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東京心中24時50分
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1:
NN
毎晩毎晩、その一瞬一瞬に新しいホストが生まれ、そして消えていく。彼らに行く末は何処にもないのかもしれない。それとも永遠にこの世界で生きていけるという道があるのかもしれない。
どちらにせよ、消費されていくんだ、体も心も。そして新しいものが生まれていく。消耗品であることは間違いないみたいだ。いつ自分は消えていくのかな。2005-10-21 02:30:00 -
400:
NN
愛ちゃん あっれは太いと思うで カオルさんの声が響く。その言葉に後押しされるように、アリスの席でドンペリが10本空いた。マイクごしのポン、ポン、とどんどん抜かれていく酒の筒が愛の太さを物語った。愛はその日300万近くアリスに落とした。アリスはそのまま愛とアフターで焼肉を食べに行くらしい。朝から焼肉..さすが最年少ホスト。若さとパワーが違う。
2005-11-24 23:56:00 -
401:
NN
「あーっ俺も愛ちゃんの指名ほしかったわー」カオルさんは、携帯電話を片手にソファに座る。欲しかったーというわりにあんまり、羨ましくなさそうな気がした。カオルさんの客には愛クラスの上客は少なくない。「カオルさん、なんであの愛って子が太いってわかったんですか?」そういうと、カオルさんは笑った。「カン」は?俺が聞き返す。「古いけど、ビビってきただけやって」笑いながらカオルさんは店を出て行った。アリスに謎の太い客がついた。
2005-11-24 23:58:00 -
402:
NN
朝の光がまぶしい。夜に仕掛けたトリックが、朝の光の前では丸裸になってしまう気がした。アリスと、愛は焼肉屋に足を踏み入れる。駅の近くには夜のにおいを漂わせた女が2、3人いた。「可愛い、あれどこのホスト?」「カムプリでしょ?前新人特集か何かで見た」「うそうそ可愛い。あれ彼女かな」そんな声が聞こえてきた。「アリス人気者だね。」「えへへ」愛に誉められアリスは照れくさそうに笑った。酔っ払って道路に寝転んでいるホストを見て愛がつぶやく「ホストって大変な仕事なのね。」
2005-11-25 00:00:00 -
403:
NN
焼肉屋はガラガラで鉄板の音だけがジワジワと音を立てる。アリスは「いただきます」と割り箸を折る。「どうぞ」と、愛が微笑む。愛はその日を皮切りに連続して店に現れた。小さなかばんの中にパンパンにふくらがった札束は、愛の太さを物語っていた。連日連夜の豪遊。ドンペリが音を立てて空き続ける。アリスの成績は右肩上がりだった。「今日も愛ちゃんくるのかよ?」雷さんがアリスの肩を叩く。アリスは現在、第2週目の段階で売り上げNo5になっていた。
2005-11-25 00:02:00 -
404:
NN
「くるとおもうけど」アリスは無表情で携帯電話をながめる。気がつかないうちにアリスも少しホストの顔になった気がした。「どうしたんだよ、あんまり嬉しくなさそうじゃねぇか。」「うん。」ここまで売り上げが売りあげが伸びれば有頂天になるだろうと予想していたアリスが、売り上げが上がるほど暗くなっている。「何かこれでいいのかなぁって思うんだよね。」アリスはため息をつく。「愛ちゃんどんなお酒を沢山おろしても全然嬉しそうな顔しないんだよ。そりゃあ笑ってくれたりするけど、何か違うってゆうか..」
2005-11-25 00:03:00 -
405:
NN
ホストとして。アリスが初めて自分の仕事に対して、自分の客に対して向き合おうとしている。今はそっとしておくべきか。雷は悩むアリスを横目に小さくため息をついた。1時半。愛は店内に現れた。そしていきなりドンペリを入れた。さすがの彩人も愛を意識せざるおえなかった。ヤバイ。あれはかなり太い。愛の席ではシャンパンコールが続く。今日は何本あけるんだろうか。
2005-11-25 00:06:00 -
406:
NN
アリスは「おはよー」といって愛の横に着く。「アリスーおはよ。今日、ラストまでいるからアフターいこうよ。何か食べたいものある?」愛は口にタバコをくわえる。同時にカチッと音をたててアリスはシルバーのライターを向ける。「うーん。特にないなぁー」「お寿司とかは?アリススキそうじゃない」愛は微笑む。この微笑が不自然だとおもったのはいつからだろう。自分にお金を使って酒を飲みに来てくれてるお客さん。そのお客さんに心からの笑顔を向けてもらいたいのに。なんてそんな考え、あの雷の影響なのかな。
2005-11-25 00:13:00 -
407:
NN
何だか自分がホストだということに物凄く不甲斐なさを感じた。ホストとしてできること。そんなこと本当には一つもないと思った。
2005-11-25 00:16:00 -
409:
マリナ
ホントぉもしろぃデス?アリス好きだぁ??笑 続き楽しみにしてまぁす?
