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━secret━
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1:
◆qrlDpe3WiM
友情と愛情
どっちを取るって 聞かれたら
今ならそう
あたしは
迷わず答えれるのに―…2007-05-30 22:21:00 -
57:
◆qrlDpe3WiM
メールはすぐに返ってきた。風邪をひいて熱があるらしかった。昨日、外で電話してたからやろなぁ…。 とりあえず、"お大事に!安静にしとかないとアカンよ☆"―と、だけ返信してあたしはドレスに着替えることにした。
今日もそこそこに忙しく、花梨のいない営業時間はやたらと長く感じた…。 『お疲れ様でしたー』 さっさと着替えて、早々に送りの車に向かう。 「…あ、月奈ちょっと待ってぇー!」 『えー?何?』 リストから、拓美に呼び止められた。 「代表が話あるみたいやから、ちょっとだけ待っといてくれん?」 代表が?なんの話やろ…
あたしは、不思議に思いながらも拓美に言われた通りに更衣室で待機することにした。2007-06-12 00:28:00 -
58:
◆qrlDpe3WiM
ガラッ―。誰もいなくなった更衣室に、しばらくしてようやく代表が入って来た。「おーお疲れさん。待ってもらってごめんな。」 相変わらずスーツが似合っていて、髪型もバッチリ決まっている。いつ見ても…本当に粗がない人だ。
『いえ、お疲れ様です。』向かい合わせのソファーに腰を掛けると、代表はタバコを取り出しパーラメントに火を付けた。 「…で、話やねんけどな。突然やねんけど、月奈撮影とか興味ない?」 『撮影です…か?』 なんの撮影なんやろう…。無知のあたしには、さっぱり分からなかった。 「いや、簡潔に言うとな。顔出しするってことやな」話を聞くと、この業界専門の雑誌と、ホームページにお店のスタッフとして写真を掲載しないかとのことだった。
顔出しなんか…。恥ずかしいよりも何も、あたしにはそんな自信がなかった。 代表も、それを見抜いたのだろう。 「月奈自身の、自信にも繋がると思うで。実際、顔出しはこの業界では確実にプラスになるからなー。」 灰皿に灰を落としながら、笑顔でそう言った。 「あ、ちなみに今回の撮影は"花梨"と"月奈"二人の予定やから。」 あたしは、花梨の名前に一瞬反応してしまった。 『…花梨も一緒なんですか???』 「一応、な。その予定やで。花梨も復帰記念を兼ねて、また名前売らなあかんからなー。」 花梨と一緒なら―。不安も緊張も取り除けなかったけど、花梨がいるというだけで心強かった。 「まぁ、考えといてや。来週までに答え聞かせて。俺自身も、月奈には期待してるから。」 代表が、あたしの目を見て言った。2007-06-12 01:40:00 -
59:
◆qrlDpe3WiM
『考えときます…。』 この人の目には、力がある。
あの日、拓美に連れられてきたこの【Candle】で初めて逢ったあの瞬間。あたしは、この目についていきたいと思った。この人と同じ世界を見てみたい。 あの瞬間、あたしは"月奈"になると決めたんだ。
「…了解、頑張れよ!あ、月奈、送るから荷物持って下おいで。」
お店で会うたびに、声をかけてくれてた代表。あたしは、彼のこの"頑張れよ"って 言葉が好きだった。2007-06-12 01:51:00 -
60:
◆qrlDpe3WiM
《月…奈…あたしな……》《……分かって…る》 《月奈ッ…聞いて?最後のお願いやか……ら。》 《聞きたくない…あんたの話なんか…聞きたくない》
花梨、あたしな… あたし…ほんとは……
2007-06-12 01:59:00 -
61:
◆qrlDpe3WiM
荷物を持って、代表の車に向かった。どこに乗るべきか迷っていたら、少し開いた窓から
「月奈?何してるん?はよ前乗りよ。」 と言われたから、あたしは慌てて助手席に乗った。 「…家どこやっけ?俺、方向音痴やからナビ頼むで」代表はそう言いながら、 流れていたステレオのボリュームを少し下げる。
