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『幸セニナリタクテ…』
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1:
秋
私は今、幸せと言えます。大きな声で胸をはって幸せだと言えます。
『普通』が幸せ…。
キレイ事だと思うかもしれません。 でも私は『普通の幸せ』をずっと求めていました。
過去に色々な経験があったから今に至ると思います。 それらを今、小説にして残したいと思います。2007-04-11 08:37:00 -
2:
秋
※全部本当の事を書くので登場人物の名前は全員仮名です。
2007-04-11 08:40:00 -
3:
秋
私は中学3年生のいたって普通の女の子。上級生になってスカートも少し短くして大人になった気分♪
「おはよぉ〜」
眠たい目をしたまま私は学校についた。2007-04-11 08:44:00 -
4:
秋
『TO.千尋 今日はカラオケ行かへん?♪BY.秋』
『TO.秋 おっけ〜。秋の彼氏の話も聞きたいしなっっ。BY.千尋』
彼氏の話かぁ…。一瞬気分が重くなった。2007-04-11 08:53:00 -
5:
秋
私には付き合って3ヶ月の彼氏がいた。 3ヶ月前に告白されて断れずに付き合った。同じクラスの『充』。お調子者で軽い感じで私は好きになれずにいた。
2007-04-11 09:08:00 -
6:
秋
チャイムがなり下校の時間になった。
私は真っ先に千尋の所に駆け寄った。 2人は約束通りカラオケに向かった。 いつものお決まりコース。カラオケに行ったあとはマクドナルドで話すのも定番だった。2007-04-11 09:11:00 -
7:
秋
千尋はシェイクを飲みながらさっそく話はじめた。 「で、どうなん?充とわ?」私はポテトを口にポイポイ運びながら答えた。
「よく分からぁん」 「またそれかぁ」と言わんばかりにつまらなさそぉな顔をする千尋。しかしその顔がニヤケ顔に変わった。
「でも充は結構本気みたいやでっ」 思わぬ千尋の言葉にむせかえった。と同時に罪悪感みたいなものがチリッっと胸をかすめた。2007-04-11 09:20:00 -
8:
秋
千尋と話終えた私は千尋と別れ、家に帰った。
私の家は5歳の時に両親が離婚していてお母さんと4つ上のお兄ちゃんと犬のぷぅと暮らしていた。 お母さんは水商売をしていてお兄ちゃんは友達と遊ぶ事に夢中で私は毎晩、ぷぅと過ごした。2007-04-11 09:24:00 -
9:
秋
「ぷぅ。ただいま。」 ぷぅはちぎれんばかりに尻尾を振って喜びを表現している。
毎日寂しい思いもしたけれど、ぷぅがいたら元気づけられていた。2007-04-11 09:27:00 -
10:
秋
次の日、目が覚めるとしゃべり声が聞こえた。
「また来てるんか…」私は一瞬にして表情が曇った。 お母さんと仲良くしゃべっていた男の人は最近よく家に来る『元木サン』と言う人だ。お母さんの彼氏たのだろう。
私はこの人が苦手だった。嫌いと言う部類に入るかもしれない。2007-04-11 09:48:00 -
11:
秋
人見知りが激しかった私はお母さんが元木サンを連れて来て間もない頃どうにか仲良くなろうと考え、プレゼントを渡す事にした。
お金なんてなかったので500円ぐらいのグラスを買って渡した。 その時の言葉を聞いて私は愕然とした。2007-04-11 09:54:00 -
12:
秋
「なんやコレ?めっちゃ安もんやん(笑)」
2007-04-11 09:55:00 -
13:
秋
悔しくて切なくて返す言葉がなかった。 お母さんに言ったらいけない事だと思い黙っていた。 部屋で声を殺して泣いた。
2007-04-11 09:57:00 -
14:
秋
その日から私は元木サンと話さなくなった。 そんな男と仲良くしてるお母さんにも腹が立った。
