小説掲示板東京心中24時50分のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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東京心中24時50分

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  • 1:

    NN

    毎晩毎晩、その一瞬一瞬に新しいホストが生まれ、そして消えていく。彼らに行く末は何処にもないのかもしれない。それとも永遠にこの世界で生きていけるという道があるのかもしれない。
    どちらにせよ、消費されていくんだ、体も心も。そして新しいものが生まれていく。消耗品であることは間違いないみたいだ。いつ自分は消えていくのかな。

    2005-10-21 02:30:00
  • 265:

    NN

    「来 年 も よ ろ し く な」の言葉。

    2005-11-14 17:47:00
  • 266:

    NN

    その出なかった言葉の意味。もしかしてあの時もうカオルさんは決意してたのかもしれないね。
    だとしたら俺たちは夜の世界で輝く「氷咲カオル」というホストを知っていても、本当の「かおる」さんは誰も知らなかったんだ。いや、きっと誰にもみせなかったんだ。

    2005-11-14 17:48:00
  • 267:

    NN

    あの日カオルさんが突然店から消えてしまったとき。きっとあの時、俺のホスト人生が終幕を迎えたんだ。これでよかったんだ。カオルさんはいつも手品師みたいなマジックつかってみんなを驚かせるんだ。だけど決してタネアカシをしないんだよ。そのまま「なんで?なんで?」ってみんなが聞くのをふりほどいてどこかに消えてしまうんだよね。

    2005-11-14 17:49:00
  • 268:

    NN

    もう限界って思ったことはないんやけど もうここにいたらあかんのちゃうって思うことは何度もあるカオルさんが、そんな言葉を雷さんにもらしていたことを知るのは、まだ少し先の話だ。
    −あの日 何がカオルさんをそうさせたのか 今だに 俺は わからないでいる−

    2005-11-14 17:50:00
  • 269:

    マリナ

    主さんいつも返事ありがとう??
    話が気になるゥゥ????
    続き楽しみにしてまぁす?

    2005-11-15 01:51:00
  • 270:

    名無しさん

    2005-11-15 17:00:00
  • 271:

    これは

    ミカエル?

    2005-11-15 17:11:00
  • 272:

    NN

    マリナさん、こちらこそいつも読んでくださってしかも感想までありがとうございます。とっても嬉しいです(^^)これからも書き続けますので、のぞいてやってください。307さん、読んでくださりありがとうございます(^^)ミカエル?ではないです。

    2005-11-16 00:10:00
  • 273:

    NN

    ■■
     あれは一年前の出来事だった。狭い控え室の中、一枚の履歴書を広げ、中年の男はタバコに火をつけた。カム・プリンセスの経営者である原田は、眉をひそめる。ここ一週間で自薦20人目の面接者。だいたい、面接で断る、ということはあまりしないが、今回ばかりは慎重になる。カム・プリンセスにここまで自らホスト志願者が来るとは、完全なカオル効果だ。
    カオルとは、氷咲カオルのことだ。このカム・プリンセスにおいて不動のNo1を誇る超人気ホスト。先日、カオルのドキュメンタリーが、全国区で放送された。

    2005-11-16 00:13:00
  • 274:

    NN

    と、いっても深夜に一時間だが、深夜、テレビの中に写る「王子様」に、何十万人の女性が心を奪われたことか。あの日以来、またカオルの指名客は倍増する一方だ。TVのタイトルは「TV!!24!!〜超人気ホスト・月収700万円の氷咲カオルに密着」TV放送の効果は、カオル指名客倍増だけにとどまらず、「カオルのようになりたい」と、どんどんホスト志願者が面接にあらわれるようになった。

    2005-11-16 00:14:00
  • 275:

    NN

    放送内容は、カオルがホストになるまでの半生と現在の生活を混合させたドキュメンタリーもので、家賃75万円のマンションに住むカオルの姿に、視聴者やホスト志願者はド肝を抜かれたという。

    2005-11-16 00:15:00
  • 276:

