたもんじゃない。たった一人を純粋に愛せるわけもない。
    人間としては失格だ。ホストとしても、こんなやり方は失格かもしれない。
    だけど止まらない。もう、止まれない。

    2005-11-05 18:13:00
  • 181:

    NN

    だけど夢を手に入れることがこんなに窮屈なことだとは思わなかった。
    こんなにも他人を犠牲にするんだな。人ひとりとして傷つけず 夢を叶えるなんて無理だ
    俺はNo1になりたい その夢がある限りずっと 人を傷つける

    2005-11-05 18:15:00
  • 182:

    NN

    従業員トイレに足を踏み込むと、東吾がタバコを吸っていた。セブンスターの匂いが狭い空間の中で充満している。
    俺が入ってくるのを見ると、東吾は「ゲロ?」と訪ねる。「ちげぇよ。」短い返事をすると、「そうか」と、もっと短い返事が返ってくる。

    2005-11-05 18:16:00
  • 183:

    NN

    スーツの内ポケットから、俺もタバコを取り出す。そしてその手で火をつける。 無表情でタバコの煙をフっと、口から東吾が吐き出す。 そしてトイレの水の中に、セブンスターの吸殻を落とした。ポチャン、と音を立てる。
    セブンスターの香りが妙に鼻につく。その香りが、俺の香水と微妙に混じって、身動きが取れなくなるみたいに。

    2005-11-05 18:18:00
  • 184:

    NN

    譲れないもの。No1になること。それだけあれば十分。その気力だけで俺は生きてるってわけだ。何もなかった俺に生きる気力を与えてくれたのがこの仕事。
    誰にも譲れないんだ。譲れない。だから..。

    2005-11-05 18:19:00
  • 185:

    NN

    だとしたら、必要ない。この体、ブっつぶれるまでやってやる。それで死ねるなら本能だ。これ以上幸福な死はない。
     夢のためなら 死ぬことさえ 恐れない それがあの頃の俺の最大の強みだった。

    2005-11-05 18:21:00
  • 186:

    ???

    頑張って?

    2005-11-06 01:17:00
  • 187:

    ?

    この話の元になってるホス君トカいるんですか??

    2005-11-06 01:28:00
  • 188:

    ?

    ァャト??コレゎ元ゎァ○ァなんで素かッ??

    2005-11-08 05:17:00
  • 189:

    名無しさん

    2005-11-08 07:17:00
  • 190:

    ????????????????????????

    2005-11-08 14:49:00
  • 191:

    NN

    読んでくれてありがとうございます。モデルは特にいませんし元ネタもないですよ〜

    2005-11-08 22:35:00
  • 192:

    NN

    シュナの事件から1週間がたった。ナンバーは相変わらず、カオルさん、俺、雷さんという順番だった。

    2005-11-08 22:37:00
  • 193:

    NN

    シュナは雷さんとの事件以来全く姿を現さなくなってしまった。
    一度こっちから連絡してみたものの、電話に出ることはなく、メールを送ってみるとエラーで返ってきた。
    どうやら店からも姿をくらませているらしく、「伝説のAV女優」としてその名前が1人歩きしているだけだ。シュナのあけた穴をどう埋めるか。俺の頭の中はそれだけだった。

    2005-11-08 22:40:00
  • 194:

    NN

    3日前の出来事だ。「女1人つぶしといてあんたは何様なの。シュナは本気であんたが好きだったんだよ!!」
    シュナが以前勤めていたキャバクラの女に言われた。どうやら女はシュナの親友らしかった。店内まで乗り込んできた女は俺を散々罵倒した。
    俺は何も言わなかった。ここで吠えたって意味がないことはよくわかってる。黙っていた。

    2005-11-08 22:41:00
  • 195:

    NN

    最後は痛烈にビンタを一発食らったけれど、これくらいで済んだらまだマシだなと思った。
    そして俺はこれまで以上に新規客、つまりまだ指名が決まっていない客の接客には神経質になった。短い時間でどうやって自分をアピールするか。どうやってデカイ客を捕まえるか。頭の中はただただそれだけだった。

    2005-11-08 22:42:00
  • 196:

    コレ

    スゴイリァルだ

    2005-11-10 04:28:00
  • 197:

    なきほ

    あげとく☆頑張って

    2005-11-10 09:12:00
  • 198:

    名無しさん

    221さん、ありがとうございます。なきほさん、毎回読んでくれてありがとうございます!!すごく嬉しいです。

    2005-11-10 23:42:00
  • 199:

    NN

    「これ見てな。これ。昨日、金ためて買ってもった!」朝7時。クローズした店内で、カオルさんは手のひらサイズのデジカメを満足げに手にとり、店内をパシャパシャ撮影していた。カオルさんの給料じゃデジカメなんて金ためて買うまでもないだろ、と、俺は思ったけど、そうですか、と返事をしておいた。
    雷さんとはあれから口を聞いていない。店内の真ん中で、パソコンを無表情で触っている。何だか東吾みたいな顔をしている。その東吾はソファで夢の中。

    2005-11-10 23:44:00
  • 200:

    NN

    「カオルさん。」「何や。」俺の声に返事をしながらも、パチ、パチ、というカオルさんのデジカメ撮影は止まらない。そして俺にカメラを向けて、パチっと一枚撮った。
    「おお、男前に撮れたでー」そう言って微笑んだ。微笑む口元からは八重歯がチラっと見える。

    2005-11-10 23:45:00
  • 201:

    NN

    何でカオルさん、ホストになったんですか。 その言葉で一瞬記憶がよみがえった。今、こうして歌舞伎町のネオン街で、そしてこの店でNo1になったとゆうこと。
    時々全て夢物語に思える。仕事が終わって夕方にふと目が冷めると、まだ、時々地元の友達の顔が浮かんでくる。あの街を離れてもう何年も経っているのに。まだ、あの時の記憶は明確に残っている。

    2005-11-10 23:46:00
  • 202:

    ????????????????????????

