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━†Tears†━
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1:
◆O0SM2LCy2c
「ねぇユキナ…ユキナは、大きくなったら何になりたいの?」
『ゆーちゃんねぇ、ママみたぃになりたい!!』 「……ママみたい?」 『そぅ!大きくなったらねママみたぃになりたい☆』
ママみたいに―――…
2006-07-31 03:10:00 -
17:
◆O0SM2LCy2c
《あっ…やばっ!そろそろ店戻らなアカンわぁ〜!寒い中ごめんな。ユキナちゃんも、気付けて帰りや☆》携帯電話の時計を見て、慌てて言う凌。
《…分かった。凌くんも仕事頑張ってなぁ。》
《おぅありがと!! じゃあ、またメールするわぁ☆ちゃんと返したってな〜笑》
笑顔でそう言うと、走って繁華街の方へ戻っていった。
《……さぁ、帰ろっと。》2006-07-31 18:10:00 -
18:
◆O0SM2LCy2c
まさか、この日のこの出会いが、あたしの人生までもを狂わすなんて…誰が予想できただろう――?
《あっ…初雪やぁ〜〜!》
空には、今年初の雪の華が宙を舞う。
あたしとアンタが地獄に落ちた日も、そう、確かこんな雪の日だった……
2006-07-31 18:18:00 -
19:
◆O0SM2LCy2c
それからというもの、凌は毎日のようにメールや電話をしてきた。仕事の合間にメールがあったり、出勤前と仕事の終わりには、必ず電話があった。そんなこんなで約1ヵ月が過ぎ――、警戒していたあたしもさすがに徐々に凌に心を開いていった…。
ある日、彼が仕事の休みの日に二人で会う事になった。あれ以来キャッチをしている姿を見る事はなく、凌に会うのは久しぶりだった。2006-07-31 21:35:00 -
20:
◆O0SM2LCy2c
《ユキナちゃん!!ごめんなぁっ…待ったよな!?》待ち合わせに、ほんの少しだけ遅れてきた凌。 《……いや、今出てきたとこやから大丈夫やで☆》 車で、店のすぐ近くまで迎えに来てくれた。
《ほんまかぁ〜…良かったぁ!お疲れさま☆寒いやろ…?はよ車乗りやぁ〜》 話すたびに、お互いの白い息が目の前で交差する‥。《……お邪魔しまぁす。》バタン――――。
凌の車に、初めて乗った日。
いや、彼氏以外の車に乗ったのは何年ぶりだっただろう。あたしは基本的に、アフターはしない。同伴でも店の近くのお店以外は行かない為、お客さんの車にも乗った事がなかった。2006-07-31 21:52:00 -
21:
◆O0SM2LCy2c
心なしか、狭い車内は緊張する……。隣でハンドルを握る凌の顔を、チラっと見た。
《今日は、仕事忙しかったぁ〜?》
《……え?あっう、うん…!まぁまぁ…かな。》 《どなぃしたん?緊張してるん?笑 まさかなぁ☆》 なんやろう・・うまく話せない。さっきまでは、お客さん達とあんなにも普通に話せてたのに…。
《なんか…凌くん私服やとイメージ違うなぁ。》
前に見たスーツ姿と、イメージがまったく違うからかな。長身で、冬でも小麦色に焼けた健康的な肌。メッシュがたくさん入った色あせた髪…。雑誌から飛び出してきそうなそのセンスの良さは、彼のオーラをより一層引き立てていた。2006-07-31 22:11:00 -
22:
◆O0SM2LCy2c
《そうかぁ〜?笑 まぁ、ならとりあぇず飯でも食いにいこかぁ〜☆》
車を走らせて、適当なご飯屋さんに入った。食べながら色々な話をした。電話やメールでは話しきれなかった、あたしは彼の色々な事を知った――。
凌は今、母親と二人で暮らしているのだという。物心ついた頃から父親はたまにしか家に帰ってこず、知り合いの現場で鳶職をしていた彼は…18になるとすぐに夜の仕事に足を踏み入れた。
たった一人の家族である母親は病気がちで、入退院を繰り返しているらしい。2006-08-01 00:09:00 -
23:
◆O0SM2LCy2c
意外なところで、同じ環境だった事に……驚いた。 実はあたしには、母親がいない。母は、3年前に亡くなった。病気ではない。
母は、3年前のあたしの誕生日に―――…自殺した。
《…キナちゃん!?おーい聞こえてる……!?》2006-08-01 00:20:00 -
24:
◆O0SM2LCy2c
《あ…ごめんっ。ボーっとしてた。聞こえてるで☆ …あ、コレおぃしぃ。笑》《なんやそれ☆ユキナちゃんボーっとしすぎ。笑 疲れてるんかぁ〜??》
・・・・えっちょっ…
《・・・ひぃゃぁっ!!》《え……?あ…ごめんっ。俺なんかに触られるん嫌やったやんなぁ…。笑》 《…やっ、そんなんちゃぅねんっ。ほんまに……あたしこそごめん!》
ビックリした・・・突然、オデコに手なんか当てるから。この時、凌の顔を初めて間近で見た。やっぱり、どこかあたしと似ている。彼の目は、綺麗だけどどこか深い悲しみを帯びている――…。2006-08-01 00:33:00 -
25:
◆O0SM2LCy2c
それから、凌とはちょこちょこ会うようになった。 次第にあたしは、同じ目をした彼が気になり始めるんだ―――…。
“離れてはいけない”気がした。自意識過剰かも知れない。だけど彼には、あたしが必要な気がした……。
そしてあたしにも、彼が必要だったから―――。2006-08-01 00:43:00 -
26:
◆O0SM2LCy2c
「なぁ雪奈ぁ〜…もぅ一本だけ……シャンパン卸していいっ?」
『……はぁ。アンタ、あたしを自己破産させる気なん?』
そして現在。凌の店に通い始めて、約半年――。 あたしは、今だに彼の傍にいる。“彼女”なんて肩書きは必要ない。彼の存在が必要だから、傍にいるだけ。2006-08-01 00:51:00