    NN

    「ドラマちっくに仕上げた方が視聴者は食いつくし」、と俺が言うと、カオルは「そやけどやりすぎっしょ、俺と違って全然違う人の人生みたいやないですか」と笑った。「ドラマちっくに仕上げた方が視聴者は食いつくし」、と俺が言うと、カオルは「そやけどやりすぎっしょ、俺と違って全然違う人の人生みたいやないですか」と笑った。「俺、オヤジとはごっつ仲いい。最初はケンカばっかやったけど。むしろ、今、応援してくれてるしなぁ。貧乏生活。そんなことないと思うわ。別に、普通の父子家庭ってゆうか。愛をすべて失ったって。ちょっとひどい言い方やわ。俺はみんなの愛あってこそのカオルやのにさ。」と、続けた。

    2005-11-16 00:17:00
  • 277:

    NN

    カオルの言葉に間違いはなかった。すべての愛を失っていたら、カオルはこんなにいい笑顔ができるわけがない。むしろ彼は全ての愛に恵まれて育ったのではないかな。「あ、でもそうかも。俺と違って全然違う人の人生。そうやね、これは『氷咲カオル』であって、俺ちゃうもんね。」
     そう言うとカオルは笑った。

    2005-11-16 00:18:00
  • 278:

    NN

    人材はいつだって欲しいが、どの新人も一ヶ月と続かない。ホストの世界は厳しいのだ。放送以来地方から大量に送られてくる履歴書の山と鳴り止むことのない問い合わせの電話を前にそう思う。夢のような生活ができるホストなんて、ほんの一握りだというのに。
    ふと腕時計を見ると時間は22時。今日だけで面接が4回。当然だが次から次にヤローばかりで嫌気がさす。「カオル、お前のおかげで求人がたくさん来るようになった、ありがたい、ありがたい。」原田は控え室でジュースを飲んでいたカオルに声をかける。

    2005-11-16 00:19:00
  • 279:

    NN

    氷咲カオルは2年前「カムプリンセス」に入店するやいなや、その端麗なルックスと軽快なトークで、あっという間にNo1に躍り出た天才ホストだ。まだたった2年しかたっていないというのに、カオルの存在は異様だった。今やホスト雑誌の表紙を何度も飾り、TVで特集されることもしばしば。カオルは完全にカムプリンセスのドル箱アイドルだ。「なーんや原田さん、ありがたい言うてるわりには顔が怖いねんけど」
    カオルが笑う。

    2005-11-16 00:20:00
  • 280:

    NN

    すると、原田はいやいや、と手を横に振る。「いや、ありがたいよ。新宿駅でお前を見た時、こいつは使える!と思って俺がスカウトしたけど、まぁさかここまで売れるなんてな。だてに俺も現役時代No1やってたわけじゃないなと。」「まだホストの世界、未練あるん?」
    カオルの瞳が動く。「いや、経営の方が楽しいね。この年になると。まぁもう一回モテてみたいっていうのも、あるけどな。」笑いながら原田は控え室の椅子に腰を下ろす。カオルもそれにつられるように笑う。

    2005-11-16 00:21:00
  • 281:

    NN

    気がつけば原田はカオルの肩をたたいていた。「君さぁボケっとして何してるの?その大きな荷物は?もしかして、上京したばっかりなの?それとも家出?」派手なネクタイに茶色の髪の毛、腕には金の時計。原田さん、第一印象怖すぎた、だって普通のサラリーマンにはどうみたって見えなかったから、これが、東京のオヤジなんかって!めっちゃビビったわ、大阪のオヤジはもっと人がよさそうやねんで、と、後になってカオルから聞いた。

    2005-11-16 00:24:00
  • 282:

    NN

    確かに、話しかけた時カオルの顔は強張っていた気がする。大阪から上京したてで、金もないし土地勘もないし行き場に困っている、って話をカオルはしたかな。 整った目鼻に加え、クニュっとあがる口角が印象的だった。カオルのルックスに関西弁が妙なくらいマッチしていて、俺は久々の「大物」を前に興奮を抑えられなかった。
    こいつはいい!ホストとして使える!そう確信したのだ。

    2005-11-16 00:25:00
  • 283:

