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『幸セニナリタクテ…』
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1:
秋
私は今、幸せと言えます。大きな声で胸をはって幸せだと言えます。
『普通』が幸せ…。
キレイ事だと思うかもしれません。 でも私は『普通の幸せ』をずっと求めていました。
過去に色々な経験があったから今に至ると思います。 それらを今、小説にして残したいと思います。2007-04-11 08:37:00 -
36:
秋
嬉しそうな声で愛子ちゃんが口を開く。 「秋。彼氏とどぉなん?♪」 「ん〜…わからぁん」 その時千尋がすかさず言った。
「秋。ヒデの事好きやろ?」 真っ暗な部屋の中で赤面して顔が熱くなっていくのが分かった。 「好きちゃうよ!!」慌てて否定する。2007-04-11 11:25:00 -
37:
秋
あからさまに動揺する私に千尋が続ける。 「だって旅行の時ずっとヒデと一緒におったしヒデとしゃべってる時の秋、めっちゃ楽しそうやもん」 あまりに的をえていたので素直に自供した。 「うん。好きかも…」
2007-04-11 11:28:00 -
38:
秋
千尋は「秋、分かりやすいわ!!」と言って笑った。
キャーキャー盛り上がっている時に愛子ちゃんが 「ほんなら明日、充に電話して別れ。好きじゃないのに付き合っててもしゃーないしヒデ君と付き合いたいんやったら充と別れな」
もっともな意見に冷や汗が出た。 ハッキリものを言えない私に言えるのか不安でなかなか眠れなかった。2007-04-11 11:32:00 -
39:
秋
次の日みんなが見守る中、さっそく充に電話をかけた。 プルルルルルル… 「もしもし?」 寝起きの充の声。 緊張がピークに達した。 「あ、あのな!!」 声が大きくなる。 「別れてほしいねん」 「……なんで?」 「好きな人できた…」 「………」 「ごめん。」 「………わかった。」
プチッ。プープー…。2007-04-11 11:36:00 -
40:
秋
終わった。
あっけないものだと思った。 一仕事終えたようにみんなに話した。
外は雷が鳴っていて雨が寂しそうに外を濡らしていた。2007-04-11 11:37:00 -
41:
秋
充と別れてから、ヒデや勇気と前にも増して頻繁に遊ぶようになっていた。
千尋は勇気と別れてからはあまり顔を出さなくなった。 そのうち勇気もあまりこなくなり、私はヒデと2人で会う事が多くなった。2007-04-11 11:40:00 -
42:
秋
公園で何気ない話を夜中までよくした。
その日もいつものように話をしていたらすごく寒くなってガタガタと震えていた。 今は3月。外はまだまだ寒いな。 そんな事を考えていたらヒデが着ていた大きなコートをかけてくれた。 「いいって!ヒデが寒いやん!!」 「………ほんなら一緒に入る?」 照れながらヒデが言った。 「………うん。」
公園の遊具の上で1つのコートに2人でくるまった。 さっきまでハシャいでいたのに今は心臓の音が聞こえそうなぐらい静まりかえっていた。 とても暖かくてまだまだそこに居たかったけどはずかしさのあまり「そろそろ帰ろっか」と私は気持ちを抑えながら言った。2007-04-11 11:48:00 -
43:
秋
ドキドキした気持ちのまま家に帰るといつもなら駆けてくるぷぅが寝ている。息が荒い。 「ぷぅ?風邪引いたん?しんどいの?」 ぷぅはいつになく元気がない。私は朝になるのを待って病院に連れて行こうと思った。
2007-04-11 11:57:00 -
44:
秋
目が覚めるとやっぱりぷぅの様子はおかしい。 お母さんも気付いてぷぅを病院に連れて行った。すぐ近くの所だったので私は家で待っていた。 30分…… 1時間たっても帰ってこない…。 心配になりそわそわしていたらお母さんだけが帰ってきた。
2007-04-11 12:00:00 -
45:
秋
険しいお母さんの表情を見て嫌な予感がした。
「ぷぅは?」 恐る恐る聞く。
「ぷぅのお腹に石がたまってて、相当な数みたい…。今手術してる。秋、ついといたって。お母さん仕事の時間やから用意できたらまた病院行くから」2007-04-11 12:02:00