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干物女

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  • 1:

    飛鳥

    私は干物女。名前は飛鳥。22歳。無職歴半年。毎日家でぐーたら。同棲中の彼氏とモコっていう犬と暮らしてる。

    2006-12-08 00:32:00
  • 2:

    飛鳥

    半年前までは仕事してたよ?水商売も中途半端にしかできなかった。お客さんとの営業メールに電話。大嫌い。だからあたしは風俗嬢になったの。仕事以外の時間を縛られないから。でも結局めんどくさがりなあたしは出勤も適当。クビにしなかった店長に感謝☆だらだらと風俗を3年くらい続けてたあたしを拾ったのが今の彼氏。

    2006-12-08 00:38:00
  • 3:

    飛鳥

    物好きもいるもんだね。あたしの何処が良かったのか?何を気に入ってくれたのか?だって風俗してるんだよ?金目当てか?けど残念☆あたし浪費家だから1円も貯金ないし♪騙そうとしてるなら時間の無駄だよ〜。な〜んてあたしの考えを知ってか知らずか‥。彼はあたしとの同棲の家を借りた。

    2006-12-08 00:44:00
  • 4:

    飛鳥

    ここでちょっとあたしの風俗時代のお話。別にものすごく売れてた訳じゃない。並の上ぐらいかな?一応出勤すれば予約が埋まってた。他の女の子みたいに恋人接客とか色恋接客なんてダルくて無理。あたしの接客は普段と変わらないのが売り。だったらしい…。中には好きだとか言うお客さんもいたけど、あまりにもあたしがさばさばしてるから切れるのも早かった。

    2006-12-08 00:53:00
  • 5:

    飛鳥

    1人目は森さん(仮名)38歳既婚者。職業金融屋。あたしの事をすごくかわいがってくれてた。店以外で会うのを強制された事は無い。いつもチップとして10万以上置いてってくれる。週1は絶対来てくれる人。

    2006-12-08 01:06:00
  • 6:

    飛鳥

    2人目は北山さん。48歳未婚者。職業飲食店経営。この人は頼めばお金をくれる、なんでも買ってくれる良い人。結婚の話を出された事もあったけど、最後まで良い人でした。

    2006-12-08 01:09:00
  • 7:

    飛鳥

    3人目は棚橋さん。40歳未婚者。職業インターネット関係の会社の社長らしい。自慢話ばっかであたしは嫌いでした。けどお金は持ってたから、ある程度のワガママは聞いた。月に5〜60万ぐらいもらってた。

    2006-12-08 01:14:00
  • 8:

    飛鳥

    こんな感じでお金には困らなかった。で、そのお金は何処に消えたの…?貯金無いんでしょ…?あほじゃないの…?って思われてもしょーがない。その時のあたしはブランド物買いあさって、飲み屋(ホスト)で豪遊してました。ヒモ男もいました。だって寂しいんだもん。別にそんな事したから寂しくない訳じゃないけど、気持ちは紛れる!!寂しい女でした。

    2006-12-08 01:18:00
  • 9:

    飛鳥

    だから駄目な男に惚れる女の気持ちは分かる。…つもり。ホストで豪遊する子の気持ちも分かる。…つもり。けど、どっちも似たような感情なんだよね!女の母性本能をくすぐるってゆうかさ。ヒモ男を見て「あたしが何とかしてあげなきゃっ!」とか、ホストに頼まれて「じゃあドンペリいれるね!」とかさ。あたしがしてあげなきゃって思う訳よ。

    2006-12-08 01:24:00
  • 10:

    飛鳥

    けどね、一時的な感情に過ぎないんだよね。ヒモ男に関しては月日が過ぎると「なんでこんな男に貢いでんだ?ってか何でここに住んでんの?こいつ。」ってなってくる。生活を共にすると、キラキラしてたものが無くなってくる。そしてウザくなる。何もしないでダラダラされるのに文句が出て喧嘩になる。あ〜ぁ。うっとおしい。

    2006-12-08 01:29:00
  • 11:

    飛鳥

    ホストだって同じ。ドンペリをおろした時はチヤホヤされて嬉しいし楽しい。けど朝になって帰る時って、社会人の出勤時間だったり学生の登校時間だったりする訳よ。そこで現実に戻ってしまう。「使いすぎちゃったな。」とかさ。そんな時にアフターの約束なんかしてみなよ。店の中ではかっこよく見えたホストも、明るい所で見たら顔色悪いおっさんだよ?ゾンビかよって。

    2006-12-08 01:35:00
  • 12:

    飛鳥

    けどあたしは寂しい女だから、同じ失敗を繰り返す。酔っぱらいすぎて、目が覚めたらホテルで横には「あ〜ぁ。昨日いたな。」ってぐらいしか分からないホストだったりアホ男。だからあたしはコッソリ起こさないように服を着て荷物をまとめる。煙草を1本吸ってフロントに電話。「1人帰ります」

    2006-12-08 01:40:00
  • 13:

    飛鳥

    多分ってか絶対にこれ読んでくれてる人はあたしの事「ヤリマン」だと思ってると思う。実際に友達にも注意?警告?された事もあるしね。寂しいから男と寝る。それもあるけど、あたしはエッチが好きなんだもん。この世の中にエッチが無くなったら困るし。誰でも良い訳じゃないけど、あたしからしたらショッピングが好き!お洒落が好き!っていう女の子達と同じ感覚なんだよね。

    2006-12-08 01:50:00
  • 14:

    飛鳥

    話はそれちゃったけど、とりあえずストレス発散にお金を使ってた訳です。貯めときゃよかったなぁって思う事もあるけど、そこまで後悔は無いかな。楽しかったし。で、そんな時にあたしの前に現れたのが今の彼氏。彼の事は前から知ってたし気になってた。まさか付き合うなんて思っても無かったけどね。

    2006-12-08 02:00:00
  • 15:

    飛鳥

    彼と付き合う事になった経緯はまたあとで書くね。とりあえず一緒に住む事になった。あたしは仕事を辞めた。今まで住んでたマンションを引き払う時に買いあさってたブランド物の鞄・服・アクセ・時計とかぜ〜んぶ捨てた。1LDKのマンションだったんだけど、彼の家に運んだ荷物は段ボール3つ分くらい。ほんとに全部捨てちゃった。

    2006-12-08 02:07:00
  • 16:

    飛鳥

    「質に入れたり、リサイクルショップ行ったらよかったのに」とか友達に言われたけど、捨てる事によってスッキリしたんだよね。新しい生活が始まる訳だから、下着も全部新しいのにしたし、服もとりあえず着れるのしか持って行かなかった。1からの生活に初めての同棲でもないのにドキドキしてたんだ。

    2006-12-08 02:13:00
  • 17:

    飛鳥

    彼との初めてのお買い物。生活用品買ったり、お揃いの食器に部屋着に…いろんな物を買った。1つ不満だったのが部屋の家具とかを彼が勝手に決めてた事。あたしと選びに行くって選択は無かったのか〜?まっ、同棲初日にそんな喧嘩もしたくないから言わなかったけどね。そして同棲がスタート!!

    2006-12-08 02:21:00
  • 18:

    飛鳥です。

    誰も読んでくれてないかな?まぁしかたないか?ちょっと疲れたので続きはまた書きます?

    2006-12-08 02:23:00
  • 19:

    名無しさん

    今読んだんやけど、そのブランド物くれぇ〜ってなったり?笑。完結頑張って

    2006-12-08 02:33:00
  • 20:

    飛鳥です。

    ↑読んでる人いた?ありがとうございます?ブランド物使ってないやつも結構あったんでほんともったいない事しました???

    2006-12-08 03:03:00
  • 21:

    飛鳥

    またまたあたしの昔話。お金に執着を持ちだしたのは中学1年の頃。この頃の女の子ってメイクやファッションに興味を持ち始める。あたしもピアスを開けたり、髪の毛染めたり、眉毛を細くしたりしてた。安室ちゃんが流行ってたんだよね。この頃。安室ちゃんには程遠かったけど(笑)けど、何をするのにもお金がかかる。万引きなんかもしてたけど、それも限界がある。

    2006-12-08 03:12:00
  • 22:

    飛鳥

    そこで思いついたのが、母&父の財布!これは誰もが経験あるハズ!(きっと…)期待をして母の財布を見る…。五千円…。「ちっ。シケてんなぁ〜」なんて思いながら抜くのはやめとく。次は父の財布…。八万二千円…。「とりあえず二万ぐらい抜いとくか。」なんてちょこちょこ抜いてた。父はお金に疎くて結局最後まで気付かなかった。けど本当は気付いてたのかな?

    2006-12-08 03:18:00
  • 23:

    飛鳥

    お金で買えない物なんか無い!って思ってたよ。けど、どんどん欲って出てくるもんだね。そんなんじゃ足りなくなる。欲しいものは増えるけどお金は増えない。そんな時に出会ったのがソックスおじさん。(笑)最初に声かけられてしばらくお世話になったおじさん。最初は「靴下売ってほしい」って言われて、友達と「きも〜」なんて言ってたんだけど、1足一万で買ってくれるバブリーな人だった。

    2006-12-08 03:26:00
  • 24:

    飛鳥です。

    また明日続き書きます?
    おやすみなさい?

    2006-12-08 03:27:00
  • 25:

    名無しさん

    なんか気になる?頑張ってね

    2006-12-08 06:45:00
  • 26:

    飛鳥です。

    寝れないので更新します?↑ありがとです?完結できるように頑張ります?

    2006-12-08 07:16:00
  • 27:

    飛鳥

    そんなバブリーなソックスおじさん。仲良くなったら友達連れてきた。(笑)その友達のおじさん(2号)は代わりの靴下を用意してくれてた。「きっとこの人の家は靴下でいっぱいなんだろうなぁ」なんて考えながらも、財布の中身があったかくなるのが嬉しかった。結局ソックスおじさんは中学の3年間お世話になったけど、最後には6人の団体になってた。(汗)今でも誰かの靴下を売ってもらってるのか…?

    2006-12-08 07:26:00
  • 28:

    飛鳥

    他にも中学時代のあたしのお金に対する欲を埋めてくれる人がいた。図書券おじさん。この人は無意味に図書券や金券をくれるから、それを持って金券ショップへ…。オナニーさん。車でオナニーしてるのを見てたら二万ぐらいくれる人。変な人いっぱいいたな。この時にはお金に対しての執着心があったけど、まだあたしは中学生。遊びっていってもショボかったし、なんといっても若いからコンビニで友達と一晩中語るなんて普通にできた。

    2006-12-08 07:37:00
  • 29:

    飛鳥

    ちなみに今の彼氏は風俗はもちろん水商売も大嫌い。男の人と対での仕事は許せないらしい。確に嫌だっていう男性は多いと思うけど、過保護なんです。なんか箱入り娘になった気分。大事にされてるのかしら♪なんて。けど束縛する人って自分がやましい事があるからっていうよね〜…。

    2006-12-08 08:13:00
  • 30:

    飛鳥

    それにしてもほんっっとあたしは飽き性だわ。(笑)お固い店だったっていうのもあるかも知れないけど、3ヶ月も過ぎると店に行くのも憂鬱。お客さんと同伴・アフターももちろん、電話もメールですら面倒臭い。そんなあたしはお店を辞めた。もっと軽い感じのキャバクラを探そう!!とか甘い考えをしながらお店探し♪見つけたのは前よか給料は安くなるけど、未成年ばっかりのお店。

    2006-12-08 08:20:00
  • 31:

    飛鳥

    そこのお店は14歳〜20歳までの子ばっかだった。実際お客さんも未成年って知ってたと思う。だってね、どんだけ大人っぽいメイクしてちゃんとした服装しても、話してる内容が子供だもん。けどそんな雰囲気があたしは好きだった。前いた店みたいに堅苦しくないし、ゆるゆる加減があたしっぽかった。若かった分先輩・後輩は厳しかったけど、それなりに楽しかったなぁ。

    2006-12-08 08:27:00
  • 32:

    飛鳥

    そんなあたしが店の先輩に連れて行かれたのが、ホストクラブ!!どっちかというと、パブ?みたいな感じ。料金もフリータイム五千円とかで、そこにボトル料金とサービス料10%がついてくる…だったと思う。初めて入るホストクラブ。多少ドキドキしたけど、緊張はなかった。そして対して面白くもなかった。(笑)残念だけどそこの良いお客さんにはなれませんでした。(笑)

    2006-12-08 08:35:00
  • 33:

    飛鳥

    そんなある日、道端で声をかけてきた子がいた。基本キャッチとかスカウトはあたしの眼中に無い。けどこの日は働いてたキャバクラの店長と喧嘩して、店を飛び出してきてた。イライラしながら帰り道を歩いてる時だった。声をかけてきたのは猫顔の21歳のT君。機嫌の悪かったあたしは「ホスト興味ない」って言ったんだけど、どこまでもついてくるからしゃ〜なしで名刺だけもらった。

    2006-12-09 22:19:00
  • 34:

    飛鳥

    その頃のあたしにはホストのお客さんがいた。今じゃあ全国的に有名なお店の子だったんだけど、あたしにあほほど貢いでた。その子はY君っていうんだけど、売れてたのかは謎。けど毎週休みになると来てくれて、いつもシャンパンやボトルをおろしてくれてた。そのY君にホストの事を色々教えてもらってた。給料の事や売掛の事。役職についててもお金を持ってるか持ってないかはピンキリだって事。

    2006-12-09 22:35:00
  • 35:

    飛鳥

    話を聞いてると、あたしの出会ったT君はお金があまり稼げてないっぽかった。その頃には、仕事が終わってからT君の店に行って、愚痴を聞いてもらうっていうのが日課になっていた。あたしは売り上げも結構あったから、お金に余裕があった。そして気付いたらT君の色恋にハマッてた。