2005-11-25 04:34:00 -
410:
?ァム?
ゥチもァリス派?↑サン気が合ぅッてぉもッて初カンソゥ??ゥチのメィンとカオルチャンが似てるしカオルチャンもスキ???どぅなるんショ…ャッパ心中なんカナ
2005-11-25 04:42:00 -
411:
麻衣子☆ ◆vqwsSGDLQ2
時間をかけて読ませていただきました?読んでいて、吸い込まれるような文章力ですね?おもしろい?今後も期待します?
2005-11-25 06:37:00 -
413:
名無しさん
?
2005-11-25 10:52:00 -
415:
マリナ
?アム?さん気が合いますねッ??
??ァゲァゲ??2005-11-26 01:14:00 -
416:
アム?
まりサン?主ゎ風かホスか
2005-11-26 06:05:00 -
417:
ぬしは
アクア狂やろワラワラ
2005-11-26 06:27:00 -
418:
ァム
ブンが切れてたァァあっしゎアリス?
2005-11-26 06:32:00 -
419:
リン?
ぁたぃわひかるサン大好き?
2005-11-26 12:37:00 -
420:
主です
明日の深夜ごろ更新します。読んでくれてる方ありがとうございます。寝ます?
2005-11-26 13:29:00 -
421:
名無しさん
?
2005-11-26 15:40:00 -
422:
マリナ
ぁげちゃぅ??
2005-11-27 01:04:00 -
424:
NN
感想有り難うござします(^^)主はアクア行ったことはないです(^^:)リンさん、マリナさん、麻衣子さん、名無しさん、アムさん、感想ありがとうございます。
2005-11-27 22:03:00 -
425:
NN
■
どうせ死ぬなら東京で死にたいと思った 東京で死にたいんじゃない 東京と死にたかった2005-11-27 22:09:00 -
426:
NN
昼12時半。アリスと愛はいつものように、繁華街へと向かっていた。夜には全く浮かない派手な金髪にスーツのアリスは、昼間には「ホストだ」と指をさされ、「うわー」という声まで聞こえた。お寿司お寿司―とアリスが微笑むと、愛もほんとアリスって可愛いねとつぶやいた。「アリスはいいホストだよね」「えっ何突然」驚いたアリスは足が止まる。「だって何かホストって感じしないよ。癒されるアロマみたいな。」「マジで?照れるなぁアリスじゃなくて源氏名アロマにすりゃあよかったなぁっ」
2005-11-27 22:10:00 -
427:
NN
アリスは細い路地裏に入り込み、自動販売の前に座る。愛もつられて横にしゃがみこむ。「アハハ。アハハハ。アリスおもしろいね」愛が口に手を当て大きな声で笑い出す。あまりの声の大きさに周囲の人々は振り返る。「あーーあっ!!」アリスが愛を指差して叫ぶ。「えっ何!」アリスの声に愛が笑いを止める。「愛ちゃん、初めて本当に笑ってくれた気がしたよ、今」「え」「愛ちゃんの本当の笑顔、見れた気がして」
2005-11-27 22:11:00 -
428:
NN
嬉しかった。やっと見せてくれた愛ちゃんの笑顔が。すごく嬉しかった。アリスはポケットから小銭を取り出し、コーヒーのランプを押す。「あっ愛ちゃんもコーヒーでいい?」「うん。あっあと、あ、あのねアリス..」愛は重たい口を開く。
2005-11-27 22:12:00 -
429:
NN
「愛?」その瞬間、背後から男が愛の顔を覗き込む。「やっぱりそうだ、愛だ」「タカシ..」一気に愛の顔色が変わる。スーツをピシっと着こなしサラリーマン風の男。短髪の黒髪が、彫りの深い彼の顔を際立たせている。年齢は、24,25だろうか。