    NN

    どうして上京したの?と聞くと、カオルは確か、そう、この瞬間だけは何にも動じず、はっきりと前を見て答えた。「夢があって。東京に来ないとかなえられない夢があるんです」
    と言った。だけど金がないのを忘れてたんですけどね、と付け足して言っていた。つまり後先を何も考えずに東京にきた、というわけだ。

    2005-11-16 00:26:00
  • 284:

    NN

    俺が「ホストなんか興味ない?寮もあるし住むところはあるし。」と、カオルを誘うと、「やります!やらしてください!」と、即答した。あまりの答えの速さに、驚いたが、カオルはきっとのたれ死にする寸前だったのだろう、「救われた〜やっぱ東京にも優しい人っておるんやなぁ〜」と、つぶやいていた。あれから2年。のたれ死にそうになっていた男は、今やこの店の看板ホスト。
    この店を支えているのは、完全に氷咲カオルだ。

    2005-11-16 00:27:00
  • 285:

    NN

    「カオル、悪いな。」「なにが?」「お前、夢があるっていってたよな。夢の為の資金集めだろ。毎月500あれば資金もクソもないだろ。お前やりたいことがあるだろうに、店の為に、いてくれてるんだろ」俺が真剣な顔をしてそういうと、カオルはプっと吹き出すように笑った。そして、テーブルの上に置いてあったタバコの箱から、一本、取り出す。

    2005-11-16 00:28:00
  • 286:

    NN

    「やめてくださいよ。そーゆうの。そういうつもり、ちゃいますから。」カオルはタバコに火をつけると、うつむき気味に携帯電話をいじり始める。

    2005-11-16 00:30:00
  • 287:

    NN

    「今日、面接はもうないんですか」「ああ。22時20分に一人、いるよ。18歳の子だけど」大して興味はなかった。またどうせカオルくずれみたいな者がくる。とりあえすカオルくずれの中から5,6人採用して..続くのが1人いるかどうか。その1人だって売れっ子になる、なんて保証はない。カオルと談笑を続けていると、控え室の扉が3回ノックされる。
    あ、面接か。腕時計を確認すると面接時間の5分前だ。

    2005-11-16 00:31:00
  • 288:

    NN

    「どうぞ」そう言うと「失礼します」と同時に男が部屋に入ってくる。その瞬間、俺は久々に息を飲んだ。男は顔が小さく、足が長い、長身でほっそりとしたモデル体系。少し辛口の顔立ちとのバランスがいい。特に目元だ。目じりがグッと上がっていて、それでかつ秘めた瞳が何かを物語っている。ホストはルックスじゃない。だけど、面接の第一難関はルックスでもあるのだ。

    2005-11-16 00:32:00
  • 289:

    NN

    「そこに、かけて。」原田がそう言うと男ははい、とつぶやく椅子に座る。男の正面にはカオルが座っている。手に汗が流れる。この衝撃はカオル以来かもしれない。俺は震える手を落ち着かせるかのように、こぶしを握り締めた。カオルの正面に座った男はすぐに声を出した。「氷咲カオルさんですよね?」「そうやでー。」カオルは笑顔で返事をする。

    2005-11-16 00:33:00
  • 290:

    NN

    男は「雑誌で見たまんまだ」と少しだけ感動していたが、すぐにカオルの方をまっすぐに向いた。その視線に迷いはなかった。「俺はカオルさんに憧れて面接に来ました。ホストになりたくって来たと同時に、No1になるために、来ました。目標はNo1。それだけです。カオルさんと並ぶ、じゃなくて、抜くのが夢です」本人を前に堂々の宣戦布告。

    2005-11-16 00:34:00
  • 291:

    NN

    「夢があって。東京に来ないとかなえられない夢があるんです」俺は当時のカオルの姿に、男を重ねた。ソックリだったのだ。揺るがない信念、そしてその奥にある強い意志、あきらめることを知らない強さ。カオルは男の言葉に「おおっ」とつぶやき、「何かはずいなぁ」と少し笑った。「君、今日から働ける?」「はい!」何だかだいぶ前の話みたいに聞こえるけど、あれから、まだたった一年しか経っていないんだよな。
    カオルと彩人の出会いはお互いにとって必然だったのだと俺は思うよ。