    2006-12-09 22:39:00
  • 36:

    飛鳥

    T君は寮を出たがってた。あたしは実家だったのに、ある日T君は荷物をもって家に来た。「泊めて〜」って…その荷物は何?ん?T君。お泊まりセットにしては大きすぎない?その鞄。あたしの疑問を無視してT君はあたしんちに住み着いた。T君はお金が無かった。大きな借金もあるって事を、後にT君が蒸発してからいろんな人から聞いた。一緒に住んでる間、お金を要求される事がちょくちょくあった。

    2006-12-09 22:46:00
  • 37:

    飛鳥

    だけどT君は、一緒に住んでるあたしを抱く事は無かった。枕の話も人から聞いたし、帰ってこない日もあった。あたしはセフレが何人かいたし体の欲求は満たされてた。T君は帰ってきたらあたしを腕枕しながら寝る。そして出掛ける前にお金をせびる。この頃からあたしは男に依存しはじめた。「あたしがなんとかしてあげなくっちゃ」なんて思うようになってた。

    2006-12-09 22:57:00
  • 38:

    飛鳥

    今思えば、ヒモ体質の男に魅力を感じるようになったのはこの時だと思う。そんなかわいそうで頑張ってる自分に酔ってた。今までに付き合った彼氏もいたけど、あたしは最低な事をしてきたと思う。欲しい物買ってもらってポイ。飽きたらポイポ〜イ。「死んでやる」なんて言われた事もある。けどあたしはまったく動じず「勝手に死ねば?」なんて言ったっけ。絶対相手の奴は「少しぐらい止めろよ。」って思ってたはず…。

    2006-12-10 01:56:00
  • 39:

    飛鳥

    そんなあたしでも、その時すごく好きになった人が1人だけいた。その男の子はあまりにも遠い存在だった。デートでドライブもした。ホテルでエッチもした。食事に行ったりもしたけど、全てコソコソした隠れた付き合いだった。相手は芸能人だった…。付き合うなんてできなくて、でも大好きだったから、少しでも一緒にいれる事が嬉しかったな。その男の子は優しいのか残酷なのか、あたしを振るなんて事はしなかった。

    2006-12-10 02:02:00
  • 40:

    飛鳥

    その男の子とは今は良い友達。そんな事もあってか、あたしは下手で貢ぎ体質になっていった。T君は最初は1万2万の金額だったのが、段々要求してくる額が増えて何十万、時には百万を越える事もあった。けどあたしはその要求に答えてた。稼いだ分をほとんどT君に渡すようになった。ある日あたしは目が覚めた。きっかけなんて些細な事。あたしの嫌いな女が、あたしが欲しかった鞄を買った。それだけ。

    2006-12-10 02:11:00
  • 41:

    飛鳥

    あたしは負けず嫌い。嫌いな女が買えてあたしが買えないのがみじめに思えたから…。そしてT君の事も好きだったけど、あほらしくなっちゃった。T君に別れを告げると、あっさり「分かった」と言った。それから2ヶ月ぐらい過ぎた日に、突然非通知で電話が鳴った。出るとT君だった。電波は途切れていて、あまり聞きとれなかった。「切らんと聞いてな…」って言ってて、「え?なんて?」とか言ってる間に電話は切れた。それがT君の最後の声だった。

    2006-12-10 02:18:00
  • 42:

    飛鳥

    その後、T君は借金が膨らみすぎて返済できなくて、危ない関係の人達に連れていかれたと聞いた。いろんな人にお金を借りたまま、T君は消えた…。あたしに電話してきた時が消える前だったみたいで、今でもたまに「あの時T君は何をあたしに伝えたかったのか…?」と思い出す。

    2006-12-10 02:23:00
  • 43:

    飛鳥

    あたしはいろんな人達に、T君の居場所なんかを聞かれて疲れていた。「もぉ関係ないのに…」疲れすぎたのと、無理な飲酒のせいで、医者にアルコールをストップされたのもあって、あたしは夜の世界から完全に消えた。17歳になる前の事だった。

    2006-12-10 02:29:00
  • 44:

    飛鳥

    今現在のあたしの彼は、前にも話した通り過保護だ。(笑)彼にとってはあたしはまだまだ子供で、何をさしても危なっかしくてほっとけないんだろう。あたしが夜を怖がるから、寝る時には手をずっと握っててくれる。彼は喧嘩をして怒っても、ちゃんと話を聞いてくれる。あたしは男の人の怒鳴り声を聞くと体が硬直する。極度の緊張で掌や足の裏に汗をかく。頭に声がこだまする。過呼吸になって視界が真っ白になる事もある。夜が怖いのはあんな事があったから…

    2006-12-10 02:37:00
  • 45:

    飛鳥

    あたしが17歳になって普通の昼のバイトをしている時の話。友達の紹介で7つ上の24歳の人を紹介される事になった。その人の名前は海君。現場の仕事をしていた。初対面の印象は「ふ〜ん」ぐらいだった。その日はカラオケに行ってバイバイのつもり…だったのに強引に海君の家に行く事になってしまった。そこまで顔もタイプじゃない。嫌々一緒に行く事になったんだけど、話してみると案外面白い人。「まぁいっか」と、いつもの調子で体の関係になる。

    2006-12-10 02:46:00
  • 46:

    飛鳥

    次の日帰り際に海君に「付き合って」って言われ、あたしは軽い気持ちでオッケーを出した。もちろん好きでは無いけど、特に彼氏もいなかったから。本当に適当なノリだった。そして母親と2人暮らしだった海君の家に、あたしは転がりこんだ。海君のお母さんは海君に似て明るく面白い人だった。同居を初めて3ヶ月目。吐気が止まらない。ずっと眠い。そして…生理も10日ぐらい遅れてる…。

    2006-12-10 02:53:00
  • 47:

    飛鳥

    とりあえず一番仲の良い友達に相談。妊娠検査薬を買って、ドキドキしながらトイレに入る。5分ぐらい待たなくてはいけないから、その間見えない所に置いといた。重い空気の5分…。結果は…陽性だった。「どうしよう…」避妊をしなかった自分も悪い。だけど、あたしはまだ17で…未成年で…お金も無いし…。とりあえず仕事中の海君の休憩時間を見計らって電話をした。最近の自分の体調が悪かった事、生理が遅れてる事、友達に相談して検査薬をした事、そして…陽性だった事…。

    2006-12-10 03:01:00
  • 48:

    飛鳥です。

    読んでもらえてるかゎ分からないですが、少し休憩します??

    2006-12-10 03:12:00
  • 49:

    読んでます(・∀・)∩

    2006-12-10 03:49:00
  • 50:

    飛鳥です。

    ↑ありがとうです?
    続き書きます。

    2006-12-10 06:27:00
  • 51:

    飛鳥

    海君は少し間を置いてから「帰ってから話そう」とだけ言って電話を切った。夜になって帰ってきた海君はあたしに「ごめん」と、深々と頭をさげた。色々話した結果、今回は堕ろす事を2人で納得した。ちゃんと避妊はしようと、2人で約束をした。子供を堕ろして2ヶ月が過ぎた頃、海君の様子がおかしかった。海君は会社の人達と仕事帰りに飲みに行っていたが、お酒が入ると多少気が大きくなる。

    2006-12-10 06:33:00
  • 52:

    飛鳥

    それだけなら誰にでもありそうな話。けど海君は酔うと寝ているあたしに被さってきた。海君自体も帰りの時間も遅い。あたしも次の日朝から仕事だ。「ちょっと!やめて…」あたしは拒んだ。すると海君はあたしを無理矢理襲った。前回の事があるから普段は避妊もちゃんとしてた。でも酔っぱらった海君は人が変わった様に乱暴だった。そんな日が続く。しばらくするとお酒を飲んでない時も、海君は少しづつ変わっていった。

    2006-12-10 07:18:00
  • 53:

    飛鳥

    ある晴れた日。あたしも海君もその日は仕事が休みだった。海君と飼ってる犬とお散歩に行く事にした。ちょっとした事だった。海君とあたしは言い合いの喧嘩になった。あたしは一緒に居ても余計に険悪なムードになると思い、「先に帰る」と家に帰った。家に帰り頭を冷やす。10分ぐらいすると海君も帰ってきた。まだ怒ってるみたいで、家にいたあたしに罵声を浴びさせた。喧嘩の原因は海君の度重なる朝帰りだった。あたしは我慢していたが、いい加減キレた。「朝帰りしてんのに、なんで海君がキレるの?!」そう言った瞬間あたしの目の前は真っ白になった。

    2006-12-10 07:28:00
  • 54:

    飛鳥

    視界が戻る。海君は肩で息をしていた。あたしは何が起きたのか状況が掴めなかった。右のこめかみの辺りがジンジンする。あたしは座っていたから、海君にこめかみを蹴られたのだった。そのまま海君は自分の部屋に消えていった。30分ぐらいして海君は部屋から出てきて、あたしに謝った。痛かったこめかみを冷やしてくれた。あたしはまだ子供だった。「色々あってイライラさせてしまった」「あたしが悪いんだ」と自分で解決していた。けれど悪夢は終わらない。

    2006-12-10 07:43:00
  • 55:

    飛鳥

    海君はちょくちょく酔っぱらった時や喧嘩をした時に、あたしに手をあげる様になった。だんだん激しくなる暴力…。それでもあたしは「自分が悪いんだ」と言い聞かせた。腰をおもいっきり踏まれて、電流が流れた様な痛さで、しばらく立てなかった時もあった。顔を殴られて腫れあがり、仕事に行くのにマスクをして隠して行った日もあった。「海君は悪くない…だってちゃんとあたしを心配してくれる。」

    2006-12-10 20:13:00
  • 56:

    飛鳥

    海君は手をあげた後に、必ずあたしに優しくした。別れた後でDVに関するテレビを見た時に、それが手をあげる人男の人のパターンだと知った。女性は優しくされる事で「期待」をしてしまう。あたしはその時は無知でそんな事知らなかった。海君の暴力はエスカレートしていく。半レイプ状態であたしに中出しする海君。逆らうと殴られる。あたしは2回目の妊娠をした。

    2006-12-10 20:19:00
  • 57:

    飛鳥

    それを告げると海君は笑いながらあたしに「堕ろすまでの間、気にせず中出しできるな」と言った。あたしは海君が怖くなった。堕ろすまでの間、あたしは海君に一切逆らわなかった。おとなしくしていれば、暴力はない。「手術が終わったら逃げよう」と計画していた。手術の日海君は仕事を休んでついてきた。あたしもふらふらだった。海君の車で2人の家に帰る。「3日ぐらいなら休める」と海君は言っていた。実行は3日後…。あたしは準備を進めた。

    2006-12-10 20:24:00
  • 58:

    飛鳥

    だけど問題があった。実家も仕事場もバレている。幸い仕事場は家の仕事を手伝っていたので、融通はきく。あたしは母親に頼み、しばらく休みをもらった。海君は明日から仕事だ。やるなら明日だ。そんな事を考えていた計画実行の前夜だった。海君はまた機嫌が悪かった。あたしを殴る。貧血気味のあたしは、あっさり倒れ込んだ。そんなあたしに海君は覆い被さる。無理矢理服を脱がされた。「無理!まだエッチなんかできない!!」あたしの言葉を無視して、海君はあたしの中に入ってきて、そして中で果てた…。

    2006-12-10 20:31:00
  • 59:

    飛鳥

    海君は満足そうに眠りについている。こんなに男の寝顔が憎らしく見えたのは初めてだった。お腹に鈍い痛み。血もでていた…。あたしは悔しくて泣いた。「明日…絶対に逃げる…。」あたしの中で、気持ちは大きく固まっていた。朝5時、海君が仕事に行くのを笑顔で見送る。夜中に帰って来た海君の母親も、8時には仕事に出掛けた。

    2006-12-10 20:36:00
  • 60:

    飛鳥

    あたしはそれを見届けた後、急いで荷物をまとめた。旅行鞄1つ分ぐらいの荷物しか持ってきてなかったので、すぐ用意は出来た。お風呂に入り、メイクをして足早にその家を出た。貯金は30万程。バスに乗り、駅へ向かった。行き先は決まっていた。東京に例の芸能人(この時もう引退をしていた)の彼が住んでいた。理由を話すと「うちにおいで」と言ってくれた。彼の言葉に甘えて、しばらく彼の家に身を隠す事にしたのだ。駅で東京行きの切符を買い、新幹線に乗り込む。約3時間の電車の中で、あたしは「これでよかったんだ…」と呟いた。

    2006-12-10 20:46:00
  • 61:

    飛鳥

    東京駅に着くと、彼(以後、隆君)はあたしを待っていてくれた。「久しぶり」隆君のやさしい声。あたしはそれだけで癒された。隆君はあたしを気遣ってか、あまり海君との事には触れず、「しばらくこっちでゆっくりしたらいいよ。」とだけ言った。優しい隆君。家に着くと、あたしの大好きなレモンティーを出してくれた。ふと携帯を見ると、海君から昼の休憩であろう時間に着信が入っていた。あたしは携帯の電源を切った。隆君はあたしの話をずっと静かに聞いてくれてた。

    2006-12-10 20:53:00
  • 62:

    飛鳥

    全て話終わった後に「ずっと我慢してたんだね。頑張ったね。」と言ってあたしの頭をポンポンッとしてくれた。あたしは泣いていた。泣きやむまで隆君はずっと隣にいてくれた。気付けばもう外は暗くなっていた。2人で「お腹へったね」って、近くのご飯屋さんへ行く事に。ご飯を食べる頃には、あたしはスッキリしていた。我慢していた事、親にも言えなかった事も、隆君には全部話せたおかげで、笑えるようになってた。

    2006-12-10 21:00:00
  • 63:

    飛鳥

    それからしばらくは隆君の家にいた。隆君も用事や仕事以外は、あたしの事を気遣って一緒にいてくれた。隆君の家族が遊びに来たり、友達が来たり、楽しい時間を過ごしていた。ずっとあたしの携帯は電源を切ったまま。母親にたまに連絡をいれるために使うくらい。メールの問合せもしなかった。思い出したく無い。それだけ。みんなでわいわい過ごす日々。たまに夢を見てうなされて起きても、隆君はあたしを抱き締めて安心させてくれた。

    2006-12-10 21:08:00
  • 64:

    飛鳥

    もうすぐ2週間が過ぎようとしていた頃、母親との電話の中で「そろそろ帰ってこないと、仕事を代わりに入ってくれてる子も大変だから。」と言われ、あたしは帰る決意をした。隆君にその事を伝えると「またいつでもおいで!」と言ってくれた。次の日、隆君達に見送られながら電車に乗り込む。不安そうなあたしを隆君や隆君の友達が励ましてくれた。「あり…がと」みんなの暖かい気持ちが嬉しかった。まだこの時は気付いてなかった。この後何が起きるのか…

    2006-12-10 21:15:00
  • 65:

    飛鳥

    同じ頃、あたしの友達と海君と海君の友達はあたしの事を必死で探していた。けれど見付からない…見付からない…。どこだ?どこにいるんだ?海君は精神的に弱かったんだと思う。あたしが失踪してから仕事を休んでいた海君。思い通りにならないと手をあげる海君。そうする事でしかあたしを繋ぎ止める事ができない海君。なんで消えた?なんで逃げた…?そんな海君の気持ちに電車に乗っているあたしは気付くはずもなかった。

    2006-12-10 21:22:00
  • 66:

    飛鳥です。

    今出先なので、充電が切れそぉです??
    帰ったら続きを書きます。ってか、読んでくれてる人いるんかなー?

