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?あいあい傘?

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  • 1:

    さる◆pxZzyekBIs

     こんな冷たい雨が降りしきる寒い冬に僕たちは出会った。          曇ったショーウインドーに二人で書いた、あのあいあい傘がもし消えるのなら…。           何度でも書くよ。消えないように何度でも…。

    2006-11-25 17:33:00
  • 21:

    さる◆pxZzyekBIs

     「それ本当ですか?ほんとに正宗くんは色男だなぁ。それで、どこまでしちゃったんですか?」     隣で和哉が目を輝かせていた。いくつになっても男はこんな話が好きだ。   「何にもしなかった。これは本当。」       僕は淡々と答えた。本当に何もしなかったのだから他に答えようがなかった。 「またまた冗談ばっかり。この前だってアリュールの舞ちゃんと何かあったんでしょ?」        アリュール【Allure】はこの街でも割と大きなキャバクラで、舞はそこのNo3だった。         和哉はニタニタしながら話し続けた。和哉の笑った顔は少し子供っぽくて僕は好きだった。

    2006-11-29 12:56:00
  • 22:

    さる◆pxZzyekBIs

     「やっぱり代表になれば女の子にもてるんですねぇ。なんか正宗くんがうらやましいなぁ。」      そう言うと和哉は少しすねた顔をした。そんな顔も僕は好きだった。笑ったりすねたり。子供のような和哉は僕にとって弟のような存在だった。       「そんなの関係ないよ。和哉だってよく女の子に声かけられてるだろ?」   機嫌を伺うように僕は答えた。          「そりゃそうですけど…。でも聞かれるのは正宗くんの事ばっかりですよ。本当に…。」        そう言うと和哉はうつむいてしまった。

    2006-11-29 13:09:00
  • 23:

    さる◆pxZzyekBIs

     「でも和哉には瞳ちゃんがいるだろ?女の子と喋ってるとこ見られたらまた怒られるよ?」       瞳はアリュールの新人嬢だった。店長の誠さんに連れられて挨拶に来た時に和哉が一目惚れしてしまった女の子で、和哉の猛アタックで付き合ったらしい。  「まっ、正宗くん。瞳に変なこと言っちゃだめですよ。ただでさえすぐに怒るんだから。」       和哉は顔を真っ赤にして答えた。そして上着を着ると店を飛び出してしまった。本当に可愛いやつだった。

    2006-11-29 13:17:00
  • 24:

    さる◆pxZzyekBIs

     冬は夜の訪れが早くて、あたりは次第に濃紺のカーテンに包まれていくように暗くなっていった。    「おはよう。今日は忙しくなりそう?」      これぞ黒服。といったオーラを身にまといながらアリュールの誠さんが笑いながら店のドアを開けた。  「おはようございます。どうですかね…。まだわからないですよ。」     僕はそう答えた。平日の夜はどこもヒマだった。まぁ誰もが分かり切った事だったけれど。       「そっか…。あっそうそう。正宗くんうちの舞といい感じらしいって聞いたけど…。どうなの?」    誠さんのいつもの柔らかい目が少し鋭くなった。  「えっ…。どうってゆわれても…。」       僕は言葉に詰まってしまった。

    2006-11-29 13:32:00
  • 25:

    さる◆pxZzyekBIs

     「別に何もしてないですよ。一緒に飯食いに行っただけなんですけど…。」  すると誠さんはニヤッと笑った。表の顔と裏の顔。氷のような冷たい心と炎のような激しい心。夜の世界で生きる男のこのギャップに女の子は引き付けられるのかもしれない。     「まぁ、舞が勝手に勘違いして突っ走ってるって感じだろ?そんなもんだと思ったよ。」        そう言うと上着の内ポケットからセブンスターを取出しジッポで火をつけた。 誠さんは僕がこの街で信頼できる数少ない人間の一人だった。

    2006-11-29 13:46:00
  • 26:

    さる◆pxZzyekBIs

     僕は女の子の事で何かあるたびに誠さんに相談していた。さすがに女の子を商品にしてるだけあって、誠さんのアドバイスはいつも的確だった。       「まぁ舞はああ見えて精神的にもろいとこがあるからなぁ。気をつけてやってくれよ。正宗くんなら信頼できるし。」       誠さんは白い歯を見せて笑った。         「はぁ…。わかりました。」           僕は力なく答えた。正直その話にはうんざりしていた。誰かに好きになってもらうのは嬉しい事なのだけど、それは誰だっていいわけではないから…。

    2006-11-29 14:08:00
  • 27:

    さる◆pxZzyekBIs

     「そっか。じゃあ今日も頑張って。」       そう言って誠さんは店を出た。そのオーラをまとった後ろ姿に僕はみとれていた。           「誠さんかぁ。本当に絵になる人ですよねぇ。おれ惚れちゃいそうです。」  和哉はうっとりしながらつぶやいた。本当にいい男の背中というのは、性別を問わず人を引き付ける力があるような気がした。   その日は平日の夜ということもあり静かに時間が過ぎていった。

    2006-11-29 14:31:00
  • 28:

    さる◆pxZzyekBIs

     「正宗くん。おれ帰りますね。お疲れさまです。」 上着を着ながらうれしそうに和哉は慌ただしく店を出ていった。きっと瞳とデートの約束でもしてたのだろう。          その日の夜は雨が降った昨日のように寒かった。本格的な冬の訪れだった。  僕は契約しているすべての店に本数確認の電話を入れ終え店を出た。     何も変わらないいつもの帰り道のはずだった。違ったのはひとつだけ。青白く光を放つ自動販売機のとなりに。昨日と同じように。…そこに彼女はいた。

    2006-11-29 14:54:00
  • 29:

    さる◆pxZzyekBIs

     「大丈夫?今日も行くとこないの?」       僕は彼女の前で立ち止まり声をかけた。彼女は僕の顔を見上げると、昨日と同じように首を小さく縦に振った。相変わらずその綺麗な顔に表情はなかった。  「そっか…。じゃあ家に行こっか。」       すると彼女はまた小さく首を縦に振った。     僕らは昨日と同じように歩いた。時々後ろを振り返りながら。

    2006-11-29 16:48:00
  • 30:

    さる◆pxZzyekBIs

     昨日と違って栗色の髪はは綺麗に巻かれ、雨に打たれてない分顔色もよかった。相変わらずうつむいたままだったけれど。     「お腹減ってない?」  僕は立ち止まり振り替えって声をかけた。彼女は同じように立ち止まりうつむいたまま首を横に振った。 「そっか。」      無言のまま僕らは帰り道を歩いた。

    2006-11-29 17:01:00
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