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花火***
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21:
『この後?』「うん、ちょっと付き合って欲しんだ」紅美からの誘いなんて滅多に無かったから、驚いた。
『いいよ、暇だしね☆笑』「じゃ、行こっか」
そう言うと紅美はあたしをひっぱり店を出ると黙々と歩き出した。2006-07-26 06:09:00 -
22:
『ね、紅美どこ行くの?』「まぁまぁ、楽しみにしてなって☆」どこに行くのか検討もつかないあたしは、紅美に付いてくしかなかったわけで。あるビルの前につき、「ここ♪」
紅美はそう言うと、またあたしの手をひっぱりビルの中に入って行く。
何か嫌な予感してきた…。2006-07-26 06:22:00 -
23:
エレベーターに乗り、ドアが開く。大きな白の扉が目に止まる、そこには大きく【HEAVEN】と光の線で描かれた文字が映っていた。
『ちょっ、もしかしてこれって』「ほら☆行くよー」紅美が扉を開けると、中から大きな声で「いらっしゃいませ!」の声。
やっぱり、ホスト…。2006-07-26 06:34:00 -
24:
絢子◆90Bahj2DOA
今日はここまでです☆
2006-07-26 06:37:00 -
25:
『ちょっと紅美!ホストなんて聞いてない!』「まぁ落ち着いて。わけは後で話すからさ」そうこうしてると「蘭さん、紅美さん!」聞き覚えのある声が中から聞こえる。
『えっ?、もしかして…』そう、中から足早にこちらに歩いてくる一人のホスト佑。「来てくれたんだ!」茫然と立ちすくむあたしを横に「今日のお詫びもかねて来たよ」紅美の言葉に嬉しそうにする佑に案内され、あたし達は席に座った。2006-07-26 20:48:00 -
26:
初回料金を説明し終えると「ちょっと待ってて!」と言い残し、佑は去って行った。『紅美、どうゆう事?あたしホスト嫌いなの知ってんじゃん。しかもよりによって佑の…』不機嫌なあたしの言葉を遮るように紅美が言い訳をする。
「騙して連れてきたのは、まじごめんね。でもさ飲ませられる苦痛を逆になってあいつに体験さしてやりたくてさ」そう、紅美は今日客として来たあいつらの飲み方が許せてなかったらしく、佑の店で逆に暴れてやろうという魂胆だった。2006-07-26 20:54:00 -
27:
「あたしをヘルプに付かせといて、あのチェックじゃ納得いかないし☆笑」そう言いながら笑う紅美を見てると呆れて、思わずあたしも笑ってしまった。
『それもそうだね☆でも、あたしホスト自体、初体験だからよく分かんないんだよねー』あたしの思わぬ一言に紅美が吹き出す。
「まじで?蘭、初めてなんだ!ちょー以外」『こう見えても真面目なんで☆笑』
そう、あたしホストは初めて。行きたいとも思わなかったし興味もなかった。そのあたしが、こんな形でホストに来るはめになるなんて、さすがに予想してなかった。2006-07-26 21:14:00 -
28:
暫らくすると、意気揚揚と佑が席に着いた。「つーか二人が来てくれるなんて、思ってなかったよ」多分こいつ、あたしか紅美が気に入ってると思ってんだろな。ありえねー(゚д゚)
するとまた一人、また一人と席に着いていく。
《はじめまして☆》《可愛いね》《何才?》《よく飲みにくるの?》同じ質問と営業トークばかり。正直楽しくもなんとも無かった。逆に気を使い、愛想笑いして、仕事以上に疲れる。2006-07-26 21:38:00 -
29:
周りを見ると若く、可愛い感じの子ばかり。おばちゃんぽい人もちらほら。皆、お気に入りのホスト君とイチャついたり、飲み騒いだり。飲み方はそれぞれ。
だけど皆、楽しそうに見える。紅美も何だかんだと佑と楽しそうに騒いでいた。一体どうしたら"楽しめる"のか、全く解らなかった。
楽しむ飲み方すら、この頃のあたしは知らなかったから。2006-07-26 21:48:00 -
30:
そんな事をふと考えていると、また新しくヘルプが着いた。「初めまして!」と元気良くあたしに笑いかける。『どうも』「俺、遼☆よろしくね」『よろしく』そつなく笑い返事をする。
「ねぇ、君"SAKURA"の蘭ちゃんでしょ?」遼という男の言葉に思わず顔を上げた。「やっぱりだー☆本物、可愛いー!TVで観たよー」あたしの店は雑誌やTV等に頻繁に出てたから、そうして声をかけられるのも少なくなかった。2006-07-26 22:05:00