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━secret━
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1:
◆qrlDpe3WiM
友情と愛情
どっちを取るって 聞かれたら
今ならそう
あたしは
迷わず答えれるのに―…2007-05-30 22:21:00 -
27:
◆qrlDpe3WiM
実は同じ年だったあたしと花梨。この日から、次第に仲良くなりあたし達はお店で会うたびにいつも話すようになっていた。
花梨は、声だけじゃなくて性格にも本当にギャップがあった。黙っていたら、まるでお人形なのに…性格はサバサバしてて、男女問わず接客中も自分を作ったりなんかしない。 この子がナンバーワンだった理由は、きっと見た目だけじゃないと確信できた。2007-05-31 09:22:00 -
28:
◆qrlDpe3WiM
『花梨ーッ。どうやったら指名取れるん〜!?』 今日は出勤前に、花梨とご飯を食べに来ていた。お店の近くの小さな居酒屋だ。あたしは、花梨に泣き付いていた。
「月奈、営業メールとかはしてるん!?」
『うん…最近はマメに。』「じゃあ、大丈夫やって!あたしが見てる中じゃ、月奈の接客は良く出来てるしお客さんからも、イイ噂良く聞くし☆」
『じゃあ、なんで本指に返ってこないんやろぉ…』 はぁぁ…と、溜め息をつきながらあたしは目の前のビールを一口飲んだ。 「この仕事はな、すぐに結果に出る人と、努力を溜めて後から結果になる人の2パターンあるねん。月奈はきっと後者やわ!花梨が保障するから!」 花梨は笑顔で言った。 『花梨〜。。ありがとっ』経験豊富の花梨に保障してもらえるなら、なんとも心強い。―…確信なんかなくても、励ましてくれる花梨の気持ちが嬉しかった。2007-05-31 10:51:00 -
29:
◆qrlDpe3WiM
『そういや、花梨って彼氏とかいてるん!?』 花梨とは、恋愛話をした事がなかった。いないわけはないと思ってたが、興味津々に聞いてみる。 「…んー彼氏かぁ。一応、いてるよ。うまくいってないけど(笑)月奈は?」 『あたしはこっち引っ越す時に別れたぁ。なんかマンネリしてたしさ!花梨やっぱ彼氏いるんやー。どんな人?どんな人?』 花梨の彼氏やったら、やっぱり男前やろなぁ。
「…優しくて…冷たい人、かな。」
『…え?なんか矛盾してるやん(笑)』
「うん。矛盾ばっかりの人やねん(笑)」 そう言って、花梨は笑った。この時に一瞬見せた悲しい目の意味を、あたしはまだ気付くわけもなかった。2007-05-31 11:07:00 -
30:
◆qrlDpe3WiM
《月奈…あたしな…》 《聞きたくない!花梨の話なんか…ッ。もう信用出来ひんねんッ!もうあたしに関わらんといて!!》 《……ごめん…ね。》
花梨、気付いてあげれなくてごめん。あの時、あたしが花梨の話を最後まで聞いていれば―。あなたはまだあたしの隣で、あの頃みたいに笑ってくれた?
なぁ、花梨。
あんたは何処にいるん…?2007-05-31 11:14:00 -
31:
◆qrlDpe3WiM
「おっす!チビっ子族!今日も元気かぁー!?(笑)」能天気な顔をして、拓美が更衣室に入ってきた。 「こらこら、着替え中やわっ!たっくん変態!(笑)」『誰がチビっ子族やねん』あたしと花梨は、ふざける拓美の背中を押してカーテンの外に追い出す。 「おまえらいつの間に仲良くなってん!ずるいぞー。俺も中に入れてやー!」 「…たっくん"中"の意味違うやろ!アホか(笑)」 「誰がアホや誰が!(笑)」 花梨と拓美は仲がいい。 拓美はこのキャラクターだから、店長といえども女の子誰とでもフレンドリーに話していたけど、花梨とは特に仲が良かった。
「あー……前、担当やったからちゃう?年も近いし」担当というのは、出勤確認などをしてくれる自分を担当してくれるボーイさんの事。
『店長やのに、拓美も担当持つ事あるん?』 実際、拓美にスカウトされて入ったあたしの担当でさえ違うボーイさんだった。2007-05-31 11:27:00 -
32:
◆qrlDpe3WiM
「うん。前は、普通にあったよ!今は仕事が忙しくなったから…担当いないみたいやけどなぁ。」 『なるほど!そっかー。』
「花梨、月奈、着替えれたかー!?五番の新規待たせてるから、用意出来たら接客いくでー!」 まぁ、拓美も仕事中は違う顔をしている。やっぱり店長としての、毅然としたオーラが出ていた。
さぁ、今日も頑張ろう。 「さて行こかー」『了解!』あたしと花梨は鏡で最終チェックをして、フロアに足を踏み入れた。2007-05-31 11:34:00 -
33:
◆qrlDpe3WiM
ボーイに案内された席に向かうと、今時の若者といった風貌の二人組の男が座っていた。―これが、【良太】との出会いだった。
『「失礼しまーす!」』 花梨と声を揃えて、席に座る。
「初めましてー☆二人ともめっちゃ可愛いなぁ!?」花梨が座った側の男が、ハイテンションで言った。 「またまたウマイわー(笑)」花梨は笑いながら、それを返していた。
花梨は、接客が上手い。お客さんのジャンルを問わずいつもどんな人とでも会話を盛り上げていた。2007-05-31 22:35:00 -
34:
◆qrlDpe3WiM
「きゃはは!翔くんめちゃ面白いなぁ!(笑)」
花梨さすがやなぁ…。もう打ち解け合ってる。あたしも頑張って接客しないと。退屈させたらアカンわ。 『あ…名前何ていうんですかぁ!?』
「俺?俺は良太やでー。」 『…良太くんかぁー!』 ・・・。
か、会話終了!?ど、どうしたらいいんー!?
「…名前、月奈ちゃんやっけ?新人さんなん??」 あたしがしどろもどろしていたら、良太が聞いてきた。2007-05-31 22:45:00 -
35:
◆qrlDpe3WiM
『あ…えっと、入って二ヵ月くらい…です!』 「そうなんやー。俺こういう店初めてやねん。やからそんな緊張せんでも大丈夫やでー。…俺もバリバリの新人やから(笑)」 そう言うと、良太は笑顔で"何でも好きなもん飲みー"と言ってくれた。
良太の年は、あたしの一つ上の21歳。市内で建築の仕事をしているらしい。 一見クールなのに笑った時に見える八重歯が、その笑顔にギャップを作るのが印象的だった。2007-05-31 22:54:00 -
36:
◆qrlDpe3WiM
その日は花梨のリードのおかげもあり、あたし達は二人とも場内指名を貰える事ができた。 帰り際、良太に携帯番号を聞かれたので交換した。 「今日はありがとう!初体験やけど、めっちゃ面白かったわ。月奈ちゃんのおかげやな!(笑)」 『あたしこそありがとー!めっちゃ楽しかったぁ!』「また遊びに来るわー!」 良太は、笑顔で手を振りながら帰っていった。
普通のお客さんと、普通のホステス。後にも先にも、その関係は変わる事はない。そう思っていた。
少なくともあたしの中では。2007-05-31 23:14:00