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?人魚のソーダ?
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1:
なお◆l4UcoxfPVQ
君は人魚
青ぃ程透明な
ソーダの海で
流した涙が真珠に変わる
2006-12-02 01:06:00 -
201:
なお◆l4UcoxfPVQ
充貴の見つめる視線を追い掛けると、1人の男の子を見ている様だ。
青い長靴を履いて、砂場で一生懸命穴を掘っている。4〜5歳くらいだろうか…可愛い。
「華……」
彼は視線をはずさずあたしを呼んだ。
「……ん…?」2006-12-15 22:04:00 -
202:
なお◆l4UcoxfPVQ
「あいつの両親を奪ったんは…俺やねん。」
「え……」
強い風が吹いた。
男の子の持っていたスコップが転がり、青い長靴をカポカポさせてそれを追い掛ける。2006-12-16 00:48:00 -
203:
なお◆l4UcoxfPVQ
「俺が付き合ってた女は旦那も子供もおった人妻やってん。………不倫。」
充貴の言葉にあたしは返す言葉が浮かばなかった。
それから、彼は話続ける。2006-12-16 01:13:00 -
204:
なお◆l4UcoxfPVQ
「出会ったのはミナミでホストをしてた21の時で元は客やった彼女に色をかけてすぐ付き合いはじめてん。初めは俗に言う色彼やったけど、だんだん本気になって俺はハマってった。もちろん旦那と子供が居てたのは知ってたけど、仕事ばっかりで帰ってけーへん旦那より俺を愛してるってアイツはいつもゆうてた。俺もそれを信じてた…
2006-12-16 01:23:00 -
205:
なお◆l4UcoxfPVQ
それから好きになる程独り占めしたくなって、自分だけのもんにしたくて、俺は旦那との離婚を催促する様になったんやん。アイツも離婚するって言ってくれた。やけど何ヵ月立ってもアイツは離婚せんくて。煮え切らん態度に待ちきれんくなった俺は………………………ついにアイツの旦那にバラしてしまってん。」
2006-12-16 01:31:00 -
206:
なお◆l4UcoxfPVQ
あたしは充貴の唇や指先が小さく震えだすのが分かった。
今過去を映し出しているのだろう彼の目は、暗く淀み、何かに絶望しているかの様に光っていた。
「充貴…」
「黙って聞け」
「………………」2006-12-16 01:35:00 -
207:
なお◆l4UcoxfPVQ
「結果、アイツの旦那はこんな女いらん出てったわ。アイツは気が狂った様に俺を口汚く罵った。アイツは俺の事なんかこれっぽっちも愛してなかってんただかまってくれへん旦那への当て付け、さみしさを紛らわす玩具でしかなかったんや……俺…………あほやぁ……」
頭を前へつけてうつむくと、彼はそのまま小さくフェンスを殴り、そしてまた続ける。2006-12-16 01:44:00 -
208:
なお◆l4UcoxfPVQ
「それから……すぐにアイツは自殺してもうた。俺のせいや…。最後にアイツから電話が来た時な、様子おかしいから胸騒ぎして家行ってん。……………入って俺が見たのは………リビングの天井からぶらさがったアイツと、何も分からんと母親の足元で遊ぶ子供。
俺が………殺したんや」2006-12-16 01:56:00 -
209:
なお◆l4UcoxfPVQ
くずれる落ちる様に地面へしゃがんだ彼をいつのまにかあたしは抱き締めていた。
あたしの腕の中で全身を小さく震わせながら、彼は「大丈夫」とひとすじ涙をこぼし、あたしの背中に腕をまわした。
人を愛する事は美しく残酷で、時にどうしてあやまちになってしまうのか。2006-12-16 02:08:00 -
210:
なお◆l4UcoxfPVQ
あたしは彼の深い深い、まっ暗闇をのぞけた気がした。
同時に、あたしの中に小さな光を灯してくれたんだ。
まるで……底無し沼へ投げられた1本のロープの様に。2006-12-16 02:15:00