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花火***
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11:
『岡ちゃん♪おはよー』
「お、蘭。おはようさん」『来てくれてありがとね』「近くまで寄ったさかい、ちょい顔見とこう思てな」
この人は大阪の人で、出張で週に1度は東京にくる。そのたびあたしに逢いに来てくれる。嬉しい限りだ。お客さんに恋愛感情を持ったことは無いけど、ふとする時、愛しくてたまらないそんな気持ちになる。
あたしという人間がちゃんと存在出来てるんだと、再確認出来る。2006-07-26 04:54:00 -
13:
PM、23:00―
指名客の席を睦なく回り、一息つこうと、ヘルプ子に少し席を任し待機室に入った。『はぁ…』たばこに火をつけ溜め息をついていると、《ガチャ!》
『紫織!』「らーんー♪」抱きついてくる紫織を一目見て分かった。『あんた、酔ってるね』「だって〜、たっちゃんが飲ますんらもん☆」『もう、こんな時間にそんな酔って!』
ボーイに冷たいおしぼりと水を頼み、紫織を寝かして『いい?少しここで休んどきなよ』「うん〜」
相当出来上がってる様子。2006-07-26 05:06:00 -
14:
ありえない。
自分の彼女を営業中にも関わらず、あんなになるまで飲ませるなんて。『主任』「ん、蘭か。どうした?」『紫織潰れて待機室で寝かせたから』「やっぱりか。あの席ヘルプの子にも飲ませまくりで困ってんだよ。その割に単価は安いし…」
『あたし行きます。キャバクラじゃあるまいし、飲み方も知らない青臭い奴らには早急に帰って貰います』
「ま、お前なら大丈夫か」『その代わり、紅美ヘルプに付けて』「…了解♪」2006-07-26 05:15:00 -
15:
気合いを入れ直し、紫織の彼氏の席に着く。『はじめまして、蘭です』そこにはここにも出来上がってる、安っぽいホスト達の姿。
「おー♪ちょー可愛いー、こっちおいでよ」と、肩に手を回すこの男。「佑ぅ、紫織ちゃんに怒られんぞ」
―やっぱり、"佑"か。
2006-07-26 05:23:00 -
16:
「失礼します。紅美です」「お、紅美ちゃんかー、蘭も紅美も可愛いねー」顔を近付けながら佑が言い寄ってくる。「あたしは全然。でも蘭はこの店の?2ですからね」『よく言うよー!紅美なんて?1じゃない』あたし達のこの言葉にホスト達は凍りつく。
「あ…、二人は?1と?2なんだ?」『一応ね。そんな大したもんじゃないよ』「えっと、佑さん?紅美達も何か飲んでいい?」
紅美のこの言葉に更に凍りつく佑達。2006-07-26 05:36:00 -
17:
店の看板ともゆえる?1と?2が席に着き、安っぽい焼酎など飲ませられない事くらいはこいつらにも分かったのか、「…う、うん☆好きなの飲みなよ」
そう言うしか道は無い。ここはあんたらみたいな若者が来る安い店じゃないんだから。綺麗に、馴染みに
飲みに来て下さる他のお客様達にも失礼だ。2006-07-26 05:42:00 -
18:
『あたし、ワイン頂いていいかな?』「じゃあ、あたしはやっぱシャンパン♪」有無を言わさず、ワインとシャンパンをオーダーし、まだ一口しか口にしていないくらいに佑達はチェックを言い出した。笑
中々いい選択したと思う☆
会計、¥208、000―
潰された紫織と他の子達のお詫びにしたらこんなもんですか☆2006-07-26 05:49:00 -
19:
すっかりしょげながら帰って行く佑達を後にし、紫織の元に急ぐと紅美の姿が。『紅美!ありがと☆ヘルプに着いて貰ってごめんね』「いいよいいよ♪あたしもあいつらうざかったし☆笑それより紫織はかなり飲まされたみたいだね」
紫織を見るとまだ酔い潰れて寝てるようだった。
「ほんとありえないよね、あいつら」『うん…』
紫織―、何であんたみたいな賢い子があんな奴と付き合ってんの…?2006-07-26 05:57:00 -
20:
AM、2:00―閉店。
「蘭」『あ、主任』「紫織起きねーし寝かしとくわ」『ごめんね。起きたら連絡してって言っといて』
「分かった。お疲れさん」
紫織があんなに酔い潰れるなんて。着替えて待機室で一服していると「蘭!」
紅美の声だ。『あ、紅美。お疲れー☆』「お疲れっ♪てか蘭、この後暇?」2006-07-26 06:05:00