その頃にお父さんとお母さんが離婚した本当の理由を聞かされた。2007-04-11 10:00:00 -
15:
秋
「もう秋も中学3年生になって分かる頃やからほんまの事言うわな。お父さんとお母さんが離婚したんは、お父さんが他の人好きになってん。お父さんは浮気とか出来る人じゃない。真面目な人やから本気でそっちを好きになってしまって家にあんまり帰ってこぉへんよぉになってん。それで離婚してん。」
2007-04-11 10:05:00 -
16:
秋
その時お母さんは寂しそうな目をした。 私はそれを見ないように目をそらしながらキツくお母さんに言った。
「お前らの勝手でどんだけ寂しい思いしたと思ってるん?もっと幸せな家庭に産まれたかった!!」2007-04-11 10:09:00 -
17:
秋
お母さんは言葉をつまらせていた。
その時は言って後悔などなかった。むしろ我慢してたものをぶちまけてスッキリさえしていた。2007-04-11 10:11:00 -
18:
秋
その頃から私は苛立ちから解放されるため遊びに行く事が多くなった。
好奇心からタバコを吸いはじめた。 親は知らないとゆう優越感がたまらなかった。 万引きも繰り返しやった。2007-04-11 10:15:00 -
19:
秋
一度お兄ちゃんが警察につかまり、どうしたらいいか分からなかったお母さんはお父さんに相談した。 お父さんは血相を変えてやって来てお兄ちゃんを殴った。鼻血が出ても殴り続けた。
その光景を見たお母さんは恐怖でしかなかった。 それからお母さんはお父さんに言わなくなった。 それを知ってた私はお母さんは何もしない。と調子に乗った。2007-04-11 10:18:00 -
20:
秋
家にいたくなくて学校に行くのが楽しかった。
「千尋〜!おはよぉ♪」
「秋はいっつも元気やな。今日はどこ行く?」
「カラオケっ♪」 私は毎日遊ぶ事に夢中になった。2007-04-11 10:23:00 -
21:
秋
そのうち学校で授業を受けるのも嫌になり遊びたくて仕方がなかった。
その時声をかけてきたのが『春美』だった。 春美はどこか抜けていて憎めないかわいいタイプの子だ。その日から私は春美と学校をさぼるようになり毎日遊んでいた。2007-04-11 10:27:00 -
22:
秋
春美は「学校ほんまに楽しくない。学校のみんなと気合うって思った事ないし。でも秋と仲良くなれて良かった」と口癖のように言っていた。
2007-04-11 10:29:00 -
23:
秋
1999年元旦。
私は千尋と初詣に来ていた。 出店でいっぱい買ってご機嫌の私に千尋は笑っていた。
その時千尋の携帯が鳴った。
どうやら相手は同じクラスの『光一』からだ。2007-04-11 10:35:00 -
24:
秋
光一は何人かの友達といるらしく合流する事になった。 光一は人なつっこくてマイペースな子だ。 駅まで迎えに来ていた光一に、私と千尋は話しながらついて行った。 しばらく歩くとある家についた。
2007-04-11 10:39:00 -
25:
秋
中に入って階段を上がり部屋をあけると、タバコの煙にまみれた部屋に2人の男の子がいた。
ベッドに横たわっていたのがその家の主『ヒデ』で、ゲームに夢中になっているのが『勇気』だ。
私と千尋は部屋の中に入り5人で話しをして盛り上がった。
初めて会った気がしないぐらい5人は仲良くなり、この日をさかいによく遊ぶようになった。2007-04-11 10:44:00 -
26:
秋
数日後。
家にいても勉強をする気になれずボォーっとテレビを見ていた。 その時電話が鳴った。 ヒデからだ。
「何しとん?」 「勉強って言うのは嘘でテレビ見てた。暇やぁ。」 「暇なんや!!よかった。今、勇気と秋の家の下におるねん。出といでや。遊びに行こ」2007-04-11 10:49:00 -
27:
秋
思わぬ展開にウキウキだった。 「そっこー出るから待っていて!」 千尋も誘い私達は定番のカラオケに行った。
お酒を飲んでハイになり、4人は夜中まで騒いだ。何やら千尋と勇気がイイ感じになっていた。 私は2人を横目にそんな毎日が楽しくて仕方がなかった。2007-04-11 10:52:00 -
28:
秋
次の日千尋がいつものように私に手紙を渡してきた。
『TO.秋 勇気と付き合う事になった。なんか最近毎日楽しいな♪BY.千尋』
千尋にも彼氏ができて私は心から嬉しかったのと、充と私が付き合っている事が不自然に思うようになっていた。2007-04-11 10:55:00 -
29:
秋
受験も終わりみんな無事志望校に受かった。
みんなでお祝いをしていたら卒業旅行に行こう。と言う事になり計画を練った。
徳島に2泊3日の小旅行。兵庫に住んでいた私達にとっては近い場所だけれどみんなで行く旅行に私達は胸が弾んだ。2007-04-11 11:03:00 -
30:
秋
旅行までにバレンタインデーがあった。 私は充とヒデと勇気と光一に渡した。
充には旅行の事は言っていない。旅行中に充の事は考えたくなかった。2007-04-11 11:05:00 -
31:
秋
旅行当日。
みんなはバスに乗り込んだ。ワイワイと話しながらあっと言う間に徳島についた。 5人はさっそく旅館に行き、広い部屋で話しをしてから徳島の街を探索する事にした。
私は千尋と勇気に気を遣いできるだけヒデと光一と行動した。2007-04-11 11:09:00 -
32:
秋
しかし千尋は勇気を置いて私達の所にやって来る。 ケンカでもしているのかな?と思うほど避けてるようにも見える。
しばらく歩いて5人は旅館に戻った。 夜はお酒を飲みながらトランプをした。 勇気、ヒデ、光一からホワイトデーのお返しをもらった。 勇気からはキャラクターのキーホルダー。ヒデからは千尋とおそろいのピアス。光一からは笑顔をプレゼントしてもらい、みんなで笑った。2007-04-11 11:14:00 -
33:
秋
2泊3日の旅行はあっと言う間でとても楽しかった。 旅行から帰ってきて千尋が勇気と別れたと聞かされた。理由は「勇気は彼氏って言うより友達の方がよかった」だった。 私は好きでもない充といつまでも付き合ってる自分がみっともなく思えた。そして自分の中のヒデに対する気持ちに焦りを感じていた。
2007-04-11 11:17:00 -
34:
秋
ヒデに対する気持ちが友達から何か特別なモノに変わろうとしていた。
2007-04-11 11:18:00 -
35:
秋
そんなある日、千尋と『愛子ちゃん』の家に泊まりに行く事になった。愛子ちゃんは隣のクラスの子でボーイッシュで思った事をズバズバと言ってくれる子だ。
夜、布団に入り3人でお決まりの恋の話しをはじめた。2007-04-11 11:21:00 -
36:
秋
嬉しそうな声で愛子ちゃんが口を開く。 「秋。彼氏とどぉなん?♪」 「ん〜…わからぁん」 その時千尋がすかさず言った。
「秋。ヒデの事好きやろ?」 真っ暗な部屋の中で赤面して顔が熱くなっていくのが分かった。 「好きちゃうよ!!」慌てて否定する。2007-04-11 11:25:00 -
37:
秋
あからさまに動揺する私に千尋が続ける。 「だって旅行の時ずっとヒデと一緒におったしヒデとしゃべってる時の秋、めっちゃ楽しそうやもん」 あまりに的をえていたので素直に自供した。 「うん。好きかも…」
2007-04-11 11:28:00 -
38:
秋
千尋は「秋、分かりやすいわ!!」と言って笑った。
キャーキャー盛り上がっている時に愛子ちゃんが 「ほんなら明日、充に電話して別れ。好きじゃないのに付き合っててもしゃーないしヒデ君と付き合いたいんやったら充と別れな」