    2005-11-10 23:47:00
  • 203:

    NN

    一体何をそれだけ話すことがある?そう聞かれることもしばしばだったけど、俺達には聞かれても答えなんてスグ言い出せない程、本当にたくさんの話があり、そこには夢もあった。
    田舎でも都会でもない、だからといって何もこの街に不満はなかったはずだ。

    2005-11-10 23:49:00
  • 204:

    NN

    なのにひとつひとつ、毎年毎年、年をとっていくうちに、この街を出なくちゃいけないのかもしれない、と誰しもが考え出す。新しい土地での就職、夢を追いかけ上京。
    事情は人それぞれだが、制服を脱ぎ捨てた瞬間、街は僕らに「大人になって」と語りかけてくるんやな。

    2005-11-10 23:50:00
  • 205:

    NN

    コンビニでバカ騒ぎした仲間は今どうしているんやろう。あの街には、もういないやろうな。
    新井に柴田に、勝又に、野村に..。すれ違ってももう気がつかないやろおうな。もう立派な大人の顔になってたり、大学生になってたり、みんな新しい環境で一から全てを立ち上げてるんやから。そう、俺もそうやから。

    2005-11-10 23:51:00
  • 206:

    NN

    228さん読んでくれてありがとうございます!!

    2005-11-10 23:52:00
  • 207:

    NN

    金髪の髪の毛を何とかしろ、と毎朝怒りに教室までやってきた、毎日上下青ジャージの生徒指導の飯島、だけど何だか憎めない奴だったな。
    2年間付き合った彼女の名前は下田百合。あの日見えなかったものは何なのかな。今になってうっすらそれがわかってきた気がするのに。

    2005-11-10 23:56:00
  • 208:

    ???

    頑張って?

    2005-11-10 23:57:00
  • 209:

    NN

    卒業後すぐに百合とは上京することが原因で別れた。俺たちの2年は、そこで終わった。
    夢があった。東京に行かないと、叶わない夢。って言い聞かせてただけで、東京じゃなくてもよかったのかもしれない。

    2005-11-10 23:59:00
  • 210:

    NN

    だけど今出ないと 今走り出さないと 俺は自分を焦らせていた。でっかいスポーツバックと、でっかいカメラを首にぶらさげて、大阪を走り出た。お金なんかほとんどなかった。渋谷を歩いていると、「キミキミ」と呼び止められた。
    キミ、なんて言葉を生で聞いたのが初めてで、好奇心で振り向いてしまった俺は、気がつけばホストクラブっていう舞台に立った。

    2005-11-11 00:00:00
  • 211:

    NN

    上京後、一度実家に帰ったけど、ホストやってる、と、正直に言うと、親父に案の定勘当されてしまった。第一声は「二度帰ってくるな!!」だった。それから一回も実家には帰っていないけど、最近、親父から「雑誌見た。お前も頑張ってるんだな。」と、短い言葉が留守番電話のメッセージに残っていた。俺はそのメッセージを何度も何度も再生して、不器用な親父らしい、と、ひとり笑ってしまった。
    また時間が会ったら 帰るで その言葉、伝えたかったんやけど、伝える暇も時間もなく、何ヶ月も経ってしまった。

    2005-11-11 00:01:00
  • 212:

    NN

    季節は何度もめぐってその度、どんどんこの世界に染まりきって、抜け出せないでいる自分が居ることも確かだ。気がつけばカオルさんに憧れてホストになりました、なんて、言われるまで古株になってしまった。

    2005-11-11 00:03:00
  • 213:

    NN

    俺は一人、電話を片手に笑顔になる。夢はある。ホストはその途中で見つけた「拾い物」。まだ時々不安になるんや、俺も消耗品。いつか消えてしまうんかなって。やけど、たとえ俺自身が、ホストという仕事が、消耗されていくものだとしても、俺はなんぼでなんぼのナニワ大阪人。
    無駄な使い方はしぃひん。今はホストの世界で真剣勝負。夢に近づくのは、この仕事を終えてから。

    2005-11-11 00:05:00
  • 214:

    NN

    上京して失ったもんもあったかな やけど こうして 失ったと思っても よみがえってくるもんかて あるんやね。俺には守るものがある。夢もある。だから..

    大切に 記憶の中で あの頃を守ってゆけるように

    2005-11-11 00:06:00
  • 215:

    名無しさん

    続き待ってます。

    2005-11-11 02:38:00
  • 216:

    ????????????????????????

    2005-11-11 09:50:00
  • 217:

    なきほ

    ぃつも更新してくれるから大好きデス☆頑張って

    2005-11-11 10:32:00
  • 218:

    名無しさん

    2005-11-11 13:00:00
  • 219:

    名無しさん

    すごくジーンとくるとゆぅか胸が苦しく、切なくなるお話ですね?更新待ってます?

    2005-11-12 04:46:00
  • 220:

    名無しさん

    今一気に読みました♪気になったんゃけど、途中でホスクラの名前変わりました?カムプリ→デカムになったんですか?