    2006-12-10 21:23:00
  • 67:

    名無しさん

    おるよぉ??

    2006-12-10 21:54:00
  • 68:

    名無しさん

    読んでる?書き込みしたら邪魔かな思って?絶対完結さしてね-?

    2006-12-10 21:56:00
  • 69:

    飛鳥です。

    ょかった?
    頑張って早めに更新してぃくので最後までぉ付き合いょろしくです?

    2006-12-11 00:50:00
  • 70:

    飛鳥

    電車がホームに滑り込む。あたしは荷物を持って、電車を降りた。エスカレーターで改札に向かう。「あぁ…疲れた」長旅のせいかあたしは溜め息を漏らす。「…か」「!?」辺りを見回す。気のせいか…今名前を呼ばれた気がした。「疲れてるんだな。」あたしは切符を改札に通して、タクシー乗り場へ行こうとした時だった。「飛鳥っ!」腕を掴まれた。驚いて振り向く。その瞬間はスローモーションの様だった。あたしの腕を掴んでたのは、紛れもなく海君だった…。

    2006-12-11 00:58:00
  • 71:

    飛鳥

    電車がホームに滑り込む。あたしは荷物を持って、電車を降りた。エスカレーターで改札に向かう。「あぁ…疲れた」長旅のせいかあたしは溜め息を漏らす。「…か」「!?」辺りを見回す。気のせいか…今名前を呼ばれた気がした。「疲れてるんだな。」あたしは切符を改札に通して、タクシー乗り場へ行こうとした時だった。「飛鳥っ!」腕を掴まれた。驚いて振り向く。その瞬間はスローモーションの様だった。あたしの腕を掴んでたのは、紛れもなく海君だった…。

    2006-12-11 00:58:00
  • 72:

    飛鳥

    「な…んで…」多分この時、あたしはその言葉を言うのだけでいっぱいいっぱいだったと思う。今のあたしには、この時の記憶があまりない。掌が汗で滲む。体は痙攣が起こったかのようにガクガクと震え、心臓はどんどん早くなる。頭は真っ白になった。気が付けば動けないでいたあたしは、海君の車の助手席に乗せられていた。その横で運転している海君は、必死にあたしに「別れんといてくれ…」みたいな事を言ってたと思う。

    2006-12-11 01:06:00
  • 73:

    飛鳥

    それからが散々だった。海君は自分の家にあたしを連れ帰り、あたしに「別れたくない」と泣きながら悲願した。あたしもハッキリさせなくてはいけないと思い、素直に「もう一緒にはいれない」「別れたい」と伝えた。言い終わったと同時に、海君は狂った。あたしの顔を殴った。全身蹴られた。髪の毛を掴まれ、引きずりまわされた。遠くなっていく意識。海君は何かを叫んでいたが、あたしの耳には届かない。あたしも最初は抵抗していたが、殴られ続けそんな気力も無くなっていた‥。

    2006-12-11 01:16:00
  • 74:

    飛鳥

    あたしは気を失っていたのか‥?意識がハッキリしてくると、体が何かに押し潰されそうなくらい重い。全身が痛い。唇がパンパンに腫れあがっていて、口の中は血の味がする。そして必死になって腰を振る海君‥。彼はあたしの服を脱がし、あたしを犯していた。あたしの目からは涙が溢れていた。「逃げられない‥」心の中でそう呟いた。終わったら後もしばらくボーっと天井を見上げていた。体は痛くて動かせない。前に蹴られた腰をまた蹴られたのか、寝返りもできなかった。海君はあたしの手をがっちり握りしめて、隣で寝ている。さっきまでの東京での出来事が夢のようだった‥。「今が夢ならよかったのに‥」あたしは怪我のせいか、いつのまにか眠ってしまっていた。

    2006-12-11 01:27:00
  • 75:

    飛鳥

    次の日あたしは仕事には行けなかった。親にも連絡できなかった。傷と痣だらけの体と、無惨に腫れあがった顔は見せられなかった。この時に親に一本でも連絡をしておけば、また違ったのかも知れない。けど迷惑も心配もかけたくなかった。親はあたしが仕事が嫌で帰ってこないだけだと思っていたと思う。もうあたしには、逃げる気力は無くなっていた。

    2006-12-11 01:36:00
  • 76:

    飛鳥

    ある日あたしの顔の傷も治りった事もあって、海君と海君の友達カップル2組と食事に行く事になった。あたし達の入った居酒屋は、海君の知り合いの夫婦がやっているお店だった。あたしはほとんどが初対面だから緊張したが、喋らないと海君に「つまんなさそうなのが気にくわない」と言って殴られるのが分かっていたから、愛想笑いをしていた。そこの居酒屋は2時までで、その後も居酒屋夫婦も交えて飲みに行く事になった。あたしは気が乗らなかった。海君は仕事を休みがちだったため、お金が無い。海君の財布はあたしだった。

    2006-12-11 01:46:00
  • 77:

    名無しさん

    釘ずけになってた?ひどい男もいるんやなぁ?頑張ってください?

    2006-12-11 01:54:00
  • 78:

    飛鳥

    仕事をしてないあたしは、夜の仕事をしていた時のお客さんに、お金をもらっていた。それは全部海君の家の家賃や、光熱費、海君の交際費に消えていた。4組で飲み屋街へ行くと、海君の友達のお母さんがしていたスナックへ行く事になった。海君はもうかなり酔っぱらっていた。3時間程でスナックを出て、「そろそろ帰るかぁ!」なんて誰かが言い出したのに、海君は気に入らない様子。ベロベロになりながらも「俺はまだ帰らん!お前邪魔じゃ!先帰れ!はよ消えろ!」とあたしに毒を吐いた。

    2006-12-11 01:55:00
  • 79:

    飛鳥です。

    82さん?読んでもらえてて嬉しいです?ありがとうございます?この話はほとんど実話です?まだまだ続くんでこれからも読んでもらえると嬉しいです?

    2006-12-11 01:59:00
  • 80:

    飛鳥

    そんな海君をなだめるように、居酒屋夫婦の旦那さんの守さんが「ほな、俺と2人で飲みに行こか!飛鳥ちゃんは先帰っとき!なっ!ちゃんと連れて帰るしな!」と言って、海君とネオン街へ消えていった。あたしは海君の友達に車で家まで送ってもらった。家に帰ると、今朝は早出なのか海君のお母さんが出かける準備をしていた。朝のニュース番組を観ながら煙草に火をつけた時だった。「おい!帰ったぞ!!」玄関を見ると守さんに支えられて、やっと歩ける海君がいた。

    2006-12-11 02:07:00
  • 81:

    飛鳥

    「おかえり!」あたしは笑顔を作って2人を迎えた。海君の部屋に入った時に、2人が帰る直前まで煙草を吸っていたせいで、少し煙かった。「ごめんね。空気悪いよね?すぐ窓あけるから‥」言い終わるか終わらないかの時に、顔に鈍い痛みがはしった。「なぁぁにが空気悪いんじゃ!おのれは俺が帰ってきたら空気悪い言うんかっっ?!」海君が叫ぶ。守さんが「飛鳥ちゃんは部屋が煙たいから窓をあけてくれただけや!」そんなフォローなんて海君は聞いてない。どこにあったのか鉄パイプみたいなのを出してきた。あたしに向かって振り上げる‥

    2006-12-11 02:16:00
  • 82:

    名無しさん

    めちゃ気になるゥ?
    読んでます、頑張って下さい??

    2006-12-11 04:25:00
  • 83:

    飛鳥です。

    ↑の方ありがとうございます?続き書きます?

    2006-12-11 07:19:00
  • 84:

    飛鳥

    【ドスッッ!!】鈍い音が響き渡る。不思議な事に、どこも痛くない。あたしは固く閉じていた目を、恐る恐る開いた。あたしを誰かが覆い被さるように、抱き締めていた。「痛たた…。」声の主は海君のお母さんだった。海君のお母さんは海君を見上げて睨みつけた。「何してんのっっ?!」母親の声に海君は体をビクンッとさせる。「こいつが…こいつが…」そう呟いていた海君は、守さんに鉄パイプを奪われた。「貸せ!!」海君は我に戻り、守さんから鉄パイプを奪おうとしていた。

    2006-12-11 07:29:00
  • 85:

    飛鳥

    守さんは海君を突き飛ばした。海君は倒れた。「くそ…くそ…くそぉぉぉ!!」海君は起き上がると、母親をあたしから引き剥がして、あたしを思いっきり蹴りはじめた。あたしは体を丸めて耐える。「お前のせいで…おかんに手をあげてもうたやろがっっ!!」あたしに怒りをぶつける。守さんやお母さんが必死に止めにはいる。ある程度気がすんだのか、おとなしくなった海君。けど、次の怒りは自分の母親にだった。海君のお母さんはお金に少しだらしなかった。

    2006-12-11 07:38:00
  • 86:

    飛鳥

    当時海君のお母さんは、更年期障害だったんだと思う。精神的に不安定で、買い物をする事やお金を使う事で安心するのが症状だった。あたしの母親の方のおばあちゃんは、そんな感じの症状だったらしい。しかも買って帰ってくるのは全てタンス。部屋の中にタンスを並べ、置けなくなったらベランダに続く窓の前にも置いていたらしい。海君はそんな母親の行動に不満を持っていた。海君は黙っている母親に罵声を浴びせる。守さんも黙って聞いていた。ヒートアップした海君は言ってはいけない一言を、無意識なのだろう。言ってしまった。

    2006-12-11 07:47:00
  • 87:

    飛鳥

    「このザイニ チがっ!!」海君のお母さんは日本の人ではなかった。ザイニ チ朝鮮の人が持っている手帳を見せてくれた時があった。あたしもその事は知っていた。だけどあたしは海君のお母さんに差別的な感情を持った事は無かった。自分の故郷の料理を教えてもらい一緒に作ったり、本当の娘の様にかわいがってもらっていた。「遅い時間は女の子一人じゃ危ない」お母さんはあたしを車で送り迎えしてくれたり、海君の帰りが遅い日は一緒にご飯を食べに行ったり、本当に本当に良くしてもらっていた。優しいお母さん…。海君の言葉には、さすがにお母さんも黙ってられなかった様だった。あたしも黙ってられなかった…。

    2006-12-11 08:08:00
  • 88:

    飛鳥

    海君のお母さんは泣いていた。「息子にこんな言葉を言われるなんて…」あたしは海君を睨み「なんで自分の母親にそんな酷い事ができるん?!最低やな!!」勝手に言葉が出てきてた。なんで…?なんで自分を産んでくれて、女手ひとつで育ててくれたお母さんにそんなん言えるん?お母さんも「そのせいで昔は辛い事がいっぱいあった」と言っていた。それでも自分の子供為に我慢してきた。自分が傷付いても、子供が笑って「お母さん好きや!」って言ってくれたおかげで頑張ってこれたって。なのにその息子にお母さんは今、一番言われたくない言葉を言われた。どれだけショックだっただろう…。

    2006-12-11 08:19:00
  • 89:

    飛鳥

    それでも海君は、反抗してきたあたしが気に入らない。あたしをまた殴る蹴るしはじめた。守さんも黙ってなかった。「いい加減にしろや!海!!自分の母親にも言って良い事悪い事あるやろが!!飛鳥ちゃんは間違ってない!!」海君は守さんに殴りかかった。その後は窓も割れるし、お皿もコップも飛んでくる。リビングの椅子で殴られる。あたしは隙を見て外に出て、近くに住んでいた海君のお兄さん夫婦に電話をした。だけどお兄さんは仕事な行ってしまっていて、奥さんも「ごめんね…」とだけ言って電話を切られた。

    2006-12-11 08:28:00
  • 90:

    名無しさん

    手をあげる男は最低や!海死ね(-_-)

    2006-12-11 12:22:00
  • 91:

    名無しさん

    書かないの?

