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♂2nd♀
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1:
麻衣
『いやや。行かんとって。ずっとココにおったらいいやん』
宮原 麻衣、20歳。
彼氏は32歳、既婚者。2006-06-23 11:02:00 -
89:
「まだ夜やってんか?てか酔ってる?乗りや。」
淡々と喋る彼に何も言えない。フラッシュバックのように蘇る彼と過ごした時間。
脳裏に駆けるタツキの顔。
「い、い。歩いて帰る。家すぐそこやし!」2006-08-17 00:02:00 -
90:
「ええから乗れ。話したい事もあるし。すぐ送るし」
タツキの顔が頭から離れなかったが、神妙な顔の彼になんとなく逆らえず、助手席に乗り込んだ。
…これが間違いだった。
ごめんな、タツキ。2006-08-17 00:05:00 -
91:
車は家から10m程手前にある街灯もない暗い路地に停車した。
「話て何?」
「何じゃないねんけど。いきなり連絡とられへんなるし、何?て聞きたいのはこっちやし」
彼は目も合わさずに淡々と喋り続ける。2006-08-17 00:09:00 -
92:
「…ゆうたやんか。もうしんどいって…「やり直したい。嫁さんとは今別居してる。離婚も考えてる。俺には麻衣が必要やねん」
あたしの話を遮って彼が撒くし立てる。
“離婚”…。
重苦しい2文字が頭の中をぐるぐる回る。必要って…そんなん…今更…2006-08-17 00:13:00 -
93:
「…麻衣、今彼氏いてるし。」
「そんなん関係ないしな。てか奪うし。俺は勝手にするし、あとは麻衣が決めればええんちゃう」
今までにないふてぶてしい彼の姿に戸惑った。
「勝手な事ゆわんといて。麻衣の彼氏バリ優しいしな、麻衣を1番に考えてくれるねん。シュンの時みたいに寂しい思いも後回しにされる事もないし。」
言っていて少し虚しくなった。寂しい思いも、後回しにされる事も、今はタツキにされている。あたしは思い付く限りのタツキの良い所を言いまくった。2006-08-17 00:26:00 -
94:
「嘘つくなや。これはなんやねん」
腕時計をした左手をシュンに思いっきり引っ張られた。少しゴツめのgucciの時計。タツキからのプレゼントだった。
その下に隠されていたのは、何本ものためらい傷。
━あたしは、辛さから逃げる為に、いつからか、リストカットを覚えていた。2006-08-17 00:30:00 -
95:
「幸せならこんなんしやんやろ。」
冷たく言い放つ彼と目を合わせられない。
「違うねん…コレは…」
「辛いんなら辛いって言えや。腕もアザだらけやんけ。強がりもいい加減にしろや!痛々しいねん!」
タツキはキレるとあたしを殴っていた。二の腕とお尻、太股には紫のアザが無数にあった。仕事の時はスト‐ルやカ‐ディガンで隠していた。2006-08-17 00:35:00 -
96:
目頭が熱くなる。堪えていた涙が頬を伝うのがわかる。
なんであんたはいつもそうやって、あたしの全部を見透かすん。なんでそんなあたしを見てるねん。
誰も気付かなかった。手首の傷も、アザも…。誰にも言えなかった。“辛い”も“痛い”も。2006-08-17 00:39:00 -
97:
酔いも手伝ってか、あたしは子どものようにワンワン泣いた。
付け睫が取れて、マスカラが落ちて頬が真っ黒になりながら、左手をシュンに捕まれたまま、泣いた。
窓ごしに、目を背けたシュンが泣いているのが微かに見えた。
「ほんまは辛いねん。痛いねん…。大事にされとったはずやねん…。麻衣は彼氏の1番やったはずやねん」
ワンワン泣き喚くあたしを、シュンは力いっぱい抱き締めた。「俺がおるやん」と呟きながら、シュンは何をするわけでもなく、ただ抱き締めて一緒に泣いてくれた。2006-08-17 00:46:00 -
98:
━浅はかだったと、今になって思う。
誰かにすがりつきたい一心で、甘えるべき相手を間違えた。
その日は何もせず、あたしが泣きやむのを待って自宅に送ってくれた。
残るのはシュンの温かさと、タツキへの罪悪感。2006-08-17 16:07:00