2005-11-27 22:13:00 -
430:
NN
「知り合いなの?」「うん..まぁ」アリスが訪ねると、愛は小さな声でつぶやいた。その様子を見てか、タカシはアリスを上から下までジロジロと見る。「彼氏..?じゃないよな。ホストくんか何か?」タカシはフっと笑いアリスを見る。何だよこいつ人のこと見下すみたいに..男の仕草、言葉、視線、アリスの気に触る。愛は黙ったままだ。
2005-11-27 22:16:00 -
431:
NN
「まぁ愛なんかいいカモだよな。お前、俺のこと裏切っておいてすぐにホスト遊びか。さすがだな」「ちょっとお前タカシか何か知らないけど、いきなり失礼じゃん!!」食いつくようにアリスがタカシをにらむ。「事実じゃないか。俺はな、2年付き合って愛と結婚する約束までしてたんだよ、2ヶ月前までな。」「結婚..?」アリスは驚いて顔をしかめる。愛は下を向いてうつむいている。
2005-11-27 22:17:00 -
432:
NN
「お前みたいな馬鹿なホストにはわかんないだろうけどな、こいつ、俺のこと騙してやがったんだよ。」タカシの声が大きくなる。「コソコソ風俗なんかで働きやがって!!こいつはなぁ汚い女なんだよ!!!汚い体しやがって!!俺が会社リストラされて稼ぎがない時、こいつはのうのうと風俗で金作って俺にあげるなんて金渡してくるような汚い女なんだよ。お前いつも俺のこと馬鹿にしてたんだろ!!??風俗で金作って私の方が金もってるみたいな顔してよ」
2005-11-27 22:18:00 -
433:
NN
何だよこの男 何だよいかれてんじゃないのかよ アリスはふと横目で愛を見た。愛は必死に涙を我慢しようと、目をこすっていた。きっと彼女が笑えなかったのはこの男のせいなんだ。男のために大金ためて、別れて、使う意味がなくなったからホストで流すように使ってるんだ。だとしたらー..
2005-11-27 22:19:00 -
434:
NN
「そんなの関係ないじゃん!!あんたのこと助けようとして愛ちゃん風俗で働いてたわけじゃん!!風俗やってりゃ体が汚いなんておかしいじゃん!!!風俗で働いて平気な女の子なんていないよ!!あんたのためだから頑張れてたんじゃないのかよ!!」アリスは大声で叫んだ。きっと、多分だ。僕はきっと愛ちゃんの苦しみはわからない。だけど僕は思う。人を否定する資格なんて人間誰もみんな持ってないんだ。
2005-11-27 22:22:00 -
435:
NN
愛する人を守るため 自分の中の何かを捨てなくちゃいけない時があるはずだ 愛ちゃんはきっとそうだったはず 体を張って この男を守ろうとしたんだ「僕からみたらあんたの方がよっぽど汚いよ。彼女のこんな気持ちもわからにで!愛ちゃんに謝れ!!」「何だよお前!!」タカシのパンチが頬に飛ぶ。「きゃー!!」愛が悲鳴をあげる。「愛ちゃんに謝るまで僕、殴られ続けてもいいよ」「何だよお前頭おかしいんじゃねぇの」
2005-11-27 22:24:00 -
436:
NN
頭がおかしい それって正しい気がするよ 僕は愛ちゃんにあっておかしくなった 急にどきどきしたり 金だと思ってた気持ちにいつしか金って文字が消えて愛するって気持ちを覚えたんだ ホスト失格なのかな 感情で動いてしまう僕は ホスト失格なのかな だけど 人として 人でいたいから 僕はホスト失格といわれたって構わない だって守りたいものがあるんだから
2005-11-27 22:26:00 -
437:
名無しさん
しぉり????
