小説掲示板?人魚のソーダ?のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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?人魚のソーダ?

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  • 1:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    君は人魚           
    青ぃ程透明な
    ソーダの海で          
    流した涙が真珠に変わる     

    2006-12-02 01:06:00
  • 2:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                    
    シュワシュワ
    音を建てながら                      
    君は泡に溶けてった                 

    2006-12-02 01:09:00
  • 3:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「じゃあ明日はお願いね、詳細はまた夕方連絡するから……あ!エプロン絶対忘れんとってな☆はーい」   
    受話器を慌ただしく戻すと、パソコンに向かいカタカタと急いで入力する。
    入力する事なんて3分程度で終わってしまうし別にたいして無いのだが、ちゃっちゃと一服したかったのだ。

    2006-12-02 01:17:00
  • 4:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「ふぅ…」        
    一段落終え、あたしは煙草に火を付けゆっくり肺に煙を送り込む。
    デスクのすぐ横には窓が付いていて、ふいに外に目をやると、どんよりとした重たい雲が立ち並ぶビルの上を暗く覆っていた。

    2006-12-02 01:23:00
  • 5:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    この会社に入社して1年、夜からの転職でやっと自分にも生活にも普通のゆとりが出来てきた今日この頃。              
    ――――まぁ…、1つだけ普通とは違う所があるのだが。

    2006-12-02 01:28:00
  • 6:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    時計の針が2時45分を指している、そろそろ面接の時間だ。

    2006-12-02 01:29:00
  • 7:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    この会社はアウトソーシングといって人材請負業をしているのだが、簡単に説明すると会社に登録してある仕事のしたい人間を派遣させる…といった所だろう。

    ――簡単すぎるかな、笑

    2006-12-02 01:35:00
  • 8:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしはこの1年間毎日毎日、企業からの発注書とパソコンの登録名簿とのにらめっこ、それから片っ端から「明日仕事あるんですが行けますか?」と電話を端から端までかけたおす。
    そんな繰り返し。
    発注書達の人数が埋まるまでかけてかけまくって、帰りが午前様なんてザラな事。労働基準法なんてどこにあるのだろう?
    それでも埋まらなければ社員であるあたし達が現場へ出ることになってしまうのだ。

    2006-12-02 01:42:00
  • 9:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    そして、1日2回。1時からと3時からの面接も、今ではあたしの仕事になっていた。

    システムをパンフの通りに説明し、登録シートに記入してもらい、身分証のコピーをとる。ただそれだけ。

    2006-12-02 01:45:00
  • 10:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    前嶋常務は23歳のあたしより4つ年上の27歳だ。
    若くて、仕事が出来て、長身で見た目もいい。芸能人で例えるなら…竹ノ内豊とを少し若くして要潤を足した感じだろう。
    清潔感があり、物腰も柔らかく…男の色気がただよう彼に憧れる女性社員は少なくなかった。

    2006-12-02 02:19:00
  • 11:

    「今日は早く終われそうやし、華子、終わったら一緒に帰ろう」
    あたしの耳元で彼はそうささやくと、また、コーヒー片手にデスクへ戻っていった。                          
    あたしと彼の関係を知る人なんていない。
    なぜなら           
    彼の薬指には、あたしとは違う女性との【愛の誓い】が光っていたから……―――――――――――――――――――――――――――――" " "06/12/02 02:26

    2006-12-02 02:26:00
  • 12:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    コピーを取り終わり、面接室へ戻ろうと廊下へ出た時だった。
    「きゃっ」――ドンッッ―バサバサッ

    飛び出した誰かにぶつかったらしく証明証を廊下へばらまいてしまった。
    びっくりしたぁ………

    2006-12-02 02:35:00
  • 13:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「すいません…」
    ぶつかって謝った人は見た事の無い男の子だった。彼はさっさとあたしが落とした物を拾い集めると、あたしへ渡しながら質問した。
    「あの…3時からの面接って言われてたんですけど遅刻してもて…、もう無理ですか?」

    2006-12-02 02:39:00
  • 14:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「あぁ〜、面接はもう終わってしまうわぁ…、まいいか!5分待ってて」
    はぁ、と素っ気なく答える彼を残し、あたしは面接室へ戻る事にした。
    普通の会社で面接に遅刻なんてありえない話だろうけど、この業界は何より人手が必要だった。
    遅刻してしまおうと、取り敢えず登録させてしまう。

    2006-12-02 02:48:00
  • 15:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    しばらくして彼を面接室へ呼び入れると、彼は一礼をしてからテーブルの前へ腰をおろした。
    「じゃあ、このシートに記入してくれる?」
    シートを渡すとあたしも彼の前へ着席。

    2006-12-02 02:53:00
  • 16:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    瀬口充貴【せぐち・みつき】22歳か……早生れやからあたしとタメやね。
    彼が記入していくシートを眺め、それから視線を彼の方へゆっくり移す。

    2006-12-02 02:58:00
  • 17:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    綺麗な顔…。         
    単純にそう思った。タメの割に若く見える中性的で整った顔立ちで、長い睫毛が頬に影を落としている。
    明るい茶色の髪の毛は綺麗にセットされていて、首には黒いヒョウ柄のロングストールを巻き、気持ち良さそうなファーの付いたナポレオンジャケットを羽織っていた。

    うーん、雑誌から出てきたみたいな子やなぁ☆

    2006-12-02 03:11:00
  • 18:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「書けましたけど。」
    ぼんやり眺めていたもんだから突然顔をあげられて、あたしはひどく驚いた顔をしたと思う。

    そんなあたしを彼は無表情でじっと見つめた。

    2006-12-02 03:16:00
  • 19:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                 
    ――ズキン…                    
    彼の視線に何を感じたのかはその時のあたしにはまだ分からなかった。

    2006-12-02 03:18:00
  • 20:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    ただその瞬間                     
    彼のガラス玉の様なカラッポの瞳に                   
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――彼の視線にあたしは犯されたのだ。

    2006-12-02 03:22:00
  • 21:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                   
    ねぇ神様          
    もし運命っていうものが
    あるのなら                     
    この結末は、あたし達の運命は

    2006-12-02 03:26:00
  • 22:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                  

    もうすでに         
    出会った瞬間から決まっていたんですね…        

    2006-12-02 03:28:00
  • 23:

    名無しさん

    ↑何がよろしくなん?ワラ

    2006-12-02 08:24:00
  • 24:

    名無しさん

    ↑いちいちうるさいやつだな
    別にええやん??

    2006-12-02 09:01:00
  • 25:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    そうなんですか、なんかすごく嬉しいです(>_

    2006-12-02 18:58:00
  • 26:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――「華?何ぼーっとしてるねん?」            
    前嶋常務の声にあたしはハッと我に還る。
    前嶋はそんなあたしの頬に愛しそうにキスし、それから背を向けて煙草を吸いはじめた。

    2006-12-02 19:03:00
  • 27:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    睦み事の後の乱れたベッドへ身を沈め、あたしはそんな彼の背中を静かに見つめた。


    あたしはこの男を愛してる。

    2006-12-02 19:06:00
  • 28:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    そう感じるたびに
       
    あたしは記憶の奥にしまってある母を思い出していた。

    2006-12-02 19:08:00
  • 29:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    母は恋多き女で、記憶に残る彼女の姿はいつまでも少女の様だった。                     
    そんな母が最後に、生まれて初めて本気で愛した男は…
    彼は家庭を持つ男だった。

    2006-12-02 19:14:00
  • 30:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしは母の様にはならない、
    報われない恋なんかしない               
    18の時に母が自殺してから、そう胸に誓い生きてきた。

    2006-12-02 19:18:00
  • 31:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    母の様な激情はあたしには無い。          
    だが、この男を【愛してる】、そう胸の内がうずくたびにに、あたしは母を思わずにはいれなかった。    
    あたしの愛は、母とは違う。

    2006-12-02 19:24:00
  • 32:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「そういえば今日登録に来た奴えらいイケメンやったらしいなー、事務の子らが騒いでたわ」
    前嶋は背中を向けながらあたしに語りかける。
    「ああ…うん、そーそー、めっちゃモデルみたいな子やったわー笑」
    あたしはわざと大げさな声を出して返してみた。

    2006-12-02 19:30:00
  • 33:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    すると前嶋は、吸っていた煙草を灰皿に押しつけてあたしの方へ寝返りをうった。
    それから髪を優しく撫で
    「そっか、お前がそっちに行かんか心配なるわ」とつぶやいた。

    2006-12-02 19:34:00
  • 34:

    なお◆l4UcoxfPVQ



    嘘つき。

    2006-12-02 19:35:00
  • 35:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    言葉とはウラハラな微笑みを浮かべる前嶋。    
    あたしがこんなに愛している事…
    知ってるくせにね。

    2006-12-02 19:38:00
  • 36:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    時刻はAM2時を指していた。
    あたしは少し寝入った前嶋を少し眺め、それからそっとキスをした。
    「前嶋さん、そろそろ起きて帰らんかったら…奥さん心配するで」
    そう耳元でささやき、優しく起こす。

    2006-12-02 19:44:00
  • 37:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    なんて物分かりのいい愛人。

    前嶋はうちを後にする時、必ず少し名残惜しそうに笑い「愛してるで、おやすみ」と出ていった。

    それが本心なのか演技なのか、だけど、あたしをいい女でいさせるには……それだけで十分だったのだ。

    2006-12-02 19:50:00
  • 38:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    母はよく彼に『行かないで』と泣いてすがっていたっけ。            
    子供心にもあたしは母を、……なんとも滑稽で、可哀相で、弱い女。
    そんな風に思っていたんだ。                        
    あたしはそんな事はしない

    2006-12-02 19:55:00
  • 39:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    あたしはそんなに弱い女じゃない。                     
    違う            
    見離されるのが恐くて、嫌われるのが恐くて、『行かないで』と言えない         
    あたしは……もっと弱い女なのかもしれない。

    2006-12-02 20:00:00
  • 40:

    なお◆l4UcoxfPVQ



    母は人魚になれたのだろうか。           

    2006-12-02 20:03:00
  • 41:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「給料取りに来ましたー。」
    今日は1週間に1回の登録スタッフ達の給料日だ。
    もうそんな時間か、と振り替えると、ドアの所に2週間前登録に来た瀬口くんが頭をひょっこり出していた。

    2006-12-02 20:20:00
  • 42:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    それからドアの上の時計に目をやると、PM4時30分を指していた。
    給料を渡す時間は5時からだ。
    「時間まだやからスタッフルームで待っててーっ」とデスクから声を張り上げると、瀬口くんはコクンと頷き頭を引っ込めた。

    2006-12-02 20:25:00
  • 43:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    さて、あたしもコンビニでも行こうかな。
    引き出しから携帯と財布を取出しデスクから立ち上がると
    「山野さん、コンビニやったら俺のおにぎりも買ってきてー梅で」と、前嶋がデスクからこちらを見ずに言った。
    あたしはハーイと軽く返事をしてオフィスを出る。

    2006-12-02 20:37:00
  • 44:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「あれ、瀬口くんどっか行くん?」
    オフィスを出てすぐにあるエレベーターの前で瀬口くんが立っていた。そういってあたしが横に立つと、彼はうつむいていた顔を上げた。
    「あー、暇やからコンビニにでも行こっかなーて。山野さんどこ行くん?」
    「うん一緒、コンビニ☆」「サボりですか?笑」「休憩です。笑」

    2006-12-02 21:13:00
  • 45:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    彼の最初の印象は、無口で、影があって、人を寄せ付けないオーラがあるなって。
    例えるなら氷の王子様といった所だろうか。     
    そんな風に思った気がする。

    だけどこうやって会話してみると、彼はなんて柔らかい顔で微笑むのだろう。

    2006-12-02 21:19:00
  • 46:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「山野さんて下の名前なんて言うんですか?」
    「………なんで」「や、なんとなく」

    エレベーターのドアが開き、あたし達は一緒に乗り込んだ。

    2006-12-02 21:22:00
  • 47:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「で、名前は?」1階へのボタンを押しながら、彼は繰り返す。
    「………華子やけど」
    「……………ハナコ……」
    ドアが閉まり動きだした。
    「………山田花…」「そう一字違いやなよく言われるからハイおもんない!」

    2006-12-02 21:26:00
  • 48:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    彼が言おうとした言葉をさえぎりあたしは一気に言い放った。
    彼はあたしを見て目をまんまるにしている。
    「しかもあたし漢字ちゃうし」
    もう!だからフルネームあんま言いたくないのにぃ、泣

    2006-12-02 21:29:00
  • 49:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「………ぷっっ!けらけらっ」
    ふくれたあたしを見て樋口くんは楽しそうに笑いだした。するとつられてあたしも自分が必死だった事に恥ずかしくなってきた。
    「山野さん、そんなキャラやったんや笑 印象ちゃうわぁ」

    2006-12-02 21:35:00
  • 50:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    樋口→×
    瀬口→〇

    2006-12-02 22:57:00
  • 51:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「あたしどんな印象やってんな」「清楚なキャリアウーマンを装った魔性タイプ笑」「きっしょテレビ見すぎやし笑」


    印象が違ったのは、あんたの方だった。

    2006-12-02 23:02:00
  • 52:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    だけど、屈託なく笑うあんたの瞳はやっぱりカラッポで                        
    ガラス玉の様なその視線の先に、一体何を映し、何を思っているのか…覗いてみたいなんて         
    その時のあたしは
    そう思ったんだ。

    2006-12-02 23:09:00
  • 53:

    名無しさん

    >>26>>27逝け

    2006-12-02 23:16:00
  • 54:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    この瀬口充貴と仲良くなるには、そう時間はかからなかったように思う。
    そして、1ヵ月もたつ頃にはあたしは彼を充貴と呼び、彼はあたしを華と呼んだ。
    夜はミナミでバーテンをしているらしいのだが、昼間はほぼ休みなくうちからの仕事に出て、それから夕方に彼がオフィスに訪れるたびに色んな話をした。

    2006-12-02 23:21:00
  • 55:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「充貴は就職せんの?」
    いつもの夕方、スタッフルーム。仕事を終わらせオフィスへ道具を返しにやってきた充貴へあたしはなんとなく質問した。
    「就職するよりかけもちのが金入るやん、派遣時給いいし」
    淡々と答えながらあたしの横にドカッと腰をかけた。

    2006-12-02 23:29:00
  • 56:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴の手にもたれたガラスビンの中のソーダがシュワシュワと音を立てる。
    「………人魚姫の愛も、………一緒に泡になって海に溶けたんかな」                    
    母はよくソーダを飲みながら
    「海に還りたい」とつぶやいていたっけ。

    2006-12-02 23:37:00
  • 57:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「華?」
    ぼんやりしたあたしの顔を充貴が覗き込む。
    「ん、ごめ……、てかさぁ充貴ホストとかしたら売れそうな顔してるよなぁ笑 なんでそんな金いるん?」
    我に還ってあたしは充貴のソーダを奪った。
    炭酸が口の中へ広がってゆく…

    2006-12-02 23:44:00
  • 58:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「………ホストとかだるいし。つか別に華に関係ないしな。」
    いきなり充貴は冷たく投げ付ける様にそう言い放つと、あたしの手からビンを奪い乱暴に部屋を出て行った。

    充貴……?