    2005-11-16 00:35:00
  • 292:

    NN

    彩人、お前には話していないことがあるんだ。お前の面接が終わった後、いつもおちゃらけしてるカオルが、今まで見たことないくらい真剣な顔で、俺に言ったんだ。「あれは怖いね。俺もウカウカしてられへんわ。店入って始めてやね。こーゆ−気持ちになったんわ。」ってね。今じゃNo1 と No2対決は店の見世物状態。TVで報道されることもしばしば。酒も飲めてトークも軽快いつもニコニコ顔のサービス満点な天才肌のカオルと、酒が苦手で毎晩嘔吐の繰り返し、駄目だと思えば顔に一瞬顔に出てしまうけど、勢いのある努力家の彩人と。

    2005-11-16 00:36:00
  • 293:

    NN

    対照的で楽しいよ。だけどどこか似ているんだろうな。この店はおもしろい店になったのかもしれないね。経営者としては非常に、ありがたいことだけれど。だけど お前はまだ気がついてないのかもしれないね

    2005-11-16 00:37:00
  • 294:

    NN

    彩人 お前の才能は 誰よりもカオルが最初にわかっていたんだ。
    そういうことを

    2005-11-16 00:38:00
  • 295:

    ????????????????????????

    2005-11-16 02:07:00
  • 296:

    名無しさん

    2005-11-16 04:06:00
  • 297:

    名無しさん

    ?

    2005-11-16 06:03:00
  • 298:

    名無しさん

    2005-11-16 08:25:00
  • 299:

    名無しさん

    2005-11-16 08:48:00
  • 300:

    名無しさん

    2005-11-16 09:48:00
  • 301:

    297を読んでおもったんだけど、それは夜とか昼とか関係無い様な気がする。上手く言えないけど、生きていくだけで皆、多少なり偽りの自分がいると思う。そうしないと今の世の中生きづらいもん。

    2005-11-16 10:10:00
  • 302:

    なきほ

    久々にのぞきました☆ゴメンねっ(>_

    2005-11-16 15:35:00
  • 303:

    名無しさん

    ?

    2005-11-17 00:35:00
  • 304:

    名無しさん

    ?

    2005-11-17 05:15:00
  • 305:

    ゆいな

    初カキコです。すごくおもしろい!カオルたωのファンなりそうです★頑張ってくださぃ★

    2005-11-17 14:48:00
  • 306:

    名無しさん

    色々感想いただいてありがとうございます。風邪をひいたので2日ほど更新をお休みします。
    風邪がなおりましたら感想いただいた方に返信します..すみません迷惑かけます。

    2005-11-17 23:22:00
  • 307:

    マリナ

    主さん風邪大丈夫ぅ??ゆっくり休んでしっかり治して下さぃね??気長に待ってます?

    2005-11-18 06:51:00
  • 308:

    名無しさん

    2005-11-20 02:27:00
  • 309:

    名無しさん

    ?

    2005-11-20 03:00:00
  • 310:

    名無しさん

    2005-11-20 03:05:00
  • 311:

    名無しさん

    あかさん 失礼しました。夜も昼も関係ない、その通りだと思います。偏見したような発言をしてしまい、失礼しました。偽りの自分を作らないと、生きずらい。何だか胸に残りました。なきほさん、いつも応援してくれてありがとうございます。すごい嬉しいです。
    ゆいなさん、はじめまして。おもしろいっていってもらえて嬉しいです。カオルのファンになってやってください(^-^)347 さんありがとうございます。マリナさん、風邪の心配までしてくれてありがとうございます!!もうばっちりです。
    仕事が忙しくなってきたので更新は少し遅れるかもしれませんが..読んでくださってる方、感想をくださった方、ありがとうございました。

    2005-11-20 22:05:00
  • 312:

    NN

    ■それは3日前の出来事だ。「女1人つぶしといてあんたは何様なの。シュナは本気であんたが好きだったんだよ!!」シュナが以前勤めていたキャバクラの女に言われた。どうやら女はシュナの親友らしかった。店内まで乗り込んできた女は俺を散々罵倒した。俺は何も言わなかった。ここで吠えたって意味がないことはよくわかってる。
    黙っていた。

