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落ちてゆく
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1:
朝
傷つきたくない
だから人を信じない
好きにならない
2006-08-22 08:47:00 -
121:
朝
『…俺…夢出来てん…店…持ちたいねん。…だから… お前の事 好きやけど …だけど無理や…』
「なにがっ…何が無理なんっ…」
涙は出てくるし 冷静に話しをしようとしても 頭がまわらない
2006-09-01 01:45:00 -
122:
朝
『…何がって…お前こんなんする子ちゃうかったやん!いっつも笑ってて…俺のせいで…』
宏明は私の 左の手首を涙ぐんだ目で 見た。
『…俺は、始めてお前に嘘ついた時 ホンマに怖かった… でもな 今は なんでか お前に平気で嘘ついて 嘘ついてるのに お前の前で笑えるねん…』2006-09-01 01:56:00 -
123:
朝
私は 宏明の 何を言ってるのかわからなかった… 多分 宏明も自分で どう言ってイイのか分からなかったんだとおもう…
ただ… 納得出来ないけど 宏明が言いたいのは…
夜の世界で ホストとして生きて行くと言う事… 私との穏やかな生活ではなく…2006-09-01 02:01:00 -
124:
朝
二人で 泣いた… 宏明は ソファ-に座り 私と反対を向いて ティシュッで涙と鼻水を拭きながら 泣いてた。
私は宏明の背中を見て 勝手に溢れてくる涙を 拭く事もなく 泣いた…
バイクや車の 走る音が 間接照明の明かりだけ部屋の中を 響かしていた…2006-09-01 02:09:00 -
125:
朝
二人の 涙が乾いて どちらとも 言葉を発する事が出来ないで居る時
宏明の携帯が鳴った
上から 六番目の 着信音…2006-09-01 02:13:00 -
126:
朝
…宏明は 立ち上がって 携帯を 開いた… …
『…俺…いくわ…ごめん…』
「待ってよ!!!」
宏明の 言った事はわかっている だけど… 気持ちはついていかない… 宏明と別れるなんて…絶対に嫌や!!2006-09-01 02:20:00 -
127:
朝
玄関に向かおうとしてた宏明は 一瞬立ち止まり 振り返って また泣いている私を見た…
『…もぉ 俺…お前と付き合う資格ないねん…お前には 笑っててほしい… 俺アカンねん…お前 水商売合ってないと思うで。似合ってないわ。もし…ないと思うけど 偶然会ったら笑ってな… 』2006-09-01 02:27:00 -
128:
朝
「嫌や!!いかんといてよ…!」
それでも 私は 宏明の腕を掴んで 引き止めようとした…
『なんでわからんねん!!俺は お前と付き合ってた時の俺と ちゃうねん! ひつこい! そんなに 俺と一緒におりたいなら 金払え! ほんなら いくらでも一緒におったるわ!』2006-09-01 02:35:00 -
129:
朝
… 怒鳴る宏明の声が 誰もイナイ薄暗い 二人だけの部屋で 余計に 悲しく聞こえた…
『もぉエエやろ…これ置いて行くから病院代にでも使えや…』
ポケットの中から 数枚の お金を 玄関の靴箱の上に 置かれた2006-09-01 02:42:00 -
130:
朝
最後まで宏明は 振り返る事なく 背中を向けて ドアを開け 夜の街へと 出ていった。
私は その場に座り込んだ もう涙なんて でーへん… 立ち上がって追い掛ける力も ない。
靴箱の上に置かれた お金… 左手の包帯… 宏明に貰ったネックレス… 玄関の壁に飾った 一緒に完成させた 1000ピースのパズル…2006-09-01 02:49:00