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『だいじょーぶ』
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1:
ゆ
初めて書きます。読みにくい点もあると思いますが、よかったら読んで下さい
2007-07-06 02:29:00 -
78:
ゆ
励ましてくれた聖夜を、好きだと言ってくれた聖夜を無下に出来なかった。 拓はなんだか淋しそうだった。そう感じただけかも知れないけれど。 聖夜を裏切りたくない。あたしが今守るべきは聖夜だとそう言い聞かせた。 色営業とか枕営業なんてものがどんなものなのかわからない。あたしに色をかけているのか、すべての優しさが営業なのか、あたしには知る術もない。 あたしは今聖夜の彼女なんだ。
2007-07-17 00:57:00 -
79:
ゆ
聖夜は優しかった。 レギュラーでホストをしている訳ではないみたいで、平日にも会って遊びに行ったり、聖夜の家に泊まりに行ったりした。 拓からは、たまにメールが届いていた。 【受信:拓】 元気してるー?彼氏さんと仲良くやってるん? だいたいこんな内容だった。 仲良くやってるよ。拓は元気?、と返信すると ええなあ!俺はボチボチやってるで! 普通に返信が来た。 学校、バイト、サークル活動。友達ともよく遊んだ。 幸せだけど穏やかな毎日が過ぎ、季節は夏休みに入ろうとしていた。
2007-07-17 01:07:00 -
80:
名無しさん
つづき〜みたいわぁ〜??
2007-07-17 02:21:00 -
81:
ゆ
85さんありがとうございます?出来るだけ早く更新するのでよかったら読んで下さい?
2007-07-17 02:30:00 -
82:
ゆ
夏休みに入って、あたしは居酒屋以外のバイトを捜していた。 聖夜に相談すると、
[俺キャバとかしか紹介したれんわ(笑)] と言われた。 聖夜は冗談混じりに言っていたけど、入りたい日に入れるし、居酒屋終わった後も出来るし、何よりお金が貯まる。 父親がいなくて家計はさほど裕福ではないのに大学に行かせてくれたお母さんに楽をさせてあげたかった。 聖夜に、紹介して欲しいと頼んだ。 […俺的にはやってほしないけど、親に楽さしたいとか言われたらなあ…。夏休み限定やで?俺も10月いっぱいでホスト辞めるし、一緒あがろーか。知り合いの絶対安全なとこ紹介するわ] 渋々ながらも了承してくれた。 [明日面接行こうか。俺仕事入る前なら時間あるし、一緒行くわ] 「聖夜ありがとう」2007-07-17 02:42:00 -
83:
名無しさん
次の日、聖夜に付き添って貰って面接に言った。 友達のお母さんが、地元でスナックを経営していて、たまに遊びで手伝いをしたくらいしか経験がなかったから怖かったけど、聖夜が付き添ってくれていたから少し安心していた。 【シエル】というキャバクラだった。 ドアを空けると、スーツを着た30前後くらいの男の人が出迎えてくれた。 〔お-聖夜久しぶり。〕 [斉藤さん、お久しぶりです。彩香、挨拶し] 「は、はじめまして」 緊張で声が裏返る。 [緊張しなくていーよ。聖夜の紹介やし、面接する気もナイから。予想通りかわいいしね。聖夜、B+で…いや、A-にしとくか。] [わかりました。俺の女なんで、よろしく頼みます。夏休み限定なんで] 〔分かってるよ。任せてくれ〕 源氏名は聖夜に合わせて
聖羅に決まった。 [ドレスとか用意してあるんで。彩香、コレ] 聖夜に渡された紙袋を見ると、黒とピンクと白のドレスが三着程入っていた。 [入店祝い(笑)] 「こんなの貰えないよ…」[阿呆みたいに稼いで、返してくれたらいーよ] 「絶対返すからね!」 ケラケラ笑って、聖夜は帰っていった。2007-07-17 03:06:00 -
