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━secret━
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1:
◆qrlDpe3WiM
友情と愛情
どっちを取るって 聞かれたら
今ならそう
あたしは
迷わず答えれるのに―…2007-05-30 22:21:00 -
7:
◆qrlDpe3WiM
3年前―。 あたしは、実家である神戸を離れて大阪で一人暮らしを始めた。理由は、些細な事だった。フリーターとしてアパレル関係のバイトをして、適当に彼氏とも付き合って、そんな当たり前すぎる毎日に少し刺激が欲しかったから。
加えて…言えば、二十歳にもなって実家にいる肩身も正直狭かった。親とは仲が悪い方ではなかったけど、あたしが一人暮らしをすると言っても引き止める事も理由を聞く事もなかった。
大阪に出てからは、初めは経験のあるアパレルの仕事を続けるつもりだった。 だけど、なかなかいい所が見つからず…ミナミの街を真っ昼間から渡り歩く。2007-05-30 23:25:00 -
8:
◆qrlDpe3WiM
夏も終わりなのに、今日の大阪は異常に暑い。まだ、半袖の人もちらほらいた。歩き疲れて自販機でお茶を買ってベンチに座って、しばし人間観察…。
前から、スーツ姿の男が歩いてくるのが見えた。茶色い髪の毛に、所々から光るシルバーアクセサリー。 サラリーマンではないのは一目瞭然だった。
ホスト…かな?どこをとって見ても、真っ昼間にはふさわしくない風貌だ。2007-05-30 23:34:00 -
9:
◆qrlDpe3WiM
「…あっついなー。俺にも一口くれへん?それ。」 目の前で立ち止まった男は、あたしの手にある烏龍茶を指差し言った。 『横に自販機あるけど。』初対面の男に、飲みかけの烏龍茶を渡すのはさすがに気が引ける。
「あ、ほんまやー(笑)ありがとっ。俺も休憩しよ。」あたしの隣に腰掛け、男は買ったコーラをすごい勢いで飲みほした。
だいぶ年上かと見えた容姿は、近くで見ると意外と若く、20代前半だろう。2007-05-30 23:45:00 -
10:
◆qrlDpe3WiM
「ぷはぁ…やっぱ暑い日はコーラに限るな!ってか、自分こんなとこで何してるんー?人待ち!?」 こっちに顔を向けて、笑顔で聞いてくる。 『いや、職探し…。』 「職探し?仕事何もしてないん?」
『つい最近、引っ越してきたとこやからさー。』 烏龍茶を口に流し込みながら、街行く人を見渡す。
返事がない男を不思議に思い隣を見ると、何か少し考えたような後、とびきりの笑顔で言った。 「じゃあ、自分うちで働きいや!?決定な!」2007-05-30 23:57:00 -
11:
◆qrlDpe3WiM
『はい…??』 状況がまったく掴めてないあたしに、彼は手際よく説明を始める。ホストだと思っていた男は、どうやらキャバクラの黒服のようだった。
【キャバクラ】。アパレルの仕事をしていた時に、仕事仲間が掛け持ちをしていると言っていた。話や愚痴は良く聞いた。だけれど、やはり未知の世界…。
『そんなん無理やわ。夜の仕事とかした事ないし。』あたしは、彼の誘いをアッサリと断った。2007-05-31 00:04:00 -
12:
◆qrlDpe3WiM
《月奈っ、あたしはあんたの事を想って――ッ…!》《違う!花梨は結局自分の事しか考えてないやん!》《なんで・・?なんで分かってくれへんの――ッ?なぁ、月奈ぁぁ…ッ!》
ねぇ花梨、あなたに伝えなければいけない事が。 伝えなければいけなかった事が。
まだ、たくさんあるんだ。2007-05-31 01:57:00 -
13:
◆qrlDpe3WiM
2007-05-31 01:58:00 -
14:
◆qrlDpe3WiM
あの日から一週間後、結局あたしはあの男に電話をかけた。思い通りに仕事も見つからず、興味本位のままに、その名刺に書かれた番号にダイヤルしていた。 「…もしもーし?!どちらさん?!」
彼はすぐに電話に出た。 『あっ……あの、あたし』そう言えば、あたし名前言ってないやん。どうしよう…。覚えてるわけないよなぁ…。 「…あー。あっ、もしかして烏龍茶の子!?一週間くらい前ミナミにいてた?」『覚えてたんや…。』 驚いた。声で分かったのだろうか。それとも、彼はスカウトが本職ではないのかもしれない…。 「電話くれたって事は、うちで働く気になってくれたん!?」
嬉しそうに聞く電話ごしの声。
『とりあえず、話だけでも聞きたいな…って思って』2007-05-31 02:07:00 -
15:
◆qrlDpe3WiM
あたしが答えると、すぐにでも会って話をしたいとの事で、今日の夜早速会う事になった。待ち合わせは、前に会ったミナミの自販機の前に7時…。 どんな格好をするべきか分からず、まぁまだ働くと決めたわけじゃないし。適当にいつも通りのカジュアルな格好で家を出た。
「おー久しぶりやんっ!」 待ち合わせ場所に着くと、彼はもう自販機の前にいて相変わらずコーラを片手に飲んでいた。 『ごめん…!待たせた?』慌てて時計を見ると、まだ7時10分程前だ。 「いやいや、俺が早めに着いただけやから気にせんとってー!時間間違えて一時間前に着いたねん(笑)」 思わず、笑ってしまった。彼の足元には、コーラの缶が二本も置いてあった。2007-05-31 02:17:00 -
16:
◆qrlDpe3WiM
適当にその辺りにあった喫茶店に入り、話を聞く事にした。何でも頼んでいいと言われたので、とりあえずコーヒーを頼んだ。 「…で、まず、名前やん!俺、名前知らんし。俺の名前は知ってるやんな?」 『え…?知らんけど?』 「名刺渡したやん!どうやって電話かけてこれたんよ、君は(笑)」 あ、ほんまや・・。電話番号しか見てなかったから、名前なんてちゃんと目を通してなかった。 『ごめん…。名前ちゃんと見てなかった…。』 正直に、答える事にした。「正直やから許したる(笑)俺の名前は、藤堂 拓美やから覚えといてな!一応、Candleの店長やから。」 『えっ・・・』 店長やったんや…。若いし軽快な感じだっから、普通のボーイさんだと思ってたあたしは少し驚いた。
2007-05-31 02:33:00