もっともな意見に冷や汗が出た。 ハッキリものを言えない私に言えるのか不安でなかなか眠れなかった。2007-04-11 11:32:00 -
39:
秋
次の日みんなが見守る中、さっそく充に電話をかけた。 プルルルルルル… 「もしもし?」 寝起きの充の声。 緊張がピークに達した。 「あ、あのな!!」 声が大きくなる。 「別れてほしいねん」 「……なんで?」 「好きな人できた…」 「………」 「ごめん。」 「………わかった。」
プチッ。プープー…。2007-04-11 11:36:00 -
40:
秋
終わった。
あっけないものだと思った。 一仕事終えたようにみんなに話した。
外は雷が鳴っていて雨が寂しそうに外を濡らしていた。2007-04-11 11:37:00 -
41:
秋
充と別れてから、ヒデや勇気と前にも増して頻繁に遊ぶようになっていた。
千尋は勇気と別れてからはあまり顔を出さなくなった。 そのうち勇気もあまりこなくなり、私はヒデと2人で会う事が多くなった。2007-04-11 11:40:00 -
42:
秋
公園で何気ない話を夜中までよくした。
その日もいつものように話をしていたらすごく寒くなってガタガタと震えていた。 今は3月。外はまだまだ寒いな。 そんな事を考えていたらヒデが着ていた大きなコートをかけてくれた。 「いいって!ヒデが寒いやん!!」 「………ほんなら一緒に入る?」 照れながらヒデが言った。 「………うん。」
公園の遊具の上で1つのコートに2人でくるまった。 さっきまでハシャいでいたのに今は心臓の音が聞こえそうなぐらい静まりかえっていた。 とても暖かくてまだまだそこに居たかったけどはずかしさのあまり「そろそろ帰ろっか」と私は気持ちを抑えながら言った。2007-04-11 11:48:00 -
43:
秋
ドキドキした気持ちのまま家に帰るといつもなら駆けてくるぷぅが寝ている。息が荒い。 「ぷぅ?風邪引いたん?しんどいの?」 ぷぅはいつになく元気がない。私は朝になるのを待って病院に連れて行こうと思った。
2007-04-11 11:57:00 -
44:
秋
目が覚めるとやっぱりぷぅの様子はおかしい。 お母さんも気付いてぷぅを病院に連れて行った。すぐ近くの所だったので私は家で待っていた。 30分…… 1時間たっても帰ってこない…。 心配になりそわそわしていたらお母さんだけが帰ってきた。
2007-04-11 12:00:00 -
45:
秋
険しいお母さんの表情を見て嫌な予感がした。
「ぷぅは?」 恐る恐る聞く。
「ぷぅのお腹に石がたまってて、相当な数みたい…。今手術してる。秋、ついといたって。お母さん仕事の時間やから用意できたらまた病院行くから」2007-04-11 12:02:00 -
46:
秋
オロオロしながら動物病院の前についた。 なかなか入れない。
今すぐぷぅに声をかけてあげたいのに足が動かない。現実を目にするのが怖かった。 手術をして助かる確率はわずか20パーセントだった。2007-04-11 12:04:00 -
47:
秋
心臓が破裂しそうなぐらいドクドクしている。 千尋に電話で助けを求めた。
ぷぅの容態や今の状況を混乱しながら伝えた。
千尋はすべて聞き終えてから「秋。しっかりして。ぷぅは強いから大丈夫。20パーセントも確率あるねんで?早く行ったり。ぷぅ待ってるで!!」2007-04-11 12:07:00 -
48:
秋
千尋に背中を押されて私は病院の中に入った。
「ぷぅちゃんの飼い主の方?こちらにどうぞ」 言われるがままについて行った。 そこにはなんとも痛々しいぷぅの姿があった。2007-04-11 12:09:00 -
49:
秋
ぷぅは手術台の真ん中で仰向けになって手足を縛られ、お腹をパックリと開かれていた。
昨日までの元気なぷぅの姿はどこにもなかった。
心臓は動いている。静かな手術室に響き渡る ピッ………ピッ……… と言う音だけがぷぃが生きている証にも思えた。2007-04-11 12:13:00 -