2005-11-27 22:37:00 -
438:
名無しさん
?しおり?
2005-11-27 22:39:00 -
439:
NN
477さん 478さん しおりしてくださってありがとうございます(^^)
2005-11-27 23:25:00 -
440:
NN
「やめて!!やめてタカシ!!」愛はタカシの腕を掴む。タカシはフっと笑った。「まぁせいぜいホストと遊んどくんだな」そういうと、タカシは笑いながら路地から消えていった。すぐに愛は倒れこんだアリスの背中をさする。「大丈夫!!??ねぇ大丈夫、アリス!!」「うん..」そう返事するアリスの唇が切れている。血が流れ出す。愛はカバンからティッシュを取り出す。
2005-11-27 23:26:00 -
441:
NN
「あたし、あの日カムプリに行ったのは何でだろうって、最近思ったの。同じ職場の女の子にも、ホストに通ったりしてる子はいたわ。だけど、あたしはホストなんか絶対行かないって思ったの。だけど、あの日、タカシやうちの両親やらに、風俗してることがばれて..大騒ぎになって、もう帰ってくるなって勘当されたわ。その日の深夜、行く場所もなくってただフラフラして歩いてたの。もう死んでしまおうかとも思った。その時、そうだ、ホストいこうって思った。無駄なお金なんだし、一気に使い果たそうと思った。どうせホストもそれが狙いなんだしって思ったの。ハッキリ割り切れてるし、気持ちがいいと思ったの。」
2005-11-27 23:28:00 -
442:
NN
そういうと、愛は小さな声で、つぶやく。「だけど、だけど、アリス、あなたみたいなホストがいったから、あたしは」愛は瞳から涙を流す。ひとつ、またひとつ、愛の頬を伝う。「アリスが最初にあたしにいった言葉が忘れられないの。明日があるから、明日があるってことは明日に希望があるかもしれないってことじゃんっていったよね。その言葉聞いたとき、あたしまだやり直せると思ったの」あふれ出す涙が止まらないように、愛は話し続けた。アリスは、そっか、とつぶやく。
2005-11-27 23:29:00 -
443:
NN
「何だかね。僕..今まで何かこう、人に何か伝えたりするのって馬鹿らしいって思ってたんだよね。どうせわかってもらえないし、誤解されるくらいなら何も伝えなかったらいいんだって。」「うん、うん」アリスの唇をティッシュで拭きながら、愛はうなずく。「だけど、何かいま、思ったんだ。口に出さないと伝えられない気持ちがあるんだって。僕、愛ちゃんが好きみたい。」「アリス。もう、もういいから..」「泣かないでよ。僕まで悲しくなるんだ。」「違うの、違うの、悲しくないの。私も今知ったの、涙って悲しい時だけに流れるものじゃないんだって。人を好きだっておもったときも流れるものなのね」
2005-11-27 23:30:00 -
444:
NN
抱きしめたら愛ちゃんの「何か」が伝わってくる気がした。人は抱きしめあうことで、人を感じ人を愛し人を想う。なんてかっこつけた言葉だなと思った。だけど今は愛ちゃんを感じて、愛ちゃんを愛して、愛ちゃんを想ってる自信があるよ。誰よりも、きっと誰よりも。これからも、ずっと。
2005-11-27 23:31:00 -
445:
?
雷くんのシーンもよかった?でもアリスのもいい?
2005-11-27 23:44:00 -
447:
マリナ
???ヶ゙?ヶ゙??
ぅゎァ〜ん??ぃぃ話ャァ?胸がキュィーン?ってなるぅ-?ホンマ胸ぅたれるゎぁ??
涙ゎ人を好きって思った時に流れるっての、めっっっちゃよく分かる??そのとーりです???????2005-11-28 05:08:00 -
448:
名無しさん
?
