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BAD TRIP
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1:
薫◆PJECfxpafU
夢を見ていた…。
暗い闇の中で蹲って、温かい波に揺られる夢を…。
辺りには何も見えない。
けれど、その水の中はどこか懐かしくて…心地いい。2007-01-25 02:23:00 -
101:
薫◆PJECfxpafU
ふっ…と智也の手が緩み、俺から離れた。
「泣くなよ。」
俺は黙って涙を拭いた。2007-01-29 18:28:00 -
102:
薫◆PJECfxpafU
「とにかく、もう一度手分けして捜そう。見付かったら俺も連絡するから。」
「うん。」
智也は冷静だった。
足早にその場を去ろうとした智也が、ふと足を止めた。2007-01-29 18:31:00 -
103:
薫◆PJECfxpafU
「本当は、俺だって薫さんが悪いわけじゃないって分かってるんだ。薫さんも辛い思いしてる事も。」
智也はギュッと拳を握り締めた。
「まりあ、いつも幸せだって笑ってた。薫さんと純がいるから幸せなんだって。だから、俺は安心して薫さんにまりあを任せることができた。きっと俺じゃあんな風にまりあを笑わせることは出来ない。」
泣いてる…?2007-01-29 18:43:00 -
104:
薫◆PJECfxpafU
智也はゴシゴシと顔を擦って振り返った。
「だから、まりあと純が無事に帰って来たら本当に幸せを守ってやってくれよな。じゃないと俺、薫さんのこと許さないから。」
ニカッと智也が笑った。
「じゃ、俺あっちを捜すから。見付かったら連絡するよ。」
サッと右手を上げて智也はまた俺に背を向けて走り出した。2007-01-29 18:48:00 -
105:
薫◆PJECfxpafU
「ありがとう!」
俺はその背中に向かって叫んだ。
まりあは本当にいい幼馴染みを持ったなと、微笑ましいと同時に有難かった。
さぁ、俺も捜しに行かないと。こんな所で立ち止まってる場合じゃない。2007-01-29 18:52:00 -
106:
薫◆PJECfxpafU
もう一度俺は走り出した。
まりあと純の為、そして二人のことを想ってくれる皆の為に。2007-01-29 21:43:00 -
107:
薫◆PJECfxpafU
捜索は深夜に及んだ。
こんなに捜しても二人は見つからない。
もちろん、誰からも見付かったと連絡はなかった。
やっぱり誘拐なのか?2007-01-29 21:46:00 -
108:
薫◆PJECfxpafU
けれど、これで警察は事件として公開で捜査してくれるだろうと、内心少しホッとした。
とにかくまりあと純が無事ならそれでいい。
俺はそれだけを強く願いながら警察署へ向かった。2007-01-30 12:56:00 -
109:
薫◆PJECfxpafU
体はもうピークを越えていた。
警察署までは此処から約10分。
俺が重い体を引きずるようにさっきの公園を通り過ぎようとしたその時だった。2007-01-30 12:59:00 -
110:
薫◆PJECfxpafU
ガツンッ!!
2007-01-30 13:00:00