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お兄ちゃんが好き。 part ?

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  • 1:

    お兄ちゃんが好き。part ?
    http://bbs.yoasobiweb.com//test/read.cgi/yomimono/1117473268/1-5

    2005-06-13 03:45:00
  • 31:

    『典子先輩おはようございまっす!』

    午前11:00。
    あたしの目の前に秋吉携碁が現れた。
    『……あんた……私服ハデすぎじゃない?』
    ピアスやらアクセやらじゃじゃら、かなりの腰パン、しかもスカジャン。ヤンキーかよ?!あたしは、秋吉のあまりのファッションセンスに突っ込んだ。
    『そーっスか?あ、典子先輩は私服のほーが大人っぽいっスね!』
    …ちょっと待って……こんな、ハデな奴と兄貴の学祭行くの?!あたしまで目立つじゃんか?!!
    ハァ―――ッ………
    あたしは溜め息をついた。今日は祭日。駅前はかなりの人ゴミだ。

    2005-06-14 03:25:00
  • 32:

    『俺らカップルに見えてたりして!』
    『やめてよ。本気で迷惑だから』
    あたしはなるべく秋吉から離れて歩いた。

    秋吉が、切符を買いに並ぶ中、あたしは兄貴の大学までの駅の数を数えていた。
    ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、ななつ、やっ………。
    『じゅ…じゅうに?!』
    そんなに長い間、こいつと電車に乗るわけ?!
    ハァァァ―――ッ……
    …あたしはさっきよりもデカイ溜め息をついた。

    2005-06-14 03:27:00
  • 33:

    プルルルルル―――
    『先輩早く!』
    『ちょ…!あたしヒールだから走れないってば!』
    あたしは秋吉に手を引っ張られながら電車に乗り込んだ。
    …と、同時にドアが閉まった。
    『間に合ったぁ〜ッ』
    あたしと秋吉は、安堵の息を漏らした。
    電車は満員で、かなりギュウギュウ詰め。よく見ると若い奴らが多い。

    2005-06-14 03:29:00
  • 34:

    『…こいつら、全部兄貴の学祭行くやつらッスかね?』
    秋吉が、あたしの耳元で囁いた。
    『ちょっと。耳元でしゃべらないでよ』
    『この人口密度で、んな無茶な!』
    秋吉とあたしの体はかなり、密着していた。

    …あ………。

    あたしは、ある重大な事実に気付いてしまった。
    『秋吉。あんた、何の香水つけてる?』

    2005-06-14 03:30:00
  • 35:

    『へ?ブルガリブルーッスけど』
    秋吉が、あたしの唐突な質問にキョトンとして答えた。
    …………やっぱり。
    《兄貴と同じ香水だ――》

    『典子先輩は、グッチですよね』
    『…え?何でわかったの?』
    『俺の前の女と同じだからすぐわかったッス』
    そう言って秋吉は、あたしの顔の近くでニッコリ笑った。

    2005-06-14 03:31:00
  • 36:

    『…あれ。そーいやあんた、彼女いないの?』
    あたしは、フッと秋吉に言った。
    『居ますよ。付き合ってもう2年っス』
    『へぇ…』
    ……興味ないけど。
    ……ん?じゃあ何で彼女じゃなくあたしを誘ったんだ?
    『あ、典子先輩今ガッカリしたでしょ??』
    『はぁ?!』
    『残念!俺は彼女一筋なんで、俺を狙っても無駄ッスから♪』
    ………こ…こんガキャ…………!!!

    2005-06-14 03:32:00
  • 37:

    『誰があんたみたいなクソガキ狙うか!あたしは年上タイプなの!!』
    あたしは、思い切りそっけなく言い返してやった。

    『またまたぁ〜。あ、でも典子先輩が痴漢に合ったりしたら俺、全力で守ってあげますよ♪俺ケンカには自信あるッスから♪』
    ……………ガキ………。
    ガキは無視しよう。

    ――――そう、なんだかんだ言ってるうちに、兄貴の大学の駅についた。

    2005-06-14 03:33:00
  • 38:

    扉が開いた瞬間、電車に乗っていたほとんどが下車していく。
    ……やっぱり、皆、学祭行く奴らばっかだったんだ…。
     ―――ドンッ
    『きゃっ』
    あたしは誰かに押され、人の流れに押し潰されそうになった。
    その時。
    ――――――?!
    誰かがあたしの手を掴んだ。
    『先輩!大丈夫ッスか?案外どんくさいんですね』
    秋吉があたしの手を引っ張り、人の流れから連れ出してくれた。

    2005-06-14 03:36:00
  • 39:

    『あーー!いたいた!携碁と典ちゃん!!』
    ………?!
    あたしと秋吉を呼ぶ声に、あたし達二人は後ろを振り返った。

    『てっちゃん!』
    ―――振り替えった先には、大きな木材を抱えた秋吉の兄、秋吉徹夜が立っていた。
    ……が。
    てっちゃんは眉間にシワを寄せ、妙〜な顔をして、あたしと秋吉に言った。

    『つーか…お前らさぁ。…いつの間に…そんな関係になったんだ?』

    2005-06-14 03:39:00
  • 40:

    ……………………?
    てっちゃんの目線の先が、あたしと秋吉の手元に集中している。
    『――――あ?!』
    あたしと秋吉の手が、駅を出たときからずっと、しっかりと繋がれていたのだ!
    『ぎゃ!!』
    あたしは慌てて秋吉の手から、自分の手を外した。
    『い…いつまで握ってんのよ?!』
    あたしはあせって秋吉を怒鳴りつけた。
    『いや…先輩が何もゆわないから…はは♪』
    秋吉は悪気なく笑った。

    2005-06-14 03:40:00
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