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FAITH
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1:
◆veUs8IjfB6
私はしがない風俗嬢。
夢の為?借金返済の為?はたまたホストに貢ぐ為?
そんな明確な目的なんてものはありません。ただただ其の日暮らしの為に「風嬢」やってます。2007-04-25 03:19:00 -
51:
ドアをノックして、鍵が解除された音を聞き、ドアノブに手をかけて扉を開ける。
「失礼しまーす…」
俯きながら思い切りやる気の無さを主張する声。自分自身、「紫苑」を必要としてくれる「お客様」にはそれなりに愛着も沸き、満足させようという仕事意識も出るものの、私を経由して彩織を必要とする奴らはもはやお金を払っていても客として見えない。…この人が、そうだと断定出来たわけではないのだけれど。2007-05-06 13:10:00 -
52:
「こ、こんばんは…来てくれてアリガト…」
何を言ってるんだか。貴方が指名している以上、私が此処に来るのは義務なのだから、お礼を言われる事でもない。慣れていないのだろう。どうしたらいいのかわからないような顔をしている。これからのプレイが全てなのだから、言葉で教える義理なんてない。私は取り敢えずタイマーを回し、バスルームへと身体を反転。完全な無視。
「あ、てか待って!」
がしっと腕を掴まれ、バスルームへと向かおうとする私を阻む。イラっときて鋭い目つきで見上げれば、困惑した様子で私を縋るように見ている。2007-05-06 13:13:00 -
53:
「ちゃうねん…ごめん、仕事モードにさせといてごめんやけど、俺、違うねん」
「何、しやんの?営業するにしろお金勿体無いでしょう?貴方の事どうでもいいから話するよりかはプレイした方が楽なんですけど」
面倒くささと苛立ちがきつい言葉を吐き出させた。本音半分、嫌味半分といったところ。彼は顔面蒼白になり絶句している。白々しい、ショック受けた演技でもしているのか。本当は怒りに任せて罵倒したいくせに。
「……ご、ごめん、面倒な事させてごめんやけどほんまプレイせんといて?取り敢えず座って」2007-05-06 13:16:00 -
54:
はあ、と大きく溜息を吐いて、ベッドに腰掛けた。これからの話が安易に予想出来て、また溜息が出た。
彼は私の不機嫌な態度に困惑しつつも、備え付けの冷蔵庫からジュースを取り出して私に渡してきた。彼と目も合わさずお礼も言わずに受け取って、一口飲む。沈黙が支配するホテルの一室。
「……何かあった?」
彼は私の隣に座り、おずおずと訊いてきた。やかましい、と思ったと同時、自分の非に気付く。彼は「ホスト」で「営業」に来ていると、先入観で判断してしまっているだけで、もしかしたら全く違う職業で、別の目的で来ているのかもしれない。其の可能性は何も話していない今の段階では十分にありえる事で、そうだとしたら全面的に私が悪い。…どんな目的で来ていてもこの態度は悪いとしか言いようがないのだけれど。2007-05-06 13:19:00 -
55:
そう思うと急に罪悪感が芽生え、発作的に彼を見た。多分、彼が怒っていないか、不機嫌になっていないかを確かめようとしたのだろう。彼は急に目を合わせた私に驚きもせず、ただ黙って見つめ返してくる。
目を見て人格が完璧に評価出来るわけじゃないけれど、見るものを選び、生きてきた過程を記録してきた瞳は少なからずその人の内面を映している気がする。彼の目は綺麗で、其処に自分が映っているのが酷く惨めに思えた。
「……何しに来たんですか?」
目を逸らす事に敗北感を感じ、私は目を逸らさずに訊いた。2007-05-06 13:22:00 -
56:
「紫苑ちゃんに会いたくてきてん」
瞳は揺れる事なく安定していて、私を貫くように真っ直ぐ見つめている。
「…何で?」
追求すると彼は目を逸らした。動揺したのが手に取れてわかる。私に会いたいと思う衝動に、私に言いたくない理由があるのが明白だ。やはり彩織目当ての営業なのか。やはり彼は見たままの通り、ホストなのだろう。罪悪感を感じた事に後悔し、私も彼から目を逸らした。2007-05-06 13:25:00 -
57:
「……結構前、雑誌で見て、……会いたくなって」
消えそうな声で、彼は言う。横目で盗み見るように見れば、彼は俯いていて、少し長めの髪が顔にかかり、表情をうまく隠している。顔を見たいと思ったが、まだ何か続くような科白の切り方だったので、私は取り敢えず聞き手に徹する事にした。
「前の雑誌やし、風俗の子ーら長い事はおらんやん?まだ店におるんか心配やったけど、電話してみたら、おってさあ…」2007-05-06 13:28:00 -
58:
「…ほんま、会えて嬉しい…」
返す言葉が出てこない。感情の宿ったように思える彼の科白。これは全て演技なのだろうか。判断に困り、私は答えを出せずに沈黙するしかなかった。
「…会いたかった…」
嘘みたいに、私に会えた事に感慨極まっている。雑誌を閲覧しただけで、会った事も無い私の為にわざわざ足を運んでくれたお客さんは、今まで何人か居る。其の為の雑誌だから当然の結果だ。だけど、ここまで心の篭った言葉を貰ったのは、今まで生きていて初めてだと思う。2007-05-06 13:31:00 -
59:
「……何でそこまで感動するんですか?たかが風嬢に会えただけやのに」
「う…ん、ほんま会いたかったからかな?」
そう言って、へらりと笑う。笑ってごまかす、とは誰が言い出したのか。今の彼にぴったりと当て嵌まる表現だ。やはり彼は、私に会いたかった理由を告白しない。二度も拒絶したのだから、言わないと決意しているのだろう。其の謎に拘る事はやめにした。2007-05-06 13:34:00 -
60:
>>49さん
面白いと感じていただけて安心しました。さくさくとした文章ではありませんが、これからも見ていて下さいね。書き込み有難う御座います。
>>梢さん
読みやすいですか!夜遊び受けする文体では無いと思っていたので、そう言っていただけると凄く励みになります。書き込み有難う御座います。2007-05-06 13:39:00