50:
秋
「ぷぅ。頑張って」
涙を流しながら弱々しい声でぷぅに話しかけた。 ピピッ……ピピッ…… 私の声に反応してぷぅの心伯数が上がった。
ぷぅは一生懸命生きようとしている。
私は必死になってぷぅに声をかけ続けた。2007-04-11 12:16:00 -
51:
秋
お母さん、おばぁちゃん、お兄ちゃんが次々と駆け付けてきた。
「ぷぅ〜」「ぷぅちゃん!!」「ぷぅ頑張れ!!」 みんなで必死に呼び掛けた。
お母さんが仕事に行き手術は夜まで続いた。2007-04-11 12:19:00 -
52:
秋
お兄ちゃんが「ぷぅ。絶対帰ってこいよ!!頑張れ!!」
その直後長い手術が終わった。 麻酔が切れかかったぷぅは私達を見て無理して立ち上がろうとする。 足がガクガクなり目はうつろだった。 「キャン!キャン!!」 手術の傷が痛んでぷぅが声を上げる。
「もぉええ。ゆっくりせぇ。頑張ったな」とお兄ちゃんが言った。 ぷぅはクンクン鳴いていた。2007-04-11 12:24:00 -
53:
秋
すると先生が冷静に言った。
「今日は入院してもらいます。今晩が峠ですね。今晩体力が持ってくれれば大丈夫です」
動物病院に泊まる事も出来ず、私とお兄ちゃんは病院を後にした。 帰り道お兄ちゃんと話した。 「ぷぅはすごいな。」「あいつは強いな。」2007-04-11 12:28:00 -
54:
秋
家に帰ってほんの1時間後
プルルルルルル…
家の電話が鳴った。嫌な音に聞こえた。お兄ちゃんが電話に出る。 「はい。……………はい。分かりました」 電話を切ってお兄ちゃんが口を開く。2007-04-11 12:31:00 -
55:
秋
「ぷぅ死んだって。迎えに来てって。」2007-04-11 12:32:00 -
56:
秋
うそや。 信じられへん。 さっきまで鳴いてたやん。 体中の血の気が一気に引いた。
私とお兄ちゃんは病院に向かった。地面を蹴っているのか分からないぐらいフラフラしていた。実感が沸かず涙も出てこなかった。2007-04-11 12:35:00 -
57:
秋
病院についてゲージの中に横たわったぷぅを見て一気に涙が溢れてきた。 冷たい。すでに硬直している。 お兄ちゃんはぷぅを抱き上げてダンボールの中にぷぅを入れた。
私は何もできずただお兄ちゃんのあとをついて行き泣きながら家に帰った。2007-04-11 12:37:00 -
58:
秋
お兄ちゃんはすぐに友達に電話をして「ぷぅ死んでもたわ。頑張ったんやけどな。顔見に来たってくれ」
私は編みかけだったぷぅの小屋に敷くはずの毛糸のマットを途中で終わらせてぷぅの体にかけた。2007-04-11 12:39:00 -
59:
秋
全然温かくならない。ぷぅは冷たいままだった。
2007-04-11 12:40:00 -
60:
秋
ぷぅがいたから毎日寂しくなかった。
5年しか生きられなかったぷぅ。もっといっぱい散歩行きたかったね。
人なつっこくてみんなに好かれてたね。
ぷぅ大好き。今までありがとう。2007-04-11 12:42:00 -
61:
秋
私は動物の死がこんなにも辛いと言う事を知り、しばらく簡単に動物を飼うと言えなくなった。
2007-04-11 12:44:00 -
62:
秋
ヒデとも前と変わらず会っていた。
そんなある日、ヒデの両親が出掛けて帰ってこないと言うのでいつものようにみんなで飲んでいた。この日は晴美も連れて行った。2007-04-11 12:48:00 -
63:
秋
みんなで騒いでいると1人1人帰って行き最終的には私とヒデと晴美の3人だけになった。
私がヒデの事を好きと知っている晴美は「そろそろ私も帰ろ〜っと」と言い、動揺する私に晴美が小声で「頑張って!♪」と言い残して帰って行った。2007-04-11 12:52:00 -
64:
秋
