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一番星に恋をする
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1:
叶
「あ!一番星!」
夕方の空に星が輝く。
小さい頃母と見た一番星。横を見ると母は優しく微笑んだ。その瞬間が大好きで一番星を見つけるととても幸せに感じたんだ。
だからきっと私はアナタに恋をした。2006-05-22 00:21:00 -
50:
叶
「…わかった」
5時に約束して電話を切った。出かける準備をして5時すぎにミナミに行くとタツヤはすでに待っていた。マクドに入り席に座る。重苦しい空気に耐えれなくなって話を切り出した。2006-05-22 04:34:00 -
51:
叶
「電話でも言ったけどやっぱり無理。」
『なんでなん?他に男できた?俺の事嫌いなったん?』
「違うで。ただ恋愛感情がなくなってん。」2006-05-22 04:38:00 -
52:
叶
タツヤは黙ってしまった。私は「ごめんな」って言って席をたった。初めから別に好きじゃなかった。でもタツヤの押しに負けて付き合った。でもめっちゃ尽くしてくれるタツヤを見てると辛くなって別れようと思った。
2006-05-22 04:42:00 -
53:
叶
『嫌や!なんでやねん!こんなん納得いかへん!』
ひっかけを渡ろうとするとタツヤが追い掛けてきて引き止められた。
「しょうがないやん、気持ちないのに付き合ってても意味ないやろ?」2006-05-22 04:44:00 -
54:
叶
『男できたんやろ?!正直言えや!』
「はぁ?!違う言うてるやんけ!離せや!」
タツヤの手を振りほどいた。その瞬間タツヤがキレた。2006-05-22 04:48:00 -
55:
叶
ガッ…!
タツヤはグーで私の顔を殴った。私は壁にぶつかって何が起こったか急いで整理した。左頬がジンジンする。クチの中が切れて少し血が出た。
‘殴られた’2006-05-22 04:52:00 -
56:
叶
「…ったいんじゃボケぇ!」
キレた。タツヤの胸ぐらを掴んで殴り返す。タツヤもやり返そうとしてきたから足を思いっきり蹴った。一瞬動きが止まった隙に更に顔面を殴ろうとした。2006-05-22 04:57:00 -
57:
叶
『叶!!』
誰かに名前を呼ばれて我に返った。
『お前何してんねん!』
「ユウ‥キ君?」
気が付くと周りは野次馬だらけやった。2006-05-22 05:01:00 -
58:
叶
「ヤバ…」
私は薄ら笑いを浮かべた。その瞬間ユウキ君が私の腕を引っ張った。何が起きたかわからず振り向くとタツヤがうずくまっていていた。
タツヤが後ろを向いている私に殴りかかってきたからユウキ君は私をかばってタツヤを蹴り飛ばしたんだ。2006-05-22 05:08:00 -
59:
叶
『なんか知らんけど女に手あげるんはやめとけ!』
ユウキ君はタツヤに怒鳴ると私の手を引っ張ってスタスタ歩いていく。
「ごめん…」
何も言わないユウキ君に謝った。2006-05-22 05:12:00 -
60:
叶
ユウキ君は急に立ち止まるとこっちを見て爆笑しだした。
「はっ?なによ?」
『お前あんなとこでケンカすんなよ!しかも相手男って!それより弱冠お前のが強かったんが一番笑ける!』2006-05-22 05:16:00 -
61:
叶
笑い続けるユウキ君を見てるとなんかおかしくなってきて私も笑った。
『とりあえずお前顔冷やした方がええんちゃう?殴られたやろ?』
ユウキ君はコンビニでタオルを買うと、それを濡らして私にわたした。2006-05-22 05:21:00 -
62:
叶
「あ〜、ちょっと青タンできてるし↓」
『べっぴんやのに可愛そうに☆』
「まぁええわ。さっきありがとうな、でも一人でも勝てたから」
『そうやろな!ワラでもポリ来そうやったからな』2006-05-22 05:25:00 -
63:
叶
『なんでケンカしたん?』
私がユウキ君に事情を話すとユウキ君は『男キモイな。』と笑った。
「とりあえず帰るわ、こんな顔で仕事できひんし。」
『そやな!客もドン引きしてまうわな☆』2006-05-22 05:30:00 -
64:
叶
お父さんは何回も学校に呼び出しされてそのたびに私を軽蔑の目で見た。
お姉は私が妹である事を恥だと言った。
でもどうでもいい。家族なんか他人と一緒。簡単に裏切るんやから。2006-05-22 05:40:00 -
65:
叶
イライラする。きっと夢のせいや。思い出したくない。なんで今になってこんな夢見るんやろ…。
〜♪
ユウキ君からメールやった。
『大丈夫かぁ?今日はゆっくり休みや☆』2006-05-22 05:47:00 -
66:
叶
「変な子やなぁ…」
