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雨の夜

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  • 1:

    ニナ

    雨が降る夜は、
    『このまま降っていて…』と…何回願っただろう。

    2006-11-15 03:37:00
  • 17:

    ニナ

    彼と過ごした2人の家に戻り、携帯電話の電源をつけた。すぐに溜まっていた何通ものメールが届いた。

    死んだ彼へのメッセージなどたくさん受信している。そんな中、1通だけまだ死んだ事をしらないのか間抜けな文章があった。
    ―怖い夢見た。漏れるか思ったゎ― 名前は、銀河。えらく変わった名前。それだけしか思わなかった。

    2006-11-15 06:25:00
  • 18:

    ニナ

    それからも【銀河】から、頻繁にメールが入った。いつもたわいもない事で、私は返事を書く訳でも、死を知らせる訳でもなく。ただ送られてくるメールを淡々と見ていた。

    2006-11-15 06:29:00
  • 19:


    久しぶりの雨の夜。

    大好きな雨の夜。今は大嫌いな雨の夜。隣で寝ているはずの彼の姿はここにはない。 そんな時、携帯電話が鳴り響く。私のではなくて、彼の携帯電話。
    着信相手は、、―銀河―" " "06/11/15 06:34

    2006-11-15 06:34:00
  • 20:

    ニナ

    『はい』 とっさに電話を取ってしまい、銀河は驚いた様子で、困っている。

    『アツシの携帯やんね?アツシは??』『……死にました』 私は冷たく言い放った。銀河に腹をたてた訳じゃない。ただ、雨音が苛ついて、誰かに冷たく当たりたかった。

    2006-11-15 06:42:00
  • 21:

    ニナ

    『……はぁ?』 当然のリアクションだと思う。誰が〈あー。そうですか〉何て言えるだろう。事情を説明すると、銀河は何度も何度も『はぁ??』やら『マジかよ?』と言っていた。

    2006-11-15 06:48:00
  • 22:

    ニナ

    次の日、彼の家で銀河と顔を合わせた。まるで昼間に似合わない黒い派手なスーツ。脱色されて痛みきった明るく長い髪の毛。酒の匂いがしていた。
    まるで出会った頃の彼を見ているかのようで懐かしさで胸が締め付けられた。

    2006-11-15 17:02:00
  • 23:

    ニナ

    銀河は静かに手を合わせると、2滴程の涙を流し、立ち上がった。

    『話はアツシから聞いてました。こんな形で会う事になるなんて、残念や』『彼は貴方にどんな話を?』

    お茶を差し出すと、銀河は話だした。私の知らない、夜の世界で生きていた彼の全てを――。

    2006-11-15 17:11:00
  • 24:

    ―1章―" " "06/11/18 02:47

    2006-11-18 02:47:00
  • 25:

    ギンガ

    朝は汚くて淋しい。太陽から逃げるようにネオンが消え、夜の人間を吐き出そうとする。華やかだと思ったこの世界は意外に狭く、ちっぽけだと感じていた。
    何かに憧れて入った世界だったが……、
    今ではそんな事すら解らなくなっていた。

    2006-11-18 02:56:00
  • 26:

    ギンガ

    『銀河サン!寒いっすねぇ。早く上げないと、凍死してまぃますよ。おっ!あの子達どうすか?』
    最近入ったばかりの新人。キャッチすらも新鮮なんだろうか?意気込んでいるのが初々しい。何かに期待して、この仕事を選んだんだろう。しかし、こんな男は腐る程いる。そしてほとんどがこの街から消えていく。

    2006-11-18 03:03:00
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