    2006-12-12 20:00:00
  • 92:

    飛鳥です。

    ↑更新遅れてすみません?体調崩してしまったみたぃで…?ちょっと良くなったので、今日また続き書きます?

    2006-12-13 00:59:00
  • 93:

    飛鳥

    人間なんて薄情なもんだ。あたしはこの時本当にそう思った。結局お兄さんからその日、連絡は無かったから。お兄さん夫婦の家には海君に連れられ、よく遊びに行ったりしていた。後で分かる事になるが、ここの兄弟はみんな、自分の事しか考えてない人ばっかりだと知る事になる。話は戻り、海君のお母さんは泣いていて、海君はあたしを殴り、それを止めに入る守さん。結局海君は5〜6時間程暴れていた。あたしの顔はまた無惨にも腫れあがり、「仕事があるから」と守さんが帰ったあと、海君のお母さんは「しばらく帰らないから」と、家を出た。

    2006-12-13 01:30:00
  • 94:

    飛鳥

    リビングで割れた食器なんかを片付けながら、あたしは「もうお母さんは帰ってこないんじゃ…?」と考えていた。ボーっとしていたせいで指を切ってしまう。海君が心配してその指に絆創膏を貼ってくれた。殴られるのも、かなり体力を消耗する。あたしは横になり海君の寝息を聞きながら、ずっと海君のお母さんの事を考えていた。

    2006-12-13 01:39:00
  • 95:

    飛鳥

    〜一週間後…。海君のお母さんが帰ってきた。けれどやっぱり荷物をまとめている。最後に「もうあの子の事は、もう息子だと思っていない。飛鳥ちゃんには新しい携帯教えておくわね。」そう言って出て行ってしまった。

    2006-12-13 01:45:00
  • 96:

    飛鳥

    その後も、海君の暴力は酷くなる一方だった。あたしの体には常に痣ができる様になり、海君は仕事を休みすぎてクビになった。また海君はイライラする事が多くなり、飲みに出かける事も増えた。海君はどんどん壊れていった…。

    2006-12-13 01:49:00
  • 97:

    飛鳥

    海君と付き合って1年、殴られる様になってもうすぐ半年が過ぎようとしていた。街はクリスマス。あたしは3度目の妊娠を病院で告げられていた。一人で産む事も考えた。病院の先生は「どっちにしても、正月を越えてからじゃないとどうにもできないから、ゆっくり話し合いしなさい。」と言ってくれた。帰ってから妊娠の事を告げる。海君から意外な言葉が返ってきた。「産んでくれ…。」

    2006-12-13 01:59:00
  • 98:

    飛鳥です。

    ごめんなさい?携帯の画面がぼやけて見える??あんまり更新できなくてごめんなさい?

    2006-12-13 02:01:00
  • 99:

    名無しさん

    体調悪いのに頑張って更新してくれてありがとう?ゆっくり休んでください?

    2006-12-13 05:50:00
  • 100:

    飛鳥です。

    ↑ぉ気遣ぃぁりがとです?寝たら少しスッキリ?今から続き書きますね?

    2006-12-13 10:33:00
  • 101:

    飛鳥

    海君はもう1度深く呼吸をして「産んでくれ」とハッキリそう言った。今考えるとおかしな話だ。仕事をサボりすぎてクビになり、貯金も無ければ、手もあげる。そんな男が父親になれるとは思えなかった。それ以上にあたしには不安があった。薬物…。何度も何度も手をあげられるようになっていたあたしは、東京に逃げた時から、隠れて薬物をやっていた。子供にも影響があるんじゃないか…?それ以前にやめられるのか…?薬に逃げている間は楽だった。嫌な事も忘れられた。けれど、もうあたし1人の体ではない。あたしはシングルマザーでもいいから、もう赤ちゃんを殺すなんてできなかった。

    2006-12-13 10:42:00
  • 102:

    飛鳥

    「母は強し」あたしは仕事を始めた。近所のコンビニで働き始めた。夜は水商売に戻った。少しでも貯金をと考えての事だった。薬もやめた。フラッシュバックが酷くて、何度も自分に「やめなきゃ」といい聞かせた。彼も自分の兄の仕事を手伝うようになった。少しづつ元通りになりつつあった。けどやっぱり治らない。また同じ失敗を繰り返す…。

    2006-12-13 10:47:00
  • 103:

    飛鳥

    「希望なんて持たなければよかった。」あたしはまた顔も体も傷だらけで横になっていた…。海君は家を飛び出したままだ。また飲みに出たのだろう。悲鳴をあげる体をやっとの思いで起こす。おでこの辺りと口の中からは少し血が出ていた。うがいをする為にコップを探すが、全部割れたのだろうか?見当たらない。仕方なく手で水をすくいうがいをする。吐きだした水は血がまじって赤に近いピンク色だった。「明日も朝から仕事だ…」あたしは海君の帰りを待たずとして、顔を冷やして眠りについた。

    2006-12-13 10:54:00
  • 104:

    飛鳥

    朝になっても海君が帰ってきた様子はなかった。携帯に電話をすると、「もう仕事先にいる」とだけ言っていた。あたしも準備をして仕事に向かう。コンビニでの仕事中、おでんの匂いやお客さんの香水の匂いに、吐気を感じる。つわりがいつも以上に酷い。貧血気味なのか、視界がふらふらとする。そして下腹部のじわじわとした痛み。冷や汗がでる。「なんかおかしい!」レジを代わってもらい、トイレに駆け込む。

    2006-12-13 11:03:00
  • 105:

    名無しさん

    殴られても一緒にいられる神経があたしには意味がわからん
    関西の人ってこーゆーの多いよね…

    2006-12-13 11:50:00
  • 106:

    名無しさん

    頑張れ読んでるから

    2006-12-14 03:58:00
  • 107:

    名無しさん

    読んでるよ?

    2006-12-14 04:16:00
  • 108:

    飛鳥

    ↑皆さんありがとうです?続き書きます??

    2006-12-14 04:43:00
  • 109:

    名無しさん

    海のお母さんかわいそすぎる?

    2006-12-14 04:44:00
  • 110:

    飛鳥

    お腹がキリキリ痛みだす。「あっ…」トイレは血で真っ赤に染まっていた。あたしは慌てて店長に事情を話すと、早退して病院に行く事になった。昼過ぎで病院は時間外。症状を受付の人に伝えると、すぐ診察をしてもらえると言われた。「何?なんでなん…?」あたしはパニックに陥っていた。少しして名前を呼ばれ、診察台の上に横になる。先生が神妙な面持ちで、あたしに一言こう言った。「残念ですが…」あたしの子供は流れていた。多分外傷的ショックを受けたせいだと…。

    2006-12-14 04:50:00
  • 111:

    飛鳥

    あたしのお腹には、2つの命が宿っていた。1つはさっきの出血の時だろう、もう陰が見えないと言われた。もう1つの命も、もう時間の問題だと…。あたしは手術をして堕ろすしかないと言われた。早い方が良いと言われ、手術の同意書にサインをする。「では明日に…」そう医者に言われ、その日は家に帰った。帰り道、家の近くの公園に寄ると、小さな子供達とお母さん達が遊んでいた。その姿を見ていると、涙が出てきた。

    2006-12-14 04:59:00
  • 112:

    飛鳥

    「今度こそって思ったのに…守れなかった…」あたしは声を押し殺して泣いた。きっと周りの人には、すこし変だと思われてただろう。だけどそれを気にする余裕は無かった。少し落ち着いて公園を出て、家へと向かう。ちょうど帰ってきた海君とばったり会った。一緒に家に帰り、海君に子供の事を伝えた。海君は何も言わなかった。自分を責めているのか、「うん…うん…」と話を聞いていただけだった。そして次の日、海君は新しい仕事に移ったばっかりの為休みがとれず、あたしは1人で病院に向かった。

    2006-12-14 05:10:00
  • 113:

    飛鳥

    麻酔から目が覚めて、もうつわりが無い事で「もういないんだ…」と実感した。少しお腹が痛かったけど、「君はもっと痛かったよね…」そう思うと、全然我慢ができた。ごめんね。赤ちゃん。お母さんの不注意で…。産んであげれなくて、本当にごめんね…。ずっと大好きだよ…??医者の説明を聞いて、もう帰れるらしい。あたしはフラフラする体で、タクシーで家まで帰った。それからはしばらく寝たきりだった。仕事も辞めて、1日中家の中で過ごす事が多くなった。海君は、そんなだらけたあたしにたまに怒鳴ったけど、無理に何かをさせようとはしなかった。

    2006-12-14 05:22:00
  • 114:

    飛鳥

    しばらく安静に!と言う医者の言葉を守り、家事はするが外にはあまり出たくなかった。あたしは基本ポジティブでプラス思考、あまり落ち込む事が無かったが、今回の事は今までにないくらい大きなショックを受けていた。

    2006-12-14 05:28:00
  • 115:

    名無しさん

    なんでそこまでされて別れへんの?子供二回も殺されてんで?信じられへん! ノンフィクションの場合やで(^^;)

    2006-12-14 09:36:00
  • 116:

    名無しさん

    双子だったって事?

    2006-12-14 23:57:00
  • 117:

    飛鳥です。

    120さん?ほとんどが実話です。私の気持ちなんかものちに書いていくつもりなので、よければ読んでやってください?
    121さん?三回目の妊娠は二卵性の双子でした?

    2006-12-15 07:21:00
  • 118:

    飛鳥

    1週間ぐらいして、あたしが家でボーっとしていると、海君が後輩を連れて帰ってきた。名前は元気君。あたしと同じ年で18歳。喋ってみると、共通の友達がいたりして話は盛り上がった。元気君はよく家に来るようになって、3人だったり元気君の彼女と4人だったりで遊びにいく仲になっていった。その時には海君があたしに手をあげる回数も減っていた。

    2006-12-15 07:31:00
  • 119:

    飛鳥

    ある日。いつものように海君と元気君とあたしの3人で遊んでいる時だった。海君が酔っぱらいの男性に絡まれた。海君はいきなりその男性に髪の毛を掴まれ、ブチ切れてしまった。その後の光景は、あたしの記憶にはあまり残っていない。フラッシュの様に一瞬で目の前に血が広がる…。「ゴリッ」という音。気が付けば相手の男性は倒れていて、連れらしき人がその人を囲んでいた。あたし達は急いでその場から逃げた。

    2006-12-15 07:40:00
  • 120:

    飛鳥

    あたし達は車だったので、「野次馬にナンバーを覚えられているかも?」と不安になった。車を隠し、あたしと海君はタクシーで家に帰った。帰ってから「犬の散歩にだけは行かなければ!」そう思い外にでると、少し離れた所に人が立っている。片方の肩にリュックをかけ、ポロシャツにチノパン。靴はスニーカー…。あたしの頭に「私服警官だ!」と浮かんだ。急いで家に戻り、海君に伝える。電気を消して、鍵をかけ、息をひそめる。外に人が何人かいるような声がする。こっそり覗き穴から外を見た時だった。

    2006-12-15 07:52:00
  • 121:

    名無しさん

    何?

    2006-12-15 14:05:00
  • 122:

    名無しさん

    気になるっち?????

    2006-12-15 17:10:00
  • 123:

    飛鳥

    あたし達の住んでる家は、ワンフロアーに2つ部屋がある団地だった。覗き穴を見た瞬間、上の階からと下の階から人がたくさん部屋の前に集まってきた。急いで奥の部屋に身を隠す。『ピンポーン』チャイムがなる。「○○さん!」海君の名字を呼ぶ声もする。『ドンドン』とドアも叩かれている。あたし達は静かに息を殺してそれを聞いていた。あたしは少し離れて暮らしている海君のお姉さんに、メールで今の状況を伝える。『そっちに向かう。荷物まとめておいて』と返事が来た。

    2006-12-15 19:17:00
  • 124:

    飛鳥

    ドアの外ではまだ刑事があたし達を諦めてなかった。何か機械の音もする。居留守を使ってるのも分かってるのだろう。相変わらずチャイムも鳴り続けていて、名前を呼ぶ声も聞こえる。時計は夜中の1時を指していた。正直、「近所迷惑だろな」とかあたしは冷静に考えていた。刑事達も1時間程粘ってたが、あたし達が出てこないから諦めて帰ったようだ。外には静けさが戻る。

    2006-12-15 20:08:00
  • 125:

    飛鳥

    しばらくしてチャイムがまた鳴る。覗き穴を見ると、海君のお姉さんが立っていた。ドアを開ける。「刑事らしぶといな〜。やっと全員帰ったわ。」お姉さんとお姉さんの彼氏さんは、刑事が帰るまで車で待っていてくれたらしい。「とりあえず、刑事ら戻ってくるかも知らんから、早くここ出よ」あたしと海君は犬を連れて、お姉さんの家に向かった。「しばらくここでおとなしくしとき。あたしはこの人の所におるし」お姉さんはそう言うと、彼氏さんの家に行った。と、突然海君が口を開いた。「飛鳥…俺捕まるんやろか…。」海君は弱々しい声であたしに問う。あたしには「大丈夫」としか言う事ができなかった。あたし達にはもう時間が無かった。

    2006-12-15 20:18:00
  • 126:

    飛鳥

    次の日は1日中家で過ごした。外に出るのが怖かったから。海君は覚悟を決めたのか、友達とかに電話で「しばらくおらんようになる。飛鳥が困ってたら助けてやってくれ」と言っていた。夜になってお姉さんとその彼氏さんと会った。軽く話し合いをして、ご飯を食べに行く。海君は「しばらくこんなん食べれんくなるしな。」と言っていた。最後の晩餐。帰ってきてからもあたし達2人は寝れなくて、朝まで起きていた。朝お風呂に入って出掛ける準備をする。お姉さん達と合流して、隠していた車を取りに行く。

