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エレベーターが止まるまで。
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1:
あい
ホストが好きだった。
どうしようもない背徳感めくるめく甘美な夢。
スリルとドキドキはくりかえし、やりきれない虚無感さえスパイスとなって私を夜の街に駆り立てた。2007-02-05 14:16:00 -
11:
名無しさん
えっ?気になる?
2007-02-08 17:24:00 -
12:
あい
大和「何のむ?」
と、いつもかわされる会話のスタート。
私「ん〜取り敢えずカシオレのみたい。」
大和「おけ。俺ビールもろていい?」
私「あいよー」2007-02-09 01:06:00 -
13:
あい
一応ボトルは卸していたが、最初からそれだけをのんでいると会計が余りにも安くなりすぎるので大体カクテルから始めて値段を調節するのが常だった。
シャンパンを入れて調節出来る程の甲斐性があればいいのだが、内心的にも経済的にも小娘には分不相応な気がして、基本的には義理のあるときかイベントのときしかシャンパンは卸さなかった。2007-02-09 01:13:00 -
14:
あい
「乾杯!」
いつもかわることのないこんな流れが好きだった。
しかし、それは過去を振り返れるいまだからこそ言えることで当時は全く何も思いもしなかった。
ただただホストクラブの淫靡なイメージに酔いどれていた。時間と金を垂れ流していることにさえ無頓着でいた。2007-02-09 01:18:00 -
15:
あい
その日は既に泥酔していたので、普段にはないくらい大和にしなだれかかった。
「あんなー、わたしなー、めっちゃたのしくてなー、ホストさいこーマジアゲアゲー」
日本語の崩壊である。もはやその会話の中には伝えたいことすら存在していなかったように思う。2007-02-09 01:35:00 -
16:
あい
そんな私の下らない話にも、大和は八重歯をみせて笑う。
「まじで?お前まじおもろいな!」
さりげなく肩を叩き、私の話に聞き入る風にまた目をのぞきこむ。
長めの前髪から、黒目がちで意志の強そうな目がすける。2007-02-09 01:41:00 -
17:
あい
下からみつめあげるようなその目が好きだった。
更には、笑ったときに、一瞬その目がクシャッと崩れるギャップ。
大好きだった。2007-02-09 01:46:00 -
18:
由香
色々な小説を読んだけど主さんが書く文章のけだるい色気が大好き?頑張ってね
2007-02-09 02:24:00 -
19:
あい
大袈裟な身振り手振りに表情が重なって、大和の長い睫が揺れる。
正直、大和は割とアホな子だったので話の内容を深く追うより、会話している雰囲気を楽しむことが多かった。
大和のオーバーリアクションと表情の変化を観察してはお酒を一口。2007-02-09 03:18:00 -
20:
あい
時々、矛盾を感じさせるような頭の悪い話や、要領の悪い嘘を話す大和を見ながら、口の右端を少しあげて煙草を一ふかし。
そういった突っ込みどころの満載さが憎めなかった。
例えあの不器用な会話が計算だとしても、アカデミー賞ばりに私を楽しませてくれたそれには、十分に価値があった。2007-02-09 03:26:00