    2005-11-20 22:08:00
  • 313:

    NN

    最後は痛烈にビンタを一発食らったけれど、これくらいで済んだらまだマシだなと思った。そして俺はこれまで以上にフリー客、つまりまだ指名が決まっていない客の接客には神経質になった。短い時間でどうやって自分をアピールするか。どうやってデカイ客を捕まえるか。
    頭の中はただただそれだけだった。

    2005-11-20 22:09:00
  • 314:

    NN

    深夜0時。あいにくの大雨で車はクラクションの鳴らしあい。傘と傘がこぜり合いになっては、人ごみは苛立つ。きっとこの雨が何かを予感させてたんだ。店内で一番苛立ちを隠せないのは最少年の新人ホスト、アリスだった。
    キャッチに出て10分で店内に舞い戻り大声で叫ぶ。「雨の日にキャッチなんかやってらんないしっ!!」「何が雨の日だ。お前は晴れでも雨でもさぼってるだろが!!」

    2005-11-20 22:10:00
  • 315:

    NN

    ―まーた始まった。雷さんとアリスの兄弟喧嘩。俺は携帯を片手に客に一斉にメールを送信する。2人の声からなる『騒音』と、店の外から聞こえる『雨の音』が重なり合って耳がおかしくなりそうだ。「いーからお前はキャッチ行ってこい!!」暴れるアリスをつまみ出す雷を横目に「やっと静かになるな」と東吾がつぶやく。カオルさんは2時出勤だ。多分まだ寝ているだろう。15分くらいキャッチに出よう、俺は重い腰をあげる。雨はやむ気配を見せない。この調子で朝方までずっと降り続けるだろう。

    2005-11-20 22:11:00
  • 316:

    NN

    「まーったく雨の日のキャッチなんてやったって無駄だってばっ」雷がうるさいから店内出てきたけど、全く新人だからってキャッチばっかり、おもしろくないや、アリスは独り言のように小さくつぶやく。アリスは1人、店の裏路地で携帯電話を触る。前のキャッチで何人か番号とメアドを聞き出したからとりあえずメールだけでも送ってみよう。

    2005-11-20 22:12:00
  • 317:

    NN


    『おはよーアリスだよヽ(゚∀゚)ノ仕事中??終わったら連絡ちょうだいっ☆』

    2005-11-20 22:13:00
  • 318:

    NN

    こんな感じでいいのかなぁ。アリスは画面をしばらく見つめて、送信ボタンを押す。ホストってけっこう楽じゃないんだ。TVの世界に騙されたなぁ。彩人さんとカオルちゃんはまさにTVの人!!って感じのホストだけど、雷なんかは居酒屋にいそうなおっさんと変わらないしスパルタ教育だし。唇に雨の水滴が落ちる。歌舞伎町は何かありそうな気がしたんだ。歌舞伎町では誰か「僕」を呼んでくれる気がしたんだ。「せめて雨、止まないかなぁ..」空から降る大粒の雨がビニール傘を直撃する。

    2005-11-20 22:13:00
  • 319:

    NN

    ふっと路地に目をやると、足早に歩くピンクの傘を持った女が通る。左手には大きなルイヴィトンのカバン。―とりあえず声かけとくか。アリスは女の後を急いで追う。「ねぇねぇ何してんのっちょっとはなそーっ!!」「うわっもうびっくりした..いきなり声かけてくるから」
    女は目を大きくし心臓に手をあてながら驚いたぁと繰り返す。

    2005-11-20 22:15:00
  • 320:

    NN

    あれ。アリスは女の顔を見たとたん、停止する。茶色の長い髪。大きな瞳。気のせいかな。どっかで見たことある気がするんだけど。「歌舞伎町で仕事してる子?」「うんしてる、今はちょっと休業中だけど」女はアリスの顔さえ見なかった。早口で質問に答える。急ぎ足のままだ。アリスは女の進路を妨害するかのように前に立ち、身振り手振りで会話を続ける。「そーなんだーじゃあさぁよかったら飲んでかない?初回5000円だし飲み放題フリータイム!!」「飲まない、いらないっどいて」女は短く返事をする。