    2006-12-02 23:49:00
  • 59:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    人が人を愛する事で
    運命は             
    美しく、はかなく       
    そして時に残酷に
    その歯車は絡まりだす

    2006-12-03 02:53:00
  • 60:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    あなたと出会うために
    生まれてきたのなら                
    どんな運命だって
    あたしは確かに幸せだろう

    2006-12-03 02:55:00
  • 61:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「簡単やけど鍋物っておいしいなぁ♪」
    今日は久しぶりに前嶋とうちで食事を取っている。
    この所残業続きだったし、久しぶりに彼とゆっくり出来る事があたしは嬉しかった。
    「お前は飯食うてる時は機嫌ええなぁ笑」

    2006-12-03 02:59:00
  • 62:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    前嶋はそんなあたしを愛しそうに見つめる。
    あなたと食べるから機嫌がいいのに
    あたしはそんな言葉を思わず飲み込んだ。

    2006-12-03 03:05:00
  • 63:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「最近……瀬口と仲ええみたいやなぁ」
    あたしは前嶋の意外な言葉に食べる手を止めた。
    彼の方を見ると前嶋はビールを飲みながらまっすぐTVの方を見ている。
    「うんまぁ…いい男友達みたいな感じかなぁ…。」
    今日喧嘩みたいな事になったけど。

    2006-12-03 03:40:00
  • 64:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「そっか…」それ以上前嶋は何も言わなかった。
    ……小さな嫉妬。
    前嶋が、あたしにそんな感情を表わしたのは…きっと初めての事だろう。

    なんだかくすぐったくなった。

    2006-12-03 03:44:00
  • 65:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしは、いつも余裕たっぷりに右の口角だけ上げて笑う前嶋が好きだった。

    醸し出す雰囲気がなにもかも大人で、いつまでもこの男の手の内で転がされていたくなる。

    前嶋には、憧れにも似た愛情をあたしは持っていた。

    2006-12-03 03:48:00
  • 66:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    その夜前嶋は、いつも通りあたしを抱き、
    そしていつもと同じ様に名残惜しそうに微笑むと、愛してると言い残し
    うちを後にした。

    2006-12-03 03:56:00
  • 67:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    前嶋と関係を持ち始めたのは半年前からの事だった。               
    あたしも社内の女の子達と同様に、前嶋には密かに小さく淡い恋心を抱いていた。

    2006-12-03 04:04:00
  • 68:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    前嶋には妻が居て、この先も彼が家庭を捨てるなんて事はするはずが無い事くらい分かっている。
    あたしも壊す気なんてないのだ…
    ただ彼の傍に居たい。

    2006-12-03 04:40:00
  • 69:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    今思えば、

    こんなあたしの身勝手な愛情が、
    全てを狂わせてしまったのだろう。

    2006-12-03 04:41:00
  • 70:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――……

    ♪♪♪…♪♪♪…

    2006-12-03 04:43:00
  • 71:

    前嶋が帰り後片付けをしていると携帯が鳴りだした。
    「こんな時間に誰やろ」
    泡だらけの手をさっとながし急いで携帯を開く。

    着信―瀬口充貴―" " "06/12/03 04:54

    2006-12-03 04:54:00
  • 72:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    夕方の出来事を思い出しあたしの胸に一瞬緊張が走る…。
    「はい…もしもし」
    『あーもし起きてた?俺やけど』
    あたしの緊張をよそに受話器の向こうの充貴はいつもと変わり無い声をしていた。

    2006-12-03 04:58:00
  • 73:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「まぁ明日休みやしな…どしたぁ?」
    『あぁ、俺も明日昼無いし店早あがりやってさぁ、今から出れへんか思って。』

    充貴からの誘いはこの日が初めてだった。

    2006-12-03 05:02:00
  • 74:

    名無しさん

    あげ

    2006-12-03 11:03:00
  • 75:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「ん…分かった」
    少し迷ったがあたしは夕方の事が引っ掛かっていたのもありOKした。
    電話をいったん切り、迎えに来るという充貴が到着するまでにさっと髪を整え直す。それから前嶋に奪われたリップを塗り直し、丁寧にグロスもつけた。
    ………………あたし、何ちょっと浮かれてん。

    2006-12-03 12:53:00
  • 76:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    グロスを引く手を止め、鏡に映る自分を眺めた。                
    彼氏でもない男と会うというのに、確かに少し胸がドキドキしている。         
    なんで?           
    少し緩んでいた顔に力を入れなおし、あたしは鏡を閉じ、静かに充貴を待った。

    2006-12-03 13:01:00
  • 77:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ―――――――――――――――――――――――――…♪♪♪…♪♪♪


    彼からの着信でマンションの下へ降りると黒い車が止まっていた。
    充貴かな?と思い小さくかがむと助手席側の窓があき、彼が向こうから顔を覗かせる。

    2006-12-03 13:08:00
  • 78:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「おー華、乗って」
    車の中からはかすかに香りが漂っている。
    「うん…お邪魔ぁ、てかあんた飲酒やん」
    そぞろと車に乗り込みながらあたしは充貴に突っ込んだ。

    2006-12-03 13:14:00
  • 79:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「酔ってないし」と充貴。
    「酔うた人はそーいうねん」とあたし。
    「じゃあ酔ってる」「ほら酔ってんねやん笑」「それせっこ!笑」

    緊張なんてほんの一瞬で、やってきた充貴はほんとにいつも通りに笑っていた。

    2006-12-03 13:18:00
  • 80:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    訂正
    車の中からはかすかにお酒の香りが…です。
    すみませんm(__)m

    2006-12-03 13:21:00
  • 81:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    しばらく他愛もなく話ながらドライブし、…それからあたしがリクエストした海へ到着した。

    「あー潮の匂いするー!笑」
    ビーチ添いにある石の階段に座り、めいっぱい深呼吸をする。

    2006-12-03 13:26:00
  • 82:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    夜の海は月に照らされ、揺れる波間が幻想的な光を映している。
    辺りは潮の香りに満ち、ただ繰り返す波の音だけが
    あたしたちを世界で2人きりにした。

    2006-12-03 13:31:00
  • 83:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「華、寒ないか?」
    海を眺めるあたしを充貴は覗き込んだ。
    「うん……」

    ――ドキン…

    2006-12-03 13:36:00
  • 84:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしの指が
    そっと絡ませてくる充貴の指の温もりをとらえる。     
    顔を上げると、彼は海の方だけを向いて穏やかな声で言った。
    「繋いでたら温いやろ」
    「………うん……」

    2006-12-03 13:41:00
  • 85:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴には、あたしの彼が前嶋であるという事や…まして不倫しているなんて事は黙っていた。

    人の男に手を出すようなこんなあたしを知ったら
    充貴は一体どう思うんだろう。

    2006-12-03 13:54:00
  • 86:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「華は子供ん時どんな子やったん?」
    充貴はあたしにゆっくりと問い掛た。
    そして、あたしの記憶の糸が遠い過去をたぐり始める。

    2006-12-03 14:01:00
  • 87:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    生まれた時にはもう、父親なんていなかったっけ。
    優しかった母はいつも少女の様に笑い、いつも誰かに恋していた。
    寂しいなんて思った事は1度だって無かった、
    だって母はいつだってあたしを愛してくれていたし「愛がいっぱい溶け込んでるよ」って
    口癖みたいにいつもソーダを2人で飲んでいた。

    2006-12-03 14:09:00
  • 88:

    ここまでを充貴に語ると、あたしはそれ以上を口にするのはやめる事にした。


    ―――それから母は初めて誰かを本気で愛し、海へ還っていったのだ―――" " "06/12/03 14:12

    2006-12-03 14:12:00
  • 89:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    前嶋にさえ言った事のない母の話を、なぜ充貴にしたのかはあたし自身分からなかった。

    ただ、母が還っていった海にも似た、深く、暗い、ガラスの様な彼の瞳があたしの心の内へ導いてゆく。   
    あたしの話を黙って聞いていた充貴がぽつりとあたしに聞いた。
    「人を本気で好きになった事ある?」

    2006-12-03 14:21:00
  • 90:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「……………」

    あたしは言葉を返せなかった。

    脳裏に浮かんだ前嶋はすぐに消え、あたしは自分の気持ちが分からなくなった。

    2006-12-03 14:28:00
  • 91:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「……………充貴の子供ん時は?」
    充貴の質問に答える事なく今度はあたしが彼へ問い掛け、そして彼は話はじめた。
    「俺はなー、兵庫の孤児院で育ってんけど…むっちゃヤンチャやったなぁ笑 好きな子のカバン中蛙入れたり」「サイテーやな!笑」「昔やんけ、笑 で親の顔は知らんわ〜、別に知りたいと思った事も無いけど。」
    あっけらかんとそう言い放つ充貴を見て、あたしと彼はどこか似ている……
    そんな事をあたしは思っていた。

    2006-12-03 14:44:00
  • 92:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「……そか…、じゃあ…大阪にはいつ来たん?」
    「18ん時」
    「そっから何してたん?」沈黙を避けるかのようにあたしは質問を繰り返す。
    「………ホスト。」

    2006-12-03 14:49:00
  • 93:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    夕方の出来事が蘇る。

    ふーん…と小さく返事をし、それからあたしは何も質問する事が出来なくなっていた。

    2006-12-03 14:52:00
  • 94:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    「それで、あいつに出会った。」

    沈黙をやぶるように、
    充貴がポツリとそうつぶやく。

    2006-12-03 14:55:00
  • 95:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    「あいつ……って…?」      
    何故だろう。
    充貴の重い声に、あたしの背中が氷の様に張り詰めていくのが分かる。       
    「初めて愛した女」

    2006-12-03 15:00:00
  • 96:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    危険だと、あたしの中のシグナルが知らせる。        
    視線の先にある彼の口元がかすかに笑っていたからなのか              
    もぅ
    この時には後戻りなんて出来なくなっていたんだ。  
    あたし達を乗せた列車は運命を辿り走りだしていた。

    2006-12-03 15:06:00
  • 97:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                             
    「その……彼女は…?」                              

    「 殺した 」        

    2006-12-03 15:09:00
  • 98:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    人魚姫が泡と消えた後も     
    王子様は幸せに          
    笑っていたんだろうか    

    2006-12-03 15:12:00
  • 99:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    夜の海に降る月の光は        
    天使の様に美しい充貴の顔を照らし             
    ガラス玉の様な彼の氷の瞳に                
    あたしの心はもぅ、捕われていたんだ。

    2006-12-03 15:18:00
  • 100:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    時刻はAM6時半を指していた。
    久しぶりの朝帰りはキツイ。
    もう若くないなぁ…
    なんて事を思いながらベッドへ身を沈める。

    2006-12-05 03:28:00
  • 101:

    なお◆l4UcoxfPVQ



    「殺した…………?」

    「…………………………………………笑。あほ。冗談に決まってるやろ、なんつ顔しとんねん。笑笑」

    2006-12-05 03:32:00
  • 102:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    冗談だと笑った後、彼は海を眺めた。


    あたしはベッドへ深く潜り込みながら、
    その時の彼の悲しい横顔を思い出し、落ちる様に眠りについたのだった。

    2006-12-05 03:38:00
  • 103:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    2006-12-05 03:40:00
  • 104:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    夕暮れ時、作業着を着た体格のいい現場の男の人達が出入りする事務所。
    「では失礼致します…」
    そういいながら、あたしはガラガラとプレハブの引き戸をゆっくり閉めた。
    はぁ〜…

    2006-12-05 03:47:00
  • 105:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    肩からがっくりとため息がこぼれる。
    休みあけからついてない!

    今日現場へ行くはずだったスタッフが飛んでしまい、その上代わりに空きのあるスタッフさえも捕まらず先方を大激怒させてしまった。
    さらに、ここの担当の前嶋常務も今日は本社に行ってしまっていて結局あたしが先方まで謝罪に足を運ぶはめになってしまったのだ。泣

    2006-12-05 03:55:00
  • 106:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    さんざん怒鳴り散らされて1時間半ひたすら謝り、今やっと解放された所だ。

    めっちゃこわかったーっ

    力なく歩くあたしの足が少し震えている。……くっそー…飛ぶとかやめてくれよ…。

    2006-12-05 04:00:00
  • 107:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    重い足取りで車まで向かっていると、車から少し歩いた所に自販機を見つけた。
    そういえば緊張と謝り通しだった事で喉がガラガラだ。
    あたしは車を通り過ぎそのまま少し自販機へ向かって歩いた。

    2006-12-05 04:04:00
  • 108:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    先方の事務所・現場があるまわりはのどかな住宅街になっていて、辺りには子供達の声が響いていた。
    あたしは自販機で買った缶コーヒーをその場であけて喉へ流し込む。
    「…っふぅ〜…」
    あー生き返る。

    2006-12-05 04:09:00
  • 109:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    自販機の後ろは網になっていて、ふと中を見渡すと、庭を少し広くしたくらいの小さな運動場で子供達が走りまわっていた。

    「幼稚園………?じゃない…」

    よく見るとそこは孤児施設にの様だった。

    2006-12-05 04:16:00
  • 110:

    なお◆l4UcoxfPVQ



    ――兵庫の孤児院で育った。――

    ふと脳裏に充貴の姿が浮かぶ。

    2006-12-05 04:20:00
  • 111:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしは脳裏の充貴を消すように残りのコーヒーをぐいっと流し込むと、缶を捨て車へと急ぎ足で向かった。

    ――バタンッ――     車へ乗り込み、まず一服しようとタバコに火を付ける。

    2006-12-05 04:26:00
  • 112:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    そのまま車を発進させずにタバコを吸っていると、前方に見える施設の入り口から人が2人出てくるのが見えた。
    女の人がこちらに背を向け喋っているが、もう1人は 女の人に隠れて頭が少ししか見えない。
    どうやら男の人だ…

    2006-12-05 04:30:00
  • 113:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ぼんやりとその2人を眺めていると、
    次の瞬間女の人がもう1人に頭を下げ、向こうの人の顔が見えた――――


    あたしは思わず息を止めた。

    2006-12-05 04:35:00
  • 114:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴――――…?

