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干物女

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  • 1:

    飛鳥

    私は干物女。名前は飛鳥。22歳。無職歴半年。毎日家でぐーたら。同棲中の彼氏とモコっていう犬と暮らしてる。

    2006-12-08 00:32:00
  • 196:

    飛鳥

    また明日続き書きます?

    2006-12-26 06:08:00
  • 197:

    飛鳥

    家に着いたあたしは、まだ夢の中にいるようだった。『隆君が好きだ‥』あたしの中の気持ちは大きく膨らんでいた。携帯に手を伸ばす。あたしはダメだと分かっていながらも、隆君にメールを送った。『あたし、隆君の事好き。付き合ってほしいです。』これだけ打つのに30分かかった。送信。メールを送ってすぐに電話が鳴った。『着信 隆君』あたしは一瞬固まってしまったが、通話ボタンを押した。「はっ‥はい!」緊張しすぎてどもる。「メール見たよ!ありがと♪」「うん。」もうダメだ‥緊張のせいでちゃんと喋れない。沈黙になる。すると隆君が沈黙を破った。「飛鳥‥誰にも内緒で付き合える?」

    2006-12-27 00:56:00
  • 198:

    飛鳥

    『?!』誰にも内緒で?あたしは状況が読めなくて、「内緒?」と聞いた。「うん。内緒♪家族にも内緒。誰にも言わないで付き合うの。それでもいい?」あたしは頭の中でいろいろ考えた。彼女がいるから?二股かける気だから?2番目って事?ぐちゃぐちゃなあたしの頭。「なんで?嫌だ!なんで付き合ってる事誰にも言っちゃダメなの?!」あたしは隆君が、何を考えてるか分からなかった。隆君は「そっか‥」と言うと「また連絡するね」と電話を切った。「断るなら、そんな期待させるような事しないでよ‥」あたしは1人失恋に泣いた。15歳になる前の秋だった。

    2006-12-27 01:05:00
  • 199:

    飛鳥

    その後、隆君からの電話が減った。あたしからも気まずくてあんまり電話をしなくなった。この日は久しぶりにお兄さんからの連絡があって、お兄さんの家に遊びにきていた。ストローをくるくるすると、レモンティーの中の氷が『カチャッ』となった。「ふーん。でっ?飛鳥は嫌だって言ったんだ?」お兄さんの声。この間の事を相談していた。「うん。だって二股とか嫌なんだもん。」あたしはストローで氷をつつく。「隆は彼女ととっくに別れたよ」あたしは踏みつけられた蛙のような顔で、お兄さんの顔を見た。

    2006-12-27 01:15:00
  • 200:

    飛鳥

    「え?それ本当?!」「うん。多分飛鳥ちゃんのその話のちょっと前かな?」あたしは固まった。「じゃあなんで?なんで隆君は内緒で付き合おうとか言うの?」意味がわからない。内緒にする理由も見当たらない。「隆は、付き合う時にそれを絶対相手の子に聞くみたいだよ。」お兄さんの話によると、隆君は仕事上あまり派手な付き合いができない。だから、女の子も我慢する事が増える。それを耐えれなくて女の子は隆君から離れていってしまう。だから最初に内緒にできるか聞いて、女の子の覚悟を試す‥。あたしはその試験?に落ちた。

    2006-12-27 01:25:00
  • 201:

    飛鳥

    「もっと早くに俺に相談しとけば‥」お兄さんの声が頭の中でこだまする。あたしは自分で自分のチャンスを捨てていた。『もう1度チャンスを作るしかない!』あたしはこの日決心した。お兄さんには「多分‥言いにくいけど‥もう無理だと思うよ‥?」と言われた。だけどあたしは諦められなかった。最初はテレビの中の隆君が好きだった。出会った隆君は、意地悪で性格も良くなくて‥けれどテレビとは全然違う良い所もいっぱいあって‥。もう1人の人間として大好きになっていた。

    2006-12-27 01:36:00
  • 202:

    飛鳥

    それからは自分から隆君に連絡をするようになっていた。この頃のあたしは隆君からしたら少しウザかったと思う。けれどあたしには他に考えが浮かばなかった。子供だった。一緒に遊んだ日は『好き』をアピールした。けれど隆君の中では、あたしを1人の女性として見てくれる事は無かった。

    2006-12-27 01:41:00
  • 203:

    飛鳥

    それが分かったのはあたしが中学を卒業して、水商売を始めた時。仕事で酔っぱらっていたあたしは、いつものように隆君にしょうもないメールを送った。『仕事終わったぁ☆今日は美容院で頭セットしてもらった(*^^*)見せたかったなぁ♪』多分こんなメールだったと思う。しばらくして入ってきたメールは隆君の携帯からだったが、隆君からではなかった。『題名 隆の彼女です。』あたしはメールを開いた。『飛鳥ちゃんと隆が友達なのは知ってます。あたしと隆は付き合っています。隆と連絡とるのやめてもらえますか?』こんな内容で長文が送られてきた。あたしは酔いが一気に覚めて、『分かった。』とだけ返事を送った。その彼女は、隆君が昔から好きだと噂があった女の子だった。もうあたしには勝ち目はなかった。

    2006-12-27 02:59:00
  • 204:

    飛鳥

    その子と付き合ったらしい時期に、隆君は芸能界を引退していた。あたしはもう隆君の眼中には無いと思った。電話が鳴る。『着信 隆君』電話に出る。「さっきはごめんね♪」いつも通りの隆君。「大丈夫なの?」「うん。さっきの気にしないでね♪」どうやら彼女が勝手に携帯を見て送ったらしい。けどなんでそんなフォローするの?大切な彼女がいるなら、あたしなんてどうでもいいじゃない‥。あたしは悲しくなった。「ねぇ‥今から会える?」

    2006-12-27 03:06:00
  • 205:

    飛鳥

    欲望に負けた。「おじゃましま〜す♪」隆君はあたしの部屋をキョロキョロ見渡し、「豹柄好きなの?女の子の部屋って感じ♪」と、ソファーに座った。「頭!!かわいいね♪」「セット行ったから‥」あたしが言い終わらないうちに、隆君はある物を発見した。「男物の服があるッ♪」指差しながらこっちを見る。転がり込んでいたTの服だった。「たまにうちに泊まりに来る子の服。」あたしは買ってきた飲み物をコップにいれながら言う。

    2006-12-27 03:18:00
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