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東京心中24時50分

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  • 1:

    NN

    毎晩毎晩、その一瞬一瞬に新しいホストが生まれ、そして消えていく。彼らに行く末は何処にもないのかもしれない。それとも永遠にこの世界で生きていけるという道があるのかもしれない。
    どちらにせよ、消費されていくんだ、体も心も。そして新しいものが生まれていく。消耗品であることは間違いないみたいだ。いつ自分は消えていくのかな。

    2005-10-21 02:30:00
  • 231:

    NN

    彩人の仕事への熱意は、話していると時々、何かビリっと痺れるような感覚を覚える。彩人が、もし、今、仕事を失ったとしたら、本当にこいつは死ぬだろうなと本気で思う。
    死ぬ、なんて言葉は生きている立場からすればすごく非現実的なものに聞こえるが、彩人の口にする「死」は何だかすごく身近に感じて、この俺ですら恐くなるのだ。

    2005-11-13 23:38:00
  • 232:

    NN

    東吾は彩人に視線を向ける。彩人はメールを必死に打っている。−誰にだって譲れないものがあるだろ?−前にもアヤは俺に同じ言葉を投げかけた。
    彩人のその言葉に対して無気力で19年間生きてきた、と答えたような気がする。意識して無気力だなんて思ったことはない。

    2005-11-13 23:39:00
  • 233:

    NN

    周りにやる気がなさそう、とか、ダルそう、とか、人間離れしてる、と、言われることが多いのだ。ホストの仕事を始めたきっかけは、深夜ボケッと歩いていたら、スーツを着た実に胡散臭い男に話しかけられた。
    男は俺の肩をたたいて、「ねぇ君ホストとか興味ない?」と言った気がする。その胡散臭い男って奴は、この店のオーナーである原田さんなのだが。

    2005-11-13 23:40:00
  • 234:

    NN

    原田さんは「氷咲カオルって知ってる?有名なホスト。うちの店の子でね。君、なかなかホストにいけると思うよ、第二のカオル、なんて目指してみない?」と続けた。氷咲カオルなんて人間は全く知らなかったし、自分のどこがどうホストにいけるのか、だとか、疑問だらけだったが、原田さんは偉く熱心にずっと「ホスト」「ホスト」と連呼した。そして俺はyes も Noもなしに、気がつけばホストになっていた。

    2005-11-13 23:41:00
  • 235:

    NN

    店内に初めて連れて行かれた時、彩人とも初めて会った。彩人もその日が、初出勤だったのだ。つまり俺とやつは、同期というわけだ。ヤツは確か..黒いスーツを着て新人とは思えない位堂々としていたっけ。
    「東吾は初対面の時めっちゃ恐かったな。だって舌ピアスに耳にも数え切れないくらいピアスしててさ、しかも無表情でボサっと立ってるの。迫力に圧倒されたって。しかも同い年に見えなかったし。」昔話をすると、彩人は必ず俺にそう言う。俺から見た彩人の第一印象は..忘れた。

    2005-11-13 23:42:00
  • 236:

    NN

    ああ、やたらに香水くさくてホストっぽい男だなって思った。というか、ホストなんだな。金髪の髪の毛を一生懸命逆立ててるな とも思ったな。いまだに気が合うとは全然思えないが、同期だしなんとなく一緒に行動するようになっていた。
    彩人は自分では気がついてはいないと思うが、かなりの熱血男だと思うのだ。最近は「No1になりたい」しか言わなくなった。燃える精神というか。誰かこの炎を消火してやってほしい。

    2005-11-13 23:44:00
  • 237:

    NN

    って、誰にも消せるわけがないか。彩人がNo1にならない限り、この炎はどんどんどんどんデカくなるだろう。そしてもっと気がつけば自分もホストになって一年が経っていた。
    最初は、俺をスキだと言ってくれる客が奇妙に見えた。

    2005-11-13 23:47:00
  • 238:

    NN

    ホストの世界が奇妙だから、客も奇妙なわけだろうが、という結論に辿り着いた。流されるまま、毎晩酒を飲みながらそう思っていたが、一年経った今、あの頃と少し変わったことがある。タバコの銘柄。も、そうだが、もっと大事なことだ。
    スキだと言ってくれる客が今はありがたいということ。俺は彩人の憧れ?の、氷咲カオルのような客を盛り上げるような楽しい会話ができるわけでもなく、彩人みたいに派手なパフォーマンスもできない。
    なのに新人時代から今までずっと一年間俺に会いに来てくれる客が気がつけば増えていた。

    2005-11-13 23:49:00
  • 239:

    NN

    ある客に「俺と話していて何か楽しい?」と聞くと「楽しいよ。何で?」と逆に聞かれ「気になった」というと、「楽しいじゃない?あたし、東吾はすごい魅力あると思うよ」と笑いながらも答えてくれた。そのホストを初めて遅すぎるのかもしれないが、「やっててよかった」という気持ちが自分の中にうまれた。その後も、新しく自分を指名してくれる客に会うたび、その気持ちは大きくなっていく一方だ。彩人と違ってNo1になってやる!!って気持ちはないし、今の現状に満足だ。
    選んでくれる人がいる間はこの仕事を続けようと、俺は思うようになった。

    2005-11-13 23:50:00
  • 240:

    NN

    「東吾、どうしたんだよボケッとして。」「ああ、立ちながら寝てた」何だそれ、と、彩人はつぶやいた。「彩人、もしかしてホストって本当はすごく自分を好きになれる仕事かもしれないな。」
    「は?東吾、いきなりどうしたんだよ」あっけらかんとする彩人の横で俺は小さくうなずいた。

    2005-11-13 23:52:00
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