    ―♪♪♪…♪♪♪…♪
    着信・前嶋常務        
    携帯が鳴りだし、ディスプレイを見てあたしは慌てて通話ボタンを押す。

    2006-12-05 04:38:00
  • 115:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「はい!もしもし!」
    携帯を耳にあてながらもう一度視線を前へ戻す。
    『華子?大丈夫やったか?』              
    いない…………
    前を向いた時には入り口に居た女の人と充貴の姿はもぅなくなっていた。

    2006-12-05 04:43:00
  • 116:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    『おい華、華?大丈夫かって』
    「あっあーごめん、今から会社戻るから…」

    そうそうに前嶋との電話を切ると、あたしは静かに車を発進させた。

    2006-12-05 04:45:00
  • 117:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    充貴はたしか兵庫出身て言ってたやんな……?

    なんでこんなとこに…    
    もやもやした疑問を胸に抱きながらあたしは住宅街を後にした。

    2006-12-05 04:49:00
  • 118:

    なお◆l4UcoxfPVQ




    「―――――――な、華、華!?」           
    「っあ、はい!はい?」

    2006-12-05 04:54:00
  • 119:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    我に帰ると目の前には心配そうな表情を浮かべた前嶋があたしの顔を覗き込んでいた。
    「はぁ…お前今日ぼーっとしすぎちゃうかぁ?折角うまいもん食いに来てんねんから考え事は無しやで」
    「ごめん…」

    2006-12-05 04:59:00
  • 120:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしが肩をすくめると彼は優しく微笑んだ。
    スーツが似合っていて洗練された雰囲気がある彼はやはり素敵だと思った。
    店内にはクラシックが流れていて、品のいい黒服がワインを持ったりして歩いている。
    ここはホテルのフレンチレストランだ。
    「ていうか前嶋さん、今日記念日でも無いのにどしたん?笑」

    2006-12-05 05:07:00
  • 121:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「なんかなかったら連れてきたらあかんのか?笑」
    「そーゆーわけちゃうけど…最近まともなデートしてなかったし…」
    言葉を濁しながらワインを含む。
    すると前嶋はなにやらゴソゴソしはじめた。

    2006-12-05 05:11:00
  • 122:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「華子……手ぇ出して。」
    「手…?」
    あたしは前嶋に言われるままゆっくりと右手を差し出した。

    ―――指輪……?

    2006-12-05 05:15:00
  • 123:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしの差し出した指にはめられたのは綺麗な指輪だった。

    「前嶋さ…」
    「最近忙しくてあんまりかまってやれんかったんもあるし… 華子は俺の女って証。悪い虫ついても困るからな笑」

    2006-12-05 05:20:00
  • 124:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ――ドクン…
    「あり…がと…」        
    前嶋の言葉が引っ掛かる。       
    なぜだろう          
    そこには素直に喜べないあたしが居た。

    2006-12-05 05:23:00
  • 125:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    もしこれが不倫じゃなかったら、あたしは素直に喜べたのだろうか。


    ただ傍に居たい。
    確かにそう思っていたのに………

    2006-12-05 05:25:00
  • 126:

    なお◆l4UcoxfPVQ



    何かが違う。

    「それからな、華子。旅行行けへんか?」

    2006-12-05 05:27:00
  • 127:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「旅行…?2人で…?」
    「おん…俺は出張で京都行くねんけど、お前休みとって京都まで来たらいい。…いやか?」
    「あ……」
    指輪といい、初めてこんな事を言いだす前嶋にあたしはとまどってしまった。
    「華子?」

    2006-12-05 05:31:00
  • 128:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ―♪♪♪…♪♪♪…♪♪

    着信・瀬口充貴

    ―ドキンッ

    2006-12-05 05:34:00
  • 129:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                 
                   
    『 会いたい 』
                             

    2006-12-05 05:46:00
  • 130:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    ゾクッと何かが込み上げた。


    まるで、全身の性感帯が右耳だけに集まったかの様に。………感じた

    2006-12-06 21:28:00
  • 131:

    名無しさん

    大好き?

    2006-12-06 21:40:00
  • 132:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    138サンありがとうございますm(__)m続きを書きます★

    2006-12-06 23:12:00
  • 133:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    『華の家の下で待ってる』
    「え…」

    あたしが返事をする間もなく、充貴はそれだけ言うと電話をプッツリと切ってしまった。
    彼は、あたしが断らないと思っている。

    2006-12-06 23:17:00
  • 134:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「前嶋さん………ごめ、あたし…用事出来たから帰る…っ」
    「は?え帰るってちょ…」
    あたしは前嶋さんの顔を見ずにコートとバッグを引っ掴むと、彼が背中からあたしを呼ぶ声にも振り返らずに急いでホテルを後にした。

    2006-12-06 23:22:00
  • 135:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    どうかしてる…                    
    馬鹿げてる。         
    そんな事は分かってる。     

    2006-12-06 23:25:00
  • 136:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    自分でもこの感情がなんなのか分からない。                 
    だって確かにあたしは前嶋を愛している。                  
    はず…………

    2006-12-06 23:28:00
  • 137:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    外は雨が振り出していた。タクシーを降りるとマンションの入り口に充貴がしゃがみ込んでいる。
    「充貴……」
    彼の足元には濡れてくしゃくしゃになったタバコの吸い殻がたまっていた。
    あたしの気配を感じた彼は、ゆっくりその顔をあげる。
    「華…」

    2006-12-06 23:37:00
  • 138:

    なお◆l4UcoxfPVQ



    ―ズキン…―        

    2006-12-06 23:43:00
  • 139:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    濡れた髪から頬に滴った雫のせいなのだろうか。

    あたしを見上げるそのガラスの瞳は

    暗く、哀しみを宿し、降りしきる雨と共に充貴の心がまるで泣いているかの様だった。

    2006-12-06 23:47:00
  • 140:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「いやや……いや、泣かんといて…充貴」        
    あたしはしゃがみこむと、彼を子供の様に抱き締め      
    それからそっと
    キスをした。       
    迷子の子供に、ただキスをあげたかった

    2006-12-06 23:52:00
  • 141:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    雨の音と
    彼の体温         
    吐息            
    肌の感触          
    甘い香り

    2006-12-06 23:57:00
  • 142:

    名無しさん

    実話?

    2006-12-07 00:12:00
  • 143:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    彼はまるであたしを壊れ物を扱うかの様に優しくあたしを抱いた。                     
    これからどこへ向かい、どこへ辿り着くのか
    それでも神様         
    あたしは幸せでした。

    2006-12-07 00:12:00
  • 144:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    149サン、完全フィクションです(^-^)

    2006-12-07 00:14:00
  • 145:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「あたしのお母さんな……、自殺してん。」
    充貴に腕枕をされながら、あたしは白い天井をぼんやり眺めた。
    「物心ついた時にはお父さんは居てへんかって、お母さんは女手一つであたしを育ててたんやけど…お母さんな風俗しててん。」

    2006-12-08 21:36:00
  • 146:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    なぜ充貴にこんな話をしようと思ったのか

    だけど彼は
    静かにあたしの話を聞いていた。

    2006-12-08 21:37:00
  • 147:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「お母さんはいっつも誰かと恋愛してたけどな、自殺する前最後に付き合ってた人は店の店長で…………たぶん初めて本気で愛した人やったんやと思う。…でも妻子持ちやってん。」


    「……………」

    2006-12-08 21:42:00
  • 148:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「その男の人にな嫁と別れて一緒になりたいからって言われるまま借金したり、そしたら男はそのお金と店の売り上げ横領して飛んじゃった。笑 むっちゃよくある話」
    そこまで言うと、あたしは勢いよく立ち上がりテーブルの上の水に手を伸ばした。
    そしてソファへ腰掛ける。

    2006-12-08 21:51:00
  • 149:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    ―ゴクン…
    情事の後の乾いた体を水分が喉を通り潤してゆく。 

    「お母さんはいつもソーダの泡を眺めては海に還りたいって口癖みたいにつぶやいてたけど………あたしが18の時、お母さんはほんまに海に還っていってしまってん。」

    2006-12-08 21:56:00
  • 150:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    タバコに火を付けると、充貴もゆっくり起き上がりタバコへ手を伸ばした。

    「海に還る…………なぁ…。」

    彼はそうつぶやくと、ソファに座るあたしの方へ視線を向ける。

    2006-12-08 22:03:00
  • 151:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「………華…、は何で……。俺と寝た?」

    ―ドキン……

    充貴の質問に自分の体温が上がるのが分かった。

    2006-12-08 22:08:00
  • 152:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    理由なんて自分でも分からない。

    それともはじめから理由なんて無いのだろうか。     

    ただ、心が動く。

    2006-12-09 06:27:00
  • 153:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしが答えられずにいると、充貴はさらにあたしへ問い掛けた。

    「彼氏の事…ちゃんと好きなん…?」

    あたしは思わず彼の方を見る。

    2006-12-09 20:28:00
  • 154:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「……うん、好…き」

    な、はず。

    その答えはまるで自分自身へ言い聞かせているように感じた。

    2006-12-09 20:30:00
  • 155:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ついこの間までほんとに愛しく思った前嶋の背中、声に物腰。
    ただそばにいるだけでいいとさえ思えたのに


    今はまるで、魔法が溶けてしまったかの様に…彼の背中が思い出せないのだ。

    2006-12-09 20:34:00
  • 156:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴は立ち上がりさっと乾かしておいた服をはおると、ソファに居るあたしの横へ座りなおす。
    それからくわえていたタバコを灰皿へ押しつけ「華、今日はいきなり来てごめんな。……今からまたいつも通りにして今日の事忘れよ。」と微笑んだ。

    2006-12-09 20:39:00
  • 157:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    あたしはなんて身勝手であさはかな女なんだろう。

    不倫なんて背徳を犯しておきながら…         
    充貴があたしの内側へ刻んだ熱を、忘れたくないと思っている。

    2006-12-09 20:43:00
  • 158:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしは充貴の方を見て小さく頷いた。

    薄明かりの中の充貴は、まるで月夜に照らされた氷の彫刻。

    この時にはもぅ、あたしの心は少しずつ、少しずつ、………充貴に浸食されていたんだろう。

    2006-12-09 20:51:00
  • 159:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                                           


    「ふぁぁぁ〜〜」
    「華子、せめて手で隠してあくびせぃ笑」

    2006-12-09 20:56:00
  • 160:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    隣のデスクに座る仲良しの綾子が小声で促す。
    昨日の今日で仕事にまったくやる気が出ない!!
    だらだらとポッキーを噛りながらパソコンをいじっていると、綾子があたしにそっと耳打ちをした。
    「ちょっと、そろそろあんたの好きな瀬口くん来る時間ちゃん笑」

    2006-12-09 21:01:00
  • 161:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    そう言われ時計の方にチラッと目をやると、もう夕方の6時前だ。
    「……って、み、充貴とはただの友達やし!」
    内心少し焦りつつ綾子の頭をパシッとはたくと、デスクから顔を上げた前嶋と目が合ってしまった。

    2006-12-09 21:05:00
  • 162:

    グー

    これ大好きです?
    頑張ってください(?・*・`)?

    2006-12-10 01:28:00
  • 163:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ありがとうございますm(__)mたぶんもっと暗くなりますが、良かったらお付き合い下さい★

    2006-12-12 04:56:00
  • 164:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ―だめだ―

    あたしはパッと目を逸らしてしまった。
    今日はあたし自身気まずくて1日目を合わせられずにいる。
    前嶋もきっと不思議に思っているはずだ。

    2006-12-12 04:58:00
  • 165:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「おつかれさまでーす★」
    充貴が事務所を横切りたったかスタッフルームへと入ってゆく。
    「ほら来たで華子。笑」
    綾子はあたしの方へ向くと、行けとばかりにニンマリ笑った。
    「うるさいっ」…ったく。

    2006-12-12 05:02:00
  • 166:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴が持ち帰った道具を確認する為あたしは重い腰をあげた。

    「おつかれ充貴」
    「おー、おつかれ華」
    スタッフルームへ行くと、漫画をひろげながらすっかりくつろいでる充貴が居た。

    2006-12-12 05:10:00
  • 167:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「あんた今日も夜バイト?」そう話かけながら、あたしも充貴の横へ腰かける。
    「おん、ここでちょい休憩してから行くわぁ」
    「そか」
    充貴は顔を上げもせず、たんたんと漫画を読みながら返事をした。          
    ほんとに……いつもと変わりない……

    2006-12-12 05:15:00
  • 168:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ページをめくる充貴の指が、骨っぽく動く―――      

    ――ドキン…―――    
    脳裏に昨日の事が蘇る    

    2006-12-12 05:18:00
  • 169:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「ほ、ほんじゃ…」
    妙な息苦しさにあたしは慌てて席を立ち、事務所へ戻る事にした。
    「あ、華」
    そんなあたしを充貴は背中から呼び止めると

    2006-12-12 05:26:00
  • 170:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「またな」
    と、綿菓子の様に柔らかくくしゃっと笑った。                  
    「うん…またね」

    ずるい。充貴にそんな顔されると……普通になんか出来なくなる。

    2006-12-12 05:29:00
  • 171:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    なんで……なんで充貴はあたしに会いにきたん?       
    なんであたしを抱いたん?    
    なんで普通に出来るん?    
    こんな立場のあたしが聞けるはずもなく、胸に閉まったままスタッフルームを後にした。

    2006-12-12 05:32:00
  • 172:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「華子」
    ―ドキッ―
    スタッフルームを出ると、すぐ横の給湯室から顔をひょっこりのぞかせた前嶋があたしを呼んだ。
    「華子、ちょっと来いって」
    再度前嶋に促され、あたしは給湯室へ足を踏み入れる。

    2006-12-12 05:36:00
  • 173:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしの心臓の音は目の前にいる彼に聞こえるんじゃないだろうかというくらいバクバク言っている。
    理由は、給湯室にはカーテンしかかかっていない事と…………やっぱり昨日の事。
    やましさで胸がはりさけそうだ。

    2006-12-12 05:43:00
  • 174:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「昨日の用事はいけたんか?」
    前嶋は心配そうな顔してあたしを覗き込んだ。
    ………いきなり帰ったのに…やっぱり大人だなぁ…
    「うん…ありがとう。それと昨日ごめんなさい」
    あたしは小さく頭をさげた。

    2006-12-12 14:42:00
  • 175:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「気にすんな、笑 ……それと京都来週やから用意しとけよ。」
    「え、来…」
    あたしの声とかぶる様に前嶋を呼ぶ社員の声が聞こえてくる。
    「呼んでるわ…、ほなまた夜電話する!」

    2006-12-12 14:46:00
  • 176:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    前嶋はそういってすぐ給湯室を出ようとしたが
    「あ」
    ともう一度振り返り、あたしに軽くキスをしてから出て行った。          
    ………会社でそんな事した事ないのに…

    2006-12-12 14:49:00
  • 177:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    旅行だってそぅ。
    物事を今まで強引に決めた事なんて無かったのに。

    あたしは違和感を覚えつつぼんやりと給湯室から出ると、コーヒーカップを持った充貴とばったり出くわした。 「うわ…っ充貴!びっくりしたぁ…………っ」
    あたしは明らかに動揺して充貴の顔を見る………と

    2006-12-12 14:55:00
  • 178:

    名無しさん

    ?