能天気なユウキ君のメールを見るとなんか笑えた。そのまま眠ってしまった。2006-05-22 05:50:00 -
67:
叶
なんでかな…?私はいつも笑っていたハズやのに心は真っ黒で不安とイライラが消えなかった。
誰にも気付かれたくなかった。だから私は心に鍵をかけた。
気付いたのはアンタやった…2006-05-22 05:54:00 -
68:
叶
『叶ちゃん、お母さんは叶ちゃんが世界で一番だぁい好き』
やめて…
「叶もお母さん大好き」
違う、大嫌い‥
『叶ちゃんがおるだけでお母さんは幸せやねんで』2006-05-22 05:58:00 -
69:
叶
「いやや!嘘つき!」
あれ…あ‥また夢か…
「もうええってマジで…」
腕を顔に乗せてつぶやいた。
〜♪2006-05-22 06:02:00 -
70:
叶
着信 ユウキ
「はい」
『モ〜ニングコールですよ〜♪そして顔大丈夫か?!』
「寝起きにそのテンションきついな。ワラ」2006-05-22 06:05:00 -
71:
叶
嘘。ホンマは能天気なユウキ君に救われた。
「てかまだ昼前やん。こんな時間に起きて何してんの?」
『俺今日は昼の仕事やもん♪』
「昼の仕事?スカウトだけ違うん?」2006-05-22 06:10:00 -
72:
叶
『スカウトだけでもいいねんけど男って浮気性やん?だからたまには違うもんも味わってみたいってゆうか〜♪』
「はいはい。で?仕事中じゃないん?」
『今休憩☆てか今日2時ぐらいまでやねん』2006-05-22 06:15:00 -
73:
叶
「そうなん?良かったやん」
『とゆう事で3時にミナミ集合な☆バイバイ♪』
プツっ…
「はぁ?」
3時にミナミ?なんでいきなりそうなんねん…2006-05-22 06:18:00 -
74:
叶
わけもわからずとりあえず用意した。ユウキ君の行動はホンマに理解できひん。でもなんかわからんけどワクワクした。
毎日淡々と過ぎていく日々にユウキ君は風を送ってくれた。2006-05-22 06:21:00 -
75:
叶
大阪に来てから太陽が昇ってる時間に外に出るなんてほとんどなかった。
「眩し…」
気分的に電車に乗ってミナミまで行った。ミナミに着く直前にユウキ君からメールが来た。2006-05-22 06:28:00 -
76:
叶
『御堂筋側の道頓堀やで☆』
自己中全開やな…
『おはよう☆ちゃんと遅れんときたやん♪』
「うるさいわ!てか何すんの?」
『とりあえずコンビニで弁当買う♪』2006-05-22 06:32:00 -
77:
叶
なんで弁当…?大丈夫かコイツ‥
あれやこれや言いながらユウキ君はお弁当を決めてお茶も買ってコンビニを出た。
『よし、行くぞ!』2006-05-22 06:35:00 -
78:
叶
混乱する私を無視してユウキ君はスタスタ歩いていく。
「ちょぉ、どこ行くん?」
『散歩!』
「はぁ?」
『ええからええから』2006-05-22 06:38:00 -
79:
叶
ブツブツ文句言いながらついていったけどホンマは楽しかった。なんやろな?小さい頃って探険とか秘密基地とかドキドキするやん?あんな感じ。理解不能なユウキ君について行くとなんかおもしろい事がありそうでワクワクした。
2006-05-22 06:42:00 -
80:
叶
「うわ…きれい‥」
木造の階段があってそこから川が見れる。
『ここええやろ?俺この前見つけてここでのんびり弁当食いたかってん☆』
「こんなとこあるなんか知らんかった!」2006-05-22 06:47:00 -
81:
叶
興奮する私にユウキ君は楽しそうに笑った。
階段に座って二人でお弁当を食べる。「なんか遠足みたい」って言うと『ガキ扱いすんな!』とユウキ君はすねた。2006-05-22 06:50:00 -
82:
叶
お弁当を食べてダラダラしゃべっているといつのまにか夕方になっていた。
『もう夕方やん☆冬の太陽は根性ないなぁ』
「根性とかゆう問題じゃないと思う」
『例えやろ!』
「そんな例えいらんわ」2006-05-22 06:52:00 -
83:
叶
夕焼けをちゃんと見るのはいつぶりやろう…。見るのが恐くてずっと避けてた。夕方の空は私の記憶を蒸し返す。
マズイと思った。だってユウキ君が言った言葉は私の閉じ込めてたモノに触れたから。2006-05-22 06:59:00 -
84:
叶
『あ、一番星みぃつけた♪』
何かに引っ張られるような感覚に襲われた。
‘叶ちゃん’
‘叶ちゃん大好きよ’
‘叶ちゃん、一番星やで’2006-05-22 07:03:00 -
85:
叶
「お母‥さん…」
『え‥?叶?』
うつむいた私にユウキ君は手をのばした。
「いやぁぁあ!」
私は悲鳴をあげてユウキ君の手を払い除けた。2006-05-22 07:09:00 -
86:
叶
『なんやねん‥なんで泣いてるん?叶?』
泣いてる?ああ…なんか目から流れてる。私泣いてるん?