    2005-11-20 22:16:00
  • 321:

    NN

    「そんなこと言わないでーあのねーすぐ近くのカムプリンセスって店なんだけどー知ってるでしょ??氷咲カオルちゃんがいる」「カムプリンセス!!??」女の声が大きくなる。雨が一瞬、強くなった気がした。

    2005-11-20 22:17:00
  • 322:

    NN

    店内を出ると、雨はさらに強さを増している。彩人は傘を片手にため息をつく。キャッチに出ようと誘った東吾には「雨が嫌い」という理由で簡単に断られてしまった。―路地から回るか。店の裏道を抜けると目先にはスーツを着た金髪の男と傘を持った女2人が道の真ん中で立っていた。「あっあれアリスじゃねーか..。」正面に立っているのはアリスだ。あの女は客?傘を持っているから足しか見えない。何だ何だトラブルか。キャッチしてんのかあいつ。俺は隠れるようにして様子をうかがう。

    2005-11-20 22:18:00
  • 323:

    NN

    「店、知ってるの?」アリスの声が聞こえる。「あのね。」女は声を詰まらせる。まさか。声を聞いた瞬間、耳を疑った。少し鼻にかかるような声。雨とリンクして声がブレる。車の音がやけにうるさい。一瞬全部止まった気がした。俺は背中が凍りつく。この声は「あのね、彩人はどうしてるの?元気?」

    2005-11-20 22:19:00
  • 324:

    NN


         シュナだ   
     

    2005-11-20 22:20:00
  • 325:

    NN

    「もしかして、シュナさん?」アリスがつぶやく。どうやらアリスも、雷との一見を見ていたため一部終始を知っているようだ。後で店内でもだいぶ噂になったし、噂好きのアリスが知らないわけがない。「やっぱり知ってるんだ、あたしのこと。友達がね、彩人の殴りこみに行ったとか聞いて..心配で。彩人の顔、見たくなってちょっと近く通ったんだ。会えるんじゃないなかって思って。」「彩人さん、今日、出勤してるよ、店これば会えるよ!おいでよ」シュナの腕をアリスが引っ張るとシュナは首を大きく横に振った。

    2005-11-20 22:21:00
  • 326:

    NN

    「でも実際、会う勇気ないんだ。連絡も無視しちゃってるし、今仕事も休業して..今は昼間にバイトして..彩人とは全然違う世界みたいだし。あたしを今日ここで見たこと、彩人には絶対言わないでね。少し休んで..また夜の世界戻ったら彩人に会いに行くつもりなの。またビデオとか出たらお金、できるし。」彩人は息を飲んだ。シュナがそこまで考えているなんて、全く知らなかった。シュナの目は涙であふれていた。ホストは客を騙して客は騙されて金を出すんだ。最初はニセモノだってわかってるんだけど、「ニセモノの愛でもお金をかければいつかは本物になるんじゃないかな」ってどんどん狂ってくるんだ。迷路だ。抜け出せない。相手に対する愛はあるけどお金が回らなくなる。

    2005-11-20 22:22:00
  • 327:

    NN

    「ねぇシュナさん、愛はお金で買えないってことは僕が誰より知ってるよ。お金をかけたって愛には結びつかないよ。実際、僕がそうだったんだよ」「どういうこと?」シュナは顔を上げる。「お金をかければ愛につながるなんて大間違いだ。人を愛することにお金なんていらないんだ。僕、急いでるから!じゃあね!」

    2005-11-20 22:23:00
  • 328:

    名無しさん

    2005-11-20 22:25:00
  • 329:

    NN

    雷のスパルタ教育に影響されてる!!ダメだこんな熱血なキャラクターじゃなかったのに。アリスは店内の片隅で頭を抱えていた。あのままシュナちゃん引っ張ってこれば彩人さんにも感謝されたのに。どうして突き放したりなんかしたんだろう。「おいお前まだ30分しかたってねーのにもう帰って来たのか!どーせお前さぼってたんだろが。」「さぼってないもん!!!」雷オヤジがウルサイ。僕ちゃんと仕事してきたのに。「彩人、機嫌悪い?」東吾がソファに座る彩人に声をかける。「いや別に」さっきの出来事が頭から離れないだけだ。アリスとシュナのやり取りを見て思ったんだ。

    2005-11-20 22:25:00
  • 330:

    NN

     もしかして 俺は 人間として ホストとして 取り返しのつかないところにまで来ているんじゃないかって

    2005-11-20 22:26:00
  • 331:

    名無しさん

    2005-11-20 23:47:00
  • 332:

    名無しさん

    2005-11-21 01:34:00
  • 333:

    名無しさん

    ?