    2006-12-15 20:27:00
  • 127:

    飛鳥

    「朝10時28分。傷害罪で逮捕。」海君は警察署に出頭した。そして逮捕となった。海君はあたしをかばった。海君のお姉さん達が、「そん時いた女の子は、たまたまナンパした子って事にしとき!飛鳥ちゃんにも飛鳥ちゃんの親にも迷惑かかるし。」と言ってくれたから。刑事から、あたしの携帯に連絡があったのは、その日の夕方になってから。逮捕になった事と、しばらく帰れないから、着替えなどを持ってきてくれという事だった。「本当は君が事件の現場にいたんじゃないのか?」と聞かれたが、あたしは「知らない。また浮気でもして女といたんですか?」と刑事に怒ったフリをした。刑事は「まだ分からないから。怒らないであげて」と言って電話は切れた。

    2006-12-15 21:06:00
  • 128:

    飛鳥

    あたしは刑事に言われた通り、下着と着替えと洗面道具などをまとめて家を出た。お金も多少ある。留置所は現金を差し入れすると、煙草も買えるしご飯も出前ができる。あたしは警察署に向かった。警察署で名前と住所と拘留者との関係を書いて、差し入れをする。あたしは『婚約者』と書いた。海君はまだ取り調べが続いていて、今は接見禁止で面会はできないと言われた。あたしはすぐ家に帰った。

    2006-12-15 21:15:00
  • 129:

    飛鳥

    しばらく仕事をしていなかったが、これからは何かとお金が必要になる。家賃なんかもだけど、拘留されている海君にもお金がかかる。あたしは夜の仕事と昼の仕事を掛け持ちする事にした。毎日、朝起きて仕事に行ったあと差し入れに行く。1度家に帰ってから夜の仕事に行くの繰り返し。毎日3〜4時間しか寝れなかった。そんだけ働いても、お金はどんどん消えていく。海君のお兄さんやお姉さんに頼んでも、実家であるはずの家の家賃すら払ってもらえなかった。理由は『私達には払う理由がない』だった。お兄さんは会社を経営していて、お姉さんはクラブのナンバー1ホステス。あたしが寝る暇も無いくらい働いているのを知ってるはずなのに、援助は一切無かった。

    2006-12-15 21:24:00
  • 130:

    飛鳥

    海君のお母さんには、頼めなかった。あの事件があってからは、お母さんは海君の事を避けていたから。だからあたしも頼まなかった。唯一、海君の友達は、差し入れでお金をいれてくれてた。あたしの事も気にかけてくれていて、いつも心配して連絡をしてくれる。共犯となった元気君は、あたしを頼むという条件で、名前は隠す約束を海君はしていた。元気君も電話を頻繁にしてくれて「お金困ってない?」と最後まで気にかけてくれていた。

    2006-12-15 21:33:00
  • 131:

    飛鳥

    みんながあたしを気にしていてくれた。あたしは友達と遊ぶ事もほとんど無くなって、毎日仕事ばかり。疲れていたのか?気付けば夜の仕事が終わった後、ある店の前に来ていた。そのお店は、あたしが前に水商売をしていた時に、ちょくちょく足を運んでいたホストパブ。2年以上前に来た以来だが、まだ看板があった。そっとドアに手をかけた瞬間、中から1人の男が出てきた。「‥凛ちゃん」その男はあたしを見てビックリしていた。「飛鳥やん!めっちゃ久しぶり。飲みに来たん?入りや!」その男は凛ちゃん。あたしのお兄ちゃん的存在。相談にもよくのってもらっていたし、頼りになる人。

    2006-12-16 01:59:00
  • 132:

    飛鳥

    凛ちゃんはあたしが悪い方向へ行きかけると、ストップをかけてくれる。弱音を誰にも吐けなかったあたしは、凛ちゃんに今に至るまでの話や不満、これからの事に対しての不安をぶつけた。凛ちゃんはあたしの話をずっと聞いててくれた。「2年っていう時間が過ぎてるのに、飛鳥が俺を頼って来てくれて嬉しい。」凛ちゃんは、あたしが喋り終わって落ち着いた時にそう言った。やっぱり凛ちゃんは、あたしの落ち着く場所なんだね。あたしは、自分の中で溜っていたものがなくなって、帰る頃にはすっきりしていた。

    2006-12-17 00:18:00
  • 133:

    飛鳥

    また次の日から同じ日々が続く。変わったのは面会が出来るようになった事。その頃には海君は、留置所から拘置所へ移動していた。拘置所は家から少し距離があったから、毎日は行く事ができない。あと、1日に面会出来る人数も決まっていたから、あたしは月・水・金曜日に行く事になっていた。この頃のあたしは海君の家族にも不満が生まれてたし、海君に対しても恐いという感情は消えていた。

    2006-12-17 00:27:00
  • 134:

    飛鳥

    海君に対しては「うっとおしい」という感情すら生まれていた。拘置所は込み合うから、面会の時は朝からの仕事の前に行っていた。夜も仕事をしているから、起きたら時間がぎりぎりなんて事も何回もあった。準備が間に合わなくて、髪の毛を乾かさないで行く日もあった。それを見て海君は「どっかの男とホテル泊まった帰りか?!」とか、嫌味を言うようになった。朝にしか面会に行けないのも、「仕事とか嘘で、他の男と遊んだ帰りやから朝しか無理なんやろ?!」とか言われる。イライラしていた。あたしはまた薬に手を出してしまっていた。

    2006-12-17 00:37:00
  • 135:

    飛鳥

    遊ぶ暇も無いくらい働いていたのに、遊んでるなんて言われるなら「本当に遊んでやる!!」あたしは男の子とも遊ぶようになっていた。昼の仕事も辞めて、水商売だけにした。自由になったあたしは、仲良しの茜と毎日のように一緒。飲んだ後そのまま面会にも行ったし、実際に他の男と寝た後に面会に行った事もあった。だんだん面会にも行かない日が出てきたせいで、海君とガラス一枚挟んで喧嘩になった事もある。家賃も払ってなかったせいで、ポストには督促状が詰まっていた。

    2006-12-17 00:47:00
  • 136:

    飛鳥

    そんな日が続いたある日、海君のお兄さんから1本の電話。普段ほったらかしの癖にめずらし〜。何の用だろ?電話に出ると、海君が働いていた時の給料がまとまって全額あるとの事。「ラッキー☆家賃払えるやん。」受け取った給料袋には約2ヶ月分で50万あった。思わぬ収入。「…。」あたしは家賃を払わなかった。茜に電話をして「臨時収入〜♪ホスト行かん?」その時あたしは気になってた店があった。雑誌で見た「ヘブン」という店。茜とあたしはそのお金を持って遊びに行った。そこで出会ったのが剣。剣はあたしの今の状況を聞いて、「うちに住んだら?」と言ってきた。

    2006-12-17 00:59:00
  • 137:

    飛鳥

    軽い男。けど茜もノリ気。「そうしたら?茜のとこにおっきい荷物置いといていいし!今の家もこのままいたら、また家賃払わなあかんくなるやん。」あたしは考えた。家賃はもう払う気ない。けどこのままいたらまた払わなくてはいけなくなる。もう前みたいな生活は嫌。あたしは剣と茜に頼る事になった。そうなれば早速引っ越し。その日のうちに荷物をまとめる。ゴミ袋7個分と結構多い。車に詰め込んで、最後に鍵をポストにいれた。そのまま茜の家に荷物を運ぶ。全部終わって、海君の家族にもメールを送った。

    2006-12-17 01:10:00
  • 138:

    飛鳥

    『もう疲れました。ごめんなさい。』送信。その後メールアドレスを変えた。電話が鳴る。何回も何回も…。うるさいから電源を切った。剣は実家だった。2人でご飯を食べて寝た。起きて剣は仕事へ…あたしは茜と遊びに出かけた。クラブで薬をして遊びまくってまた剣の家に帰る。剣とは付き合っていないが、体の関係はあった。あたしを愛しいと言う剣。体を求められるのは、嫌ではない。「付き合うか…?」数日後、剣はそう言った。「うん」あたし達は付き合う事に。その日は茜とショットバーへ出かけた。「よかったやん!」茜はあたしと剣が付き合った事を喜んでくれていた。「けど…それやったらハッキリ海君に別れ伝えたほうがよくない…?」

    2006-12-17 01:29:00
  • 139:


    2006-12-17 02:19:00
  • 140:

    名無しさん

    一気に読みました?すごい人生ですね?忙しいし大変だと思いますが、頑張って完結してくださいね?

    2006-12-17 03:01:00
  • 141:

    飛鳥です。

    ↑ぁりがとうございます?誤字も多いし読みにくぃかもしれませんが、早めに更新できるように頑張ります?

    2006-12-17 03:59:00
  • 142:

    飛鳥

    海君には何も言っていなかった。多分、面会でお兄さんかお姉さんに、家を出ていった事しか聞いていないはず。あたしは明日、面会に行って直接別れを告げる事に決めた。次の日、拘置所で会った海君は笑顔だった。「家賃の事も、お金の事はもう何も心配いらんよ!お姉とお兄がどうにかしてくれるから」だから笑顔なんだ…。こうならないと助けようとは思ってくれない人達なんだ。あたしは小さく深呼吸をして「ごめんやけど、もう無理やわ。飛鳥な、他に好きな人できてん」とハッキリ言った。

    2006-12-17 04:07:00
  • 143:

    飛鳥

    海君の顔色がどんどん赤くなっていった。『バンッ!!』あたしと海君の間にあるガラスを、海君はグーで殴っていた。「お前浮気してたんか!!殺したる!殺したるからな!!」海君は大声で叫ぶ。横にいた見張りの人が海君をとめる。「うるさい!!あたしはもう疲れたんや!!」そう言ったあたしの声は、見張りの人の笛の音で消える。人が集まり、海君は羽交い締めにされて部屋から引きずり出される。「お前覚えとけよ!絶対許さんからな!」そう言うか言わないか、ドアは閉まった。

    2006-12-17 04:38:00
  • 144:

    飛鳥

    こうやって海君との1年10ヶ月は幕を閉じた。ただその後も、出所した海君に探されて見付かる夢を見たり、悪夢で目が覚めるようになった。その後、海君は刑務所に行ったと聞いた。3年の刑期を終え、今年の始めに出所をしたらしい。出所後、あたしの実家に海君や海君の友達から電話があったが、1ヶ月ほどで無くなった。最後に聞いた噂では夏に彼女ができたらしい。それでも今でも夢に出てきて、海君はあたしを脅かす。あたしはまだ悪夢からは解放されないでいる。

    2006-12-17 04:49:00
  • 145:

    飛鳥

    今現在の彼氏は、気性は少し荒いがあたしに手をあげたりしない。今の所は…。それが普通なんだよね。ただ海君と付き合ってた頃は、感覚が麻痺していた。逃げるのも怖かった…。親にも心配かけるのが嫌で言えなかった。手をあげた後の優しさに錯覚していた。殴られても蹴られても、あたしが悪いと思ってた。あたしの頭の中は海君に洗脳されてたんだね。きっと。でもね、1つ気になる事がある。海君の今の彼女…。大丈夫かな?って。

    2006-12-17 05:01:00
  • 146:

    飛鳥

    そんなんで、男性不信になってるあたし。それでもやっぱり男がいないとダメな女で…。その後付き合ってた剣も最低な男だった。あたしが風俗をするキッカケは剣。剣はあたしを実家に住ませながらも、他にちゃんとした彼女がいた。俗に言う本営。客に彼女だと錯覚させて、店でお金を使わす男だった。まんまと騙されてたあたしは、せっせと蟻のようにお金を運ぶ。あたしが風俗に落ちた時ぐらいに、付き合った彼女と結婚していた。そんでトントン拍子に子供が出来て、引退。で、騙された事に気付いたあたし…。あほだ。うん、あほだね。

    2006-12-17 05:33:00
  • 147:

    飛鳥

    あたしの男性に対する依存は病的。どんだけ酷い目にあっても、どんなに騙されて痛い目を見ても、あたしには男にしか頼れない。そのせいもあって、女の子には嫌われる事が多かった。前にも書いたけど『ヤリマン』って言われたり、嫌いと言われたり。別に何て言われようがよかった。分かってくれる数少ない友達は、付き合いが10年だとか長い子が多いから。お互い気を使わないし、女同士のネチネチしたものも無い。

    2006-12-17 05:40:00
  • 148:

    飛鳥です。

    疲れたので続きはまた明日書きます?

    2006-12-17 05:41:00
  • 149:

    名無しさん

    頑張ってください(>_

    2006-12-18 10:39:00
  • 150:

    名無しさん

    途中でやめるぐらいなら最初から書くな

    2006-12-22 03:53:00
  • 151:

    飛鳥

    風邪でダウンしてました?
    続き書きます?

    2006-12-22 04:17:00
  • 152:

    飛鳥

    何回か女同士のネチネチ争いに巻き込まれた事がある。『醜い』の一言。誰が誰の真似したとか、誰が男にだらしないとか、本当にくだらない。流行りの物なんだから被るのなんて普通じゃないの?だらしないかそうじゃないかは、自分で決める事だし。人が判断する所じゃないよね。嫌いならほっとけばいい。相手にしないって事はできないのか?

    2006-12-22 04:25:00
  • 153:

    飛鳥

    だから『?』あたしは今から新しい友達を作りたくない。「少なくても深い繋がりの友達だけでいいや!」って思ってる。ちなみに、あたしの彼氏さんは大変だと思う。あたしの親代わり・家族でもあり、親友でもあり、もちろん彼氏でもある訳で‥。とっても大事な存在。実は、あたしはマシンガントークをブッ放す、お喋り好き。って言うより、女の子はみんなお喋り好きが多いよね?