    2006-12-13 18:44:00
  • 179:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴はにっこり笑ってあたしを見て言った。
    「あんなとこ、他の社員に見られたら大変なんちゃう?」                        
    ―――――――――――――――やっぱり見られた…………ッ

    2006-12-13 19:42:00
  • 180:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしの心臓は早鐘を打ち出し、いいわけの言葉が頭をぐるぐる回りだす。

    だめだ…今更何を言い訳しようというのか。

    でも

    2006-12-13 19:46:00
  • 181:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「充貴…ッちょっと待って聞いて」
    無言のまま給湯室へ入っていこうとする彼の袖を掴む様に引っ張ると、充貴はそれをバッっ振り払った。

    「俺には関係ないですよ。笑………山野さん」

    2006-12-13 19:49:00
  • 182:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                              
    その一瞬に
    全身が氷つく感覚が広がった。

    2006-12-13 19:55:00
  • 183:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    そう言い放ってあたしを見下ろした充貴の目は、
    体を突き刺す凍てついた氷の様に…
    冷たい、冷たい目をしていたから。

    「充……」

    2006-12-13 20:01:00
  • 184:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    彼はマグカップをさっと洗い流すと、とまどって立ち尽くすあたしを、まるでそこに居ない空気かの様に無言でオフィスを後にしていった。

    ――幻滅された―…

    2006-12-13 20:09:00
  • 185:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                  
    彼が去った後の静まり返った給湯室は、ゆるんだ蛇口からしたたる水の音だけが響いている。

    なんだかあたしは笑いが込み上げてきた。         

    2006-12-13 20:25:00
  • 186:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    幻滅も何も
    あたしは充貴に何を
    期待してたんだか                  
    始めから何もなかったし  
    何も始まらなかった。

    2006-12-13 20:33:00
  • 187:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    それ以前に

    あたしなんかがショックを受ける筋合いもない。      

    馬鹿みたい。

    2006-12-13 20:35:00
  • 188:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    それから充貴と会話をする事もなく数日が過ぎた。  
    胸にポッカリとあいてしまった穴から、溢れてくる淋しさを紛らわす様に動き回った毎日だと思う。     
    だけど、前嶋の背中を見るとやはり抜け出せない自分がいる。

    あたしは、もがきはじめていた。

    2006-12-13 20:45:00
  • 189:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    まるで
    もがくほど沈んでいく
    底無し沼に足を踏み入れていたかの様に                    
    だけどもうそう気付くには遅すぎたのだ。
    全ては出会った頃に、決まっていたのだから。

    2006-12-13 20:50:00
  • 190:

    なお◆l4UcoxfPVQ



    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――…
    「この度はまことにご愁傷さまでした。」           
    あたりには線香の香りが立ちこめ、行き交う人々は皆厳粛な面持ちで黒い服に身を包んでいる。

    2006-12-13 20:54:00
  • 191:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「急でびっくりしたなぁ…」
    お焼香を済ませた綾子があたしに話し掛けた。
    「うん…、あたしあんまり知らんけど村川さんてまだ若いのに可哀相に」    
    村川さんとは、あたしが入社したくらいに退社していった女の人で2週間くらい一緒に仕事をしたと思う。
    今日は、急な病で亡くなった彼女の葬式で会社から参列したのだ。

    2006-12-13 20:59:00
  • 192:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「ちがうで華子」「え?」聞き返すあたしに綾子はシッと人差し指を立てた。
    「表向き病死ってなってるけど…村川さんシャブいきすぎて自殺してんで。」
    あたしにくっついて小さな声で彼女はさらに続けた。
    「退社してから勤めてた本番屋で首くくったらしいわ…」「………」

    2006-12-13 21:05:00
  • 193:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    なんてよくある話なんだろう。
    びっくりなんてしなかった。ただ、道は違うが彼女もまた、底無し沼に足をとられた一人だったのかと思った。
    「てゆーか綾子、一応こういう席ではそーゆ話やめときよ」
    生か死。
    極端な様だが人の道なんて辿り着く場所は、結局どちらかでしかないのだ。

    2006-12-13 21:12:00
  • 194:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    煙草が吸いたくなったのもあり、あたしは軽く挨拶を済ませ会場を後にした。

    歩きながら煙草に火をつけ空を見上げると、どんよりとした雲が覆い尽くしていた。

    初冬の空気が、煙草の煙と一緒に吐き出された吐息を白く変える。

    2006-12-13 21:26:00
  • 195:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    その時、コートのポケットの中でバイブにしていた携帯がブーッブーッと震えだした。
    あたしは吸い掛けの煙草を携帯灰皿にねじ込むと、慌てて携帯を取り出した。               
    着信・瀬口充貴

    2006-12-13 21:29:00
  • 196:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴の低い声に右耳が熱くなるのを感じる。あたし、充貴の声を聞くだけでこんなに嬉しいんだ……     
    『そのまま、振り向いて』    
    彼に言われるままあたしは体ごと後ろへ振り返った。

    2006-12-15 21:14:00
  • 197:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    後ろには、携帯を持ってゆっくり歩いてくる彼の姿。一歩一歩、その彼が近づくたびにあたしの中の熱が増す。
    「充貴……なんでこんなとこおるん」
    切った携帯をポケットに治しながら彼が答えた。
    「ああ、ちょっと墓参りに来た帰りやねんけど華見っけたから」

    2006-12-15 21:22:00
  • 198:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    そう話す充貴から漏れる吐息が繰り返し空気を白くする。
    「そっか……」
    「華今から時間ある?一緒に来て欲しい所あるねん」
    充貴はあたしにすっかり幻滅していると思っていた。
    いや、今でもそうかもしれないけど、あたしは考える間もなく大きく頷いた。

    2006-12-15 21:43:00
  • 199:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                   
     
                   
                                

    2006-12-15 21:46:00
  • 200:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    午前中は曇っていた空が、今はすっかり青空に変わっていて、あたりには無邪気にはしゃぐ子供達の声が聞こえている。           
    充貴の運転する車に揺られ到着したのはいつかの孤児院だった。         
    フェンス越しに遊ぶ子供たちを眺める充貴の横顔は、優しく悲しい顔をしている。

    2006-12-15 21:57:00
  • 201:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴の見つめる視線を追い掛けると、1人の男の子を見ている様だ。
    青い長靴を履いて、砂場で一生懸命穴を掘っている。4〜5歳くらいだろうか…可愛い。
    「華……」
    彼は視線をはずさずあたしを呼んだ。
    「……ん…?」

    2006-12-15 22:04:00
  • 202:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「あいつの両親を奪ったんは…俺やねん。」       
    「え……」         
    強い風が吹いた。
    男の子の持っていたスコップが転がり、青い長靴をカポカポさせてそれを追い掛ける。

    2006-12-16 00:48:00
  • 203:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「俺が付き合ってた女は旦那も子供もおった人妻やってん。………不倫。」     
    充貴の言葉にあたしは返す言葉が浮かばなかった。
    それから、彼は話続ける。

    2006-12-16 01:13:00
  • 204:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「出会ったのはミナミでホストをしてた21の時で元は客やった彼女に色をかけてすぐ付き合いはじめてん。初めは俗に言う色彼やったけど、だんだん本気になって俺はハマってった。もちろん旦那と子供が居てたのは知ってたけど、仕事ばっかりで帰ってけーへん旦那より俺を愛してるってアイツはいつもゆうてた。俺もそれを信じてた…

    2006-12-16 01:23:00
  • 205:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    それから好きになる程独り占めしたくなって、自分だけのもんにしたくて、俺は旦那との離婚を催促する様になったんやん。アイツも離婚するって言ってくれた。やけど何ヵ月立ってもアイツは離婚せんくて。煮え切らん態度に待ちきれんくなった俺は………………………ついにアイツの旦那にバラしてしまってん。」

    2006-12-16 01:31:00
  • 206:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしは充貴の唇や指先が小さく震えだすのが分かった。
    今過去を映し出しているのだろう彼の目は、暗く淀み、何かに絶望しているかの様に光っていた。
    「充貴…」
    「黙って聞け」
    「………………」

    2006-12-16 01:35:00
  • 207:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「結果、アイツの旦那はこんな女いらん出てったわ。アイツは気が狂った様に俺を口汚く罵った。アイツは俺の事なんかこれっぽっちも愛してなかってんただかまってくれへん旦那への当て付け、さみしさを紛らわす玩具でしかなかったんや……俺…………あほやぁ……」   
    頭を前へつけてうつむくと、彼はそのまま小さくフェンスを殴り、そしてまた続ける。

    2006-12-16 01:44:00
  • 208:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「それから……すぐにアイツは自殺してもうた。俺のせいや…。最後にアイツから電話が来た時な、様子おかしいから胸騒ぎして家行ってん。……………入って俺が見たのは………リビングの天井からぶらさがったアイツと、何も分からんと母親の足元で遊ぶ子供。
    俺が………殺したんや」

    2006-12-16 01:56:00
  • 209:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    くずれる落ちる様に地面へしゃがんだ彼をいつのまにかあたしは抱き締めていた。
    あたしの腕の中で全身を小さく震わせながら、彼は「大丈夫」とひとすじ涙をこぼし、あたしの背中に腕をまわした。         
    人を愛する事は美しく残酷で、時にどうしてあやまちになってしまうのか。

    2006-12-16 02:08:00
  • 210:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしは彼の深い深い、まっ暗闇をのぞけた気がした。
    同時に、あたしの中に小さな光を灯してくれたんだ。    
    まるで……底無し沼へ投げられた1本のロープの様に。

    2006-12-16 02:15:00
  • 211:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                                           



    2006-12-16 02:22:00
  • 212:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ―新大阪駅―
    大きなカバンやスーツケースを持った人々が行き交い、そんな中をあたしも足早に歩いていた。
    いつものバック1つ。      
    中央改札に近づくと見慣れた人影を発見した。

    2006-12-18 21:13:00
  • 213:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしの方へちょうど背を向けて立っているその見慣れた後ろ姿に声をかける。
    「前嶋さん!」     
    彼はびっくりした様にきょろきょろしはじめた。
    そしてあたしが近づくと
    「華子!」

    2006-12-18 21:17:00
  • 214:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    とてもびっくりした顔であたしを見た。
    「華子、待ち合わせ京都やったやろ!?どないしてん」
    今日はこないだ前嶋が言っていた京都出張の日だった。
    「……あぁ…行きも一人って聞いたから」
    「そっか…」

    2006-12-18 21:22:00
  • 215:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    前嶋は困った顔をして少し考えてから
    「まぁ…大丈夫か。ホテル電話して部屋とりなおすわ」と微笑んだ。
    それからあたしの荷物を持とうと目線を下へ落とす。
    「……………………華子、………カバン。それだけ?」
    視線をあたしの方へ戻し、前嶋はあたしを見つめる。

    2006-12-18 21:28:00
  • 216:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    頭のいい彼の事。
    きっともう気付いただろう。
    あたしが何を考え、何をしに来たかという事が。     
    「華…子………」        
    「前嶋さん、あたし………京都には行かれへん。」

    2006-12-18 21:31:00
  • 217:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「…………決めたんやな。」            
    「うん」         
    あたしは前嶋から貰った指輪を差し出すと、彼はそれを受け取った。 
    そして下に置いていたバッグを手に持つ。        
    「もっと早く出会ってたらっていつも思ってた。……………お前の事……愛してた。」

    2006-12-18 21:57:00
  • 218:

    名無しさん

    まだ?

    2006-12-19 07:16:00
  • 219:

    ?にゃん??

    あげぇ????
    自分のペース?でゆッくリで??・゚ 陰ながら応援しとります?

    2006-12-19 12:11:00
  • 220:

    名無しさん

    次いつ書くん?

    2006-12-19 23:11:00
  • 221:

    名無しさん

    続き気になる?頑張ってなぁ?

    2006-12-20 10:49:00
  • 222:

    名無しさん

    なにしてるん??????????

    2006-12-20 13:33:00
  • 223:

    にゃん

    ファンに同じにゃんがいててびっくりした??
    みんな待ってるヵラ時間がぁれば?して?さぃ??