…緊張していた。いつもお店でしか話すことなんてなかったから。狭い車内で彼の隣にいることが、なんかものすごく不思議だった。
「えらい静かやん。今日は疲れた?」 ふいに声をかけられて、少しだけ焦る。 『…いえ、まぁ少し。』 「なんか緊張してへん?拓美とはいっつもはしゃいでんのに(笑)」 そんなの、拓美と同じように話せるわけないやん…。まぁ、拓美も上司には変わりないんやけど。
なんだか、違う。この人にはうまく自分を出せない。2007-06-12 02:10:00 -
62:
◆qrlDpe3WiM
「月奈って、本名確か雪、やんな?漢字珍しくない?なんで"雪"なん?」 『あ…なんか、生まれた時はあたし色が白くてひ弱だったらしいです。今、かなり健康的だけど(笑)で…冬産まれだから"雪"みたいな。単純な親なんで。』 漢字を、ううん、一回しか言ったことのない名前を覚えていてくれたことが。 素直に嬉しかった。 「…ふーん。今も、色白いやん。細っこいし。ちゃんと食わなアカンよ。」 代表は優しく笑って、あたしの頭に手を置いた。
ほら、また。全てを見透かしているようなその目に、あたしは動けなくなる。 代表のことは上司として、尊敬してる。上司として、信頼してるんだ―…。2007-06-12 08:38:00 -
63:
◆qrlDpe3WiM
「俺の名前、知ってる?」 『あ…谷上ですよね?』 「うん、下の名前は?」 『えっと…確か…』 "代表の谷上 蓮です" 『あ、そうや…レンさん!』あたしも人のこと言えない記憶力かもしれない。 まぁ、拓美の名前は全く覚えていなかったけど…。 「すごいやん。月奈って記憶力抜群やな〜。なんか嬉しいわ。合ってるし!」 代表は、時々子供みたいに笑う。 『"レン"って、どんな漢字なんですか?』 「……漢字は、蓮の花の蓮やで。分かる?」 『はい、分かります。』
―少しだけ淋しそうな表情を見せたような気がした代表の目に、あたしは気付いていた。きっと、その意味は深いんだろう。だけど、聞かない。聞けるわけがない。彼は上司で、あたしはただの従業員だから。
『…綺麗な名前ですね!』あたしがそう言うと、彼はまたいつもの優しい目に戻って
「雪、もな。綺麗やで。」 と、言った。2007-06-12 08:55:00 -
64:
◆qrlDpe3WiM
「あ、雪ん家この辺であってるん?」
なんだか、変な感じがした。"月奈"の生みの親である代表に、"雪"と本名を呼ばれる。…なんだか、少しくすぐったい。 『はい、合ってます。あ、ここでいいです…ありがとうございました!』 あたしは荷物を手に持ち、会釈をして車のドアに手を掛けた。 「月奈、ちょっと待って。携帯教えといてくれへん?一応、俺も知っときたいから。」 それは、もちろん"店の経営者"として。当たり前だけど、"知っときたいから"どこかで舞い上がってしまった自分に少し恥ずかしくなった。
代表と番号を交換して、あたしは足早に車を降りた。
家に帰り部屋に戻ると一気に疲れが押し寄せてくる。今日は、ほんま疲れた…。早く寝ようと思い、すぐにお風呂に入ることにした。2007-06-12 09:07:00 -
65:
◆qrlDpe3WiM
お風呂から上がると、花梨からメールが来ていた。 【受信:花梨 月奈、撮影行くってほんま…??】 行くと決めたわけじゃないけど、花梨が一緒ならやってみてもいいと思ってた。【花梨が行くなら、行こうかなって思ってるよ☆】 メールを送信した後、花梨からは返事がなかったけどしばらくしてから 【わかった…月奈一緒なら考えとく(^-^)】 と、返って来た。
あたしは、携帯を枕元に置いて眠りに就くことにした。今日あったことを、色々考えながら。 "雪、も綺麗やで。" 代表の言葉を思い出しながら―…、ゆっくりと目を閉じた。2007-06-13 00:41:00 -
66:
名無しさん
????????
2007-07-03 08:15:00