    2006-12-22 04:34:00
  • 154:

    飛鳥

    そんなあたしは、1日24時間のうちの半分以上は喋り続けてると思う。独り言も多い。テレビにも突っ込む。そんなあたしの話を彼氏は半分以上スルー。それでもいいの。満足なの。だけど大事な話には地獄耳な彼氏さん。そして気付いた事がある。男の人って「え?そんな事言ってた?」って言う事多くない?こっちが「なんで忘れるの!?」って事も忘れてたりするよね?あれって、忘れたフリをしてる人多いですよ。(笑)騙されちゃダメですよ。(笑)

    2006-12-22 04:47:00
  • 155:

    飛鳥

    話の展開を決めてまた書きます?
    明日には書けるようにするんで?
    しばらく放置すみませんでした?

    2006-12-22 04:57:00
  • 156:

    名無しさん

    頑張って?

    2006-12-24 00:44:00
  • 157:

    名無しさん

    クリスマスやから忙しいかもやけどまた書いてください??

    2006-12-25 01:18:00
  • 158:

    飛鳥です

    読んでくれてる方、ありがとうございます?
    続き書きます?

    2006-12-25 06:02:00
  • 159:

    飛鳥

    ちなみに今の彼氏さん。付き合って半年ぐらいだけど、出会ってからは3年ぐらい。あたしがホストに騙されて風俗に堕ちるのを、「馬鹿な女」と思って見ていた人。あたしへの第一印象は『派手な女』彼への第一印象は『チャラい男』決してお互いの印象は良くなかった。あたしの方はどっちかというと、『嫌い』だった。

    2006-12-25 06:10:00
  • 160:

    飛鳥

    あたし達2人は性格も正反対。出会った頃の2人には付き合うなんて『絶対』に考えられなかったし、それ以前に話す事自体がありえない事だった。『ホスト狂いの風俗嬢』彼が1番大嫌いな人種だった。「ぢゃあ何で?」って思うでしょ。男好きなあたしは、その時飼ってたヒモ男(一応彼氏)にも飽きてたから、たまたま今の彼にちょっかいを出した。彼からしたら鴨がネギしょって来た!!って感じだったと思う。

    2006-12-25 06:36:00
  • 161:

    飛鳥

    食い付いてきた彼との偽物の甘い時間が、あたしは楽しかった。関わってみたら案外イイ男だったし。ヒモ男はサプライズに欠ける奴だったから、無いものを持ってる彼に魅力を感じた訳。女の子はいつだって恋してたいのが本音だと思うから。そんなあたしは少しづつ、確実に彼に惹かれてた。ヒモ男に飽きて別れて、彼にハマっていたある日。彼はあたしに鍵を渡した。冗談だと思っていた同棲生活を、本気だったと気付いた日だった。あたしは仕事を辞めた。と言うより辞めさせられた。

    2006-12-25 06:51:00
  • 162:

    飛鳥

    彼からはいつ気持ちが変わったとかは聞いていない。ただ彼はあたしの思い出したくない過去を、笑い話に変えてくれた。どうしようもないあたしを拾ってくれた。心の闇に光をくれた。干物みたいだったあたしの心を、潤わせてくれた‥。

    2006-12-25 07:06:00
  • 163:

    飛鳥

    今のあたしはやっと幸せと出会えた。

    ───第一部・完────

    2006-12-25 07:09:00
  • 164:

    飛鳥

    中途半端ですが、一部はここで終わりです?
    このまま二部を書きます。

    2006-12-25 07:34:00
  • 165:

    飛鳥

    ────二部・羊────

    2006-12-25 07:37:00
  • 166:

    飛鳥

    人はあたしを『羊』と呼ぶ。囲われて飼われている羊。あたしは今でも飼われている。それは今までもこれからも続く。いつ終わりが来るのかも分からない。

    2006-12-25 07:43:00
  • 167:

    飛鳥

    あたしが隆君と出会ったのは、小学6年生の時。テレビに出ていた隆君にあたしは釘付け。まだあまり名前も知られていなかった隆君のファンになった。これが始まり。

    2006-12-25 07:46:00
  • 168:

    飛鳥

    あたしが隆君との本当の出会いをしたのは、中学2年生の時。たまたま同じ電車になった。隆君は同じ仕事の友達と一緒だった。周りにはファンの人達が隆君達を囲んでいた。隆君はそんなファンをかきわけて、あたしに声をかけてきた。

    2006-12-25 07:52:00
  • 169:

    飛鳥

    「名前は?」「あ、飛鳥。」いきなりでビックリしているあたし。睨むファンの人達。痛い‥。視線が痛い‥。隆君はそんなのおかまいなし。「携帯貸して。」隆君はあたしの携帯から自分の携帯に電話をかけ、「登録しといてね」と携帯を返された。発信履歴にはしっかり番号が残っていた。

    2006-12-25 07:58:00
  • 170:

    飛鳥

    電話ができないまま、2回目の再会。隆君のお兄さんの家。なんで自分がここにいるのか分からない。ただ友達ののりかから「○○の駅まで来て」って電話があった。駅に行ったらここに連れてこられた。隆君はあたしの事覚えてないみたいで、ずっとシカト。のりかは隆君の兄と知り合いで、その用事に付き合わされただけだった。何も無く終了‥。隆君があたしを覚えてない事がショックだった。

    2006-12-25 08:04:00
  • 171:

    飛鳥

    3回目はファミレスだった。のりかとご飯を食べに行ったら、隆君が地元の友達と来ていた。「久しぶり。」ニコニコしながら隆君は話しかけてきた。のりかが「久しぶりぃ!」と言う。あたしは前回覚えてもらえてなかった事もあって無視していた。「あんたじゃなくて、そっちの子。ねっ?」あたしが顔をあげると、隆君がこっちを見ながら笑っていた。

    2006-12-25 08:09:00
  • 172:

    飛鳥

    「こないだ無視したクセに‥」あたしはハンバーグを頬張りながら、目を反らした。「なんで?知り合い?」のりかは隆君の大ファンだったから、あたしに詰め寄る。「知らない。」あたしは冷たく言う。「ね、カラオケ行こ」隆君はあたしが言った言葉を無視して、遊びに誘ってきた。のりかは頭に『?』を浮かべながらも、「行く!!ね?飛鳥行くよね!」強引にカラオケに行く事に。

    2006-12-25 08:16:00
  • 173:

    飛鳥です。

    二部は、隆君との秘密の恋バージョンです。ちゃんと一部と二部繋がるので、読んでもらえたら嬉しいです?

    2006-12-25 08:19:00
  • 174:

    飛鳥

    カラオケに来た、のりかと隆君と卓ちゃんとやっ君とあたし。のりかはチャッカリ隆君の隣に座っている。「これ歌ってぇ〜ん」のりかの甘える声に頭が痛くなる。のりかはあたしの2個年上で、あたしは少し苦手だった。さっきもカラオケに来る途中に「隆君はあたしのが先に好きだったし、あたしがお兄ちゃんとも仲良いんだから、取らないでね!」な〜んて釘をさされていた。

    2006-12-25 09:33:00
  • 175:

    飛鳥

    あたしは隣に座っているやっ君と、好きな歌手が一緒だったので盛り上がっていた。「飛鳥ちゃんと俺気が合うなぁ」なんて話してると、のりかが歌い出す。モロ狙ってます系のラブソング。「はぁ。」あたしが溜め息をついていると、隆君が立ち上がりあたしの横に座る。のりかは歌っていたし、止める事ができなかったんだろう。「飛鳥ちゃん。」隆君はまたニコニコしている。近くで見ると、やっぱりかっこいい。顔も小さいし、八重歯がかわいい。

    2006-12-25 09:40:00
  • 176:

    飛鳥

    あたしは顔を直視できないでいると、隆君は顔を覗き込みながら歌本を渡してきた。「あゆ歌って。」気付けばのりかの歌は終わっていて、やっ君と卓ちゃんが歌っていた。のりかが睨んでいる。「あいつ嫌い。」あたしが歌本を見ていた少しの沈黙の時に、隆君はのりかを見て小声で言った。「なんで?」あたしは歌本を見ながら聞いた。「ベタベタ嫌いやし、なによりもあのブリッコは受け付けへん。」「ふーん。」芸能人でもそんなん言うんや。そのぐらいにしか思ってなかった。

    2006-12-25 09:48:00
  • 177:

    飛鳥

    カラオケで2時間ぐらい歌って、気付けば夜中の1時。終電もない。「適当にオールするわ」のあたしの意見を無視して、のりかは「隆君の家泊まらしてよぉ。あたしら帰られへんし、みんな一緒やったらいいやん」とおねだり。これには隆君も『図々しいな』と顔に出ていた。だけどのりかは引き下がる気配がない。「な〜ぁ?いいやん?」あたしは隆君と目が合い『ごめん』と目で合図して、「のりか!もういいやん」と言った。すると隆君は「家来ていいよ」と言った。

    2006-12-25 09:56:00
  • 178:

    飛鳥

    のりかの粘り勝ちだ。だけどこのあとが大変だった。寝る場所なんかで、のりかは大暴走。「隆君の隣がいい〜のっ!」と我儘連発!!一方隆君は「飛鳥!こっちおいで。」と、なんかこの状況を楽しんでいる様子。間に挟まれたあたしは、もう本当にしんどかった。『隆君は性格悪い』そう思ったね。だけどあたしも隆君の事が好き。のりかには悪いけど、この機会を逃す訳にはいかない!!みんなが寝静まった後、隆君と2人で喋ってた。芸能界の事をいろいろ聞かせてもらったり、気が付けば外は明るくなっていた。

    2006-12-25 10:09:00
  • 179:

    飛鳥

    「ありがとぉ」のりかはグッスリ眠れたのか、朝から元気だった。あたしとのりかはお礼を言って、駅へと歩きだした。「‥ってかさ、何喋ってたん?」のりかが低い声で聞いた。「ん?なにが?」「とぼけんといてよ!!」のりかの声が荒くなる。「昨日みんなが寝てから!!飛鳥と隆君起きてたん知ってるんやで!?」のりかは寝てるフリをしていたらしい。「芸能界の話とか、仕事の愚痴聞いてただけやで。」女は恐い。のりかはあたしを睨み「仲良くしんといて!!」と言い放つと、1人でスタスタと歩いていってしまった。

    2006-12-25 10:19:00
  • 180:

    飛鳥

    しばらく1人で歩いていると携帯が鳴る。『着信 隆君』電話に出ると隆君が「女の子って恐いね。」と言う。「どうして?」「のりかちゃんから電話あってね、飛鳥の悪口言ってたから。」隆君はあたしとのりかを離したいのか、馬鹿正直に言ってきた。「さっき、仲良くしんといて!って言って先帰ってったもん。」あたしはのりかにムカついていた。『悪口とか有り得へん。』とプンスカしていると「1人なら戻ってくる?」と隆君。「うん。」電話を切って、来た道を戻る事にした。

    2006-12-25 10:32:00
  • 181:

    飛鳥

    戻っていると、前から隆君が手をヒラヒラ振りながらこっちに来た。「のりかちゃんと喧嘩したんだ♪」なんだか嬉しそうなのがムカつくが、隆君があたしの手を握ったから、あたしはそんなムカつきもどっかに飛んでいった。その日はお昼ご飯を食べて、CDSHOPに行って帰った。隆君とのデートはドキドキだった。周りに気付かれないかと少し期待したけれど‥。隆君の馴れた変装で、バレずにすんだ。

    2006-12-26 00:48:00
  • 182:

    飛鳥

    隆君と遊んだ日から2週間。あたしはまた隆君のお兄さんの家に来ていた。今回は隆君に「話があるから来て♪」と呼ばれたのだ。緊張して固まってるあたしをよそに、隆君はマイペース。ゲームをしていた。「今日はごめんね。呼び出して」とお兄さん。口の中が渇くから、出されたレモンティーを飲む。「今日はね、のりかちゃんの事なんだけど‥」お兄さんは続けた。話の内容はこうだった。のりかが隆君とのありもしない噂を流していて、隆君もお兄さんもかなり困っている。

    2006-12-26 00:56:00
  • 183:

    飛鳥

    しかものりかは、あたしの立場が悪くなるように噂をしていた。「飛鳥ちゃんはそんな事しないって隆が言うから。けど一応確認したくて今日は呼んだんだ。」あたしは、「まったく知りません。」とだけ言って、レモンティーを流し込んだ。「とりあえず隆も彼女いるんだから、あんまり変な噂たてられないようにな!」とお兄さんは隆君にも注意した。『彼女‥やっぱりいるんだ‥。』あたしは少しだけショックだった。

    2006-12-26 01:02:00
  • 184:

    飛鳥

    『あんなかっこいいんだし、彼女くらいいるよね‥』あたしは自分の家のベッドに寝ながら考えた。相手は芸能人なのか‥?それとも地元の子‥?ぐるぐると頭の中がいっぱいになる。「考えてても解決しないよね‥」あたしは気になる気持ちを抑えて、布団に潜り込んだ。のちに隆君の彼女とも出会う事になる。

    2006-12-26 01:09:00
  • 185:

    飛鳥

    それが来たのは、あたしが隆君のお兄さんの家に3回目呼ばれた時だった。帰ろうと家をでたら、お兄さんの家に来た隆君と会った。その後ろに立つ女の子。背が低く細い。目はパッチリでサラサラのセミロングの茶髪。『あっ‥この子‥』あたしはその女の子を知ってる。よくテレビに出ているSだった。「飛鳥。来てたん?」あたしは隆君の声で我にかえった。「うん。ちょっと用事で。」Sはあたしを睨みつけた。「隆ぃ?知り合いの人?」警戒されてるのが分かる。あたしは「あたしもう帰るから!バイバイ!」と急いでいるフリをしてその場を去った。

    2006-12-26 02:30:00
  • 186:

    飛鳥

    『Sと付き合ってたんだ‥』あたしはあの場所にいたくなかった。だってこの間あたしの手を握っていた手が、今日はあの子の手を握っていたから。あたしの中の気持ちは現実の隆君に惹かれていたのに、それを見た事で心を鈍器で殴られたかのように痛かった。その日は隆君から連絡は無かった。あたしからも連絡はしなかった‥。『きっと一緒にいるだろう。』現実を受け止めたくなかった。

    2006-12-26 02:36:00
  • 187:

    名無しさん

    隆君って誰か分かったぁ???主さん今2?才位やろ??

