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悔やみきれない
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1:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
俺には恋愛というモノがよく解らなかった。
「好き」という感情も。
女に対して全くってくらい興味がなかった。
俺が16の時ホストの世界に足を踏み入れたのは
別にそこまで深い意味はなかった。
ただ酒が好きで、飲んで金がもらえる。
それでよかった。自分次第で収入も膨らむ。2005-10-28 13:36:00 -
101:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
由里が「なんでもないから気にしないで^^」と従業員達に笑顔で答えている傍らで
「お前らさっさと仕事戻れ!」と俺は怒鳴り散らした。
客達が感情的になっている俺を見て驚いて珍しそうにこっちを凝視してくる。
(マジなんかもう何もかもうぜーな…)
自分に一番苛立っていた。2005-12-12 17:03:00 -
102:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
優也にはとりあえず指名客の席へ着かせて
俺は由里の怪我の手当をしていた。
口の中が切れていてすごく痛そうだった。なかなか血が止まらない。
それでも由里は笑顔で俺の心配をしていた。2005-12-12 17:06:00 -
103:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
「貴晃くんは怪我してない?ほんと貴晃くんらしくないよ…喧嘩なんて。」
眉間に皺を寄せて真剣な顔で少し淋しそうに由里に言われた。
(俺らしくない…?一体誰の所為だよ。)
イライラしっぱなしの俺はこんな事を心の中で思っていた。
俺は何も答えずに由里の止血を黙々としていた。
由里の手当が終わると次第に由里の口が腫れてきた。2005-12-12 17:11:00 -
104:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
本当に痛そうだ。よく見ると由里の歯が少し欠けていた。
俺が慌てて「病院行く?!結構な怪我やし素人の手当じゃあかん気がするわ…」
と言うと
「ううん。大丈夫だよ。そんなに痛くないから。ありがとう。でもごめんそろそろ帰るね。」
と由里はチェックを済ませた。2005-12-12 17:15:00 -
106:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
読みやすくしてくれてありがとうございます^^
少しずつですが頑張って更新していくのでよかったらこれからも読んでください。m(_ _)m2005-12-13 01:02:00 -
107:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
俺は店に居たくないのもあって由里を家まで送る事にした。
こんなんじゃ代表失格かもしれない。それでもよかった。由里が心配だった。
タクシーを捕まえて由里と一緒に乗り込む。
由里がタクシーの運転手に自分の家の住所を言っていた。
その後はタクシーの中で特に何も話す事なく15分ほどで由里の家へ着く。2005-12-13 01:05:00 -
108:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
(つくづく不思議な女…謎すぎる…)
こんなにも他人に興味を持った事などなかった。
だけどどう考えても普通の庶民が借りれるようなマンションではない。
あの時の大金と言い一体由里は何者なのだろうか。
時給5千円弱のラウンジで働いているはずなのに。2005-12-13 01:18:00 -
109:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
なんだか腑に落ちないまま俺は店に戻った。
客達がヒソヒソと噂しているのが嫌でも耳に付く。
「あの女何者なん?!わざと怪我して貴晃の気を引こうとしてるの丸解りやし!」
俺はまたキレそうになった。
でも客を相手にキレるわけにはいかない。2005-12-13 01:22:00