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‐記憶‐

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  • 1:

    柚菜

    今、何処にいるの…?

    右も左もあたりを見回す限り真っ暗…

    手足を伸ばしたら柔らかい壁にぶつかってしまう。
    聞こえてくるのはドクッドクッって言う規則正しいリズムのある音。

    2006-08-04 21:50:00
  • 124:

    柚菜

    柚菜自身は覚えていないが、幼い頃に千秋はよく柚菜の服を作っていた。
    その時に柚菜は?大きくなったらママに服を作ってあげる?と千秋に約束をしていた。
    事故で記憶を失ったが、服飾関係に進みたい。と言う夢は忘れていなかった。

    2006-08-20 08:06:00
  • 125:

    柚菜

    葉月の言葉を聞いて柚菜の目には涙が溢れていたれ。
    「そうだぞ。俺達がいる事を忘れるなよ。」
    淕が続けて言った。
    2人の言葉が嬉しくて柚菜は涙が止まらなかった。
    「ありがとう。葉月、淕。」
    その時だった…

    2006-08-20 08:07:00
  • 126:

    柚菜

    「クシュンッ」
    ドア越しにくしゃみが聞こえてきた。
    3人はドアに目を向けた。すると…
    「ごめんなさい。聞くつもりはなかったんだけど…」
    柚菜の母親がドアを空けて入って来た。

    2006-08-20 08:08:00
  • 127:

    柚菜

    「いえ。こんにちは、おばさん。」
    淕が一番最初に、挨拶をした。
    続けて葉月も。
    そして…
    「じゃ、俺達は失礼します。」
    そう言うと帰る用意を始めた。

    2006-08-20 08:08:00
  • 128:

    柚菜

    そして、病室を出る時に、淕が
    「ちゃんと自分の気持ちに素直になれよ。」
    「そぅだよ。それと、ユズは一人じゃないんだからね。」
    淕に続けて葉月が言った。

    2006-08-20 08:09:00
  • 129:

    柚菜

    そうして、二人は不安を隠しながらも病室をあとにした。

    2006-08-20 08:09:00
  • 130:

    柚菜

    「千秋ちゃんはね、柚菜が会いに行くより夢を叶える為に頑張ってる方が喜ぶわよ。」
    柚菜の母は笑顔で言った。
    「少なくとも私も柚菜や美優の母親だから、渚ちゃんの気持ちはわかるの。」

    2006-08-20 08:14:00
  • 131:

    柚菜

    「でも、お姉ちゃんはお母さんの子供でずっと一緒だけど私とママは…」
    そぅ言うと柚菜はまた黙りこんだ。
    「柚菜は千秋ちゃんに会いに行きたいでしょ?千秋ちゃんの事が好きなんでしょ?」
    柚菜の母親は相変わらず笑顔で言った。

    2006-08-20 08:14:00
  • 132:

    柚菜

    ただ、その笑顔も作っているのが柚菜には解っていた。
    「うん。ママの事、好きだしママに会いたい。でもお母さんやお父さん…」
    柚菜は自分の気持ちに素直になれなかった。

    2006-08-20 08:14:00
  • 133:

    柚菜

    千秋に会いに行く事は10年もの間、自分を娘の様に育ててくれた水沢夫婦を裏切ると言う事になると思ってた。
    「本当は千秋ちゃんの事、知りたいんでしよ?」
    柚菜の母親はそう言うと柚菜の答えを聞く前に話出した。

    2006-08-20 08:15:00
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