84:
ゆ
斉藤さんから簡単な説明を受けて、今日はとりあえず10時から1時迄の3時間働く事になった。 聖夜がくれた白のドレスを着て、化粧を直した。 待機室に座っていると、綺麗な女の子達がたくさん入ってきた。 各々話をしたり携帯をいじったり、化粧を直したり髪を巻いたり。 少し息苦しかった。 〔聖羅ちゃん!〕 斉藤サンに呼ばれた。 おどおどしながら行くと、〔まずは1番テーブル行こうか!〕 と、現場の作業着を着た若い男の人が2人ドンと座っているテーブルを指さした。 「はじめまして、聖羅です!」 にこやかに笑って席に着く。 次いで女の子がもう一人席につき、話をはじめた。 かなり気さくな人で、男友達と話すようにして時間が過ぎた。 訳のわからないうちにぐるぐる席をまわり、気付けば時間は12時半だった。
2007-07-17 03:54:00 -
85:
ゆ
〔聖羅ちゃん、最後あそこの席行こうか。まりあちゃんのお客さんだからヘルプね。〕 中年のサラリーマンの人が座っていた。 酷くだんまりとしていて、いくら話を振ってもなんの反応も示してくれない。 「お疲れですか?」 〔煩い。〕 「すみません…」 困ってどうしようとアタフタしていると、突然その人が胸を触ってきた。 気持ち悪い!! だけど文句も言えない。怒らせたらいけないと思った。 足から股に手が伸びる。 「あ、あはは。ダメですよー!」 無理矢理笑顔を作って手を掴む。 〔失礼します。聖羅ちゃんお願いします〕 斉藤さんが呼んでくれた。〔大丈夫?初日からごめんね〕 「…大丈夫です。いろいろとありがとうございました」 〔今日は体験入店だから、また少し早い時間に来てね。時給とか、詳しく話すから〕 名刺を頂き、店を後にした。
2007-07-17 04:08:00 -
86:
ゆ
憂鬱な気分になりながら、あたしなんかじゃ無理なのかなと思っていた。 簡単に夜の世界に飛び込もうとしていた自分が浅はかに思えた。 【発信:聖夜】 電話をしようと携帯を操作したが、仕事中だ。電話をかけるのを躊躇った。 トボトボ帰っていると、携帯がメールを受信した。 【メール受信:拓】 元気してるー?何してるん?? なんだか久しぶりだった。 【メール送信:拓】 久しぶり!今キャバの体験行ってその帰り… メールを送信したあとすぐ、電話が鳴った。 【着信:拓】 どうしたんだろう?取ろうか迷ったけれど、結局通話ボタンを押した。
2007-07-17 04:18:00 -
87:
ゆ
《もしもし?》 拓の声を聞くのは、あの夜以来だった。 「どしたん?」 《なんでキャバの体験行ってるん?》 「紹介して貰ってん。」 《誰?スカウトの奴?》 「ううん。大介。あ、聖夜。拓知り合いでしょ?」 《え?なんで?聖夜の事知ってるん?》 「クラブで会ってん。」 《え?!聖夜に?!なんでなん?!てか何処紹介して貰ったん!》 「え?シエルってとこ。あたしキャバとか向いてないんかな…触られんのとか上手い事交わせんし…」 《触られたん?…だいじょーぶ?》 「うん…でも、周りの女の子上手く交わしてたし、あたしが駄目なだけやねん」《んな事ないで。初めてですぐそんなん出来へんて。悪くないねんから、自分責めんとき。》 「…うん」 《無理なら辞めたらいいねんで?聖夜に言いづらいなら俺ゆうたるし。》 「大丈夫。自分が決めたんやし、自分でゆわな…ありがとう…」 《そか…彼氏さんは嫌がらんかったん?》 「あ…あんな、今付き合ってるん、聖夜やねん」
2007-07-17 04:36:00