    2006-12-20 14:10:00
  • 224:

    にゃん

    まだなん?
    フィクションゃからネタ切れとか?(*゚∀゚)

    2006-12-20 16:40:00
  • 225:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    レス有難うございますm(__)mはい、ゆっくりですが頑張ります(^_^)!すごく嬉しいです!>>232サン、もう1つのスレにも書きましたがお正月ちょっと過ぎまでこれくらいのペースになってしまいます??すいませんm(__)mこちらにも書けば良かったですね?あと、フィクションですが書きながら考えてるわけではなく、話をはじめに全部作ってから書いてるので大丈夫ですよ(*^_^*)ありがとうございます☆

    今まだ出先なので今日の夜中にまた少し更新しますm(__)m

    2006-12-20 16:57:00
  • 226:

    名無しさん

    少しってどれくらい?

    2006-12-20 17:24:00
  • 227:

    。セノマコ」ヤツア

    2006-12-20 17:33:00
  • 228:

    名無しさん

    もぅチョット主サンの事考えて、黙って待ってあげなょ〜?主サンゆっくりで頑張ってね??

    2006-12-20 23:29:00
  • 229:

    名無しさん

    夜中って何時頃なんですか???
    話の内容忘れてまぅ???主サン早く早くッ??????????

    2006-12-20 23:39:00
  • 230:

    名無しさん

    そんなせかさんでも
    ここの主はちゃんと書いてくれるから
    待っとこ??

    2006-12-20 23:51:00
  • 231:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    お待たせしました(*^_^*)皆様のお気遣いに本当に感謝します!では今から更新致します☆

    2006-12-21 00:21:00
  • 232:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    見慣れたはずの後ろ姿。前嶋は振り替える事なく人込みへ消えてゆく。
    もぅあんなに愛しいと感じたあなたの背中、真夜中に見つめる事はないんやね。                
    『お前を愛してた』                
    ―――あたしも、愛してました…………

    2006-12-21 00:26:00
  • 233:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    不思議と涙は出なかった。
    悲しくないわけじゃない、悲しくないわけがない。   
    でも悲しい別れなんかじゃない。            
    あたしは歩きだす事を決めたんだから。

    2006-12-21 00:29:00
  • 234:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「華!!」
    人込みからいるはずのない充貴のあたしを呼ぶ声がした。
    ―充貴?まさかいるわけない。
    あたしは驚いてうつむいていた顔をあげ声の主を探す。すると前から人をかきわけ急いで来た様子の充貴が肩で息をしながら姿をあらわした。

    2006-12-21 00:38:00
  • 235:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                   
    「あんたなんでここ……」               

    「行くなや!!!!」                   

    2006-12-21 00:40:00
  • 236:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴の突拍子もない言葉。それに驚くあたし。
    まわりの人達はあたし達を避けて歩き、気付いたらあたしはもう充貴の腕の中にいた。充貴のその腕は……震えている。         
    「行くなあほ…」      
    ぎゅうっとあたしを抱き締める充貴。まるで、子供みたい。

    2006-12-21 00:48:00
  • 237:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「笑…。あたし…行けへんよ?さよならしたもん」
    充貴の手を掴み少しゆるめてあたしは彼を見上げた。
    「…………え…」
    彼は大きな目をさらに大きくしてあたしを見つめる。「あたし、今日はさよならしに来たんやも……」彼がもう一度強く抱き締めた。
    「充貴ぃ…くるし…っ」

    2006-12-21 00:54:00
  • 238:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「俺……もう誰も好きにならんと思ってた……」
    あたしは何も言わずに彼の背中へ腕をまわし、そのまま甘い甘い香りに身を任せた。               

    「俺と一緒に生きていこう…、華…」          

    2006-12-21 01:04:00
  • 239:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                    
    運命に向かって走りだした列車にもう停車駅は無くなった。           
    ねぇもし、もしも
    もう一度戻れるとしても、                
    あたしはこのまま、貴方と一緒に列車に残るだろう。

    2006-12-21 01:11:00
  • 240:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                                            


     

    2006-12-21 01:14:00
  • 241:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴がなぜここに来たかというと、会社に来たらあたしと前嶋が休みで、その上前嶋が京都出張だというから綾子に時間聞いて駆け付けたらしい。
    ……探偵か、笑
    あー!ってか勘のいい綾子の事やからこの行動で絶対なんか勘づいてそうやし………汗

    2006-12-21 01:20:00
  • 242:

    名無しさん

    へぇ〜

    2006-12-21 07:23:00
  • 243:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    携帯持って寝てしまってました(´〜`;)早く目が覚めたので続き書きます☆

    2006-12-21 08:15:00
  • 244:

    名無しさん

    流れるようなストーリーが好き?

    2006-12-21 08:16:00
  • 245:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「綾チャンに気付かれても終わったんやから関係ないやん」
    充貴はあたしの作ったチャーハンをほおばりながらあっけらかんと言った。
    「そぉやけど……」……………そぉなのか?
    ソファに沈まりあたしはぼんやりと食事をする充貴を眺めた。
    普段大人っぽくて影のある不思議な雰囲気を持った男の子なのに、食べてる時は子供みたいだ。笑

    2006-12-21 08:22:00
  • 246:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    彼は1度うちに来た事はあるしエッチだってした癖に、もう友達じゃないのかと思うとなんか今日は変な感じがした。
    妙に恥ずかしいとゆうか…照れ臭いなぁ。
    そんなこんなを考えつつ自分の足に肘を立て頬杖をついて居ると、あたしの視線に充貴が顔を上げた。

    2006-12-21 08:28:00
  • 247:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「見すぎやし。シャイやから食べられへんやんけ」
    「や、ものすごい勢いで完食してますやん」
    可愛い顔の割りによく食べる所なんか男の子なんだなぁ…。
    充貴はぐいっと勢いよく直ペットで水を飲み干すと、その勢いでソファへ腰掛けてきた。

    2006-12-21 08:34:00
  • 248:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「ごちそうさま。めっちゃおいしかった☆」
    そういって彼はあたしの肩に腕をまわし、見つめながらもう片方の手で頭を撫でた。
    そのガラス玉の様な瞳には、今はあたしがうつってるなんて。
    今度は撫でていた手をゆっくりあたしの顔へおろし、顎を軽く掴むと自分の方へ引き寄せ軽くキスをした。

    2006-12-21 08:40:00
  • 249:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「食欲は満たされたから次は性欲」
    ささやく様にそう言うと充貴はあたしの唇をペロッと舐めた。            
    ――ドキン
    「あほ、笑」
    笑ってみせたけど内心動機が激しくなりだし、部屋に響いているんじゃないかと思った。

    2006-12-21 08:47:00
  • 250:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴の視線や言葉、動作。一つ一つにドキドキして全身が熱をおびていく。
    突然彼はあたしを力いっぱい抱き締めた。         
    「オレの華。」
    彼の声が、あたしを好きだと、あたしを愛しいと言っているのが分かる。
    優しく、甘く……切なくあたしの胸に響く。

    2006-12-21 08:53:00
  • 251:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    未来のある恋愛が、言葉が、セックスが、こんなにも心と体を満たしてゆくものだとどうして忘れていたのだろう。
    とめどなく愛しさと切なさが体中から溢れだしていく。
    「ぁ……ンッ充貴……」
    あたしの中を掻き回す熱と快感。そのたびに切なげな顔をする彼。          

    2006-12-21 09:07:00
  • 252:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    神様、           
    それでも
    あなたに感謝します     
    あたしはこれからも幸せなのだから。

    2006-12-21 09:10:00
  • 253:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                                            



    2006-12-21 09:11:00
  • 254:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「やっぱりかぁ!瀬口くんの行動バレバレやし!笑」
    昼時、混みあったカフェで綾子とランチを取りながら昼休憩をしていた。
    やっぱり綾子にはバレてしまい全部話すはめになってしまい、彼女は笑いながらアイスティーをストローで掻き回した。

    2006-12-21 09:16:00
  • 255:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    綾子とは入社してからの仲だけど、普段からも遊んでいたし気のおける友達と言える一人だといえるだろう。
    だからごまかす事なく全てを話そうと思えた。
    「まぁ…瀬口君の事も会社では内緒にしてた方がいいと思うで☆」
    「うん、そのつもり」

    2006-12-21 09:20:00
  • 256:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    綾子はズズッと音をたてながらアイスティーを飲み干すと、タバコに火をつけ『でも前嶋常務もやるなぁ〜』と楽しそうにブツブツ独り言を言っている。笑

    2006-12-21 09:25:00
  • 257:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    京都に行っている前嶋は1週間程戻って来ないが、また会社で顔を合わしても今まで通り、普通に接していけると思う。
    1日に数回は会社へかかってくる前嶋からの電話をあたしが受けても、彼はいたって普通に接してくれるしやはり、彼は大人なんだなぁと思えた。

    2006-12-21 09:29:00
  • 258:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「――ハイ、では失礼致します…」
    そっと受話器を電話へ戻す。午後の仕事も今日は順調だ。
                  
    ――♪♪♪♪♪♪〜
    にしても今日は電話がよくなるなぁ

    2006-12-21 09:35:00
  • 259:

    なお◆l4UcoxfPVQ


    「ハイ、お電話有難うございます株式会社〇〇〇〇、山野です…」                        
    『―ガチャンッ!!…ッツー』    

    2006-12-21 09:37:00
  • 260:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ――切られた。       
    「はぁ…」
    ため息をこぼしながらあたしはまた受話器をおろす。
    こういう会社はこんな事がよくあるのだ。
    「切られたん?」

    2006-12-21 09:40:00
  • 261:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    隣のデスクから綾子が身を乗り出してきた。
    「うん。笑」
    笑いながら簡単に返事をすると綾子はさらにこっちに顔を近付ける。
    「今日めっちゃ多いねんて、あたしも3回やられたし…あたしら昼行ってる間も何回かあったみたい。ダルない?」
    「まじで?」

    2006-12-21 09:46:00
  • 262:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    中途半端ですが用事なのでここまでで一端終わりますすみませんm(__)mあと、レスくれた方、有難うございます!励みになります(>_

    2006-12-21 09:50:00
  • 263:

    名無しさん

    気になるー!!
    次の更新楽しみにしてます☆

    2006-12-21 16:06:00
  • 264:

    ♀♂

    まだ用事中ですかー?
    用事って何なんですかー?次の更新はいつですかー?完結はいつ頃になる予定ですかー?質問ばっかりごめんやでー?

    2006-12-22 01:02:00
  • 265:

    名無しさん

    なおさんもいろいろ忙しいんやと思うしそんなにせかさないでほしいm(__)m


    気になるのはわかるけどちょくちょく覗いてみたりしてゆっくり楽しも♪

    2006-12-22 01:12:00
  • 266:

    名無しさん

    >>272ウザイ?黙って待っとけ

    2006-12-22 02:19:00
  • 267:

    ♀♂

    >>274さんは何で怒ってるんですかー?この小説嫌いなんですかー?続き気にならないんですかー?

    2006-12-22 07:35:00
  • 268:

    名無しさん

    >>275 >>274わ怒ってるんやなくてそんなせかさんと黙って更新待ちってゆってるだけと思うで。気になるのもわかるけどなおって人、黙って放置しとるわけじゃないやん。用事ってゆってるやん。何の用事かまでゆう必要ないやろ普通に。>>275だけが続き気になってるとかちゃうから。皆気になるから応援レスしてるわけやし。

    2006-12-22 08:05:00
  • 269:

    ♀♂

    じゃあ何でゥザとか言うんですかー?他に言い方あるんぢゃないんですかー?

    2006-12-22 11:49:00
  • 270:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    応援レスやお気遣いのレス頂き本当に有難うございます(>_

    2006-12-22 13:25:00
  • 271:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    無言電話をしまくるなんてどこの暇なやつなのか。まったく……
    「はぁー…」と肩でため息を落とし、またパソコンに向かう。
    翌日の発注が少ないせいか午後の時間はゆったりと流れ、何故かバラードばかりの有線とキーボードを叩く一定でリズミカルな音がオフィスに響き渡る。
    ねむた……

    2006-12-22 13:33:00
  • 272:

    コーヒーを飲みつつぼんやりする頭と戦っていると
    ―ヴーッ ヴーッ―
    とパンツのポケットに突っ込まれた携帯が震えだした。    
    ―新着メール 1件―" " "06/12/22 13:38

    2006-12-22 13:38:00
  • 273:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あくびをぐっとこらえつつ、あたしはさっそくメール画面を開いた。        
    『夜仕事終わったら華ん家行くわ。いい子して待っとくねんで(*。`・ω・)っ+゚』   
    メールは充貴からだった。
    てか、何やねんこの顔文字。笑
    思わず可愛いなぁ…なんて思って笑みをこぼしてしまう。

    2006-12-22 13:45:00
  • 274:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「あんたきっしょ、笑」
    携帯の画面を見ながらこっそりニヤけるあたしに綾子がボソッ突っ込んだ。
    「うっさいわ、笑」
    心の中がじんわり温かくなっていく。          
    あたし今、めちゃくちゃ幸せかもしれない。

    2006-12-22 13:53:00
  • 275:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    おかえりと言える。好きだと素直に言える。甘える事が出来る。時間を気にする事なく朝を一緒にむかえられる。
    そんな当然な事が嬉しくて…、ただただ幸せで。
    だけどそれは貴方だからだと、心から思えた。       
    幸せな時はガラスの様に脆く、そして掴んだ砂の様にさらさらと指の隙間からこぼれ落ちてゆくんだ。      
    それでも想いは永遠だと、昔に母が言った。

    2006-12-22 14:05:00
  • 276:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                                



    2006-12-22 14:08:00
  • 277:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「俺のはぁーな♪」
    時刻はもう夜中の1時を過ぎていた。玄関を開けるや否や酔っ払いの充貴があたしに抱きついて来た。
    「あんた酒臭いって!笑」「ん!華はいい匂い!」
    酔っ払い充貴はあたしの頭をガシッと掴むと、そのままブチュっとキスをした。
    「もー…」

    2006-12-22 14:17:00
  • 278:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしが諦めた様に充貴をみあげると
    「その顔好き」と、もう一度優しくキスをした。
    それからガバッっといきなりあたしを持ち上げるとびっくりしてジタバタするあたしなんかおかまいなしに彼はベッドへと運んでゆく。
    「ちょっと充貴!笑笑」
    なんて近所迷惑なあたし達。