    2005-11-12 14:07:00
  • 221:

    ゅりん

    ぁげ↑↑
    主ゎ女ですか?男ですか?めっちゃリァルなので聞ぃて見ました☆更新待ってまぁす(*^_^*)

    2005-11-13 13:31:00
  • 222:

    ???

    頑張ってね?

    2005-11-13 13:41:00
  • 223:

    NN

    246さん247さん、読んでくれてありがとうございます。なきほさん、毎回チェックしてくれててすごく嬉しいです。頑張りますので、ぜひ最後まで読んでください。249さん、まとめてくれてありがとうございます。
    250さん、切ないってゆってもらって嬉しいです。251さん、指摘ありがとうございました。ミスです..すみません!!店の名前の候補が2つあって気がつけば変わってました..正しくはカムプリのままで..すみません。ありがとうございました。

    2005-11-13 23:19:00
  • 224:

    NN

    ゅりんさん、ありがとうございます。これからもちょくちょく更新続けます。さてさて性別ですか??それは秘密です(笑)
    ???さん、ありがとうございます!!頑張ります。 感想を書いてくれた方、ありがとうございました。めっちゃ嬉しかったです。

    2005-11-13 23:21:00
  • 225:

    NN

    別に偉そうなことを言うわけじゃなけれど努力すれば願いは叶う だなんて笑ってしまった。生きてこのかた何かに必死になる、死に物狂いになるなんてことなかった気がする。
    別にそこまでっていうものがなかったのかな、今まで生きてきた世界は 息もできなかった。だけど今の仕事と出会えて 生まれ変わるって言葉を実感した

    2005-11-13 23:25:00
  • 226:

    NN

    この仕事は俺に命をくれた、そして この仕事を失うと言うことは 俺が命を失うということだ。いっそ殺してくれたってかまわないよ
    努力すれば願いは叶う 今なら信じられそうだ

    2005-11-13 23:27:00
  • 227:

    NN

    俺はカオルさんに火をつけられて、それでいつも東吾の言葉に目を覚めさせられる。東吾の言葉は覚醒という名のドラッグだな。
    2人でタバコを吸っている時が一番落ち着く。東吾と出会ってまだ2年位しか経っていないけど、ずっと一緒にいるような感覚にさえおちいってる。本当に不思議な奴だ。

    2005-11-13 23:28:00
  • 228:

    NN

    「あの人たちって雑誌に載ってたホストじゃない?」「カムプリのNo2でしょヤバイねぇやっぱかっこいい」「うんうんめっちゃカッコイイ..。」「何あれすげぇキモイんだけど」「うわぁナルシストくさっあんな男が一番いやぁ」

    2005-11-13 23:31:00
  • 229:

    NN

    色々な言葉が交差してどれも耳に入ってくるけど、中傷されたり冷やかされたりもあるわけだ。だけどそんなものは気にしない。何かしようとすれば、必ずそういうモノも背負わなくちゃいけない。目立ってこそのこの世界だ。
    それすらできないなら何もできないじゃないか。中傷になんか怯えてられない。

    2005-11-13 23:32:00
  • 230:

    NN

    「彩人ぉ!東吾ぉ!」客に会うことも珍しくない。今日も、でっかいシャネルのロゴが入ったかばんを片手に、フランス人形みたいな髪型をした女が俺に手を振る。今から仕事だそうだ。ユリ、彼女の職業はキャバクラ穣。俺の客の1人でもある。
    「おー今から仕事?」「うんっ今日、帰りカムプリ行くから」「おお、待ってる。」 短い会話。その中でいかに恋人気分にさせるか。
    それが営業。微笑む俺の横で東吾は相変わらずの無表情だった。

    2005-11-13 23:34:00
  • 231:

    NN

    彩人の仕事への熱意は、話していると時々、何かビリっと痺れるような感覚を覚える。彩人が、もし、今、仕事を失ったとしたら、本当にこいつは死ぬだろうなと本気で思う。
    死ぬ、なんて言葉は生きている立場からすればすごく非現実的なものに聞こえるが、彩人の口にする「死」は何だかすごく身近に感じて、この俺ですら恐くなるのだ。

    2005-11-13 23:38:00
  • 232:

    NN

    東吾は彩人に視線を向ける。彩人はメールを必死に打っている。−誰にだって譲れないものがあるだろ?−前にもアヤは俺に同じ言葉を投げかけた。
    彩人のその言葉に対して無気力で19年間生きてきた、と答えたような気がする。意識して無気力だなんて思ったことはない。

    2005-11-13 23:39:00
  • 233:

    NN

    周りにやる気がなさそう、とか、ダルそう、とか、人間離れしてる、と、言われることが多いのだ。ホストの仕事を始めたきっかけは、深夜ボケッと歩いていたら、スーツを着た実に胡散臭い男に話しかけられた。
    男は俺の肩をたたいて、「ねぇ君ホストとか興味ない?」と言った気がする。その胡散臭い男って奴は、この店のオーナーである原田さんなのだが。

    2005-11-13 23:40:00
  • 234:

    NN

    原田さんは「氷咲カオルって知ってる?有名なホスト。うちの店の子でね。君、なかなかホストにいけると思うよ、第二のカオル、なんて目指してみない?」と続けた。氷咲カオルなんて人間は全く知らなかったし、自分のどこがどうホストにいけるのか、だとか、疑問だらけだったが、原田さんは偉く熱心にずっと「ホスト」「ホスト」と連呼した。そして俺はyes も Noもなしに、気がつけばホストになっていた。

