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1:
あたる
その日の朝からだらだらと降り続く小雨は、霧の様に視界を曇らせていた。
ずっと探していた洋書を偶然この古本屋で見つけたものの、頼りない紙袋に本をそのまま突っ込んだだけという簡易さで手渡されていた為に、傘を持たない宗一は頭を痛めた。
(はぁ・・・どうしようか。)2007-05-30 21:45:00 -
2:
あたる
落胆と共に引き戸を閉め、ため息混じりにふただび店内を振り返る。
なんだかじいちゃん家のタンスの中みたいな匂いのするここは、本屋兼骨董品屋といでも言うべきか。
よく見るとなかなか希少価値のありそうなものが見受けられるのだが、店主がちょっとアレなので、せっかくの商品もガラクタのごとく乱雑に置かれてしまっている。2007-05-30 22:00:00 -
3:
あたる
この洋書だってかなりの貴重品なはずなのに、埃なんかかぶったまま顔が微妙に本物と違う熊のぷーさんに埋もれていたところを宗一が救出したのだった。
『なんじゃ〜まだ何か買うんか〜』2007-05-30 22:08:00 -
4:
名無しさん
カムイは完結したの?
2007-05-30 22:27:00 -
5:
名無しさん
題名なんて読むの?
2007-05-30 22:28:00 -
6:
あたる
カムイ事情はカムイのとこに書いてる通りですorz
題名ふくろうと読みます(^^)2007-05-31 08:58:00 -
7:
あたる
歳の割にドスのきいた声の主は、眼鏡の奥の目を細め、スポーツ新聞から目を離さずに言った。
『や、あの、傘とかって・・・あります?』2007-05-31 09:00:00 -
8:
名無しさん
a
2007-06-01 11:49:00 -
9:
あたる
愛想たっぷりにへら〜っと笑ってみたけれど、何のリアクションもない。
ただ、『ねぇわな。』と興味なさげに一言爺は呟き、新聞を一枚捲った。
(・・・ふん、だから年寄りは嫌なんだ。)2007-06-02 13:32:00 -
12:
あたる
若干耳を赤らめながらも、もう一度本棚の辺りへ歩を進める。
(雨が止むまで、もう少し見てまわろう。)2007-06-03 11:56:00 -
13:
あたる
そこに置かれている本は、ほとんどが黄ばんでいて、更には管理がキチンとされていない為か、シミや破れている箇所などの無いものは一つも無い。
まぁ全てを読んだわけでは勿論ないのだが。
しかしながら、ここときたら掃除くらいはしろよと言いたくなるほど汚い。
とにかく汚い。本当に汚い。2007-06-03 12:02:00 -
14:
あたる
手を煤で黒く汚しながらも、熱心に本を物色していた宗一は、ふと視界の端で何かが動くのを感じた。
もやもやと嫌な予感がするのを抑え、一気にそちらへ目をやる。
彼は、手にしていた本をバサリと落下させた。
板ばりの床に積もっていた埃が舞い上がった。2007-06-03 12:08:00 -
15:
あたる
『・・・・・』
声にならない、という感じだった。
彼の右隣にある本棚の、おそらく腐って割れてしまった木目の中から[這う系]の小さな虫がうねうねと忙しく体をくねらせ、大量に溢れている。2007-06-03 12:13:00 -
16:
あたる
泣きそうになりながら、宗一は落とした本をそっと拾い上げ、また、そっと元の場所に置いた。
[直した]ではなく[置いた]のは、この本棚は従来のように本を立てて並べていくものでなく、横に五冊程度積み、またその隣に積んで一段目を埋めていく、といった使われ方であった為である。
宗一は、決心した。2007-06-03 12:24:00 -
17:
あたる
(・・・もういい。傘いい。でよう。)
彼は、この世のなによりも虫が嫌いだった。
その中でも、ワースト2に君臨する[這う系]なるものがうじゃうじゃと湧いている恐ろしい場所に、これ以上長居する理由が見付からない。2007-06-04 00:05:00 -
18:
あたる
雨がなんだ。
本がなんだ。
濡れたら乾かしゃあいいじゃないか。
さぁ早く帰ろう・・・2007-06-04 00:07:00 -
19:
あたる
いつ、どこからまた新たな虫がコンニチワするかしれない。
極力ゆっくりとした動きのまま宗一は四方八方に神経を尖らせ、慎重に古本ゾーンを突破した。
・・もはや他の商品を手にとる勇気は無い。2007-06-04 00:13:00 -
20:
あたる
カウンターの前を疲れ果てた顔で横切ると、コームで白髪を丁寧にオールバックにときながら、やはりスポーツ新を食い入るように見ている爺に呼び止められた。
『お〜いまだ雨降っとるぞ〜』
宗一は色んな所に目をくばらせながら答えた。2007-06-04 00:21:00 -
21:
あたる
『・・・あぁもういいんです・・・それじゃ。』
明らかに雨脚は強まっているらしい。
手をかけた引き戸のガラスには、ビシャビシャと容赦なくたくさんの雨粒がぶつかってくる。2007-06-04 00:25:00 -
22:
あたる
『まぁまぁちょっと待たんかい。なっ!』
爺はシミだらけのごっつい手で宗一の華奢な腕をぐいぐいと引っ張っりながら、店の奥へと連行した。
『なんすか・・・!ちょ、イタタタタ・・・!!』2007-06-07 14:50:00 -
23:
あたる
カウンターの裏にある扉の先は長い廊下になっていた。
こちらもかなり不衛生。
クモの巣の様なものがあちこち見受けられるばかりか、吊された灯りは小さく、全体的に暗くてじめじめしている。2007-06-07 14:58:00 -
24:
あたる
宗一は休む事なくあちこちに目をやっては、異変がないか・・・というよりも虫が近くにいないかという安全を確かめ続けていた。
『おまえよ、ディズニーは好きか?』2007-06-07 15:02:00 -
25:
あたる
『ひぇ?』
あまり唐突に爺が聞くので、緊張状態にあった宗一は情けない声を漏らした。
『ひぇ、じゃねぇよ。ディズニー好きかって聞いてるんだ。好きか?なぁ。』2007-06-07 15:05:00 -
26:
あたる
そう尋ねる爺の声音は、決して冗談のそれではなさそうだった。
宗一は怪訝に思いながらも、自分の置かれている状況などを考慮し、当たり障りなく『はぁ、まぁ・・・』と答えた。
『そうかそうか!ならいいんだ。ははは!』2007-06-07 15:09:00 -
27:
あたる
あからさまに上がる爺のテンションに、宗一は首をかしげるが、間もなく右手に黄色く変色した小汚い襖が現れ、彼等は足を止めた。
『ふぅちゃんふぅちゃん、起きてまちゅかぁ?入りまちゅよぉ?』2007-06-07 18:33:00 -
28:
名無しさん
あげ
2007-06-24 13:53:00