2人になった私とヒデはお互い意識しすぎて顔がこわばっていた。他愛もない話を大袈裟に話した。
外も明るくなってきて「寝よう」と言う事になりギクシャクしながら同じ布団に入った。2007-04-11 12:54:00 -
65:
秋
ガチガチに緊張しながら2人は不自然な流れで初体験をした。
いつまでも言葉が出てこないヒデにしびれをきらし、私が口を開いた。 「秋とヒデって付き合ってるん?」 その言葉を待っていたかのようにヒデが「付き合おっか!!」と言った。 私は大きくうなずいた。 「うん!!」 こうして2人の付き合いが始まった。2007-04-11 12:58:00 -
66:
秋
この日から私はヒデと毎日一緒に過ごした。どちらかの家で寝泊まりし、学校が終わったらすぐ会って、友達と会う時も一緒だったしヒデが行っていた単車の教習所にもついて行った。
2007-04-11 18:50:00 -
67:
秋
私の誕生日にヒデはペアリングをプレゼントしてくれた。
「はいっ」ヒデがニコニコしながら小さい箱を私に差し出した。開けてみると指輪が2つ並んでいた。
道の真ん中で恥ずかしげもなく私はヒデに抱きついた。 「結婚式しよっか」私の提案にヒデは恥ずかしそうに周りをキョロキョロ見渡した。 「指輪の交換や」どんどん進めていく私にヒデは観念したように左手を差し出す。ヒデの左手の薬指に指輪をはめた。 次はヒデの番だ。私の左手を取り、同じ場所に同じ指輪をはめた。
「誓いのちゅうゎ?」催促する私にヒデは軽くキスをした。 道の真ん中で歩きながら私達は小さな小さな結婚式をした。2007-04-11 19:01:00 -
68:
秋
誕生日のあと、クリスマスがあるので私はバイトをする事にした。 ヒデにプレゼントを買う為だ。 バイトの日でも会えるようにヒデの家の近くの居酒屋でバイトを始めた。
ヒデはピザ屋でバイトを始めた。2007-04-11 19:04:00 -
69:
秋
そしてクリスマス。
私はヒデにマフラーをプレゼントした。ヒデは私にネックレスをプレゼントした。 寒い中2人は公園に行った。付き合う前に1つのコートにくるまったあの公園。 あの頃はこんなに幸せな日が来ると思ってなかった。2007-04-11 19:07:00 -
70:
秋
しかし私はその日々が当たり前になっていた。ヒデがいるのが当たり前。私がヒデを好きなのも、ヒデが私を好きなのも当たり前だった。
2007-04-11 19:09:00 -
71:
秋
ある日私は晴美と遊んでいた。外も暗くなってきた頃晴美が目を輝かせながら言った。「秋〜。クラブ行ってみたくない?」 「クラブ??」 「クラブ〜。友達がチケットくれたから行こ!!」 私は興味本意で行く事を決めた。ヒデに言った方がいいと思い電話をかける。
2007-04-11 19:15:00 -
72:
秋
「もしもし?今から晴美とクラブ行ってくる♪」 「はっ?クラブ?絶対ナンパされるやん。行ってほしくない」 私はそんなヒデの言葉より目の前のクラブに行く事の方が大事に思えた。 「ナンパなんか無視するから。どんなとこか行ってみたいだけ!」 「俺があかんって言っても秋は行くんやろ?ほんなら最初から聞くなや」 「行くよ。でも言った方がいいと思って言ったんやん。もー切るよ」 軽くケンカになってモヤモヤした気持ちのままクラブへ向かった。
2007-04-11 19:20:00 -
73:
秋
中に入るとモヤモヤした気持ちが一瞬で吹き飛んだ。大音量の音楽の中、同年代の男の子や派手なメイクをした女の子達が踊ったりお酒を飲んでいたりしていた。
「こんな所があったんや…」 とにかく衝撃を覚えた。2007-04-11 19:24:00 -
74:
秋
晴美の友達らしき人が話しかけてきた。『加奈』と『マッキ』と言う子だった。加奈は細くて金髪でキレイな顔だち、マッキはぽっちゃりしてて銀髪の女の子。2人ともバリバリのギャルだった。