    2006-12-26 02:41:00
  • 188:

    飛鳥

    それからはSの事にも触れず、隆君とはお互いたまに電話するぐらいになっていた。気が付けばあたしは中学3年になっていた。受験もあるし、真面目に学校へ行くようになっていたある日。体育の授業が終わって更衣室に戻ると、携帯に不在着信が残っていた。『不在 隆君』いつも電話は夜ばかりだったから、あたしは何かあったのかと急いでかけなおした。「あ〜す〜か〜♪免許取れたぁ〜♪」隆君の明るい声。18歳になってすぐに教習所に通って、一発合格だったらしい。「よかったね☆」「うん!今日の夜10時飛鳥の家の駅まで行くから♪来てね!」そう言うと電話は切れた。『あたし返事してないのに‥』いつも隆君はこうだ。こっちの用事なんてお構い無し。あたしの気持ちを知ってるから。

    2006-12-26 02:45:00
  • 189:

    飛鳥

    隆君は架空の人物ですよ?第一部は人物などほぼ実話ですが、二部は完全フィクションです?ちなみに隆君のモデル?みたいな人もいますが、普通の人です??

    2006-12-26 02:53:00
  • 190:

    飛鳥

    隆君はあたしをからかって遊ぶ。夜になって待ち合わせの駅に向かうと、隆君はもう来ていた後だった。「ひさびさ♪」隆君の車は彼のつけているグッチの香水の匂いがした。「かわいいカッコしてるね。俺の為?」そう言われて顔が赤くなる。あたしは隆君の頭の中のチェスの駒のように、思った通りの行動をしているらしい。操られて恥ずかしがっているあたしを見て、楽しんでいるのだろう。「ブラブラしよっか‥?」そう言うと車は走りだした。

    2006-12-26 05:28:00
  • 191:

    飛鳥

    「こないだの‥」「ん?」「あのっ‥こないだの子って彼女‥なの?」あたしは自分の中でモヤモヤとして、気になっていたあの事を聞いた。「ん〜、そうだよ♪」隆君はさらっと隠す事もなく答えた。「ふーん。」「何?ショックだった?」ちゃらけながら隆君は聞く。「別に。」あたしはこれ以上言葉に出せなかったから、話を変えた。気付けばコンビニの駐車場。「何か飲み物いる?」「なんでもいい。」車にあたしを残して、コンビニへと行く隆君。あたしの携帯が鳴る。『着信 のりか』あたしは名前を見て電話に出るのをやめた。今の状況がのりかの耳に入ったらヤバいから。

    2006-12-26 05:36:00
  • 192:

    飛鳥

    しばらくして帰ってきた隆君は「はいっ♪」とあたしに午後の紅茶のレモンティーを渡した。「最初にお兄の家で会った時に、これ好きって言ってたでしょ?」あの時、あたしを無視してた時の会話覚えててくれたんだ‥。なんかズルい‥。隆君は女心を分かってる。どうすれば女の子が嬉しいかとか、喜ぶかとか‥。あたしは「ありがと」とだけ言って受け取った。「ねぇ‥♪ホテル行こっか?」隆君は笑顔であたしに言ってきた。あたしには断る理由が無かった。もう頭の中は隆君でいっぱいだったし、彼女の事なんがどうでもよかった。

    2006-12-26 05:44:00
  • 193:

    飛鳥

    人生で初めてのラブホテル。中は少し古いせいかゴテゴテしていて、落ち着かなかった。「お風呂はいろ♪」隆君とあたしは一緒にお風呂に入る。泡風呂のおかげで体が隠せる。初体験は済ませていたけど、やっぱり恥ずかしい。お風呂を出て、バスローブを着る。隆君は先にベッドに座っていた。あたしはソファーに腰をかけ、レモンティーを一口飲み込んだ。「こっちおいで?」ポンポンッとベッドを叩きながら、隆君はあたしを呼んだ。あたしは緊張しながら隆君の隣に座った。

    2006-12-26 05:51:00
  • 194:

    飛鳥

    「飛鳥♪緊張してるの?かわいいッッ♪」と言うとあたしの唇にそっとキスをした。あたしの心臓はもうバクバクで、今にも大爆発を起こしそうなぐらい激しく脈をうっている。何も言えないでいるあたしを優しく押し倒す。キスが激しくなる。あたしの顔は多分真っ赤になっていただろう。首筋から胸へと、彼の舌は段々と下半身に向かっていく。優しいキスを全身にしていく。「あぁ‥ん」あたしは声を我慢していたがもう限界だった。「入れていい?」そう言うと隆君はあたしの中に入ってきた。

    2006-12-26 05:59:00
  • 195:

    飛鳥

    最初はゆっくり、段々激しく動く。「あぁっっ!あんっっ!」あたしの声も激しくなる。「もう‥いく!」そう言うと隆君は果てた‥。事が終わりグッタリしているあたしに、隆君はレモンティーを持ってきてくれた。「はいっ♪」優しい隆君。その後もたくさんキスをした。あたしは隆君の腕枕で眠った。すごく安心できる腕だった。次の日隆君の携帯の音で、あたし達は目を覚ました。もう朝の11時。『今日は学校サボりだ‥』その後2人でシャワーを浴び、ホテルをでて家まで送ってもらった。

    2006-12-26 06:07:00
  • 196:

    飛鳥

    また明日続き書きます?

    2006-12-26 06:08:00
  • 197:

    飛鳥

    家に着いたあたしは、まだ夢の中にいるようだった。『隆君が好きだ‥』あたしの中の気持ちは大きく膨らんでいた。携帯に手を伸ばす。あたしはダメだと分かっていながらも、隆君にメールを送った。『あたし、隆君の事好き。付き合ってほしいです。』これだけ打つのに30分かかった。送信。メールを送ってすぐに電話が鳴った。『着信 隆君』あたしは一瞬固まってしまったが、通話ボタンを押した。「はっ‥はい!」緊張しすぎてどもる。「メール見たよ!ありがと♪」「うん。」もうダメだ‥緊張のせいでちゃんと喋れない。沈黙になる。すると隆君が沈黙を破った。「飛鳥‥誰にも内緒で付き合える?」

    2006-12-27 00:56:00
  • 198:

    飛鳥

    『?!』誰にも内緒で?あたしは状況が読めなくて、「内緒?」と聞いた。「うん。内緒♪家族にも内緒。誰にも言わないで付き合うの。それでもいい?」あたしは頭の中でいろいろ考えた。彼女がいるから?二股かける気だから?2番目って事?ぐちゃぐちゃなあたしの頭。「なんで?嫌だ!なんで付き合ってる事誰にも言っちゃダメなの?!」あたしは隆君が、何を考えてるか分からなかった。隆君は「そっか‥」と言うと「また連絡するね」と電話を切った。「断るなら、そんな期待させるような事しないでよ‥」あたしは1人失恋に泣いた。15歳になる前の秋だった。

    2006-12-27 01:05:00
  • 199:

    飛鳥

    その後、隆君からの電話が減った。あたしからも気まずくてあんまり電話をしなくなった。この日は久しぶりにお兄さんからの連絡があって、お兄さんの家に遊びにきていた。ストローをくるくるすると、レモンティーの中の氷が『カチャッ』となった。「ふーん。でっ?飛鳥は嫌だって言ったんだ?」お兄さんの声。この間の事を相談していた。「うん。だって二股とか嫌なんだもん。」あたしはストローで氷をつつく。「隆は彼女ととっくに別れたよ」あたしは踏みつけられた蛙のような顔で、お兄さんの顔を見た。

    2006-12-27 01:15:00
  • 200:

    飛鳥

    「え?それ本当?!」「うん。多分飛鳥ちゃんのその話のちょっと前かな?」あたしは固まった。「じゃあなんで?なんで隆君は内緒で付き合おうとか言うの?」意味がわからない。内緒にする理由も見当たらない。「隆は、付き合う時にそれを絶対相手の子に聞くみたいだよ。」お兄さんの話によると、隆君は仕事上あまり派手な付き合いができない。だから、女の子も我慢する事が増える。それを耐えれなくて女の子は隆君から離れていってしまう。だから最初に内緒にできるか聞いて、女の子の覚悟を試す‥。あたしはその試験?に落ちた。

    2006-12-27 01:25:00
  • 201:

    飛鳥

    「もっと早くに俺に相談しとけば‥」お兄さんの声が頭の中でこだまする。あたしは自分で自分のチャンスを捨てていた。『もう1度チャンスを作るしかない!』あたしはこの日決心した。お兄さんには「多分‥言いにくいけど‥もう無理だと思うよ‥?」と言われた。だけどあたしは諦められなかった。最初はテレビの中の隆君が好きだった。出会った隆君は、意地悪で性格も良くなくて‥けれどテレビとは全然違う良い所もいっぱいあって‥。もう1人の人間として大好きになっていた。

    2006-12-27 01:36:00
  • 202:

    飛鳥

    それからは自分から隆君に連絡をするようになっていた。この頃のあたしは隆君からしたら少しウザかったと思う。けれどあたしには他に考えが浮かばなかった。子供だった。一緒に遊んだ日は『好き』をアピールした。けれど隆君の中では、あたしを1人の女性として見てくれる事は無かった。

    2006-12-27 01:41:00
  • 203:

    飛鳥

    それが分かったのはあたしが中学を卒業して、水商売を始めた時。仕事で酔っぱらっていたあたしは、いつものように隆君にしょうもないメールを送った。『仕事終わったぁ☆今日は美容院で頭セットしてもらった(*^^*)見せたかったなぁ♪』多分こんなメールだったと思う。しばらくして入ってきたメールは隆君の携帯からだったが、隆君からではなかった。『題名 隆の彼女です。』あたしはメールを開いた。『飛鳥ちゃんと隆が友達なのは知ってます。あたしと隆は付き合っています。隆と連絡とるのやめてもらえますか?』こんな内容で長文が送られてきた。あたしは酔いが一気に覚めて、『分かった。』とだけ返事を送った。その彼女は、隆君が昔から好きだと噂があった女の子だった。もうあたしには勝ち目はなかった。

    2006-12-27 02:59:00
  • 204:

    飛鳥

    その子と付き合ったらしい時期に、隆君は芸能界を引退していた。あたしはもう隆君の眼中には無いと思った。電話が鳴る。『着信 隆君』電話に出る。「さっきはごめんね♪」いつも通りの隆君。「大丈夫なの?」「うん。さっきの気にしないでね♪」どうやら彼女が勝手に携帯を見て送ったらしい。けどなんでそんなフォローするの?大切な彼女がいるなら、あたしなんてどうでもいいじゃない‥。あたしは悲しくなった。「ねぇ‥今から会える?」

    2006-12-27 03:06:00
  • 205:

    飛鳥

    欲望に負けた。「おじゃましま〜す♪」隆君はあたしの部屋をキョロキョロ見渡し、「豹柄好きなの?女の子の部屋って感じ♪」と、ソファーに座った。「頭!!かわいいね♪」「セット行ったから‥」あたしが言い終わらないうちに、隆君はある物を発見した。「男物の服があるッ♪」指差しながらこっちを見る。転がり込んでいたTの服だった。「たまにうちに泊まりに来る子の服。」あたしは買ってきた飲み物をコップにいれながら言う。

    2006-12-27 03:18:00
  • 206:

    飛鳥

    「ふ〜ん♪」隆君は物珍しいのか、まだキョロキョロしていた。少ししてからポンポンとソファーを叩き、あたしに隣に来いとばかりに呼ぶ。隣に座るあたしを「飛鳥かわいいねっ♪」なんて言いながら、抱き締められた。『この関係でもいい。隆君と一緒にいられるなら。』好きすぎて、もうどうにでもなれって思った。隣の部屋には妹達が寝ている。声を押し殺しながらエッチをした。終わった後、腕枕をされながら隣では寝息をたてている隆君。体だけでもいい。少しでも特別なら、あたしはそれで良くなっていた。

    2006-12-27 03:27:00
  • 207:

    飛鳥

    それからは、ホテルだったり隆君の家だったりあたしの家だったり‥、秘密の関係が続いた。相変わらず電話では冷たかったりするけど、会えば優しい隆君が大好きだった。その頃にいろんな噂をたてられた。ヤリマンだとか、売女とか、利用されてるとか‥。それでも隆君とは体だけの関係じゃなく、悩みを聞いてくれたりしてくれていた。あたしが隆君の先輩にヘタウチした時もかばってくれて、裏で話をつけてくれていたり。そのせいで悩んでいた時も朝まで電話を付き合ってくれて、あたしを励ましてくれた。

    2006-12-27 03:35:00
  • 208:

    飛鳥

    お兄さんの家に遊びに行った時だった。お兄さんの友達やあたしの友達と、みんなで飲み会した時。「隆とはどうなの?」コソッとお兄さんに聞かれた。みんなはワイワイ賑わっていて、あたし達の会話は聞こえてない。「ちょくちょく会ってます。」あたしは素直に言った。「飛鳥がこの場にいて襲われたりしないのは、隆のおかげなんだよ」と言われた。「隆が飛鳥の事、彼女じゃないけど大切にしてるのみんな知ってるから、無理矢理手をだしたり口説いたりしないんだよ。」

