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梟
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1:
あたる
その日の朝からだらだらと降り続く小雨は、霧の様に視界を曇らせていた。
ずっと探していた洋書を偶然この古本屋で見つけたものの、頼りない紙袋に本をそのまま突っ込んだだけという簡易さで手渡されていた為に、傘を持たない宗一は頭を痛めた。
(はぁ・・・どうしようか。)2007-05-30 21:45:00 -
12:
あたる
若干耳を赤らめながらも、もう一度本棚の辺りへ歩を進める。
(雨が止むまで、もう少し見てまわろう。)2007-06-03 11:56:00 -
13:
あたる
そこに置かれている本は、ほとんどが黄ばんでいて、更には管理がキチンとされていない為か、シミや破れている箇所などの無いものは一つも無い。
まぁ全てを読んだわけでは勿論ないのだが。
しかしながら、ここときたら掃除くらいはしろよと言いたくなるほど汚い。
とにかく汚い。本当に汚い。2007-06-03 12:02:00 -
14:
あたる
手を煤で黒く汚しながらも、熱心に本を物色していた宗一は、ふと視界の端で何かが動くのを感じた。
もやもやと嫌な予感がするのを抑え、一気にそちらへ目をやる。
彼は、手にしていた本をバサリと落下させた。
板ばりの床に積もっていた埃が舞い上がった。2007-06-03 12:08:00 -
15:
あたる
『・・・・・』
声にならない、という感じだった。
彼の右隣にある本棚の、おそらく腐って割れてしまった木目の中から[這う系]の小さな虫がうねうねと忙しく体をくねらせ、大量に溢れている。2007-06-03 12:13:00 -
16:
あたる
泣きそうになりながら、宗一は落とした本をそっと拾い上げ、また、そっと元の場所に置いた。
[直した]ではなく[置いた]のは、この本棚は従来のように本を立てて並べていくものでなく、横に五冊程度積み、またその隣に積んで一段目を埋めていく、といった使われ方であった為である。
宗一は、決心した。2007-06-03 12:24:00 -
17:
あたる
(・・・もういい。傘いい。でよう。)
彼は、この世のなによりも虫が嫌いだった。
その中でも、ワースト2に君臨する[這う系]なるものがうじゃうじゃと湧いている恐ろしい場所に、これ以上長居する理由が見付からない。2007-06-04 00:05:00 -
18:
あたる
雨がなんだ。
本がなんだ。
濡れたら乾かしゃあいいじゃないか。
さぁ早く帰ろう・・・2007-06-04 00:07:00 -
19:
あたる
いつ、どこからまた新たな虫がコンニチワするかしれない。
極力ゆっくりとした動きのまま宗一は四方八方に神経を尖らせ、慎重に古本ゾーンを突破した。
・・もはや他の商品を手にとる勇気は無い。2007-06-04 00:13:00