    2005-11-13 23:41:00
  • 235:

    NN

    店内に初めて連れて行かれた時、彩人とも初めて会った。彩人もその日が、初出勤だったのだ。つまり俺とやつは、同期というわけだ。ヤツは確か..黒いスーツを着て新人とは思えない位堂々としていたっけ。
    「東吾は初対面の時めっちゃ恐かったな。だって舌ピアスに耳にも数え切れないくらいピアスしててさ、しかも無表情でボサっと立ってるの。迫力に圧倒されたって。しかも同い年に見えなかったし。」昔話をすると、彩人は必ず俺にそう言う。俺から見た彩人の第一印象は..忘れた。

    2005-11-13 23:42:00
  • 236:

    NN

    ああ、やたらに香水くさくてホストっぽい男だなって思った。というか、ホストなんだな。金髪の髪の毛を一生懸命逆立ててるな とも思ったな。いまだに気が合うとは全然思えないが、同期だしなんとなく一緒に行動するようになっていた。
    彩人は自分では気がついてはいないと思うが、かなりの熱血男だと思うのだ。最近は「No1になりたい」しか言わなくなった。燃える精神というか。誰かこの炎を消火してやってほしい。

    2005-11-13 23:44:00
  • 237:

    NN

    って、誰にも消せるわけがないか。彩人がNo1にならない限り、この炎はどんどんどんどんデカくなるだろう。そしてもっと気がつけば自分もホストになって一年が経っていた。
    最初は、俺をスキだと言ってくれる客が奇妙に見えた。

    2005-11-13 23:47:00
  • 238:

    NN

    ホストの世界が奇妙だから、客も奇妙なわけだろうが、という結論に辿り着いた。流されるまま、毎晩酒を飲みながらそう思っていたが、一年経った今、あの頃と少し変わったことがある。タバコの銘柄。も、そうだが、もっと大事なことだ。
    スキだと言ってくれる客が今はありがたいということ。俺は彩人の憧れ?の、氷咲カオルのような客を盛り上げるような楽しい会話ができるわけでもなく、彩人みたいに派手なパフォーマンスもできない。
    なのに新人時代から今までずっと一年間俺に会いに来てくれる客が気がつけば増えていた。

    2005-11-13 23:49:00
  • 239:

    NN

    ある客に「俺と話していて何か楽しい?」と聞くと「楽しいよ。何で?」と逆に聞かれ「気になった」というと、「楽しいじゃない?あたし、東吾はすごい魅力あると思うよ」と笑いながらも答えてくれた。そのホストを初めて遅すぎるのかもしれないが、「やっててよかった」という気持ちが自分の中にうまれた。その後も、新しく自分を指名してくれる客に会うたび、その気持ちは大きくなっていく一方だ。彩人と違ってNo1になってやる!!って気持ちはないし、今の現状に満足だ。
    選んでくれる人がいる間はこの仕事を続けようと、俺は思うようになった。

    2005-11-13 23:50:00
  • 240:

    NN

    「東吾、どうしたんだよボケッとして。」「ああ、立ちながら寝てた」何だそれ、と、彩人はつぶやいた。「彩人、もしかしてホストって本当はすごく自分を好きになれる仕事かもしれないな。」
    「は?東吾、いきなりどうしたんだよ」あっけらかんとする彩人の横で俺は小さくうなずいた。

    2005-11-13 23:52:00
  • 241:

    NN

    ■■
    新人時代、もう毎日クタクタになるまで話し続けた。どんな客に対しても諦めるなんてことはしなかった。「何それ。おかしいじゃん。それはあなたが悪いっしょ。」アリスの一言で、一瞬世界が凍った。
    雷の指名客にアリスがヘルプで入った時の出来事だった。彼氏の愚痴を話していた客・エリコに向かってのアリスの『失言』。

    2005-11-13 23:53:00
  • 242:

    NN

    「何この子..」と、客のオンナは眉をひそめる。焦った雷はすぐに「ごめん!こいつ新人だから!」とフォローを入れる。オンナは、「いくら新人でもさぁ」と、つぶやくとアリスをにらみつける。
    「この子やだ、ヘルプさぁ他の子にチェンジして?」険悪な雰囲気は断ち切れなかった。アリスをはずし、他のホストをヘルプにつけたが、オンナはムスっとした顔のままだ。雷は体全身から冷や水が流れ出ていることに自分で気がついた。その時、背後からカオルが顔をのぞかせる。

    2005-11-13 23:55:00
  • 243:

    NN

    アリスのホストデビュー戦、初ヘルプは、エリコの機嫌をそこね、一瞬にして終了。雷は、店内にいたアリスを従業員トイレの前に呼び出し怒鳴りつけた。「お前さっきの接客はなーんだ!!あんなこと続けてると指名とれるどころかクビだぞ!!お客さんに対してなんだあの言い方は!!!!」
    静かなバックルームに雷の声が響く。「うっるさいなぁ」そして、小さな声でうっとおしいな、と付け足した。

    2005-11-13 23:58:00
  • 244:

    NN

    「うるさい!?うっとおしい!?大体お前、その態度がな」「もぉーいいじゃんっカオルちゃんのおかげでどうにかなったんだからさぁ」「いいってお前カオルちゃんってお前..」どこから注意したらいいのかもわからなくなってくる。大先輩でNo1のカオルに向かって新人ホストがカオルちゃん呼ばわり。助けてもらったというのに感謝の一言もない。注意する言葉にも詰まってしまう。「だーから次から気をつけるよー。」アリスは怒り心頭する雷に舌を出し、スキップしながらバックルームを去る。

