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殺してしまった
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1:
名無しさん
「泣くな、うるさい!」そう怒鳴りながら、母は私の服をまくりあげ、タバコを背中に押し付けた。「ーぁ゛あ゛」声にならない声が出た。私は泣くのをこらえた。「最初から、そうしてればいいのよ。」冷たい目で私にそう言うと、母はテレビに目を向けた。
2007-04-28 15:53:00 -
12:
名無しさん
男の部屋は広かったが、私の家以上に散らかっていた。ビールの空き瓶、食べかけのスナック菓子、てんこもりの灰皿が、いくつもあった。お気に入りのワンピースが汚れる気がして、ソファーに座りたくなかった。そんな私をよそに、母は床に座り込み、男と楽しそうにしゃべっている。
2007-04-28 17:11:00 -
13:
名無しさん
その時、きゅうに男が私の所へ来て、スカートをまくりあげた。「きゃっ」小さな悲鳴と共に、男がいきなり笑いだした。「智子〜(母)これはやばいよ〜!」笑いながら背中をさすった。ぞっとした。きっと、母がつけた、タバコの跡の事だろう。母もケラケラわらっている。すごく惨めな思いがした。
2007-04-28 17:19:00 -
14:
名無しさん
そのうち男は、私の肩に手をまわし、時々頬っぺたをさわったりしながら、お酒をのみだした。酒臭い息が、鼻につく。嫌だとは言えなかった。母がみてる。母も、なにも言わない。二人共楽しそうだ。そのうち母は、酔っ払い、眠ってしまった。
2007-04-28 17:27:00 -
15:
名無しさん
静まりかえった部屋で、男は急に内フトモモを触ってきた。「・・!」びっくりして、声がでない。「おじさん、さやちゃんのお父さんになるんだよ。お父さんのいうこと、聞けるね?」そう言って、きたないモノを取り出した。初めて見るそれは、同じ人間とは思えない、なんとも気持ち悪い物だった。
2007-04-28 17:39:00 -
16:
名無しさん
・・殺されると思った。
男が私にソレを突き刺し、気がくるった様に腰を振っている。痛みと恐怖と、なんとも言えない気持ちで、涙も声も出ない。(お母さん助けて!)心の中でそう叫んだ時・・寒気がした。起きている。布団の隙間から、たしかに母がこっちを見ている。自分の娘がこんなめにあっているのに、止めようともせずに。寒気のする、目だった。2007-04-28 17:49:00 -
17:
名無しさん
男は、事が終わると、さっさと眠りについた。男の横で、しばらく動けなかった。何時間そうしていただろう。気がつくと、カーテンから光りが射していた。母も男も、いびきをかいている。私は起こさないように、そっとテーブルに近づいた。
2007-04-28 18:06:00 -
18:
名無しさん
母の財布から千円だけ抜き取り、ポケットに入れる。山盛りになった灰皿の一つを、絨毯にひっくり返す。その横に、お酒のあき瓶を無造作に置く。そして、置いてあった男のライターで、絨毯に火をつけた。メラメラと炎が大きくなるのを確認して、男の家を飛び出した。
2007-04-28 18:12:00 -
19:
名無しさん
母の財布から抜き取った千円で、自宅へ帰る。あの女に、未練なんてない。そう確信して、さっさと眠りについた。ドキドキしたけど、涙なんて出なかった。むしろ、なんだかすっきりした気がした。恐ろしく冷静な小学四年生が、そこにはいた。
2007-04-28 18:16:00 -
20:
名無しさん
何時間寝ただろうか。インターホンの音で目が覚めた。玄関をあけると、「さやか!!」と、おばあちゃんが、勢い良く抱き着いて来た。わんわん泣いている。横には警察が二人いた。「どうしたの・・?」しらじらしく、聞いてみる。「智子が・・!!智子が火事で・・」それ以上は、声になっていなかった。「おばあちゃんが、いるからね・・!大丈夫だから・・!」そういって、私をさらに強く抱きしめた。警察の後ろで見ていた近所のおばさんが、「可哀相に・・」とつぶやいた。
2007-04-28 18:27:00