    2006-12-22 14:27:00
  • 279:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「重たい!」彼はあたしを向き合った形で抱っこしたままベッドへ腰かけた。
    「うっさいなー、鍵しめた?」「しめたー」「ご飯は?なんか作ろか?」「店で食ったで、ありがと」他愛ない会話。充貴は愛しそうにあたしを見つめながらあたしの髪をゆっくり撫でる。彼は、1つ1つの動作がすごく優しい。

    2006-12-22 14:35:00
  • 280:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「オレな、もぅ幸せになったらあかんって思ってた。思ってたってか…あかんのかもしらん。誰か好きになる事もなく一生1人で背負ってくって。」
    そこまで言うと彼は髪を撫でていた手を止め、あたしの胸に顔をポスンと置いて背中に腕をまわす。

    2006-12-22 14:45:00
  • 281:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「今めっちゃ幸せ感じてもおてる…」
    胸の奥がギュッと締め付けられる。なんとも言えない感情がじんわり込み上げ、あたしは充貴の体をしっかり抱き締めた。        
    彼から放たれる甘い香水の香りとお酒の匂いにクラクラしていく。          
    神様、どうして人は愛する事に傷つきながらもまた人を愛するのか。

    2006-12-22 14:59:00
  • 282:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                                



    2006-12-23 03:10:00
  • 283:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    穏やかな日々が過ぎ
    数日続いた会社への無言電話もいつの間にかなくなり、帰ってきた前嶋とも、以前の様に普通の上司と部下の関係へ戻る事が出来ていた。
    一度、前嶋とランチへ出た。

    2006-12-23 03:26:00
  • 284:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    彼と別れてまだ1ヵ月もたっていないとゆうのにとても懐かしい…それでいて切ない、
    そんな気持ちになったっけ。

    2006-12-23 03:42:00
  • 285:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    話した内容と言えば、ほんとに他愛ない事だっただろう。
    オフィス街の昼時のカフェ。
    はたから見たってただの上司と部下。
    最後に彼は微笑みながら言った。
    「お前の幸せ願ってる」と

    2006-12-23 03:53:00
  • 286:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                              
    ある週末に、充貴が海を見に行こうと言った。

    2006-12-23 03:58:00
  • 287:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「今から!?めっちゃ寒いやん12月やで?笑」
    今日は土曜日。世間はクリスマスイブ前日で深夜番組もすっかりクリスマスモードだ。
    あたしも明日のごちそうにそなえてキッチンで下準備をしていた。

    2006-12-23 06:42:00
  • 288:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    充貴はそんなあたしの後ろにピッタリくっついて耳元でささやいた。
    「車やから大丈夫。行こう?華と初めて行った時の夜の海」

    2006-12-23 06:45:00
  • 289:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    冬の夜の海は静かで、真っ暗で、ただ繰り返されるさざ波の音だけがあたし達を世界に2人きりにする。
    「さっぶ!」
    少しあけていた窓をしめなおし、あたしはコートを深く着込んだ。
    「窓あけるからやん。笑」

    2006-12-23 06:51:00
  • 290:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「潮の香り好きやねん、なんか落ち着く」
    そう言って彼の方を見ると、彼はゆっくりあたしにキスをした。
    彼の柔らかい髪があたしの頬にかかり薄く目をあけると、差し込む月の光が、充貴の長いまつげに影を落としていた。

    2006-12-23 06:57:00
  • 291:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あの時、あの夜、この海で、吸い込まれそうなくらい綺麗なガラス玉の……からっぽの充貴の瞳。
    この瞳の奥の悲しみを覗いた時から、もしかしたら彼とこうなる予感があったのかもれない。

    2006-12-23 07:01:00
  • 292:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「充貴。あんたが1人で背負ってきたもの、あたしに半分ちょーだい?」
    彼の冷たくなった頬を両手で触ると、彼はまっすぐあたしの方を見た。

    2006-12-23 07:06:00
  • 293:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「悲しい事とか辛い事は半分個しよ?だから充貴の罪もあたしが一緒に背負う。でも、嬉しい事とか楽しい事は合わして2倍にすればい…」
    言い終わる前に充貴はあたしをぎゅっと抱き締めた。

    2006-12-23 07:12:00
  • 294:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「お前クサイ事ゆーて笑」
    「は!?うっさい!笑」
    あたしを小馬鹿にする充貴の声は、セリフとは裏腹に小さく震えていた。
    「華……有難ぉ……」「うん」「ずっとおってな」「うん」

    2006-12-23 07:19:00
  • 295:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    愛しすぎて切なくて涙がこぼれた。         
    人は幸せを感じても涙が出るのだと、貴方に出会って初めて知ったんだ…。    
    ありがとう。

    2006-12-23 07:22:00
  • 296:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    家に帰りベッドへ入っている時、充貴はある物を出して来た。
    「もぅイブやし今日渡したかってんけど…」
    申し訳なさそうな顔であたしの手に差し出したのは………カルティエの…リボン?

    2006-12-23 07:28:00
  • 297:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「買いに行くんちょっと遅かったみたいで在庫なかってん…予約してきたけど数日かかるわ、ごめんな」
    と、あたしの左手の薬指にカルティエのリボンを結んだ。
    「充貴…ありがとおめっちゃ嬉しい…!」

    2006-12-23 07:32:00
  • 298:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしが嬉しすぎて充貴に抱きつくと彼も力いっぱい抱き締め返してくれた。
    物が嬉しいんじゃない…気持ちが嬉しい。
    「とりあえず今日は寝よか、笑」「うん!」

    2006-12-23 07:37:00
  • 299:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ベッドに2人沈まり、彼はあたしを引き寄せて言った。
    「愛してんで…」
    彼の胸にうずまりながら
    「あたしも」と返すと、彼はオデコに軽く唇をあてる。
    充貴のぬくもりと匂い、幸せに包まれ、その日、あたしの意識はすぐに途切れていった――――――――――――――――――。

    2006-12-23 07:46:00
  • 300:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                               



    2006-12-23 07:48:00
  • 301:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ――――――――――――――――――――――――――…
    「んー…」
    カーテンの隙間から差し込む光があたしの目蓋を刺す。
    まぶしい…
    ゆっくりと意識が浮上してゆく

    2006-12-23 07:51:00
  • 302:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ぼんやりとする意識の中、あたしは手探りで充貴の温もりを探した。
    …………あれ……。
    ベッドに居ない事に気がつくと、あたしはまだ開きそうもなかった目を少しこじあけ上半身だけゆっくり起き上がった。

    寝室には居ない。家の中も静かだ。

    2006-12-23 07:54:00
  • 303:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「充貴ぃー??」
    少し大きい声で呼び掛けるが返事がない。
    あたしは少し不安になり、ベッドを抜け出して寝室とリビングを繋ぐドアをあける。

    2006-12-23 07:58:00
  • 304:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    1LDK……といっても別にたいして広くはない部屋、見渡せば空気で充貴がうちに居ない事が分かった。
    「………どこ行ったんやろ……」
    少しさみしくなってあたしはソファへ腰掛けた。

    2006-12-23 08:01:00
  • 305:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「はぁ…」
    とため息をつき、それからとりあえず煙草を吸おうとテーブルへ手の伸ばす。

    「…………………………………………え。嘘」      

    2006-12-23 08:04:00
  • 306:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    何。何?ちょっと待って。

    こんなん……ずるい。      
    煙草をとるために伸ばした左手、

    2006-12-23 08:07:00
  • 307:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    カルティエのリボンが結ばれていたはずのその薬指には



    本物の指輪が光っていた。

    2006-12-23 08:10:00
  • 308:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 309:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ♀♂サン、えーと何ででしょ、ラストとの関連もあるんですけど響きで付けたのと半々ですかね、あたしもよく分かりません(゚∀。)たまに意味分からないですか?スイマセン気を付けますね、勉強します(>_

    2006-12-23 08:39:00
  • 310:

    名無しさん

    ?

    2006-12-23 18:58:00
  • 311:

    名無しさん

    めちゃ気になるぅ?

    2006-12-23 21:27:00
  • 312:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 313:

    名無しさん

    感想書いてる方感想スレに書いてもらえませんか??主サンの邪魔にもなると思うし??

    2006-12-23 23:49:00
  • 314:

    名無しさん

    >>320
    お前まぢでうざいわ!お前何時間かおきにまだかまだか言いすぎ!そんなゆーならお前こんなん書いてみろや。ちょっとは黙って待っとけ

    2006-12-24 00:43:00
  • 315:

    名無しさん

    ↑荒れるからやめて?同じ事思うけど、みんなわかっててだまってるんやと思うよ?

    2006-12-24 00:53:00
  • 316:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 317:

    名無しさん

    324
    だから感想すれに書いてって!

    2006-12-24 03:38:00
  • 318:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 319:

    名無しさん

    326
    ちゃんと感想すれにあんたのこと書いたからそっちで返事しろや?

    2006-12-24 13:03:00
  • 320:

    ♀♂

    ↑わざわざですかー?笑
    主さん更新はまだかな??

    2006-12-24 20:38:00
  • 321:

    名無しさん

    もぅ皆この人ムシしよ〜( ^ー゚)b相手するたび喜んでそぅやし?
    なおさんゎいぃ主さんやから一回一回ちゃんと返事するかもしれんけどみんなほっといたら寂しくてそのうちどっかいくやろ笑

    2006-12-25 00:22:00
  • 322:

    ♀♂

    ↑誰が喜んでるんですかー?みんなって何呼びかけてるんですかー?笑
    あなたなかなかオモシロイ???

    2006-12-25 02:16:00
  • 323:

    ♂♀

    こちらへどうぞ?http://bbs.yoasobiweb.com/read_i.php?tb=chat_shosetu&id=4791

    2006-12-25 03:01:00
  • 324:

    ♀♂

    ↑偽物邪魔ー?なおさん可哀想ー?書いてくれんくなったらあんたのせいやからー??みんな楽しみにしてるのにー???荒らすな???????

    2006-12-25 07:05:00
  • 325:

    名無しさん

    333(・∀・●)

    2006-12-25 13:27:00
  • 326:

    ♀♂

    ↑そんな書き込み邪魔ってみんなに叩かれますよー?笑

    2006-12-25 14:01:00
  • 327:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    >>315からの続き                
    驚きと喜びがぐちゃぐちゃになってボロボロと涙をこぼしていると
    「ただいまー」とガチャガチャ充貴が何やらぶらさげて帰ってきた。
    そしてソファに座ってボロボロのあたしを見つけるなり彼は、ニヤ〜っとまるでいたずらが成功した子供の様に笑った。

    2006-12-25 21:54:00
  • 328:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「ズビッ。………ありがど………ズッ」
    鼻水をすすりながら充貴を見上げる。すると彼はあたしの隣に座って頭を撫で、
    「好き?」と微笑んだ。
    「めっちゃ好きやし…ずびび」「笑!鼻かめよ」     
    こんなに幸せなクリスマスを、幸せな日々を過ごしたのは初めてだった。

    2006-12-25 22:06:00
  • 329:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    永遠なんか信じた事なかったけれど          
    永遠があればいいと
    初めて心から願った。     
    思いは永遠だと言った母の様に。

    2006-12-25 22:09:00
  • 330:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「ケーキとチキン買って来たしシャンパンしよや!」
    と充貴は袋からテーブルへ買ってきたものを並べる。
    「ケンタや!予約してたんや!」「あたりまえっ」
    ソファから立ち上がり、あたしはグラスと冷蔵庫のシャンパンを取り出した。
    やばい、にやける!笑

    2006-12-25 22:13:00
  • 331:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    グラスへ注がれるが、シュワシュワと泡を作ってゆく。

    はじけては広がり、シュワシュワシュワシュワ……

    2006-12-25 22:17:00
  • 332:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「華は炭酸飲むと泡見つめる癖あるよな、お母さん思い出す?」
    ぼんやりしたあたしに充貴が話し掛ける。
    あたしはグラスをテーブルへ置いて一旦煙草に火をつけた。
    「うん…。」

    2006-12-25 22:23:00
  • 333:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    人魚姫の話が好きだった母              
    ソーダが好きだった母     
    海に還りたいと言った母   
    泡になって消えた母

    2006-12-25 22:26:00
  • 334:

    なお◆l4UcoxfPVQ



    ――母はきっと、人魚姫になった――        

    2006-12-25 22:33:00
  • 335:

    名無しさん

    いい加減さっさ書けや?放置しすぎなんじゃ??

    2007-01-06 03:11:00
  • 336:

    名無しさん

    確かに…いつまで放置なんですか?
    書かないんなら削除お願いします?

    2007-01-06 15:24:00
  • 337:

    名無しさん

    年末年始忙しい言ってはったやん。
    お前ら暇かもしれんけど、お前らの都合で物考えたんなよ。

    2007-01-06 18:17:00
  • 338:

    名無しさん

    ↑年末年始まではこのペースでってゆーてたやんけ

    2007-01-06 19:18:00
  • 339:

    ?まリぇ?

    みんながォススメ言ぅカラ
    今日初めて読んだけど、しょーみあんまおもしろくなぃ??しかも放置やたら長いし??

    2007-01-07 04:40:00
  • 340:

    名無しさん

    ↑あんた実生活でみんなから嫌われてるやろ?

    2007-01-08 01:30:00
  • 341:

    名無しさん

    ↑間違いない?

    2007-01-08 01:53:00
  • 342:

    ?まリぇ?

    >>348どないしたん?ワラ

    2007-01-08 09:25:00
  • 343:

    名無しさん

    ↑ウザ。ってかわざわざ書き込みせんでよくない?
    おもんないんやったら読まんかったらええやん。

    2007-01-08 11:31:00
  • 344:

    ?まリぇ?

    ↑その必死さカラして
    もしかして主?ワラ
    はょ更新したれば〜??

    2007-01-08 12:57:00
  • 345:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    長くあいてしまってお待たせした事、お気を悪くさせてしまって本当にすみませんでしたm(__)m?今日からまた更新させて頂きます(>_

    2007-01-08 19:06:00
  • 346:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                    
    充貴は…あたしと出会った事後悔した?         