    2005-11-21 02:39:00
  • 334:

    NN

    「いらっしゃいませ!!」店内のドアが大きく開く。新人ホストが入り口へと駆け寄る。本日1人目のお客さんの登場だ。俺は入り口に視線を向ける。と、同時に息を飲む。「シュナ」路地でアリスと話した後、その足で店に向かってきたのだろう。コートが少し雨で濡れている。

    2005-11-21 03:03:00
  • 335:

    NN

    シュナは下を向いたまま、俺の顔を見ようとはしない。雷さんとアリス、2人の強い視線を感じた。「さっさささとりあえず席へ!」様子を見かねたホストが、シュナを一番隅の席へと案内する。無言のままソファに座るシュナの横に、俺が腰をおろす。するとシュナはようやく顔を上げて小さくつぶやいた。「ヘルプ、つけてほしいな。」

    2005-11-21 03:04:00
  • 336:

    NN

    2人じゃ気まずい?そういうと、シュナはそういうんじゃないけど、また声を小さくした。ヘルプはいらないの、彩人といつも2人で話してたいの!以前シュナはよくそういって新人ホストなんかが席に着くのを嫌がった。俺のほかの指名客がやってきて、ヘルプと2人きりにされたシュナはじゃあ帰る、といって帰ってしまったことも何度もあった。「わかった。」状況が状況だからか。俺は心の中でそうつぶやいた。

    2005-11-21 03:05:00
  • 337:

    NN

    理由は聞かない。客の心境なんて天気予報を当てるより、どんなギャンブルのカケを当てるよりも難しい時だってある。だけど担当ホストとしては、それくらいわからないといけない。

    2005-11-21 03:06:00
  • 338:

    NN

    「ヘルプなアキノリかミツキかあと東吾とか、」雷さんはやばいよな、そう思った瞬間、シュナが口を開いた「あの子がいい。アリス。」―マジでかよ。
    不意に声に出しそうになった自分がいた。俺は「わかった」と短く返事をすると「うん。ごめんね」とシュナは頭を下げた。さっきの2人のやり取りの延長戦をこの場でやる気か。

    2005-11-21 03:07:00
  • 339:

    NN

    アリスの接客は見れるもんじゃない、いや、聞けるもんじゃない、か。ヘルプについてほしくないホストNo1に間違いはないだろう。「おじゃましまーす」よそよそしアリスが俺たちの正面であるヘルプ席に座る。「お酒つくるねー」そういって、笑顔でグラスを持つ。目が泳いでいる。アリスなりに遠慮しているのがよくわかった。何だ、ようするに2人で話がしたいってことか。そうなんだ。この状況での「邪魔者」は俺だってことか。

    2005-11-21 03:09:00
  • 340:

    NN

    「あのね、私」目線が泳ぎ小さな声で何か言おうとしている、そのシュナの姿がすごくうっとうしく感じた。雨のせいか。イライラと頭の中での暴走がとまらない。「偶然なんだけど。さっきの見てたよ、俺。アリスとシュナ話してるの」少し強い口調で言うと、シュナはまた黙り込んだ。

    2005-11-21 03:10:00
  • 341:

    NN

    テーブルの上には汗をかいたグラス。シュナが口元に注ぐと、水滴にまみれる指。「ヘルプ」の仕事は汗になったグラスをハンカチで拭くこと。「あっ」急いでアリスはスーツからハンカチを取り出し、シュナのグラスを拭く。アリスは新人だっていっても、それくらい俺が目線で合図しなくったって気がつかなくちゃいけない。「見てたんですかっでも別に世間話してたくらいだからっ」アリスの敬語は何だか滑稽だ。

