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売れない女優
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1:
夕夏
あたし、夕夏。
職業…女優。って言ってもちょい役でドラマに出たりする売れないってか売れてない女優。
そんなあたしの物語。2008-06-27 14:20:00 -
107:
夕夏
『みんな夕夏みたいなちんちくりんに期待しすぎやろ(笑)』
『ちんちくりんてゆぅな(笑)』
『ここまで来たんも奇跡やねんからお前絶対運強いって!!度胸も根性もあるから大丈夫やて。軽ぅく行き』『うん…』
会場に着いて、降り際にキスをした。
亀ちゃんのお前ならやれるって、その言葉だけで安心出来た。2008-06-29 15:03:00 -
108:
夕夏
最終審査に残ったのは、10人だけ。
その中から1人か2人を選び出すらしい。もちろん合格者無しと言うこともあり得る。
前と同じ様に番号札をつけて、一人一人個室に案内される。
どうやら面接をするらしい。9番と言うまたまた不吉な番号のあたしは、何故か緊張もせずに待ち合い室に座っていた。2008-06-29 15:07:00 -
109:
夕夏
『9番の方中へどうぞ。』
『…失礼します。』
恐る恐る扉を開けると、髭モジャのオジサンとキツそうなオバサン。
『どうぞお掛け下さい。』『失礼します。』2008-06-29 15:10:00 -
110:
夕夏
正直、あまり何を聞かれたのか覚えていない。
多分志望動機とか、親の了解を得ているかとかそんなんだったと思う。
それよりも印象に残っている事は、あたしが今何故この場に居れるのかが不思議だと言った時の髭モジャオジサンの言葉。
『私達は今まで何百人もの人を見て来て、その中でも何かを感じる人をこの場に呼んでいます。才能は確かにあるけど、演技は練習すれば上手くなる。あなたは人とは違う何かを持ってるからこの場に居るんですよ。才能だけでなく縁が無ければダメだし、運も必要だしね。』
顔の割りにいい人っぽいなと思ったのを覚えてる。2008-06-29 15:22:00 -
111:
夕夏
面接が終わり、次はいよいよ演技。前の審査よりも分厚い台本を渡され、一時間と言う時間が与えられた。今回は他の面接者と二人一組でやるらしい。
『なぁなぁ何歳なん?』
いきなり話かけて来たのは10番の札をつけた女の人。見たところ20代前半。
『17です。』
『あっそーなん?劇団とか入ったり演技の勉強したりとかしてるん?』2008-06-29 15:28:00 -
112:
夕夏
『全然…今回初めてオーディション受けたんです。』
『よーやるわぁ(笑)絶対落ちるやろ!!てかここまで残れたんが奇跡やな(笑)あたしやったらそんな奴落とすわぁ。次の演技あたしとあんたペアやから足引っ張らんといてな。』
“…何やこいつ。”
言ってる事はもっともだけど、見ず知らずの奴にいきなり言われる筋合いは無い『…選ぶんはあなたじゃなくて審査員の人やから。』それだけ言って休憩室に向かい、必死に台詞を覚えた。
他のペアは台詞合わせをしてたけど、あたしはそんな事する気にもならずにいた。今思えば子供だったな…2008-06-29 15:36:00 -
113:
夕夏
次の役はライバルと好きな男を奪い合う女の子。
惚れた腫れたの話にしか興味が無いのかと思うような内容に、台本を作った人に不信感を覚えた。
しかもあの女と…
やる気を無くしかけたけど逆に考えれば相手が嫌な奴な程役に入り込みやすいかもしれない。2008-06-29 15:48:00 -
114:
夕夏
そして本番。
目の前にはさっきの嫌な女『あなた?サキって女は。』“えっ…台本ではアキになってたけど…”
早速名前を間違えた嫌な女に笑いそうになりながらも憎しみを込めて台詞を言い進めて行った。
嫌な女は最後まで名前を間違っていて、内心ざまぁみろと思ってしまった。2008-06-29 15:56:00 -
115:
夕夏
『はぁー終わったぁー!!』『お疲れ!!』
迎えに来てくれていた亀ちゃんと、ハンバーグ屋に向かう。
『どやった?』
『すごいムカツク女の人がおったよ(笑)』
あの嫌な女の事を面白可笑しく話すあたしを、亀ちゃんはずっとニコニコしながら見ていた。2008-06-29 16:01:00