    2005-11-14 00:00:00
  • 245:

    NN

    怒りを通り越してあきれてきた。新人教育を何人もしてきたが、あそこまで..何というか、神経がずぶといというか無神経というか礼儀がないというか、そんな奴は初めてだ。大体あいつはホストって仕事を何だと思っているのだろう?部活の延長だなんて思っていないだろうな。
    毎晩嘔吐する彩人はNo1に上り詰めたいがためだけに生きてるっていったって過言じゃない。カオルはいつも笑顔ではぐらかすけど、あいつにも何か大きな夢だとか目標があるからこの世界にいるからで。

    2005-11-14 00:01:00
  • 246:

    NN

    そんな二人のパワーで今店自体もどんどん有名になってきてる。本気になった奴が一番強いんだ。楽に稼げるからホスト、女にチヤホヤされたいからホスト。そういう目標で入店するのありだろう。新人の半分以上がそんな奴だ。だけど、実際入店したからにはがんばってもらわないことには困る。限界まで、がんばってもらわなくちゃ、困る。
    俺たちはプロなんだから。アリスはそれをわかっているのだろうか

    2005-11-14 00:03:00
  • 247:

    NN

    ?「雷は毎回、深刻に考えすぎるじゃねぇ?新人を教えたってどぉせやめんだし。時間のムダ、ムダ。アリスだってどうせすぐやめるだろ。適当に教えときゃいいんだよ。そんな事よか自分の客、増やすこと考えた方がよっぽど自分のためになるよ。」 2日前くらいに、同僚ホストにそういわれた。その言葉が何だか無性にやるせなかった。
    季節が変わって、散り遅れた花みたいに。今まで何人の新人を教えてきただろう。そして何人辞めていっただろう。多分、数え切れない。

    2005-11-14 00:04:00
  • 248:

    NN

    全て時間の無駄だったのか?適当に教えておけばよかったのか?そんなのいくらだって手を抜いて教えられるけど、そんなことしたって何の特になるのだろう。何だか自分のホストとしての価値を落とす気がするよ。教えることは自己満足なのか?
    人に教えるってことは少しだけだけど、教えた!っていう、自分の自己満足だって関わってくるんじゃないかなって、俺は思うんだ。新人と一緒に、俺も少しでいいから成長していきたいんだよ。

    2005-11-14 00:05:00
  • 249:

    NN

    「そういえば、俺を教えてくれたの、雷さんでしたよね。」顔を上げると、彩人が立っていた。アリスとのやりとりを見ていたのだろうか?バックヤードに一人座りこむ俺の横に、彩人も腰を下ろす。
    彩人は多分、吐いた後だろう。顔色がよくない。それでも、こいつは、この後、また飲むのだ。飲んで飲んで、もどしてもどしてまた飲んで。

    2005-11-14 00:06:00
  • 250:

    NN

    「そうだったな。俺としてはありがたい。お前は俺が教えた中で一番の成長株だ、悔しいけどな。あと、東吾もかな。あいつも、あそこまで売れるとは、思ってなかったからな」そう笑うと、彩人はいやいや、と少し微笑む。「俺ね、新人の頃、雷さんに教えてもらって、ほんとによかったと思ってますよ。」「何いってんだ、いきなり。」驚く俺を見ながら、彩人は、いや真剣な話で、とつぶやく。

    2005-11-14 00:07:00
  • 251:

    NN

    「今思えば、何もわかんなくって不安で、ただカオルさんになりたいってそれだけで入店して,,酒の知識もないし、酒も駄目、人と会話もうまくできないし。色々、助けてくれたの、雷さんでしたよね。俺、きっと雷さんじゃなかったら辞めてた。雷さんが、俺の、この何だろう、ホストとしての根っこ、作ってくれたんですよね。アリスも、そういう気持ち、いつかわかりますよ。きっと、俺みたいにちょっと年くってからだろうけど。雷さんは寛大な人だっなって。だって俺、もう、教える立場なのに自分のことでいっぱいいっぱいで。教えようなんて気持ち、なれないですよ。」

    2005-11-14 00:09:00
  • 252:

    NN

    彩人の言葉に、体中が熱くなる。俺だっていっぱいいっぱいだよ、だけど、いっぱいいっぱいになりながらも教えるんだよ。すごく嬉しかった。彩人の言葉が。不器用な口調で必死に、俺に元気を与えようとしてくれる。俺は間違ってなかったのかな。こうして教えた後輩ホストが今、逆にこうして教えてくれてるんじゃないか。人のために教えるんじゃない 自分が教えたいから教える それは自己満足かもしれないけど
    それで感謝されたら それはきっと それはすごく..

    2005-11-14 00:10:00
  • 253:

    NN

    「おい、アリス!」俺は店内に戻るとすぐにアリスをつかまえる。「また説教?」うんざりしたような顔でアリスは雷を見る。「そうだよ。お前には一流のホストになってもらわなきゃ、困るからな。」
    「何それ」「とーにかくキャッチ、行くぞ!!キャッチの基礎を教えてやるよ」

    2005-11-14 00:11:00
  • 254:

    NN

    一応、この年になってもホストとしての夢はたくさんある。例えばもっとたくさんのお客さんと触れ合いたいだとか、自分の店を持ちたいだとか。夢を語り出したらきっと一晩じゃおさまらないよ。だけど一番の夢は、ひとつなのかもしれない。

    2005-11-14 00:13:00
  • 255:

    NN

    今、この店で。彩人や東吾に続く新人ホストを教育して、プロにするんだ。それで、一緒に。

    一緒に、この店で働いていきたいって。

    2005-11-14 00:14:00
  • 256:

    名無しさん

    読んでると勝手に妄想しちゃいマス??ゥチは雷クン口座にするでしょゥッ…(笑)?

