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**心**

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  • 1:

    haru

    見えそうで見えない心…。知りたくても分からない心の奥底。

    あなたは今何を思い誰を想ってるの?

    聞きたくても聞けない…言いたくても言えない…『今』の二人が壊れるのが怖くて。

    2006-08-17 22:00:00
  • 81:

    haru

    『舞…大事な話あんねんやん』

    そう言われたあの時までは…。人は人を傷つけるために生まれたんじゃないよね?人は悲しい涙を流すために生きてるんじゃないよね?

    人は…人を幸せにするために…生まれてきたんだよ?

    2006-08-22 18:39:00
  • 82:

    haru

    『なにー?』

    私は夕食の後片付けをしながら光太郎に聞いた。同棲をしてから毎日のようにこうして光太郎の夕食を作り、私はお皿を洗う。当たり前な日常の普通の光景。

    大事な話がなんなのかも分からずに機嫌よく私はお皿を洗っていた。

    2006-08-22 18:45:00
  • 83:

    haru

    でも光太郎は黙り込んだまま続きを話す気配がない。変に思った私は洗い物をやめて光太郎の座るソファーに横並びに腰掛けた。

    『光太郎?なによ?』

    私は気になってせかした。聞きたくもなかった言葉のために…笑いながらせかしたんだ…。

    2006-08-22 18:49:00
  • 84:

    haru

    『舞…ごめん…』

    光太郎は初めて私の前で泣いた。四年も付き合っていたのに光太郎の涙を見たのは初めてだった。最初で最後の…涙だった。

    『光…ウソやろ?なぁ、冗談やんな?』

    2006-08-22 18:52:00
  • 85:

    haru

    『ごめ…な…』

    光太郎は泣きながら何度もそう言った。

    話を聞いても理解できない。現実を受け入れられない私は涙も出なかった。

    2006-08-22 18:55:00
  • 86:

    haru

    ずっと一緒だと約束してた。結婚するならお前しかおらんわって私にそう言ってた。光太郎…なんで…?

    信じていた心はボロボロになった。

    暗く…冷たく…凍っていく。裏切りという現実が…私の心を凍らせていった。

    2006-08-22 19:00:00
  • 87:

    haru

    『お前のこと好きやで。でも…別れてほしい…どうにもならんねん…』

    光太郎の言葉が何度も頭の中を駈けていく。

    『子供…できてん…浮気してた女に…でな、もうおろされへんぐらいでかいねんて…』

    2006-08-22 19:03:00
  • 88:

    haru

    頭の中で何度もリピートされる言葉。心は冷たくなっていく。

    光太郎は私と付き合っていながら、一年も前から由美子という女と遊んでいた。

    私がいながら他の女と…体の関係をもっていた。最低…

    2006-08-22 19:14:00
  • 89:

    haru

    一緒にいた四年間は一体なんだったのか。なんのためにこんなにも長い時間を過ごしていたのか。分からなくなっていく…光太郎の気持ちが…人の心が…

    由美子という女は私の存在を知っていた。分かっていて光太郎と会っていた。女も女で最低な奴だった。

    2006-08-22 19:18:00
  • 90:

    haru

    私という彼女がいるのを知りながら光太郎から離れることもせず、あげくの果てに中絶できなくなるまで妊娠の事実を光太郎に隠していた。

    『一人で産むから』

    光太郎は由美子にそう言われたと言っていた。ずるい女…光太郎がそんな言葉を聞いてほおっておけるような奴じゃないって分かっていて言ったんだ。

    2006-08-22 19:22:00
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