    2006-12-27 03:42:00
  • 209:

    飛鳥

    確にお兄さんの友達には、みんなに良くしてもらっていた。すごくかわいがってもらっていたと思う。あたしが遊びに来た時は、いろいろ遊びに連れてってもらってたし、楽しく過ごせるようにしてもらえてたと思う。けれど誰として携帯の番号を聞く人もいなかったし、酔った勢いでどうにかなった事もなかった。「そうやで。」考えていると後ろから声がした。隆君の友達の卓ちゃんだった。「飛鳥は隆の羊やん。隆の持ってる牧場の柵の中にいる羊が、飛鳥なんやん。」

    2006-12-27 03:51:00
  • 210:

    飛鳥

    あたしの頭が『?』になっている。卓ちゃんは続ける。「隆は、飛鳥を柵から出したくないねん。誰かが柵に勝手に入ってくんのも嫌がる。柵の中やったら自分の目が届くやん?だから安心。その中にいる羊が飛鳥って事。」なんとなく分かった。隆君はあたしの飼い主って事らしい。前に「妹みたいで心配なる。」って言われた事も思い出した。あたしはおかしくて笑った。だってその例えがピッタリやったんやもん。転がされてても、そうやって心配してくれてる事が嬉しかった。

    2006-12-27 03:58:00
  • 211:

    飛鳥

    事の後のベッドの上で、あたしは隆君の腕枕で寝ながら煙草を吸っていた。この時の隆君はいつもと違った。例のあたしにメールをしてきた彼女と別れたらしい。煙草を吸い終わったあたしは、隆君にピッタリと抱きつき「なぁ!あたしと付き合って♪」と言った。「飛鳥は男いっぱいいるやん。初めて家に行った時も服あったし‥」この時期のあたしは彼氏ができても二股とか当たり前で、飽きたらポイッて感じだった。隆君とは何でも話せたから、隆君もその事は知っていた。「隆君だけになるもん。」あたしはプゥーとほっぺを膨らまして、スネてみせた。

    2006-12-27 04:07:00
  • 212:

    飛鳥

    「‥。しばらく飛鳥に男の影がなかったら、考えるわ♪」「ほんま!?飛鳥頑張るわ☆」そう言って隆君にキスをした。この時には隆君は関西を離れる事が決まってたん?どういう気持ちやったんかも分からんけど、そう言ってくれた事がすごい嬉しかった。あたしは早速、訳分からん男関係を切った。隆君以外いらんかった。別に好きでもなかったし、切る事に抵抗なかった。『やっとチャンス来たんちゃうん!!』そればっかり考えていたから、隆君の大事な変化に気付けなかった。

    2006-12-27 04:18:00
  • 213:

    飛鳥

    年が明けてすぐ、隆君の周りから聞く事になった。『隆が夢叶える為に東京に行く。』その出発まで、あと1ヶ月も無かった。あたしはその話を聞いて、すぐに隆君の家に向かった。隆君のお母さんとお父さんが迎えてくれた。リビングでお茶をもらう。隆君が用事から帰ってきて、隆君の部屋で話す。「東京行くって‥本当なの?!」あたしは単刀直入に聞いた。「‥うん。」頷く隆君。「なんで言ってくれないの?」「タイミング無かったから‥。」本当だった‥。夢があってその為に東京へ行く。もう決心している。話を聞いても、あたしには止める理由なんて無い。彼女でも無いし、応援するしかなかった。「頑張って‥」とだけ言った。

    2006-12-27 04:27:00
  • 214:

    飛鳥

    それから隆君の出発までの間、一緒にいる時間を大切にした。エッチとかは、あまりしなかった。一緒に音楽を聞いたり、ゲームをしたり、ご飯を食べに行ったり、朝までみんなで飲み会をしたり‥たくさんの時間を一緒に過ごした。初めてのりか達と行ったカラオケ屋が潰れるのを聞いて、みんなでカラオケをしに行った。あたしは夜の仕事を辞めたのもあって、隆君が暇な時はいつでも一緒にいた。大好きな隆君と一秒でも一緒にいれて嬉しかった。

    2006-12-27 04:35:00
  • 215:

    飛鳥

    出発の当日、あたしは駅前のコンタクト屋さんにいた。隆君が準備で忙しくて取りに行く事ができないから、代わりにコンタクトを取りに来た。コンタクトを受取り、喫茶店で待ち合わせまで時間を潰す事にした。思い出がいっぱいの手帳を開く‥。案の定、日記には隆君の名前がいっぱいだった。思い出が蘇る。『この時はこんなんだったなぁ〜』なんて思いながら、ページをめくる。ふと手がとまる。『頑張れ!』あたしの字ではない‥。『隆より』いつ書き込まれたのか分からないが、隆君からのメッセージが書いてあった。

    2006-12-27 04:43:00
  • 216:

    飛鳥

    「いつ書いたんだろ‥」あたしは、少し泣きそうになりながらも、笑って送り出すつもりでいたから、グッと堪えた。プリクラなんかも見ながら、時間を見ると約束の10分前だった。喫茶店を出て、約束の場所に向かうとまだ隆君の姿は無かった。辺りを見回していると、肩を『ポンポンッ』と叩かれた。振り返ると、いつもの隆君がいつもの笑顔でそこに立っていた。「待った?」「ううん。はいこれ。」あたしは、頼まれていたコンタクトと、もう1つ荷物を差し出した。

    2006-12-27 04:48:00
  • 217:

    飛鳥

    もう1つの荷物には、あたしの母から隆君への荷物だった。「いらないって言ったんだけど、お母さんが無かったら困るでしょって。」タオルと旅行用の洗面道具だった。「おう♪今日から必要なるからな!めっちゃありがとう☆」隆君は「お前のお母さん分かってるわ♪」とか言ってたが、手がとまった。「何?これ。」その手に握られていたのは、女性用の生理用品‥。「ははっ!お前のお母さんバリうける!」そのナプキンにはマジックで『なんかあった時使ってね!頑張って♪』と書いてあった。

    2006-12-27 04:57:00
  • 218:

    飛鳥

    隆君と「何かあった時にどうやってコレ使うねん!!」とつっこみながら、2人で訳の分からない母の餞別に笑った。そうこうしているうちに、もうすぐ時間だ。「行こっか♪」あたしも入場券を買って、新幹線のホームへむかった。ホームの売店でレモンティーを買ってもらう。あと5分くらいで電車が来る。「遊びに来てな♪」「うん。たまには帰ってきてな!」あたしは頑張って笑顔を作った。電車の到着の放送がながれる。ホームに入ってくる電車。『もうお別れだ‥。けど一生会えなくなる訳じゃない。』涙をこらえる。

    2006-12-27 05:05:00
  • 219:

    飛鳥

    それに気付いたのか隆君はあたしの頭をポンッと触り、「またな♪」と言った。いつもと同じ別れの言葉、けれど今日は違う‥。あたしは精一杯の笑顔で「いってらっしゃい!」と言った。発車のベルが鳴り、ドアが閉まる。電車が動きだす‥。あたしは手を振った。隆君も手を振った。「また会えるよね‥。」1人になったあたしは、去っていく電車を見ながらポツリと呟いた。

    2006-12-27 05:11:00
  • 220:

    飛鳥

    一気に書いたんですが、このあとの展開がまとまってないので、また明日書きます?
    読んでもらぇてたら嬉しいでーす?

    2006-12-27 05:53:00
  • 221:

    名無しさん

    頑張って☆

    2006-12-27 11:40:00
  • 222:

    飛鳥

    「ボーッと何考えてるの?」裸で毛布1枚のあたしに、男は聞いた。「別に♪なんでもないよ☆」煙草の火を灰皿に押し付ける。隆君が東京に行ってすぐ、あたしには海君という彼氏ができた。隆君と付き合えるかも?なんて期待は、とっくに捨てた。もう、あれから3ヶ月が過ぎ、向こうの生活にも慣れたのか、隆君からの連絡はほとんど無かった。「そろそろ帰るね!」「うん。あのさ、この間言った事‥一緒に住む事考えといて!」海君からは一緒に住もうと誘われていた。「分かってる。じゃあまたね☆」

    2006-12-30 00:14:00
  • 223:

    飛鳥

    『まだ寒いなぁ‥』季節は4月なのに、夜はまだ冷える。バスを待ってると、ポケットの中の携帯が鳴った。『着信 隆君』「はぁい。」「飛鳥〜?久しぶり♪」久しぶりに聞く隆君の声にドキドキしてしまう。「どうしたの?元気してる?」「かなり元気♪ところで俺どこにいると思う?」「東京でしょ?」「ううん。地元。駅前のカラオケにみんないるから、来る?」「えっ!?行く行く!!」ビックリしたけど、隆君に会える!!あたしは、バス停の横に停まっていたタクシーに乗り、迷わず「○○駅まで!」と言っていた。

    2006-12-30 00:29:00
  • 224:

    飛鳥

    タクシーに乗って20分ぐらい。夜だからか道は空いてた。あたしは『久しぶりに会える』っていうので頭の中はいっぱい、メイク直したり鏡を何回も見て、ソワソワしてた。駅前のカラオケ屋さんに着いた頃には、夜の12時をまわっていた。あたしは海君に帰宅メールを送って、隆君のいる部屋を探した。ドアを開けると隆君と懐かしいメンバーがいた。「飛鳥!久しぶりやん!早くこっちおいで♪」隆君のお兄さんに呼ばれてソファーに座る。

    2006-12-30 02:15:00
  • 225:

    飛鳥

    たった3ヶ月だけど、その場の雰囲気はすごく懐かしかった。前は毎週って言っていいほど、みんなでこうして遊んでたのに、隆君が東京に行ってからは、集まる事はほとんど無かったから。久しぶりに会った隆君は、髪の毛が短くなっていたけど、相変わらず前のまんまだった。「飛鳥ちょっと太ったぁ?」隆君が言う。「うるさい!!もう。」膨らむあたしのほっぺを、ツンツンとつつく。『やっぱりみんなといると楽しいな〜』あたし達は歌う事も忘れて、話していた。

    2006-12-30 02:21:00
  • 226:

    飛鳥

    あっという間に夜中の3時。少し田舎のカラオケ屋さんだから、もう閉店の時間だ。あたしが『このままバイバイは寂しいなぁ‥』なんて思ってるのを気付いてか、「飛鳥はこっち。」と隆君の車の助手席に乗せられた。車に乗ったあたしに「うち泊まれば?」と隆君。「飛鳥送ってくるわ!」と言って、みんなとはバイバイした。2人っきりの車内、ちょっと緊張して沈黙‥。コンビニに寄って、隆君の実家に行った。夜中だからコッソリ家に入り、隆君の部屋へ。隆君の部屋は、引っ越した後でガラーンとしていた。

    2006-12-30 02:29:00
  • 227:

    飛鳥

    コンビニで買ったビールで乾杯をし、飲みなおす事にした。携帯を見ると『不在 海君』隆君には静かにしてもらって電話をかける。「もしもし?ごめん。お風呂入ってた。うん‥うん。もう寝るの?うん!おやすみ。」電話を切ると「彼氏?」と隆君がニヤニヤとこっちを見ていた。「うん。最近付き合ったばっかりだけど。」「よかったな♪」あたしは胸がキュンとした。自分が彼氏を作ったんだけど、それに対して隆君が何とも思ってない様子が、やっぱりあたしには興味が無いんだな〜と実感させられる。勝手なのは分かってるけど、どうにもならない気持ちがアルコールも手伝って暴走する。

    2006-12-30 02:39:00
  • 228:

    飛鳥

    「‥隆君が好き。」あたしは酔った勢いもあって言った。「俺も好きやで。」と優しくキス。いつもそうやって誤魔化す‥。あたしの気持ちを上手く利用する‥。ズルい‥。分かっていても、あたしはそれに応じてしまう。隆君にはちょっとした事でも、あたしにとっては宝物なの。抱き締められるその腕の強さも、あたしの体にキスをするその唇も、あたしの体を熱くするその指も‥全部が好き。

    2006-12-30 04:14:00
  • 229:

    飛鳥

    今のあたし達は出会って10年。もう彼女になれなくても良いと思っている。世間でいうセフレ。反感をかっても、人に理解をしてもらえなくてもいい。それでも一緒に居たいと思うし、幸せだから。1つ普通と違うのは、お互いを思いやる気持ちが強い事。何かがあれば誰よりも頼りになる。今では「いい人と出会えるといいね」なんて話してる。

    2006-12-31 05:14:00
  • 230:

    飛鳥

    どちらかの恋人が、束縛の激しい人で連絡がとれなくなっても、絶対に切れる事はない。なんで言いきれるの?って?だってあたしはまだ彼に飼われてる羊だから‥。まだあたしの中では、あなたが1番だから‥。今はあたしに恋人がいて、少し連絡が途絶えてるあなた‥。聞こえてますか‥?まだ見えないあなたからの卒業の日まで、いつになるか分からないけど‥もう少しだけよろしくね。

    2006-12-31 05:36:00
  • 231:

    飛鳥

    ───第二部 完───

    2006-12-31 05:38:00
  • 232:

    飛鳥

    第二部の羊はこれで終わりです。実体験を脚色して、相手が芸能人という設定にさせてもらいました?
    第三部に続きます?
    読んでもらえてたら嬉しいです?

    2006-12-31 05:41:00
  • 233:

    名無しさん

    ?

    2007-01-08 02:05:00
  • 234:

    名無しさん

    続き書こう?完結させてね?

    2007-01-17 05:10:00
  • 235:

    名無しさん

    ?

    2007-01-18 06:05:00
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