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悔やみきれない
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1:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
俺には恋愛というモノがよく解らなかった。
「好き」という感情も。
女に対して全くってくらい興味がなかった。
俺が16の時ホストの世界に足を踏み入れたのは
別にそこまで深い意味はなかった。
ただ酒が好きで、飲んで金がもらえる。
それでよかった。自分次第で収入も膨らむ。2005-10-28 13:36:00 -
106:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
読みやすくしてくれてありがとうございます^^
少しずつですが頑張って更新していくのでよかったらこれからも読んでください。m(_ _)m2005-12-13 01:02:00 -
107:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
俺は店に居たくないのもあって由里を家まで送る事にした。
こんなんじゃ代表失格かもしれない。それでもよかった。由里が心配だった。
タクシーを捕まえて由里と一緒に乗り込む。
由里がタクシーの運転手に自分の家の住所を言っていた。
その後はタクシーの中で特に何も話す事なく15分ほどで由里の家へ着く。2005-12-13 01:05:00 -
108:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
(つくづく不思議な女…謎すぎる…)
こんなにも他人に興味を持った事などなかった。
だけどどう考えても普通の庶民が借りれるようなマンションではない。
あの時の大金と言い一体由里は何者なのだろうか。
時給5千円弱のラウンジで働いているはずなのに。2005-12-13 01:18:00 -
109:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
なんだか腑に落ちないまま俺は店に戻った。
客達がヒソヒソと噂しているのが嫌でも耳に付く。
「あの女何者なん?!わざと怪我して貴晃の気を引こうとしてるの丸解りやし!」
俺はまたキレそうになった。
でも客を相手にキレるわけにはいかない。2005-12-13 01:22:00 -
111:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
なんとか客達をなだめて何事もなかったかの様に振る舞う。
俺は得意なはずだ。感情を全く表に出さないのは。
だけど由里が絡むといつもの調子が狂うのは何故だろう。
俺らしくない。だけど俺らしさって一体なんだろう。
あの頃の俺はただ困惑していた。2005-12-13 01:25:00 -
112:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
今までの俺と由里と出逢ってからの俺が
なんだか別人へなっていく気がして怖かったりもした。
由里は一体何者なんだ… そんなの俺が知りたい。笑
その日もなんとか閉店時間までは仕事をこなした。
優也とはやっぱりまた気まずいまま。2005-12-13 01:28:00 -
113:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
その日独りでタクシーに乗って帰る時、由里に電話をかけた。
怪我が心配だったからだ。
由里は電話に出なかった。ますます心配が募る。
由里に聞きたい事もたくさんあった。
だけどなんだかあまり聞いちゃいけない気もした。2005-12-13 01:55:00 -
114:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
モヤモヤした気持ちのまま家に着いた。
優也は既に帰っていたけど気付かないフリをして自分の部屋に入った。
ベットに倒れ込むとコンコンッとノックの音がする。
どうせ優也が謝りに来たんだろう。俺は寝たフリをして無視していた。2005-12-13 01:57:00 -
115:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
「貴晃…寝てんのか…?」
優也の声にビックリした。泣き声だったからだ。
俺は優也が泣いたのを今まで見た事がない。もう10年以上の付き合いなのに。
「起きてるから入れ」
そう言ってドアを開けた。2005-12-13 02:00:00