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東京心中24時50分

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  • 1:

    NN

    毎晩毎晩、その一瞬一瞬に新しいホストが生まれ、そして消えていく。彼らに行く末は何処にもないのかもしれない。それとも永遠にこの世界で生きていけるという道があるのかもしれない。
    どちらにせよ、消費されていくんだ、体も心も。そして新しいものが生まれていく。消耗品であることは間違いないみたいだ。いつ自分は消えていくのかな。

    2005-10-21 02:30:00
  • 559:

    NN

    「いやぁ何ゆわれると困るねんけどなぁ」一年ぶりの再会。突然姿を消したカオルさんが今、俺の目の前にいる。あの頃と変わらない喋り方で、そして、あの頃の笑顔のままで。言いたいことがたくさんあるんだ。聞きたいこともたくさんあるんだ。「彩人、時間ある?話、するか?」俺の様子を察してかカオルさんが微笑む。「はい。」そういうと、カオルさんは「ちょい待って、花、部屋まで戻すし」そういうと、カオルさんは、腕を組んでいた女の人の手を取り、アパートの部屋まで引っ張る。

    2005-12-07 17:08:00
  • 560:

    NN

    「ごめんなさいね、ちょっとだけ待ってやってくださいね」女の人は小さくつぶやく。可愛い声だ。俺は「はい」とつぶやく。あの女の人..目が見えないのか?俺は遠くからその様子を見ていた。カオルさんに寄り添うように、花さんは、部屋に戻っていく。1階の102号室。ここがカオルさんの今の部屋..カオルさんが消えたあの日、雷さんと訪れたあのマンションと比べると、大きさは比べ物にならなかった。あんなきらびやかな世界にいた人が今..こんな小さいアパートで..。俺は傘を握り締める。

    2005-12-07 17:08:00
  • 561:

    NN

    「ごーめん、ごーめん、待たせた待たせた。」カオルさんが笑う。すると部屋のドアが開く。「いいじゃないの、部屋にあがってもらえば」花さんがそういうと「それもそうやなー」といって、カオルさんは「入り!」と俺を部屋に入れた。玄関にはカオルさんの汚いスニーカーが3足、そして花さんのものであろう明るい色のパンプスが並んでいた。花さんは、「ゆっくりしていってくださいね」といってソファに寝転び、俺に背を向けた。

    2005-12-07 17:10:00
  • 562:

    NN

    「まぁ茶でも飲んで」カオルさんがコップを出す。何から話したらいいのかわからなかった。部屋は綺麗にされていたけど、これが元No1の今の部屋だと思うと..。

    2005-12-07 17:11:00
  • 563:

    NN

    「あん時はごめんな。」話をきりだしたのはカオルさんだった。「いえ。突然いなくなっちゃったから心配しましたけど、雷さんなんて特に」「やなぁ。雷はなぁーうん、何か連絡しずらくて1年たったゆう感じやねんけど」カオルさんは真剣な顔でつぶやいた。「何で突然消えたんですか」俺の声が雨の音に重なり合う。

    2005-12-07 17:12:00
  • 564:

    NN

    「ずっと整理しててん。自分の中で。誕生日終わったころに、もう、来年はここにはおらんやろうって思ってた。やりたいことがやっと明確になってん。ホストは、あがろうって思った。お客さんにさよならはいいたかってんけど、変に混乱するんやったらサクっと消えた方がええかなと思って。」何だかすごくカオルさんらしいと思った。派手に打ちあがった後は、静かに、まるで何もなかったみたいに身を消す。

    2005-12-07 17:13:00
  • 565:

    NN

    「今はカメラマンしとるねん。っていっても駆け出しのペーペーやけど。東京に出てきた目的も写真で飯食いたかったから。でも、ホストなってくうちに、何やろ、自分が誰かわからんくなった。」「え?」俺は聞き返す。「俺、本名が田村薫っていうねん」「そうなんですか」初耳だった。「有名なってくうちに、どんどんみんな氷咲カオルが好きゆうてくれてた。だけど俺は田村薫。俺なんかいらんやん。誰も俺を知りたい思ってない。雑誌出てもこれはほんまに俺なん?って思ってた」

    2005-12-07 17:14:00
  • 566:

    NN

    カオルさんは続けた。ホストを辞めて、今、田村薫でいることが今、すごく幸せに思う、と続けた。俺はその話を黙ってずっと聞いていた。「花はな、目、みえんねん。やけど俺の写真見て、いってん。素敵な写真撮るのね、あなたって。私、目が見えないんだけど、あなたの写真、わかる。優しい匂いがするのって。そういわれたとき、俺は氷咲カオルが抜けたんやと思った。田村薫が今、ちゃんと自分の写真の中に存在してるんやって思ってん」

    2005-12-07 17:16:00
  • 567:

    NN

    本当だ。何だか全くの別人みたいだ。俺はカオルさんの話が納得できなかった。夜の世界で輝き続けたカオルさん。そのカオルさんが今、小さいアパートで幸せですーっていくら俺にいったって説得力がない。美しい恋愛物語ですね。そういうべきなのか?俺には今のカオルさんの姿が許せなかった。

    2005-12-07 17:17:00
  • 568:

    NN

    「カオルさん、俺、今日、医者に死刑宣告されたんです。これ以上ホスト続けるなら、命の保証できないからやめてくれって。」俺が憧れ続けたカオルさんが、今こんな暮らしをしてる。競争心、闘争心、それらを失ったカオルさんには、もう何も憧れない。

    2005-12-07 17:18:00
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