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エレベーターが止まるまで。

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  • 1:

    あい

    ホストが好きだった。
    どうしようもない背徳感めくるめく甘美な夢。

    スリルとドキドキはくりかえし、やりきれない虚無感さえスパイスとなって私を夜の街に駆り立てた。

    2007-02-05 14:16:00
  • 2:

    あい

    その日は店に行く前から友達達とのんでいたので既にかなり出来上がっていた。

    酔いがまわり深夜になるにつれてもう体中がソワソワして落ち着かなかった。

    ━ホストに行きたい━

    2007-02-05 14:19:00
  • 3:

    あい

    酔っ払い・夜のミナミ・深夜。
    この3条件を携えて私がホストに行くことを我慢することなんてありえなかった。

    あいたいあいたいあいたい。
    その言葉を舌の奥で転がした次の瞬間には友達の輪を抜け出していた。

    2007-02-05 14:22:00
  • 4:

    あい

    私「ごめ、ちょっとホストいってくる!血が騒いでまじ我慢ならん!」

    友人A「相変わらずやなぁ〜気をつけていってきーやー☆もしなんかあったらいつでも連絡しぃな」
    幼稚園からの付き合いの友人は私のトリッキーな行動なんて慣れっこで、ゲラゲラ笑う。
    もう一人の友人はカラオケを熱唱していて気にもとめない。

    2007-02-05 14:26:00
  • 5:

    あい

    私は、どう好意的にみたとしても大概頭がおかしいので付き合いが長い友人は私が多少既知の外をなしてたとしても、そうそう驚かなかった。

    2007-02-05 14:30:00
  • 6:

    あい

    そして私は今からいくよコールを担当にするや否や電話をブチ切りして八幡筋を駆け抜けた。

    不二家のペコちゃんの角を曲がる。その刹那、アドレナリンは大放出になる。

    イヤホーほすとほすと!と鼻歌交じりな私は、明らかに酒に脳みそがつかっていた。

    2007-02-05 14:38:00
  • 7:

    あい

    「ついたよ」「おーむかえにいくわー」

    いつものやりとり。

    エレベーターの下で焦燥感を押さえつつ、担当(大和)を待つ

    2007-02-05 15:14:00
  • 8:

    あい

    エレベーターの階数が私に近付いてくる。
    2・・1・・チーン。

    エレベーターが開くと、満面の笑みを浮かべる大和が私の手を引く。
    「待ってたで♪2日ぶり!ワラ」

    2007-02-05 15:22:00
  • 9:

    あい

    そして二人でエレベーターに乗り込む。

    店に着くまでのこの一時は何度行っても慣れなくてドキドキした。

    チラリと横目で大和をさぐる。細いstripeの入ったスーツ。極限まで盛った金髪。整った顔の肌の黒さが、明るい所では尚、際立った。

    2007-02-05 15:28:00
  • 10:

    あい

    店のドアをあけてもらい、足を踏み込む。

    【いーらっしゃいやせー】
    威勢のいい掛け声に包まれながら、奥のボックス席に腰を沈めた。

    2007-02-05 15:35:00
  • 11:

    名無しさん

    えっ?気になる?

    2007-02-08 17:24:00
  • 12:

    あい

    大和「何のむ?」
    と、いつもかわされる会話のスタート。
    私「ん〜取り敢えずカシオレのみたい。」
    大和「おけ。俺ビールもろていい?」
    私「あいよー」

    2007-02-09 01:06:00
  • 13:

    あい

    一応ボトルは卸していたが、最初からそれだけをのんでいると会計が余りにも安くなりすぎるので大体カクテルから始めて値段を調節するのが常だった。

    シャンパンを入れて調節出来る程の甲斐性があればいいのだが、内心的にも経済的にも小娘には分不相応な気がして、基本的には義理のあるときかイベントのときしかシャンパンは卸さなかった。

    2007-02-09 01:13:00
  • 14:

    あい

    「乾杯!」
    いつもかわることのないこんな流れが好きだった。

    しかし、それは過去を振り返れるいまだからこそ言えることで当時は全く何も思いもしなかった。
    ただただホストクラブの淫靡なイメージに酔いどれていた。時間と金を垂れ流していることにさえ無頓着でいた。

    2007-02-09 01:18:00
  • 15:

    あい

    その日は既に泥酔していたので、普段にはないくらい大和にしなだれかかった。
    「あんなー、わたしなー、めっちゃたのしくてなー、ホストさいこーマジアゲアゲー」

    日本語の崩壊である。もはやその会話の中には伝えたいことすら存在していなかったように思う。

    2007-02-09 01:35:00
  • 16:

    あい

    そんな私の下らない話にも、大和は八重歯をみせて笑う。
    「まじで?お前まじおもろいな!」

    さりげなく肩を叩き、私の話に聞き入る風にまた目をのぞきこむ。
    長めの前髪から、黒目がちで意志の強そうな目がすける。

    2007-02-09 01:41:00
  • 17:

    あい

    下からみつめあげるようなその目が好きだった。
    更には、笑ったときに、一瞬その目がクシャッと崩れるギャップ。


    大好きだった。

    2007-02-09 01:46:00
  • 18:

    由香

    色々な小説を読んだけど主さんが書く文章のけだるい色気が大好き?頑張ってね

    2007-02-09 02:24:00
  • 19:

    あい

    大袈裟な身振り手振りに表情が重なって、大和の長い睫が揺れる。

    正直、大和は割とアホな子だったので話の内容を深く追うより、会話している雰囲気を楽しむことが多かった。

    大和のオーバーリアクションと表情の変化を観察してはお酒を一口。

    2007-02-09 03:18:00
  • 20:

    あい

    時々、矛盾を感じさせるような頭の悪い話や、要領の悪い嘘を話す大和を見ながら、口の右端を少しあげて煙草を一ふかし。


    そういった突っ込みどころの満載さが憎めなかった。
    例えあの不器用な会話が計算だとしても、アカデミー賞ばりに私を楽しませてくれたそれには、十分に価値があった。

    2007-02-09 03:26:00
  • 21:

    あい

    午前五時をまわると店も賑わいを増していく。

    大和のお客さんがまたひとり来店した。

    被ってるテーブルは3つ。

    2007-02-09 06:09:00
  • 22:

    あい

    大和「ちょ、ごめん。いってくるわ!」

    と言葉を残したまま、大和は席まわりをはじめたので、私は大勢の中での一人の時間を楽しんでいた。

    ヘルプの言葉には適当に相槌をうちながら、今、自分がいるホストクラブという空間に身をゆだねて物思いに耽った。

    2007-02-09 06:16:00
  • 23:

    あい

    店内は爆音の音楽が溢れている。

    [笑っていれば適当に過ぎてく毎日だけれど、とりまいてる現実を避けてるだけなのかもね]
    聴くだけであのときを思い出すフライミーソーハイ。
    狂ったような陽気さでリアルな現状を歌うそれは、私を含めた客全員、否、ホスト達さえまでをも揶揄するかのようだった。

    2007-02-09 06:29:00
  • 24:

    あい

    店の中央には大きな円柱の電灯があり、淡いブルーの光を放っている。

    ぼうっとした虚ろな光の奥に焦点の定めどころをさがしながら、又煙草を口につける。

    騒がしい店内には一切関与していないかの如く、私はただただゆったりと時間を揺らした。

    2007-02-09 06:35:00
  • 25:

    名無しさん

    ?

    2007-02-16 00:49:00
  • 26:

    あい

    黄昏遊びも飽きてきて、店内を見渡し大和の姿をさがした。

    大和はちょうど斜め前の席で接客中だった。

    接客されている女は安キャバにいそうなギャルだった。

    2007-02-17 03:20:00
  • 27:

    あい

    自分の中でいやらしい感情が渦巻く。

    《勝ってるよな》

    そんな考えもちな時点で低俗である自分には敢えて気付かないふりをする。

    2007-02-17 03:24:00
  • 28:

    あい

    多分、大和はそのギャルに色営なんだろうなと感じ取れた。

    【需要と供給】

    ホストは商品である。

    2007-02-17 03:29:00
  • 29:

    あい

    ギャルの目は、大和に対して抱く明らかな恋愛感情を物語っていた。

    そして出来る範囲で大和もそれに答えているのであろうことが読み取れた。

    不必要な程、至近距離で話す二人が視界の隅にちらつくのが不快にかんじられた。

    2007-02-17 03:33:00
  • 30:

    あい

    見たくない。

    ━━━けれども見てしまう━━━。

    葛藤する自分。そんな己の器の小さささえも苦痛だった。

    2007-02-17 03:36:00
  • 31:

    あい

    嬉しそうに手を握るギャル。

    ああもう嫌だ嫌だ。こんなものが見たくてホストクラブにきているわけじゃない。

    2007-02-17 03:42:00
  • 32:

    あい

    強がりな私は口では惚れた腫れただの恥ずかしくて、とても言えなかった。

    だからこそ、素直に愛情表現できるギャルが羨ましくもあり、妬ましかった。

    2007-02-17 03:46:00
  • 33:

    あい

    【友営が一番】

    よく耳にするような常套句。

    私の口が勝手に紡ぐその言葉は、本音である訳がなかった。

    2007-02-17 03:49:00
  • 34:

    あい

    物分かりがいいふりだって疲れる。

    そんなポーズで保てるのは自分のプライドだけだった。

    ほんとは私だってもっとメールしたい。電話したい。もっと私を見て。特別でいたい。プラベだって欲しい。甘えたい。触れたい。もっと側にきて欲しい。抱きしめられたい。

    2007-02-17 03:55:00
  • 35:

    あい

    そんなこといえるはずがない。求められる立場でさえない。

    加えて言った瞬間に自分が崩れてしまうことは容易に想像できた。

    2007-02-17 04:01:00
  • 36:

    あい

    私がそんな自分を許せる筈がない。絶対に見たくない。

    溢れ出そうな言葉達はお酒の力と冗談でしばしば漏れることはあれども、いつでも潜在意識の奥に抑圧的に閉じ込めた。

    ━━━お願いだから、無様な言葉を吐かないで━━━。

    2007-02-17 04:07:00
  • 37:

    あい

    私は私に懇願した。

    それは大和の為だけなんかじゃない。

    私のエゴでもあった。否、寧ろナルシスティックなエゴのみでしかなかったのかもしれない。

    2007-02-17 04:11:00
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