    2005-11-21 03:11:00
  • 342:

    NN

    突然帰ってきたシュナ。俺のエース級であったシュナが今、求めているのは俺じゃない。店内には客がぽつぽつと顔を出し始める。この店はメインチェンジが可能。シュナはチェンジするつもりだろう。アリスに。俺からアリスに。そうならこうしてやってやるよ。シュナ、今までありがとう。これが最後の餞別だ。

    2005-11-21 03:12:00
  • 343:

    NN

    「愛は金で買えないってアリスは言ってた。だけど俺は違うんだ。愛こそ簡単に金で買えるものだと思う。」「彩人・・・?」このままアリスに俺のエースを横取りされるわけもいかない。俺はこの店でNo1になりにきたんだ。後輩ホストに客を取られた彩人なんていわれた日には全部が崩壊だ。もうシュナには以前の経済力はない。じゃあここで、もう2度と店に顔を出せない状態にすればいい。

    2005-11-21 03:13:00
  • 344:

    NN

    閉店後、静まり返った店内の中、雷さんのパンチが俺の頬へ飛んできた。「俺は人を殴るの初めてだよ。」そう強く言い放った。隣ではカオルさんが無表情な顔をして携帯電話を触っている。「お前は人間としておかしい!!」「でもね、雷さん。あのままシュナを引っ張ったらあの子はまたAVやりますよ。雷さんがそういうやり方汚いって言ったから今日、シュナにああいって切っただけです。」
    驚くほど冷静な自分がそこにはいた。心が全く動揺しない。

    2005-11-21 03:16:00
  • 345:

    NN

    雷さんは俺に全てを教えてくれた先輩 なのに今は雷さんの教えを背けてる 俺は雷さんの期待通りに育てなかったみたいだな

    2005-11-21 03:17:00
  • 346:

    NN

    「お前よくそんなこと言えるな!!仮にそうだとしても、言い方があるだろ!?」ソファに座っていた東吾が席を立つ。そしていつもの無表情で俺につぶやいた。「アリスにシュナを取られるのが怖くて切った、んだろう。アリスに取られたという噂が充満したら彩人は負けホストになる。取り返すために色恋かけた営業かけるにも、シュナにはもう風俗の肩書きはなし、ただの一般人で経済力もない。取り返す意味もない。取られたという噂だけが残る。それが嫌で切った、んだろ。」「さすが東吾」こいつにはカオルさんとは違う意味で心の中まで読みつくされてる。今日の相手がアリスじゃなくて東吾だったら?それでも多分、俺は同じ行動に出てる。

    2005-11-21 03:18:00
  • 347:

    NN

    「彩人、それは本当なのか。」「事実です」はっきりと答えると、雷さんは表情を強張らせた。今まで見たことがないくらい、厳しい表情だった。「そんなに自分のプライドが大事かよ。」俺雷さんに新人時代、色々教えてもらった。新人の時、今までとは全く違う昼夜逆転生活の慣れない環境で、「頑張れ」と背中を押してくれたのは雷さんだった。飲めずに悲鳴をあげた体をきずかってかわりに飲んでくれたことも幾度となくあった。雷さんにしか相談できないことも、沢山あった。ただひとつ。大きく違うんだ。何を教えてもらってもどれだけ相談にのってもらっても、ただひとつー

    2005-11-21 03:21:00
  • 348:

    NN

    仲間よりも大事なもの 先輩より大事なもの No1になること もうそれ以外いらない
    もう何も怖くないと思った。「大事です。自分のプライドは自分しか守れない」立ち上がれるよ。この舞台で生きている限り。この居場所を失わない限り。女は金だ。

    2005-11-21 03:23:00
  • 349:

    NN

    もう何も怖くない  もしかして そう自分に言い聞かせてただけで 本当はずっと 怯えてた 今になって気がついた だけど、遅すぎた あのころの俺は 女を金だと見てた いまなら少し 違ってたのかな

    2005-11-21 03:25:00
  • 350:

    名無しさん

    今日ゎ終わったかなぁ?

    2005-11-21 03:27:00
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