「ははっ…ホンマや、なんで泣いてんねやろ‥ごめ…っ」2006-05-22 07:13:00 -
87:
叶
『お前なんかあったんか…?』
誰にも気付かれたくなかった。だから心に鍵をかけた。夕方の空を見なくなった。見なければ思い出さずに済むから。2006-05-22 07:17:00 -
88:
叶
見ないで見ないで見ないで。誰も私の心に触れないで。苦しくなんかない。悲しくもない。まだ笑える。私はまだ大丈夫。一人でも恐くない。私はずっとそうやってうまく生きてきたんだ。ずっとずっとそうやって…
でも‥いつまで続くの?2006-05-22 07:24:00 -
89:
叶
ホントはどこかで思ってた。
‘誰かたすけて’
私の中には爆弾がある。2006-05-22 07:26:00 -
91:
叶
「あ‥一番星…」
私は夕方の空に光る星を指差して言った。ユウキ君はキョトンとした顔で私を見た。
「叶の小さい頃の口癖やってん…」2006-05-22 07:39:00 -
92:
叶
私はお母さんが大好きやった。お母さんの後をいつもチョコチョコくっついてまわってた。優しくて大好きなお母さん。
‘叶ちゃん’って呼ばれるたび私は暖かい気持ちになった。2006-05-22 07:44:00 -
93:
叶
お母さんはよく歌を歌ってた。シャボン玉の歌やお母さんの歌。
私はいつもそれを嬉しそうに聞いていた。
小学校から帰ってくると雨の日以外は二人で散歩をした。2006-05-22 07:48:00 -
94:
叶
夕方の真っ赤な空を二人で眺めるのが好きやった。
「あ!一番星!」
私が一番星を見つけるとお母さんは『叶ちゃんは一番星好きやなぁ』って言って私の頭をなでた。その時のお母さんの優しい笑顔が大好きやった。2006-05-22 07:52:00 -
95:
叶
歌が好きなお母さん。
ケーキを焼くのが好きなお母さん。
‘叶ちゃん’って呼ぶお母さん。
優しく頭をなでるお母さん。2006-05-22 07:55:00 -
96:
叶
大好きな大好きなお母さん。
でもお母さんはある日突然死んでしまった。
いつだったかお母さんは私に言った。
『もしお母さんが死んだらお母さんは一番星になる‥そしたら叶ちゃんは絶対見つけてくれるやろ?』2006-05-22 07:58:00 -
97:
叶
その時のお母さんはいつもと違って悲しそうやった。
私はまだ小さかったからなんでお母さんがそんなん言ったんかわからんかった。でもお母さんが死んでから私は一番星を見つけるのをやめた。
思い出したくなかったから。2006-05-22 08:02:00 -
98:
叶
「だから夕方の空は嫌い…一番星が嫌い」
ユウキ君は私の話を黙って聞いていた。
『俺の名前な、ユウキやねん♪』
ユウキ君が突然クチを開いた。2006-05-22 08:07:00 -
99:
叶
「‥知ってるけど…?」
『漢字どう書くかわかる?』
「わからん‥」
『夕方に輝くって書くねん』2006-05-22 08:10:00 -
100:
叶
「…」
『オトンがな、俺が生まれる時何もできひんもどかしさでせめて祈ろうと思ったんやって。それがちょうど夕方で夕焼けの中に一つだけ星光っててその星に祈っててんて。だから無事生まれた事をその星に感謝して夕輝ってつけたらしい。だから俺は夕方の空が一番好きやねん。』2006-05-22 08:22:00