2005-11-28 07:02:00 -
449:
なきほ
おひさデス(^O^)すごい良かったよぉ!!頑張ってね
2005-11-28 10:29:00 -
451:
名無しさん
?しおり?
2005-11-28 11:03:00 -
452:
名無しさん
大好き?
2005-11-29 03:15:00 -
454:
NN
■舞台は用意されてた 同時に終幕も用意されてた もう この街を振り返ることはしない 二度と まるで打ち上げ花火。その言葉がピッタリだった。カオルさんはTVや雑誌に連日現れた。「カオルー最近、いつにもまして絶好調だな」雷さんが微笑むと「当たり前やん。氷咲カオルはいつでも絶好調や」と笑った。だけどカオルさんはどの雑誌を見ても同じ笑顔で微笑むんだ。他の表情は見せないんだ。それはまるでカオルさんが残した「遺書」みたいだった。微笑むカオルさんはきっと、「氷咲カオルの終わり」を告げていたんだろう。 大きく咲いて、散り際は静かに。誰も気がつかないうちに、静かに夜の空を散っていく。
2005-11-30 00:19:00 -
455:
NN
俺がどんなに体を痛めても 苦しんでもがいても No1になりたかったのはカオルさんに勝ちたかったから カオルさんを尊敬していた だから、勝ち上がってカオルさんの横に並びたかった カオルさんがいてこその俺のホスト人生だった だから もしカオルさんが消えてしまったのなら 俺は同時に夢を失ってしまうんだ
2005-11-30 00:20:00 -
456:
NN
その日、深夜2時に俺は出勤した。いつもと何も変わらないはずだった。バックルームに入ると、雷さんが血相を変えた顔で俺の肩を叩いた。「彩人、カオルから何か連絡とか、なかったよな」「え?ないですけど」俺が驚いた顔をすると、雷さんは小さな声でつぶやいた。「カオル、携帯突然解約したみたいで、繋がらないらしいんだよ。俺も今カオルのお客さんから聞いたんだけど」カオルさんが携帯を解約?「マジですか?」「そうなんだよ。それに今日まだ来てないし、あいつ無断欠勤なんて一度もないのに、何かあったんじゃないかって心配になってさ」
2005-11-30 00:21:00 -
457:
NN
そりゃあ雷さんが心配する気持ちはわかる。2時といったらカオルさんがもう出勤している時間だし、携帯が解約されてるなんておかしい。俺は自分の携帯からカオルさんに電話をかける。−お客様のおかけになった電話は 現在使われておりません 「本当だ..」俺はモヤモヤした気持ちのまま仕事につく。カオルさんの客が何度も来たけど、雷さんが今日は欠勤してて、と話していた。
2005-11-30 00:22:00 -
458:
NN
その日の8時過ぎ、店はクローズし店内には酔って寝転んでるホストがたくさんいた。いつもと変わらない朝。ただその中にカオルさんがいないだけ。「今日カオルちゃんどぉしたんだろぉねっ」アリスが俺の顔を覗き込む。「携帯も解約されてるみたいだし、何かあったのかなとは思うけどな」彩人が返事をするとアリスは夜逃げしたとか!と笑った。あのカオルさんが無断欠勤。突然の携帯解約。
2005-11-30 00:24:00 -
459:
NN
ホストの情報が書かれた携帯サイトを見ると、「カオル携帯解約されてる!」「メールがエラーで返ってくるんだけど、カオル飛んだの?」「飛ぶわけないじゃんあんなに売れてるし今日発売の雑誌もバンバン出てるし」「雷ちゃんが今日は休みってゆってたよ」「でも雷ちゃんどもってなかった?様子おかしいし」と、すでにカオルさんの客が書き込んでいて、大騒ぎになっていた。
2005-11-30 00:25:00 -
460:
NN
「俺、今からカオルさんちいって様子を見に行くよ」ソファから立ち上がると「彩人、俺も行く」と、雷さんが同時に立ち上がる。歌舞伎町からタクシーで15分。その距離にカオルさんのマンションはある。そういえばストーカーに悩まされてうちに泊まったことがあったけど、カオルさんのマンションに来たのは初めてだった。雷さんも、「今まで1回しか行ったことねぇんだよなぁ。あいつ、秘密主義だから」とタクシーの中でつぶやいた。