「2人ともうちらみたいなメイクしてギャルになろぉや!!楽しいで♪毎日クラブでバカ騒ぎぃ〜」 加奈とマッキは本当に楽しそうだった。私と晴美は言うまでもなくその日からギャルになった。2007-04-11 19:31:00 -
75:
秋
ヒデはクラブを嫌う人だった。ヒデの心配をよそに私と晴美は化粧をバッチリして髪の毛も金髪にしてセットしてミニスカートを履き厚底ブーツを履いて毎晩のようにクラブで飲んで騒いだ。
2007-04-11 19:35:00 -
76:
秋
そんな日々を繰り返していたある日。ヒデと付き合って9ヶ月が過ぎた頃だった。
いつものようにヒデの家に行くとヒデの様子がおかしい…。明らかに態度が冷たい…。私は今まで味わった事のない不安に襲われた。 恐る恐るヒデに聞いた。2007-04-11 20:46:00 -
77:
秋
「秋の事好き?」
沈黙のあとにヒデが言った。
「……分からん……」2007-04-11 20:47:00 -
78:
秋
私は目の前が真っ白になった。ヒデが私の事を好きじゃない。いつも優しいヒデがとても冷たい目をしている。
私は泣いて叫んだ。
「いやや!!別れたくない!!好きって言ってよ。ちゅうしてよ。お願いやから嫌いにならんといて」 泣きながら訴えてもヒデの意見は変わらなかった。
「好きか分からへん状態で付き合われへん。1回距離おいて考えさして」2007-04-11 20:52:00 -
79:
秋
涙が枯れるほど泣いた。散々ヒデを振り回した結果だった。いつもヒデを不安にしていた私が悪かった。でももう遅い…。
何時間も話して泣いてようやく落ち着いた。
その日は1月。来月はバレンタインデー。もう1度ヒデに告白しようと思い、その日は別れた。2007-04-11 20:54:00 -
80:
秋
それからの1ヶ月間はヒデを振り向かす事に必死になった。 クラブで遊ぶのもやめた。派手なメイクはヒデが「かわいい」と言ってくれたので少し控え目にして続けた。 迷惑にならない程度に連絡も入れた。
そしてバレンタインデー当日。私はヒデの手作りのチョコレートを渡して「もう1回、秋と付き合って」 必死の思いで気持ちを伝えた。2007-04-11 20:59:00 -
81:
秋
答えはすぐに返ってきた。
「うん!」
「………えっ?なんで??」 振られる気がしていた私は一瞬耳を疑った。 「別れてる間考えたけど、やっぱり俺は秋が好きや!!」 前の優しいヒデに戻っていた。私は嬉しくてヒデに抱きついた。 こうして2人の2度目の付き合いが始まった。2007-04-11 21:02:00 -
82:
秋
それから1ヶ月後のホワイトデー。イベント事には必ずプレゼントをくれるヒデが愛しくてたまらなかった。
私はヒデに香水をもらった。私はこの匂いとヒデがいつもつけている香水の匂いが世界で1番好き。2007-04-11 21:05:00 -
83:
秋
春になり私とヒデはよく単車で出掛けた。ヒデといると楽しくて周りのものがキラキラして見えた。
2007-04-11 21:06:00 -
84:
秋
夏になりヒデの友達カップルと海に行く事になった。私とヒデは誰もが認める仲良しカップルだった。
海は冷たくて気持ちよくてひたすらハシャいだ。 疲れているヒデを引っ張って海で泳いだ。 「秋は海好きやな。めっちゃ楽しそうやん」 それはヒデと居るから…と思ったけど恥ずかしかったので言わない事にした。2007-04-11 21:09:00 -
85:
秋
疲れきった2人は砂浜に置いていたゴムボートの上でいつものように体を絡めて寝た。
爆睡していた2人を冷やかす声で目が覚めた。
「イチャイチャしやがって!」 「2人とも焼けて真っ黒やで!!」
お互い顔を見合わせて笑った。 帰って一緒にお風呂に入った。日焼けがヒリヒリ痛む…。私とヒデは笑いながら2人で後悔した。2007-04-11 21:13:00