    2007-01-08 19:08:00
  • 347:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    今日は昨日の天気予報もはずれ、朝から空が晴れ渡っている。
    オフィス街を行き交うサラリーマンやOLの顔もなんだか生き生きして見えるのは、たぶん自分が幸せだからか。笑

    2007-01-08 19:12:00
  • 348:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    歩きながらマフラーでしっかり首を包み直してはニヤけていると、コートのポケットの中で携帯がなった。
    ――♪♪♪〜

    2007-01-08 19:16:00
  • 349:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    携帯を慌てて取りだしかじかむ指で開く。
     
    着信―非通知―

    非通知………?

    2007-01-08 19:19:00
  • 350:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    非通知なんか珍しいな、などと少し不振に思いながらもあたしはゆっくり通話ボタンを押した。

    「………はい、もしもし」
    『…………………プツ』

    2007-01-08 19:23:00
  • 351:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    プーップーッと、すぐさま受話器から機械的な音が繰り返された。

    切れた……?電波悪かったかな。それともいたずら?
    増してゆく不信感を押さえつつあたしは電波が3本立った携帯を軽くふってみた。

    2007-01-08 19:27:00
  • 352:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ―♪♪♪〜
    携帯の音がふったと同時にまた鳴りだす。        
    「…………また非通知」
    やっぱりさっきは電波が悪くて切れたのだろう、と気を取り直してあたしは通話ボタンを押した。

    2007-01-08 19:32:00
  • 353:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「はい、もし…『プツ―――プーッ プー』        
    「………………え…」
    電話は取ると同時にまた切れてしまった。
    何、やっぱりイタズラ…?気持ち悪いなぁ…

    2007-01-08 19:37:00
  • 354:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    朝からしょーもないイタズラに患わされたくない。あたしはすぐさま非通知を拒否設定にし、それから携帯画面に記されている時間に目をやる。
    やばい、急がないと遅刻だ。
    携帯はバッグの奥へと押しやって、流れる人込みを再びあたしは急いで歩きだした。

    2007-01-08 19:41:00
  • 355:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                              



    2007-01-08 19:43:00
  • 356:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「おはよーございまーす」出社時刻の9時に遅刻ギリギリで滑り込んだあたしは挨拶しながら急いでデスクについた。
    ちょっと急いだくらいが息が切れるなんて、もぅ若くない自分がイヤだ…。

    2007-01-08 19:47:00
  • 357:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    とりあえずパソコンに電源を入れて、立ち上がるまでは一服しようと煙草に火を付ける。と
    「昨日は楽しんだーん?笑」例の如く隣のデスクから綾子が身を乗り出してきた。
    「朝1から何よ。笑」
    「今日の昼じっくり聞いたるわ♪」
    「そんなノリいらんから。笑」

    2007-01-08 19:52:00
  • 358:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    野次馬な綾子をテキトーにあしらいつつ立ち上がったパソコンに向かいまずはメールチェック。

    ………受信?30件…………………。

    はぁ?30件?

    2007-01-08 19:56:00
  • 359:

    にゃん

    リアル??
    待ってたよぉ?
    がんばってね?

    2007-01-08 20:04:00
  • 360:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    困惑しながらも受信ボックスを開くと……全部同じアドレスから送られてきている。
    そして、あたしはまず1番上のメールを開き愕然とした。

    2007-01-08 20:13:00
  • 361:

    なお◆l4UcoxfPVQ

                    

    ―――何なんこれ―――
                  

    2007-01-08 20:14:00
  • 362:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ男好き淫乱メスブタ………………

    2007-01-08 20:17:00
  • 363:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    同じ事が延々と書かれた文章。それからすべてのメールに画像が添付されていた。               
    前嶋といるあたしと、充貴といるあたし…………

    2007-01-08 20:19:00
  • 364:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    にゃんさん、ありがとうございます嬉しいです!ほんとお待たせしてすみませんでした(>_

    2007-01-08 20:22:00
  • 365:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ゾクッと背中から冷たい空気があたしを包み、指先から小刻みにふるえてくる。

    ―誰ですか?―

    混乱する頭を冷静にし、送られてきたアドレスへ返信―…

    2007-01-10 21:44:00
  • 366:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「誰なんよ…」
    ところが何度ボタンを押しても送信できない。
    アドレスを変えた――――――――…?

    いいようの無い不安が心の内から沸き上がる。

    2007-01-10 21:46:00
  • 367:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ―気持ち悪い…!!―

    あたしは送られてきた全てのメールを急いで消去すると、同時に今朝の電話の事を思い出した。

    まさか

    2007-01-10 21:49:00
  • 368:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしは慌ててバッグを引っ掴み、奥底へと追いやっていた携帯を取り出した。


    「―――ッキャ…ッ」

    2007-01-10 21:51:00
  • 369:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    不在着信57件―――全て非通知。
    びっくりしたあたしは小さく悲鳴を上げ思わず携帯を床に転がしてしまった。

    「華子、どしたん?」
    仕事をしていた手を止め、落ちた携帯を拾い上げた綾子は固まるあたしを覗き込む。

    2007-01-10 21:55:00
  • 370:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「ちょ…あんた顔色悪いで……?」
    綾子があたしのおでこに手を当てようとすると、
    ―♪♪♪…♪♪♪…
    会社の電話が鳴りだし彼女は手を止めた。
    「電話出るからちょっとまって」

    2007-01-10 22:01:00
  • 371:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    あたしの手に拾った携帯を持たせると、すばやく受話器を上げた。
    「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇〇、坂上でございま……」

    流れる様な彼女の口調。
    途中で途切れたかと思うとはぁっと小さくため息をつき、ゆっくりと受話器をおろした。

    2007-01-10 22:06:00
  • 372:

    名無しさん

    うっとーしーかくな

    2007-01-11 17:21:00
  • 373:

    名無しさん

    ↑同じく

    2007-01-11 17:23:00
  • 374:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    何か気に触る事しましたでしょうかm(__)m?

    2007-01-11 20:30:00
  • 375:

    名無しさん

    ↑ぢゃあ見るなや!
    楽しみに読んでる奴も居てるねん、気ぃ悪いわ!

    2007-01-11 20:31:00
  • 376:

    名無しさん

    次期のおまめって感じ。あんま調子乗って何シリーズも書いてんな

    2007-01-11 20:38:00
  • 377:

    名無しさん

    最近よう書くないう書きこみ多いな スルーしとったら? たんなる ヒガミやろうから

    2007-01-11 20:42:00
  • 378:

    名無しさん

    おまめってやたら嫌われてんめんね?

    2007-01-11 20:44:00
  • 379:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    調子乗ってるつもりは無かったんですが…不快にさせてしまいすみませんでしたm(__)mでは今書いてるのを最後にし、下げで進めますので完結まではご理解下さい。

    2007-01-11 20:50:00
  • 380:

    名無しさん

    >>385ヒガミって何をヒガむ事ぁるんワラ
    ただ書くなゆわれてるだけゃン?

    2007-01-11 21:20:00
  • 381:

    名無しさん

    なんで書くなって言うん?おもろいから書いてほしいんやけど?

    2007-01-11 21:43:00
  • 382:

    名無しさん

    アタシもおもしろいから完結楽しみデス?
    なおさんのよさを分からない人なんてほっといて頑張ってください??

    2007-01-11 21:53:00
  • 383:

    名無しさん

    ↑宗教かワラ

    2007-01-11 21:57:00
  • 384:

    名無しさん

    ここの主さんは ええ人やんかぁ!
    次期おまめはないやろ!

    2007-01-11 22:36:00
  • 385:

    名無しさん

    書いてるの?個目やん。おまめより対応いいし。なおさん気にせずにね

    2007-01-11 22:39:00
  • 386:

    名無しさん

    おまめみたいになるなょ??

    2007-01-11 22:40:00
  • 387:

    名無しさん

    主サンめっちゃエエ人やん!!対応も大人やし関心するわ!!アタシ主サンの小説好きです!!完結まで頑張って下さいね!!応援してます

    2007-01-11 23:44:00
  • 388:

    名無しさん

    何の為に書くなとか書き込みするん?
    ひがみしかないやん?
    おもしろくなかったら見なかったらいぃしわざわざ書き込みする意味ないやろ?
    書くなとか人の気持ちも考えないで書き込みするとか性格悪すぎやと思う。

    なおさん批判する人もいるけど楽しみに待ってる人もたくさんいると思います。
    批判に傷ついたりすると思いますがうちゎ応援してます??

    2007-01-12 01:54:00
  • 389:

    名無しさん

    かくなとか、うっとうしいって言ってる奴はここに来なかったらいいやん? 頭悪いんちゃう?

    2007-01-12 02:35:00
  • 390:

    名無しさん

    主さん,この小説いつも楽しみにしてます?大好きです??頑張って下さい?

    2007-01-12 05:42:00
  • 391:

    名無しさん

    >>395ィィ人ってィィ人ぶっとかな荒れるカラゃン?ワラサイト上で性格わかるトカあんたすげーな?なかなかやるやん?
    >>396だからひがむって何を?ちゃんと説明せんかい?

    2007-01-12 07:16:00
  • 392:

    名無しさん

    バカに何いっても無駄 相手されたいだけやねんから

    2007-01-12 21:00:00
  • 393:

    みなさんレス有難うございます、少しでも読んでくれている方が居るのが本当に嬉しく思いますm(__)m

    2007-01-12 21:08:00
  • 394:

    >>379からの続き       
    綾子のその行動にまた一つ、心臓が大きく鳴った。
    「…………綾子……今のって…………」        
    視線を受話器を置いた手元からゆっくりと彼女の顔へと動かすと、綾子は怠そうな表情を作り
    「切られたわ、最近イタズラ電話なくなってたのになぁ」

    2007-01-12 21:15:00
  • 395:

    と肩をすくめた。
    「…てゆーか華、あんたさっきからどしたん?」
    綾子がもう一度あたしの顔を覗き込む。
    一瞬躊躇したがあたしは綾子に携帯を開いて見せた。

    2007-01-12 21:19:00
  • 396:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    「………うわ、何この非通知の数。いたずらにしたらやりすぎやろ!」
    携帯を目にして思わず声を大きくする綾子にあたしは人差し指を立てるジェスチャーをした。
    それからもう一度声を押さえ
    「パソコンも……見て欲しい……」

    2007-01-12 21:24:00
  • 397:

    あたしの表情から何かを察したのか、綾子は急に神妙な顔つきになりあたしのパソコンに身を乗り出した。                
    「――――――――――――――――…何なんこれ。」
    険しい顔をしながらあたしのパソコンをいじりだす。

    2007-01-12 21:28:00
  • 398:

    「あかん返信も出来ひんわ……華あんた誰か心当たりは?」
    「分からんねん…あたしの口から充貴と前嶋さんの事言ったのは綾子だけやし…誰かに外で見られてたんかもしらん…」

    2007-01-12 21:32:00
  • 399:

    それにしたって誰がこんな事…。                         

    「華の事を狙ってる男が逆上したとか?いや、会社にバラさんて事は…前嶋常務が好きな女なんかも。」
    誰も居ないスタッフルームで綾子は頭を捻りながらホットコーヒーをすすった。

    2007-01-12 21:39:00
  • 400:

    「何にしたって気持ち悪いわ……誰かも分からんしあたしどーしよ…。」
    あたしは携帯を持ちながらパイプ椅子に腰掛けため息をついた。
    音もなくまた携帯に着信マークだけが付く。
    連続ではないものの、まだ誰かがあたしの携帯にかけているようだ。

    2007-01-12 21:43:00
  • 401:

    名無しさん

    リアル?
    主さん?初めのやつカラ読んでる?頑張って気楽に書いてね?

    2007-01-12 21:51:00
  • 402:

    「……すぐおさまればいいけど…何やったらあたしの知り合いに頼んだろっか?」
    ホットコーヒーをテーブルへ置くとそう言いながら彼女もパイプ椅子へとゆっくり腰かけた。
    「知り合いって…あんたが前勤めてた探偵事務所みたいなとこの人?」
    たしか綾子は以前そういった類の会社にいたと聞いた事がある。

    2007-01-12 21:53:00
  • 403:

    「うん、それともあたしが調べたろっかー?」
    「綾子にそんな危ない事させられへんわっ」「報酬は焼肉ごちで!」「あほ笑」
    綾子はホットコーヒーを飲み干し焼肉を前にやたらやる気である。なんだかあたしは探偵ノリの綾子のテンションにすっかり慰められてしまった様だ…

    2007-01-12 22:02:00
  • 404:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    だけど、どうかこのままおさまって欲しい…。会社にバレたり何かあったら………………。


    それにもし誰だか分かった所であたしはどうしたらいいんだろう…。

    2007-01-12 22:06:00
  • 405:

    ところどろこ下げ忘れすみません(>_

    2007-01-12 22:08:00
  • 406:

    名無しさん

    ↑頑張らんでいいのにワラ

    2007-01-13 07:28:00
  • 407:

    名無しさん

    いやいや?頑張れ??

    2007-01-13 13:29:00
  • 408:

    名無しさん

    なおさん.アホは相手にしたらあかんで!!なおさんの小説大好きです(^-^)今回が最後なんて言わずに色んな小説書いてくださいね☆頑張ってください!

    2007-01-13 19:38:00
  • 409:

    名無しさん

    ?

    2007-01-13 22:47:00
  • 410:

    名無しさん

    主書く気あんまないやろ?前より適当なってますやん(´∀`)
    最初の頃はハリキってあほの一つ覚えみたいに更新しまくってたくせに
    今は軽く放置やん。
    しょーみ段々ダルィし話忘れるし?ィィ人ぶるんやめたら?

    2007-01-14 00:24:00
  • 411:

    名無しさん

    更新遅すぎ?

