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━secret━
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1:
◆qrlDpe3WiM
友情と愛情
どっちを取るって 聞かれたら
今ならそう
あたしは
迷わず答えれるのに―…2007-05-30 22:21:00 -
31:
◆qrlDpe3WiM
「おっす!チビっ子族!今日も元気かぁー!?(笑)」能天気な顔をして、拓美が更衣室に入ってきた。 「こらこら、着替え中やわっ!たっくん変態!(笑)」『誰がチビっ子族やねん』あたしと花梨は、ふざける拓美の背中を押してカーテンの外に追い出す。 「おまえらいつの間に仲良くなってん!ずるいぞー。俺も中に入れてやー!」 「…たっくん"中"の意味違うやろ!アホか(笑)」 「誰がアホや誰が!(笑)」 花梨と拓美は仲がいい。 拓美はこのキャラクターだから、店長といえども女の子誰とでもフレンドリーに話していたけど、花梨とは特に仲が良かった。
「あー……前、担当やったからちゃう?年も近いし」担当というのは、出勤確認などをしてくれる自分を担当してくれるボーイさんの事。
『店長やのに、拓美も担当持つ事あるん?』 実際、拓美にスカウトされて入ったあたしの担当でさえ違うボーイさんだった。2007-05-31 11:27:00 -
32:
◆qrlDpe3WiM
「うん。前は、普通にあったよ!今は仕事が忙しくなったから…担当いないみたいやけどなぁ。」 『なるほど!そっかー。』
「花梨、月奈、着替えれたかー!?五番の新規待たせてるから、用意出来たら接客いくでー!」 まぁ、拓美も仕事中は違う顔をしている。やっぱり店長としての、毅然としたオーラが出ていた。
さぁ、今日も頑張ろう。 「さて行こかー」『了解!』あたしと花梨は鏡で最終チェックをして、フロアに足を踏み入れた。2007-05-31 11:34:00 -
33:
◆qrlDpe3WiM
ボーイに案内された席に向かうと、今時の若者といった風貌の二人組の男が座っていた。―これが、【良太】との出会いだった。
『「失礼しまーす!」』 花梨と声を揃えて、席に座る。
「初めましてー☆二人ともめっちゃ可愛いなぁ!?」花梨が座った側の男が、ハイテンションで言った。 「またまたウマイわー(笑)」花梨は笑いながら、それを返していた。
花梨は、接客が上手い。お客さんのジャンルを問わずいつもどんな人とでも会話を盛り上げていた。2007-05-31 22:35:00 -
34:
◆qrlDpe3WiM
「きゃはは!翔くんめちゃ面白いなぁ!(笑)」
花梨さすがやなぁ…。もう打ち解け合ってる。あたしも頑張って接客しないと。退屈させたらアカンわ。 『あ…名前何ていうんですかぁ!?』
「俺?俺は良太やでー。」 『…良太くんかぁー!』 ・・・。
か、会話終了!?ど、どうしたらいいんー!?
「…名前、月奈ちゃんやっけ?新人さんなん??」 あたしがしどろもどろしていたら、良太が聞いてきた。2007-05-31 22:45:00 -
35:
◆qrlDpe3WiM
『あ…えっと、入って二ヵ月くらい…です!』 「そうなんやー。俺こういう店初めてやねん。やからそんな緊張せんでも大丈夫やでー。…俺もバリバリの新人やから(笑)」 そう言うと、良太は笑顔で"何でも好きなもん飲みー"と言ってくれた。
良太の年は、あたしの一つ上の21歳。市内で建築の仕事をしているらしい。 一見クールなのに笑った時に見える八重歯が、その笑顔にギャップを作るのが印象的だった。2007-05-31 22:54:00 -
36:
◆qrlDpe3WiM
その日は花梨のリードのおかげもあり、あたし達は二人とも場内指名を貰える事ができた。 帰り際、良太に携帯番号を聞かれたので交換した。 「今日はありがとう!初体験やけど、めっちゃ面白かったわ。月奈ちゃんのおかげやな!(笑)」 『あたしこそありがとー!めっちゃ楽しかったぁ!』「また遊びに来るわー!」 良太は、笑顔で手を振りながら帰っていった。
普通のお客さんと、普通のホステス。後にも先にも、その関係は変わる事はない。そう思っていた。
少なくともあたしの中では。2007-05-31 23:14:00 -
37:
◆qrlDpe3WiM
待機中に携帯が震えた。 見てみると、良太から早速メールが来ていた。 【今日はありがとー!月奈ちゃん気に入った!(笑) また翔と顔見に行くわ☆】素直に嬉しい内容だった。【ありがとう☆あたしも、楽しかったよー!また話せたらいいな(*^_^*)】 送信――‥ 。
携帯を閉じてボーっとしていると、事務所に花梨が入ってきた。
「月奈〜お疲れっ!なんか良太えらい月奈の事気に入ってるみたいやでぇ(笑)」花梨は、冷やかしの目で嬉しそうに言ってくる。 『えー…花梨こそ、翔くんといい感じやったやん!』花梨は、"なんでやねんー(笑)"と言いながら携帯でメールチェックを始めた。
いい感じも何も、お客さんとして返って来てくれたらいいけど。きっと、花梨もそう思ってるだろうけど。2007-05-31 23:31:00 -
38:
◆qrlDpe3WiM
ガラッ――。
突然開いた事務所のドア。「おー、おはよーさん。」 中に入ってきたのは、入店当日以来会っていなかった代表の姿…。 『おはようございます!』とりあえず挨拶をした。 やっぱり、この人のオーラはすごい。若さの中にも、威厳がある。 「あれ?月奈かぁー?久しぶりやなー。最近、頑張ってるみたいやなぁ!拓美からちゃんと聞いてるで。」『いえ…まだ全然!』 「お前には期待してるから頑張れよ。」
代表は笑顔で、あたしの頭もポンポンとした。 久しぶりに見た、この人の笑顔。やっぱりどこか安心する―…。
「あれ、花梨?お前、今日出勤やったっけ?」 携帯をひたすらいじっている花梨に、代表が声をかけた。2007-06-01 00:22:00 -
39:
◆qrlDpe3WiM
「……出勤ですよ。」 花梨は、携帯から目を逸らさずに言う。よほど大事なメールなのだろう。 「…そっか。まぁ、あんま無理すんなよ。」 代表は優しく言い、花梨の肩に手を置いた。
今まであまり店に顔を出す事がなかった代表は、最近になり頻繁にお店に来るようになった。あたしは、顔を見るたびに"頑張ってるか?"とか、"調子どうや?"など、些細な気を配ってくれる代表が好きだった。
あくまで上司としてだけど。2007-06-01 07:07:00 -
40:
◆qrlDpe3WiM
《なぁ花梨…もしもな、 好きな人と親友が二人とも病気で治す薬が一個しかないとするやんッ!?》
《不吉な話やな〜(笑)》 《花梨やったら…どっちを助ける!?》
《…あたし?あたしやったら―……》
なぁ花梨、あたし今なら 間違いなく答えれるねん。
あなたが答えたあの意味を今なら痛い程理解できる。2007-06-01 07:16:00