    2005-11-14 02:43:00
  • 257:

    なんか、ありえないほどクサイ話って思ったけど、きっとホンマはこんな人間臭い部分を誰しも持っていて、夜の世界はそれを出さないではぐらかして皆生きてんだよなぁ、結構現実に近い、皆隠しながら思ってることを書いてるなぁって思ったら泣けてきた。

    2005-11-14 08:50:00
  • 258:

    ????????????????????????

    2005-11-14 10:22:00
  • 259:

    ???

    頑張ってね?

    2005-11-14 12:21:00
  • 260:

    名無しさん

    2005-11-14 12:46:00
  • 261:

    マリナ

    250です?
    この小説今1番スキです?頑張って下さぃ??

    2005-11-14 16:44:00
  • 262:

    NN

    291さんありがとうございます。こんな小説でよかったら妄想しちゃってください。292さん、ありがとうございます。風俗、キャバクラ、ホスト。職種関係なく夜の世界にいる人達はどこか本当自分を偽って仕事をしますよね。時々本当の自分はどんな人間だったのだろう?と思ってしまうことがあります。感想とても嬉しかったです。293さんありがとうございます。294さん、ありがとうございます。頑張ります。マリナさん、感想ありがとうございます。好きっていってもらえてすごく嬉しいです。更新続けるので、また見てやって下さい。
    感想をくれた方、ありがとうございました。

    2005-11-14 17:43:00
  • 263:

    NN

    「勝ち続けること」それがNo1。「必ず追い抜くこと」それがNo2。カオルさんは相変わらず他者を寄せ付けない人気だった。カオルさんのバースディがあった先日の2日間で、まだ今月も半ばだというのに俺との売り上げの差は、三百以上開いた。店の周りはカオルさんへと書かれたドでかい胡蝶蘭が並び、見るところすべて花だらけ。カオルさんの人気を物語っていた。OPENと同時に洪水のように流れだす客で、あっという間に満席。シャンパンコールがエンドレスに響き、店の中央に置かれたシャンパンタワーは溢れんばかりに重なりあい、雑誌・TVなどの取材のカメラがカオルさんをフィルター越しにうつす。

    2005-11-14 17:44:00
  • 264:

    NN

    顔、喋り、飲み、そして天性の素質。ホストがうらやむような素質を全部持ち合わせた氷咲カオルっていう人間にはきっと今に不満なんてない、みんなそう思っていたんだと思う。もちろん、俺も、そう思った。

    2005-11-14 17:45:00
  • 265:

    NN

    「来 年 も よ ろ し く な」の言葉。

    2005-11-14 17:47:00
  • 266:

    NN

    その出なかった言葉の意味。もしかしてあの時もうカオルさんは決意してたのかもしれないね。
    だとしたら俺たちは夜の世界で輝く「氷咲カオル」というホストを知っていても、本当の「かおる」さんは誰も知らなかったんだ。いや、きっと誰にもみせなかったんだ。

    2005-11-14 17:48:00
  • 267:

    NN

    あの日カオルさんが突然店から消えてしまったとき。きっとあの時、俺のホスト人生が終幕を迎えたんだ。これでよかったんだ。カオルさんはいつも手品師みたいなマジックつかってみんなを驚かせるんだ。だけど決してタネアカシをしないんだよ。そのまま「なんで?なんで?」ってみんなが聞くのをふりほどいてどこかに消えてしまうんだよね。

    2005-11-14 17:49:00
  • 268:

    NN

    もう限界って思ったことはないんやけど もうここにいたらあかんのちゃうって思うことは何度もあるカオルさんが、そんな言葉を雷さんにもらしていたことを知るのは、まだ少し先の話だ。
    −あの日 何がカオルさんをそうさせたのか 今だに 俺は わからないでいる−

    2005-11-14 17:50:00
  • 269:

    マリナ

    主さんいつも返事ありがとう??
    話が気になるゥゥ????
    続き楽しみにしてまぁす?

    2005-11-15 01:51:00
  • 270:

    名無しさん

    2005-11-15 17:00:00
  • 271:

    これは

    ミカエル?

    2005-11-15 17:11:00
  • 272:

    NN

    マリナさん、こちらこそいつも読んでくださってしかも感想までありがとうございます。とっても嬉しいです(^^)これからも書き続けますので、のぞいてやってください。307さん、読んでくださりありがとうございます(^^)ミカエル?ではないです。

    2005-11-16 00:10:00
  • 273:

    NN

    ■■
     あれは一年前の出来事だった。狭い控え室の中、一枚の履歴書を広げ、中年の男はタバコに火をつけた。カム・プリンセスの経営者である原田は、眉をひそめる。ここ一週間で自薦20人目の面接者。だいたい、面接で断る、ということはあまりしないが、今回ばかりは慎重になる。カム・プリンセスにここまで自らホスト志願者が来るとは、完全なカオル効果だ。
    カオルとは、氷咲カオルのことだ。このカム・プリンセスにおいて不動のNo1を誇る超人気ホスト。先日、カオルのドキュメンタリーが、全国区で放送された。