2005-11-30 00:26:00 -
461:
NN
車の中では原田さんが好きなやたらにうるさいヘビロックがかかる。仕事終わりの体にガンガン、ロックの音が耳を責めてくる。原田さんはそれに気がついてか、音を消す。「カオル、会えました?どうなってました?」助手席に座った雷さんが原田さんの顔を見る。すると渋い顔をした原田さんの表情がミラー越しに写る。「いや、それがマンションの部屋、昨日で引き払われてたみたいなんだよ。あの部屋にはカオル、もう住んでないみたいだ。」その言葉を聞いた瞬間、言葉を失った。
2005-11-30 00:28:00 -
462:
NN
部屋が引き払われて 携帯が解約されて 今日の無断欠勤 これじゃあカオルさんは飛んだみたいじゃないか。動揺する俺と雷さんを横目に、原田さんはつぶやく。「大変なことになったな。No1が飛ぶとなると..」
2005-11-30 00:29:00 -
463:
NN
俺は家に戻り、今日発売のホスト雑誌を手に取った。カオルさん。一体どうしたっていうんだ。何でこんな突然消えたりするんだ。俺はその日、カオルさんが載った雑誌を全部読み返して、カオルさんの歴史をたどったけど、答えに辿り着くことはできなかった。
2005-11-30 00:32:00 -
464:
名無しさん
?しおり?
2005-11-30 00:45:00 -
465:
名無しさん
めっちゃ気になる?
2005-11-30 01:00:00 -
466:
マリナ
主サンいつもご苦労様デス?
ってか続きがスゴィ気になる???気になりスギて今日ゎ寝れなぃょぉ???もぅすぐ完結かぁ…。淋しぃ気がスル?でも頑張って下さぃ???2005-11-30 03:48:00 -
469:
名無しさん
?あげ?
2005-11-30 23:07:00 -
470:
名無しさん
?しおり?
2005-11-30 23:47:00 -
471:
名無しさん
風俗やって平気な子なんていない あんたのためだから 頑張れたんだよ 誰かのために何か捨てなきゃいけないときがある ありすのことばすごい感動しました。
2005-12-01 02:56:00 -
473:
名無しさん
?
2005-12-02 00:06:00 -
474:
NN
感想ありがとうございます。なかなか更新できなくってごめんなさい(^-^:)読んでいただいていることが励みになります!!ありがとうございます!!
2005-12-02 00:41:00 -
475:
NN
■カオルさんが去って1週間がたった。店内は以前の活気がなくなり、空席が目立つ日が増えた。同時に「無責任だ」と腹を立てながら、心配した表情を繰り返す雷さんに、ずっと無表情を続ける原田さん。何だか店が音を立てて傾いている気がした。だからこそNo2ががんばらなくては そう思うのが普通だ。だけど俺は放心状態だった。
2005-12-02 00:42:00 -
476:
NN
「ヤク中になったみたい」「オンナと心中した」「不治の病で入院した」「原宿で10キロぐらいやせたカオルを見た」「ノイローゼみたいになってた」ネットの掲示板には色々な書き込みが分単位で更新されていたけど、真実は闇に葬られたままだった。カオルさんがいなくなり、2週目を迎えた頃、カオルは飛びました、といわんばかりにカオルさん客のみメインチェンジが可能になった。
2005-12-02 00:43:00 -
477:
NN
「カオルちゃんのパネル、はずすらしいよ。」アリスが俺のスーツのすそを引っ張る。「え」俺が入口近くのパネルに顔を向けると、原田さんがカオルさんのパネルをはずしていた。パネルの中で微笑むカオルさんが、この店に別れを告げている気がした。「彩人、お前が今日からNo1だ」カオルさんのパネルを片手に持った原田さんが、俺の肩を叩く。肩を叩かれた瞬間、ズシンと重く何かが俺にのしかかる。
2005-12-02 00:44:00 -
478:
NN
