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?人魚のソーダ?
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1:
なお◆l4UcoxfPVQ
君は人魚
青ぃ程透明な
ソーダの海で
流した涙が真珠に変わる
2006-12-02 01:06:00 -
191:
なお◆l4UcoxfPVQ
「急でびっくりしたなぁ…」
お焼香を済ませた綾子があたしに話し掛けた。
「うん…、あたしあんまり知らんけど村川さんてまだ若いのに可哀相に」
村川さんとは、あたしが入社したくらいに退社していった女の人で2週間くらい一緒に仕事をしたと思う。
今日は、急な病で亡くなった彼女の葬式で会社から参列したのだ。2006-12-13 20:59:00 -
192:
なお◆l4UcoxfPVQ
「ちがうで華子」「え?」聞き返すあたしに綾子はシッと人差し指を立てた。
「表向き病死ってなってるけど…村川さんシャブいきすぎて自殺してんで。」
あたしにくっついて小さな声で彼女はさらに続けた。
「退社してから勤めてた本番屋で首くくったらしいわ…」「………」2006-12-13 21:05:00 -
193:
なお◆l4UcoxfPVQ
なんてよくある話なんだろう。
びっくりなんてしなかった。ただ、道は違うが彼女もまた、底無し沼に足をとられた一人だったのかと思った。
「てゆーか綾子、一応こういう席ではそーゆ話やめときよ」
生か死。
極端な様だが人の道なんて辿り着く場所は、結局どちらかでしかないのだ。2006-12-13 21:12:00 -
194:
なお◆l4UcoxfPVQ
煙草が吸いたくなったのもあり、あたしは軽く挨拶を済ませ会場を後にした。
歩きながら煙草に火をつけ空を見上げると、どんよりとした雲が覆い尽くしていた。
初冬の空気が、煙草の煙と一緒に吐き出された吐息を白く変える。2006-12-13 21:26:00 -
195:
なお◆l4UcoxfPVQ
その時、コートのポケットの中でバイブにしていた携帯がブーッブーッと震えだした。
あたしは吸い掛けの煙草を携帯灰皿にねじ込むと、慌てて携帯を取り出した。
着信・瀬口充貴2006-12-13 21:29:00 -
196:
なお◆l4UcoxfPVQ
充貴の低い声に右耳が熱くなるのを感じる。あたし、充貴の声を聞くだけでこんなに嬉しいんだ……
『そのまま、振り向いて』
彼に言われるままあたしは体ごと後ろへ振り返った。2006-12-15 21:14:00 -
197:
なお◆l4UcoxfPVQ
後ろには、携帯を持ってゆっくり歩いてくる彼の姿。一歩一歩、その彼が近づくたびにあたしの中の熱が増す。
「充貴……なんでこんなとこおるん」
切った携帯をポケットに治しながら彼が答えた。
「ああ、ちょっと墓参りに来た帰りやねんけど華見っけたから」2006-12-15 21:22:00 -
198:
なお◆l4UcoxfPVQ
そう話す充貴から漏れる吐息が繰り返し空気を白くする。
「そっか……」
「華今から時間ある?一緒に来て欲しい所あるねん」
充貴はあたしにすっかり幻滅していると思っていた。
いや、今でもそうかもしれないけど、あたしは考える間もなく大きく頷いた。2006-12-15 21:43:00 -
199:
なお◆l4UcoxfPVQ
2006-12-15 21:46:00 -
200:
なお◆l4UcoxfPVQ
午前中は曇っていた空が、今はすっかり青空に変わっていて、あたりには無邪気にはしゃぐ子供達の声が聞こえている。
充貴の運転する車に揺られ到着したのはいつかの孤児院だった。
フェンス越しに遊ぶ子供たちを眺める充貴の横顔は、優しく悲しい顔をしている。2006-12-15 21:57:00