    2005-11-16 00:13:00
  • 274:

    NN

    と、いっても深夜に一時間だが、深夜、テレビの中に写る「王子様」に、何十万人の女性が心を奪われたことか。あの日以来、またカオルの指名客は倍増する一方だ。TVのタイトルは「TV!!24!!〜超人気ホスト・月収700万円の氷咲カオルに密着」TV放送の効果は、カオル指名客倍増だけにとどまらず、「カオルのようになりたい」と、どんどんホスト志願者が面接にあらわれるようになった。

    2005-11-16 00:14:00
  • 275:

    NN

    放送内容は、カオルがホストになるまでの半生と現在の生活を混合させたドキュメンタリーもので、家賃75万円のマンションに住むカオルの姿に、視聴者やホスト志願者はド肝を抜かれたという。

    2005-11-16 00:15:00
  • 276:

    NN

    「ドラマちっくに仕上げた方が視聴者は食いつくし」、と俺が言うと、カオルは「そやけどやりすぎっしょ、俺と違って全然違う人の人生みたいやないですか」と笑った。「ドラマちっくに仕上げた方が視聴者は食いつくし」、と俺が言うと、カオルは「そやけどやりすぎっしょ、俺と違って全然違う人の人生みたいやないですか」と笑った。「俺、オヤジとはごっつ仲いい。最初はケンカばっかやったけど。むしろ、今、応援してくれてるしなぁ。貧乏生活。そんなことないと思うわ。別に、普通の父子家庭ってゆうか。愛をすべて失ったって。ちょっとひどい言い方やわ。俺はみんなの愛あってこそのカオルやのにさ。」と、続けた。

    2005-11-16 00:17:00
  • 277:

    NN

    カオルの言葉に間違いはなかった。すべての愛を失っていたら、カオルはこんなにいい笑顔ができるわけがない。むしろ彼は全ての愛に恵まれて育ったのではないかな。「あ、でもそうかも。俺と違って全然違う人の人生。そうやね、これは『氷咲カオル』であって、俺ちゃうもんね。」
     そう言うとカオルは笑った。

    2005-11-16 00:18:00
  • 278:

    NN

    人材はいつだって欲しいが、どの新人も一ヶ月と続かない。ホストの世界は厳しいのだ。放送以来地方から大量に送られてくる履歴書の山と鳴り止むことのない問い合わせの電話を前にそう思う。夢のような生活ができるホストなんて、ほんの一握りだというのに。
    ふと腕時計を見ると時間は22時。今日だけで面接が4回。当然だが次から次にヤローばかりで嫌気がさす。「カオル、お前のおかげで求人がたくさん来るようになった、ありがたい、ありがたい。」原田は控え室でジュースを飲んでいたカオルに声をかける。

    2005-11-16 00:19:00
  • 279:

    NN

    氷咲カオルは2年前「カムプリンセス」に入店するやいなや、その端麗なルックスと軽快なトークで、あっという間にNo1に躍り出た天才ホストだ。まだたった2年しかたっていないというのに、カオルの存在は異様だった。今やホスト雑誌の表紙を何度も飾り、TVで特集されることもしばしば。カオルは完全にカムプリンセスのドル箱アイドルだ。「なーんや原田さん、ありがたい言うてるわりには顔が怖いねんけど」
    カオルが笑う。

    2005-11-16 00:20:00
  • 280:

    NN

    すると、原田はいやいや、と手を横に振る。「いや、ありがたいよ。新宿駅でお前を見た時、こいつは使える!と思って俺がスカウトしたけど、まぁさかここまで売れるなんてな。だてに俺も現役時代No1やってたわけじゃないなと。」「まだホストの世界、未練あるん?」
    カオルの瞳が動く。「いや、経営の方が楽しいね。この年になると。まぁもう一回モテてみたいっていうのも、あるけどな。」笑いながら原田は控え室の椅子に腰を下ろす。カオルもそれにつられるように笑う。

    2005-11-16 00:21:00
  • 281:

    NN

    気がつけば原田はカオルの肩をたたいていた。「君さぁボケっとして何してるの?その大きな荷物は?もしかして、上京したばっかりなの?それとも家出?」派手なネクタイに茶色の髪の毛、腕には金の時計。原田さん、第一印象怖すぎた、だって普通のサラリーマンにはどうみたって見えなかったから、これが、東京のオヤジなんかって!めっちゃビビったわ、大阪のオヤジはもっと人がよさそうやねんで、と、後になってカオルから聞いた。

    2005-11-16 00:24:00
  • 282:

    NN

    確かに、話しかけた時カオルの顔は強張っていた気がする。大阪から上京したてで、金もないし土地勘もないし行き場に困っている、って話をカオルはしたかな。 整った目鼻に加え、クニュっとあがる口角が印象的だった。カオルのルックスに関西弁が妙なくらいマッチしていて、俺は久々の「大物」を前に興奮を抑えられなかった。
    こいつはいい!ホストとして使える!そう確信したのだ。

    2005-11-16 00:25:00
  • 283:

    NN

    どうして上京したの?と聞くと、カオルは確か、そう、この瞬間だけは何にも動じず、はっきりと前を見て答えた。「夢があって。東京に来ないとかなえられない夢があるんです」
    と言った。だけど金がないのを忘れてたんですけどね、と付け足して言っていた。つまり後先を何も考えずに東京にきた、というわけだ。

    2005-11-16 00:26:00
  • 284:

    NN

    俺が「ホストなんか興味ない?寮もあるし住むところはあるし。」と、カオルを誘うと、「やります!やらしてください!」と、即答した。あまりの答えの速さに、驚いたが、カオルはきっとのたれ死にする寸前だったのだろう、「救われた〜やっぱ東京にも優しい人っておるんやなぁ〜」と、つぶやいていた。あれから2年。のたれ死にそうになっていた男は、今やこの店の看板ホスト。
    この店を支えているのは、完全に氷咲カオルだ。

    2005-11-16 00:27:00
  • 285:

    NN

    「カオル、悪いな。」「なにが?」「お前、夢があるっていってたよな。夢の為の資金集めだろ。毎月500あれば資金もクソもないだろ。お前やりたいことがあるだろうに、店の為に、いてくれてるんだろ」俺が真剣な顔をしてそういうと、カオルはプっと吹き出すように笑った。そして、テーブルの上に置いてあったタバコの箱から、一本、取り出す。

    2005-11-16 00:28:00
  • 286:

    NN

    「やめてくださいよ。そーゆうの。そういうつもり、ちゃいますから。」カオルはタバコに火をつけると、うつむき気味に携帯電話をいじり始める。

    2005-11-16 00:30:00
  • 287:

    NN

    「今日、面接はもうないんですか」「ああ。22時20分に一人、いるよ。18歳の子だけど」大して興味はなかった。またどうせカオルくずれみたいな者がくる。とりあえすカオルくずれの中から5,6人採用して..続くのが1人いるかどうか。その1人だって売れっ子になる、なんて保証はない。カオルと談笑を続けていると、控え室の扉が3回ノックされる。
    あ、面接か。腕時計を確認すると面接時間の5分前だ。

    2005-11-16 00:31:00
  • 288:

    NN

    「どうぞ」そう言うと「失礼します」と同時に男が部屋に入ってくる。その瞬間、俺は久々に息を飲んだ。男は顔が小さく、足が長い、長身でほっそりとしたモデル体系。少し辛口の顔立ちとのバランスがいい。特に目元だ。目じりがグッと上がっていて、それでかつ秘めた瞳が何かを物語っている。ホストはルックスじゃない。だけど、面接の第一難関はルックスでもあるのだ。

    2005-11-16 00:32:00
  • 289:

    NN

    「そこに、かけて。」原田がそう言うと男ははい、とつぶやく椅子に座る。男の正面にはカオルが座っている。手に汗が流れる。この衝撃はカオル以来かもしれない。俺は震える手を落ち着かせるかのように、こぶしを握り締めた。カオルの正面に座った男はすぐに声を出した。「氷咲カオルさんですよね?」「そうやでー。」カオルは笑顔で返事をする。

    2005-11-16 00:33:00
  • 290:

    NN

    男は「雑誌で見たまんまだ」と少しだけ感動していたが、すぐにカオルの方をまっすぐに向いた。その視線に迷いはなかった。「俺はカオルさんに憧れて面接に来ました。ホストになりたくって来たと同時に、No1になるために、来ました。目標はNo1。それだけです。カオルさんと並ぶ、じゃなくて、抜くのが夢です」本人を前に堂々の宣戦布告。

    2005-11-16 00:34:00
  • 291:

    NN

    「夢があって。東京に来ないとかなえられない夢があるんです」俺は当時のカオルの姿に、男を重ねた。ソックリだったのだ。揺るがない信念、そしてその奥にある強い意志、あきらめることを知らない強さ。カオルは男の言葉に「おおっ」とつぶやき、「何かはずいなぁ」と少し笑った。「君、今日から働ける?」「はい!」何だかだいぶ前の話みたいに聞こえるけど、あれから、まだたった一年しか経っていないんだよな。
    カオルと彩人の出会いはお互いにとって必然だったのだと俺は思うよ。

    2005-11-16 00:35:00
  • 292:

    NN

    彩人、お前には話していないことがあるんだ。お前の面接が終わった後、いつもおちゃらけしてるカオルが、今まで見たことないくらい真剣な顔で、俺に言ったんだ。「あれは怖いね。俺もウカウカしてられへんわ。店入って始めてやね。こーゆ−気持ちになったんわ。」ってね。今じゃNo1 と No2対決は店の見世物状態。TVで報道されることもしばしば。酒も飲めてトークも軽快いつもニコニコ顔のサービス満点な天才肌のカオルと、酒が苦手で毎晩嘔吐の繰り返し、駄目だと思えば顔に一瞬顔に出てしまうけど、勢いのある努力家の彩人と。

    2005-11-16 00:36:00
  • 293:

    NN

    対照的で楽しいよ。だけどどこか似ているんだろうな。この店はおもしろい店になったのかもしれないね。経営者としては非常に、ありがたいことだけれど。だけど お前はまだ気がついてないのかもしれないね

    2005-11-16 00:37:00
  • 294:

    NN

    彩人 お前の才能は 誰よりもカオルが最初にわかっていたんだ。
    そういうことを

    2005-11-16 00:38:00
  • 295:

    ????????????????????????

    2005-11-16 02:07:00
  • 296:

    名無しさん

    2005-11-16 04:06:00
  • 297:

    名無しさん

    ?

    2005-11-16 06:03:00
  • 298:

    名無しさん

    2005-11-16 08:25:00
  • 299:

    名無しさん

    2005-11-16 08:48:00
  • 300:

    名無しさん

    2005-11-16 09:48:00
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