何でだよ 俺はずっとNo1になりたかったんだ 願ってもない夢 やっと叶ったんじゃないかやっとNo1だよ やっと夢見た No1になれたんだよ ちっとも嬉しくないNo1になったんだ「カオルさん、勝ち逃げしやがって..」何だよ、こんなNo1なんてちっとも嬉しくない。俺は何のために今まで頑張ってきたんだよ。カオルさん、遠くから見てるなら何かゆえよ。俺がNo1やっていって、ただいまっていって帰ってきてくれよ。
2005-12-02 00:45:00 -
479:
NN
カオルさんは、まるでそこにカオルさんが最初からいなかったかのように、忽然と姿を消した。氷咲カオルという人間は本当に居たのか? 氷咲カオルというホスト自体、この歌舞伎町が生んだ夢物語に思えた。
2005-12-02 00:47:00 -
480:
NN
「カオルさん抜け」から、店は一気に従業員を増やし、活気を取り戻そうとしていた。だけど、俺はNo1になってからやる気を全く失った。実際No1の俺とNo2のリョウタとの売り上げの差は3倍以上あって、誰も後ろから追いかけてこない、誰も追い越す人がいない。月の前半に今月の目標売り上げを稼いで、あとは適当にダラダラ営業、という日が続いた。
2005-12-02 00:48:00 -
481:
NN
「また彩人は無断欠勤か」雷はバックルームで、出勤表を見ながらため息をつく。「だって彩さんもう売り上げ達成してるじゃん!先月だって何だかんだで手取り500万近くとってるんだし、やることやってるんだしさぼったっていいじゃん!」イライラする雷を横目にアリスは大きなあくびをする。「お前なぁー…。やっぱりカオルがいなくなって一番衝撃をくらったのは彩人だよ。あいつカオルがいた時はあんな熱心に毎日体ひきずってまできたじゃねぇか?それが今は二日酔いが残ればこない、シャンパンが空いても自ら飲まないでヘルプと新人に飲ませる。あいつはやる気がない」ため息ばかりが溢れる。客足は戻ってきたが、彩人のやる気は一向に戻ってこない。
2005-12-02 00:48:00 -
482:
NN
「しょーがないじゃん、彩ちゃんはカオルちゃんに片思いしてたんだからさぁ」「片思いって..アリス、お前気持ち悪いこというなよ。俺らは仕事してんだよ。恋愛とは違う。」そういうと雷は、ポケットから胃腸薬を取り出す。そしてコップの水をグイっと飲み干す「仕事も恋愛も根っこは一緒だよ。どれだけ一生懸命になれる相手がいるかいないか。それで変わるんじゃない?」「アリスー、指名だー」店内から声が聞こえる。「はーい!雷、あんま考えるとはげるよ!」そういうとアリスは、席に急いで走っていく。
2005-12-02 00:49:00 -
483:
NN
何だあいつも結構大人になったじゃねぇか。雷は心の中でつぶやく。あいつが俺の教えた新人で一番、俺に似てるのかもしれない。仕事も恋愛も根っこは一緒 どれだけ真剣になれる相手がいるか、いないか それで変わる確かにな。お前のいうことも一理あるよ。
2005-12-02 00:50:00 -
484:
名無しさん
?
2005-12-02 01:24:00 -
485:
名無しさん
心中て何??
2005-12-02 01:28:00 -
487:
マリナ
更新待ってました??
続きガめちゃ気になる??カォル???ァリス???笑2005-12-02 04:44:00 -
490:
名無しさん
心中とは
複数の人間が共に自殺すること。ある仕事や団体などと運命を共にすること。情死2005-12-02 11:06:00 -
491:
名無しさん
心中もしらんの‥?
2005-12-02 11:44:00 -
492:
名無しさん
?
2005-12-02 14:50:00 -
495:
これ
おもろいけど暗い、、、、読むと病む小説いちばん
2005-12-03 04:19:00 -
497:
名無しさん
カニなる
2005-12-03 08:17:00 -
498:
マリナ
ぁげっ?
2005-12-04 02:04:00 -
499:
名無しさん
?
2005-12-04 04:17:00