    2007-01-14 01:01:00
  • 412:

    名無しさん

    放置って昨日書いたはるやんそんなん言うたら他の小説なんかどないなんねん 人には都合とかプライベートあるやろお前らどんだけ自分勝手なやつらやねん

    2007-01-14 02:00:00
  • 413:

    名無しさん

    そうだそうだ

    2007-01-14 02:09:00
  • 414:

    名無しさん

    放置の長いやつも途中で終わってるやつも数えあげたらきりないやん 自分が気に入らんからって数少ないちゃんと書く作者潰すのやめてくれへん?今まで何人のいい作者が自己中なやつらに潰されていったか… 最近まともな小説が少ないのはネチケがないお前らみたいなんのせいやと思うわ

    2007-01-14 02:18:00
  • 415:

    こんばんはm(__)m読んで頂いている方には申し訳ないんですが風邪でダウンしてます…すみません↓↓明日もう一度書き込みに来ますが体調次第で明日も更新休ませて下さい。

    2007-01-14 04:42:00
  • 416:

    名無しさん

    無理せず主サンのペースで頑張って下さいね!!更新楽しみにしてます♪

    2007-01-14 05:15:00
  • 417:

    名無しさん

    はいはい?とうとう仮病かい?ワラ
    他の小説がこんなんならみんな文句ゆうくせに
    何でこれだけ放置許されんねん?
    なんせもぅ書くなよ?

    2007-01-14 05:33:00
  • 418:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    色々考えた結果、別サイトか何かに移動して続きを書く事にします。私はいい人なんかじゃありません、どこにでもいる普通の姉チャンです。喜怒哀楽だってありますし、1つ1つのレスに喜んだり、もちろん凹んだり苛立ちを覚えたりする事もありました。だけどただこれまで費やしてきた時間や読んで下さってる方の気持ちを無駄にしたくなくてここまで来ましたが、最後まで大人で居れなかった馬鹿な作者をお許し下さい。すいません頭ぼっとしてるんでちょっと自分でも何が言いたいのか分かりませんが…。なにせ別サイトへの移動とかの件はまた明日にしますm(__)m

    2007-01-14 06:41:00
  • 419:

    名無しさん

    425おまえがかくなとかゆう権利なし?

    2007-01-14 06:49:00
  • 420:

    名無しさん

    なおさん ここはどう?
    http://m-space.jp/
    感想スレも拍手とかの一言書きとかにしてみたら? なんしスルーが一番やで

    2007-01-14 07:22:00
  • 421:

    主さんやめないで??
    なおさんの小説
    すごくすごく
    好きなんです??

    2007-01-14 11:54:00
  • 422:

    名無しさん

    ほら結局中途半端?

    2007-01-14 13:03:00
  • 423:

    名無しさん

    今HP作ってこの小説コピーして続き書けるようにやってるから。夜には出来る。

    2007-01-14 14:10:00
  • 424:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    >>428サン、私そこにちょうどホームページ持ってます(*^_^*)確か小説機能ありましたよね?拍手とは何ですか機能にありますかね(∵`)?
    >>429サン、嬉しすぎる!429サンみたいな方がいるから私も出来ればここで続けたかったんですが…こういう形になって本当にごめんなさい?
    >>731サン、コピーとか731サンがして下さってるって事ですか(*_*)?

    2007-01-14 16:12:00
  • 425:

    名無しさん

    なおさん頑張って!
    ホームページに絶対読みにいくからね!

    2007-01-14 18:04:00
  • 426:

    名無しさん

    そこまでする価値ナシ?

    2007-01-14 18:38:00
  • 427:

    名無しさん

    なおさん、移動したら教えて下さいね!!絶対読みます(≧ω≦)なおさんの小説めちゃ好きです☆

    2007-01-14 21:36:00
  • 428:

    名無しさん

    一応ホムペ作って小説もコピーして貼りつけて続き書けるようにしたんやけどなおちゃんがやるなら大丈夫だね(^^)

    2007-01-14 22:58:00
  • 429:

    名無しさん

    宗教みたいワラ

    2007-01-15 02:02:00
  • 430:

    名無しさん

    ぉまめと一緒になってもうたな〜。ぉまめはホムペも放置やけど。そんなんならんといてな〜。

    2007-01-15 02:10:00
  • 431:

    名無しさん

    HTTP://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=ningyonosouda

    2007-01-15 03:33:00
  • 432:

    名無しさん

    なおさん 直接連絡とれないでしょうか?サブアドレスお持ちでしたら今日の夕方UPしてもらえないでしょうか?440のことでお話したいことがあるので

    2007-01-15 03:49:00
  • 433:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    皆サン、本当に本当に有難うございます(T_T)叱られる事を覚悟していたのに逆に応援して下さるなんて?
    >>441サン、私からも是非メールをお願いしたいと思っていました。サイト上ではなくお礼を言いたいので、私のサブアドレスを貼らせて頂きます(>_

    2007-01-15 04:47:00
  • 434:

    名無しさん

    キモチワル

    2007-01-15 06:46:00
  • 435:

    名無しさん

    主痛いな サブアドて ワラ

    2007-01-15 10:44:00
  • 436:

    名無しさん

    読者と作者が直メなんかしたら余計荒れるやん
    うちが知ってるのでわりいこの時みたいに

    2007-01-15 10:49:00
  • 437:

    名無しさん

    てか何で主そんな必死なん?メールする程オモンナイしィィ加減気づけや??
    放置してたん事実やねんし自分にとってィィ意見ばっかり聞き入れてんちゃうで?
    迷惑ゆーてんねん

    2007-01-15 13:11:00
  • 438:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    メールにはちょっと事情がありましてm(__)m荒れるなんて知らなくて不快にさせてすみませんでした?放置してた事に返す言葉はありません。

    2007-01-15 15:12:00
  • 439:

    名無しさん

    ワタシは続きが見たいな。何人かでも読みたいってゆってる人の為になんとか続き書こうと考えてくれてるのはおかしい事なんかな??放置しようとしない主サンの気持ちはむしろ嬉しいな。

    2007-01-15 15:15:00
  • 440:

    名無しさん

    放置じゃなくてコピペ荒らしが居たから落ち着くまで書くのやめてはったん知らんの?

    2007-01-15 15:45:00
  • 441:

    名無しさん

    ↑いやいやいつの話やねん?ワラ

    2007-01-15 16:49:00
  • 442:

    名無しさん

    それ以外で放置と呼ぶ程長く書かんかった事あったっけ?置いてもせいぜい3日くらいとかやない?

    2007-01-15 17:32:00
  • 443:

    名無しさん

    まぁ批判してる奴らの中に数人小説書いてる奴おる事がびっくりや 誰とは言わないが… 某作者さん?他作者潰した所で君の話が人気出るわけちゃうよ?ワラ

    2007-01-15 17:37:00
  • 444:

    ↑色々チェックし過ぎやろワラ 陰険なやつ?

    2007-01-15 17:38:00
  • 445:

    名無しさん

    ↑急に下げてどうした?焦るなよワラ

    2007-01-15 17:44:00
  • 446:

    名無しさん

    某作者って誰やさ?

    2007-01-15 17:51:00
  • 447:

    名無しさん

    誰が書いてるン?ワラ
    >>454自信満々にハリキってゆーてるケド?
    はよゆえやワラ

    2007-01-15 17:55:00
  • 448:

    名無しさん

    ↑何そんな焦ってるねんワラ

    2007-01-15 18:00:00
  • 449:

    名無しさん

    ↑答えんのかいワラ ほんまてきとーな奴やな

    2007-01-15 18:05:00
  • 450:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    ご迷惑おかけしてます、明日にはとりあえずホームページを貼りつけれそうですm(__)m

    2007-01-15 19:43:00
  • 451:

    名無しさん

    >>457それしか言えんのか?ワラ
    バリ必死?はよ誰かゅぇや
    てか主もぅかくなゆーてんねん?

    2007-01-15 22:28:00
  • 452:

    名無しさん

    あんまりおもしろくないので書くのやめてください不愉快です主でてきなさい

    2007-01-16 02:12:00
  • 453:

    名無しさん

    書くのやめろゆうくせに出てこいとか意味わからんねん。

    てゆうか嫌なら読むなや!!
    こっちゎ楽しみにしとんねん!!くそ迷惑じゃ

    2007-01-16 02:20:00
  • 454:

    名無しさん

    ↑おまえは鼻糞以下ぢゃワラ

    2007-01-16 07:04:00
  • 455:

    名無しさん

    主はよ出てこいや

    2007-01-16 14:23:00
  • 456:

    名無しさん

    なにそんなに必死に潰してん?ww 見苦しい

    2007-01-16 16:20:00
  • 457:

    名無しさん

    主もうここでは書かへんって言ってんやから。潰してる人にとったらここで書かへんくなるの嬉しいんやろ?何で出てこいとかわけわからんこと言うん?主さんはホムペのURL貼りにくるくらいちゃうか。

    それとなおさん、ホムペは掲示板みたいなのつけたらあかんで。もう充分潰し相手したんやし相手せんでいいで。

    2007-01-16 17:32:00
  • 458:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    出てきました(・・;)遅くなってすみません今見ました。もうここでは書きませんが(>_

    2007-01-16 18:05:00
  • 459:

    名無しさん

    そんなに主さんに文句言ぃたぃならサブアド載せてぁるんゃしメールしたらぃぃゃん?そんな度胸なぃからここで喚ぃてるん??

    2007-01-16 18:11:00
  • 460:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    はい、それでも構いませんm(__)m

    2007-01-16 18:22:00
  • 461:

    名無しさん

    面倒だとは思いますが、続きから書くのではなく、できれば最初から書き直して頂きたいのですが…
    続きからだと、読み難いし、話も理解し難いと思います

    2007-01-16 18:26:00
  • 462:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    そうですか…でもはじめから書くとなるとまた膨大な時間と労力が必要となりますしここから先の話を書ける時がまただいぶ先になってしまいます。とりあえず続きから書き、平行してパソコンを借りれる時にこちらの分をうつして行くという形でも構いませんか?

    2007-01-16 18:41:00
  • 463:

    470

    主sanのやりやすい方法でいいと思います
    移し終えたら、このスレは削除することをお勧めします

    2007-01-16 18:47:00
  • 464:

    なお◆l4UcoxfPVQ

    はい、助言有難うございましたm(__)m

    2007-01-16 19:15:00
  • 465:

    名無しさん

    なんかここの主さんかわいそうやわ。なんでここで書けんくさすん?このスレはあくまでここの主さんがたてたもんやろ?ある程度読んでみたけど荒らされる意味もよく分からんかったし。まだ半分ぐらいレス数残ってるんやし、主さん気にせんともうここで書いたら?なんかやりすぎやわ!おもしろおかしく荒らしすぎ!放置とか、もっと放置してるスレあるやん!主さんが腰低いことをいいことに、みんな好き放題言い過ぎやろ。新しくまた1から書き直すんとかめっちゃ労力使うやん!パソコン持ってるんならまだあれかもしらんけど…あたし間違った事いってますか?

    2007-01-16 19:44:00
  • 466:

    主さん楽しみにしてる?情景の浮かぶ文、表現の美しさ大好きです?

    2007-01-16 20:09:00
  • 467:

    名無しさん

    >>474 間違ってないよ(゚∀゚)間違ってないけど潰ししてる人が書くなゆうてるねん。でもこの小説楽しみにしてる人もおるから主さんわ最後まで大人な対応して引いてHPで書くことにしたんちゃうかな。それでもいまだに潰し続けられてるんやから。

    2007-01-16 20:16:00
  • 468:

    名無しさん

    おもんないって

    2007-01-16 22:44:00
  • 469:

    名無しさん

    おもんない言うんやったら読むなやぁ?
    荒らしなんて最低やん、人が頑張って造りあげてる作品に文句あるなら貴方が人を感動させる作品書いてみたらどぅですか?
    自分ができひんくせに人が頑張ってることを否定するなんて人として最低や??

    2007-01-16 22:53:00
  • 470:

    名無しさん

    荒しにいちいち反応
    してたら思う壷やで!

    2007-01-16 23:14:00
  • 471:

    名無しさん

    ここの主に限らず主さんって大変よな。荒らしスルーしたらしたでまた荒らされるし。どないしたらいいねんって感じょな…m(_ _)m

    2007-01-16 23:19:00
  • 472:

    名無しさん

    こんなけ悪質な批判や中傷って初めて見た気する

    主さん、管理人にメールしてログ保存してもらうよおにすること勧めるわ。

    2007-01-16 23:36:00
  • 473:

    名無しさん

    ↑大袈裟
    もっとヒドィの余裕でありましたから

    2007-01-17 01:07:00
  • 474:

    名無しさん

    主折れてるのにまだ批判中傷されてるやん だからログ保存勧める

    2007-01-17 01:40:00
  • 475:

    名無しさん

    主さんかわいそぉ↓
    主さんの小説好きゃのに(._.)
    荒らしのせぃで読まれへんなったし↓最悪↓なんで荒らしなんかするんかゎからへんゎ

    2007-01-17 01:52:00
  • 476:

    名無しさん

    >>484
    >>467にHPのURL貼ってあるよ(゚∀゚)HPわ>>412からの続き書いてあるから(゚∀゚)

    2007-01-17 02:04:00
  • 477:

    名無しさん

    ↑いい人?

    2007-01-17 02:50:00
  • 478:

    名無しさん

    ↑そぉか?

    2007-01-18 01:07:00
  • 479:

    主さん大人と思う??*。気にせずhPで頑張れ?

    2007-01-18 01:59:00
  • 480:

    名無しさん

    さっさ削除せんかい?

    2007-01-18 07:12:00
  • 481:

    名無しさん

    ↑頭平気???

    2007-01-18 07:48:00
  • 482:

    名無しさん

    まともならそんなしょうもないこといわんやろ〜

    2007-01-18 07:52:00
  • 483:

    名無しさん

    >>489他の小説にもおるやろ。あほみたいに荒らしてるカス

    2007-01-18 07:56:00
  • 484:

    名無しさん

    ↑え?妄想デスカ?なぁぁぁんも荒らしてませんが?カスが?ワラ

    2007-01-18 12:36:00
  • 485:

    名無しさん

    ↑しょーもねー

    2007-01-18 16:04:00
  • 486:

    名無しさん

    ↑ォマェモナ―――(゚∀゚)―――!!

    2007-01-18 16:05:00
  • 487:

    おまえが一番やろ?

    2007-01-18 16:19:00
  • 488:

    名無しさん

    ↑?

    2007-01-18 17:33:00
  • 489:

    名無しさん

    あげ

    2007-04-08 02:23:00
  • 490:

    名無しさん

    頑張れ

    2007-04-11 01:26:00
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